JP2000116195A - 需要家電力設備 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 複数の発電部を有する需要家電力設備におい
て、各発電部に対応したパラメータの管理を容易にす
る。 【解決手段】 複数の発電部Ｕ１ａ等の発電機１２は、
遮断器１４を介して電源系統の母線１に接続されてい
る。各発電部には、発電機コントローラ１７ａが設けら
れており、これらの発電機コントローラ１７ａは通信路
１００を介して統合コントローラ５に接続されている。
統合コントローラ５は、遮断器１４の漸進時間など、各
発電部の制御に必要なパラメータを記憶しており、これ
を必要に応じて発電機コントローラ１７ａに送り、電力
設備の統括的制御を行う。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】この発明は、複数の発電機を
備えた需要家電力設備に関する。

【０００２】

【従来の技術】図２は従来の需要家電力設備の構成例を
示すブロック図である。図２に示すように、この需要家
電力設備は、複数の発電部Ｕ１、Ｕ２、…を有してい
る。なお、図２では図面が煩雑になるのを防ぐため、２
個の発電部のみが図示されている。

【０００３】発電部Ｕ１において、エンジン１１は、同
期発電機（以下、単に発電機という。）１２のロータを
回転駆動する手段であり、調速機能（ガバナ）を有して
いる。同期発電機１２は、そのロータが駆動されること
により３相の交流電圧を発生する。この交流電圧は、給
電線１３を介して母線１に供給される。また、給電線１
３の途中には母線１との間の接続を断つための遮断器１
４が介挿されている。自動電圧調整器１５は、給電線１
３に出力された交流電圧をトランス１６を介して検知
し、この検知結果を用いて発電機１２に与える励磁電圧
の制御を行う。

【０００４】発電機コントローラ１７は、発電機および
その補機の制御を行う手段である。すなわち、この発電
機コントローラ１７は、給電線１３に出力された交流電
圧、給電線１３から母線１へ流れる電流および母線１に
おける出力電圧を各々トランス１８、電流検知器１９お
よびトランス２０を介して検知し、これらの検知結果に
基づき、エンジン１１に供給するガバナ信号の制御、自
動電圧調整器１５に与える電圧指令値の制御等を行う。
また、遮断器１４による発電部１と母線１との間の接続
／遮断の切り換え制御も、この発電機コントローラ１７
により行われる。

【０００５】以上が発電部Ｕ１内の各構成要素である。
なお、他の発電部Ｕ２、…も、この発電部Ｕ１と同様な
構成を有している。各発電部の各発電機コントローラ１
７は、相互に通信を行うことにより、他の発電部の動作
状態を監視している。また、各発電部の各発電機コント
ローラ１７は、シーケンサ３に接続されている。このシ
ーケンサ３には、マンマシンインタフェースとして、操
作表示器４が接続されている。各発電部の動作状態は、
各発電機コントローラ１７からシーケンサ３に報告され
る。シーケンサ３は、この報告に基づき、発電設備の動
作状態を操作表示器４により表示する。また、シーケン
サ３は、操作表示器４を介してユーザからの指令を受け
取り、この指令を該当する発電部の発電機コントローラ
１７に送る。発電機コントローラ１７は、この指令に従
い、上述したエンジン１１、自動電圧調整器１５等の制
御を行う。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来の需要家電力設備では、各発電部の制御に必要なパラ
メータ、例えば遮断器の漸進時間、トランスの変換比
率、発電機の容量などを当該発電部内の発電機コントロ
ーラ１７が保持していた。このため、発電機コントロー
ラ１７の取り替えの際には、これらのパラメータを新た
に取り付けた発電機コントローラ１７に入力する作業が
必要になり、取り扱いが不便であるという問題があっ
た。

【０００７】この発明は以上説明した事情に鑑みてなさ
れたものであり、各発電部に対応したパラメータの管理
が容易な需要家電力設備を提供することを目的としてい
る。

【０００８】

【課題を解決するための手段】請求項１に係る発明は、
遮断器を介して電源系統の母線に接続される発電機を各
々含む複数の発電部と、前記複数の発電部の制御を行う
複数の発電機コントローラと、前記複数の発電部の制御
に必要なパラメータを記憶し、各発電機コントローラに
対し、各々が属する発電部に対応した前記パラメータを
送信する統合コントローラとを具備することを特徴とす
る需要家電力設備を要旨とする。

【０００９】かかる発明によれば、各発電部に対応した
パラメータが統合コントローラから発電機コントローラ
へ送られるので、発電機コントローラの取り替えを行っ
た場合でも、発電機コントローラへのパラメータの入力
は不要である。

【００１０】請求項２に係る発明は、前記複数の発電機
コントローラおよび統合コントローラは、シリアル通信
インタフェースを各々有するとともに、該シリアル通信
インタフェースにより通信路を介して接続され、前記統
合コントローラは、該通信路を介して前記パラメータの
送信を行うことを特徴とする請求項１に記載の需要家電
力設備を要旨とする。

【００１１】かかる発明によれば、シリアルな通信路に
より各発電機コントローラと統合コントローラとの間の
接続を行うので、発電機コントローラと統合コントロー
ラとのの接続や切り離しを自由に行うことができる。

【００１２】請求項３に係る発明は、前記複数の発電機
コントローラは、各々が配置された前記発電部の状態を
監視し、この監視結果を前記通信路を介して前記統合コ
ントローラヘ送信する手段を具備することを特徴とする
請求項２に記載の需要家電力設備を要旨とする。

【００１３】かかる発明によれば、各発電部の監視結果
が統合コントローラに送られるので、統合コントローラ
において全ての発電部の状態を把握することができる。

【００１４】請求項４に係る発明は、前記統合コントロ
ーラが、前記複数の発電部内の発電機の補機の制御を行
うを要旨とする。

【００１５】かかる発明によれば、発電機駆動用エンジ
ン、冷却装置などの発電機の補機が統合コントローラの
制御下にあるので、発電機コントローラからの補機の制
御に必要な情報が送信されてこない場合などにおいて
も、統合コントローラの主導により適切に補機の制御を
行うことができる。

【００１６】

【発明の実施の形態】以下、図面を参照し、本発明の実
施の形態について説明する。図１はこの発明の一実施形
態である需要家電力設備の構成を示すブロック図であ
る。なお、この図において、上述した従来の需要家電力
設備（前掲図２）の各部と対応した部分については同一
の符号を付し、その説明を省略する。

【００１７】本実施形態に係る需要家電力設備は、複数
の発電部Ｕ１ａ、Ｕ２ａ、…を有しており、各発電部に
は発電機コントローラ１７ａが各々設けられている。こ
れらの各発電機コントローラ１７ａは、シリアル通信イ
ンタフェースを有しており、このシリアル通信インタフ
ェースにより、通信路１００を介して統合コントローラ
５に接続されている。

【００１８】各発電機コントローラ１７ａは、統合コン
トローラ５から通信路１００を介して指令を受け取り、
例えば同期投入制御、力率制御、有効電力制御、周波数
制御、無効電力制御、電圧制御、デジタルサーボ制御な
ど、各々が置かれた発電部についての各種の制御を行
う。また、各発電機コントローラ１７ａは、発電機の各
線間電圧、各相電流、周波数、力率、有効電力、無効電
力、母線１の電圧、母線１の電圧の周波数、発電機の積
算有効電力量、積算無効電力量、運転時間などを監視
し、この監視結果を通信路１００を介して統合コントロ
ーラ５へ送る。

【００１９】さて、上述した従来の需要家電力設備で
は、各発電部における発電機コントローラ１７が、当該
発電部の各構成要素に関するパラメータの管理を行って
いた。これに対し、本実施形態における各発電部Ｕ１
ａ、Ｕ２ａ、…の発電機コントローラ１７ａは、このよ
うなパラメータの管理機能を有していない。また、発電
機コントローラ１７ａには、これらのパラメータを入力
する手段も設けられていない。

【００２０】本実施形態では、統合コントローラ５が、
例えば遮断器１４の漸進時間、トランス１６等の変換比
率、発電機１２の容量など、各発電部Ｕ１ａ、Ｕ２ａ、
…の各構成要素に関するパラメータを記憶しており、こ
れらのパラメータを用いて各発電機コントローラ１７ａ
を制御することにより、需要家電力設備の統合的な制御
を行う。各発電機コントローラ１７ａが行う同期投入制
御なども、この統合コントローラ５による統括的な制御
の下で行われる。

【００２１】統合コントローラ５には、操作表示器５
１、５２、…がマンマシンインタフェースとして接続さ
れている。各発電機コントローラ１７ａから統合コント
ローラ５に送られる各発電部の監視結果は、これらの操
作表示器５１、５２、…に表示される。また、ユーザ
は、操作表示器５１、５２、…により、統合コントロー
ラ５に指令を与えることができる。統合コントローラ５
は、このようにしてユーザから与えられる指令に従い、
電力設備内の監視または制御を行う。ここで、ユーザか
らの指令の中には、特定の発電部のみに関連するものも
ある。しかし、本実施形態では、そのような指令を含む
全ての指令が統合コントローラ５に一旦与えられ、この
統合コントローラ５から通信路１００を経由して該当す
る発電部の発電機コントローラ１７ａに与えられ、指令
された監視または制御が実行されるのである。また、本
実施形態では、各発電部Ｕ１ａ、Ｕ２ａ、…における発
電機１２の補機（例えばエンジン１１や図示しない冷却
装置など）の制御も統合コントローラ５により行われ
る。これは、発電機コントローラからの補機の制御に必
要な情報が送信されてこない場合などにおいても、統合
コントローラの主導により適切に補機の制御を行うため
である。

【００２２】以下、本実施形態の動作について説明す
る。例えば母線１に商用電源が接続されている状態にお
いて、発電部Ｕ１ａ内の発電機１２の運転を開始させ、
商用電源に連係して母線１への電力供給を行うよう当該
発電機の自動同期投入を行うものとする。この自動同期
投入における本実施形態の動作は次のようになる。

【００２３】ユーザが操作表示器５１から発電部Ｕ１ａ
の発電機１２の自動同期投入の指令を与えると、統合コ
ントローラ５は、自動同期投入指令および自動同期投入
の制御に必要な各種のパラメータを発電部Ｕ１ａ内の発
電機コントローラ１７ａに送る。この自動同期投入指令
とともに送られるパラメータには、当該発電部Ｕ１ａ内
の遮断器１４に対応した漸進時間、同期投入の条件であ
る発電機電圧と母線電圧との許容電圧差および許容周波
数差など、当該発電部Ｕ１ａに固有のパラメータが含ま
れている。

【００２４】自動同期投入指令およびパラメータを受け
取った発電機コントローラ１７ａは、トランス１８を介
して検出される発電機１２の出力電圧とトランス２０を
介して検出される母線１上の電圧との電圧差および周波
数差を演算する。そして、発電機１２の出力電圧が母線
１上の電圧よりも低く、かつ、両者の電圧差が上記許容
電圧差を越えている場合には、ＡＶＲ増信号を自動電圧
調整器１５に送り、発電機１２に供給する励磁電流を増
加させることにより発電機１２の出力電圧を増加させ
る。一方、発電機１２の出力電圧が母線１上の電圧より
も高く、かつ、両者の電圧差が上記許容電圧差を越えて
いる場合には、ＡＶＲ減信号を自動電圧調整器１５に送
り、発電機１２に供給する励磁電流を減少させることに
より発電機１２の出力電圧を減少させる。

【００２５】また、発電機１２の出力周波数が母線１上
の電圧の周波数よりも低く、かつ、両者の周波数差が上
記許容周波数差を越えている場合には、ガバナ増信号を
通信路１００を介して統合コントローラ５へ送る。一
方、発電機１２の出力周波数が母線１上の電圧の周波数
よりも高く、かつ、両者の周波数差が上記許容周波数差
を越えている場合には、ガバナ減信号を統合コントロー
ラ５へ送る。統合コントローラ５は、発電機コントロー
ラ１７ａからガバナ増信号を受け取ると、発電部Ｕ１ａ
のエンジン１１の回転数を増加させ、発電機１２の出力
周波数を増加させる。一方、統合コントローラ５は、発
電機コントローラ１７ａからガバナ減信号を受け取る
と、発電部Ｕ１ａのエンジン１１の回転数を減少させ、
発電機１２の出力周波数を減少させる。

【００２６】このような制御により発電機１２の出力電
圧と母線１上の電圧との電圧差および周波数差が許容電
圧差および許容周波数差の範囲に収まると、発電機コン
トローラ１７ａは、遮断器１４を投入するための動作を
開始する。すなわち、発電機１２の出力電圧と母線１上
の電圧との位相差を監視し、位相差が０となる同期投入
目標時点よりも上記漸進時間相当だけ前のタイミングに
おいて遮断器１４を閉じるための駆動信号を出力する。
これにより、理想的には上記同期投入目標時点において
遮断器１４がオン状態となり、発電機１２の出力電圧が
遮断器１４を介して母線１に供給され、商用電源と発電
機１２とによる系統連係動作が開始される。

【００２７】なお、以上説明した系統連係動作への移行
時の他、１台の発電機を単独で運転している状態から複
数台の発電機を母線１に並列接続し、並列運転を行う場
合にも、上記と同様な同期投入制御が行われる。

【００２８】系統連係動作や並列運転が行われている
間、この電力設備では、発電部Ｕ１ａの発電機１２の力
率制御、有効電力制御、無効電力制御など、正常な系統
連係動作を維持するための各種の制御が行われる。この
制御は、力率、有効電力、無効電力などの監視結果が発
電機コントローラ１７ａから統合コントローラ５に送ら
れ、統合コントローラ５の主導の下で行われる。以上が
この電力設備の動作の概要である。

【００２９】ところで、需要家電力設備においては、故
障などの原因により、発電機コントローラの取り替えを
行う場合がある。従来、このような発電機コントローラ
の取り替えを行った場合には、遮断器の漸進時間、トラ
ンスの変換比率、発電機の容量など、発電部の制御に必
要なパラメータを新たな発電機コントローラに入力し直
していた。

【００３０】これに対し、本実施形態に係る需要家電力
設備では、これらのパラメータは全て統合コントローラ
５によって管理され、発電機コントローラが行う制御に
必要なパラメータは通信路１００を介して統合コントロ
ーラから発電機コントローラへ送信される。従って、発
電機コントローラの取り替えを行った場合でも、新たな
発電機コントローラへのパラメータ入力は不要である。

【００３１】また、本実施形態における発電機コントロ
ーラは、シリアル通信インタフェースにより、何台でも
自由に統合コントローラ５に接続することができる。従
って、発電機の増設や撤去の際に統合コントローラおよ
び各発電機コントローラ間の配線の変更を行う手間が不
要である。

【００３２】

【発明の効果】以上説明したように、この発明に係る需
要家電力設備によれば、遮断器を介して電源系統の母線
に接続される発電機を各々含む複数の発電部と、前記複
数の発電部の制御を行う複数の発電機コントローラと、
前記複数の発電部内の制御に必要なパラメータを記憶
し、各発電機コントローラに対し、各々が属する発電部
に対応した前記パラメータを送信する統合コントローラ
とを有するので、各発電部の制御に必要なパラメータの
管理が容易であり、発電機コントローラの取り替えなど
が合った場合でもパラメータの入力などの作業が不要で
あるという効果がある。

【図面の簡単な説明】

【図１】 この発明の一実施形態である需要家電力設備
の構成を示すブロック図である。

【図２】 従来の需要家電力設備の構成を示すブロック
図である。

【符号の説明】

Ｕ１ａ，Ｕ１ｂ……発電部、１１……エンジン、１２…
…発電機、１３……給電線、１４……遮断器、１５……
自動電圧調整器、１６，１８，２０……トランス、１７
ａ……発電機コントローラ、５……統合コントローラ、
５１，５２……操作表示器。

フロントページの続き Ｆターム(参考） 5G066 HA15 HB01 5H590 AA08 CA07 CA28 CC01 CC24 CE01 DD64 EA01 EA14 EB02 EB04 EB05 EB06 EB07 EB12 EB17 EB21 EB28 FA01 FA06 GA02 GB05 HA01 HA02 HA04 HA06 HA07 HA08 HA09 HA10 HB02 HB03 JA02 JB02 JB18 KK01 KK04

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 遮断器を介して電源系統の母線に接続さ
   れる発電機を各々含む複数の発電部と、 前記複数の発電部の制御を行う複数の発電機コントロー
   ラと、 前記複数の発電部の制御に必要なパラメータを記憶し、
   各発電機コントローラに対し、各々が属する発電部に対
   応した前記パラメータを送信する統合コントローラとを
   具備することを特徴とする需要家電力設備。
2. 【請求項２】 前記複数の発電機コントローラおよび統
   合コントローラは、シリアル通信インタフェースを各々
   有するとともに、該シリアル通信インタフェースにより
   通信路を介して接続され、前記統合コントローラは、該
   通信路を介して前記パラメータの送信を行うことを特徴
   とする請求項１に記載の需要家電力設備。
3. 【請求項３】 前記複数の発電機コントローラは、各々
   が配置された前記発電部の状態を監視し、この監視結果
   を前記通信路を介して前記統合コントローラヘ送信する
   手段を具備することを特徴とする請求項２に記載の需要
   家電力設備。
4. 【請求項４】 前記統合コントローラが、前記複数の発
   電部内の発電機の補機の制御を行うことを特徴とする請
   求項１〜３のいずれか１の請求項に記載の需要家電力設
   備。