JP2000119182A - ヘムオキシゲナーゼ誘導促進剤 - Google Patents
ヘムオキシゲナーゼ誘導促進剤Info
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- JP2000119182A JP2000119182A JP28713598A JP28713598A JP2000119182A JP 2000119182 A JP2000119182 A JP 2000119182A JP 28713598 A JP28713598 A JP 28713598A JP 28713598 A JP28713598 A JP 28713598A JP 2000119182 A JP2000119182 A JP 2000119182A
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- JP
- Japan
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- reminoprazole
- agent
- cells
- induction
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 新規なヘムオキシゲナーゼ(HO)誘導促進
剤を提供すること。 【解決手段】 本発明は、レミノプラゾールを有効成分
とするHO誘導促進剤に関する。ウサギの胃上皮細胞、
マウスの肝臓を用いた実験からレミノプラゾールが優れ
たHO誘導促進作用を有することが明らかになった。
剤を提供すること。 【解決手段】 本発明は、レミノプラゾールを有効成分
とするHO誘導促進剤に関する。ウサギの胃上皮細胞、
マウスの肝臓を用いた実験からレミノプラゾールが優れ
たHO誘導促進作用を有することが明らかになった。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ヘムオキシゲナー
ゼ誘導促進剤に関し、詳細には、レミノプラゾール(L
eminoprazole;(±)−2−[[2−(イ
ソブチルメチルアミノ)ベンジル]スルフィニル]−1
H−ベンズイミダゾール)を有効成分とするヘムオキシ
ゲナーゼ誘導促進剤に関する。
ゼ誘導促進剤に関し、詳細には、レミノプラゾール(L
eminoprazole;(±)−2−[[2−(イ
ソブチルメチルアミノ)ベンジル]スルフィニル]−1
H−ベンズイミダゾール)を有効成分とするヘムオキシ
ゲナーゼ誘導促進剤に関する。
【0002】
【従来の技術】レミノプラゾールは、本発明者らにより
見いだされた抗潰瘍剤であり、優れた防御因子増強作用
を併せ持つプロトンポンプ阻害剤である。(特公平6−
70018号公報,特公平7−2636号公報等)
見いだされた抗潰瘍剤であり、優れた防御因子増強作用
を併せ持つプロトンポンプ阻害剤である。(特公平6−
70018号公報,特公平7−2636号公報等)
【0003】ヘムオキシゲナーゼ(HO)は、ヘムの代
謝の第一段階で働く律速酵素であり、細胞内遊離ヘムを
一酸化炭素(CO)、鉄(Fe)、ビリベルジンに分解
する酵素である。ビリベルジンはさらに還元酵素により
ビリルビンに変換される。HOにはHO−1及びHO−
2の二つのアイソザイムが知られている。HO−1は誘
導性の酵素であり、ヘム、金属、サイトカイン、NOド
ナー、熱ショック、エンドトキシン、イミダゾール及び
ピリジン誘導体、ホルモン、低酸素暴露、酸化ストレス
などにより転写レベルで誘導され、細胞内ヘムの恒常性
とヘム蛋白質量の維持に役割を果たしているとされてい
る。哺乳類の組織に広く存在し、生体においては、動物
炎症モデルにおいて発現し、ヒト腺癌にて過剰発現して
いることが示され、腫瘍細胞における活性が高いことも
報告されいる。各種ストレス、炎症モデルでの検討か
ら、HO−1の誘導は細胞障害に対する内因性の防御機
構の一部と考えられており、ヘム分解により生じたビリ
ベルジン、ビリルビンは抗酸化、抗補体作用を有し、C
Oは情報伝達物質として、鉄は遺伝子調節因子としての
機能を有することから、これらが防御作用に関与してい
ることが考えられている。
謝の第一段階で働く律速酵素であり、細胞内遊離ヘムを
一酸化炭素(CO)、鉄(Fe)、ビリベルジンに分解
する酵素である。ビリベルジンはさらに還元酵素により
ビリルビンに変換される。HOにはHO−1及びHO−
2の二つのアイソザイムが知られている。HO−1は誘
導性の酵素であり、ヘム、金属、サイトカイン、NOド
ナー、熱ショック、エンドトキシン、イミダゾール及び
ピリジン誘導体、ホルモン、低酸素暴露、酸化ストレス
などにより転写レベルで誘導され、細胞内ヘムの恒常性
とヘム蛋白質量の維持に役割を果たしているとされてい
る。哺乳類の組織に広く存在し、生体においては、動物
炎症モデルにおいて発現し、ヒト腺癌にて過剰発現して
いることが示され、腫瘍細胞における活性が高いことも
報告されいる。各種ストレス、炎症モデルでの検討か
ら、HO−1の誘導は細胞障害に対する内因性の防御機
構の一部と考えられており、ヘム分解により生じたビリ
ベルジン、ビリルビンは抗酸化、抗補体作用を有し、C
Oは情報伝達物質として、鉄は遺伝子調節因子としての
機能を有することから、これらが防御作用に関与してい
ることが考えられている。
【0004】一方、HO−2は構成型の酵素であり、特
に脳、精巣に多く存在し、化学的誘発剤はグルココルチ
コイドのみであるとされている。また、NOドナーによ
り活性が抑制される。
に脳、精巣に多く存在し、化学的誘発剤はグルココルチ
コイドのみであるとされている。また、NOドナーによ
り活性が抑制される。
【0005】HO−1の誘導と病態との関連性について
は、幾つかの報告がされている。急性炎症時にHO−1
は誘導され、それはその後の持続炎症の消失に関与する
ことが示されており、HO−1の誘導剤(鉄プロトポル
フィリン)は持続炎症の消失をさらに促進することが示
されている(文献1)。そのメカニズムは不明である
が、HO活性増大に由来するbile pigment
の抗酸化作用、抗補体作用の関与、COによるiNOS
の活性低下(toxic・NOの生成抑制)、アラキド
ン酸代謝に関与する酵素の阻害などが考察されている。
また、組織修復促進作用の観点からは、HO−1遺伝子
を導入した血管内皮細胞では増殖、血管新生の亢進が示
されており、出血、血栓、低酸素虚血などの炎症反応部
位での細胞障害の程度を制御する適応性機構であること
が示されている(文献2)。さらに、肝臓においては、
出血性ショックモデルでHO−1の誘導が観察され、そ
の活性増大に由来するCOが血管のtone、特に門脈
循環の維持に貢献することが示されており、栄養補給の
血流量は血流停滞後の細胞生存にとって極めて重要な決
定因子であり、HO−1活性増大に由来する血管拡張は
門脈循環の血流の維持に寄与し、致死的なストレス負荷
前のストレス応答としての防御的な性質であるものと考
察されている(文献3)。
は、幾つかの報告がされている。急性炎症時にHO−1
は誘導され、それはその後の持続炎症の消失に関与する
ことが示されており、HO−1の誘導剤(鉄プロトポル
フィリン)は持続炎症の消失をさらに促進することが示
されている(文献1)。そのメカニズムは不明である
が、HO活性増大に由来するbile pigment
の抗酸化作用、抗補体作用の関与、COによるiNOS
の活性低下(toxic・NOの生成抑制)、アラキド
ン酸代謝に関与する酵素の阻害などが考察されている。
また、組織修復促進作用の観点からは、HO−1遺伝子
を導入した血管内皮細胞では増殖、血管新生の亢進が示
されており、出血、血栓、低酸素虚血などの炎症反応部
位での細胞障害の程度を制御する適応性機構であること
が示されている(文献2)。さらに、肝臓においては、
出血性ショックモデルでHO−1の誘導が観察され、そ
の活性増大に由来するCOが血管のtone、特に門脈
循環の維持に貢献することが示されており、栄養補給の
血流量は血流停滞後の細胞生存にとって極めて重要な決
定因子であり、HO−1活性増大に由来する血管拡張は
門脈循環の血流の維持に寄与し、致死的なストレス負荷
前のストレス応答としての防御的な性質であるものと考
察されている(文献3)。
【0006】また、HO−1mRNAの誘導は哺乳類の
細胞における様々な酸化的ストレスに対する恒常的(g
eneral)反応であり、HOの誘導はin vit
ro及びin vivoでの実験的酸化障害(皮膚の繊
維芽細胞、肺のadenocarcinoma cel
l、冠血管内皮細胞、シスプラチン誘発腎尿細管毒性な
ど)に対する細胞保護作用をmediateしているこ
とが報告されている(文献4−7)。たとえば、ヘモグ
ロビンによるHO誘導は致死的なエンドトキシン血症か
らラットを保護し、酸化剤誘発の腎尿細管毒性のモデル
で、HOの誘導は有益であるとの示唆がされており、C
Oの産生が腎血流量維持を助けるためと考察されている
(文献7,8)。
細胞における様々な酸化的ストレスに対する恒常的(g
eneral)反応であり、HOの誘導はin vit
ro及びin vivoでの実験的酸化障害(皮膚の繊
維芽細胞、肺のadenocarcinoma cel
l、冠血管内皮細胞、シスプラチン誘発腎尿細管毒性な
ど)に対する細胞保護作用をmediateしているこ
とが報告されている(文献4−7)。たとえば、ヘモグ
ロビンによるHO誘導は致死的なエンドトキシン血症か
らラットを保護し、酸化剤誘発の腎尿細管毒性のモデル
で、HOの誘導は有益であるとの示唆がされており、C
Oの産生が腎血流量維持を助けるためと考察されている
(文献7,8)。
【0007】さらに、ブタ動脈平滑筋培養細胞を酸化ス
トレス剤(グルコースオキシダーゼ、Cdcl2、マレ
イン酸ジエチル)あるいは酸化LDLにて処理するとH
O−1が誘導されてくる。血液中で活性酸素が増加する
と過酸化脂質の形成とそれに続くLDLの取り込みが増
加し、これらはそれぞれ細胞障害、動脈内膜への沈着を
引き起こし、動脈硬化の発症および増悪の要因となって
いる。したがって、HO−1の誘導は動脈硬化症におい
て、酸化ストレスに対し細胞を保護する重要な役割を果
たしていると推察されている(文献9)。
トレス剤(グルコースオキシダーゼ、Cdcl2、マレ
イン酸ジエチル)あるいは酸化LDLにて処理するとH
O−1が誘導されてくる。血液中で活性酸素が増加する
と過酸化脂質の形成とそれに続くLDLの取り込みが増
加し、これらはそれぞれ細胞障害、動脈内膜への沈着を
引き起こし、動脈硬化の発症および増悪の要因となって
いる。したがって、HO−1の誘導は動脈硬化症におい
て、酸化ストレスに対し細胞を保護する重要な役割を果
たしていると推察されている(文献9)。
【0008】以上の観点から、HO−1の誘導促進剤
は、抗炎症剤、損傷治癒促進剤、肝保護剤、腎保護剤、
動脈硬化治療剤、抗ガン剤、白内障治療剤などとして、
様々な酸化的ストレスに対する生体防御剤としての有用
性が期待される。
は、抗炎症剤、損傷治癒促進剤、肝保護剤、腎保護剤、
動脈硬化治療剤、抗ガン剤、白内障治療剤などとして、
様々な酸化的ストレスに対する生体防御剤としての有用
性が期待される。
【0009】ところで、レミノプラゾールタイプの化合
物であるオメプラゾール、ランソプラゾールなどのプロ
トンポンプ阻害剤がHO−1を誘導するとの報告はなさ
れていない。また、HO−1の誘導を示す化合物として
は、ブロモベンゼン、ベンジルピリジン、2,2’−ジ
ピリジル ジスルフィド等のピリジン誘導体、2−ベン
ジルイミダゾール等のイミダゾール誘導体が報告(文献
10)されているが、何れもレミノプラゾールとは構造
が異なる。
物であるオメプラゾール、ランソプラゾールなどのプロ
トンポンプ阻害剤がHO−1を誘導するとの報告はなさ
れていない。また、HO−1の誘導を示す化合物として
は、ブロモベンゼン、ベンジルピリジン、2,2’−ジ
ピリジル ジスルフィド等のピリジン誘導体、2−ベン
ジルイミダゾール等のイミダゾール誘導体が報告(文献
10)されているが、何れもレミノプラゾールとは構造
が異なる。
【0010】文献1)Willis.D,et al:
Nature Medicine2,87−90(19
96) 文献2)Deramaudt,B.MJM.,et a
l:J.Cell.Biochem.68,121−1
27(1998) 文献3)Michael,B.,et al:Am.
J.Physiol.271,G929−G935(1
996) 文献4)Vile,GF.,et al:Proc.N
atl.Acad.Sci.91,2607−2610
(1994) 文献5)Lee,TC.,et al:Cancer
Res.:54,1660−1664(1994) 文献6)Abraham,NG.,et al.:Pr
oc.Natl.Acad.Sci.92,6798−
6802(1995) 文献7)Agarwal,A.,et al.:Kid
ney.Int.48,1298−1307(199
5) 文献8)Otterbein,L.,et al:A
m.J.Respir.Cell.Mol.Biol.
13,595−601(1995) 文献9)Richard,C.M.,et al:FE
BS Lett.368,239−242(1995) 文献10)Kobayashi,Y,et al:Ja
p.J.Toxicol.Environ.Healt
h.42,468−478(1996)
Nature Medicine2,87−90(19
96) 文献2)Deramaudt,B.MJM.,et a
l:J.Cell.Biochem.68,121−1
27(1998) 文献3)Michael,B.,et al:Am.
J.Physiol.271,G929−G935(1
996) 文献4)Vile,GF.,et al:Proc.N
atl.Acad.Sci.91,2607−2610
(1994) 文献5)Lee,TC.,et al:Cancer
Res.:54,1660−1664(1994) 文献6)Abraham,NG.,et al.:Pr
oc.Natl.Acad.Sci.92,6798−
6802(1995) 文献7)Agarwal,A.,et al.:Kid
ney.Int.48,1298−1307(199
5) 文献8)Otterbein,L.,et al:A
m.J.Respir.Cell.Mol.Biol.
13,595−601(1995) 文献9)Richard,C.M.,et al:FE
BS Lett.368,239−242(1995) 文献10)Kobayashi,Y,et al:Ja
p.J.Toxicol.Environ.Healt
h.42,468−478(1996)
【0011】
【発明が解決しようとする課題】新規なHO誘導促進剤
の提供が望まれている。
の提供が望まれている。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らはレミノプラ
ゾールに関する鋭意研究を行った結果、レミノプラゾー
ルが胃酸分泌抑制作用や胃腸の細胞保護作用のみなら
ず、優れたHO誘導促進作用をも有することを見いだし
本発明を完成した。即ち、本発明は、レミノプラゾール
を有効成分として含有するヘムオキシゲナーゲ誘導促進
剤を提供するものである。また、本発明は、レミノプラ
ゾールを有効成分として含有する抗酸化剤を提供するこ
とにもある。さらにまた、本発明は、レミノプラゾール
を有効成分として含有する肝保護剤を提供することにも
ある。
ゾールに関する鋭意研究を行った結果、レミノプラゾー
ルが胃酸分泌抑制作用や胃腸の細胞保護作用のみなら
ず、優れたHO誘導促進作用をも有することを見いだし
本発明を完成した。即ち、本発明は、レミノプラゾール
を有効成分として含有するヘムオキシゲナーゲ誘導促進
剤を提供するものである。また、本発明は、レミノプラ
ゾールを有効成分として含有する抗酸化剤を提供するこ
とにもある。さらにまた、本発明は、レミノプラゾール
を有効成分として含有する肝保護剤を提供することにも
ある。
【0013】
【発明の実施の形態】レミノプラゾールは、特公平6−
70018号公報、特開平2−264748号公報、特
開昭64−3157号公報、特開平2−78665号公
報等に記載の公知化合物であり、こららの特許公報記載
の製造方法に準じて製造することができる。レミノプラ
ゾールがHO誘導促進作用を有することは後記実施例1
及び2から明らかになった。即ち、後記実施例1のウサ
ギの胃上皮細胞を用いた実験では、レミノプラゾールの
濃度に依存してHO活性の増大が認められた。また、マ
ウスの肝臓を用いた実験においてもレミノプラゾール投
与により、HOが誘導されることが明らかになった。更
に、後記実施例3のウサギの胃粘膜細胞を用いたインド
メタシン投与による細胞内グルタチオン含量低下をレミ
ノプラゾールは有意に抑制することが認められることか
ら抗酸化作用を有することも明らかになった。一方、レ
ミノプラゾールが極めて安全性が高いことは特公平6−
70018号公報等に記載の通りである。
70018号公報、特開平2−264748号公報、特
開昭64−3157号公報、特開平2−78665号公
報等に記載の公知化合物であり、こららの特許公報記載
の製造方法に準じて製造することができる。レミノプラ
ゾールがHO誘導促進作用を有することは後記実施例1
及び2から明らかになった。即ち、後記実施例1のウサ
ギの胃上皮細胞を用いた実験では、レミノプラゾールの
濃度に依存してHO活性の増大が認められた。また、マ
ウスの肝臓を用いた実験においてもレミノプラゾール投
与により、HOが誘導されることが明らかになった。更
に、後記実施例3のウサギの胃粘膜細胞を用いたインド
メタシン投与による細胞内グルタチオン含量低下をレミ
ノプラゾールは有意に抑制することが認められることか
ら抗酸化作用を有することも明らかになった。一方、レ
ミノプラゾールが極めて安全性が高いことは特公平6−
70018号公報等に記載の通りである。
【0014】従って、レミノプラゾールは、HO誘導促
進剤として、例えば抗炎症剤、損傷治癒促進剤、肝保護
剤、腎保護剤、動脈硬化治療剤、抗ガン剤、白内障治療
剤などとして、様々な酸化的ストレスに対する生体防御
剤としての有用性が期待され、特に肝保護剤として有用
である。なお、レミノプラゾールは後記実施例3から明
らかなように抗酸化的作用も有することから、抗酸化剤
として、例えば酸化的ストレスが関与する前記疾患の
他、潰瘍性大腸炎、クローン病、心筋梗塞、肝硬変、虚
血、尿毒症などの疾患への応用も期待される(文献1
1)。 文献11)「活性酸素と疾患」 井上正康 監修 学
会出版センター(1987)
進剤として、例えば抗炎症剤、損傷治癒促進剤、肝保護
剤、腎保護剤、動脈硬化治療剤、抗ガン剤、白内障治療
剤などとして、様々な酸化的ストレスに対する生体防御
剤としての有用性が期待され、特に肝保護剤として有用
である。なお、レミノプラゾールは後記実施例3から明
らかなように抗酸化的作用も有することから、抗酸化剤
として、例えば酸化的ストレスが関与する前記疾患の
他、潰瘍性大腸炎、クローン病、心筋梗塞、肝硬変、虚
血、尿毒症などの疾患への応用も期待される(文献1
1)。 文献11)「活性酸素と疾患」 井上正康 監修 学
会出版センター(1987)
【0015】レミノプラゾールを有効成分として含有す
るHO誘導促進剤、肝保護剤及び抗酸化剤は、経口、非
経口いずれにおいても投与できるが、経口により投与す
ることが好ましい。経口投与剤の剤型としては、散剤、
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤等が挙げられる。これ
らの調製には、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢
剤、色素、希釈剤などが用いられる。賦形剤としては、
でんぷん、ブドウ糖、乳糖等が、崩壊剤としては、デン
プン、CMC−Ca等が、結合剤としては、アラビアゴ
ム、HPC、ゼラチン、PVP等が、滑沢剤としては、
ステアリン酸Mg、タルク等が用いられる。非経口投与
剤の剤型としては、注射剤等が挙げられる。投与量は、
通常成人において、100μg〜1000mg、好まし
くは、1日1mg〜500mgであるが、年令、症状等
により増減することができる。
るHO誘導促進剤、肝保護剤及び抗酸化剤は、経口、非
経口いずれにおいても投与できるが、経口により投与す
ることが好ましい。経口投与剤の剤型としては、散剤、
錠剤、カプセル剤、顆粒剤、丸剤等が挙げられる。これ
らの調製には、通常の賦形剤、崩壊剤、結合剤、滑沢
剤、色素、希釈剤などが用いられる。賦形剤としては、
でんぷん、ブドウ糖、乳糖等が、崩壊剤としては、デン
プン、CMC−Ca等が、結合剤としては、アラビアゴ
ム、HPC、ゼラチン、PVP等が、滑沢剤としては、
ステアリン酸Mg、タルク等が用いられる。非経口投与
剤の剤型としては、注射剤等が挙げられる。投与量は、
通常成人において、100μg〜1000mg、好まし
くは、1日1mg〜500mgであるが、年令、症状等
により増減することができる。
【0016】次に実施例を挙げて本発明を説明する。
【実施例1】胃上皮細胞におけるHO活性の測定 (方法) 1.ウサギ胃粘膜細胞の調製及び培養 胃粘膜細胞の調製はWatanabeらの方法(文献1
2)に準じて行った。ウサギ(日本白色種、雄性、体重
2.5〜4kg)をペントバルビタール(50mg/k
g,i.v.)麻酔下に脱血致死させ、胃を摘出した。
粘膜を剥離後、直ちにハサミで細切した。リン酸緩衝生
理食塩水(PBS)で洗浄後、粘膜を0.07%コラゲ
ナーゼ(和光純薬)を含むハンクス液中で37℃、15
分間インキュベートし、その後Ca2+,Mg2+を除去し
た1mM EDTA及び1mg/ml ウシ血清アルブ
ミン含有ハンクス液で洗浄した。この操作を2回繰り返
した後、懸濁液を孔径300μmと100μmの金属メ
ッシュに通した。濾過された細胞の生存率をトリパンブ
ルー色素排除法にて測定し、80%以上の細胞を培養し
た。胃粘膜細胞(2x106細胞)をラット尾I型コラ
ーゲン(Sigma)でコーティングした60mmディ
シュに播種した。培地は10%胎児ウシ血清、100
units/ml ペニシリン、100 units/
ml ストレプトマイシン、0.25μg/ml アン
ホテリシンBを含むF12培地を使用した。細胞をCO
2インキュベーター中で37℃、3〜4日間培養し、ほ
ぼコンフルエントの状態のものを実験に供した。培養さ
れた粘膜細胞は約70〜80%上皮細胞、約10〜15
%壁細胞、約5〜10%主細胞であった。
2)に準じて行った。ウサギ(日本白色種、雄性、体重
2.5〜4kg)をペントバルビタール(50mg/k
g,i.v.)麻酔下に脱血致死させ、胃を摘出した。
粘膜を剥離後、直ちにハサミで細切した。リン酸緩衝生
理食塩水(PBS)で洗浄後、粘膜を0.07%コラゲ
ナーゼ(和光純薬)を含むハンクス液中で37℃、15
分間インキュベートし、その後Ca2+,Mg2+を除去し
た1mM EDTA及び1mg/ml ウシ血清アルブ
ミン含有ハンクス液で洗浄した。この操作を2回繰り返
した後、懸濁液を孔径300μmと100μmの金属メ
ッシュに通した。濾過された細胞の生存率をトリパンブ
ルー色素排除法にて測定し、80%以上の細胞を培養し
た。胃粘膜細胞(2x106細胞)をラット尾I型コラ
ーゲン(Sigma)でコーティングした60mmディ
シュに播種した。培地は10%胎児ウシ血清、100
units/ml ペニシリン、100 units/
ml ストレプトマイシン、0.25μg/ml アン
ホテリシンBを含むF12培地を使用した。細胞をCO
2インキュベーター中で37℃、3〜4日間培養し、ほ
ぼコンフルエントの状態のものを実験に供した。培養さ
れた粘膜細胞は約70〜80%上皮細胞、約10〜15
%壁細胞、約5〜10%主細胞であった。
【0017】2.胃粘膜細胞からのヘムオキシゲナーゼ
(HO)の調製 胃粘膜細胞をレミノプラゾールで処理した後、5mM
MgCl2含有10mM Tris−HCl緩衝液(p
H7.4)3mlを加え、ラバーポリスマンで回収し
た。凍結融解3回により細胞を破砕し、100,000
xgで20分間遠心した。得られた沈殿を3% Tri
ton−X100を含む0.1 Mリン酸カリウム緩衝
液(pH7.4)0.5mlを加え、ホモジナイズし
た。得られたホモジネートを酵素標品とした。
(HO)の調製 胃粘膜細胞をレミノプラゾールで処理した後、5mM
MgCl2含有10mM Tris−HCl緩衝液(p
H7.4)3mlを加え、ラバーポリスマンで回収し
た。凍結融解3回により細胞を破砕し、100,000
xgで20分間遠心した。得られた沈殿を3% Tri
ton−X100を含む0.1 Mリン酸カリウム緩衝
液(pH7.4)0.5mlを加え、ホモジナイズし
た。得られたホモジネートを酵素標品とした。
【0018】3.HO活性の測定 ラット肝臓からビリベルジン還元酵素をTenhune
nらの方法(文献13)に準じて部分精製した。HO活
性はShibaharaらの方法(文献14)に従って
測定した。酵素標品を0.5mM NADPH、1un
it ビリベルジン還元酵素及び25mM hemat
in(Sigma)含有0.1M リン酸カリウム緩衝
液(pH7.4)1ml中で37℃、2時間インキュベ
ートした。生成したビリルビン量をビリベルジン還元酵
素存在下及び非存在下でのA460とA540の差から
算出し、HO活性とした。
nらの方法(文献13)に準じて部分精製した。HO活
性はShibaharaらの方法(文献14)に従って
測定した。酵素標品を0.5mM NADPH、1un
it ビリベルジン還元酵素及び25mM hemat
in(Sigma)含有0.1M リン酸カリウム緩衝
液(pH7.4)1ml中で37℃、2時間インキュベ
ートした。生成したビリルビン量をビリベルジン還元酵
素存在下及び非存在下でのA460とA540の差から
算出し、HO活性とした。
【0019】文献12)Watanabe,S.,et
al:J.Gastroent.Hepatol.
9,325−333(1994) 文献13)Tenhunen,R.,et al:Bi
ochemistry9,298−303(1970) 文献14)Shibahara,S.,et al:
J.Biol.Chem.262,12889−128
92(1987)
al:J.Gastroent.Hepatol.
9,325−333(1994) 文献13)Tenhunen,R.,et al:Bi
ochemistry9,298−303(1970) 文献14)Shibahara,S.,et al:
J.Biol.Chem.262,12889−128
92(1987)
【0020】(結果) 1.レミノプラゾールによりヘムオキシゲナーゼ(H
O)の誘導が誘起されるか否かについて検討した。培養
細胞にレミノプラゾール(1〜30μM)を添加し、2
時間後のHO活性を測定した。胃上皮細胞では通常はH
O活性は非常に低値であったが、レミノプラゾールを処
置すると、濃度依存的にHO活性の有意な増大が認めら
れた。レミノプラゾールは3,10及び30μMで対照
群に比較してそれぞれ3.3倍、7.3倍及び7.2倍
とHO活性を有意に増大させた。 2.レミノプラゾール(10μM)を添加して経時的
(0.5〜3時間)にHO活性を測定した結果、レミノ
プラゾールによるHO活性の増大には時間依存性が見ら
れ、その発現は培養細胞系でのレミノプラゾールの細胞
保護効果の発現と類似していた。レミノプラゾール添加
の1,2及び3時間後においてHO活性は対照群に比較
してそれぞれ4.4倍、7.9倍及び9.0倍と有意に
増大した。 3.蛋白合成阻害薬シクロヘキシミド(1μg/ml)
及びmRNA合成阻害剤アクチノマイシンD(0.5μ
g/ml)をレミノプラゾール添加の1時間前に処理し
た場合、レミノプラゾール(10μM)により誘導され
るHO活性の増大(レミノプラゾール添加2時間後)は
有意に抑制され、内因性の蛋白が関与していることが示
唆された。シクロヘキシミド及びアクチノマイシンDは
HO活性に影響を及ぼさなかったが、レミノプラゾール
により増大したHO活性(49.88±8.74pmo
le/hr/mg)はシクロヘキシミド及びアクチノマ
イシンDの前処置によりそれぞれ16.90±4.29
pmole/hr/mg及び13.15±3.36pm
ole/hr/mgと有意に抑制された。 4.HO阻害薬である亜鉛プロトポルフィリン(0.1
〜10μM、レミノプラゾールと同時添加)は濃度依存
的にレミノプラゾール(10μM)によるHO活性の増
大を抑制した。亜鉛プロトポルフィリンの1及び10μ
Mはそれぞれ61.4%及び73.6%の有意な抑制率
を示した。 以上の結果より、レミノプラゾールにより胃上皮細胞に
HOが誘導されることが判明し、このHOは誘導型のH
O−1であることが強く示唆された。
O)の誘導が誘起されるか否かについて検討した。培養
細胞にレミノプラゾール(1〜30μM)を添加し、2
時間後のHO活性を測定した。胃上皮細胞では通常はH
O活性は非常に低値であったが、レミノプラゾールを処
置すると、濃度依存的にHO活性の有意な増大が認めら
れた。レミノプラゾールは3,10及び30μMで対照
群に比較してそれぞれ3.3倍、7.3倍及び7.2倍
とHO活性を有意に増大させた。 2.レミノプラゾール(10μM)を添加して経時的
(0.5〜3時間)にHO活性を測定した結果、レミノ
プラゾールによるHO活性の増大には時間依存性が見ら
れ、その発現は培養細胞系でのレミノプラゾールの細胞
保護効果の発現と類似していた。レミノプラゾール添加
の1,2及び3時間後においてHO活性は対照群に比較
してそれぞれ4.4倍、7.9倍及び9.0倍と有意に
増大した。 3.蛋白合成阻害薬シクロヘキシミド(1μg/ml)
及びmRNA合成阻害剤アクチノマイシンD(0.5μ
g/ml)をレミノプラゾール添加の1時間前に処理し
た場合、レミノプラゾール(10μM)により誘導され
るHO活性の増大(レミノプラゾール添加2時間後)は
有意に抑制され、内因性の蛋白が関与していることが示
唆された。シクロヘキシミド及びアクチノマイシンDは
HO活性に影響を及ぼさなかったが、レミノプラゾール
により増大したHO活性(49.88±8.74pmo
le/hr/mg)はシクロヘキシミド及びアクチノマ
イシンDの前処置によりそれぞれ16.90±4.29
pmole/hr/mg及び13.15±3.36pm
ole/hr/mgと有意に抑制された。 4.HO阻害薬である亜鉛プロトポルフィリン(0.1
〜10μM、レミノプラゾールと同時添加)は濃度依存
的にレミノプラゾール(10μM)によるHO活性の増
大を抑制した。亜鉛プロトポルフィリンの1及び10μ
Mはそれぞれ61.4%及び73.6%の有意な抑制率
を示した。 以上の結果より、レミノプラゾールにより胃上皮細胞に
HOが誘導されることが判明し、このHOは誘導型のH
O−1であることが強く示唆された。
【0021】
【実施例2】肝臓におけるHOmRNA発現 (方法)Female BALB/c マウス(体重1
9−20g)にレミノプラゾール(100mg/kg)
を経口投与し(n=2)、経口投与1,3,5及び7時
間後にエーテル麻酔下に肝臓を摘出し、直ちにドライア
イスにて凍結した。凍結した組織よりtotal RN
Aを抽出した。RNAの抽出操作はChomcynsk
i らの方法(文献15)に基づいて行った。Tota
l RNA 3μgより文献16に従ってfirst
strand cDNAを作成した。Rat HO−1
cDNA(文献17)の56−319を増幅する5’
−AGGCCACCAAGGAGGTGCACA−3’
(sense primer)及び5’−AAGGGA
TGGCCTCCTGCCAGT−3’(antise
nse primer)を作成した。PCRの条件はS
hibaharaら(文献17)の報告を参考に、95
℃ 45s、55℃ 45s、72℃ 1.5min、
30 cyclesで行った。Densitometr
ic analysisは文献18に準じて行った。
9−20g)にレミノプラゾール(100mg/kg)
を経口投与し(n=2)、経口投与1,3,5及び7時
間後にエーテル麻酔下に肝臓を摘出し、直ちにドライア
イスにて凍結した。凍結した組織よりtotal RN
Aを抽出した。RNAの抽出操作はChomcynsk
i らの方法(文献15)に基づいて行った。Tota
l RNA 3μgより文献16に従ってfirst
strand cDNAを作成した。Rat HO−1
cDNA(文献17)の56−319を増幅する5’
−AGGCCACCAAGGAGGTGCACA−3’
(sense primer)及び5’−AAGGGA
TGGCCTCCTGCCAGT−3’(antise
nse primer)を作成した。PCRの条件はS
hibaharaら(文献17)の報告を参考に、95
℃ 45s、55℃ 45s、72℃ 1.5min、
30 cyclesで行った。Densitometr
ic analysisは文献18に準じて行った。
【0022】文献15)Chomcynski.,et
al:Anal.Biol.162,156−159
(1987) 文献16)Okamoto,T.,et al:Bio
chem.Biophys.Res.Commun.2
26,762−768(1996) 文献17)Shibahara,et al:Pro
c.Natl,Acad.Sci.82,7865−7
869(1985) 文献18)Okamoto,T.,et al:Jp
n.J.Pharmacol.76,97−99(19
98)
al:Anal.Biol.162,156−159
(1987) 文献16)Okamoto,T.,et al:Bio
chem.Biophys.Res.Commun.2
26,762−768(1996) 文献17)Shibahara,et al:Pro
c.Natl,Acad.Sci.82,7865−7
869(1985) 文献18)Okamoto,T.,et al:Jp
n.J.Pharmacol.76,97−99(19
98)
【0023】(結果)Normal liverにおい
てHO−1 mRNAは検出され、HO−1はNorm
al liverにおいてはconstitutive
に発現されていると考えられた。レミノプラゾール投
与後1時間ではHO mRNAはNormal を10
0%とすると約200%に誘発され、3,5及び7時間
後ではそれぞれ210%、190%及び170%に誘発
された。このことから、レミノプラゾール投与後、肝臓
においてHO−1が誘導されることが判明した。
てHO−1 mRNAは検出され、HO−1はNorm
al liverにおいてはconstitutive
に発現されていると考えられた。レミノプラゾール投
与後1時間ではHO mRNAはNormal を10
0%とすると約200%に誘発され、3,5及び7時間
後ではそれぞれ210%、190%及び170%に誘発
された。このことから、レミノプラゾール投与後、肝臓
においてHO−1が誘導されることが判明した。
【0024】
【実施例3】細胞内GSH含量低下作用の検討 (方法)実施例1の1.に記載した方法によりウサギ胃
粘膜細胞を調製及び培養し、薬物適用後の細胞生存率及
び細胞内GSH含量を測定した。細胞生存率はMTT法
(文献19)にて測定した。胃粘膜細胞をPBSで洗浄
後、0.1mlのMTT溶液(MTT 5g/L蒸留水
溶解)を加え、2時間後に塩酸含有イソプロパノールで
MTTを抽出し、抽出液の吸光度を595nmにて測定
した。また、細胞内GSH含量は実施例1の2.に記載
した胃粘膜細胞のホモジネートを用い、還元型グルタチ
オン(GSH)定量用キット(BOX社)により測定し
た。 文献19)Mosmann,T.:J.Immuno
l.Methods.65,55−63(1983)
粘膜細胞を調製及び培養し、薬物適用後の細胞生存率及
び細胞内GSH含量を測定した。細胞生存率はMTT法
(文献19)にて測定した。胃粘膜細胞をPBSで洗浄
後、0.1mlのMTT溶液(MTT 5g/L蒸留水
溶解)を加え、2時間後に塩酸含有イソプロパノールで
MTTを抽出し、抽出液の吸光度を595nmにて測定
した。また、細胞内GSH含量は実施例1の2.に記載
した胃粘膜細胞のホモジネートを用い、還元型グルタチ
オン(GSH)定量用キット(BOX社)により測定し
た。 文献19)Mosmann,T.:J.Immuno
l.Methods.65,55−63(1983)
【0025】(結果) 1.培養胃上皮細胞にインドメタシンを添加すると細胞
内GSH含量の低下が見られるが(インドメタシン適用
1時間後)、レミノプラゾールを前処理(インドメタシ
ン適用2時間前)しておくと、細胞傷害及び細胞内GS
H含量の低下が濃度依存的に抑制された。インドメタシ
ンを添加すると細胞内GSH含量は対照群の36.7%
にまで低下するが、レミノプラゾールの10及び30μ
Mの前処置はその低下を抑制し、それぞれ対照群の7
0.8%及び67.4%にまで有意にreverseさ
せた。 2.蛋白合成阻害薬シクロヘキシミド(1μg/ml)
及びmRNA合成阻害剤アクチノマイシンD(0.5μ
g/ml)をレミノプラゾール添加と同時に処理した場
合、インドメタシン誘発GSH含量の低下に対するレミ
ノプラゾールの抑制効果(インドメタシン適用1時間
後)を消失させた。インドメタシンを添加すると細胞内
GSH含量は対照群の31.4%にまで低下したが、レ
ミノプラゾールの10μMの前処置はその低下を対照群
の72.2%にまでreverseさせた。シクロヘキ
シミド及びアクチノマイシンDは無処置及びインドメタ
シン添加による細胞内GSH含量に影響を及ぼさなかっ
た。レミノプラゾール単独群での細胞内GSH含量は
7.12±0.76pmole/2x105cells
であったが、シクロヘキシミド及びアクチノマイシンD
をレミノプラゾールと同時添加した場合の細胞内GSH
含量はそれぞれ、3.54±0.72pmole/2x
105cells及び3.60±0.78pmole/
2x105cellであり、レミノプラゾールの抑制効
果は消失した。 3.HO阻害薬である亜鉛プロトポルフィリン(10μ
M、レミノプラゾールと同時添加)はインドメタシン誘
発GSH含量の低下に対するレミノプラゾールの抑制効
果(インドメタシン適用1時間後)を阻害した。インド
メタシンを添加する細胞内GSH含量は対照群の34.
7%にまで低下したが、レミノプラゾールの10μMの
前処置はその低下を対照群の72.0%にまでreve
rseさせた。亜鉛プロトポルフィリンは無処置及びイ
ンドメタシン添加による細胞内GSH含量に影響を及ぼ
さなかった。レミノプラゾール単独群での細胞内GSH
含量は5.93±0.82pmole/2x105ce
llsであったが、亜鉛プロトポルフィリンをレミノプ
ラゾールと同時添加した場合の細胞内GSH含量は3.
73±0.58pmole/2x105cellsであ
り、レミノプラゾールの抑制効果は阻害された。 以上の結果から、レミノプラゾールは内因性蛋白(一部
ヘムオキシゲナーゼ−1)を介して抗酸化作用を示すも
のと考えられる。
内GSH含量の低下が見られるが(インドメタシン適用
1時間後)、レミノプラゾールを前処理(インドメタシ
ン適用2時間前)しておくと、細胞傷害及び細胞内GS
H含量の低下が濃度依存的に抑制された。インドメタシ
ンを添加すると細胞内GSH含量は対照群の36.7%
にまで低下するが、レミノプラゾールの10及び30μ
Mの前処置はその低下を抑制し、それぞれ対照群の7
0.8%及び67.4%にまで有意にreverseさ
せた。 2.蛋白合成阻害薬シクロヘキシミド(1μg/ml)
及びmRNA合成阻害剤アクチノマイシンD(0.5μ
g/ml)をレミノプラゾール添加と同時に処理した場
合、インドメタシン誘発GSH含量の低下に対するレミ
ノプラゾールの抑制効果(インドメタシン適用1時間
後)を消失させた。インドメタシンを添加すると細胞内
GSH含量は対照群の31.4%にまで低下したが、レ
ミノプラゾールの10μMの前処置はその低下を対照群
の72.2%にまでreverseさせた。シクロヘキ
シミド及びアクチノマイシンDは無処置及びインドメタ
シン添加による細胞内GSH含量に影響を及ぼさなかっ
た。レミノプラゾール単独群での細胞内GSH含量は
7.12±0.76pmole/2x105cells
であったが、シクロヘキシミド及びアクチノマイシンD
をレミノプラゾールと同時添加した場合の細胞内GSH
含量はそれぞれ、3.54±0.72pmole/2x
105cells及び3.60±0.78pmole/
2x105cellであり、レミノプラゾールの抑制効
果は消失した。 3.HO阻害薬である亜鉛プロトポルフィリン(10μ
M、レミノプラゾールと同時添加)はインドメタシン誘
発GSH含量の低下に対するレミノプラゾールの抑制効
果(インドメタシン適用1時間後)を阻害した。インド
メタシンを添加する細胞内GSH含量は対照群の34.
7%にまで低下したが、レミノプラゾールの10μMの
前処置はその低下を対照群の72.0%にまでreve
rseさせた。亜鉛プロトポルフィリンは無処置及びイ
ンドメタシン添加による細胞内GSH含量に影響を及ぼ
さなかった。レミノプラゾール単独群での細胞内GSH
含量は5.93±0.82pmole/2x105ce
llsであったが、亜鉛プロトポルフィリンをレミノプ
ラゾールと同時添加した場合の細胞内GSH含量は3.
73±0.58pmole/2x105cellsであ
り、レミノプラゾールの抑制効果は阻害された。 以上の結果から、レミノプラゾールは内因性蛋白(一部
ヘムオキシゲナーゼ−1)を介して抗酸化作用を示すも
のと考えられる。
【0026】
【実施例4】製剤例(顆粒) 顆粒1g中下記成分を含有する。 レミノプラゾール 200mg ラクトース 450mg トウモロコシデンプン 300mg HPC 50mg
Claims (3)
- 【請求項1】 レミノプラゾールを有効成分として含有
するヘムオキシゲナーゲ誘導促進剤。 - 【請求項2】 レミノプラゾールを有効成分として含有
する抗酸化剤。 - 【請求項3】 レミノプラゾールを有効成分として含有
する肝保護剤。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28713598A JP2000119182A (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-09 | ヘムオキシゲナーゼ誘導促進剤 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP28713598A JP2000119182A (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-09 | ヘムオキシゲナーゼ誘導促進剤 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000119182A true JP2000119182A (ja) | 2000-04-25 |
Family
ID=17713531
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP28713598A Pending JP2000119182A (ja) | 1998-10-09 | 1998-10-09 | ヘムオキシゲナーゼ誘導促進剤 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000119182A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004010990A1 (fr) * | 2002-07-23 | 2004-02-05 | Negma-Lerads | Elevation du taux d’ heme oxygenase avec des derives de la rheine |
-
1998
- 1998-10-09 JP JP28713598A patent/JP2000119182A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
WO2004010990A1 (fr) * | 2002-07-23 | 2004-02-05 | Negma-Lerads | Elevation du taux d’ heme oxygenase avec des derives de la rheine |
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