JP2000108633A - 車両用スタビライザ取付構造 - Google Patents

車両用スタビライザ取付構造

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vehicle
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bracket
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Abstract

(57)【要約】 【課題】スタビライザを充分な強度で支持すると共に、
円滑なサイドフレームのつぶれ及び充分なクラッシュス
トロークが確保できる安全性に優れた車両用スタビライ
ザ取付構造を提供する。 【解決手段】スタビライザ取付ブラケット20が、スタ
ビライザ10のトーションバー部分11を回動自在に支
持するスタビライザ保持部24を支持する頂部21a
と、頂部21aの前端部から折曲して上方に延在すると
共に上端にサイドフレーム1に取り付けられる前部取付
部21dが形成された前部支持部21b及び、頂部21
aの後端部から折曲して上方に延在すると共に上端にサ
イドフレーム1に取り付けられる後部取付部21eが形
成された帯状部材を側面視略ハット状に折曲形成したア
ッパブラケット21を備える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用スタビライ
ザの取付構造に関し、特に車両のロール剛性を高めるた
めのスタビライザをサイドフレームに取付支持持する車
両用スタビライザ取付構造に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から車両には、ロール剛性を高める
ためにトーションバーを利用したスタビライザが装着さ
れている。
【0003】スタビライザは、例えば実公平4−991
04号公報に開示され、かつ要部平面図を示す図5に符
号101で示すように略コ字形状に形成されている。ス
タビライザ101は、左右のサイドフレーム102(一
方のみ図示)間に架設されたサスペンションクロスメン
バ103に揺動自在に支持されて車輪104と共に揺動
するサスペンションアーム105に端部101aが取り
付けられる一方、トーションバー部分101bがスタビ
ライザ取付ブラケット110を介して回動自在に取付支
持されており、コーナリング時等に左右の車輪104間
に生じる上下方向の差をトーションバー部分101bの
捩り剛性によって抑制するものである。
【0004】スタビライザ101をサイドフレーム10
2に回動自在に取付支持するスタビライザ取付ブラケッ
ト110は、図6に図5のI−I線断面を示すように、
スタビライザ101のトーション部分101bを回動自
在に支持するブッシュ111を、互いに嵌合自在に形成
されたアッパブラケット112とロアブラケット113
によって挟持して互いに重合するアッパブラケット11
2とロアブラケット113の両端近傍をボルト114に
よってサイドフレーム102に取り付けるように構成さ
れている。
【0005】また、図7に平面図を示し、図8に側面図
を示すと共に、図6と対応する部分に同一符号を付する
ように、他のスタビライザ取付ブラケット110は、ス
タビライザ101のトーション部分101bをブッシュ
111によって回動自在に支持し、図9に斜視図を示す
ように略断面Z字状に形成された取付ブラケット115
の頂部115aにアッパブラケット116によって上記
スタビライザ101を回動自在に支持するブッシュ11
1を取付け、かつ取付ブラケット115の基部115b
をボルト114によってサイドフレーム102に取り付
けるように構成されている。
【0006】更に、スタビライザ取付ブラケット110
に近傍には、スタビライ101や車輪及びサスペンショ
ンアーム等のサスペンション装置等が配置されて充分な
作業スペースが得難いことから、スタビライザ取付ブラ
ケット110の取付部となるサイドフレーム102の下
面102bを車体前方に移行するに従って上昇する傾斜
面状に形成して下からボルト114による取付作業を容
易にしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記実公平4−991
04号公報に開示されるスタビライザ取付ブラケットに
よると、スタビライザを回動自在に支持するブッシュ
を、互いに嵌合するアッパブラケットとロアブラケット
によって挟持して互いに重合するアッパブラケットとロ
アブラケットの両端近傍をボルトによってサイドフレー
ムに取り付けることからサイドフレームにスタビライザ
を強固に取り付けることができる。
【0008】しかし、例えばサイドフレームの前部に前
方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、サイドフレ
ームの前端部から次第に押しつぶされるものの、スタビ
ライザ取付ブラケットの取付部は、車体前後方向に延在
して互いに重合するアッパブラケットとロアブラケット
によって剛性が増大され、該部の変形が阻止されて円滑
なサイドフレームのつぶれが妨げられて充分なクラッシ
ュストロークが確保されないおそれがある。
【0009】また、図6乃至図8に示すスタビライザ取
付ブラケットにおいても、スタビライザ取付ブラケット
の取付ブラケットがサイドフレームの下面に車体前後方
向に延在して取り付けられて、該部が車体前後方向に沿
って剛性が増大され、サイドフレームの前方から所定値
以上の衝撃荷重が作用した際のサイドフレームの円滑な
つぶれ及びクラッシュストロークが充分に得られないこ
とが懸念される。更にスタビライザ取付ブラケットの取
付部において、サイドフレームの下面が傾斜することか
らサイドフレームの断面形状が急激に変化して円滑なサ
イドフレームのつぶれが阻害されるおそれがある。
【0010】従って、かかる点に鑑みなされた本発明の
目的は、スタビライザを充分な強度でサイドフレームに
支持すると共に、円滑なサイドフレームのつぶれ及び充
分なクラッシュストロークが確保できる安全性に優れた
車両用スタビライザ取付構造を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】請求項1に記載の車両用
スタビライザ取付部構造の発明は、車幅方向に延在する
トーションバー部の両端に先端部がサスペンション装置
に結合されるアーム部を延設したスタビライザを有し、
上記トーションバー部の両端近傍を各々スタビライザ取
付ブラケットによって左右のサイドフレームに回動自在
に支持する車両用スタビライザ取付構造において、上記
スタビライザ取付ブラケットは、上記スタビライザのト
ーションバー部の端部近傍を回動自在に支持するスタビ
ライザ保持部と、車体前後方向に離間して対向配置され
て上記スタビライザ保持部をサイドフレームに取付支持
する車体前後方向の荷重に対して脆弱な一対の支持部と
を備えたことを特徴とする。
【0012】請求項1の発明によると、スタビライザの
トーションバー部の端部近傍を回動自在に支持するスタ
ビライザ保持部を、車体前後方向に離間して対向配置さ
れた一対の支持部を介してサイドフレームに取付支持す
ることから、スタビライザがサイドフレームに安定した
状態で支持される一方、一対の支持部が車体前後方向の
荷重に対して脆弱であることから、スタビライザ取付ブ
ラケットによってサイドフレームの剛性が高められるこ
となく、或いは極めて剛性の増加が抑制される。その結
果、サイドフレームの前部に前方から所定値以上の衝撃
荷重が作用した際、スタビライザー取付ブラケットに影
響されることなくサイドフレームの前端部から円滑に押
しつぶされ、サイドフレームのクラッシュストロークが
確保されて十分に衝撃エネルギーが吸収されて安全性が
向上する。
【0013】請求項2に記載の車両用スタビライザ取付
部構造の発明は、車幅方向に延在するトーションバー部
の両端に先端部がサスペンション装置に結合されるアー
ム部を延設したスタビライザを有し、上記トーションバ
ー部の両端近傍を各々スタビライザ取付ブラケットによ
って左右のサイドフレームに回動自在に支持する車両用
スタビライザ取付構造において、上記スタビライザ取付
ブラケットは、上記スタビライザのトーションバー部の
端部近傍を回動自在に支持するスタビライザ保持部を支
持する頂部と、該頂部の前端部から折曲して上方に延在
すると共に上端に上記サイドフレームの下面に取り付け
られる前部取付部が形成された車体前後方向の荷重に対
して脆弱な前部支持部と、上記頂部の後端部から折曲し
て上記前部支持部と対向して上方に延在すると共に上端
に上記前部取付部から離間して上記サイドフレームの下
面に取り付けられる後部取付部が形成された車体前後方
向の荷重に対して脆弱な後部支持部とを有するアッパブ
ラケットを備えたことを特徴とする。
【0014】請求項2の発明によると、スタビライザの
トーションバー部の端部近傍を回動自在に支持するスタ
ビライザ保持部をアッパブラケットの頂部によって支持
し、アッパブラケットが頂部の前端部から折曲して上方
に延在して上端にサイドフレームの下面に取り付けられ
る前部取付部が形成された前部支持部と、頂部の後端部
から折曲して上方に延在して上端に前部取付部から離間
して上記サイドフレームの下面に取り付けられる後部取
付部が形成された後部支持部を有することから、アッパ
ブラケットによってスタビライザがサイドフレームに安
定的に支持される一方、前部支持部及び後部支持部が車
体前後方向の荷重に対して脆弱であることから、スタビ
ライザ取付ブラケットによってサイドフレームの車体前
後方向の荷重に対する剛性が高められることなく、或い
は極めて剛性の増加が抑制されてサイドフレームの前部
に前方から所定値以上の衝撃荷重が作用した際、スタビ
ライザー取付ブラケットに影響されることなく、サイド
フレームが前端部から円滑に押しつぶされ、サイドフレ
ームのクラッシュストロークが確保される。
【0015】請求項3に記載の発明は、請求項2の車両
用スタビライザ取付構造において、上記アッパブラケッ
トは、上記頂部と前部支持部、前部支持部と前部取付
部、頂部と後部支持部、後部支持部と後部取付部の各連
続部が折曲形成された車体前後方向に連続する帯状材か
らなる側面視略ハット状であることを特徴とする。
【0016】請求項3の発明によると、車体前後方向に
連続する帯状材を側面視略ハット状に折曲形成すること
によって容易に、請求項2に記載のアッパブラケットを
形成することができる。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項2または
3の車両用スタビライザ取付構造において、上記スタビ
ライザ保持部は、上記トーションバー部分の端部近傍に
回動自在に嵌合するブッシュと、上記アッパブラケット
の頂部に設けられて該頂部と協働して上記ブッシュを保
持するロアブラケットとを備えたことを特徴とする。
【0018】請求項4の発明によると、スタビライザ保
持部をアッパブラケットの頂部と、該頂部に設けられる
ロアブラケットによってトーションバー部分の端部近傍
に嵌合するブッシュを保持するように構成することか
ら、スタビライザ保持部が前部支持部及び後部支持部の
剛性に影響を与えることがなく、アッパブラケットの前
部支持部及び後部支持部の剛性の増大が回避され、サイ
ドフレームの前部に前方から所定値以上の衝撃荷重が作
用した際に、サイドフレームが円滑に押しつぶされてク
ラッシュストロークが確保される。
【0019】請求項5に記載の発明は、請求項4の車両
用スタビライザ取付構造において、上記ロアブラケット
は、上記ブッシュを保持する保持部と、該保持部の前後
端に各々連続形成されて上記頂部の前部分及び後部分に
結合される一対の取付部を備えたことを特徴とする。
【0020】請求項5の発明によると、ロアブラケット
を、ブッシュを保持する保持部の前後端各々に、アッパ
ブラケットの頂部前部分及び後部分に結合される一対の
取付部を形成することから、スタビライザが頂部に確実
に保持される。
【0021】請求項6に記載の発明は、請求項2〜5の
車両用スタビライザ取付構造において、上記アッパブラ
ケットの前部取付部が上記トーションバー部分より車体
前方で上記サイドフレームの下面にボルト結合され、後
部取付部がトーションバー部分より車体後方でサイドフ
レームの下面にボルト結合されると共に、平面視状態に
おいて上記アーム部が上記後部取付部との重複を回避し
て湾曲形成されたことを特徴とする。
【0022】請求項6の発明によると、アッパブラケッ
トの前部取付部及び後部取付部をトーションバー部分よ
り車体前方及び後方においてサイドフレームの下面にボ
ルト結合し、かつ平面視状態においてアーム部をアッパ
ブラケットの後部取付部と重複しないように湾曲形成す
ることから、スタビライザに影響されることなく下方か
らスタビライザ取付ブラケットをサイドフレームに取り
付けることが可能になり、スタビライザの取付作業が容
易に実行できると共に、スタビライザの下方からの取付
が容易になることからサイドフレームの下面を平坦に形
成することが可能になり、その結果サイドフレームの断
面形状の変化が抑制されて円滑なサイドフレームのつぶ
れが確保される。
【0023】請求項7に記載の発明は、請求項6の車両
用スタビライザ取付構造において、上記スタビライザの
アーム部は、平面視において上記トーションバー部分の
端部から車体幅内方に折り返されてサイドフレームの下
方を通過してサイドフレームより車体内側に達する前部
アーム部分と、最大転舵時に最接近するタイヤの車体前
後方向位置に対応して上記前部アーム部分に連続形成さ
れてアーム部を車体外方に向けて湾曲せしめる車輪逃げ
部分と、該車輪逃げ部分に連続形成されてサイドフレー
ムの下方を通過して車体外側に達すると共に先端部がサ
スペンション装置に結合された後部アーム部分とを備
え、上記アッパブラケットの後部取付部は、最大転舵時
に最接近するタイヤの車体前後方向位置に対応してサイ
ドフレームの下面にボルト結合されたことを特徴とす
る。
【0024】請求項7の発明によると、スタビライザの
アーム部に最大転舵時に最接近するタイヤの位置に対応
して車輪逃げ部を湾曲形成して、該部においてサイドフ
レームに後部取付部をボルト結合することから、アーム
部の長さを充分確保すると共に、サイドフレームから離
れるように車輪を転舵することによって車輪による作業
スペースの制限が解除されてスタビライザ取付等の作業
性が向上する。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、本発明の車両用スタビライ
ザ取付構造の実施の形態について図1乃至図4によって
説明する。
【0026】図1は車体前部の要部を示す平面図、図2
は図1のA部拡大図、図3は図2の矢視B方向からの側
面図であり、矢印Fは車体前方を示している。
【0027】スタビライザ10は図1に示すようにトー
ションバー部分11と、このトーションバー部分11の
両端から各々車体後方に向けて折曲形成されたアーム部
12とによって平面視略コ字形状に形成され、アーム部
12の先端部12aが左右のサイドフレーム1間に架設
されたサスペンションクロスメンバ2に揺動自在に支持
されて車輪3と共に揺動するサスペンションアーム4に
取り付けられると共に一体に動作するストラット下端部
4aに取り付けられる一方、トーションバー部分11の
両端近傍がスタビライザ取付ブラケット20を介して回
動自在にサイドフレーム1の下面に取付支持されてい
る。
【0028】スタビライザ10のアーム部12は、図2
に示すように平面視において、スタビライザ取付ブラケ
ット20のよってサイドフレーム1に回動自在に取り付
けられるトーションバー部分11の端部から車体幅内方
に折り返されてサイドフレーム1の下方を通過してサイ
ドフレーム1より車体内側に達する前部アーム部分12
bと、実線で示す最大転舵時においてサイドフレーム1
に最接近する車輪3のタイヤ3aの位置に対応して前部
アーム部分12bに連続形成されてアーム部12を車体
外方に向けて湾曲せしめる車輪逃げ部分12cと、車輪
逃げ部分12cに連続形成されて再びサイドフレーム1
の下方を通過してサイドフレーム1の車体外側に達する
後部アーム部分12dによって略S字状に湾曲形成さ
れ、後部アーム部分12dの先端に上記先端部12aが
形成されて上記サスペンションアーム4に取り付けられ
ている。
【0029】トーションバー部分11の端部近傍を回転
自在に支持するスタビライザ取付ブラケット20は、図
2及び図3に示すようにアッパブラケット21と、ロア
ブラケット22と、スタビライザ10のトーションバー
部分11を回動自在に支持する弾性体のブッシュ23と
を有している。
【0030】アッパブラケット21は、帯状の部材によ
って車体前後方向に沿って形成されて図3に側面図を示
し、図4に斜視図を示すように、車体前後方向に延在す
る頂部21aと、頂部21aの前端部から折曲して上方
に延在する前部支持部21bと、頂部21aの後端部か
ら折曲して前部支持部21bに対して上方に移行するに
従って離間するように対向して延在する後部支持部21
cと、前部支持部21b及び後部支持部21cの各々の
上端から各々車体前方及び後方に折曲形成された前部取
付部21d及び後部取付部21eによって側面視略ハッ
ト状に形成されている。
【0031】このアッパブラケット21は、車体前後方
向に延在する帯状の部材を折曲成形することによって容
易かつ安価に製造でき、前部支持部21b及び後部支持
部21cは車体前後方向の荷重に対する剛性は比較的低
く、前部支持部21b及び後部支持部21cは脆弱に形
成される。
【0032】ロアブラケット22は、板状に部材によっ
て形成され、側面視略U字状の保持部22aと、この保
持部22aの両端に上記アッパブラケット21の頂部2
1aの下面の前部分及び後部分に重合可能な取付部22
b、22cが形成されている。
【0033】そして、ロアブラケット22の保持部22
aにトーションバー部分11を回動自在に支持したブッ
シュ23に嵌合すると共に、ロアブラケット22の取付
部22b及び22cをアッパブラケット21に形成され
た頂部21aの下面の前部分及び後部分に溶接結合する
ことによってブッシュ23を頂部21aと保持部22a
によって挟持することによってスタビライザ10を回転
自在に支持するスタビライザ保持部24が構成される。
【0034】ロアブラケット22の取付部22b及び2
2cがアッパブラケット21の頂部21aの前部分及び
後部分に結合されることから、ロアブラケット22の取
付によってアッパブラケット21の前部支持部21b及
び後部支持部21cの車体前後方向の荷重に対する剛性
が向上することはない。
【0035】一方、サイドフレーム1の下面は車体前後
方向に亘って比較的平坦であって、サイドフレーム1の
下面には、スタビライザ10より前方部位に上記アッパ
ブラケット21の前部取付部21dをボルト結合するた
めの前側取付部1dが形成され、かつ平面視状態におい
てアーム部12に形成された車輪逃げ部分12cに対応
する車体前後方向位置、換言すると前部アーム部分12
bと後部アーム部分12dとの間にアーム部12と重複
を回避するように後部取付部21eをボルト結合するた
めの後側取付部1eが形成されている。
【0036】スタビライザ10を回転自在に保持したス
タビライザ取付ブラケット20は、サイドフレーム1の
下方からアッパブラケット21に折曲形成された前部取
付部21d及び後部取付部21eをサイドフレーム1の
下面に形成された前側取付部1d及び後側取付部1eに
重合し、前部取付部21d及び後部取付部21eを各々
ボルト31によって前側取付部1d及び後側取付部1e
に結合することによって左右のサイドフレーム1の下面
に取り付けられる。
【0037】このスタビライザ取付ブラケット20の取
付作業、特に車輪3等によって作業スペースが制限され
るアッパブラケット21の後部取付部21eをサイドフ
レーム1の後側取付部1eにボルト31によって締結す
るにあたって、車輪3をサイドフレーム1から離間する
方向に転舵することによって作業スペースが確保され、
かつスタビライザ10のアーム部12に湾曲形成された
車輪逃げ部12bによって平面視状態におけるアーム部
12とサイドフレーム1に形成された後側取付部1eの
重複が回避されることから、ボルト締結装置、例えば締
付ソケット35等による取付作業が容易に実行できて取
付作業の効率化が得られると共に、サイドフレーム1の
下面を平坦にすることが可能になり、車体前後方向に連
続するサイドフレーム1の断面形状の変化を抑制するこ
とができる。
【0038】このように構成された車両用スタビライザ
取付構造によると、スタビライザ10の回動方向に沿う
ように、スタビライザ取付ブラケット20をサイドフレ
ーム1に取り付けるアッパブラケット21の前部取付部
21dと後部取付部21eが車体前後方向に離間してサ
イドフレーム1の下面にボルト結合されて取り付けられ
ることから、スタビライザ10をスタビライザ取付ブラ
ケット20によってサイドフレーム1に充分な強度をも
って回動自在に支持できる。
【0039】一方、ブッシュ23を介してスタビライザ
10のトーションバー部11を保持するアッパブラケッ
ト21の頂部21aとロアブラケット22及びブッシュ
23によって形成されるスタビライザ保持部24が、車
体幅方向に延在する板材によって比較的長く形成された
前部支持部21b及び後部支持部21cを介在し、かつ
前部支持部21b及び後部支持部21cの上端に車体前
後方向に離間して形成された前部取付部21d及び後部
取付部21eによってサイドフレーム1に取り付けられ
ることから、前後方向の荷重に対する前部支持部21b
及び後部支持部21eの剛性が低く、前部支持部21b
及び後部支持部21eによって脆弱部が形成される。
【0040】従って、スタビライザ取付ブラケット20
の前部支持部21b及び後部支持部21cが前方から作
用する荷重に対して容易に変形する脆弱に形成されてス
タビライザ取付ブラケット20の取付に起因するサイド
フレーム1の該部における剛性の増大が回避或いは極め
て抑制される。
【0041】よって、サイドフレーム1の前部に前方か
ら所定値以上の衝撃荷重が作用した際、スタビライザ取
付ブラケット20の取付により影響されることなくサイ
ドフレーム1が車体前端から円滑に押しつぶされて充分
なクラッシュストロークが確保されると共に、車体前後
方向に連続するサイドフレーム1の断面形状の急激な変
化が抑制されること相俟って円滑なサイドフレーム1の
つぶれが確保されて車両の安全性が大幅に向上する。
【0042】
【発明の効果】以上説明した本発明のスタビライザのト
ーションバー部の端部近傍を回動自在にスタビライザ取
付ブラケットによってスタビライザをサイドフレームに
安定した状態で取付支持すると共に、スタビライザ取付
ブラケットによってサイドフレームが車体前後方向の荷
重に対する剛性が高められることなく、或いは極めて剛
性の増加が抑制されてサイドフレームの前部に前方から
所定値以上の衝撃荷重が作用した際、スタビライザー取
付ブラケットに影響されることなくサイドフレームが前
端部から円滑に押しつぶされてクラッシュストロークが
確保され、車両の安全性の向上に貢献すること大なるも
のである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による車両用スタビライザ取付構造の実
施の形態を説明する車体前部の概要を示す平面図であ
る。
【図2】図1のA部拡大図である
【図3】図2の矢視B方向からの側面図である。
【図4】スタビライザ取付ブラケットに使用されるアッ
パブラケットの概要を示す斜視図である。
【図5】従来の車両用スタビライザ取付構造の概要を示
す平面図である。
【図6】図5のI−I線断面図である。
【図7】従来の車両用スタビライザ取付構造の概要を示
す平面図である。
【図8】図7の側面図である。
【図9】スタビライザ取付ブラケットに使用されるアッ
パブラケットの概要を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 サイドフレーム 3 車輪 3a タイヤ 4 サスペンションアーム 10 スタビライザ 11 トーションバー部分 12 アーム部 12a 端部 12b 前部アーム部分 12c 車輪逃げ部分 12d 後部アーム部分 20 スタビライザ取付ブラケット 21 アッパブラケット 21a 頂部 21b 前部支持部 21c 後部支持部 21d 前部取付部 21e 後部取付部 22 ロアブラケット 22a 保持部 22b 取付部 22c 取付部 23 ブッシュ 24 スタビライザ保持部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 松本 伸 東京都新宿区西新宿1丁目7番2号 富士 重工業株式会社内 Fターム(参考) 3D001 AA03 DA06 DA11

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車幅方向に延在するトーションバー部の
    両端に先端部がサスペンション装置に結合されるアーム
    部を延設したスタビライザを有し、上記トーションバー
    部の両端近傍を各々スタビライザ取付ブラケットによっ
    て左右のサイドフレームに回動自在に支持する車両用ス
    タビライザ取付構造において、 上記スタビライザ取付ブラケットは、 上記スタビライザのトーションバー部の端部近傍を回動
    自在に支持するスタビライザ保持部と、 車体前後方向に離間して対向配置され、上記スタビライ
    ザ保持部をサイドフレームに取付支持する車体前後方向
    の荷重に対して脆弱な一対の支持部とを備えたことを特
    徴とする車両用スタビライザ取付構造。
  2. 【請求項2】 車幅方向に延在するトーションバー部の
    両端に先端部がサスペンション装置に結合されるアーム
    部を延設したスタビライザを有し、上記トーションバー
    部の両端近傍を各々スタビライザ取付ブラケットによっ
    て左右のサイドフレームに回動自在に支持する車両用ス
    タビライザ取付構造において、 上記スタビライザ取付ブラケットは、 上記スタビライザのトーションバー部の端部近傍を回動
    自在に支持するスタビライザ保持部を支持する頂部と、 該頂部の前端部から折曲して上方に延在すると共に、上
    端に上記サイドフレームの下面に取り付けられる前部取
    付部が形成された車体前後方向の荷重に対して脆弱な前
    部支持部と、 上記頂部の後端部から折曲して上記前部支持部と対向し
    て上方に延在すると共に上端に上記前部取付部から離間
    して上記サイドフレームの下面に取り付けられる後部取
    付部が形成された車体前後方向の荷重に対して脆弱な後
    部支持部とを有するアッパブラケットとを備えたことを
    特徴とする車両用スタビライザ取付構造。
  3. 【請求項3】 上記アッパブラケットは、上記頂部と前
    部支持部、前部支持部と前部取付部、頂部と後部支持
    部、後部支持部と後部取付部の各連続部が折曲形成され
    た車体前後方向に連続する帯状材からなる側面視略ハッ
    ト状であることを特徴とする請求項2に記載の車両用ス
    タビライザ取付構造。
  4. 【請求項4】 上記スタビライザ保持部は、 上記トーションバー部分の端部近傍に回動自在に嵌合す
    るブッシュと、 上記アッパブラケットの頂部に設けられて該頂部と協働
    して上記ブッシュを保持するロアブラケットとを備えた
    ことを特徴とする請求項2または3に記載の車両用スタ
    ビライザ取付構造。
  5. 【請求項5】 上記ロアブラケットは、 上記ブッシュを保持する保持部と、 該保持部の前後端に各々連続形成されて上記頂部の前部
    分及び後部分に結合される一対の取付部とを備えたこと
    を特徴とする請求項4に記載の車両用スタビライザ取付
    構造。
  6. 【請求項6】 上記アッパブラケットの前部取付部が上
    記トーションバー部分より車体前方で上記サイドフレー
    ムの下面にボルト結合され、後部取付部がトーションバ
    ー部分より車体後方でサイドフレームの下面にボルト結
    合されると共に、平面視状態において上記アーム部が後
    部取付部との重複を回避して湾曲形成されたことを特徴
    とする請求項2〜5に記載の車両用スタビライザ取付構
    造。
  7. 【請求項7】 上記スタビライザのアーム部は、 平面視において上記トーションバー部分の端部から車体
    幅内方に折り返されてサイドフレームの下方を通過して
    サイドフレームより車体内側に達する前部アーム部分
    と、 最大転舵時に最接近するタイヤの車体前後方向位置に対
    応して上記前部アーム部分に連続形成されてアーム部を
    車体外方に向けて湾曲せしめる車輪逃げ部分と、 該車輪逃げ部分に連続形成されてサイドフレームの下方
    を通過して車体外側に達すると共に先端部がサスペンシ
    ョン装置に結合された後部アーム部分とを備え、 上記アッパブラケットの後部取付部は、 最大転舵時に最接近するタイヤの車体前後方向位置に対
    応してサイドフレームの下面にボルト結合されたことを
    特徴とする請求項6に記載の車両用スタビライザ取付構
    造。
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