JP2000114766A - 電磁遮蔽体 - Google Patents

電磁遮蔽体

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JP2000114766A
JP2000114766A JP10277369A JP27736998A JP2000114766A JP 2000114766 A JP2000114766 A JP 2000114766A JP 10277369 A JP10277369 A JP 10277369A JP 27736998 A JP27736998 A JP 27736998A JP 2000114766 A JP2000114766 A JP 2000114766A
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electromagnetic
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attenuation
cylindrical
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Masaaki Sasada
雅昭 笹田
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Em Techno Kk
EM Techno KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 例えば通気口などを介した無線信号の電磁遮
蔽空間内への侵入や、無線信号の電磁遮蔽空間内から外
部への漏洩を防止する。 【解決手段】 空調ダクトや換気ダクトの通気口に対向
するように、導電材料よりなり複数並設した本発明の電
磁遮蔽体1の筒状体3のハネカム網目を配置したため、
導波管モードの遮断域となり、リアクタンス減衰を生じ
せしめ、本発明による電磁遮蔽機能は、筒状体3の環状
孔2の開口寸法だけではなくその筒の長さ(奥行き)に
もよっており、筒状体3の開口寸法とその長さ寸法を調
整すれば、所望の電磁遮蔽機能を得る。したがって、従
来の金網に比べて空気抵抗による通気性を犠牲にするこ
となく、これらの空調ダクトや換気ダクトを経由して、
電磁波が外部から侵入したり、その内部から外部に漏洩
したりしない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば電磁遮蔽さ
れたオフィスや工場などで通気孔などを経由して侵入お
よび漏洩する電磁波を電磁遮断する電磁遮蔽体に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、オフィスや工場などの効率化の手
段の一つとして、ワイヤレスによるパーソナル無線通信
の導入が進められている。それには、電波の相互干渉が
生じないように有限の周波数資源を有効活用するため、
および、電波の盗聴や侵入など通信のセキュリティを維
持するために、電磁遮蔽されたオフィスや工場などの電
磁遮蔽エリアが必要である。この電磁遮蔽されたオフィ
スや工場の壁や天井などには、各種の電波吸収材や電波
反射材などが内装されて電磁遮蔽が施されていることは
広く知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところが、そのオフィ
スや工場内に導入されている空調装置などの排気ダクト
および吸引ダクトや、換気ダクトなどの通気孔には、ね
ずみなどの小動物などが侵入しないように金属製の金網
が設置されてその開口部を塞いでいる。このような通気
孔さらに金属製金網を経由して外部からオフィス内や工
場内などに電磁波が侵入したり、オフィス内や工場内か
ら電磁波が外部に漏洩したりするという問題があった。
このように、電磁遮蔽空間を構成しているオフィス内や
工場内などに電磁波が侵入したり、これらのオフィス内
や工場内などから電磁波が漏洩したりすると、有限の周
波数資源を有効活用できないばかりか、通信のセキュリ
ティが損なわれることになる。
【0004】この金属製金網の電磁遮蔽度Smは、金網
の網目の直径をd、電磁遮蔽する電波の目標波長をλと
して、次に示す(数1)式で表すことができる。
【0005】
【数1】
【0006】上記(数1)式より電波の十分な減衰度を
得るためには、その網目の直径dを電磁遮蔽すべき電波
の波長λに比べて十分に小さくする必要がある。このた
め、通気に対する空気抵抗は無視できない状態となり、
その網目が細かくなって空気抵抗が増大すると、空調効
率が大幅に低下してしまうという新たなる問題を引き起
こすことになる。
【0007】例えば、電磁遮蔽すべき電波の周波数が1
GHzの場合、その波長λは300mmで、40dBの
電波の減衰度を得るためには、その網目の直径dを1.
5mm以下にしなければならなくなり、これは、かなり
の空気抵抗となって良好な通気に適しているとは言えな
い。
【0008】本発明は、上記従来の問題を解決するもの
で、例えば通気孔などを介した無線信号の電磁遮蔽空間
内への侵入や、無線信号の電磁遮蔽空間内から外部への
漏洩を防止することができる電磁遮蔽体を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の電磁遮蔽体は、
導電材料よりなる筒状体を複数並設したものである。
【0010】この構成により、導電材料よりなる筒状体
を複数並設したので、電磁遮蔽機能は、筒状体の最も長
い開口寸法だけではなくその筒の長さ(奥行き寸法)に
もよっており、筒状体の開口寸法とその筒の長さを調整
すれば、所望の電磁遮蔽機能が得られる。したがって、
通気孔を覆うように本発明の電磁遮蔽体を配置すれば、
空気抵抗は筒状体の開口面積で決まり、その開口面積が
広いほど空気抵抗が少なくなって容易に空気が通過でき
るようになることから、筒状体の開口寸法を大きくしそ
の筒の長さを長く構成することで、空気抵抗による通気
性を犠牲にすることなく、空調ダクトなどの通気孔を経
由した無線信号の侵入や漏洩が防止されて、電波の相互
干渉が防止され有限の周波数資源が有効に活用されると
共に、傍受や盗聴などの通信のセキュリティが維持され
得る。
【0011】また、本発明の電磁遮蔽体は、筒状体を複
数並設し、この筒状体の筒軸方向両端部が導電材料より
なっていることを特徴とするものである。
【0012】この構成により、複数並設した筒状体の筒
軸方向両端部が導電材料よりなっていれば、金網を2枚
重ねた場合と同等以上の電磁遮蔽機能となる。したがっ
て、通気孔を覆うように本発明の電磁遮蔽体を配置すれ
ば、空気流通方向両端部の導電材料の筒状体部はその開
口位置が一致しており、その開口面積に対する空気抵抗
が最も小さくなる。しかも、筒状体の開口径を大きくし
その筒の長さを長く構成することで、空気抵抗をさらに
緩和することもできて、空気抵抗を犠牲にすることな
く、かつ、空調ダクトなどの通気孔を経由した無線信号
の侵入や漏洩が防止されて、電波の相互干渉が防止され
有限の周波数資源が有効に活用されると共に、傍受や盗
聴などの通信のセキュリティが維持される。
【0013】さらに、好ましくは、本発明の電磁遮蔽体
において、複数並設した筒状体群はハネカム構造であ
る。この構成により、ハネカム構造体は、例えば束状の
複数枚の導電シートを交互に順次溶着させるだけで容易
に製造可能であり、束状で持ち運びも容易で、設置場所
などで広げるだけで容易にハネカム構成とすることが可
能である。
【0014】さらに、好ましくは、本発明の電磁遮蔽体
における筒状体の環状孔の最大径が導波管モードの遮断
域となり、リアクタンス減衰を生じせしめる構成として
いる。この構成により、複数並設された筒状体の環状孔
の最大径は、導波管モードの遮断域となっており、リア
クタンス減衰を生じせしめるので、電磁遮蔽機能が良好
となる。
【0015】さらに、好ましくは、本発明の電磁遮蔽体
において、複数並設した筒状体は一体的に構成されてい
る。この構成により、筒状体を別体で複数並設するより
も一体で構成した方が、型成型もできてその製造が容易
である。
【0016】さらに、好ましくは、本発明の電磁遮蔽体
は、通気孔を覆うように対向配置され空気が流通自在で
ある。この構成により、通気孔を覆う通気孔被覆部材と
して本発明の電磁遮蔽体を容易に適応可能である。
【0017】さらに、好ましくは、本発明の電磁遮蔽体
における筒状体は平面状に連続して複数並設されてい
る。この構成により、筒状体は平面状に連続して複数並
設されているので、筒状体の配置構造が簡単である。
【0018】さらに、好ましくは、本発明の電磁遮蔽体
における筒状体の断面の最大寸法および筒軸方向の長さ
の少なくとも一方が配置位置によって異なっている。こ
の構成により、筒状体の断面形状の大きさまたは/およ
び筒軸方向の長さで通気性と電磁遮蔽性を制御できるの
で、例えば、電磁遮蔽機能を一定化しつつ、通気口の中
央部よりも周辺部で筒状体の断面形状の大きさを大きく
すれば、通気孔の開口からより均一な強さで空気が流出
または流入させることが可能となる。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る電磁遮蔽体の
実施形態について図面を参照して説明するが、本発明は
以下に示す実施形態に限定されるものではない。
【0020】図1は本発明の一実施形態における電磁遮
蔽体の拡大概略構造を模式的に示す一部斜視図である。
図1において、電磁遮蔽体1は、例えば空調用ダクトの
空調口や換気口などの空気流通孔(通気口)を塞ぐよう
にその空気流通方向に対向配置され、六角形の環状孔2
を連続的に平面状に複数の筒状体3がハネカム構造(蜂
の巣状構造)となっている。このように、筒状体3が一
体的に複数並設されており、その筒状体3の材質は、導
電材料(または抵抗材料)の鉄やアルミニウムなどの金
属材料で構成されている。また、この蜂の巣状の環状孔
2を有する金属製筒状体3の環状孔2の最大径が、導波
管モードの電波遮断域となり、電波のリアクタンス減衰
を生じせしめるように設定されていると共に、環状孔2
を通して空気が容易に流通するようになっている。
【0021】図2は図1のハネカム網目の一つを拡大し
た平面図である。図2において、ハネカム構造の筒状体
3群はそれぞれ、外接円4の径(環状孔2の最大径)を
dとする六角形のハネカム網目を構成しており、空気流
通方向(筒軸方向)の図1に示す筒の長さ(厚み)tを
有している。これには図3に示すようなH11(=T
11)モードという電磁波伝送モードが存在している。
このH11という電磁波伝送モードは、広く知られた遮断
波長を持ち、その遮断波長以下の電磁波は良好に電送す
るが、その遮断波長よりも長い(周波数では低い)成分
はリアクタンス減衰Srという大きな損失を伴う。この
リアクタンス減衰Srは次の(数2)式で表される。
【0022】
【数2】
【0023】この理論式の(数2)式をデシベル表示で
換算すれば、全体のハネカム網目による減衰度Sは次の
(数3)式で近似される。
【0024】
【数3】
【0025】ここで、電磁遮蔽体1のハネカム網目の外
接円4の径d×と空気流通方向の筒の長さtをd(=8
mm)×t(=10mm)の場合Aとd(=6mm)×
t(=5mm)の場合Bについて、電波周波数を100
0MHzから2000MHzまで変化させて、通気口に
対向配置された電磁遮蔽体1のハネカム網目による電波
の減衰度Sを測定した。その測定結果を図4に示し、そ
の測定方法の模式図を図5に示している。図5では、通
気口側5から空調用流通空気6が電磁遮蔽体1のハネカ
ム網目を通して流れており、その通気口側5からハネカ
ム網目を介して所定距離だけ離間し対向した略中央位置
に減衰度Sの測定点7を配置している。
【0026】その減衰度Sの測定結果は、d(=8m
m)×t(=10mm)の場合Aでは、電波周波数10
00MHzにおいて減衰度S=53dBであり、これは
従来の金網による減衰度S=25dBに比べて大きな減
衰度Sであった。この場合、従来の金網の網目による減
衰度Sに比べて28dBも電波が減衰していた。また同
様に、d(=6mm)×t(=5mm)の場合Bでは、
電波周波数1000MHzにおいて減衰度S=48dB
であり、これは従来の金網による減衰度S=28dBに
比べて大きな減衰度Sであった。この場合、従来の金網
による減衰度Sに比べて28dBも減衰していた。この
ように、ハネカム網目の径dが6mmで筒の長さ(厚
さ)が5mmの場合、従来の金網の網目による減衰度S
に比べて20dBだけ電波が減衰していた。このよう
に、電磁遮蔽体1のハネカム網目による電波の減衰度S
は、従来の金網による減衰度Sに比べて大幅な減衰が得
られた。
【0027】また、d(=8mm)×t(=10mm)
の場合Aとd(=6mm)×t(=5mm)の場合Bと
で減衰度Sの測定結果を比べると、場合Aでは減衰度S
=53dBであり、場合Bでは減衰度S=48dBであ
るので、場合Aの方がハネカム網目の外接円4の径dが
2mmも大きく筒状体3の断面形状の大きさ(環状孔2
の開口の大きさ)が大きいにもかかわらず、場合Aの方
が場合Bよりも5dBも大きく電波が減衰している。こ
のように、この減衰度Sの測定結果から、ハネカム網目
の径dを大きくしてしても、その筒の長さtが長けれ
ば、電波の減衰度Sが増大しているのが判る。つまり、
このことは、ハネカム網目の径dを大きくして空気の通
気状態を良好にしつつ、ハネカム網目による電波の減衰
度Sをも向上させることができることを示している。こ
の場合、ハネカム網目の筒方向の長さ(厚さ)tを増や
せば、電波の減衰度Sは、約32t/d(dB)で大き
く増大することになる。
【0028】次に、本発明の電磁遮蔽体1のハネカム網
目による電波の減衰度Sの測定に加えて、2枚の通常の
金属製金網8の網目の外接円4の径(開口径)d×2枚
の金属製金網8の距離tを、d(=6mm)×t(=5
mm)の場合Cとd(=8mm)×t(=10mm)の
場合Dとについて、上記した本発明による減衰度測定と
同様に、電波周波数を1000MHzの手前から200
0MHzまで変化させて、通気口に対向配置され所定間
隔tの2枚の金属製金網8による電波の減衰度Sを測定
した。その測定方法の模式図を図6に示しており、その
場合C,Dの測定結果を上記場合A,Bに加えて図7に
示している。
【0029】図6において、通気口側5から空調用流通
空気6が、距離tだけ離間した平行な2枚の金属製金網
8を通して流れており、その通気口側5から2枚の金属
製金網8を介して所定距離だけ離間した略中央位置に電
波の減衰度Sの測定点7を配置している。
【0030】その減衰度Sの測定結果は、金属製金網8
を2枚重ねて使用したとしても、金属製金網8の開口径
dが同じ場合には、その減衰度Sは約6dB程度の増大
に止まり、しかも、その空気抵抗は倍増することにな
り、その分、空調効率が大幅に低下することになる。
【0031】以上のように、導電材料よりなる筒状体3
を複数並設したため、導波管モードの遮断域となり、リ
アクタンス減衰を生じせしめ、本発明による電磁遮蔽機
能は、筒状体3の開口径だけではなくその筒の長さ(奥
行き)にもよっており、筒状体3の開口寸法とその長さ
寸法を調整すれば、所望の電磁遮蔽機能を得ることがで
きる。
【0032】したがって、高度な情報社会では、電波の
使用周波数帯の有効利用のため、および、電波の干渉、
妨害、盗聴などからの防護のために、完全に電磁遮蔽さ
れたオフィスや工場などが必要とされているが、空調装
置などの排気ダクトおよび吸引ダクトなどの空調ダクト
や換気ダクトなどは依然として、外部から電磁遮蔽され
たオフィスや工場内に導入されて活用されている。この
ような空調ダクトや換気ダクトの通気口に対向するよう
に、導電材料よりなり複数並設した本発明の筒状体3の
ハネカム網目を配置したため、従来の金網に比べて空気
抵抗による通気性を犠牲にすることなく、これらの空調
ダクトや換気ダクトを経由して、電磁波が、電磁遮蔽さ
れたオフィスや工場などの電磁遮蔽空間内に外部から侵
入したり、または、その電磁遮蔽空間内部から外部に漏
洩したりすることを防止することができる。したがっ
て、電波の相互干渉を防止し有限の周波数資源の有効活
用を図ると共に、傍受や盗聴などを防止して通信のセキ
ュリティを維持することができる。
【0033】また、この筒状体3群のハネカム構造体
は、例えば束状の複数枚の導電シートを交互に順次溶着
させるだけで容易に製造でき、束状に戻して持ち運びも
容易で、設置場所で広げるだけで容易に、導電材料より
なる筒状体3が複数並設されたハネカム構成とすること
ができる。
【0034】さらに、複数並設された筒状体3の環状孔
の最大径は、導波管モードの遮断域となっており、リア
クタンス減衰を生じせしめるため、電磁遮蔽機能を良好
とすることができる。
【0035】さらに、筒状体3を別体で複数並設するよ
りも一体で構成した方が、型成型もできて製造を容易に
行うことができる。
【0036】さらに、通気孔を覆う通気孔被覆部材とし
て本発明の電磁遮蔽体1を容易に適応させることができ
る。
【0037】さらに、筒状体3は平面状に連続して複数
並設されているため、筒状体3の配置構造を簡単に構成
することができる。
【0038】なお、本実施形態では、六角形の環状孔2
を連続的に平面状に多数構成する筒状体3がハネカム構
造をした場合について説明したが、この環状孔の筒状体
は六角形に限らず、その他の四角形などの多角形や円
形、楕円形であってもよい。例えば環状孔が円形の場合
には、円形孔が複数並設されれば、各円形孔を形成して
いる筒状体の間に隙間が生じても、この隙間は円形孔の
最大寸法よりも小さいので、電磁遮蔽されて円形孔を伝
送しない電波は、その隙間をも伝送することはない。
【0039】また、本実施形態では、筒状体3を複数並
設し、六角形の環状孔2の筒状体3は全て金属材料で構
成したが、筒状体の基材を例えばプラスチックスなどで
構成し、筒状体3の筒軸方向両端部にのみ金属材料を蒸
着するなどして、金属材料よりなる筒状体がハネカム構
造を所定間隔を置いて2つ平行に配設するように構成し
ていもよい。
【0040】この場合、複数並設した筒状体の筒軸方向
両端部が導電材料よりなっていれば、2つの平行な導電
材料よりなる筒の長さ分だけ、金網を2枚重ねた場合と
同等以上の電磁遮蔽機能とすることができる。したがっ
て、通気孔を覆うようにこの電磁遮蔽体を配置すれば、
空気流通方向両端部の導電材料の2つの筒状体部はその
開口位置が一致しており、その網目を抜けるための空気
抵抗がもっとも小さくなる。しかも、この筒状体の開口
径を大きくすることで、空気抵抗をさらに緩和すること
もでき、また、その導電材料の筒の長さ(筒軸方向長)
を長く構成することで、空調ダクトなどの通気孔を経由
した無線信号の侵入や漏洩をさらに防止し、電波の相互
干渉をさらに防止して有限の周波数資源を有効に活用す
ると共に、傍受や盗聴などの通信のセキュリティをより
いっそう維持することができる。
【0041】さらに、本実施形態では、筒状体3の断面
形状の大きさおよび筒軸方向の長さは通気孔を覆う面方
向に一定に構成したが、これらの筒状体の断面形状の大
きさおよび筒軸方向の長さを、通気孔を覆う面方向に異
ならしめて構成することもできる。この場合、筒状体の
断面形状の大きさまたは/および筒軸方向の長さを変え
て通気性と電磁遮蔽性を制御することができる。例え
ば、電磁遮蔽機能を一定化しつつ、通気孔の中央部より
も周辺部で筒状体の断面形状の大きさを大きくすれば、
通気孔の壁面付近での流れが遅くなっている空気が電磁
遮蔽体を抜けやすくなるため、通気孔の開口からより均
一な強さでより広い面に亘って空気を流出または流入さ
せることができる。
【0042】さらに、本実施形態では、通気孔を覆う磁
気遮蔽体1を、複数並設した筒状体3の群で一体的に構
成したが、複数並設した筒状体3の群を所定大きさの所
定エリア毎に連結可能に別体で構成してもよい。
【0043】さらに、本実施形態では、本発明の磁気遮
蔽体1を、空調装置などの排気ダクトおよび吸引ダクト
や、換気ダクトなどの通気孔に適応し、ねずみなどの小
動物などがダクト内部に侵入しないように設置してその
開口部を塞いでいると共に、通気性を良好にして空調効
率の低下を防止しつつ、電磁遮蔽機能をも良好なように
構成したが、このような通気孔に対するカバーに限ら
ず、本発明の磁気遮蔽体1を、窓部分に適応することも
可能である。窓部分を覆うようにこの電磁遮蔽体1を配
置すれば、筒状体3の筒部分で直射日光がブラインドの
ように遮光され、しかも、この筒状体3の開口寸法を大
きくすることで、窓からの空気抵抗や視界性を緩和する
こともでき、また、その導電材料の筒の長さを長く構成
することで、窓部分を経由した無線信号の侵入や漏洩を
防止し、電波の相互干渉を防止して有限の周波数資源を
有効に活用すると共に、傍受や盗聴などの通信のセキュ
リティを維持することができる。
【0044】さらに、本実施形態では、本発明の磁気遮
蔽体1を、空調装置などの排気ダクトおよび吸引ダクト
や、換気ダクトなどの通気孔の通気口に対向するように
配置して設けたが、通気孔内部に通気孔を覆うように配
置することもできる。
【0045】さらに、本実施形態では、筒状体3の材質
として、鉄やアルミニウムなどの金属材料である導電材
料を用いたが、所定の抵抗値を持つ抵抗材料や、金属蒸
着膜など薄膜の他、要は、電波が熱に変換されて遮断効
率を向上させるような材料であればよい。
【0046】
【発明の効果】以上のように、本発明の請求項1によれ
ば、導電材料よりなる筒状体を複数並設したため、電磁
遮蔽機能は、筒状体の開口寸法だけではなくその筒の長
さ(奥行き)寸法にもよっており、筒状体の開口寸法と
その長さ寸法を調整すれば、所望の電磁遮蔽機能を得る
ことができる。したがって、通気孔を覆うように本発明
の電磁遮蔽体を配置すれば、空気抵抗は筒状体の開口面
積で決まり、その開口面積が広いほど空気抵抗が少なく
なって容易に空気が通過できるようになることから、筒
状体の開口寸法を大きくしその長さ寸法を長く構成する
ことで、従来の金網に比べて空気抵抗による通気性を犠
牲にすることなく、空調ダクトなどの通気孔を経由した
無線信号の侵入や漏洩を防止し、電波の相互干渉を防止
して有限の周波数資源を有効に活用すると共に、傍受や
盗聴などの通信のセキュリティを維持することができ
る。
【0047】また、本発明の請求項2によれば、複数並
設した筒状体の筒軸方向両端部が導電材料よりなってい
れば、金網を2枚重ねた場合と同等以上の電磁遮蔽機能
とすることができる。したがって、通気孔を覆うように
本発明の電磁遮蔽体を配置すれば、空気流通方向両端部
の導電材料の筒状体部はその開口位置が一致しており、
その開口面積に対する空気抵抗が最も小さくなる。しか
も、筒状体の開口径を大きくすることで、空気抵抗をさ
らに緩和することもでき、また、その導電材料の筒の長
さを長く構成することで、空調ダクトなどの通気孔を経
由した無線信号の侵入や漏洩を防止し、電波の相互干渉
を防止して有限の周波数資源を有効に活用すると共に、
傍受や盗聴などの通信のセキュリティを維持することが
できる。
【0048】さらに、本発明の請求項3によれば、ハネ
カム構造体は、例えば束状の複数枚の導電シートを交互
に順次溶着させるだけで容易に製造可能であり、束状に
戻して持ち運びも容易で、設置場所などで広げるだけで
容易にハネカム構成とすることができる。
【0049】さらに、本発明の請求項4によれば、複数
並設された筒状体の環状孔の最大径は、導波管モードの
遮断域となっており、リアクタンス減衰を生じせしめる
ため、電磁遮蔽機能を良好とすることができる。
【0050】さらに、本発明の請求項5によれば、筒状
体を別体で複数並設するよりも一体で構成した方が、型
成型もできて製造を容易に行うことができる。
【0051】さらに、本発明の請求項6によれば、通気
孔を覆う通気孔被覆部材として本発明の電磁遮蔽体を容
易に適応させることができる。
【0052】さらに、本発明の請求項7によれば、筒状
体は平面状に連続して複数並設されているため、筒状体
の配置構造を簡単に構成することができる。
【0053】さらに、本発明の請求項8によれば、筒状
体の断面形状の大きさまたは/および筒軸方向の長さで
通気性と電磁遮蔽性を制御できるため、例えば、電磁遮
蔽機能を一定化しつつ、通気口の中央部よりも周辺部で
筒状体の断面形状の大きさを大きくすれば、通気孔の開
口からより均一な強さで空気が流出または流入させるこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態における電磁遮蔽体の拡大
概略構造を模式的に示す一部斜視図である。
【図2】図1のハネカム網目の一つを拡大した平面図で
ある。
【図3】図2のハネカム網目に存在するH11(TE11
モードを示す図である。
【図4】図1の電磁遮蔽体のハネカム網目による電波周
波数に対する減衰度を示す図である。
【図5】図4の減衰度の測定方法を示す模式図である。
【図6】2枚の金属製金網による電波周波数に対する減
衰度の測定方法を示す模式図である。
【図7】図1の電磁遮蔽体のハネカム網目および2枚の
金属製金網による電波周波数に対する減衰度を示す図で
ある。
【符号の説明】
1 電磁遮蔽体 2 環状孔 3 筒状体 5 通気口側 6 空調用流通空気 7 測定点 8 金属製金網

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 導電材料よりなる筒状体を複数並設した
    ことを特徴とする電磁遮蔽体。
  2. 【請求項2】 筒状体を複数並設し、前記筒状体の筒軸
    方向両端部が導電材料よりなっていることを特徴とする
    電磁遮蔽体。
  3. 【請求項3】 前記複数並設した筒状体群はハネカム構
    造であることを特徴とする請求項1または2に記載の電
    磁遮蔽体。
  4. 【請求項4】 前記筒状体の環状孔の最大径が導波管モ
    ードの遮断域となり、リアクタンス減衰を生じせしめる
    構成としたことを特徴とする請求項1〜3の何れかに記
    載の電磁遮蔽体。
  5. 【請求項5】 前記複数並設した筒状体は一体的に構成
    されていることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記
    載の電磁遮蔽体。
  6. 【請求項6】 通気孔を覆うように対向配置され空気が
    流通自在なことを特徴とする請求項1〜5の何れかに記
    載の電磁遮蔽体。
  7. 【請求項7】 前記筒状体は平面状に連続して複数並設
    されていることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記
    載の電磁遮蔽体。
  8. 【請求項8】 前記筒状体の断面の最大寸法および筒軸
    方向の長さの少なくとも一方が配置位置によって異なっ
    ていることを特徴とする請求項1〜7の何れかに記載の
    電磁遮蔽体。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010501383A (ja) * 2006-08-18 2010-01-21 デルファイ・テクノロジーズ・インコーポレーテッド 自動車用途のための軽量オーディオシステムおよび方法
RU2541225C2 (ru) * 2013-06-25 2015-02-10 Государственное казенное образовательное учреждение высшего профессионального образования Академия Федеральной службы охраны Российской Федерации (Академия ФСО России) Устройство защиты средств электронно-вычислительной техники от электромагнитных излучений
KR101518213B1 (ko) * 2014-07-23 2015-05-15 주식회사 스마트솔루션 고성능 이동식 차폐형 저주파 노이즈 측정 장비
JP2019012737A (ja) * 2017-06-29 2019-01-24 北川工業株式会社 電波吸収体及び電波遮蔽構造

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