JP2000109323A - 板状スピネル型フェライト粒子粉末の製造法 - Google Patents

板状スピネル型フェライト粒子粉末の製造法

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JP2000109323A
JP2000109323A JP10294534A JP29453498A JP2000109323A JP 2000109323 A JP2000109323 A JP 2000109323A JP 10294534 A JP10294534 A JP 10294534A JP 29453498 A JP29453498 A JP 29453498A JP 2000109323 A JP2000109323 A JP 2000109323A
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spinel
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Akinori Yamamoto
明典 山本
Tsutomu Katamoto
勉 片元
Yasuo Shibazaki
靖雄 芝崎
Kiichi Oda
喜一 小田
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National Institute of Advanced Industrial Science and Technology AIST
Toda Kogyo Corp
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Agency of Industrial Science and Technology
Toda Kogyo Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 電波吸収材料及び電磁シールド材として好適
に使用される配向性の良好な板状スピネル型フェライト
粒子粉末の製造法を提供する。 【解決手段】 板状ヘマタイト粒子粉末の水懸濁液にN
iの水可溶性塩又はその水溶液を添加した後に該懸濁液
のpH値をpH9.0〜14.0の範囲に調整し、且
つ、0〜30℃で熟成して、板状ヘマタイト粒子表面に
Niの水酸化物又は酸化物を被覆させ、500〜700
℃で加熱焼成を行ってNi含有の板状焼成物粒子粉末を
得る第1工程と、第1工程で得られたNi含有の板状焼
成物粒子粉末の水懸濁液にNiの水可溶性塩又はその水
溶液を添加した後に該懸濁液のpH値をpH9.0〜1
4.0に調整し、且つ、0〜30℃で熟成してNiを含
有する板状焼成物粒子表面にNiの水酸化物又は酸化物
を被覆させ、800〜1200℃で加熱焼成を行って板
状スピネル型フェライト粒子粉末を得る第2工程とによ
り目的の板状スピネル型フェライト粒子粉末を製造法す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、配向性の良好な板
状スピネル型フェライト粒子粉末の製造法に関するもの
である。さらに詳しくは、本発明は、出発原料粒子とす
る板状ヘマタイト粒子の板状形状及び板状比をほぼ維持
した大きな板状比を有する板状スピネル型フェライト粒
子粉末を製造する方法に関し、電波吸収材料及び電磁シ
ールド材として好適な配向性の良好な板状スピネル型フ
ェライト粒子粉末を提供するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、電気機器がデジタル化され、IC
等が多く使用されるようになってきたことに伴って、他
の機器から発生する電磁波がIC等に誤動作を生じさせ
たり、人体に悪影響を及ぼす恐れがあることなどが指摘
されている。そこで、電磁波をその発生源からできるだ
け漏らさない、あるいは外部から来る電磁波を遮断する
特性を有する、いわゆる電波吸収材料や、電磁シールド
等の優れた材料に対する要求が強くなってきた。従来、
周知のように、Ni−ZnフェライトやMn−Znフェ
ライト等のスピネル型フェライトは、透磁率が高いこと
から、電波吸収材料及び電磁シールド材として用いられ
ている。また、電波吸収特性は、フェライトの自然共鳴
周波数以上の周波数領域が電波吸収帯域となることが知
られている。
【0003】さらに、材料粒子の形状の電波吸収特性へ
の寄与も重要であって、通常の粒状等の形状では実現で
きない低周波数領域での電波吸収材料及び電磁シールド
材として優れた特性を示す配向性の良好な板状スピネル
型フェライト粒子粉末(特開昭60−89902号公
報)が提案されている。即ち、当該公報に、「・・・板
状フェライト粒子の平均の直径と厚さの比は平均の厚さ
に対して平均の直径が3倍以上であることが好ましく、
平均直径は0.5〜500μm程度であることが好まし
い。・・・板状フェライトの直径と厚さの比が大きい程
実効透磁率が高くなり、それに従い自然共鳴周波数が低
周波数に移行し、電波吸収体の周波数帯域を低くできる
という理由による。・・・」とあり、また、「・・・板
状フェライト粒子が電波吸収体の電波が到来する面に平
行に揃っていれば、より良好な特性が得られる。・・
・」とあるように、板状比の高い板状粒子からなる高配
向の板状スピネル型フェライト粒子粉末が求められてい
る。
【0004】板状スピネル型フェライト粒子粉末は、そ
の板状形状により、板状比が高いものほど配向性が良好
であって、一軸性の加圧力によって機械配向させること
ができるので高密度の成形体を作製することが可能であ
り、この成形体を焼成することにより高密度のフェライ
ト焼結体を得ることができる。また、配向性が良好な板
状フェライト粒子粉末を水に分散させた泥漿は、電波吸
収用塗料やドクターブレード法によるフェライト基板作
製の原料として使用できる。そこで、配向性の良好な板
状スピネル型フェライト粒子粉末が強く求められてい
る。しかし、スピネル型フェライトは結晶系が立方晶系
であるため、通常行われている原料となる酸化物粒子粉
末を混合し、加熱焼成する粉末冶金的な製造法によって
得られるものは、その粒子形状は立方体、八面体、粒状
等をとる場合が多く、配向性がほとんどないものであ
り、異方性を有する焼結体を作製することは困難であっ
た。
【0005】そのため、板状のフェライト粒子粉末の製
造法について種々の方法が試みられている。例えば、板
状ヘマタイトに酸化物又は熱処理によって酸化物となる
材料に、一種類又は二種類以上の硫酸塩をフラックスと
して混合し、不活性ガス雰囲気中にて1000〜130
0℃で熱処理して不活性ガス雰囲気中で十分冷却した
後、水洗してフラックスを取り除き、乾燥することを特
徴とするフェライト粉体の製造方法(特公平5−455
27号公報)、盤状のゲータイト又は酸化鉄の粉末と、
Mn、Zn、Niの塩の水溶液からアルカリで沈澱させ
て得たMn、Zn、Niの水酸化物又は酸化物の一又は
二以上との混合物を700℃以下で焼成して、盤状スピ
ネルフェライトを得る方法(特開昭62−3021号公
報)が提案されている。
【0006】このように、出発原料粒子の板状形状及び
板状比を維持した大きな板状比を有する板状粒子からな
り、配向性の良好な板状スピネル型フェライト粒子粉末
は、現在、最も要求されているところであるが、従来の
フェライト粒子粉末は、これら諸特性を必ずしも十分満
足するものとはいい難い面があった。即ち、従来の平板
状のフェライト粒子粉末の製造法においては、例えば、
板状の酸化鉄(粒径0.5〜500μm)、粒状の四酸
化三マンガン、酸化亜鉛(粒径0.1〜0.5μm)と
フラックスを混合し、焼成している例があるが、副原料
の粒子サイズが大きく反応性が十分でないため、得られ
る板状フェライト粒子粉末は板状比が低く、配向性に劣
るという問題がある。また、従来の盤状スピネルフェラ
イト粉末の製造法においては、例えば、板状のゲータイ
トまたは酸化鉄の粉末とは別にMn、Zn、Niの水酸
化物又は酸化物の一又は二以上との混合物を沈澱させて
いる例があるが、Niについて特に反応性が十分ではな
く、また、鉄原料に盤状ゲータイト粒子又はこれを加熱
焼成した盤状の酸化鉄粒子を使用しているため、焼成過
程で盤状粒子内に空孔が生じ、緻密な粒子が得られない
という問題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記従来技
術に鑑みて、出発原料粒子の板状形状及び板状比を維持
した大きな板状比を有する板状粒子からなり、配向性の
良好な板状スピネル型フェライト粒子粉末を製造するこ
とを課題としてなされたものであって、出発原料の板状
ヘマタイト粒子の板状形状及び板状比をほぼ維持した大
きな板状比を有する板状スピネル型フェライト粒子粉末
を製造する方法を提供することを目的とする。また、本
発明は、上記製造法により得られる電波吸収材料及び電
磁シールド材として好適な配向性の良好な板状スピネル
型フェライト粒子粉末を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
の本発明は、以下の技術的手段から構成される。 (1)配向性の良好な板状スピネル型フェライト粒子粉
末を製造する方法であって、板状ヘマタイト粒子粉末を
水に分散させた懸濁液にNiの水可溶性塩又はその水溶
液を添加した後に該懸濁液のpH値をpH9.0〜1
4.0の範囲に調整し、且つ、0〜30℃の温度範囲で
熟成して、板状ヘマタイト粒子表面にNiの水酸化物又
は酸化物を被覆させ、必要により、濾過、水洗、乾燥
後、500〜700℃の温度範囲で加熱焼成を行ってN
iを含有する板状焼成物粒子粉末を得る第1工程、及び
第1工程で得られたNiを含有する板状焼成物粒子粉末
を水に分散させた懸濁液にNiの水可溶性塩又はその水
溶液、及び/又はMn、Zn、Cuから選択される1種
以上の元素の水可溶性塩又はその水溶液を添加した後に
該懸濁液のpH値を調整し、且つ、0〜30℃の温度範
囲で熟成して、 1)Niを含有する板状焼成物粒子表面にNiの水酸化
物又は酸化物を被覆させた粒子、 2)上記1)の被覆粒子と上記元素の水酸化物又は酸化
物との混合懸濁液、又は 3)Niを含有する板状焼成物粒子と上記元素の水酸化
物又は酸化物との混合懸濁液、を得た後、必要により、
濾過、水洗、乾燥後、800〜1200℃の温度範囲で
加熱焼成を行って板状スピネル型フェライト粒子粉末を
得る第2工程、からなることを特徴とする板状スピネル
型フェライト粒子粉末の製造法。 (2)第2工程において、懸濁液にNiの水可溶性塩又
はその水溶液を添加し、pH値を9.0〜14.0に調
整し、Niを含有する板状焼成物粒子表面にNiの水酸
化物又は酸化物を被覆させた粒子を得た後、加熱焼成を
行うことを特徴とする前記(1)記載の板状スピネル型
フェライト粒子粉末の製造法。 (3)第2工程において、懸濁液にNiの水可溶性塩と
Mnの水可溶性塩との混合物、又はその水溶液を添加
し、pH値を9.0〜14.0に調整し、Niを含有す
る板状焼成物粒子表面にNiの水酸化物又は酸化物を被
覆させた粒子とMnの水酸化物又は酸化物との混合懸濁
液を得た後、加熱焼成を行うことを特徴とする前記
(1)記載の板状スピネル型フェライト粒子粉末の製造
法。 (4)第2工程において、懸濁液にMnの水可溶性塩又
はその水溶液を添加し、pH値を9.0〜14.0に調
整し、Niを含有する板状焼成物粒子とMnの水酸化物
又は酸化物との混合懸濁液を得た後、加熱焼成を行うこ
とを特徴とする前記(1)記載の板状スピネル型フェラ
イト粒子粉末の製造法。 (5)第1工程で得られたNiを含有する板状焼成物粒
子粉末を水に分散させた懸濁液に、Znの水可溶性塩及
び/又はCuの水可溶性塩、又はその水溶液を添加し、
pH値を6.5〜8.0に調整し、Niを含有する板状
焼成物粒子とZn及び/又はCuの水酸化物又は酸化物
との混合懸濁液を得た後、加熱焼成を行うことを特徴と
する前記(1)記載の板状スピネル型フェライト粒子粉
末の製造法。 (6)第1工程で得られたNiを含有する板状焼成物粒
子粉末を原料粒子粉末として第1工程を2回以上繰り返
してNiを含有する板状焼成物粒子粉末を得ることを特
徴とする前記(5)記載の板状スピネル型フェライト粒
子粉末の製造法。
【0009】
【発明の実施の形態】次に、本発明について更に詳細に
説明する。第1工程に用いる出発原料の板状ヘマタイト
粒子粉末は、平均板面径が0.2〜20μm、好ましく
は0.25〜15μmであり、平均板状比(板面径:板
の厚み)が5:1〜50:1である。また、BET比表
面積が0.3〜30m2 /g、好ましくは0.5〜30
2 /gである。第1工程において用いるNiの水可溶
性塩としては、硫酸ニッケル、塩化ニッケル、硝酸ニッ
ケル等を用いることができる。その添加は水可溶性塩そ
のもの又はその水溶液として行うことができる。好まし
くは水溶液として添加する場合である。
【0010】Niの水可溶性塩の添加量は、板状ヘマタ
イト粒子粉末のFe2 3 に対して5〜200モル%、
好ましくは10〜190モル%である。5モル%未満の
場合には板状ヘマタイト粒子表面に対するNiの被覆量
が十分でなく、200モル%以上の場合には板状ヘマタ
イト粒子表面以外に単独でNiの水酸化物又は酸化物の
析出が生じるので好ましくない。なお、フェライト化に
必要な化学量論比である100モル%を越える量を添加
する場合であっても後述するようにアンモニア水によっ
てNiの水酸化物又は酸化物を析出させるため、その全
量によって板状ヘマタイト粒子表面が被覆されない場合
があり、NiとしてFe2 3 に対して5〜60モル%
を被覆するためには相当量過剰に添加する必要がある。
なお、あらかじめ添加量と被覆量の関係について調べて
おくことにより、所望の被覆量とするために必要な添加
量を添加することができる。
【0011】また、NiとしてFe2 3 に対して60
モル%を越える量を必要とするNi高含有量の領域であ
って、Ni以外の金属も構成元素とする場合には、全体
をフェライト化する第2工程の前に、第1行程で得られ
たNiを含有する板状焼成物粒子粉末を原料粒子粉末と
して第1行程を2回以上繰り返すことによってFe2
3 に対して60モル%以上のNiを含有する板状焼成物
粒子粉末を得ることができる。第1工程においてpH調
整に用いるアンモニア水は、市販のものを用いることが
できる。その濃度は、アンモニア(NH3 )として市販
の約28重量%のものをそのまま用いることができる
が、これを水で適宜希釈したものであってもよい。アル
カリとしてアンモニア以外のものを用いた場合には板状
ヘマタイト粒子表面にNiの水酸化物又は酸化物を被覆
することが困難となる。
【0012】第1工程において調整するpHは、9〜1
4、好ましくは9〜11である。pH9未満の場合には
Niは沈澱しないためNiを板状ヘマタイト粒子表面に
被覆することができない。
【0013】第1工程における熟成は、前記pH調整後
に懸濁液を攪拌しながら0〜30℃の温度範囲で1時間
以上保持するものである。0℃未満の場合には懸濁液が
凍結する恐れがあり、30℃を越える場合にはNiの水
酸化物又は酸化物が板状ヘマタイト粒子表面に被覆され
ず単独で析出するので好ましくない。第1工程における
加熱焼成の条件は、雰囲気が空気中又は窒素中であっ
て、その焼成温度が500〜700℃、好ましくは55
0〜650℃の範囲である。500℃未満の場合にはN
iの板状ヘマタイト粒子表面への固定化が不十分で、第
2工程で再び水に分散させた場合、Niが溶出する場合
があり好ましくない。700℃を越える場合には、板状
粒子の形状が崩れ易くなる。また、第2工程前に必要以
上に高温で焼成する意味がない。
【0014】第1工程によって得られたNiを含有する
板状焼成物粒子粉末は、平均板面径が0.2〜20μ
m、好ましくは0.25〜18μmであり、平均板状比
(板面径:板の厚み)が5:1〜45:1、好ましくは
7:1〜45:1である。また、BET比表面積が好ま
しくは0.3〜28m2 /g、より好ましくは0.4〜
25m2 /gである。第1工程によって得られるNi含
有の板状焼成物粒子粉末を構成する板状粒子の結晶相
は、X線回折測定の結果から、主成分としてヘマタイト
(α−Fe2 3 )であって、一部に酸化ニッケル(N
iO)又はNiフェライト(NiFe24 )が存在し
ているものであり、その構造は粒子表面が酸化ニッケル
(NiO)又はNiフェライト(NiFe2 4 )であ
って、粒子内部はヘマタイト(α−Fe2 3 )である
と考えられるものである。前記Niを含有する焼成物粒
子粉末のNiの含有量は、第1工程を1回行う場合には
Fe2 3 比で好ましくは5〜60モル%、より好まし
くは5〜55モル%である。第1工程を2回以上行う場
合には、Fe2 3 比で好ましくは5〜99.5モル
%、より好ましくは5〜99モル%である。
【0015】第2工程における出発原料粒子粉末は、前
記第1工程で得られたNiを含有する板状焼成物粒子粉
末である。第2工程において用いるNiの水可溶性塩と
しては前記第1工程において用いることができるものを
用いることができる。その添加は水可溶性塩そのもの又
はその水溶液として行うことができる。好ましくは水溶
液として添加する場合である。前記Niの水可溶性塩の
添加量aは、第1工程におけるNiを含有する板状焼成
物粒子粉末のNiのFe2 3 に対する含有量をxモル
%とした場合、添加量aは、Fe2 3 に対して0≦a
≦200−x(モル%)、好ましくは0≦a≦195−
x(モル%)の範囲内である。200−xモル%以上の
場合にはフェライト化についての量論比を外れるためス
ピネル型フェライト単相が得られないため好ましくな
い。なお、フェライト化の化学量論比である100モル
%を越える量を添加する場合であってもアンモニア水に
よってNiの水酸化物又は酸化物を析出させるため、添
加量の全量によって第1工程で得られたNiを含有する
板状焼成物粒子表面が被覆されない場合があり、含有す
るNiとの合計量としてFe2 3 に対して90〜11
0モル%とするためには相当量過剰に添加する必要があ
る。
【0016】第2工程において用いるMnの水可溶性塩
としては、硫酸マンガン、塩化マンガン、硝酸マンガン
等を用いることができる。その添加は水可溶性塩そのも
の又はその水溶液として行うことができる。好ましくは
水溶液として添加する場合である。前記Mnの水可溶性
塩の添加量bは、第1工程で得られるNiを含有する板
状焼成物粒子におけるNiのFe2 3 に対する被覆量
をxモル%とした場合、板状ヘマタイト粒子粉末のFe
2 3 に対して0≦b≦110−x(モル%)、好まし
くは0≦b≦105−x(モル%)の範囲内である。1
10−xモル%以上の場合にはフェライト化についての
化学量論比を大きく外れるためスピネル型フェライト単
相が得られないため好ましくない。なお、第2工程にお
けるNi、Mnの各元素の添加量a、bの関係は、第1
工程におけるNiの板状ヘマタイト粒子粉末のFe2
3 に対する被覆量をxモル%とした場合、 95−x≦a+b≦200−x(モル%) を満たすものである。好ましくは、 100−x≦a+b≦195−x(モル%) を満たすものである。
【0017】なお、Niの添加量aがフェライト化の化
学量論比である100モル%を越える量を添加する場合
であってもアンモニア水によってNiの水酸化物又は酸
化物を析出させるため、その全量によって第1工程で得
られたNiを含有する板状焼成物粒子表面が被覆されな
い場合があり、例えば、Niフェライトとする場合、含
有するNiとの合計量としてFe2 3 に対して90〜
110モル%とするためには相当量過剰に添加する必要
がある。
【0018】第2工程において用いるZnの水可溶性塩
としては、硫酸亜鉛、塩化亜鉛、硝酸亜鉛などを用いる
ことができる。その添加は水可溶性塩そのもの又はその
水溶液として行うことができる。好ましくは水溶液とし
て添加する場合である。
【0019】前記Znの水可溶性塩の添加量cは、第1
工程におけるNiの板状ヘマタイト粒子粉末のFe2
3 に対する被覆量をxモル%とした場合、板状ヘマタイ
ト粒子粉末のFe2 3 に対して0≦c≦110−x
(モル%)、好ましくは0≦c≦105−x(モル%)
の範囲内である。110−xモル%以上の場合にはフェ
ライト化についての量論比を外れるためスピネル型フェ
ライト単相が得られないため好ましくない。第2工程に
おいて用いるCuの水可溶性塩としては、硫酸銅、塩化
銅、硝酸銅等を用いることができる。その添加は水可溶
性塩そのもの又はその水溶液として行うことができる。
好ましくは水溶液として添加する場合である。
【0020】前記Cuの水可溶性塩の添加量dは、第1
工程におけるNiの板状ヘマタイト粒子粉末のFe2
3 に対する被覆量をxモル%とした場合、板状ヘマタイ
ト粒子粉末のFe2 3 に対して0≦d≦110−x
(モル%)、好ましくは0≦d≦105−x(モル%)
である。110−xモル%以上の場合にはフェライト化
についての量論比を外れるためスピネル型フェライト単
相が得られないため好ましくない。
【0021】また、第2工程におけるZn、Cuの各元
素の添加量c、dの関係は、第1工程におけるNiの板
状ヘマタイト粒子粉末のFe2 3 に対する被覆量をx
モル%とした場合、 90−x≦c+d≦110−x を満たすものである。好ましくは、 95−x≦c+d≦105−x を満たすものである。合計量としてフェライト化に必要
な100モル%のほぼ近い量とするためである。
【0022】第2工程においてpH調整に用いるアンモ
ニア水は、市販のものを用いることができる。その濃度
は、アンモニア(NH3 )として市販の約28重量%の
ものをそのままを用いてもよいが、これを水で適宜希釈
したものであってもよい。アルカリとしてアンモニア以
外のものを用いた場合には、Niについては板状焼成物
粒子表面に被覆されず、Mn、Zn、Cuについては沈
澱物が大きく成長する場合があり、反応性が悪く、板状
形状が崩れやすくなり、板状比が劣化することとなる。
【0023】第2工程におけるpH調整は、添加する各
金属元素によって最適のpH範囲で行う必要がある。例
えば、Ni、Mnの場合には、pH9〜14、好ましく
はpH9〜12のpH範囲である。pH9未満の場合に
は、Ni、Mnは沈澱しない。また、Zn、Cuの場合
には、pH6〜8、好ましくはpH6.3〜7.7のp
H範囲である。pH6未満、又はpH8を越える場合の
いずれもZn、Cuは沈澱しない。なお、同時にNi、
MnとZn、Cuとの組み合わせを沈澱させる場合には
最適のpHの範囲から外れる元素については添加量の全
量が被覆又は沈澱しない場合がある。
【0024】第2工程における熟成は懸濁液を攪拌しな
がら0〜30℃の温度範囲で1時間以上保持することに
よって行う。0℃より低温の場合には、凍結する場合が
あるので好ましくない。30℃を越える場合には、Ni
は板状焼成物粒子表面に被覆されず、単独で析出するこ
ととなる。また、Mn、Zn、Cuの場合には、析出物
が大きく成長してその後の焼成処理において板状粒子と
の反応性が悪くなるため好ましくない。第2工程におけ
る加熱焼成の雰囲気は空気又は窒素である。その焼成温
度は800〜1200℃である。800℃未満の場合に
は、未反応物が残存し、スピネル型フェライト単相が得
られない。1200℃を越える場合には、板状形状が崩
れるため好ましくない。
【0025】次に、本発明の製造法により得られる板状
スピネル型フェライト粒子粉末の諸特性について以下に
述べる。前記板状スピネル型フェライト粒子粉末は、平
均板面径が0.2〜20μm、好ましくは0.25〜1
5μm、平均板状比(板面径:板の厚み)は5:1〜4
0:1、好ましくは7:1〜35:1である。前記板状
スピネル型フェライト粒子粉末は、BET比表面積が
0.5〜25m2 /g、好ましくは0.5〜20m2
gである。
【0026】前記板状スピネル型フェライト粒子粉末
は、スピネル型構造単相の粒子からなる。その組成は、
NiA MnB ZnC CuD Fe2 4 である。ここで、
Aは、0.05〜1.10、好ましくは、0.05〜
1.05の範囲である。Bは、0〜1.05、好ましく
は0〜1.03の範囲である。Cは、0〜1.05、好
ましくは0〜1.03の範囲である。Dは、0〜1.0
5、好ましくは0〜1.03の範囲である。その総計
は、 0.90≦A+B+C+D≦1.10 を満たす範囲内にあり、好ましくは 0.95≦A+B+C+D≦1.05 を満たすものである。
【0027】さらに好ましくは、NiA MnB Fe2
4 の場合には、Aは、0.05〜1.10、好ましく
は、0.05〜1.05の範囲であり、Bは、0〜1.
05、好ましくは0〜1.03の範囲であって、上記総
計の範囲内にあるものである。また、NiA ZnC Cu
D Fe2 4 の場合には、Aは、0.05〜1.10、
好ましくは、0.05〜1.05の範囲であり、Cは、
0〜1.05、好ましくは0〜1.03の範囲であり、
Dは、0〜1.05、好ましくは0〜1.03の範囲で
あって、上記総計の範囲内にあるものである。
【0028】前記板状スピネル型フェライト粒子粉末
は、保磁力Hcが10〜500Oe、好ましくは20〜
500Oe、飽和磁化(σs)が20〜80emu/
g、好ましくは25〜80emu/g、角形比(σr/
σs)が0.05〜0.50、好ましくは0.10〜
0.50である。前記板状スピネル型フェライト粒子粉
末は、配向度が60〜100%、好ましくは65〜10
0%である。
【0029】
【作用】従来、板状スピネル型フェライト粒子粉末を製
造する方法として、例えば、板状酸化鉄粒子を出発原料
とする場合も試みられているが、この場合には、板状酸
化鉄粒子とは別個に沈澱させたものを加熱焼成によって
フェライト化させているため、反応が粒子相互の接触に
よる粒子表面近傍での固相反応によって生起するもので
あることから、板状酸化鉄粒子の形状は崩れやすく、出
発原料粒子の板状比を維持することは困難であった。
【0030】これに対して、本発明では、Niを含むス
ピネル型フェライト粒子粉末を得るため、アンモニア水
をpH調整剤として用いた場合には、板状ヘマタイト粒
子の粒子表面をNiの水酸化物又は酸化物によって被覆
することができ、これを加熱焼成してあらかじめ粒子表
面に酸化ニッケル(NiO)又はNiフェライト(Ni
Fe2 4 )を形成しておくことによって、その後、Z
n、Cu、Mn等の水酸化物等の沈澱物粒子粉末ととも
に焼成した場合にも反応性が良好であって、板状比を低
下させることなく出発原料粒子の板状形状及び板状比を
維持した板状スピネル型フェライト粒子が得られる。ま
た、Niフェライト(NiFe2 4 )とする場合に
は、Niを板状ヘマタイト粒子表面に被覆する第1工程
のみではフェライト化させるのに必要な量を被覆させる
ことができないため、第2工程においてフェライト化に
不足分のNiを水酸化物又は酸化物としてさらに被覆す
ることによって全体をNiフェライト化させることがで
きる。
【0031】本発明において、Niについては、その水
酸化物又は酸化物を板状ヘマタイト粒子表面に被覆させ
ることができ、その他の金属であるZn、Cu、Mnに
ついては板状ヘマタイト粒子とは別個に水酸化物又は酸
化物を生成する理由については不明な点があるが、アン
モニア水を用いていることから起因するゼータ電位の違
いにより静電的に板状ヘマタイト粒子表面あるいは板状
焼成物粒子表面にNiの水酸化物又は酸化物のみが被覆
されうるものと考えられる。本発明においてはNiの水
酸化物又は酸化物によって板状ヘマタイト粒子表面を被
覆させることができるため、表面近傍での固相反応によ
りスピネルフェライト化が進行するので、粒子間の接触
部分の固相反応によってフェライト化が進行する従来の
場合に比べて板状形状の変化を少なくすることができた
ものと考えている。本発明によって得られる板状スピネ
ル型フェライト粒子の板面は、スピネル型構造の〔11
1〕軸に垂直であり、この板状粒子が配向した成形体あ
るいは焼結体には、磁気的な異方性が期待できる。その
用途としては、例えば、配向方向に平行な方向と垂直な
方向で異なる透磁率を有するので、透磁率可変型のデバ
イスとして使用することができる。
【0032】
【実施例】次に、実施例に基づいて本発明を具体的に説
明するが、当該実施例は本発明の好適な例を示すもので
あり、本発明は当該実施例によって何ら限定されるもの
ではない。 (1)測定の方法 粒子の平均板面径は、走査型電子顕微鏡写真(3000
0倍)を縦方向及び横方向にそれぞれ4倍に拡大した写
真(12万倍)とし、粒度分布測定装置デジタイザー
(SHINKAWA ELECTRIC Co.製)で
粒子350個について測定し、その数平均で示した。粒
子の厚みは、厚み方向が見える粒子について約100個
の粒子の厚みを測定し、その数平均で示した。平均板状
比は板面径と粒子厚みとの比で表し、各粒子ごとに算出
した板状比の数平均で示した。
【0033】BET比表面積は、MONOSORB M
S−11(QUANTACHROME社製)によって測
定した。結晶相の同定は、X線回折によって行い、「X
線回折装置RAD−IIA」(理学電機(株)製)を使
用し、回折角2θが10〜90°で測定した。鉄、ニッ
ケル、亜鉛、銅、マンガンの各元素の含有量は、プラズ
マ発光分光分析装置SPS4000(セイコー電子工業
(株)製)で測定した値で示した。磁気特性は、「振動
試料型磁力計VSM−3S−15」(東英工業(株)
製)を使用し最大外部磁場10kOeで測定した。フェ
ライト粒子粉末の配向度(%)は、フェライト粉末0.
5g、ひまし油1cc、ラッカー4.5gを十分混合
し、アプリケーター(GAP 150μm)でコート紙
に塗布する。得られた塗布膜に対して散乱ベクトルを垂
直にとってX線回折プロファイルを測定する。得られた
プロファイルから、次式(特公昭56−35004号公
報に記載のものと同様)によって算出する。
【0034】
【数1】
【0035】ここで、Iは回折ピークの積分強度を示
し、添字A、Rはそれぞれ配向試料、無配向試料を示
す。ΣIA lll 及びΣIR lll は面指数(111)、
(222)、(333)の各面の回折ピーク強度の和を
示し、IA total 及びIR total は、回折角2θが10
〜90°における全ピーク強度の和を示すものである。
本発明によって得られる板状スピネルフェライト粒子の
板面はスピネル型構造の(111)面に平行である。従
って、配向度は(111)面に平行な面の反射強度の相
対的比率を評価するものであり、塗布膜中の板状粒子が
どれだけ板面を膜面に平行に向けているかの相対評価と
なるものである。
【0036】(2)第1工程によるNi含有の板状焼成
物粒子粉末の製造 第1工程として、板状ヘマタイト粒子粉末(板面径1.
0μm、比表面積12m2 /g)16.0gを水に分散
させた懸濁液に、硫酸ニッケル水溶液(硫酸ニッケル7
水塩56.26g溶解)を添加した後、アンモニア水に
よりpH9.5に調整して全量を500mlとし、20
℃の温度で1時間熟成して板状ヘマタイト粒子表面にN
iの水酸化物又は酸化物を被覆し、濾過、水洗、乾燥を
行って得られたNiの水酸化物又は酸化物を被覆した板
状ヘマタイト粒子粉末は、図1の透過型電子顕微鏡写真
(50000倍)に示す通り、板状ヘマタイト粒子表面
にNiの水酸化物又は酸化物が被覆層を形成していると
認められるものである。前記Niの水酸化物又は酸化物
を被覆した板状ヘマタイト粒子粉末を600℃の温度で
3時間、加熱焼成を行ってNiを含有する板状焼成物粒
子粉末を得た。
【0037】前記第1工程によって得られたNiを含有
する板状焼成物粒子粉末を構成する粒子は、図2の透過
型電子顕微鏡写真(50000倍)に示す通り、出発原
料粒子である板状ヘマタイト粒子の板状形状及び板状比
をほぼ維持するものである。この板状焼成物粒子粉末の
平均板面径は1.0μm、平均板状比は30:1であっ
た。また、Niの含有量はFe2 3 比で56モル%で
あり、図3のX線回折パターンに示す通り、その結晶相
はヘマタイト(α−Fe2 3 )(図3中、○で示すピ
ーク)が主成分であって、わずかに酸化ニッケル(Ni
O)(図3中、×で示すピーク)とニッケルフェライト
相(NiFe2 4 )(図3中、■で示すピーク)が存
在するものであった。
【0038】(3)第2工程による板状スピネル型フェ
ライト粒子粉末の製造 第2工程として、第1工程で得られたNiを含有する板
状焼成物粒子粉末10gを水に分散させた懸濁液に硫酸
亜鉛水溶液(硫酸亜鉛7水塩5.46g溶解)を添加し
た後、アンモニア水によりpH7.5に調整して全量を
500mlとし、20℃の温度範囲で1時間熟成してN
iを含有する板状焼成物粒子粉末と水酸化亜鉛の沈澱物
との混合懸濁液を得、濾過、水洗、乾燥後、850℃の
温度で3時間、加熱焼成を行って板状フェライト粒子粉
末を得た。
【0039】前記得られた板状フェライト粒子粉末は、
図4の走査型電子顕微鏡写真(13500倍)に示す通
り、板状粒子からなるものであった。また、その平均板
面径は1.0μm、平均板状比(板面径:板の厚み)は
12:1であった。BET比表面積は5.5m2 /gで
あった。その組成はNi含有量はFe2 3 比で56モ
ル%、Zn含有量はFe2 3比で44モル%であり、
図5のX線回折パターンに示す通り、その結晶相はスピ
ネル型フェライト単相(図5中、●で示すピークに対応
する。)の粒子からなるものであった。その磁気特性は
保磁力が147Oe、飽和磁化が65.1emu/gで
あった。また、その板状粒子の板面を揃えて配向させる
機械配向のし易さの評価である配向度は77%であっ
た。
【0040】(4)比較試験 1)第1工程によるNi含有の板状焼成物粒子粉末の製
造 実施例1〜13、比較例1〜5として、第1行程におい
て、Niの水可溶性塩の種類及び量、調整pH、加熱焼
成温度を種々変化させて焼成物粒子粉末を得た。その結
果を表1〜4に示す。なお、第1工程の製造条件を表1
及び2に、得られた焼成物粒子粉末の諸特性を表3及び
4に示した。
【0041】
【表1】
【0042】
【表2】
【0043】
【表3】
【0044】
【表4】
【0045】2)第2工程による板状スピネル型フェラ
イト粒子粉末の製造 実施例1〜13、比較例1〜5として、第2行程におい
て、出発原料粒子粉末の種類、添加する金属元素の種類
及び量、調整pH、加熱焼成温度を種々変化させて板状
スピネル型フェライト粒子粉末を得た。その結果を表5
〜8に示す。なお、第2工程の製造条件を表5及び6
に、得られた板状スピネル型フェライト粒子粉末の諸特
性を表7及び8に示した。
【0046】
【表5】
【0047】
【表6】
【0048】
【表7】
【0049】
【表8】
【0050】なお、比較例1で得られた混合物の結晶相
は、図7に示すX線回折パターンにおいて、●がスピネ
ル型フェライト相を示すピーク、○がヘマタイト相を示
すピーク、×がNiOを示すピークであり、これらの混
合相である。上記比較試験の結果から、本発明により原
料粒子の板状形状及び板状比を維持し、配向性が良好な
スピネル型フェライト粒子粉末が得られることが明らか
である。
【0051】
【発明の効果】本発明は、1)板状形状の良好な板状ヘ
マタイト粒子粉末を出発原料とし、フェライト化にあた
って原料粒子の板状形状及び板状比を維持し、配向性が
良好なスピネル型フェライト粒子粉末を製造することを
可能とする、2)電波吸収材料及び電磁シールド材とし
て好適な板状スピネル型フェライト粒子粉末を提供する
ことができる、等の格別の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の第1工程において、加熱焼成
前のNiの水酸化物又は酸化物を被覆した板状ヘマタイ
ト粒子粉末の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写真(5
0000倍)。
【図2】本発明の実施例の第1工程で得られたNi含有
の板状焼成物粒子の粒子構造を示す透過型電子顕微鏡写
真(50000倍)。
【図3】本発明の実施例の第1工程で得られたNi含有
の板状焼成物粒子の結晶相を示すX線回折パターン。
【図4】本発明の実施例で得られた板状Ni−Znフェ
ライト粒子の粒子構造を示す走査型電子顕微鏡写真(1
3500倍)。
【図5】本発明の実施例で得られた板状Ni−Znフェ
ライト粒子の結晶相を示すX線回折パターン。
【図6】比較例1で得られた混合物の粒子構造を示す走
査型電子顕微鏡写真(13500倍)。
【図7】比較例1で得られた混合物の結晶相を示すX線
回折パターン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 片元 勉 広島県広島市中区舟入南4丁目1番2号 戸田工業株式会社創造センター内 (72)発明者 芝崎 靖雄 愛知県名古屋市熱田区大宝2丁目1番地 白鳥パークハイツ大宝団地第9棟第601号 (72)発明者 小田 喜一 愛知県名古屋市千種区千代が丘5丁目 コ ミュニタスS−715号 Fターム(参考) 4G002 AA06 AA07 AB02 AB05 AD02 AE02 AE05 5E041 AB01 AB19 BC01 CA06 HB11 HB14 HB17 NN05 NN17 NN18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 配向性の良好な板状スピネル型フェライ
    ト粒子粉末を製造する方法であって、 板状ヘマタイト粒子粉末を水に分散させた懸濁液にNi
    の水可溶性塩又はその水溶液を添加した後に該懸濁液の
    pH値をpH9.0〜14.0の範囲に調整し、且つ、
    0〜30℃の温度範囲で熟成して、板状ヘマタイト粒子
    表面にNiの水酸化物又は酸化物を被覆させ、必要によ
    り、濾過、水洗、乾燥後、500〜700℃の温度範囲
    で加熱焼成を行ってNiを含有する板状焼成物粒子粉末
    を得る第1工程、及び第1工程で得られたNiを含有す
    る板状焼成物粒子粉末を水に分散させた懸濁液にNiの
    水可溶性塩又はその水溶液、及び/又はMn、Zn、C
    uから選択される1種以上の元素の水可溶性塩又はその
    水溶液を添加した後に該懸濁液のpH値を調整し、且
    つ、0〜30℃の温度範囲で熟成して、 1)Niを含有する板状焼成物粒子表面にNiの水酸化
    物又は酸化物を被覆させた粒子、 2)上記1)の被覆粒子と上記元素の水酸化物又は酸化
    物との混合懸濁液、又は 3)Niを含有する板状焼成物粒子と上記元素の水酸化
    物又は酸化物との混合懸濁液、を得た後、必要により、
    濾過、水洗、乾燥後、800〜1200℃の温度範囲で
    加熱焼成を行って板状スピネル型フェライト粒子粉末を
    得る第2工程、からなることを特徴とする板状スピネル
    型フェライト粒子粉末の製造法。
  2. 【請求項2】 第2工程において、懸濁液にNiの水可
    溶性塩又はその水溶液を添加し、pH値を9.0〜1
    4.0に調整し、Niを含有する板状焼成物粒子表面に
    Niの水酸化物又は酸化物を被覆させた粒子を得た後、
    加熱焼成を行うことを特徴とする請求項1記載の板状ス
    ピネル型フェライト粒子粉末の製造法。
  3. 【請求項3】 第2工程において、懸濁液にNiの水可
    溶性塩とMnの水可溶性塩との混合物、又はその水溶液
    を添加し、pH値を9.0〜14.0に調整し、Niを
    含有する板状焼成物粒子表面にNiの水酸化物又は酸化
    物を被覆させた粒子とMnの水酸化物又は酸化物との混
    合懸濁液を得た後、加熱焼成を行うことを特徴とする請
    求項1記載の板状スピネル型フェライト粒子粉末の製造
    法。
  4. 【請求項4】 第2工程において、懸濁液にMnの水可
    溶性塩又はその水溶液を添加し、pH値を9.0〜1
    4.0に調整し、Niを含有する板状焼成物粒子とMn
    の水酸化物又は酸化物との混合懸濁液を得た後、加熱焼
    成を行うことを特徴とする請求項1記載の板状スピネル
    型フェライト粒子粉末の製造法。
  5. 【請求項5】 第1工程で得られたNiを含有する板状
    焼成物粒子粉末を水に分散させた懸濁液に、Znの水可
    溶性塩及び/又はCuの水可溶性塩、又はその水溶液を
    添加し、pH値を6.5〜8.0に調整し、Niを含有
    する板状焼成物粒子とZn及び/又はCuの水酸化物又
    は酸化物との混合懸濁液を得た後、加熱焼成を行うこと
    を特徴とする請求項1記載の板状スピネル型フェライト
    粒子粉末の製造法。
  6. 【請求項6】 第1工程で得られたNiを含有する板状
    焼成物粒子粉末を原料粒子粉末として第1工程を2回以
    上繰り返してNiを含有する板状焼成物粒子粉末を得る
    ことを特徴とする請求項5記載の板状スピネル型フェラ
    イト粒子粉末の製造法。
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