JP3493753B2 - 系統連携電力システムにおける単独運転検出方法とその装置 - Google Patents

系統連携電力システムにおける単独運転検出方法とその装置

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JP3493753B2
JP3493753B2 JP25016494A JP25016494A JP3493753B2 JP 3493753 B2 JP3493753 B2 JP 3493753B2 JP 25016494 A JP25016494 A JP 25016494A JP 25016494 A JP25016494 A JP 25016494A JP 3493753 B2 JP3493753 B2 JP 3493753B2
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義治 内村
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  • Control Of Ac Motors In General (AREA)
  • Control Of Eletrric Generators (AREA)
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、電力会社から供給さ
れる電力系統に並列接続し、連携運転を行う自家用発電
装置設置事業所における単独運転検出装置に係り、特
に、電力会社からの送電が停止されたことを確実に検知
して単独運転を防止することができる、系統連携電力シ
ステムにおける単独運転検出方法とその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電力会社等の電気事業者から供給される
電力系統に自家用の交流発電機を並列接続して、自社の
交流負荷装置に電力を供給する系統連携の電力システム
が使用されている。このような手段における電力系統の
概要構成を図4に示す。図4において、1は電力会社か
ら供給される電力系統の送電/配電線であって、電力会
社側の降圧用変圧器1a、電力会社側の送り出し遮断器
(以下遮断器と略記する)2を介して配電線3に接続さ
れている。電力会社が送電する電力は降圧用変圧器1a
によって配電線3に規定される所定値の電圧、例えば、
6.6kVに降圧され、需要者に供給する配電線3に出
力される。配電線3は夫々の電力需要家に対して需要家
の遮断器4を経由してその需要家の電力負荷5に接続さ
れている。図4においては、電力会社から電力を供給さ
れる複数の電力需要家を上記のように一軒の電力需要家
で代表して示している。
【0003】6は電力系統連携システムを構成している
自家用発電装置設置事業所(以下事業所と略記する)に
接続する事業所構内回路用遮断器(以下事業所用遮断器
と略記する)である。電力会社から電力を受電する配電
線3は事業所用遮断器6を介して事業所構内の配電回路
(以下構内配電線と記す)7に接続される。構内配電線
7には、遮断器8を介して事業所構内の電力負荷9が接
続されている。図4においては、電力会社から電力を供
給される複数の電力負荷を上記のように一個の電力負荷
9で代表して示している。電力系統連携システムを構成
している事業所においては、原動機10aと、この原動
機10aが駆動する交流発電機10b及び図示しない補
助機能によって構成される自家用発電機10が設備さ
れ、自家用発電機10の出力回路は発電回路の遮断器1
1を介して構内配電線7に接続されている。構内配電線
7は開閉器12を介して構内の降圧用変圧器13に接続
され、所定値の低圧、例えば220Vに降圧している。
構内の降圧用変圧器13の出力は、遮断器14を介して
前述した自家用発電機10の補機類15に接続してい
る。補機類15は自家用発電機10を起動し制御するの
に必要な低圧電源を必要とする装置類を総合して示して
いる。図4においては、電力系統連携システムの構成を
説明するのに必要な主要機能を簡略化して示したもので
あって、例えば、配電線3や構内配電線7は主要な電力
系統のみを1本の線で簡略化して示しており、各遮断器
の投入を操作する制御機能と信号線、夫々の需要家に設
備される受電用設備、自家用発電機10の制御装置を含
む構内電力系統制御装置、或いは開閉器類等、電力シス
テムで当然必要となる機器設備類の詳細図示は省略して
いる。
【0004】図4に示した電力系統連携システムにおい
て、通常の運転時には、電力負荷9の需要の大小に対応
し、図示しない制御装置の働きによって適切に自家用発
電機10の発電電力を制御して、受電電力と自家発電電
力とを適切な比率で電力負荷9に供給している。今、例
えば、電力会社の異常等で送電が停止され、また、電力
会社の遮断器2が開くと、事業所用遮断器6を開いて構
内配電線7と配電線3との接続を切り、自家用発電機1
0は構内の電力負荷9に対してのみに電力を供給する。
即ち、逆潮流システムにおいても自家用発電機10の発
電出力のみが配電線3に送出され、一般需要家の電力負
荷5に供給されることが禁じられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従って、上述のように
電力系統においては、電力会社の遮断器2が開くと、事
業所用遮断器6も必ず開くことが要求されている。通常
の系統連携システムにおいては、電力会社の遮断器2が
開くと、配電線3、7上の周波数変化、電圧/電流変化
等を検出して事業所側で遮断器2が開いたことを検知す
ることができる。しかしながら、系統連携システムが定
常状態では自家用発電機10の発電電力を配電線3に対
して出力する逆潮流システムが認められている場合、有
効電力及び無効電力がゼロの状態、即ち潮流ゼロの状態
で電力会社の遮断器2が働き配電線3の電力会社側が開
放されると、事業所側では配電線3、7上の電気的変化
を検知できず従って、自家用発電機が単独運転状態にな
ったことが判定できない。そのために、事業所用遮断器
6が開放されないで運転が継続されてしまうという事態
が発生する恐れがあった。このため、逆潮流システムに
おいても確実に電力会社の遮断器開放を検知できる手段
が望まれていた。本発明は従来のものの上記課題(問題
点)を解決し、逆潮流システムにおけるどのような状態
においても確実に電力会社の遮断器開放を検知できる、
系統連携電力システムにおける単独運転検出方法とその
装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明に基づく系統連携電力システムの系統連携運
転時における単独運転検出方法においては、当該系統連
携電力システムを構成する自家用発電装置に接続する配
電回路に誘導機を接続し、誘導機の負荷を正・負方向に
微少変化をさせることによって影響を受ける配電回路
(以下構内配電線と称す)上の変動状態を検出し、よっ
系統連携運転時における単独運転の状態を判定するよ
うにした。また、誘導機の負荷を正・負方向に微少変化
させるには、誘導機にフライホイールを結合するととも
に、この誘導機と構内配電線との間に双方向性インバー
タを接続し、双方向性インバータの設定周波数を基準周
波数の上下に微少変化させることによって、フライホイ
ールによって回転を規制される誘導機回転のスリップ率
を進遅方向に変動させ、よって誘導機の電動機機能と発
電機機能を交互に実行させることによって行うことがで
きる。なお、この場合、誘導機の負荷を正・負方向に微
少変化をさせて単独運転状態であるとの第1次の判定の
後、誘導機の負荷を前記変化量よりも所定量拡大し、
独運転状態であるとの第2次の判定作業によって単独運
転の状態であると確認し判定するのが望ましい。また、
系統連携電力システムの系統連携運転時における単独運
転検出装置においては、構内配電線に誘導機を接続して
誘導機の負荷を正・負方向に微少変化をさせ、誘導機か
ら構内配電線上に与える電気的変動状態の検出手段を設
、この検出手段による検出結果から単独運転を判定す
る手段を構成しても良い。さらに、構内配電線に双方向
性インバータを介してフライホイールをその回転軸に結
合した誘導機を接続し、双方向性インバータは所定値の
基準周波数を中心にして所定周期所定変位量でその出力
する周波数を振動させ、この振動により構内配電線が受
ける影響を検知するセンサを構内配電線の所定位置に装
着し、このセンサの検知信号から単独運転を検知する機
能を設けるのが望ましい。この場合、上記センサとして
周波数変化率リレーを使用するのが望ましい。
【0007】
【作用】本発明に基づく系統連携電力システムの系統連
携運転時における単独運転検出方法は上述のような方法
とし、単独運転検出装置も上述のように構成し、夫々機
能するようにしたので、誘導機の負荷を電力系統に擾乱
を与えない程度に微少変化させることによって定常運転
中は電力系統は擾乱を受けない。しかしながら、系統連
携運転と単独運転とで、構内配電線が受ける電気的影響
は変化するので、周波数変化率リレー等の構内配電線が
受ける電気的変動状態を検出する機能を備えたセンサに
よって単独運転状態になったことを的確に判定できる。
誘導機の負荷に微少変化を与える手段として、誘導機に
負荷としてフライホイールを結合し、構内配電線から双
方向性インバータを経由してこの誘導機を接続し、双方
向性インバータの周波数を誘導機に対する定常状態にお
ける同期回転速度を規定する基準周波数の上下に微少変
動させると、フライホイールによる慣性によって定回転
する誘導機がこの定回転の回転速度と対応する周波数に
よって規制される同期回転速度に対して正・負方向に小
スリップする。即ち、誘導機の同期回転速度を定める基
準周波数よりも高い周波数の交流電力を供給すると誘導
機は電動機として作動し、そのスリップ率で定まるトル
クを負荷としてのフライホイールに与えるので、誘導機
は微少な正の負荷を駆動するように電力を消費する。ま
た、誘導機の回転速度を定める同期周波数よりも低い周
波数の交流電力を供給すると誘導機は発電機として作動
し、フライホイールの回転トルクをそのスリップ率で定
まる電力に変換して構内配電線に回生する。即ち、誘導
機は微少な負の負荷(フライホイールから与えられる回
転力)を消費するように電力を出力する。従って、イン
バータを上述した基準周波数の上下の周波数の間で連続
的に、基準周波数とセンサの必要検出精度と電力系統シ
ステムに影響を与えない条件に対応させた所定の変化速
度と振幅で繰り返し変化することによって、誘導機には
微少な正・負の負荷変動が与えられる。上述の微少な正
・負の負荷変動を与える機能を系統連携電力システムを
構成する事業所の構内配電線に構成すると、連携運転時
には電力会社の電源に規制されて当該事業所の構内配電
線には負荷変動の影響が認められないが、単独運転にな
ると負荷変動の影響が上記事業所の構内配電線に現れ
る。この変化を影響の状況に対応させた適切なセンサで
検知することによって単独運転状態に入ったことが検知
できる。上記したセンサに周波数変化率リレーを使用す
ると、構内配電線の周波数変動は連携運転時には電力
会社の電源に規制されて多くても長時間の間に0.1H
z以内であるが、単独運転になると負荷変動の周期とも
対応して0.1乃至0.5秒以内に変動が現れるので、
確実に単独運転を検知することができる。負荷変動量を
異ならせた2次の判定によって単独運転状態を確定する
ようにすると、1次の判定のみよりも単独運転状態の判
定を、さらに、的確に行うことができる。
【0008】
【実施例】本発明に基づく系統連携電力システムにおけ
る単独運転検出装置の実施例を図1を参照して詳細に説
明する。なお、同図において、従来技術と同等の部分に
ついては図4と同一の符号を使用し、その説明は省略す
る。図1において、自家用発電装置設置事業所(事業所
と略記する)構内の配電回路(構内配電線と称す)7か
ら所定値の電圧に降圧する降圧用変圧器13の出力に、
遮断器16を介して双方向性インバータ17の第1の端
子17aに接続している。双方向性インバータ17の第
2の端子17bには誘導機18を接続し、誘導機18の
回転軸には所定値のGD2を有するフライホイール19
を結合している。双方向性インバータ17は、双方向性
インバータ17の第1の端子17aから入力する交流を
直流に変換するとともに逆側から入力する直流を配電線
7の交流と同一の周波数に変換する第1のコンバータ/
インバータ17Aと、第1のコンバータ/インバータ1
7Aが第1の端子17aから入力する交流を変換した直
流を所定周波数の交流に変換して誘導機18に出力する
とともに、誘導機18が発電機として作動した場合に誘
導機18から出力される交流電力を直流に変換して第1
のコンバータ/インバータ17Aに与える機能を有する
第2のコンバータ/インバータ17B及び、これら第1
と第2のコンバータ/インバータを制御する制御機能を
備えている。20は例えば、周波数変化率リレーより成
る電気的変動状態検出用センサ(以下単にセンサと略記
する)で、事業所用遮断器6から構内配電線7に間の所
定箇所に接続され、構内配電線上の電気的変動状態を検
出する。また、図1に示す21は詳細を後述する本発明
に基づく機能を実行する制御装置であって、センサ20
の検知信号を入力してその検知信号から単独運転である
ことを判定する機能とその判定結果に基づいて所定の指
令を作成出力し、また、事業所用遮断器6、双方向性イ
ンバータ17内部に備えた制御装置(図示せず)等に対
する指令を作成出力する機能等を備えていて、電力会社
の遮断器2が開いて自家用発電機10が単独運転状態に
なった場合等に制御操作が必要になる各要素装置機能に
接続され、また、この系統連携システムの事業所内電力
操作管理に使用される計測/制御機能(図示せず)等所
定の要素機能類とも接続されているが、その接続回路の
図示は省略している。制御装置21はこの系統連携シス
テムの事業所内電力操作管理に使用される総合計測制御
機能と一体になっていても良いし、逆に、個々の機能毎
に適宜分割されていても良い。以下の説明では双方向性
インバータをインバータと簡略化して記す。
【0009】次に、図2、図3を参照して本発明に基づ
く上述した構成例の働きを説明する。図2には、本発明
に適用する誘導機18の概要特性を示している。図2に
おいて、横軸は誘導機の回転速度を、縦軸の上半分は誘
導機の出力トルク、縦軸の下半分は誘導機の入力(吸
収)トルクを夫々示している。また、図2に示す横軸の
半ばに記した縦軸部は誘導機に供給される交流電力の周
波数、即ち、図1に示すインバータ17から入力する交
流周波数によって定まる誘導機18の同期速度であっ
て、同期速度の左側は機械的負荷量によって定まるすべ
り速度に対応する電動機領域を示し、同期速度の右側は
誘導機が機械的に強制的に回転させられることによって
生じるすべり速度に対応する発電機領域を示している。
即ち、誘導機は誘導機に機械的負荷が結合され、電力が
供給されると電動機として作動して機械的負荷を駆動す
る。逆に、誘導機に結合される機構部から強制的に回転
されて、その回転速度が同期速度より早くなると誘導機
は発電機として作動し、接続された配電回路に電力を供
給する。即ち、回生動作を行う。誘導機の回転速度(す
べり速度)をN、同期速度をNsとすると、スリップ率
sは、下式で表わされる。 s=(Ns−N)/Ns
【0010】本発明においては、誘導機18に対する機
械的負荷はフライホイール19であって、フライホイー
ル19の回転が停止状態において誘導機18に開閉器1
2が投入されて電力が供給されると、誘導機18は図2
に示す特性曲線の同期速度よりも左側で駆動を開始する
ので電動機として作動し、フライホイール19を回転さ
せるのでフライホイール19に回転エネルギーが蓄勢さ
れる。即ち、上述の状態でインバータ17から予め設定
された基準周波数が出力されて誘導機18に供給される
と、誘導機18は回転軸に結合されたフライホイール1
9のGD2を負荷量として回転を始め、この基準周波数
によって定まる同期回転速度近傍の回転速度まで上昇す
る。誘導機18はフライホイール19に回転速度とGD
2で定まる回転エネルギーを蓄勢した後、定常状態にな
るとインバータから供給される基準周波数とフライホイ
ール19の摩擦損や風損等の負荷量で定まる一定のスリ
ップ率で電動機として回転を継続する。
【0011】制御装置21に予め設定された操作内容に
従って出力される指令によってインバータ17は、図3
の線aに示すように第2の端子から出力する交流の周波
数を基準周波数を中心として所定周期で微少な所定量周
波数変位させる。図3において、横軸は時間推移を示
し、また、縦軸の横線より上は基準周波数よりも高い周
波数、即ち、誘導機の電動機領域を、また、縦軸の横線
より下は基準周波数よりも低い周波数、即ち、誘導機の
発電機領域を指定する出力周波数を夫々示している。イ
ンバータ17の出力周波数が基準周波数よりも高くなる
と、誘導機18のスリップ率は大きくなるので電動機と
しての作動を継続し、フライホイール19を加速するよ
うに構内配電線7から電力を吸収して回転する。インバ
ータ17の出力周波数を上述の状態よりも低くしてスリ
ップ率がゼロになると、誘導機18は電動機としても、
また発電機としても作動せずフライホイール19に蓄勢
された回転エネルギーによって回転する。従って、フラ
イホイール19に蓄勢された回転エネルギーは誘導機1
8とフライホイール19の回転に伴って消費される摩擦
損と風損のみによって消費される。インバータ17の出
力周波数を上述の状態よりも低くすると、誘導機18は
フライホイール19に蓄勢された回転エネルギーによっ
てほとんど従来の回転速度のまま回転する。従って、誘
導機18のスリップ率が逆極性になり、図2によって説
明したように発電機として作動し、発電電力を第2の端
子17bからインバータ17に供給する。インバータ1
7は内部に備えた制御装置(図示せず)に予め設定した
働きによって、誘導機18から供給される電力を構内配
電線7、即ち、電力会社から供給される交流と同一周波
数所定の位相で第1の端子17aから構内配電線7に回
生する。上述した誘導機18に対する負荷変動の変動量
は微少な値に設定しているので、この系統連携電力シス
テムの稼働状態には影響しない。従って、この系統連携
電力システムに電力会社から電力が供給されている状
態、即ち連携運転時には、センサ20の出力は定常状態
を示している。例えば、構内配電線7上の周波数変動は
電源周波数、例えば、50Hzに対して多くても長時間
で0.1Hz以内の変化なので、センサ20に周波数変
化率リレーを使用していると、周波数変化率リレーは作
動しない。従って、制御装置21は系統連携運転が継続
されていると判定して定常運転を継続する。
【0012】今、例えば、電力会社の遮断器2が開放さ
れて、構内配電線7に自家用発電機10のみから電力が
供給されると、電力会社の送電/配電線1による周波数
変動に対する規制力がなくなる。そのために、フライホ
イール19による回転速度とインバータ17から入力す
る図3に示すような交流の周波数特性に対応する同期速
度とスリップ率による誘導機18の回転状態、即ち、電
動機状態と発電機状態を繰返す稼働状態は、構内配電線
7にインバータ17の変化周波数の周期で正・負の負荷
を与えることになる。従って、センサ20はその変化を
検出する。即ち、単独運転状態になると電力会社からの
規制がなくなるので、構内配電線7上には誘導機18に
対する負荷変動の周期とも対応し、0.1乃至0.5秒
以内の周波数変動が発生する。従って、センサ20に周
波数変化率リレーを使用していると、周波数変化率リレ
ーはこの周波数変化率の増大を検知して作動する。セン
サ20は検出信号の変化を制御装置21に伝送する。制
御装置21は上述の検出(第1次の検出)信号を入力す
ると単独運転状態であるとの第1次の判定をし、インバ
ータ17の出力周波数変位幅を図3の線bに示すように
予め設定した所定量拡大する。従って、センサ20の検
出は拡大され(第2次の検出)制御装置21は単独運転
状態であると第2次の判定をして、受電回路の遮断器6
を開放する等予め設定された所定の機能を実行する。セ
ンサ20の検出信号によって制御装置21が第1次の判
定をし、インバータ17の出力周波数変位幅を拡大して
もセンサ20による検出信号が上記の変位幅拡大に対応
した応答をしないと、制御装置21は第1次の判定がノ
イズその他なんらかの条件による誤判定であるとして、
インバータ17の出力周波数変位幅を図3の線aに示す
元の幅に戻し、この系統連携電力システムの運転を継続
する。
【0013】上述の説明は本発明の技術思想を実現する
ための基本方法と構成を示したものであって、この系統
連携電力システムの規模と条件及び本来の制御条件等に
対応して適切な要素機能を選定し構成するとともに作動
するようにすれば良い。例えば、構内配電線7が高圧
(6.6kV)の場合の回路であって、本発明に基づく
誘導機関連回路を降圧用変圧機13の後に接続するよう
に図示説明したが、構内配電線7の電圧とかインバータ
の耐圧の設定によっては降圧用変圧機13の前に接続
し、または降圧用変圧機13を除去しても良い。また、
センサ20に周波数変化率リレーを使用し、事業所用遮
断器6の事業所側内部回路(構内配電線7)に接続する
ように説明したが、センサは構内配電回路の電気的変動
の状態が検出できればどのようなセンサでも良い。ま
た、センサ20の検出能力等の特性に対応して構内配電
回路の任意適切な位置に接続するようにすれば良く、制
御装置に設ける単独運転の判定機能はそのセンサの特性
に対応させて設定すれば良い。また、上述の実施例では
2次の判定によって単独運転であると確定する例につい
て説明したが、系統連携システムと誘導機に与える負荷
変動の大きさとも対応して2次の判定手続きを省略する
ようにしても良いことは当然である。上記インバータ1
7の基準周波数は使用する誘導機及びフライホイールの
適正回転速度に対応する誘導機の選定とも対応して任意
適切に選定すれば良い。
【0014】
【発明の効果】本発明は上述したように構成し操作する
ようにしたので、次のような優れた効果を有する。 定常運転中は電力系統は擾乱を与えることなく、連携
運転と単独運転の別が明確に判別できる。 誘導機の負荷に微少変化を与える手段として、誘導機
に負荷としてフライホイールを結合し、構内配電回路か
ら双方向性インバータを経由してこの誘導機を接続し、
双方向性インバータの周波数を誘導機に対する同期運転
回転速度を規定する周波数の上下に微少変動させると、
上記の効果が容易確実に実現できる。 第1次と第2次の2段階で負荷変動量を変化させるよ
うにすると、ノイズその他本判定機能に対する影響が除
かれて単独運転状態を的確に検出できる。 電気的変動検出用センサとして周波数変化率リレーを
使用すると、単独運転が容易、確実に検出できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に基づく系統連携電力システムにおける
単独運転検出装置の実施例を説明する系統連携電力シス
テムの概要構成ブロック図である。
【図2】本発明の機能を説明する誘導機の概略特性図で
ある。
【図3】本発明の機能を説明するインバータの出力周波
数変動を示す周波数特性図である。
【図4】本発明と従来例とに適用される系統連携電力シ
ステム例を示す概要構成ブロック図である。
【符号の説明】
1:電力会社の送電/配電線 2:電力会社側遮断器 3:配電線(配電回路) 4、6、8、11、14、16:遮断器 7:構内配電線(事業所構内配電回路) 9:事業所構内の電力負荷 10:自家用発電機(交流発電機) 12:開閉器 14:双方向性インバータ 18:誘導機 19:フライホイール 20:電気的変動状態検出用センサ(周波数変化率リレ
ー) 21:制御装置
フロントページの続き (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H02J 3/00 - 5/00 H02H 3/46

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 系統連携電力システムを構成する自家用
    発電装置に接続される配電回路に誘導機を接続し、該
    導機の負荷を正・負方向に微少変化をさせ、誘導機から
    上記配電回路に与える電気的変動状態を検出することに
    より、当該自家用発電装置が単独運転の状態であること
    を判定するようにしたことを特徴とする系統連携電力シ
    ステムの系統連携運転時における単独運転検出方法。
  2. 【請求項2】 上記誘導機にはフライホイールを結合し
    上記配電回路との間に双方向性インバータを接続し、
    該双方向性インバータの設定周波数を予め定めた基準周
    波数の上下に微少変化させて誘導機のスリップ率を進遅
    方向に変動させ、よって該誘導機を電動機としての機能
    と発電機としての機能を交互に実行させることによって
    誘導機の負荷を正・負方向に微少変化させるようにした
    請求項1記載の系統連携電力システムの系統連携運転時
    における単独運転検出方法。
  3. 【請求項3】 誘導機の負荷を正・負方向に微少変化を
    させて単独運転状態であるとの第1次判定を行った後
    誘導機の負荷を前記微小変化の量よりも所定量拡大し
    単独運転状態であるとの第2次判定を行うことによっ
    て、単独運転の状態であるとの確認判定をするようにし
    た請求項1又は2記載の系統連携電力システムの系統連
    携運転時における単独運転検出方法。
  4. 【請求項4】 系統連携電力システムを構成する自家用
    発電装置に接続される配電回路に誘導機を接続して駆動
    し、該誘導機の負荷を正・負方向に微少変化をさせ、誘
    導機から上記配電回路に与える電気的変動状態を検出す
    る検出手段を設け、該検出手段による検出結果が所定条
    件を満足すると単独運転の状態であると判定する判定手
    段を構成したことを特徴とする系統連携電力システム
    系統連携運転時における単独運転検出装置。
  5. 【請求項5】 系統連携電力システムを構成する自家用
    発電装置に接続される配電回路に双方向性インバータを
    介してフライホイールをその回転軸に結合した誘導機を
    接続し、上記双方向性インバータは予め定めた基準周波
    数を中心にして所定周期所定変位量でその出力する周波
    数を振動させ、該振動の上記配電回路上に影響する電気
    的変動状態を検出するセンサを該配電回路の所定箇所に
    装着し、該センサの検出信号から単独運転の状態である
    ことを判定する機能を設けた請求項4記載の系統連携電
    力システムの系統連携運転時における単独運転検出装
    置。
  6. 【請求項6】 負荷を正・負方向に微少変化をさせた誘
    導機から上記配電回路に影響する電気的変動状態を検出
    するセンサとして周波数変化率リレーを使用した請求項
    4又は5記載の系統連携電力システムの系統連携運転時
    における単独運転検出装置。
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