JP2000120057A - 建物基礎およびその施工方法 - Google Patents

建物基礎およびその施工方法

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JP2000120057A
JP2000120057A JP11331602A JP33160299A JP2000120057A JP 2000120057 A JP2000120057 A JP 2000120057A JP 11331602 A JP11331602 A JP 11331602A JP 33160299 A JP33160299 A JP 33160299A JP 2000120057 A JP2000120057 A JP 2000120057A
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foundation
cement
groove
sand
building
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JP11331602A
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Akira Kishi
明 岸
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Misawa Homes Co Ltd
Original Assignee
Misawa Homes Co Ltd
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Publication date
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  • Consolidation Of Soil By Introduction Of Solidifying Substances Into Soil (AREA)
  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 軟弱等の不良地盤でも十分な強度の基礎を建
設でき、作業効率および資源利用効率を高めることがで
きる建物基礎、その施工方法、および建設機械を提供す
ること。 【解決手段】 建物11を建築する地面12を掘削して
前記建物11に対応した溝13を形成し、この溝13内
の土砂にセメントを加えて平坦に突き固めて固化層14
を形成し、この固化層14の上にプレキャストコンクリ
ート基礎ブロック100を設置して建物基礎10を構築
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建物基礎およびそ
の施工方法に関し、工業化住宅などの建物の基礎建設に
利用でき、特にプレキャストコンクリート基礎ブロック
を用いて施工迅速化を図る場合などに好適なものであ
る。
【0002】
【背景の技術】従来より、住宅等の建物においては、地
面に基礎を下部が埋設された状態で建設し、その上に基
本構造となる柱梁等を組み立てている。また、プレハブ
式工業化住宅では、同様な基礎の上にパネルや箱型ユニ
ット等を組み立て、これらにより地面に確実に固定され
た建物を構築している。
【0003】このような建物の基礎としては、地面に溝
を掘り、コンクリートを現場打設し、硬化後に下部を埋
める等して形成されるものが一般的である(RC基
礎)。一方、工業化住宅等においては、予め工場施工さ
れたプレキャストコンクリート製の基礎ブロックを溝内
に並べ、接合して基礎を構成することもなされている
(PC基礎)。このようなPC基礎においては、現場で
のコンクリート硬化時間を待つ必要がないため、現場施
工時間の短縮を図ることができる。
【0004】ここで、何れの基礎においても、基礎が設
置される溝の底面には建物の大きな荷重が掛かるため、
建物の安定性を確保するためには溝底面の荷重強度が十
分に得られるようにする必要がある(地質の問題)。こ
の問題を解決するために、従来の基礎施工では、例えば
図9に示すような手順が採用されている(特開昭63−
636861号公報参照)。
【0005】先ず、図9(A)、(B)のように、可動
アーム81の先端に溝掘りに適した掘削具82(幅の狭
いバケットやショベル等)を備えた建設機械83(いわ
ゆるパワーショベルやバックホウ)を建築現場に搬入
し、現場の地面91に基礎に対応した溝92を掘る(根
切り工程)。掘り出した土砂93は近傍に積み上げてお
く。
【0006】次に、図9(C)のように、溝92内に掘
削土94を充填し、この掘削土94に地盤安定剤、セメ
ント等の固化剤95を添加する。(固化剤充填工程)。
続いて、図9(D)のように、掘削土94と固化剤95
とを十分に混合攪拌した後、この攪拌された混合土96
を建設機械83の掘削具82等によって仮転圧する(仮
転圧工程)。
【0007】仮転圧が済んだら、図9(E)のように、
混合土96と現状地盤91とのレベルを測定し、レベル
差が大きい所もしくは混合むらがある所などを作業者が
修正する(修正工程)。次いで、図9(F)、(G)に
示すように、混合土96をランマ86、ローラ87等に
よって本転圧を行う。
【0008】この本転圧終了後、レベルの再確認を行っ
たうえ、混合土96に水を散布してその含水比を調整す
る。この水の散布は固化剤94が1平方メートルあたり
100kg以上混合されていれば必要ない。このように
した後、所定の養生期間を取ることで、地盤改良が完了
する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】ところで、前述のよう
な基礎施工は、基礎を配置するところのみを地盤改良で
きる利点があるが、施工にランマー86、ローラ87等
を使用するために、施工が面倒であるという問題があ
る。また、前述のような基礎施工では、掘削土96の調
整などを人手で行う必要があり、作業効率を高めること
が難しいという問題がある(作業効率の問題)。
【0010】一方、地質の問題を解決する別の方法とし
て、地中深くパイルを打ち込み、基礎の強度を確保する
工法もあるが、杭打ち機が必要になるなど、施工の繁雑
さや建設コストの上昇につながるという問題がある。さ
らに、基礎99が現場打ちであると、この基礎99を建
設すべき部分にパワーショベル83、コンクリートポン
プ車、クレーン車等が入れ替わり接近しなくてはならな
いうえ、基礎99を形成する溝92内に作業者およびラ
ンマー86等が順次出入りする必要があり、これらの入
れ換え等が繁雑で、このために作業が中断される等によ
り作業効率が更に低下するという問題があった(器具入
れ換えの問題)。
【0011】本発明の主な目的は、軟弱等の不良地盤で
も十分な強度の基礎を建設でき、作業効率を高めること
ができる建物基礎、その施工方法を提供することにあ
る。そして、本発明は、他の目的として、各工程での作
業効率を向上でき、器具入れ換えの繁雑さを低減でき、
あるいは作業の連続性を高めることができる建物基礎の
施工方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明は、基礎施工およ
び地盤調整に関する鋭意研究の結果、不良地質の土砂で
あってもセメントの混入により固化させれば強度を確保
できる事、このようなセメント固化させた土砂は従来の
割栗石と同等の強度を確保できる事、および基礎施工に
おいて土砂とセメントの混合固化は容易に行えかつ工程
の効率化に寄与し得る事といった知見に至り、この知見
に基づいてなされたものである。
【0013】具体的には、本発明の建物基礎は、建物を
建築する地面に掘削形成された溝と、前記溝の底部に所
定厚みで形成された固化層と、この固化層の上に構築さ
れた基礎とを含み、前記固化層は前記溝から掘り出され
た土砂にセメントを加えて固化させた材質で構成されて
おり、前記溝の対向する一対の側壁面は、下方に向かう
にしたがって漸次内側に傾斜するように形成され、前記
側壁面に前記固化層が密接していることを特徴とする。
そして、本発明の建物基礎の施工方法は、建物を建築す
る地面を掘削して前記建物の基礎に対応した溝を、その
対向する一対の側壁面が、下方に向かうにしたがって漸
次内側に傾斜するようにして形成し、前記溝内の土砂に
セメントを加えて平坦に突き固めて固化層を前記側壁面
に密接するように形成し、前記固化層の上に前記建物の
基礎を構築することを特徴とする。
【0014】地面の溝の形成は、既存の掘削用建設機械
(前述したパワーショベル等)を用いればよい。この
際、ショベルの下面が比較的平坦なもの等、土砂および
セメントの突き固めにも利用できることが望ましい。溝
を掘って生じた土砂は、セメントと共に固化させるため
に溝内に残すが、必要量に応じて一部除去してもよい。
【0015】土砂にセメントを加える際には、土砂の上
にセメントを散布したのちショベルその他で攪拌しても
よいし、攪拌した土砂の上にセメントを散布して土砂の
隙間内にセメントを侵入させてもよい。さらに、土砂の
粉砕ののちにセメント散布を行い、こののち攪拌するよ
うにすれば、細かくなった土砂とセメントの混合が十分
に行われ、その後の固化に好適である。
【0016】土砂とセメントとの混合比率は、土砂の質
(含水率、砂の含有率、粒度等)に応じ、固化した際に
所望の強度が得られるように適宜調整する。
【0017】このように構成すれば、基礎を設置する溝
の底面には、土砂とセメントとの混合物が固化した強固
な層が形成されることになり、割栗石を使わなくても所
望の強度を得ることが可能となる。また、溝から掘り出
された土砂が軟弱な泥質等である場合でも、セメントの
混合比率を調整することで地盤改良による安定化が図
れ、固化層を強固に形成することが可能である。
【0018】そして、溝底部で固化して一体となった固
化層は割栗石のような沈み込みを生じないため、不良地
盤でも確実な基礎を形成できるようになる。さらに、割
栗石の敷き詰め等の繁雑作業を解消できるとともに、溝
から掘り出した土砂は固化層の形成に利用され、無駄な
廃棄を回避できるようになる。従って、このような構成
により、前述した主な目的である軟弱地盤への対応、作
業効率の向上が達成される。
【0019】ここで、前述した溝および固化層の形成に
あたっては、先ず前記地面に所定深さの溝を掘り、前記
溝内の土砂を取り出してこの土砂にセメントを散布して
攪拌混錬し、前記混錬されたセメントと土砂との混合物
を溝内に戻したうえ突き固めて固化層を形成することが
できる。このようにすれば、溝外において既存の作業に
よる容易な混錬を行うことができるとともに、溝内への
セメント土砂混合物の投入量により溝内に形成する固化
層の厚み等の調整を行うこともできる。
【0020】また、先ず前記地面に所定深さの溝を掘削
するとともに、前記掘削の際に掘削された土砂にセメン
トを散布して前記掘削と同時に攪拌混錬し、前記溝内で
混錬されたセメントと土砂との混合物を突き固めて固化
層を形成することができる。このようにすれば、溝内で
セメントと土砂の混合が行えるため、土砂を溝外へ搬出
する作業を省略でき、作業の簡略化および効率化を図る
ことができる。
【0021】さらに、先ず前記地面に所定深さの溝を掘
り、前記溝内の土砂を取り出したのち底面にセメントを
散布し、次に前記セメントが散布された底面を更に深く
掘削しつつ攪拌し、前記溝内に生成されたセメントと土
砂との混合物を突き固めて固化層を形成することができ
る。このようにすれば、二度目の掘削の際に土砂とセメ
ントとの混合が同時に行われ、この工程における作業効
率が向上されるとともに、二度目の掘削による土砂がセ
メントとともに固化する分となり、掘削深さによって固
化層への土砂の配合量を容易かつ確実に調整することが
でき、この点でも作業効率を向上することが可能とな
る。
【0022】さらに、本発明の建物基礎の施工方法は、
前記セメントの散布にあたり、前記セメントが詰められ
ていた袋を吊上げ、その下端部を切り開いて内部のセメ
ントを落下させて前記溝内に投入することを特徴とす
る。このように構成すれば、通常相当な重量を有するセ
メント袋から溝内に直接散布することが可能となり、溝
内の土砂へのセメント散布工程を効率よく行え、この点
でも作業効率を向上することが可能となる。
【0023】なお、移動散布を行う場合には、袋の切り
開きの大きさを適宜調整し、移動速度に応じた時間あた
り散布量となるように調整することが望ましい。
【0024】また、本発明の建物基礎の施工方法は、前
記突き固めた固化層の土耐力を測定することを特徴とす
る。このようにすれば、上述した掘削、攪拌混錬、突き
固めの後に、固化層の地耐力を測定することで、固化層
に十分な強度が確保されているかを確認することが可能
となり、その後、固化層の上に基礎を構築する作業をも
連続的に行うことが可能であり、これらにより作業効率
を一層構造上することが可能である。
【0025】そして、本発明の建物基礎の施工方法は、
前記基礎にプレキャストコンクリート基礎ブロックを用
い、構築した前記基礎の下部を土砂またはコンクリート
で埋め固めることを特徴とする。プレキャストコンクリ
ート基礎ブロックとしては、扁平な脚部に立ち上がり部
を有する布基礎状の断面を有するもの、あるいは単に立
ち上がり部のみのもの、独立基礎を形成する矩形ブロッ
ク等を利用することができる。
【0026】このように構成すれば、予め成形された基
礎ブロックを並べるだけで基礎形成が行え、基礎の現場
打ち施工が不要となるから、固化層の突き固め後の工程
を効率よく行うことができるようになり、基礎施工全体
としての作業効率を向上することが可能となる。
【0027】また、本発明の建物基礎の施工方法は、前
記溝の掘削工程、前記セメントを加える工程、前記突き
固め工程を同じ建設機械を用いて行うことを特徴とす
る。各工程を実行できる建設機械としては、例えば前述
したパワーショベル等を用いることができ、ショベルで
掘削を行った後、その先端でセメントの袋を吊り下げる
等してセメント散布を行い、その後ショベルの下面で土
砂とセメントの混合物を叩いて突き固める等すればよ
い。
【0028】この際、セメントの散布と突き固めの間
に、ショベルで土砂とセメントとの攪拌混合を行っても
よい。あるいは、パワーショベル等の車体にローラ状や
羽根車状等の攪拌器を設置しておき、これにより攪拌を
行うようにしてもよい。このように構成すれば、基礎施
工の各工程において使用する建設機械の入れ換えを簡略
化ないしは省略することが可能であり、従来の入れ換え
のための繁雑さを解消できるとともに作業効率の向上が
可能となる。
【0029】さらに、本発明の建物基礎の施工方法は、
前記溝の掘削工程、前記セメントを加える工程、前記突
き固め工程、プレキャストコンクリート基礎ブロックを
固化層上に設置する工程を同じ建設機械を用いて行うこ
とを特徴とする。このように構成すれば、プレキャスト
コンクリート基礎ブロックを固化層上に設置する工程に
おいても、使用する建設機械の入れ換えを簡略化ないし
は省略することが可能であり、従来の入れ換えのための
繁雑さを解消できるとともに作業効率の向上が可能とな
る。
【0030】さらに、本発明の建物基礎の施工方法は、
前記建設機械に前記各工程を処理する機構を設置してお
き、この建設機械を前記建物の基礎を設置すべき地面に
沿って走行させ、この走行の間に前記各工程を連続的に
行うことを特徴とする。各工程を処理する機構として
は、各工程に利用できる既存の機構を利用すればよく、
他の工程で利用する機構を流用してもよい。例えば、前
述したショベル等の掘削用の機構、セメント散布用の機
構(専用のホッパあるいはショベル等の流用)、土砂の
攪拌等を行う機構(専用の攪拌器あるいはショベル等の
流用)、土砂およびセメントの突き固めを行う機構(専
用のプレス装置あるいはショベル下面の流用等)を備え
ていれば良く、これらはクローラ(無限軌道)または車
輪を備えて走行可能な車体に一体的に設置されていれば
よい。
【0031】各機構は車体などに工程の順番に配置され
ていれば一回の移動で掘削ないし突き固めを行うことが
可能である。しかし、この順番に限らず、その場合には
溝に沿って何回か移動することで連続処理を行うように
すればよい。このように構成すれば、基礎施工の各工程
を連続的に実行でき、各工程の間に無駄な時間が生じる
ことがなく、作業効率を一層向上できるようになる。
【0032】ここで、上述した本発明の建物基礎の施工
方法に使用する建設機械としては、例えば、地面を走行
可能な車体を有し、この車体には前記地面に溝を掘削す
る掘削手段と、前記掘削した溝内の土砂を攪拌する攪拌
手段と、前記溝内にセメントを散布する散布手段と、前
記溝内の土砂を突き固めるプレス手段とを備えた構成と
すればよい。
【0033】車体としては、既存の建設機械と同様なも
のが利用でき、クローラ(無限軌道)または車輪を備え
て走行可能なものであればよい。掘削手段としてはショ
ベルやベルト状カッタ等の掘削用の機構、攪拌手段とし
ては専用の攪拌器(プラウ状あるいは回転羽根車式等)
あるいはショベル等の流用、プレス手段としては専用の
プレス装置(下面が平坦で油圧等で加圧可能なもの、振
動により更に加圧可能なもの等)あるいはショベル下面
の流用等によるものが利用できる。
【0034】このように構成すれば、前述した基礎施工
方法の各工程を一台で処理することができ、従来のよう
な使用する建設機械の入れ換えのための繁雑さや無駄な
時間を解消でき、作業効率の向上が可能となる。
【0035】さらに、建物基礎の建設機械として、前記
車体には更に、前記プレス手段で突き固められた前記溝
内の底面の地耐力を測定する地耐力測定手段と、前記溝
内の底面にプレキャストコンクリート基礎ブロックを外
部から吊り下げ搬入する吊り下げ手段とが設置されてい
る構成のものでもよい。ここで、地耐力測定手段として
は地面の硬さを測定する既存の計器類が利用でき、例え
ば棒状の部材を地面に挿入する際の抵抗力を測定するも
の等が利用でき、吊り下げ手段としては既存のブーム式
クレーン等を適宜利用すればよい。
【0036】このように構成すれば、前述した掘削、攪
拌、プレスの後に地耐力を測定し、固化層に十分な強度
が確保されているかを確認することが可能であり、その
後プレキャストコンクリート製の基礎ブロック基礎を吊
り込み設置する作業をも連続的に行うことが可能であ
り、これらにより作業効率を一層向上することが可能で
ある。
【0037】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例を図面に基
づいて説明する。図1から図4の各図には本発明の第1
実施例が示されている。図1において、本実施例により
施工される建物基礎10は、建物11を建築する地面1
2に下部を埋設設置され、建物11を固定的に支えるも
のである。
【0038】建物基礎10はプレキャストコンクリート
製の基礎ブロック100を複数接続して形成されたもの
である。各基礎ブロック100は、下部に水平に広がる
脚部101を有し、その上面中央には垂直に立ち上がり
部102が接続された逆T字断面とされ、図1直交方向
に所定長さにわたって連続したものである。これらの基
礎ブロック100は、隣り合うものどうしが互いに接合
され、一体化されて建物基礎10を構成している。相互
の接合には互いの配筋材を連結するボルトナットあるい
は互いの表面を固着するセメント等が用いられる。
【0039】建物基礎10は、基礎ブロック100の脚
部101全体および立ち上がり部102の下部が埋まる
ように地面12に埋設設置される。このために、地面1
2には建物基礎10の設置位置に応じて溝13が形成さ
れ、溝13の底部には脚部101が載置される固化層1
4が形成され、溝13の上部には固化層14および脚部
101の上方、立ち上がり部102の両側面を覆って埋
める充填層15が形成されている。
【0040】固化層14は、溝13を掘った際に生じる
土砂にセメントを混合し、溝13の底部に突き固めて上
面を平坦化したものである。この際、土砂とセメントと
の混合が十分に行われるように適宜攪拌することが望ま
しい。また、土砂はその質や粒度等に応じてセメント混
合前に粉砕等を行ってもよいし、セメントが硬化するの
に適した水分となるように乾燥あるいは加水等の調整を
行ってもよい。そして、建物基礎10を受けるのに十分
な固化強度となるように突き固めることが望ましい。ま
た、前記地面を掘削して溝を形成する場合、対向する一
対の側壁面が、下方に向かうにしたがって漸次内側に傾
斜するようにして形成し、この溝内の土砂にセメントを
加えて平坦に突き固めて固化層を前記側壁面に密接する
ように形成する。
【0041】充填層15は、溝13を掘った際に生じた
土砂のうち固化層14に使用する分以外を溝13の周囲
に取り出しておき、固化層14、基礎ブロック100を
設置したのち、取り出しておいた土砂を埋め戻して形成
される。この充填層15は、土砂のみでもよいが、セメ
ントを混合して固化させてもよい。また、固化層15は
建物11の下全面に薄く敷き詰められている。当該部分
はコンクリート等であってもよい。
【0042】なお、前述した建物基礎10の寸法として
は、深さ600mm 、底面幅600mm 、固化層14の厚さ300m
m 、充填層15の建物11下部分(溝13外)の厚さ50
mm程度とされる。この程度の厚さの固化層14を形成す
る場合、充填層15に使用される分を除けば、溝13か
ら掘り出された土砂の余分は殆どない。
【0043】以上のような建物基礎10の施工にあたっ
ては、図2に示すような建設機械が使用される。図2に
おいて、建設機械20は両側にクローラ210(無限軌
道、商標キャタピラなど)を備えて不整地走行が可能な
車体21を備えている。なお、走行のためにクローラで
はなく車輪を用いるものであっても差し支えない。
【0044】車体21の一方の端部には、溝13の掘削
に適した狭幅のショベル22(掘削手段)、溝13内の
土砂の攪拌に適した攪拌ローラ23(攪拌手段)が設置
されている。また、車体21の同側端部近傍には操縦室
24およびクレーン25(吊り下げ手段)が設置されて
いる。さらに、車体21の中間部にはセメントホッパ2
6(散布手段)、プレス手段27、地耐力測定手段28
が設置されている。また、車体21の他方の端部には、
地面12を均しつつ土砂を集めるブレード29(いわゆ
るブルドーザに設置されるもの;地面均し手段であり土
砂掃き集め手段である)が設置されている。
【0045】ショベル22はアーム220を介して車体
21に支持されている。アーム220は車体に回動支持
され、油圧シリンダ等の駆動機構221により駆動され
て先端側を昇降される。ショベル22はアーム220の
先端に回動支持され、油圧シリンダ等の駆動機構222
により揺動し、これにより地面12に溝13を掘削可能
である。
【0046】攪拌ローラ23は回転により土砂等を周面
で攪拌するものであり、周面への土砂の引っ掛かりが良
好な既存の形状であればよく、例えば棒材等を組み合わ
せて円筒かご状に形成されたもの、あるいは円筒のコア
の周面に多数の突起を植えてロールブラシ状に形成され
たもの等が利用される。攪拌ローラ23はアーム230
を介して車体21に支持されている。アーム230は車
体に回動支持され、油圧シリンダ等の駆動機構231に
より駆動されて先端側を昇降される。これにより、攪拌
ローラ23は地面12より上方へ退避可能かつ溝13内
へ導入可能である。攪拌ローラ23の回転駆動は車体2
1に設けられた油圧駆動装置等(図示省略)により行わ
れる。
【0047】クレーン25は、車体21の前記一方の側
から他方の側へ向けて斜め上方に延びるアーム250を
有し、その先端には伸縮自在な延長部251が設置さ
れ、その先端には伸縮自在なワイヤ252でフック25
3が吊り下げられている。延長部251は内臓された油
圧シリンダ等の駆動手段により適宜な長さまで伸縮駆動
される。ワイヤ252は図示しないウインチ等で巻き上
げ、引き出しされることで、フック253を昇降させる
ことが可能である。これにより、周囲の地面12あるい
はトラック荷台に積み上げられた基礎ブロック100を
吊り上げ、別の任意の位置に吊り下ろし可能である。
【0048】アーム250の先端および延長部251の
先端には、それぞれ車体21との間に補助荷重受け機構
として油圧シリンダで伸縮する伸縮ロッド254、25
5が設置されている。このうち、伸縮ロッド254はア
ーム250の先端を昇降させる際に同時に伸縮され、伸
縮ロッド255はアーム250の先端の昇降および延長
部251の伸縮に伴って同時に伸縮され、各先端の下向
き荷重を分担負荷してフック253に吊り下げられる基
礎ブロック100の重量に十分耐えられるようになって
いる。なお、各ロッド254、255の端部は前述した
動作を行うために回動連結とされている。
【0049】セメントホッパ26は、上部から補給され
たセメント粉を貯留し、かつ漏斗状部分で集めて下方か
ら散布するものであり、散布出口部分には羽根車等の攪
拌機構260が設置され、散布時にセメント粉の凝結分
を粉砕し、細かい粉状のセメントを広い範囲に一様に散
布できるようになっている。プレス手段27は、車体2
1の下面側に下面が平坦なプレス盤270を有し、この
プレス盤270は図示しない油圧装置等の駆動手段によ
り車体21下方へ昇降駆動され、地面12の溝13内の
土砂等を押し固め可能である。なお、プレス手段27と
しては、プレス盤270に振動を加える振動手段(エア
式往復ピストンや回転する偏心重り式など、既存の励振
方式でよい)を追加してもよい。
【0050】地耐力測定手段28は、地面の硬さを測定
する既存の計器であり、ここでは車体21の下方に延び
る測定用棒材280と、この測定用棒材280を下方に
進出後退させる油圧シリンダ等の駆動機構281と、こ
の駆動機構281の動作負荷を検出して測定用棒材28
0が地中に突き刺さる際の抵抗から地面の固さを測定す
るを地面に挿入する際の抵抗力を測定する測定手段(図
示省略)とを備えている。なお、測定用棒材280は溝
13内の固化層14中まで到達可能である。
【0051】ブレード29はアーム290を介して車体
21に支持されている。アーム290は車体に回動支持
され、油圧シリンダ等の駆動機構291により駆動され
て先端側を昇降される。これによりブレード29を下ろ
して地面12に沿わせた状態で車体21を走行させれば
地面12表面を均し、余分な土砂等をかき集めることが
可能である。
【0052】次に、以上のような建設機械20を用いて
前述した建物基礎10の施工を行う手順を図3、図4に
より説明する。先ず、図3(A)のように、地面12の
建物基礎10の建設位置に建設機械20を誘導し、ショ
ベル22を用いて溝13を掘削しながらこの溝13の方
向に建設機械20を走行させ、連続した溝13を形成し
てゆく。この際、掘り出された土砂は溝13内に残して
おく。
【0053】そして、図3(B)のように、走行に伴っ
て攪拌ローラ23が溝13にさしかかったら走行方向後
方の攪拌ローラ23を下ろして溝13内に掘り出された
土砂の攪拌を行う。また、セメントホッパ26が溝13
にさしかかったらこのホッパ26を作動させ、溝13内
の攪拌された土砂にセメントを散布する。同様に、プレ
ス手段27が溝13にさしかかったらプレス手段27を
下ろし、セメントが散布された溝13内の土砂を突き固
めて行く。 こうして、図3(C)のように、溝13が
所定の端位置まで掘削されたら、当該端位置に達した順
にショベル22、攪拌ローラ23、セメントホッパ2
6、プレス手段27の動作を停止させ、適宜溝13外に
引き上げる。これにより、溝13内には全長にわたって
土砂とセメントとを突き固めて形成された固化層14が
形成される。
【0054】次に、図4(A)のように、建設機械20
をこれまでとは逆方向に走行させ、地耐力測定手段28
が溝13にさしかかったらこれを下ろし、固化層14の
固さを検査してゆく。そして、固さが不十分なようであ
れば、走行方向後方にあたるプレス手段27で追加的に
突き固めを行う。この間、必要に応じて逆戻りして地耐
力測定および突き固めを繰り返してもよい。これによ
り、固化層14には必要な固さが確保されることにな
る。
【0055】そして、図4(B)のように、溝13の掘
り出し側端まで戻ったら、建設機械20の近傍に基礎ブ
ロック100を積載したトラック等を接近させ、その荷
台上の基礎ブロック100をクレーン25で吊り上げ
る。具体的には、クレーン25の延長部251を伸ばし
(伸縮ロッド255も延びる)、基礎ブロック100に
掛けたワイヤ104をフック253に引っかけ、ワイヤ
252を巻き上げつつアーム250を上昇させ(伸縮ロ
ッド254、255も延びる)、基礎ブロック100を
つり上げる。そして、吊り上げた基礎ブロック100を
溝13の上方に配置し、アーム250を下げつつワイヤ
252を巻き出し、固化層14上に基礎ブロック100
を載置する。
【0056】こうして一端から他端まで固化層14上に
基礎ブロック100を設置したら、固化層14ないし基
礎ブロック100の下部が覆われるように溝13内に土
砂を充填する。この作業には建設機械20のブレード2
9を用いればよい。以上により、一区画分の建物基礎1
0の施工が完了し、引き続き隣接する地面12に同様な
施工を行い、全ての区画が完了したら建物基礎10が完
成する。
【0057】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。先ず、建物基礎10を設置する溝13の底
面には、土砂とセメントとの混合物を突き固めた強固な
固化層14を形成することができる。このため、従来の
ような割栗石を使わなくても所望の強度を得ることが可
能となる。これにより、割栗石の使用に伴う従来の問題
(地質の問題、作業効率の問題、資材利用効率の問題)
を解決することができる。
【0058】特に、固化層14は、溝13内の土砂にセ
メントを加えて突き固めたものであるため、溝13底部
で固化して一体となり、従来の割栗石のような沈み込み
を生じないため、不良地盤でも確実な建物基礎10を形
成することができる。また、溝13から掘り出された土
砂が軟弱な泥質等である場合でも、セメントの混合比率
を調整することで、強固な固化層を形成することができ
る。
【0059】これらにより不良地盤などの地質の問題を
解決することができる。
【0060】さらに、従来のような割栗石を用いないこ
とで、割栗石の敷き詰め等の繁雑作業を解消でき、作業
効率の問題を解決することができる。そして、固化層1
4には溝13から掘り出した土砂を利用し、かつ建物基
礎10の固定のための埋め戻しにも用いることで、溝1
3から掘り出された土砂はその殆どを建物基礎10に利
用することができ、無駄に廃棄する必要がない。このよ
うに溝13を掘った土砂を有効に再利用できるととも
に、別途の割栗石を使用する必要もないことから、資材
利用効率の問題を解決することができる。
【0061】次に、本実施例では、プレキャストコンク
リート製の基礎ブロック100を並べて基礎形成を行う
ため、基礎の現場打ち施工を不要にできる。このため、
固化層14の突き固め後の工程を効率よく行うことがで
き、基礎施工全体としての作業効率を向上することがで
きる。また、本実施例では、基礎施工の各工程(掘削、
攪拌、セメント散布、プレス突き固め、地耐力測定、基
礎ブロック設置)を一台の建設機械20で実行すること
ができ、従来の基礎施工のように種々の建設機械を用い
る場合のような建設機械の入れ換えを解消することがで
き、このような機械入れ換えのための繁雑さを解消し、
作業効率を向上することができる。
【0062】さらに、本実施例では、建設機械20によ
って前述した基礎施工の各工程を連続的に実行すること
ができ、各工程の間に無駄な時間が生じることがなく、
作業効率を更に向上することができる。特に、掘削、攪
拌、セメント散布、プレス突き固めの各工程は、一回の
走行で同時進行的に実行することができ、作業時間を一
層短縮することができる。
【0063】また、本実施例では、固化層14の地耐力
測定を行いながら追加の突き固めを行うことができ、固
化層14ひいては建物基礎10の強度確保を確実なもの
にすることができる。
【0064】また、本実施例の建設機械20では、伸縮
ロッド254、255によりクレーン25の補強を行う
ようにしたため、重量の大きな基礎ブロック100でも
確実に吊上げることができる。そして、本実施例の建設
機械20は、既存の建設機械の車体21や各機構を利用
して構成することができ、容易に実施を行うことができ
る。
【0065】なお、前記第1実施例では、建設機械20
の第1回の走行で掘削ないしプレス突き固めの各工程を
実行し、第2回の逆向き走行で地耐力測定および追加突
き固めを行い、第3回の走行で基礎ブロック100の設
置を行うようにしたが、これらの全工程を一回の走行で
行うようにしてもよい。このようにすれば端部での折り
返しが必要なく、一層連続性の高い施工が可能である。
【0066】また、第1回で掘削、攪拌、逆向きの第2
回でセメント散布と再攪拌、第3回で突き固めと地耐力
測定および基礎ブロック設置を行う等としてもよく、こ
のようにすればセメント散布後の再攪拌によりセメント
と土砂との混合性を向上でき、固化層14の強度を高め
ることができる。
【0067】但し、前記実施例のような攪拌後の散布で
も土砂の隙間に散布されたセメントが入り込むため、固
化層14の強度を十分に得ることができ、かつ地耐力測
定と追加突き固めで固化層14の強度を確保したのち基
礎ブロック100を設置することで基礎強度の確保が確
実になり、従って前記第1実施例のような手順が最も好
適である。
【0068】また、前記第1実施例では、建設機械20
に掘削ないし基礎ブロック設置までの全ての工程を実行
する手段を備えるようにしたが、その一部を省略し、別
途の機械を持ち込む等により代用するようにしてもよ
い。例えば、建設機械20のクレーン25を省略し、別
のクレーン車で基礎ブロック100の設置を行ってもよ
い。この工程は基礎施工の最後であるため、建設機械2
0が他の位置へ移動したのち導入すればよく、機械入れ
換えの問題が生じることはない。
【0069】また、地耐力測定手段28を省略してもよ
く、この工程は作業員による検査で代行することが容易
であり、殊に作業性を下げることもない。
【0070】図5ないし図7には本発明の第2実施例が
示されている。図5のように、本実施例は、前記第1実
施例と同様、地面12に下部を埋設設置されて建物11
を固定的に支える建物基礎30を施工するものである。
本実施例の建物基礎30では、前記第1実施例と同じ基
礎ブロック100を用い、地面に溝33を掘って埋設設
置するが、溝33および固化層34の形状、使用する建
設機械40、施工手順は前記第1実施例と異なる。
【0071】本実施例の溝33は、固化層34部分がそ
の上の部分より狭く段差状に形成されている。すなわ
ち、溝33は、地面12に200 〜300mm の第1の溝33
1(底面幅700mm )を掘った上、その底面に200 〜300m
m の第2の溝332(底面幅500mm )を掘って形成され
ている。そして、固化層34は第2の溝332内に形成
されている。
【0072】本実施例の建設機械40は、図6(A)お
よび図6(C)に示すように、既存のパワーショベル等
に掘削攪拌ローラを増設したものである。具体的には、
建設機械40は両側のクローラ401で走行可能な台車
402上に旋回可能な回転台座403を有し、この回転
台座403の上には操縦室404およびショベルアーム
405が設置されている。
【0073】ショベルアーム405は、基端部を回動支
持されて油圧シリンダ等の駆動手段406により先端側
が昇降するように揺動可能であり、その先端側部分40
7も油圧シリンダ等の駆動手段408で屈曲揺動可能で
ある。ショベルアーム405にはショベル409が回動
連結され、このショベル409は油圧シリンダ等の駆動
手段410で揺動可能である。このショベル409は地
面12に第1の溝331を形成することが可能である
(掘削手段)。
【0074】台車402の後端には掘削攪拌ローラ41
1が設置されている。掘削攪拌ローラ411は回転によ
り周面で地面を掘削しつつ掘り起こされた土砂等を攪拌
するものであり(掘削手段および攪拌手段を兼ねる)、
周面への土砂の引っ掛かりが強力に行われる既存の形状
が採用される。例えば、棒材等を組み合わせて円筒かご
状に形成されかつ周面に掘削用突起を有するたもの、あ
るいは円筒のコアの周面に多数の突起を植えたもの等が
利用される。
【0075】掘削攪拌ローラ411はアーム412を介
して台車402に支持されている。アーム412は車体
に回動支持され、油圧シリンダ等の駆動機構413によ
り駆動されて先端側を昇降される。掘削攪拌ローラ41
1の回転駆動は台車402に設けられた油圧駆動装置等
(図示省略)により行われる。掘削攪拌ローラ411
は、通常は上方に保持されているが、下方に下ろして回
転させることで第1の溝331の底面に第2の溝332
を形成することが可能である(図6(C)参照)。
【0076】次に、以上のような建設機械40を用いて
前述した建物基礎30の施工を行う手順を図6、図7に
より説明する。先ず、図6(A)のように、地面12の
建物基礎10の建設位置に建設機械40を誘導し、ショ
ベル409を用いて第1の溝331を掘削してゆく。こ
の際、掘り出された土砂は溝331から取り出し、近傍
の地面12上に積み上げておく(盛り土121)。この
掘削を行いながら順次移動してゆくことで、建物基礎4
0に対応した一連の溝331を形成する。
【0077】次に、図6(B)のように、ショベル40
9の先端にワイヤ等を介してセメント袋420を吊り下
げ、第1の溝311上に保持したうえその下部を切り開
いてセメント421を散布する。このセメント散布を行
いながら順次移動してゆくことで、第1の溝311の底
面の全体にセメント421を敷き詰める。続いて、図6
(C)のように、回転台座403を旋回させてショベル
アーム405を側方に向ける等して前後の視界を確保し
たうえ、建設機械40を第1の溝331を跨ぐように誘
導し、後方の掘削攪拌ローラ411を第1の溝331内
に導入し、この溝331の底面に第2の溝332を掘削
してゆく。この掘削により、掘り出された土砂122は
先に第1の溝331底面に散布されていたセメント42
1と混合攪拌される。
【0078】この混合攪拌を行いながら第1の溝331
に沿って建設機械40を順次移動してゆくことにより、
図6(D)のように、第1の溝331の底面には全長に
わたって第2の溝332が形成され、これらにより溝3
3が形成される。この際、第2の溝332内にはセメン
トが混合された土砂122が一部第1の溝331内まで
盛り上がって充填された状態となる。この土砂122の
盛り上がりは、主に混合攪拌により土砂間の隙間が大き
くなったことによる。
【0079】次に、図7(A)のように、建設機械40
を溝33の一端に誘導し、ショベル409を溝33内に
誘導し、その下面で溝33内のセメント入り土砂122
を突き固めて行く。この突き固めを行いながら溝33に
沿って建設機械40を順次移動して行くことにより、図
7(B)のように、溝33内には第2の溝332に充填
固化された固化層34が形成される。
【0080】そして、別のクレーン車等により、固化層
34の上面に基礎ブロック100を載置してゆき、先に
盛り土121としておいた土砂を埋め戻すことにより、
図5のような建物基礎30が形成される。
【0081】このような本実施例によれば、次のような
効果がある。すなわち、建物基礎30を設置する溝33
の底面には、土砂とセメントとの混合物を突き固めた強
固な固化層34を形成することができる。このため、従
来のような割栗石を使わなくても所望の強度を得ること
が可能となり、割栗石の使用に伴う従来の問題(地質の
問題、作業効率の問題、資材利用効率の問題)を解決す
ることができる(前記第1実施例参照)。
【0082】また、本実施例においてもプレキャストコ
ンクリート製の基礎ブロック100を用いるため、前記
第1実施例と同様に、基礎の現場打ち施工を不要にで
き、基礎施工全体としての作業効率を向上することがで
きる。
【0083】一方、本実施例では、基礎施工の各工程
(第1の溝331掘削、セメント散布、第2の溝332
掘削および攪拌、突き固め)を一台の建設機械40で実
行することができ、その後にクレーン車等で基礎ブロッ
ク100の吊り込み等を行えばよいため、従来の基礎施
工のように種々の建設機械を用いる場合のような建設機
械の入れ換えを解消することができ、このような機械入
れ換えのための繁雑さを解消し、作業効率を向上するこ
とができる。
【0084】なお、本発明は前記各実施例に限定される
ものではなく、本発明は以下に示すような変形などをも
含むものである。すなわち、本発明で使用するセメント
としては、既存の各種セメントを利用すればよく、その
配合比率は、溝から掘り出された土砂の含水量や固さ等
に応じて調整すればよい。
【0085】そして、溝の寸法等は前記各実施例に寸法
に限らず、実施にあたって適宜選択すればよい。例え
ば、軟弱な地盤で一層の安定性を必要とする際には、溝
幅を広くとって固化層の底面積を増す等の調整を行えば
よい。
【0086】また、前記第1、第2実施例のように溝の
掘削時に同時にセメント混合を行うものに限らず、掘削
後に土砂を取り出し、溝外でセメントを混合したうえで
溝内に戻すようにしてもよく、このようにすればセメン
トと混合する土砂量の調整により固化層に必要十分な量
の土砂を容易に調製することができ、かつセメントと土
砂との混合物を溝内に戻す際にその量を調整できるた
め、固化層の厚み調整も容易である。
【0087】更に、前記第1実施例では溝13から掘り
出した土砂を埋め戻して充填層15としたが、溝13外
でセメントを混合して固化層14と同様に固化させても
よい。こうすれば強固な基礎固定が可能である。あるい
は、固化層14も溝13外でセメントと混合させてもよ
い。
【0088】さらに、本発明で使用する建設機械として
は、前記第1実施例のような基礎建設の各工程に対応し
た機構を全て備えた基礎建設専用機に限らず、前記第2
実施例のように地耐力測定などの一部工程を人手で行う
ものであってもよい。また、前記第2実施例のように、
建設機械は既存のパワーショベルに掘削攪拌用の機構等
を付加した汎用機等であってもよく、例えば、掘削攪拌
を行ういわゆるスタビライザにセメント散布手段、プレ
スやスタンパ等の突き固め手段等を適宜付加して利用し
てもよい。
【0089】これらの各工程を実行する手段は、それぞ
れの機能を確保できるものであれば、既存の機器装置類
の中から適宜選択して利用すればよい。
【0090】そして、本発明が適用される基礎として
は、前記各実施例のようなプレキャストコンクリート製
で断面逆T字状の連続基礎(一般的な布基礎)に限らな
い。すなわち、基礎の下部の水平な脚部と上部の垂直な
立ち上がり部とを別体のプレキャストブロックとしてお
き、現場設置時に接合してもよい。また、現場打ちコン
クリートを利用して断面逆T字状に形成してもよい。し
かし、前述のような逆T型プレキャストブロック基礎と
すれば、現場施工を最も効率よく行うことができる。
【0091】さらに、逆T字状に限らず、脚部が省略さ
れた略I字状、立ち上がり部が緩やかに広がる略逆Y字
状などであってもよい。また、各基礎ブロックが連続し
た連続基礎に限らず、部分的に独立した独立基礎であっ
てもよい。しかし、一般的な建物では連続基礎が多用さ
れている。また、地面に形成される基礎の平面形状等は
上部に構築される建物に応じて適宜設定すればよく、上
部に構築される建物としては住宅用やアパート用の、プ
レハブ式(箱型ユニット式、パネル式、軸組パネル式
等)あるいは在来工法による各種建物が任意に選択でき
る。
【0092】
【発明の効果】以上に述べたように、本発明によれば、
建物を建築する地面を掘削して前記建物の基礎に対応し
た溝を、その対向する一対の側壁面が、下方に向かうに
したがって漸次内側に傾斜するようにして形成し、前記
溝内の土砂にセメントを加えて平坦に突き固めて固化層
を前記側壁面に密接するように形成することで、軟弱等
の不良地盤に対しても強度を確保することができる。ま
た、従来の割栗石方式の基礎のような施工の繁雑さを解
消することができ、作業効率を向上できる。さらに、掘
り出した土砂を有効利用することができ、資材利用効率
を向上することができる。
【0093】特に、溝の掘削を二段階とし、第1の溝か
らの土砂は搬出し、第2の溝からの土砂で固化層を形成
することで、取り出す土砂量の加減、あるいは固化層と
して利用する土砂量の調整等を確実容易に行うことがで
きる。さらに、セメント袋を吊るして下端を切り開くこ
とで内部のセメントを投入することで、セメント散布作
業を容易に行うことができる。
【0094】また、突き固めた固化層の土耐力を測定す
ることによって、上述した掘削、攪拌混錬、突き固めの
後に、固化層に十分な強度が確保されているかを確認す
ることが可能となり、その後、固化層の上に基礎を構築
する作業をも連続的に行うことが可能であり、これらに
より作業効率を一層構造上することが可能である。ま
た、プレキャストコンクリート基礎ブロックの使用によ
り、現場施工を大幅に簡略化でき、基礎施工期間を短縮
することができる。
【0095】また、溝の掘削、セメントの散布、突き固
め、プレキャストコンクリート基礎ブロックの設置等の
各工程を同じ機械で実行できるようにすることで、従来
の基礎施工のような機械入れ換えの繁雑さを解消するこ
とができる。特に、各工程を実行する各手段を備えた建
設機械を走行させながら各工程の処理を連続的に行うこ
とで、各工程を順次行う場合に比べて作業効率を大幅に
向上することができる。
【0096】そして、掘削手段、攪拌手段、セメント散
布手段、突き固め用のプレス手段、プレキャストコンク
リート基礎ブロックの設置手段を備えた建設機械とする
ことで、前述した基礎施工の一連の各工程を同じ機械
で、連続的に処理することができ、機械入れ換え解消を
含めた作業効率の向上を確実に推進させることができ
る。また、この建設機械に地耐力測定手段および吊り下
げ手段を併設することで、固化層の検査およびプレキャ
ストコンクリート基礎ブロックの搬入をも同じ機械で処
理することができ、機械入れ換え解消を含めた作業効率
の向上を更に推進させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例の基礎構造を示す断面図。
【図2】前記第1実施例の建設機械を示す概略側面図。
【図3】前記第1実施例の基礎施工の工程前半を示す模
式図。
【図4】前記第1実施例の基礎施工の工程後半を示す模
式図。
【図5】本発明の第2実施例の基礎構造を示す断面図。
【図6】前記第2実施例の基礎施工の工程前半を示す模
式図。
【図7】前記第2実施例の基礎施工の工程後半を示す模
式図。
【図8】本発明の変形例を示す断面図。
【図9】従来の基礎施工を示す模式図。
【符号の説明】
10 建物基礎 100 プレキャストコンクリート製の基礎ブロック 11 建物 12 地面 13 溝 14 固化層 15 充填層 20 建設機械 21 車体 22 掘削手段であるショベル 23 攪拌手段である攪拌ローラ 25 吊り下げ手段であるクレーン 26 散布手段であるセメントホッパ 27 プレス手段 28 地耐力測定手段 29 土砂掃き集め手段および地面均し手段であるブレ
ード 30 建物基礎 33 溝 331 第1の溝 332 第2の溝 34 固化層 40 建設機械 402 台車 405 掘削手段であるショベルアーム 409 掘削手段であるショベル 411 掘削手段と攪拌手段とを兼ねる掘削攪拌ローラ

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 建物を建築する地面に掘削形成された溝
    と、前記溝の底部に所定厚みで形成された固化層と、こ
    の固化層の上に構築された基礎とを含み、前記固化層は
    前記溝から掘り出された土砂にセメントを加えて固化さ
    せた材質で構成されており、 前記溝の対向する一対の側壁面は、下方に向かうにした
    がって漸次内側に傾斜するように形成され、前記側壁面
    に前記固化層が密接していることを特徴とする建物基
    礎。
  2. 【請求項2】 建物を建築する地面を掘削して前記建物
    の基礎に対応した溝を、その対向する一対の側壁面が、
    下方に向かうにしたがって漸次内側に傾斜するようにし
    て形成し、前記溝内の土砂にセメントを加えて平坦に突
    き固めて固化層を前記側壁面に密接するように形成し、
    前記固化層の上に前記建物の基礎を構築することを特徴
    とする建物基礎の施工方法。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載した建物基礎の施工方法
    において、先ず前記地面に所定深さの溝を、その対向す
    る一対の側壁面が、下方に向かうにしたがって漸次内側
    に傾斜するようにして掘り、前記溝内の土砂を取り出し
    てこの土砂にセメントを散布して攪拌混錬し、前記混錬
    されたセメントと土砂との混合物を溝内に戻したうえ突
    き固めて固化層を前記側壁面に密接するように形成する
    ことを特徴とする建物基礎の施工方法。
  4. 【請求項4】 請求項2に記載した建物基礎の施工方法
    において、先ず前記地面に所定深さの溝を、その対向す
    る一対の側壁面が、下方に向かうにしたがって漸次内側
    に傾斜するようにして掘削するとともに、前記掘削の際
    に掘削された土砂にセメントを散布して前記掘削と同時
    に攪拌混錬し、前記溝内で混錬されたセメントと土砂と
    の混合物を突き固めて固化層を前記側壁面に密接するよ
    うに形成することを特徴とする建物基礎の施工方法。
  5. 【請求項5】 請求項2に記載した建物基礎の施工方法
    において、先ず前記地面に所定深さの溝を、その対向す
    る一対の側壁面が、下方に向かうにしたがって漸次内側
    に傾斜するようにして掘り、前記溝内の土砂を取り出し
    たのち底面にセメントを散布し、次に前記セメントが散
    布された底面を更に深く対向する一対の側壁面が、下方
    に向かうにしたがって漸次内側に傾斜するようにして掘
    削しつつ攪拌し、前記溝内に生成されたセメントと土砂
    との混合物を突き固めて固化層を前記側壁面に密接する
    ように形成することを特徴とする建物基礎の施工方法。
  6. 【請求項6】 請求項2から請求項5までの何れかに記
    載した建物基礎の施工方法において、前記セメントの散
    布にあたり、前記セメントが詰められていた袋を吊上
    げ、その下端部を切り開いて内部のセメントを落下させ
    て前記溝内に投入することを特徴とする建物基礎の施工
    方法。
  7. 【請求項7】 請求項2から請求項6までの何れかに記
    載した建物基礎の施工方法において、前記突き固めた固
    化層の地耐力を測定することを特徴とする建物基礎の施
    工方法。
  8. 【請求項8】 請求項2から請求項7までの何れかに記
    載した建物基礎の施工方法において、前記基礎にプレキ
    ャストコンクリート基礎ブロックを用い、構築した前記
    基礎の下部を土砂またはコンクリートで埋め固めること
    を特徴とする建物基礎の施工方法。
  9. 【請求項9】 請求項2から請求項8までの何れかに記
    載した建物基礎の施工方法において、前記溝の掘削工
    程、前記セメントを加える工程、前記突き固め工程を同
    じ建設機械を用いて行うことを特徴とする建物基礎の施
    工方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載した建物基礎の施工方
    法において、前記溝の掘削工程、前記セメントを加える
    工程、前記突き固め工程、プレキャストコンクリート基
    礎ブロックを固化層上に設置する工程を同じ建設機械を
    用いて行うことを特徴とする建物基礎の施工方法。
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