JP2000110640A - 電磁弁駆動装置 - Google Patents
電磁弁駆動装置Info
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Abstract
ためのコンデンサが、電磁弁の開弁駆動開始時にだけ電
磁コイルへの電流供給経路に接続される構成であって
も、その電流供給経路の異常を検出可能な電磁弁駆動装
置を提供する。 【解決手段】 燃料噴射弁の電磁コイルEBへの電流供給
経路に直列に設けられた駆動用トランジスタ4と、バッ
テリ電圧を昇圧してコンデンサ5を充電する回路2,
3,12,R1,D1と、コンデンサ5と上記電流供給経路と
を連通/遮断するスイッチ6とを備え、トランジスタ4
をオンして電磁コイルEBへの通電を開始する時に、スイ
ッチ6をオンし、コンデンサ5の放電電流を電磁コイル
EBに流して燃料噴射弁を高速開弁させる装置1におい
て、トランジスタ4とスイッチ6をオンしてからコンデ
ンサ5の充電電圧が設定電圧に低下するまでの時間が、
所定の設定時間よりも短い場合に、電流供給経路が何等
かの電位に短絡したと判定する。
Description
する電磁弁駆動装置に係り、特に、電磁弁に設けられた
電磁コイルへの電流供給経路に異常が発生したことを検
出可能な電磁弁駆動装置に関する。
気筒に燃料を噴射供給する燃料噴射弁として、電磁コイ
ルへの通電により開弁される電磁弁が用いられている。
また、こうした電磁弁からなる燃料噴射弁を開閉駆動し
て内燃機関への燃料噴射を制御する燃料噴射制御装置
は、例えば特開平9−112735号公報に記載されて
いる如く、燃料噴射弁(電磁弁)の電磁コイルへ電流を
供給するための電流供給経路に接続されると共に、バッ
テリからの電源供給を受けて上記電流供給経路にダイオ
ードを介して一定電流を出力する定電流回路と、上記電
流供給経路の電磁コイルよりもグランドライン(バッテ
リの負極の電位)側に直列に設けられた駆動用トランジ
スタと、上記電流供給経路の電磁コイルよりも定電流回
路側にダイオードを介して並列に接続されたコンデンサ
と、バッテリの電圧を昇圧してコンデンサを充電する昇
圧回路と備えている。
用トランジスタをオンさせる前に昇圧回路によってコン
デンサを充電しておくことにより、駆動用トランジスタ
をオンさせた時に、コンデンサから上記電流供給経路を
介し電磁コイルへ、コンデンサの放電電流がピーク電流
として流れるようにして、燃料噴射弁を速やかに開弁さ
せ、その後は、定電流回路から開弁保持用の一定電流
(ホールド電流)を流して、駆動用トランジスタのオン
期間中、燃料噴射弁の開弁状態を保持するようにしてい
る。つまり、燃料噴射弁の開弁応答性を向上させるため
に、電源となるバッテリの電圧を昇圧してコンデンサに
蓄積し、そのコンデンサの放電に伴う大電流によって燃
料噴射弁を高速駆動できるようにしている。
表される電磁弁駆動装置においては、電磁コイルへの電
流供給経路(電流供給用の配線)が、グランドラインや
バッテリの電圧にショートしたり、或いは断線してしま
うと、電磁弁を正常に開閉駆動することができなくなる
ため、その様な異常を検出して何等かの処置を施す必要
がある。
用トランジスタがオンされる直前のコンデンサの充電電
圧を検出して、その検出電圧が所定値以上でない場合
に、電磁コイルへの電流供給経路がグランドライン或い
はバッテリの電圧に短絡(ショート)したと判定するよ
うにしている。つまり、電流供給経路がグランドライン
やバッテリの電圧に短絡すると、コンデンサの充電電圧
は、その短絡先の電圧でクランプされてしまい、正常時
の所定の高電圧にまで上昇しないからである。
トランジスタがオン状態からオフされた直後のコンデン
サの充電電圧を検出して、その検出電圧が所定値以下で
ない場合に、電磁コイルへの電流供給経路或いは電磁コ
イル自身が断線したと判定するようにしている。つま
り、電流供給経路や電磁コイル自身が断線すると、駆動
用トランジスタがオンしてもコンデンサが放電されない
からである。
開示の装置のように、ピーク電流供給用のコンデンサが
電磁コイルへの電流供給経路に常時接続されている構成
のものでは、駆動用トランジスタをオンさせている期間
中にコンデンサを充電することができないという制約が
ある。そして、この制約は、電磁弁を開弁させる周期が
短く、且つ、その開弁時間が長い場合に、コンデンサを
所定の高電圧にまで充電することが困難になるというデ
メリットを招く。
イルへの電流供給経路との間にスイッチを設け、電磁弁
の開弁駆動開始時(具体的には、駆動用トランジスタを
オンさせた時点から、電磁コイルにコンデンサからのピ
ーク電流が十分流れると見なされる一定時間、或いは、
コンデンサの充電電圧が所定電圧に低下するまでの間)
にだけ、上記スイッチをオン(短絡)させて、コンデン
サと電磁コイルへの電流供給経路とを接続するように構
成することを考えた。そして、このように構成すれば、
コンデンサから電磁コイルへピーク電流を供給した後
は、駆動用トランジスタをオンさせている電磁弁の開弁
期間中であっても、コンデンサを電流供給経路から切り
離して、コンデンサへの充電を行うことができるように
なる。
ンサをスイッチによって電磁コイルへの電流供給経路か
ら切り離すように構成すると、上記公報に開示の技術で
は、電流供給経路がグランドラインやバッテリの電圧に
短絡したこと(ショート異常)を、検出できなくなって
しまう。
流供給経路から切り離されるため、電流供給経路がグラ
ンドラインやバッテリの電圧に短絡しても、コンデンサ
は所定の高電圧にまで正常に充電されることとなり、そ
のコンデンサの充電電圧からでは異常の有無を判別でき
ないからである。
のであり、電磁弁の電磁コイルへピーク電流を供給する
ためのコンデンサが、電磁弁の開弁駆動開始時にだけ電
磁コイルへの電流供給経路に接続される構成であって
も、電磁コイルへの電流供給経路に生じた異常を検出可
能な電磁弁駆動装置を提供することを目的としている。
的を達成するためになされた請求項1に記載の本発明の
電磁弁駆動装置は、電磁弁の電磁コイルへ電流を供給す
るための電流供給経路に直列に設けられた駆動用のスイ
ッチング素子と、そのスイッチング素子をオンさせて電
磁コイルへ電流を流すことにより電磁弁を開弁させる制
御手段とを備えており、制御手段によってスイッチング
素子がオンされる前に、コンデンサを所定の高電圧で充
電しておき、スイッチング素子がオンされた時に、その
コンデンサから前記電流供給経路を介し電磁コイルへ該
コンデンサの放電電流をピーク電流として供給し、電磁
弁を速やかに開弁させる。
測手段が、制御手段によりスイッチング素子がオンされ
てからコンデンサの充電電圧が予め設定された設定電圧
に低下するまでの時間を計測し、異常判定手段が、計測
手段により計測された時間に基づき、前記電流供給経路
に異常が発生したか否かを判定する。
ンサは、スイッチング素子がオンされると、電流供給経
路,電磁コイル,及びスイッチング素子を介して放電さ
れるため、コンデンサの充電電圧は、電磁コイルのイン
ピーダンスにより、スイッチング素子がオンされてから
比較的緩やかに低下していく。ところが、電磁コイルへ
の電流供給経路が、コンデンサへの高電圧よりも低い電
圧レベルに短絡するショート異常が発生すると、コンデ
ンサは、電磁コイルを経由せずに放電することとなり、
その充電電圧は急峻に低下する。また、電磁コイルへの
電流供給経路や電磁コイル自身が断線すると、スイッチ
ング素子がオンされても、コンデンサは放電されずにそ
の充電電圧は高電圧のままとなる。そして、こうした現
象は、コンデンサが電流供給経路に常時並列に接続され
る構成と、コンデンサが電磁弁の開弁駆動開始時にだけ
電流供給経路に接続される構成との、何れでであっても
同様である。
オンされてからコンデンサの充電電圧が予め設定された
設定電圧に低下するまでの時間を計測手段により計測
し、その計測時間に基づいて、電磁コイルへの電流供給
経路に異常が発生したか否かを判定するようにしている
のである。
記計測時間が、予め設定された範囲内でない場合に、電
流供給経路に異常が発生していると判定するように構成
することができる。更に詳細には、異常判定手段は、上
記計測時間が予め設定された最大時間以上である場合
に、電磁コイルへの電流供給経路或いは電磁コイル自身
が断線していると判定するように構成することができ、
また、請求項2に記載の如く、異常判定手段は、上記計
測時間(計測手段により計測された時間)が、予め設定
された設定時間よりも短い場合に、電磁コイルへの電流
供給経路がコンデンサへの高電圧よりも低い電圧レベル
に短絡したと判定するように構成することができる。
電磁弁の開弁駆動開始時にだけコンデンサを電磁コイル
への電流供給経路に接続するように構成しても、電磁コ
イルへの電流供給経路に生じたショート異常を検出する
ことができるようになる。つまり、前述したように、従
来の技術では、コンデンサを電磁弁の開弁駆動開始時に
だけ電流供給経路に接続するように構成すると、電流供
給経路のショート異常を検出不可能となるが、請求項2
に記載の電磁弁駆動装置によれば、電流供給経路のショ
ート異常を確実に検出できるのである。
なるバッテリの電圧を昇圧して、コンデンサを充電する
ように構成されるが、請求項2に記載の電磁弁駆動装置
において、請求項3に記載の如く、計測手段が時間の計
測に用いる前記設定電圧を、バッテリの電圧よりも大き
い値に設定しておけば、電流供給経路がグランドライン
(バッテリの負極の電位)に短絡した場合だけではな
く、電流供給経路がバッテリの電圧に短絡した場合に
も、そのショート異常を確実に検出することができるよ
うになる。
りも低い値に設定しておくと、電流供給経路がバッテリ
の電圧に短絡した場合に、コンデンサの充電電圧は上記
設定電圧を下回らないため、計時手段による計時時間が
予め設定された設定時間よりも短くならず、異常を検知
することができなくなる。これに対して、請求項3に記
載の如く、前記設定電圧をバッテリの電圧よりも大きい
値(高い値)に設定しておけば、電流供給経路がバッテ
リの電圧に短絡した場合でも、計測手段によって計測さ
れる時間が予め設定された設定時間よりも短くなり、そ
の結果、異常の発生を確実に検知することができるので
ある。
の電磁弁駆動装置において、請求項4に記載の如く、接
続切替手段を設け、その接続切替手段が、制御手段によ
りスイッチング素子がオンされた時点から、予め定めら
れた所定条件が成立するまでの間だけ、コンデンサを電
磁コイルへの電流供給経路に接続させるように構成すれ
ば、「コンデンサから電磁コイルへピーク電流を供給し
た後は、スイッチング素子をオンさせている電磁弁の開
弁期間中であっても、コンデンサを電流供給経路から切
り離して、コンデンサへの充電を行うことができる」と
いう効果と、「電磁コイルへの電流供給経路のショート
異常を確実に検出できる」という効果との、両方の効果
を得ることができるようになる。
グ素子がオンされた時点から、電磁コイルにコンデンサ
からのピーク電流が十分流れると見なされる一定時間だ
け、コンデンサを電流供給経路に接続させるように構成
することができる。また、接続切替手段は、駆動用のス
イッチング素子がオンさせた時点から、コンデンサの充
電電圧が上記設定電圧よりも低い所定電圧に低下するま
での間だけ、コンデンサを電流供給経路に接続させるよ
うに構成することもできる。そして、後者の構成によれ
ば、コンデンサや電流供給経路等における電気的特性の
ばらつきに影響されずに、コンデンサから電磁コイルへ
最適なピーク電流を供給することができるようになり、
より効果的である。
て、図面を用いて説明する。まず図1は、車両用ディー
ゼルエンジン(以下、内燃機関という)の各気筒に燃料
を夫々噴射供給する電磁弁としての燃料噴射弁の電磁コ
イルEBへの通電を制御することにより、各気筒への燃
料噴射量及び燃料噴射時期を制御する、実施形態の燃料
噴射制御装置1の構成を表わす構成図である。
御装置1は、トロイダルコイル2、NチャンネルMOS
トランジスタ3,4、コンデンサ5、スイッチ6、定電
流回路7、充電電圧検出回路8、バッファ回路10、マ
イクロコンピュータ(以下、CPUという)11、昇圧
コントロール回路12、電流検出用抵抗R1,R2、及
びダイオードD1〜D4を備えている。
両に搭載されたバッテリBATTのプラス端子に接続さ
れており、トロイダルコイル2の他端は、トランジスタ
3から電流検出用抵抗R1を介して接地されると共に、
ダイオードD1のアノードに接続されている。そして、
ダイオードD1のカソード(以下、ノードAという)
は、コンデンサ5を介して接地されると共に、スイッチ
6の一端と充電電圧検出回路8とに接続されている。
料噴射弁(以下、インジェクタという)の各電磁コイル
EBの一端は、当該燃料噴射制御装置1の外部に配設さ
れた共通配線CMに接続されており、その共通配線CM
は、当該燃料噴射制御装置1に設けられた共通端子JC
を介して、各ダイオードD2,D3,D4のカソードに
接続されている。そして、ダイオードD2のアノード
は、スイッチ6のノードA側とは反対側の端部に接続さ
れ、ダイオードD3のアノードは、定電流回路7に接続
され、ダイオードD4のアノードは接地されている。
料噴射制御装置1の外部に配設された個別配線Wに夫々
接続されており、その各個別配線Wは、当該燃料噴射制
御装置1に設けられた個別出力端子JW を介して、スイ
ッチング素子としての各トランジスタ4のドレインに接
続されている。そして、その各トランジスタ4のソース
は、電流検出用抵抗R2を介して接地されている。
タ21及び定電流コントロール回路22から構成されて
いる。トランジスタ21はバッテリBATTのプラス端
子とダイオードD3のアノードとの間に接続され、トラ
ンジスタ21のベースは定電流コントロール回路22に
接続されている。そして、定電流コントロール回路22
は、電流検出用抵抗R2に流れる電流(即ち、トランジ
スタ4のオン時に電磁コイルEBに流れる電流)が一定
値となるように、トランジスタ21のオン/オフのデュ
ーティ比を制御して該トランジスタ21をスイッチング
動作させる。
及び4つの抵抗R5,R6,R7,R9から構成されて
いる。ノードAは2つの分圧用抵抗R5,R6を介して
接地され、その各抵抗R5,R6間のノードは、抵抗R
7を介して比較器23の非反転入力端子(プラス入力端
子)に接続されている。また、比較器23の反転入力端
子(マイナス端子)には、比較用のしきい値電圧VS が
印加されており、比較器23の出力端子は、抵抗R9を
介して当該燃料噴射制御装置1の内部電源(図示略)側
へプルアップされている。尚、各抵抗R5,R6の抵抗
値は十分に大きく設定されているため、各抵抗R5,R
6を介してノードAから接地側へ電流が流れることはな
い。
内燃機関のエンジン回転数を検出する回転センサ,アク
セル開度を検出するアクセル開度センサ,及びアイドリ
ングスイッチ等(図示略)からの検出信号が、バッファ
回路10を介して入力される。また更に、CPU11へ
は、充電電圧検出回路8を構成する比較器23の出力信
号OSが入力される。
ら内燃機関の運転状態を検出すると共に、その検出結果
と比較器23の出力信号OSとに基づいて、昇圧コント
ロール回路12への制御信号CS1と、昇圧コントロー
ル回路12及びスイッチ6への制御信号CS2と、各ト
ランジスタ4のゲートへの駆動信号CS3とを、それぞ
れ生成して出力する。尚、各トランジスタ4は、CPU
11からの駆動信号CS3が「High」レベルの場合にオ
ンする。
U11からの各制御信号CS1,CS2が両方共に「Lo
w 」レベルである場合に、電流検出用抵抗R1に流れる
電流が一定値となるようにトランジスタ3のオン/オフ
のデューティ比を制御して該トランジスタ3をスイッチ
ング動作させ、これにより、バッテリBATTの電圧
(本実施形態では24±8V)を昇圧してコンデンサ5
を充電する。そして、昇圧コントロール回路12は、ト
ランジスタ3のスイッチング動作によりノードAの電圧
(即ち、コンデンサ5の充電電圧)が所定の設定値(本
実施形態では、約120V)Veになるか、或いは、C
PU11からの各制御信号CS1,CS2のうちの少な
くとも一方が「High」レベルになると、トランジスタ3
のスイッチング動作を停止させて、コンデンサ5への充
電を止める。
御信号CS2が「High」レベルである場合にオン(短
絡)して、ノードA(即ち、コンデンサ5の一端)とダ
イオードD2のアノードとを接続し、上記制御信号CS
2が「Low 」レベルである場合にはオフ(解放)して、
コンデンサ5とダイオードD2のアノードとの接続を遮
断する。
御装置1の正常時の動作を、図2に示すタイムチャート
を用いて説明する。まず、CPU11は、インジェクタ
を閉弁させる場合(燃料噴射停止時)に、各制御信号C
S1,CS2と駆動信号CS3とを「Low 」レベルで出
力する。
ると共に、スイッチ6がオフ状態になって、コンデンサ
5とダイオードD2のアノードとの接続が遮断される。
また、昇圧コントロール回路12が動作して、バッテリ
BATT→トロイダルコイル2→トランジスタ3→電流
検出用抵抗R1の経路で流れる電流が電流検出用抵抗R
1の端子間電圧に基づき検出され、その電流が一定値に
なるようにトランジスタ3のオン/オフのデューティ比
が制御されてスイッチング動作される。
チング動作において、トランジスタ3のオフ時には、バ
ッテリBATTからトロイダルコイル2に流れる電流が
急激に遮断され、トロイダルコイル2のインダクタンス
により通電を継続させる方向に大きな逆起電力が生じる
ため、そのトロイダルコイル2に生じた逆起電力によ
り、バッテリBATT→トロイダルコイル2→ダイオー
ドD1→コンデンサ5の経路で電流が流れてコンデンサ
5が充電される。そして、この充電電圧は、トロイダル
コイル2の電磁エネルギーを静電エネルギーに変換する
電圧値まで上昇するため、コンデンサ5の容量値が小さ
ければ、バッテリBATTの電圧と関係なく、バッテリ
BATTの電圧の数倍から数十倍の高い値になる。ま
た、このとき、スイッチ6及びトランジスタ4はオフ状
態になっており、逆止用のダイオードD1が設けられて
いるため、コンデンサ5から電荷が流出することはな
い。
トランジスタ3のスイッチング動作に伴い、コンデンサ
5には徐々に電荷が蓄積され、コンデンサ5の充電電圧
は徐々に上昇してゆく。そして、昇圧コントロール回路
12は、ノードAの電圧(即ち、コンデンサ5の充電電
圧)VCHG を図示されない所定の検出手段によって検出
し、その電圧VCHG が設定値Ve(コンデンサ5の充電
完了電圧である約120V)まで上昇したと判断した時
点で、トランジスタ3のスイッチング動作を停止させ
る。
いて、比較器23の出力端子は抵抗R9によりプルアッ
プされており、ノードAの電圧VCHG は設定値Veまで
上昇しているため、比較器23の非反転入力端子(プラ
ス入力端子)の電圧は反転入力端子(マイナス入力端
子)の電圧よりも高くなっている。そのため、比較器2
3の出力信号OSは「High」レベルになる。
からの検出信号に基づき、何れかの気筒の燃料噴射タイ
ミングが到来したと判断すると、図2の時刻t1に示す
ように、その気筒に対応するトランジスタ4への駆動信
号CS3を「High」レベルにすると共に、制御信号CS
2を「High」レベルにする。
に対応したトランジスタ4がオンすると共に、スイッチ
6がオンして、コンデンサ5(ノードA)がダイオード
D2のアノードに接続される。よって、コンデンサ5
は、スイッチ6により、電磁コイルEBへの電流供給経
路(即ち、共通配線CM及び個別配線W)に対して並列
に接続されることとなる。また、制御信号CS2が「Hi
gh」レベルになることに伴い、昇圧コントロール回路1
2の動作(即ち、バッテリBATTの電圧を昇圧してコ
ンデンサ5を充電する動作)は停止する。
となり、スイッチ6→ダイオードD2→共通端子JC →
共通配線CM→インジェクタの電磁コイルEB→個別配
線W→個別出力端子JW →オンしたトランジスタ4→電
流検出用抵抗R2の経路で流れる。このため、インジェ
クタの電磁コイルEBに流れる電流Iは、コンデンサ5
の放電特性に従って、急激に増大してピーク値Ipに達
した後に低下する。そして、このコンデンサ5の放電電
流(ピーク電流)が電磁コイルEBに供給されることに
より、インジェクタが速やかに開弁されて該インジェク
タから燃料が噴射される。尚、このとき、逆止用のダイ
オードD3が設けられているため、コンデンサ5の放電
電流がトランジスタ21を介してバッテリBATT側へ
流れ込むことはない。
ンデンサ5の放電に伴いノードAの電圧VCHG が低下し
て、予め設定された設定電圧VTH(本実施形態では、バ
ッテリBATTの電圧よりも大きい40V)より低くな
ると、比較器23の出力信号OSが「Low 」レベルに反
転する。
R5,R6により分圧されて比較器23の非反転入力端
子に印加されるため、当該分圧電圧が比較器23の反転
入力端子に印加されているしきい値電圧VS よりも低く
なると、比較器23の出力信号OSが「Low 」レベルに
なる。そして、上記しきい値電圧VS は、設定電圧VTH
(=40V)に各抵抗R5,R6による分圧比を乗じた
値に設定されている。つまり、各抵抗R5,R6による
分圧比が1/Kであり、ノードAの電圧VCHGが各抵抗
R5,R6により1/K倍に減圧されて比較器23の非
反転入力端子に印加される場合、しきい値電圧VS は設
定電圧VTHの1/K倍に設定されている。尚、このよう
に、ノードAの電圧VCHG を各抵抗R5,R6により減
圧して比較器23の非反転入力端子に印加するのは、ノ
ードAの電圧VCHG に比べて比較器23の動作電圧(電
源電圧)が低いためである。そのため、各抵抗R5,R
6による分圧比は、比較器23の動作電圧とノードAの
電圧VCHG との比に対応して設定されている。
駆動信号CS3を「High」レベルにした時点(時刻t
1)から、電磁コイルEBにコンデンサ5からのピーク
電流が十分流れると見なされる一定時間が経過したと判
断すると、図2の時刻t3に示すように、制御信号CS
2を「Low 」レベルに戻す。
サ5がダイオードD2のアノードから切り離されると共
に、昇圧コントロール回路12の動作が再開されて、ト
ランジスタ3がスイッチング動作されるため、ノードA
の電圧(コンデンサ5の充電電圧)VCHG は再び徐々に
上昇して行く。
回路22が、電磁コイルEBに流れる電流Iを電流検出
用抵抗R2の端子間電圧に基づき検出して、その電流I
が一定値になるようにトランジスタ21をスイッチング
動作させるため、バッテリBATT→トランジスタ21
→ダイオードD3→共通端子JC →共通配線CM→イン
ジェクタの電磁コイルEB→個別配線W→個別出力端子
JW →オンしたトランジスタ4→電流検出用抵抗R2の
経路で一定値の電流Iが流れる。このため、バッテリB
ATTから定電流回路7を介してインジェクタの電磁コ
イルEBに一定値の電流Iがホールド電流として供給さ
れて、インジェクタの開弁状態が保持されると共に、開
弁時に発生する弁体のバウンスで開弁状態が不安定にな
るのが防止される。
に、コンデンサ5の充電により、ノードAの電圧VCHG
が設定電圧VTHを越えると、比較器23の出力信号OS
が「High」レベルに反転する。そして、CPU11は、
燃料噴射の終了タイミングが到来したと判断すると、図
2の時刻t5に示すように、オンさせていたトランジス
タ4への駆動信号CS3を「Low 」レベルにする。する
と、それまでオンしていたトランジスタ4がオフして、
電磁コイルEBに流れる電流Iが遮断され、インジェク
タが閉弁する。
スイッチ6が次にオンされる時までに、その充電電圧V
CHG が設定値Veとなるように充電される。ところで、
コンデンサ5に蓄積された電荷は、トランジスタ4とス
イッチ6がオンされると、電磁コイルEBを介して放電
されるため、コンデンサ5の充電電圧VCHG は、図2の
時刻t1から時刻t3までの期間に示すように、電磁コ
イルEBのインピーダンスにより、比較的緩やかに低下
していく。このため、トランジスタ4とスイッチ6がオ
ンされることに伴いコンデンサ5の放電が開始されてか
ら、その充電電圧VCHG が上記設定電圧VTH(=40
V)に低下するまでの時間TΔ(図2における時刻t1
から時刻t2までの時間)は、主にコンデンサ5の静電
容量と電磁コイルEBのインピーダンスによって決まる
所定範囲内の値となる。
給経路が共通端子JC や共通配線CMの部分でグランド
ライン(バッテリBATTの負極の電位)やバッテリ電
圧(バッテリBATTの電圧)に短絡するショート異常
が発生すると、コンデンサ5は電磁コイルEBを経由せ
ずに放電することとなるため、図3に示すように、トラ
ンジスタ4とスイッチ6がオンされてから、コンデンサ
5の充電電圧VCHG が上記設定電圧VTHに低下するまで
の時間TΔ(図3における時刻t1から時刻t2’まで
の時間)は、上記所定範囲よりも大幅に短くなる。
では、CPU11が図4に示す異常検出処理を実行し
て、電磁コイルEBへの電流供給経路に異常が発生した
か否かを判定するようにしている。尚、CPU11は、
その内部に常時カウントアップされている周知のフリー
ランニングカウンタ(以下、FRCという)を備えてお
り、トランジスタ4への駆動信号CS3とスイッチ6へ
の制御信号CS2とを「High」レベルにした時点でのF
RCのカウント値を、その時点の時刻Ty として第1の
内部レジスタに格納すると共に、比較器23の出力信号
OSが「High」レベルから「Low 」レベルに反転した時
点でのFRCのカウント値を、その時点の時刻Tx とし
て第2の内部レジスタに格納するように構成されてい
る。そして、図4の異常検出処理は、比較器23の出力
信号OSが「High」レベルから「Low 」レベルに反転し
た時毎、或いは、予め定められた所定時間毎に、割り込
み処理として実行される。
理の実行を開始すると、まず、ステップ(以下単に
「S」と記す)110にて、上記第2の内部レジスタか
ら、比較器23の出力信号OSが「High」レベルから
「Low 」レベルに反転した時刻(即ち、コンデンサ5の
充電電圧VCHG が設定電圧VTHにまで低下した時刻)T
x を読み込む。
スタから、トランジスタ4への駆動信号CS3とスイッ
チ6への制御信号CS2とを「High」レベルにした時刻
(即ち、トランジスタ4の何れかとスイッチ6をオンし
てコンデンサ5の放電を開始させた時刻)Ty を読み込
み、S110で読み込んだ時刻Tx から上記時刻Tyを
引いた差分TΔ(=Tx−Ty)を算出する。
で算出した差分TΔが、予め設定された設定時間(本実
施形態では100μsec.であり、実際には、その時間に
相当するFRCのカウント数)よりも大きいか否かを判
定し、設定時間よりも大きければ、S140にて、異常
検出回数をカウントするためのカウンタNf の値を
「0」にリセットしてから、当該処理を終了する。
した差分TΔが設定時間(=100μsec.)よりも大き
くないと判定した場合には、S150に移行して、カウ
ンタNf の値を1インクリメント(+1)する。そし
て、続くS160にて、カウンタNf の値が、予め定め
られた異常判定回数Nstopよりも小さいか否かを判定
し、カウンタNf の値が異常判定回数Nstopよりも小さ
ければ、そのまま当該異常検出処理を終了するが、カウ
ンタNf の値が異常判定回数Nstopよりも小さくなけれ
ば、共通端子JC 又は共通配線CMがグランドラインや
バッテリ電圧に短絡していると判断して、S170に進
む。
1を「High」レベルにして、昇圧コントロール回路12
の動作(即ち、バッテリBATTの電圧を昇圧してコン
デンサ5を充電する動作)を強制停止させると共に、ト
ランジスタ4への駆動信号CS3を「Low 」レベルに保
持するようにし、更に、車両内に設けられた警告ランプ
を点灯させる、といった異常発生時処理を行った後、当
該異常検出処理を終了する。
スタ4とスイッチ6とがオンされてコンデンサ5の放電
が開始されてから、コンデンサ5の充電電圧VCHG が設
定電圧VTHに低下するまでの時間TΔを計測し(S11
0,S120)、その計測した時間TΔが、予め設定さ
れた設定時間(=100μsec.)よりも短い場合に(S
130:NO)、電磁コイルEBへの電流供給経路がグ
ランドライン或いはバッテリ電圧に短絡した(ショート
異常が発生した)と判定するようにしている。そして、
この異常判定を連続して異常判定回数Nstopだけ行った
場合に(S160:NO)、本当に異常が生じていると
判断して、異常発生時処理(S170)を行うようにし
ている。
によれば、トランジスタ4のオン時から電磁コイルEB
にコンデンサ5からのピーク電流が十分流れると見なさ
れる一定時間だけ、スイッチ6によりコンデンサ5を電
磁コイルEBの電流供給経路に接続させるように構成し
ているため、コンデンサ5から電磁コイルEBへピーク
電流を供給した後は、トランジスタ4をオンさせている
インジェクタの開弁期間中であっても、コンデンサ5を
電流供給経路から切り離して該コンデンサ5への充電が
できる、という効果が得られるが、このようにインジェ
クタの開弁駆動開始時にだけコンデンサ5を電磁コイル
EBの電流供給経路に接続するようにしているにも拘わ
らず、上記異常検出処理を行うことにより、電磁コイル
EBへの電流供給経路に生じたショート異常を確実に検
出することができる。
は、上記設定電圧VTHを、バッテリの電圧よりも大きい
値(=40V)に設定しているため、電磁コイルEBの
電流供給経路がグランドラインに短絡した場合だけでは
なく、バッテリ電圧に短絡した場合にも、そのショート
異常を確実に検出することができる。
と、図4のS110及びS120の処理とが、計測手段
に相当し、図4のS130の処理が、異常判定手段に相
当している。また、スイッチ6と、そのスイッチ6への
制御信号CS2の論理レベルを切り替えるCPU11の
処理部分とが、接続切替手段に相当している。
たが、本発明は、前述した各実施形態に限定されるもの
ではなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもな
い。例えば、上記実施形態において、図4のS120で
算出した差分TΔが、予め設定された最大時間以上であ
る場合に、電磁コイルEBへの電流供給経路或いは電磁
コイルEB自身が断線していると判定するようにしても
良い。つまり、電磁コイルEBへの電流供給経路や電磁
コイルEB自身が断線すると、トランジスタ4がオンさ
れてもコンデンサ5は放電されず、その充電電圧VCHG
は設定電圧VTHよりも高いままとなるからである。
がオンされた時点からスイッチ6を一定時間だけオンさ
せるようにしたが、コンデンサ5の充電電圧VCHG を検
出して、トランジスタ4をオンさせた時点からコンデン
サ5の充電電圧VCHG がバッテリ電圧付近の所定電圧
(例えば24V)に低下するまでの間だけ、スイッチ6
をオンさせるように構成することもできる。そして、こ
のように構成すれば、コンデンサ5や電流供給経路等に
おける電気的特性のばらつきに影響されずに、コンデン
サ5から電磁コイルEBへ最適な時間だけピーク電流を
供給することができるようになり、効果的である。
5を充電する昇圧回路としては、トランスを用いた回路
等、他の回路を用いても良い。また、上記実施形態の燃
料噴射制御装置1は、コンデンサ5と電磁コイルEBへ
の電流供給経路とを、スイッチ6によって接続/遮断す
るように構成されていたが、本発明は、コンデンサが電
磁コイルへの電流供給経路に対して常時並列に接続され
る構成の装置に対しても、全く同様に適用することがで
きる。
制御装置以外の他の装置に対しても、全く同様に適用す
ることができる。
成図である。
を説明するタイムチャートである。
を説明するタイムチャートである。
PUで実行される異常検出処理を表すフローチャートで
ある。
…NチャンネルMOSトランジスタ、5…コンデンサ、
6…スイッチ、7…定電流回路、8…充電電圧検出回
路、10…バッファ回路、11…マイクロコンピュータ
(CPU)、12…昇圧コントロール回路、21…PN
Pトランジスタ、22…定電流コントロール回路、23
…比較器、D1〜D4…ダイオード、R1,R2…電流
検出用抵抗、R5〜R7,R9…抵抗、BATT…バッ
テリ、EB…電磁コイル、CM…共通配線、W…個別配
線、JC …共通端子、JW …個別出力端子
Claims (4)
- 【請求項1】 電磁弁の電磁コイルへ電流を供給するた
めの電流供給経路に直列に設けられたスイッチング素子
と、 該スイッチング素子をオンさせて前記電磁コイルへ電流
を流すことにより前記電磁弁を開弁させる制御手段と、 を備え、前記制御手段により前記スイッチング素子がオ
ンされる前にコンデンサを所定の高電圧で充電してお
き、前記スイッチング素子がオンされた時に前記コンデ
ンサから前記電流供給経路を介し前記電磁コイルへ該コ
ンデンサの放電電流を供給して、前記電磁弁を速やかに
開弁させるように構成された電磁弁駆動装置において、 前記制御手段により前記スイッチング素子がオンされて
から前記コンデンサの充電電圧が予め設定された設定電
圧に低下するまでの時間を計測する計測手段と、 該計測手段により計測された時間に基づき、前記電流供
給経路に異常が発生したか否かを判定する異常判定手段
と、 を備えたことを特徴とする電磁弁駆動装置。 - 【請求項2】 請求項1に記載の電磁弁駆動装置におい
て、 前記異常判定手段は、 前記計測手段により計測された時間が、予め設定された
設定時間よりも短い場合に、前記電流供給経路が前記所
定の高電圧よりも低い電圧レベルに短絡したと判定する
こと、 を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 【請求項3】 請求項2に記載の電磁弁駆動装置におい
て、 当該装置は、バッテリの電圧を昇圧して前記コンデンサ
を充電するように構成されており、 前記設定電圧は、前記バッテリの電圧よりも大きい値に
設定されていること、 を特徴とする電磁弁駆動装置。 - 【請求項4】 請求項1ないし請求項3の何れかに記載
の電磁弁駆動装置において、 前記制御手段により前記スイッチング素子がオンされた
時点から、予め定められた所定条件が成立するまでの間
だけ、前記コンデンサを前記電流供給経路に接続させる
接続切替手段を備えたこと、 を特徴とする電磁弁駆動装置。
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