JP2000118370A - 車両の走行安全装置 - Google Patents
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Abstract
動を行う車両の走行安全装置において、エアバッグの近
接展開を確実に防止する。 【解決手段】 自車が物体と接触する可能性があるとき
に接触を回避すべく自動制動を行う際に、シートベルト
装着状態センサS3 が乗員がシートベルトを装着してい
ないことを検知し、かつエアバッグ展開可能性推定手段
M3がエアバッグが展開する可能性が有ると推定した場
合に、自動制動手段M2が自動制動の減速度を減少させ
ることにより、制動に伴う慣性で乗員が慣性で前方に移
動して近接展開が発生するのを防止する。エアバッグ展
開可能性推定手段M3は、自動制動の開始時における自
車の車速が大きいとき、自動制動の開始時における自車
と物体との相対速度が大きいとき、自車が物体に接触す
るまでの時間が短いとき、自車が物体に接触する接触速
度が大きいときに、エアバッグが展開する可能性が有る
と推定する。
Description
する可能性が有ると判定されたときに運転者が自発的な
制動操作を行った場合に、その運転者の制動操作を支援
する制動力を発生させる車両の走行安全装置に関する。
サや赤外線センサで検知し、前記車間距離が閾値未満に
なって自車が前走車と接触する可能性が生じたときに自
動制動を実行するものにおいて、乗員がシートベルトを
装着していないときには、自動制動の減速度を小さく設
定して乗員が制動に伴う慣性で前方に移動するのを防止
するものが、実用新案登録第2573248号公報によ
り提案されている。
(乗員との距離が接近し過ぎている状態でエアバッグが
展開すること)が発生すると、エアバッグの乗員拘束性
能を効果的に発揮させるのが難しいことに鑑み、シート
の前後スライド位置、シートバックの傾斜角度、シート
ベルトの繰り出し長さ等に基づいてエアバッグと乗員と
の距離を検知し、その距離に応じてエアバッグの展開タ
イミングを変更するものが、特開平3−159838号
公報により提案されている。
登録第2573248号公報のものは、自動制動の作動
時におけるエアバッグの近接展開の問題を考慮していな
いため、エアバッグの性能が充分に発揮されない可能性
がある。また上記特開平3−159838号公報のもの
は、非減速時におけるエアバッグと乗員との距離を検知
するため、自動制動に伴う減速度で乗員の身体が前方に
移動することが考慮されず、エアバッグの近接展開が発
生してしまう可能性がある。
で、自車が物体と接触するのを回避すべく自動制動を行
う車両の走行安全装置において、エアバッグの近接展開
を確実に防止することを目的とする。
に、請求項1に記載された発明は、自車の進行方向前方
の物体を検知する物体検知手段と、自車が検知された物
体と接触する可能性を判定する接触可能性判定手段と、
接触可能性判定手段が接触可能性が有ると判定したとき
に自車を自動制動する自動制動手段と、自車が物体に接
触した際の衝撃で展開して乗員を保護するエアバッグ
と、乗員をシートに拘束するシートベルトとを備えた車
両の走行安全装置において、乗員のシートベルトの装着
状態を検知するシートベルト装着状態検知手段と、自動
制動手段による自動制動の作動時にエアバッグの展開可
能性を推定するエアバッグ展開可能性推定手段とを備え
てなり、自動制動手段は、シートベルト装着状態検知手
段の検知結果およびエアバッグ展開可能性推定手段の推
定結果に基づいて自動制動の制動力を変更することを特
徴とする。
可能性があると判定されたときに、物体との接触を回避
すべく自動制動を行う際に、乗員のシートベルトの装着
状態およびエアバッグの展開可能性に基づいて自動制動
の制動力を変更するので、エアバッグが近接展開する虞
のないときには充分な制動力を発生させて物体との接触
を回避し、エアバッグが近接展開する虞があるときには
制動力を抑制して乗員が制動に伴う慣性で前方に移動し
てエアバッグに接近するのを防止することができる。
1の構成に加えて、自車の車速を検知する車速検知手段
を備えてなり、エアバッグ展開可能性推定手段は、自動
制動手段による自動制動の開始時における自車の車速に
基づいてエアバッグの展開可能性を推定することを特徴
とする。
きには物体との接触を避けることが困難であるのでエア
バッグの展開可能性が高いと推定することができ、自車
の車速が小さいときには物体との接触を避けることが容
易であるのでエアバッグの展開可能性が低いと推定する
ことができる。
1の構成に加えて、エアバッグ展開可能性推定手段は、
物体検知手段で検知した自車と物体との相対速度に基づ
いてエアバッグの展開可能性を推定することを特徴とす
る。
度が大きいときには物体との接触を避けることが困難で
あるのでエアバッグの展開可能性が高いと推定すること
ができ、自車と物体との相対速度が小さいとときには物
体との接触を避けることが容易であるのでエアバッグの
展開可能性が低いと推定することができる。
1の構成に加えて、車速検知手段で検知した自車の車速
と、物体検知手段で検知した自車および物体の相対速度
と、物体検知手段で検知した自車および物体の相対距離
とに基づいて自車が物体に接触するまでの時間を推定す
る時間推定手段を備えてなり、エアバッグ展開可能性推
定手段は、時間推定手段で推定した推定時間に基づいて
エアバッグの展開可能性を推定することを特徴とする。
よび物体の相対速度と、自車および物体の相対距離とに
基づいて自車が物体に接触するまでの時間を推定するの
で、その推定時間が短いときには物体との接触を避ける
ことが困難であるのでエアバッグの展開可能性が高いと
推定することができ、その推定時間が長いときには物体
との接触を避けることが容易であるのでエアバッグの展
開可能性が低いと推定することができる。
1の構成に加えて、車速検知手段で検知した自車の車速
と、物体検知手段で検知した自車および物体の相対速度
と、物体検知手段で検知した自車および物体の相対距離
とに基づいて自車が物体に接触する時点での接触速度を
予測する接触速度推定手段を備えてなり、エアバッグ展
開可能性推定手段は、接触速度推定手段で推定した接触
速度に基づいてエアバッグの展開可能性を推定すること
を特徴とする。
よび物体の相対速度と、自車および物体の相対距離とに
基づいて自車が物体に接触する時点での接触速度を予測
するので、その接触速度が大きいときには接触の衝撃が
大きいためにエアバッグの展開可能性が高いと推定する
ことができ、その接触速度が小さいときには接触の衝撃
が小さいためにエアバッグの展開可能性が低いと推定す
ることができる。
2〜5の何れかの構成に加えて、シートベルト装着状態
検知手段が乗員がシートベルトを装着していないことを
検知したときに、自動制動手段は自動制動の制動力を減
少させることを特徴とする。
装着していないために強い制動力が作用すると慣性で乗
員が前進してエアバッグに接近する虞があるときに、自
動制動の制動力を減少させて近接展開の発生を未然に防
止することができる。また乗員がシートベルトを装着し
ているために強い制動力が作用しても慣性で乗員が前進
する虞がないときには、自動制動の制動力を充分に発生
させて接触を効果的に回避することができる。
2〜6の何れかの構成に加えて、エアバッグ展開可能性
推定手段がエアバッグの展開可能性が有ると推定したと
きに、自動制動手段は自動制動の制動力を減少させるこ
とを特徴とする。
性が有るときに自動制動の制動力を減少させて近接展開
の発生を未然に防止することができ、エアバッグの展開
可能性が無いときに自動制動の制動力を充分に発生させ
て接触を効果的に回避することができる。
7の構成に加えて、自動制動手段の非作動時におけるシ
ートあるいは乗員の前後位置を検知する前後位置検知手
段を備えてなり、自動制動手段は、前後位置検知手段で
検知したシートあるいは乗員の前後位置に基づいて自動
制動の制動力を変化させることを特徴とする。
前後位置に応じて自動制動の制動力を変化させるので、
乗員とエアバッグとの距離が小さいときに制動力を減少
させて近接展開を更に確実に防止することができる。
1〜8の何れかの構成に加えて、乗員のシートへの着座
状態を検知する着座状態検知手段を備えてなり、シート
ベルト装着状態検知手段は、着座状態検知手段により着
座状態が検知されたシートについて乗員のシートベルト
の装着状態を検知することを特徴とする。
ートについてシートベルトの装着状態を検知するので、
乗員が着座していないシートについて意味の無いシート
ベルトの装着状態の検知が行われるのを防止することが
できる。
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
で、図1は走行安全装置を搭載した車両の全体構成図、
図2は制動系統のブロック図、図3は電子制御ユニット
の回路構成を示すブロック図、図4は作用を説明するフ
ローチャート、図5は運転席のシートの斜視図、図6は
自動車の車室内部の斜視図である。
行安全装置を搭載した四輪の車両Vは、エンジンEの駆
動力がトランスミッションTを介して伝達される駆動輪
たる左右の前輪WFL,WFRと、車両Vの走行に伴って回
転する従動輪たる左右の後輪WRL,WRRとを備える。運
転者により操作されるブレーキペダル1は、電子制御負
圧ブースタ2を介してマスタシリンダ3に接続される。
電子制御負圧ブースタ2は、ブレーキペダル1の踏力を
機械的に倍力してマスタシリンダ3を作動させるととも
に、制動支援時にはブレーキペダル1の操作によらずに
電子制御ユニットUからの制動指令信号によりマスタシ
リンダ3を作動させる。ブレーキペダル1に踏力が入力
され、かつ電子制御ユニットUから制動指令信号が入力
された場合、電子制御負圧ブースタ2は両者のうちの何
れか大きい方に合わせてブレーキ油圧を出力させる。
尚、電子制御負圧ブースタ2の入力ロッドはロストモー
ション機構を介してブレーキペダル1に接続されてお
り、電子制御負圧ブースタ2が電子制御ユニットUから
の信号により作動して前記入力ロッドが前方に移動して
も、ブレーキペダル1は初期位置に留まるようになって
いる。
9は油圧制御装置4を介して前輪W FL,WFRおよび後輪
WRL,WRRにそれぞれ設けられたブレーキキャリパ
5FL,5 FR,5RL,5RRに接続される。油圧制御装置4
は4個のブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに対
応して4個の圧力調整器6…を備えており、それぞれの
圧力調整器6…は電子制御ユニットUに接続されて前輪
WFL,WFRおよび後輪WRL,WRRに設けられたブレーキ
キャリパ5FL,5FR,5RL,5RRの作動を個別に制御す
る。従って、圧力調整器6…によって各ブレーキキャリ
パ5FL,5FR,5RL,5RRに伝達されるブレーキ油圧を
独立に制御すれば、制動時における車輪のロックを抑制
するアンチロックブレーキ制御を行うことができる。
てレーザーやミリ波等の電磁波を発信し、その反射波に
基づいて前走車等の物体と自車との相対距離および相対
速度を検知するレーダー装置S1 と、前輪WFL,WFRお
よび後輪WRL,WRRの回転数をそれぞれ検知する車輪速
センサS2 …と、シートベルト装着状態センサS3 と、
前後位置センサS4 と、着座状態センサS5 とが接続さ
れる。
10はシートクッション11、シートバック12および
ヘッドレスト13を備える。本発明のシートベルト装着
状態検知手段を構成するシートベルト装着状態センサS
3 は、シートベルト14のバックル15の内部に設けら
れており、そのバックル15に対するタング16に結合
に基づいてシートベルト14の装着状態を検知する。本
発明の前後位置検知手段を構成する前後位置センサS4
はフロアに設けたシートレールに対するシートクッショ
ン11の相対位置に基づいてシート10の前後位置を検
知する。本発明の着座状態検知手段を構成する着座状態
センサS5 は、シートクッション11の内部に収納され
た感圧素子により乗員の着座状態を検知する。
手段を構成するレーダー装置S1 からの信号および各セ
ンサS2 〜S5 からの信号に基づいて、前記電子制御負
圧ブースタ2および油圧制御装置4の作動を制御する。
は、接触可能性判定手段M1と、自動制動手段M2と、
エアバッグ展開可能性推定手段M3と、時間推定手段M
4と、接触速度推定手段M5とが設けられる。
S1 で検知した自車と物体との相対距離および相対速
度、ならびに車輪速センサS2 …で検知した自車の車速
に基づいて自車と物体との接触可能性の有無を判定す
る。接触可能性判定手段M1が接触可能性が有ると判定
すると、自動制動手段M2が接触を回避すべく電子制御
負圧ブースタ2を作動させてマスタシリンダ3にブレー
キ油圧を発生させ、このブレーキ油圧を油圧制御装置4
を介してブレーキキャリパ5FL,5FR,5RL,5RRに供
給することにより制動力を発生させる。
M3が推定したエアバッグ7が展開する可能性の有無に
応じて、自動制動手段M2により発生する制動力が変更
される。具体的には、展開可能性が有る場合に自動制動
により発生する減速度を減少させ、減速による慣性で乗
員が前方に移動し難くしてエアバッグ7の近接展開を防
止する。エアバッグ7の展開可能性の有無を判定する手
法には4種類があり、その概略は以下の通りである。
動制動の開始時における自車の車速を算出し、その車速
が大きいときに展開可能性が有ると推定する。
制動の開始時における自車と物体との相対速度を算出
し、その相対速度が大きいときに展開可能性が有ると推
定する。
および車輪速センサS2 …の出力に基づいて自車が物体
に接触するまでの時間を推定し、その推定時間が短いと
きに展開可能性が有ると推定する。
S1 および車輪速センサS2 …の出力に基づいて自車が
物体に接触する時点での自車の接触速度を算出し、その
接触速度が大きいときに展開可能性が有ると推定する。
動力は、シートベルト14の装着状態およびシート10
の前後位置に基づいて変化する。即ち、着座状態センサ
S5により乗員のシート10への着座が検知され、かつ
シートベルト装着状態センサS3 によりシートベルト1
4の装着が検知されている場合には、乗員がシート10
に拘束されていて近接展開の虞がないため、自動制動の
減速度を減少させる制御は行われない。また前後位置セ
ンサS4 でシート10の前後位置を検知し、シート10
の位置が前方に移動しているときには近接展開の可能性
が高まるために、自動制動の減速度を更に減少させる制
御が行われる。
ートを参照しながら説明する。
との相対距離dをレーダー装置S1で検知するととも
に、レーダー装置S1 で検知した自車と物体との相対距
離dおよび相対速度ΔV、並びに車輪速センサS2 …で
検知した自車の車速V0 に基づいて、自車が物体との接
触を回避するために必要な自動制動開始時の相対距離D
を算出する。そして現在の自車と物体との相対距離d
が、自動制動を開始すべき自車と物体との相対距離D未
満であれば、即ち自車が物体に接近し過ぎていて接触が
発生する可能性が有る場合には、自動制動を実行すべく
ステップS2に移行する。尚、前記ステップS1の作用
は、接触可能性判定手段M1により実行される。
態センサS3 により乗員がシートベルト14を装着して
いるか否かを推定する。この推定は着座状態センサS5
により乗員が着座していることが検知されたシート10
についてのみ行われる。なぜならば、乗員が着座してい
ないシート10のシートベルト14は必ず非装着状態に
あるため、その装着状態を検知しても意味がないからで
ある。そして前記ステップS2で、乗員がシートベルト
14を装着していることが検知されれば、自動制動によ
る充分な制動力が作用しても慣性で乗員が前方に移動す
ることがなく、従ってエアバッグ7の近接展開の虞がな
いため、ステップS3で通常の減速度(例えば、0.4
G)で自動制動を実行して物体との接触を回避する。
ト14を装着していないことが検知されるとステップS
4に移行し、エアバッグ展開可能性推定手段M3でエア
バッグ7の展開可能性を推定する。このエアバッグ7の
展開可能性の推定手法は後から詳述する。而して、ステ
ップS4でエアバッグの展開可能性が無いと推定される
と、前記ステップS3で通常の減速度で自動制動を実行
し、展開可能性が有ると推定されると、ステップS5で
通常の減速度よりも低い減速度(例えば、0.2G)で
自動制動を実行する。このように低い減速度で自動制動
を行えば、シートベルト14を装着していない乗員であ
っても慣性で前方に移動する虞がないため、エアバッグ
7が展開しても近接展開が確実に防止される。
でエアバッグ7の展開可能性を推定する手法を具体的に
説明する。
法 車輪速センサS2 …で検知した自動制動開始時の自車の
車速V0 を予め設定した車速の閾値VLIM と比較し、V
0 >VLIM が成立するときにエアバッグ7の展開可能性
が有ると推定する。
度を用いる手法 レーダー装置S1 で検知した自動制動開始時の自車と物
体との相対速度ΔV(車間距離が減少する方向の相対速
度)を予め設定した相対速度の閾値ΔVLIM と比較し、
ΔV>ΔVLIM が成立するときにエアバッグ7の展開可
能性が有ると推定する。
間を用いる手法 先ず、レーダー装置S1 で検知した相対速度ΔVと、車
輪速センサS2 …で検知した自車の車速V0 とから、物
体の速度V1 を、 V1 =V0 −ΔV …(1) により算出する。tを自車が物体に接触するまでの時間
とし、αを通常の自動制動の減速度とし、Dを自動制動
開始時の自車と物体との距離とすると、 D+V1 ・t=V0 ・t−(α・t2 /2) …(2) が成立する。前記(2)式はtに関する二次式であり、
その2つの解のうち絶対値が小さい方の解tcが接触予
測時間となる。
ち(V1 −V0 )2 −2αDが負値になって以下の
(4)式が成立するときは接触が発生しない場合であ
り、この場合には通常の減速度で自動制動が行われる。
が発生する場合には、その接触予測時間tcを予め設定
した閾値tLIM と比較し、tc<tLIM が成立するとき
にエアバッグ7の展開可能性が有ると推定する。
度を用いる手法 自車が通常の自動制動の減速度αで減速したとき、前記
(3)式で得られる接触予測時間tc後の自車の車速
(接触速度)は、t0 −α・tcで与えられる。この接
触速度が、エアバッグ7が展開する下限速度VA/B を越
えている場合に、つまり、 V0 −α・tc> VA/B …(5) が成立する場合にエアバッグ7の展開可能性が有ると推
定する。前記(4)式に前記(3)式の接触予測時間t
cを代入すると以下のように書き換えられる。
ときの自動制動の減速度を一定値(例えば0.2G)に
設定しているが、その減速度をエアバッグ7と乗員との
距離に応じて変化させることができる。具体的には、前
後位置センサS 4 で検知したシート10の位置が前方位
置であって乗員とエアバッグ14との距離が小さいほど
近接展開が起こり易いため、前記距離の減少に応じて自
動制動の減速度が更に小さくなるように変更される。
装着している場合には通常の減速度で自動制動を実行
し、乗員がシートベルト14を装着していない場合に
は、エアバッグ14の展開可能性が無い場合に限り通常
の減速度で自動制動を実行するので、エアバッグの近接
展開を未然に防止しながら最大限の制動力を発生させて
物体との接触を回避することができる。
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
ーダー装置S1 を例示したが、物体検知手段としてカメ
ラ等の撮像手段を採用することも可能である。また図5
に示す前後位置センサS4 でシート10の前後位置を検
知する代わりに、図6に示すように、超音波等を用いた
非接触式の前後位置センサS4 …で乗員の前後位置を直
接検知しても良い。
によれば、自車が物体と接触する可能性があると判定さ
れたときに、物体との接触を回避すべく自動制動を行う
際に、乗員のシートベルトの装着状態およびエアバッグ
の展開可能性に基づいて自動制動の制動力を変更するの
で、エアバッグが近接展開する虞のないときには充分な
制動力を発生させて物体との接触を回避し、エアバッグ
が近接展開する虞があるときには制動力を抑制して乗員
が制動に伴う慣性で前方に移動してエアバッグに接近す
るのを防止することができる。
自車の車速が大きいときには物体との接触を避けること
が困難であるのでエアバッグの展開可能性が高いと推定
することができ、自車の車速が小さいときには物体との
接触を避けることが容易であるのでエアバッグの展開可
能性が低いと推定することができる。
自車と物体との相対速度が大きいときには物体との接触
を避けることが困難であるのでエアバッグの展開可能性
が高いと推定することができ、自車と物体との相対速度
が小さいとときには物体との接触を避けることが容易で
あるのでエアバッグの展開可能性が低いと推定すること
ができる。
自車の車速と、自車および物体の相対速度と、自車およ
び物体の相対距離とに基づいて自車が物体に接触するま
での時間を推定するので、その推定時間が短いときには
物体との接触を避けることが困難であるのでエアバッグ
の展開可能性が高いと推定することができ、その推定時
間が長いときには物体との接触を避けることが容易であ
るのでエアバッグの展開可能性が低いと推定することが
できる。
自車の車速と、自車および物体の相対速度と、自車およ
び物体の相対距離とに基づいて自車が物体に接触する時
点での接触速度を予測するので、その接触速度が大きい
ときには接触の衝撃が大きいためにエアバッグの展開可
能性が高いと推定することができ、その接触速度が小さ
いときには接触の衝撃が小さいためにエアバッグの展開
可能性が低いと推定することができる。
乗員がシートベルトを装着していないために強い制動力
が作用すると慣性で乗員が前進してエアバッグに接近す
る虞があるときに、自動制動の制動力を減少させて近接
展開の発生を未然に防止することができる。また乗員が
シートベルトを装着しているために強い制動力が作用し
ても慣性で乗員が前進する虞がないときには、自動制動
の制動力を充分に発生させて接触を効果的に回避するこ
とができる。
エアバッグの展開可能性が有るときに自動制動の制動力
を減少させて近接展開の発生を未然に防止することがで
き、エアバッグの展開可能性が無いときに自動制動の制
動力を充分に発生させて接触を効果的に回避することが
できる。
乗員あるいはシートの前後位置に応じて自動制動の制動
力を変化させるので、乗員とエアバッグとの距離が小さ
いときに制動力を減少させて近接展開を更に確実に防止
することができる。
乗員が着座しているシートについてシートベルトの装着
状態を検知するので、乗員が着座していないシートにつ
いて意味の無いシートベルトの装着状態の検知が行われ
るのを防止することができる。
ト装着状態検知手段) S4 前後位置センサ(前後位置検知手段) S5 着座状態センサ(着座状態検知手段) V 車両(自車) 7 エアバッグ 10 シート 14 シートベルト
Claims (9)
- 【請求項1】 自車(V)の進行方向前方の物体を検知
する物体検知手段(S1 )と、 自車(V)が検知された物体と接触する可能性を判定す
る接触可能性判定手段(M1)と、 接触可能性判定手段(M1)が接触可能性が有ると判定
したときに自車(V)を自動制動する自動制動手段(M
2)と、 自車(V)が物体に接触した際の衝撃で展開して乗員を
保護するエアバッグ(7)と、 乗員をシート(10)に拘束するシートベルト(14)
と、を備えた車両の走行安全装置において、 乗員のシートベルト(14)の装着状態を検知するシー
トベルト装着状態検知手段(S3 )と、 自動制動手段(M2)による自動制動の作動時にエアバ
ッグ(7)の展開可能性を推定するエアバッグ展開可能
性推定手段(M3)と、を備えてなり、自動制動手段
(M2)は、シートベルト装着状態検知手段(S3)の
検知結果およびエアバッグ展開可能性推定手段(M3)
の推定結果に基づいて自動制動の制動力を変更すること
を特徴とする車両の走行安全装置。 - 【請求項2】 自車(V)の車速を検知する車速検知手
段(S2 )を備えてなり、エアバッグ展開可能性推定手
段(M3)は、自動制動手段(M2)による自動制動の
開始時における自車(V)の車速に基づいてエアバッグ
(7)の展開可能性を推定することを特徴とする、請求
項1に記載の車両の走行安全装置。 - 【請求項3】 エアバッグ展開可能性推定手段(M3)
は、物体検知手段(S1 )で検知した自車(V)と物体
との相対速度に基づいてエアバッグ(7)の展開可能性
を推定することを特徴とする、請求項1に記載の車両の
走行安全装置。 - 【請求項4】 車速検知手段(S2 )で検知した自車
(V)の車速と、物体検知手段(S1 )で検知した自車
(V)および物体の相対速度と、物体検知手段(S1 )
で検知した自車(V)および物体の相対距離とに基づい
て自車(V)が物体に接触するまでの時間を推定する時
間推定手段(M4)を備えてなり、エアバッグ展開可能
性推定手段(M3)は、時間推定手段(M4)で推定し
た推定時間に基づいてエアバッグ(7)の展開可能性を
推定することを特徴とする、請求項1に記載の車両の走
行安全装置。 - 【請求項5】 車速検知手段(S2 )で検知した自車
(V)の車速と、物体検知手段(S1 )で検知した自車
(V)および物体の相対速度と、物体検知手段(S1 )
で検知した自車(V)および物体の相対距離とに基づい
て自車(V)が物体に接触する時点での接触速度を推定
する接触速度推定手段(M5)を備えてなり、エアバッ
グ展開可能性推定手段(M3)は、接触速度推定手段
(M5)で推定した接触速度に基づいてエアバッグ
(7)の展開可能性を推定することを特徴とする、請求
項1に記載の車両の走行安全装置。 - 【請求項6】 シートベルト装着状態検知手段(S3 )
が乗員がシートベルト(14)を装着していないことを
検知したときに、自動制動手段(M2)は自動制動の制
動力を減少させることを特徴とする、請求項2〜5の何
れかに記載の車両の走行安全装置。 - 【請求項7】 エアバッグ展開可能性推定手段(M3)
がエアバッグ(7)の展開可能性が有ると推定したとき
に、自動制動手段(M2)は自動制動の制動力を減少さ
せることを特徴とする、請求項2〜6の何れかに記載の
車両の走行安全装置。 - 【請求項8】 自動制動手段(M2)の非作動時におけ
るシート(10)あるいは乗員の前後位置を検知する前
後位置検知手段(S4 )を備えてなり、自動制動手段
(M2)は、前後位置検知手段(S4 )で検知したシー
ト(10)あるいは乗員の前後位置に基づいて自動制動
の制動力を変化させることを特徴とする、請求項7に記
載の車両の走行安全装置。 - 【請求項9】 乗員のシート(10)への着座状態を検
知する着座状態検知手段(S5 )を備えてなり、シート
ベルト装着状態検知手段(S3 )は、着座状態検知手段
(S5 )により着座状態が検知されたシート(10)に
ついて乗員のシートベルト(14)の装着状態を検知す
ることを特徴とする、請求項1〜8の何れかに記載の車
両の走行安全装置。
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