JP2000111699A - 軟x線光源装置 - Google Patents
軟x線光源装置Info
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Abstract
軟X線発生装置及びこれを用いた軟X線縮小投影露光装
置を提供する。 【解決手段】 真空容器1の内部にクリプトンガスを噴
出するノズル2が配置され、ガス導入管3から高圧のク
リプトンガスが供給されている。ファイバーアンプの出
力端である100本の光ファイバー4を束ねた光ファイ
バー群5から出射した出射光6が、レンズ7、励起レー
ザー光導入窓8を介して、ノズル2の先端から噴出した
クリプトンガスに集光されている。これにより、クリプ
トンガスは励起され、そこから軟X線10が発生する。
この軟X線10は、多層膜回転放物面鏡11で反射さ
れ、軟X線平行光束12となって外部に放出される。フ
ァイバーアンプからの光を励起光として用い、しかも、
多数の光ファイバーを束ねて光源としているので、大き
な軟X線光量を容易に得ることができる。
Description
びこれを用いた軟X線縮小投影露光装置に関するもので
あり、さらに詳しくは、大きな光量の軟X線を発生する
ことのできる軟X線発生装置及びこれを用いた軟X線縮
小投影露光装置に関するものである。
光学系によりフォトマスク(以下、マスクと称する)を
照射し、マスク面上に形成された回路パターンを、結像
装置を介してウエハ等の基板上に投影転写する露光転写
方式のものが多く用いられている。基板にはレジストが
塗布されており、露光することによってレジストが感光
し、レジストパターンが得られる。
結像光学系の開口数NAで決まり、次式で表される。 w=kλ/NA …(1) k:定数 一方、焦点深度DFは、次式で決定される。 DF=λ/2(NA)2 …(2) 上記の(1)式から明らかなように、露光される最小パタ
ーンの寸法を小さくするためには、定数kを小さくする
か、開口数NAを大きくするか、光源の波長λを小さく
する必要がある。
よって決まる定数であり、通常0.5〜0.8程度の値をと
る。この定数kを小さくする手法は、広い意味での超解
像と呼ばれ、今までに投影光学系の改良、変形照明、フ
ェーズシフトマスク法等が提案されているが、適用でき
るパターンに難点があり、適用範囲が限られるという問
題点がある。一方、開口数NAを大きくすれば、(1)式
から明らかなように最小パターン寸法は小さくできる
が、(2)式から明らかなように、同時に焦点深度が浅く
なってしまうという問題を有する。このため、NA値を
大きくするには限界があり、通常は0.5〜0.6程度が適当
とされている。
めに最も有効な方法は、露光に用いる光の波長λを小さ
くし、これだけでは焦点深度が浅くなるので、同時にN
Aも小さくすることである。
マスク上に形成された非常に微細なパターンを、レジス
トを塗布したシリコンウェハ上に可視光あるいは紫外光
によって縮小投影して転写する方法が広くおこなわれて
いる。しかし、パターンサイズの微細化に伴い紫外光で
も回折限界に近づいており、紫外光よりさらに波長の短
い、波長13nm又は11nmの軟X線を用いた縮小投影露光が
提案されている。
その光源(軟X線源)の1つの候補として考えられてい
るのが、レーザープラズマX線源(以下LPXと記す)
である。レーザー装置からのパルス出射光を物質に集光
して照射すると、その照射強度が1010W/cm2を越え
るような場合、物質の原子はその強力な電場によって電
子をはぎ取られてプラズマ化し、そのプラズマからは軟
X線が輻射される。このプラズマから輻射される軟X線
の輝度は非常に高く、高い繰り返し周波数でプラズマを
発生させることにより大きな光量の軟X線を得ることが
できる。しかも、軟X線発生装置としてはシンクロトロ
ン放射光発生施設などと較べると非常にコンパクトであ
る。そのためLPXは軟X線縮小投影露光だけでなく、
X線顕微鏡や分析装置などの光源として非常に有望であ
る。
合、光源から得られる軟X線量が重要である。軟X線は
すべての物質に強く吸収されるため通常のレンズや反射
鏡は使用することができない。よって軟X線縮小投影露
光では高い反射率を得るために反射面に多層膜を形成し
た反射鏡によって光学系が構成される。この多層膜を構
成する物質の組み合わせと多層膜の反射波長は密接に関
係しており、Mo/Si多層膜では波長13nm付近、Mo
/Be多層膜では11nm付近で高い反射率が得られるた
め、軟X線縮小投影露光に用いる波長としてこれらの波
長が候補に挙げられている。しかし、軟X線に対して得
られる反射率は、これらの多層膜を形成した反射面でも
70%程度が限界であり、縮小投影露光に10枚程度の
反射面が使用されると仮定すると、光学系全体の透過率
(反射率)は数%と非常に低くなってしまう。よって、
投影露光装置として十分な処理速度(スループット)を
得るために、光源から発生する軟X線の光量はできるだ
け大きいことが望まれる。
て形成されたクラスターを標的材とするLPXの場合、
13nmや11nmの波長域(2.5%BW)への変換効率は1〜
2%程度であると報告されており、この変換効率で十分
な処理速度を得るために、励起用レーザー光源として1.
5kW級の出力を持つLD励起固体レーザーの開発が進
められている。軟X線縮小投影露光では、広い露光面積
を得るために輪帯状の領域を走査する手法が用いられ
る。この走査をおこなった際、露光領域内に照度ムラを
生じないためには強度の安定した連続光源であることが
望ましいが、パルス光源であるLPXの場合でも、kH
zのオーダーの繰り返し周波数であれば問題はないとい
われている。
ーザーの出力上げて、1kW以上の出力を得るために
は、kHz台の繰り返し周波数を有し、しかも1パルス
のエネルギーを高くする必要がある。現在このようなレ
ーザー装置の開発が進められているが、これだけの大き
な出力を持ち、しかも長期間安定して動作するレーザー
装置の開発は容易なことではなく、また、開発されても
非常に高価なものになると考えられる。
ザープラズマを励起する励起用光源として、1kWを越
える出力が得られ、製造が容易で、かつ、安価なパルス
レーザー光発生装置を励起パルス光源として備えた軟X
線発生装置が望まれていた。
もので、大きな軟X線光量を容易に得ることができる軟
X線発生装置及びこれを用いた軟X線縮小投影露光装置
を提供することを課題とする。
の第1の手段は、排気装置により減圧が可能な容器内に
供給される標的材に、励起エネルギービームを照射して
標的材をプラズマ化し、当該プラズマから軟X線を放射
させる軟X線光源装置であって、複数のファイバーレー
ザー又はファイバーアンプからの出射光を励起エネルギ
ービームとし、これら複数の光ファイバーから出射する
出射光を標的材の略同一位置に照射することによってプ
ラズマを発生させることを特徴とする軟X線発生装置
(請求項1)である。
呼ばれる光源の開発が進んでいる。これは光ファイバー
中にドープされたエルビウム(Er)やイットリビウム
(Yb)をレーザーダイオードで励起し、光ファイバー
内を通過する光を増幅するものである。また、この光フ
ァイバーの両端にグレーティングやミラーを設け、共振
器構造を持たせるとファイバーレーザーとして動作す
る。光ファイバーの径は、コア、クラッドを含めて数百
μm程度であり、ドープする物質がイットリビウムの場
合には波長1.03μmの出射光が得られ、1パルスあたり
のエネルギーが0.5mJ、パルスの持続時間が25ns
程度、繰り返し周波数が20kHz程度のものがすでに
製造されている。光ファイバーはシングルモード、マル
チモードのものがあるが、シングルモード光ファイバー
の出力は回折限界に近い非常に小さな領域に集光するこ
とが可能である。また、コア径100μm程度のマルチ
モード光ファイバーを使用すればシングルモードに比較
して高いピーク出力を得ることができ、またコア径程度
の大きさにまで集光できる。
プまたはファイバーレーザー出力端を束ねた物を励起用
光源として用いる。1本のファイバーアンプを用いた光
源は、単独での出力は小さいものの、それを複数束ねる
ことによって大きな出力を容易に得ることができる。例
えば、現在すでに製造されている出力10Wのファイバ
ーアンプの光ファイバーを100本束ねれば1kWの出
力を得ることができ、その場合でも束ねられた光ファイ
バー全体の太さは直径数mm程度と非常に細い。
うのは、装置の設計仕様によって多少の誤差が許される
ことを意味するものであり、全く同一位置である場合を
も含むものであることはいうまでもない。どの程度の位
置の誤差を許容するかは、与えられた設計条件によっ
て、当業者が容易に決定することができる。本明細書に
おいて、「ほぼ」等の用語が使用される場合、同様の意
味を持つものである。
前記第1の手段であって、ファイバーレーザー及びファ
イバーアンプに、エルビウム(Er)又はイットリビウ
ム(Yb)をドープした光ファイバーを用いたことを特
徴とするもの(請求項2)である。
ットリビウムをドープしたファイバーアンプ又はファイ
バーレーザーを用いる。それによりファイバーアンプあ
るいはファイバーレーザーとして大きな出力が得られ、
束ねた光ファイバー全体としても大きな出力が得られ
る。
前記第1の手段又は第2の手段であって、各光ファイバ
ーから出射光が出射される時刻を、1本づつ、又は何本
かまとめた光ファイバー群ごとに変化可能としたことを
特徴とするもの(請求項3)である。
バーからの出射光の出射の時刻を調節することによって
プラズマの加熱を効率よくおこない、より多くの軟X線
光量を得ることができる。レーザープラズマX線源では
プリプラズマの生成により軟X線への変換効率の向上が
報告されている。たとえば100本の光ファイバーのう
ち、10本の光ファイバーの出力を他の90本の出力よ
りも10ns程度早く出射させると、先に出射されたパ
ルスによってプリプラズマが生成される。このプラズマ
は100本全部の出力を一度に集光した場合にくらべる
と温度が低いが、後から照射されるパルス光によって追
加熱される。標的材が金属などの場合、大きなエネルギ
ーを持つ単独のパルスによってプラズマを励起すると、
パルス前半の一部分が表面反射などによって失われるな
ど、条件によってはプラズマの加熱に対しては効率的で
はない。プリプラズマの形成によりプラズマの加熱をよ
り効果的におこなうことができる。
より、目的とする軟X線の発生効率の高いプラズマを形
成することもできる。プラズマから放射される軟X線の
スペクトルはプラズマの温度に依存し、高い温度のプラ
ズマほど短波長側にシフトする。そのため、プリプラズ
マを利用して効率的にプラズマを加熱しても、メインパ
ルスのエネルギーが大きすぎる場合にはプラズマの温度
が高くなりすぎて目的とする波長の軟X線への変換効率
が低下する恐れがある。この場合、メインパルスをパル
ス列としてプラズマの加熱が一気に起こらないようにし
てプラズマの温度を下げれば、目的とする波長の軟X線
への変換効率が高い温度のプラズマを生成することがで
きる。
各光ファイバーの出射面に、出射光を略平行光とする微
小レンズを備えたことを特徴とするもの(請求項4)で
ある。
面に微小レンズを備えることで出射光を平行光としてい
るために、プラズマを生成させるためにすべての出射光
を同一点に集光させることが容易となる。
前記第4の手段であって、各光ファイバーからの出射光
の少なくとも一部の光軸が、互いにほば平行とされてい
ることを特徴とするもの(請求項5)である。
た全光ファイバーまたは一部の光ファイバーからの出射
光が平行な光軸を有するために、これらの出射光をレン
ズなどによって同一点に集光することが容易となる。
前記第1の手段から第3の手段のいずれかであって、各
光ファイバーの出射面に、出射光を収束光とする微小レ
ンズを備えたことを特徴とするもの(請求項6)であ
る。
射光が出射面の微小レンズによって収束光となっている
ために、他に光学素子を用いなくても出射光を標的材上
に集光・照射することができる。
前記第4の手段又は第6の手段であって、各光ファイバ
ーからの出射光の光軸がすべて略同一の点を通過するよ
うに光ファイバーを配置したことを特徴とするもの(請
求項7)である。
く各光ファイバーの出射光によってプラズマを生成する
ことができる。出射光が収束光の場合、各光ファイバー
の集光点が略同一点になるように光ファイバー出射面を
配置することで出射光の集光が実現できる。また、各光
ファイバーのコアの直径は数百μmであるため、出射光
が平行光である場合にも、これらの出射光の光軸が同一
の点を通過するように配置すれば直径数百μmの領域に
全光ファイバーの出力光が集中されることになり、プラ
ズマを生成に必要なエネルギー密度を得ることができ
る。また、複数の光ファイバーまたは光ファイバー群の
出射光を多方向から標的材に照射することにより発生す
るX線強度の角度分布を制御することができる。
前記第1の手段から第7の手段のいずれかを光源に用い
た軟X線縮小投影露光装置(請求項8)である。
7の手段のいずれかを光源として用いることによって、
軟X線縮小投影露光に十分な強度の軟X線を容易に得る
ことができる。
を、図を用いて説明する。図1は、本発明の実施の形態
の第1の例である軟X線発生装置の要部を示す図であ
る。図1において、1は真空容器、2はノズル、3はガ
ス導入管、4はファイバーアンプの出力端である光ファ
イバー、5は光ファイバー群、6は光ファイバーからの
出射光、7はレンズ、8は励起レーザー光導入窓、9は
プラズマ、10は軟X線、11は多層膜回転放物面鏡、
12は軟X線平行光束である。
スを噴出するノズル2が配置され、ガス導入管3から高
圧のクリプトンガスが供給されている。本装置はファイ
バーアンプの出力端である100本の光ファイバー4を
束ねた光ファイバー群5を有しており、そこから出射し
た出射光6が、レンズ7、励起レーザー光導入窓8を介
して、ノズル2の先端から噴出したクリプトンガスに集
光されている。これにより、クリプトンガスは励起され
てプラズマ9が生成され、そこから軟X線10が放出さ
れる。この軟X線10は、多層膜回転放物面鏡11で反
射され、軟X線平行光束12となって外部に放出され
る。
射端面に取り付けられた微小レンズによってほぼ平行光
となっているので、光ファイバー群5全体の出射光6は
1枚のレンズ7により同一点に集光することができ、こ
こではノズル2の先端から1mmの位置に集光されてい
る。プラズマ9を生成する際、ノズル2からはクリプト
ンガスが連続的に噴出しているが、真空容器1内は、軟
X線に対して十分な透過率を得ることができるように、
排気装置(不図示)により十分な排気速度で排気が行わ
れている。
ムによって6kWのエネルギーがプラズマへ供給されて
おり、このエネルギーのうち1%が波長13nm(2.5%B
W)の軟X線に変換され、60Wの軟X線(波長13nm,
2.5%BW)が発生している。プラズマ9から見込んだ
多層膜回転放物面鏡7の立体角はπステラジアン(全立
体角の1/4)であり、結局、約15Wの軟X線が軟X
線平行光束12として外部に取り出される。
示す。ファイバーアンプは、たとえば「光エレクトロニ
クス事典、77〜89頁」(財団法人光産業技術協会発
行)に記載されるように公知のものである。図2におい
て、13はレーザーダイオード、14,15はアイソレ
ーター、16〜21は波長分割多重化装置、22,23
は励起用レーザーダイオード、24,25はドープ光フ
ァイバー、26はフィルター、27,28は偏波面合成
器、29,30は励起用レーザーダイオードである。
ザーダイオード22,23からの励起光が、波長分割多
重化装置16,17を介して導入されており、入力した
信号光(レーザー光)と励起用レーザーダイオード2
2,23の合波を行い、エルビウムまたはイットリビウ
ムをドープした第1のドープ光ファイバー24を励起し
ている。レーザーダイオード13を発したレーザー光
は、アイソレーター14、波長分割多重化装置16を介
して、ドープ光ファイバー24に導かれて光増幅され
る。増幅された光は、波長分割多重化装置17に導か
れ、フィルター26、アイソレーター15を介して2段
目の光増幅器に導かれる。
重化装置18,20に、励起用レーザーダイオード2
9、30からの励起光が、直交する偏向の成分を合波す
る偏波面合成器27,28、波長分割多重化装置19、
21を介して導入されており、この光はエルビウムまた
はイットリビウムをドープした第2のドープ光ファイバ
ー25に導かれ、ドープ光ファイバー25を励起してい
る。アイソレーター15からの光は、ドープ光ファイバ
ー25の中を通ることにより増幅される。増幅された光
は、波長分割多重化装置20を介して外部に出力され
る。2段目の光増幅器において、第2のドープ光ファイ
バー25の入り側と出側に、それぞれ複数(4台)の励
起用レーザーダイオード29、30が用いられているの
は、励起光の強度を大きくするためである。
においては、レーザーダイオード13からのレーザー光
が、エルビウムまたはイットリビウムをドープした2段
のドープ光ファイバー24、25によって増幅され、光
ファイバー1本あたりの出力光として、エネルギーが1
mJ/shot、パルス持続時間が5ns、繰り返し周波数
は60kHzのものが得られる。すなわち、このような
ファイバーアンプの出力は1本あたり60Wであるの
で、これらの出力を、図1に示した光ファイバー4から
出力すれば、光ファイバー群5は、6kWの平均出力を
有することになる。
ある軟X線発生装置の要部を示す図である。以下の図に
おいて、前出の図で示された構成要素と同じ構成要素に
は、同じ符号を付してその説明を省略する。図3におい
て、31は軟X線検出器である。
の内部にクリプトン(Kr)ガスを噴出するノズル2が
配置され、ガス導入管3から高圧のクリプトンガスが供
給されている。本装置においてもファイバーアンプの出
力端である100本の光ファイバー4が用いられてお
り、各光ファイバー4の出射端面に微小レンズが取り付
けられて、各光ファイバー4から出射する光束は平行光
束となっているが、各光ファイバー4は1本に束ねられ
ることなく、クリプトンガスが噴出されるノズル2を取
り囲むように配置されている。
軸はノズル2から1mm程度離れた位置で交差してお
り、100本の光ファイバー4から同時刻にパルス光が
出射光されると、すべての出射光はこの位置に集中す
る。光ファイバー4のコアの径は0.1mmなのでその領
域は直径0.1mm程度の球形の領域となり、この領域で
プラズマ9が生成されて軟X線10が放射される。この
軟X線10は、多層膜回転放物面鏡11で反射され、軟
X線平行光束12となって外部に放出される。本実施の
形態においても、第1の実施の形態と同様に15W程度
の利用する軟X線(波長13nm,2.5%BW)が発生して
いる。
励起レーザービームによってプラズマが励起されている
ため、対称性の高いプラズマ9が生成され、よって、放
射される軟X線の角度分布も対称性が高い。このため、
多層膜回転放物面鏡11で反射することによって形成さ
れる軟X線平行光束12は軸対称な強度分布を有する。
から放射される軟X線10の強度は多数の軟X線検出器
31によって検出されている。プラズマから放射される
軟X線強度の角度分布は励起レーザービームの照射方向
にピークを持つ傾向があるので、ある方向において軟X
線の強度が低下した場合には、その方向からの励起レー
ザーの照射強度を上昇させることによりプラズマの対称
性を回復させ、それによって平行光束の軸対称性を維持
することができる。このような平行光束は、軟X線縮小
投影露光において、照明光学系を介してマスクの照明に
利用するのに適している。
ある軟X線発生装置の要部を示す図である。この実施の
形態はX線顕微鏡の光源部分である。図4において、3
2はタンタル箔、33はリール、34は縮小光学系、3
5はX線フィルター、36は照明光学系、37は試料、
38は拡大結像光学系、39は飛散粒子阻止用レーザー
光透過部材である。
置された厚さ15μmのテープ状のタンタル箔32を標
的材としている。ファイバーアンプの出力端である10
0本の光ファイバー4が束ねられた光ファイバー群5か
らの出射光6は、縮小光学系34によってタンタル箔3
2の表面に照射されている。縮小光学系34は光ファイ
バー群の出射端面位置の像をタンタル箔上に1/10に
縮小投影している。本実施の形態においては、各光ファ
イバー4は、その端面に出射光を平行にするレンズを有
しなくてもよいが、その他は、第1、第2の実施の形態
で示した光ファイバー4と同様なもので、出射端面位置
での出射光の単位面積当たりのレーザー光のピーク強度
は108〜109W/cm2であり、標的材表面では1010
〜1011W/cm2の強度に達し、プラズマ9が生成され
る。
には孔が生じるため、軟X線の発生時にはリール33を
回転させて、常に新しい面に光ファイバー出射光6を照
射している。本実施例ではシングルモードのファイバー
アンプを使用しているため、出射光を非常に小さな領域
に集光するのに適している。
であるX線フィルタ35を通って照明光学系36に入射
する。照射光学系36によって照明された試料37の像
は、拡大結像光学系38によって拡大されて観察がおこ
なわれる。
レーザー光透過部材39が設けられ、ノズル2等がプラ
ズマによって削り取られることによって発生する飛散物
質が、励起レーザー光導入窓8に付着するのを防止して
いる。
てクリティカル照明を用いており、光源であるプラズマ
群9の強度分布がそのまま試料37の照明強度分布に反
映される。
単一のパルスでプラズマを生成すると、プラズマ像の中
心部では強く、周辺部では弱く照明されることになり、
均一な照明強度を得ることは困難である。本実施の形態
においては、光ファイバー群5は、1本が直径0.2mm
のものを100本束ねたもので、全体として直径2mm
程度であるため、タンタル箔上には直径0.2mm程度の
領域に直径20μm程度のプラズマが100個生成され
る。このように、小さなプラズマをある領域に多数形成
すれば、全体としては均一な照明を達成することができ
る。また、X線顕微鏡観察の際、同一視野内で光学密度
が大きく違う試料を観察しようとすると、視野内で最適
な照明強度に差が生じてしまう恐れがあるが、本実施の
形態では各光ファイバーの出力を調節することにより、
観察に最も適した照明強度分布を視野内に形成すること
もできる。
てクリプトンガスとタンタル箔を用いているが、標的材
はこれに限るものではない。また、図2に示したような
構成を持つファイバーアンプを用いているが、光ファイ
バーの両端にミラーあるいはグレーティングを配置する
ことによって共振器構造を形成したファイバーレーザー
を用いてもよい。
マから放射された軟X線を回転放物面鏡で平行光束に変
換しているが、軟X線縮小投影露光装置の照明光学系の
構成によっては収束あるいは発散光束を形成してもよ
い。
回転放物面鏡の外側に配置しているが、光ファイバー4
は非常に細いため、図5に示すように多層膜回転放物面
鏡11に直径1mm以下の細い穴を形成してファイバー
アンプの出力端である光ファイバー4を通し、それらの
光ファイバー4からの出射光6が同一点を照射するよう
に配置してもよい。
の光ファイバーからの出射光が同時に一点に集中して出
力されていたが、各光ファイバーから出射光が出射され
る時刻を、1本づつ、又は何本かまとめた光ファイバー
群ごとに変化可能としてもよい。これによって、少量の
励起光を照射してプリプラズマを発生させ、その後、大
量の励起光を照射してプリプラズマを追加熱してプラズ
マを発生させることにより、プラズマを効率的に発生さ
せることができる等のメリットがある。さらに、励起光
をパルス列とすることにより、プラズマの温度を調節
し、目的とする波長の軟X線への変換効率が高い温度の
プラズマを生成することができる。
ミングをずらすには、各光ファイバーの長さを変えて、
光ファイバー内を光が伝達する時間を変えるようにすれ
ばよい。また、励起光をパルス列にするには、この他の
方法として、時分割光分岐手段(Time Division Multip
lexer)を用いてもよい。
項1に係る発明においては、複数のファイバーレーザー
又はファイバーアンプからの出射光を励起エネルギービ
ームとし、これら複数の光ファイバーから出射する出射
光を標的材の略同一位置に照射することによってプラズ
マを発生させているので、大きな軟X線光量を容易に得
ることができる。
ムあるいはイットリビウムをドープしたファイバーアン
プ又はファイバーレーザーを用ているので、それにより
ファイバーアンプあるいはファイバーレーザーとして大
きな出力が得られ、束ねた光ファイバー全体としても大
きな出力が得られる。
イバーから出射光が出射される時刻を、1本づつ、又は
何本かまとめた光ファイバー群ごとに変化可能とし手い
るので、たとえば、各光ファイバーからの出射光の出射
の時刻を調節することによってプラズマの加熱を効率よ
くおこない、より多くの軟X線光量を得ることができ
る。また、照射パルスをパルス列とすることにより、目
的とする軟X線の発生効率の高いプラズマを形成するこ
とができる。
イバーの出射面に微小レンズを備えることで出射光を平
行光としているために、プラズマを生成させるためにす
べての出射光を同一点に集光させることが容易となる。
光に変換された全光ファイバーまたは一部の光ファイバ
ーからの出射光が平行な光軸を有するために、これらの
出射光をレンズなどによって同一点に集光することが容
易となる。
バーからの出射光が出射面の微小レンズによって収束光
となっているために、他に光学素子を用いなくても出射
光を標的材上に集光・照射することができる。
イバーからの出射光の光軸がすべて略同一の点を通過す
るように光ファイバーを配置しているので、光学素子を
使うことなく各光ファイバーの出射光によってプラズマ
を生成することができる。
から請求項7に記載のうちいずれかの軟X線発生装置を
光源として用いているので、軟X線縮小投影露光に十分
な強度の軟X線を容易に得ることができる。
生装置の要部を示す図である。
生装置の要部を示す図である。
生装置の要部を示す図である。
鏡と光ファイバーの関係を示す図である。
ァイバー、5…光ファイバー群、6…光ファイバーから
の出射光、7…レンズ、8…励起レーザー光導入窓、9
…プラズマ、10…軟X線、11…多層膜回転放物面
鏡、12…軟X線平行光束、13…レーザーダイオー
ド、14,15…アイソレーター、16〜21…波長分
割多重化装置、22,23…励起用レーザーダイオー
ド、24,25…ドープ光ファイバー、26…フィルタ
ー、27,28… 、29,30…励起用レー
ザーダイオード、31…軟X線検出器、32…タンタル
箔、33…リール、34…縮小光学系、35…X線フィ
ルター、36…照明光学系、37…試料、38…拡大結
像光学系、39…飛散粒子阻止用レーザー光透過部材
Claims (8)
- 【請求項1】 排気装置により減圧が可能な容器内に供
給される標的材に、励起エネルギービームを照射して標
的材をプラズマ化し、当該プラズマから軟X線を放射さ
せる軟X線光源装置であって、複数のファイバーレーザ
ー又はファイバーアンプからの出射光を励起エネルギー
ビームとし、これら複数の光ファイバーから出射する出
射光を標的材の略同一位置に照射することによってプラ
ズマを発生させることを特徴とする軟X線発生装置。 - 【請求項2】 ファイバーレーザー及びファイバーアン
プに、エルビウム(Er)又はイットリビウム(Yb)
をドープした光ファイバーを用いたことを特徴とする請
求項1に記載のの軟X線発生装置。 - 【請求項3】 各光ファイバーから出射光が出射される
時刻を、1本づつ、又は何本かまとめた光ファイバー群
ごとに変化可能としたことを特徴とする請求項1又は請
求項2に記載の軟X線発生装置。 - 【請求項4】 各光ファイバーの出射面に、出射光を略
平行光とする微小レンズを備えたことを特徴とする請求
項1から請求項3のうちいずれか1項に記載の軟X線発
生装置。 - 【請求項5】 各光ファイバーからの出射光の少なくと
も一部の光軸が、互いにほば平行とされていることを特
徴とする請求項4に記載の軟X線発生装置。 - 【請求項6】 各光ファイバーの出射面に、出射光を収
束光とする微小レンズを備えたことを特徴とする請求項
1から請求項3のうちいずれか1項に記載の軟X線発生
装置。 - 【請求項7】 各光ファイバーからの出射光の光軸がす
べて略同一の点を通過するように光ファイバーを配置し
たことを特徴とする請求項4又は請求項6に記載の軟X
線発生装置。 - 【請求項8】 請求項1から請求項7のうちいずれか1
項に記載の軟X線発生装置を光源に用いた軟X線縮小投
影露光装置。
Priority Applications (2)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10279699A JP2000111699A (ja) | 1998-10-01 | 1998-10-01 | 軟x線光源装置 |
US09/409,063 US6339634B1 (en) | 1998-10-01 | 1999-09-30 | Soft x-ray light source device |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10279699A JP2000111699A (ja) | 1998-10-01 | 1998-10-01 | 軟x線光源装置 |
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Publication Number | Publication Date |
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ID=17614653
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
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Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000111699A (ja) |
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-
1998
- 1998-10-01 JP JP10279699A patent/JP2000111699A/ja active Pending
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