JP2000108502A - インクジェット記録媒体 - Google Patents

インクジェット記録媒体

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JP2000108502A
JP2000108502A JP10284030A JP28403098A JP2000108502A JP 2000108502 A JP2000108502 A JP 2000108502A JP 10284030 A JP10284030 A JP 10284030A JP 28403098 A JP28403098 A JP 28403098A JP 2000108502 A JP2000108502 A JP 2000108502A
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ink
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JP10284030A
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Takaaki Kouro
孝明 紅露
Masaki Nishimura
匡樹 西村
Hiromasa Kondo
博雅 近藤
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Oji Paper Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】高精細画像の再現性、事務用紙適性に優れたイ
ンクジェット記録媒体を提供する。 【解決手段】紙支持体上にキセロゲル系多孔質顔料を含
有する記録層を設けてなるインクジェット記録媒体にお
いて、該キセロゲル系多孔質顔料がBET比表面積45
0〜900m2/gの無定形シリカとBET比表面積2
00〜450m2/gの無定形シリカを含有し、JIS
−P−8118に基づいて測定したインクジェット記録
媒体の密度が0.70g/cm3以上0.90g/cm3
以下であることを特徴とするインクジェット記録媒体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、記録媒体上に水性
インクを用いて記録するインクジェット記録方式に関
し、インク吸収性及び、高精細な画像再現性に優れ、か
つ事務用紙適性、特に鉛筆などによる筆記性、消しゴム
による消去性も充分備えたインクジェット記録媒体を提
供する。
【0002】
【従来の技術】水性インクを用いるインクジェット記録
方式は、記録時の騒音が少なく、カラー化が容易である
こと、高速記録が可能であること等の理由から、端末用
プリンタ、ファクシミリ、プロッタ、あるいは帳票印刷
などへの応用が進められている。一般の印刷に使用され
る上質紙やコーテッド紙はインクの吸収性が劣るため、
印字されたインクが紙表面で乾燥せずに長時間残り、装
置や連続して印字されたシートを汚染したり画像が汚れ
たりするため実用性に乏しい。こうした問題を解決する
ために、サイズ度の低い記録紙を用いる(特開昭52−
53012号公報)ことや、尿素−ホルマリン樹脂を内
添した原紙に水溶性高分子を含浸させる(特開昭53−
49113号公報)といった提案がされている。更に、
インクの発色性や再現性を高める目的で表面に無定形シ
リカを始めとする種々の多孔質無機顔料類を塗布した記
録用紙(特開昭55−51583号公報、特開昭56−
148585号公報)が開示されている。また、にじみ
を抑えた高精細の画像を得る目的でこれらの多孔質顔料
の物性を規定(特開昭58−110287号公報、特開
昭59−185690号公報、特開昭61−14158
4号公報)する等の改良が提案されている。しかしなが
ら、上記の提案にある記録媒体は、画像の鮮明さや再現
性およびインク吸収性は得られるものの、充分な表面強
度との両立ができず、また、鉛筆による筆記性や消しゴ
ムによる消去性に劣るため、事務用紙としての適性を欠
き、不満足なものであった。
【0003】鉛筆による筆記性等の事務用紙としての適
性を改良するためには、たとえば特開昭57−1017
878号公報に開示されているように、筆記性改良剤の
使用が提案されているが、これらの筆記性改良剤は印字
に使用されている水溶性インクの吸収に寄与しないた
め、これをインク受容層中に混合使用すると印字ドット
の形状が不規則になり、結果として画像の再現性が低下
する等の問題を有している。また特開平4−16379
号公報では、細孔半径の異なる二種以上の多孔質顔料を
適宜併用することにより画像の再現性と鉛筆筆記性の両
立が提案されており、一応の成果を得ている。しかし、
近年のインクジェットプリンタ技術の発展はめざまし
く、最近では、ほとんど銀塩写真の画質に匹敵するもの
も開発されており、これに伴って、記録媒体に対する要
求も一層厳しいものになっている。特に、フォトインク
と呼ばれる染料濃度の低いインクを使用するプリンタに
おいては、以前のプリンタと比較してインクの打ち込み
量が増える傾向にある。これに対応するためには、記録
媒体のインク吸収容量をさらに増やすことが必要であ
る。
【0004】記録媒体のインク吸収容量を増やす手段と
しては、以下の方法がある。 (1)インク受容層の塗工量を増やす。 (2)インク受容層の接着剤量を減らす。 (3)インク受容層の顔料として、細孔容積の大きい材
料を選ぶ。 (4)インク受容層の顔料の粒子径分布幅を狭くする。 (5)基材のサイズを下げ、インクを浸透しやすくす
る。 上記(1)の欠点として、表面強度の低下と、これに伴
う鉛筆筆記性の低下、記録濃度の低下が挙げられる。上
記(2)、(3)の欠点として、表面強度の低下と、こ
れに伴う鉛筆筆記性の低下が挙げられる。上記(4)の
欠点として、記録濃度が高く、かつ鉛筆筆記性に優れ
た、すべてを満足するシリカを見つけることが困難であ
ることが挙げられる。上記(5)の欠点として、インク
受容層の塗工時に受容層塗料中の接着剤が基材に浸透し
やすくなり、結果として表面強度の低下を起こしやすく
なる。上記のごとく、高精細な画像を得ることができ、
さらに、鉛筆筆記性や消しゴムによる消去適性といった
事務用紙適性を、高い品質レベルで両立させる記録媒体
は、まだ得られていない。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の問題を
解決し、高精細の画像を良好な再現性で記録できるのみ
ならず、事務用紙としての適性に優れ、充分な表面強度
を持ち、鉛筆による筆記性や消しゴムによる消去性を備
えたインクジェット記録媒体を提供する。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は下記の態様を含
む。 [1] 紙支持体上にキセロゲル系多孔質顔料を含有す
る記録層を設けてなるインクジェット記録媒体におい
て、該キセロゲル系多孔質顔料がBET比表面積450
〜900m2/gの無定形シリカとBET比表面積20
0〜450m2/gの無定形シリカを含有し、JIS−
P−8118に基づいて測定したインクジェット記録媒
体の密度が、0.70g/cm3以上0.90g/cm3
以下であることを特徴とするインクジェット記録媒体。 [2] JIS−P−8118に基づいて測定したイン
クジェット記録媒体の密度が、0.70g/cm3
上、0.85g/cm3以下であることを特徴とする
[1]記載のインクジェット記録媒体。 [3] 紙支持体と記録層間に第2の記録層を有し、第
2の記録層が顔料を含み、全顔料の75〜25重量%を
吸油量100ml/100g以下平均粒子径1〜15μ
mの非キセロゲル系顔料とし、25〜75重量%を吸油
量100ml/100g以上平均粒子径1〜15μmの
キセロゲル系多孔質顔料とした[1]または[2]記載
のインクジェット記録媒体。 [4] 紙支持体上にキセロゲル系多孔質顔料を含有す
る記録層を設け、少なくとも1組のロール間を通紙して
なるインクジェット記録媒体において、該キセロゲル系
多孔質顔料がBET比表面積450m2/g以上900
2/g以下および200m2/g以上450m2/g未
満である少なくとも2種の無定形シリカであり、JIS
−P−8118に基づいて測定した密度が、0.70g
/cm3以上0.90g/cm3以下であることを特徴と
するインクジェット記録媒体。なお、BET式比表面積
は測定用気体として窒素を使用して測定した。
【0007】
【発明の実施の形態】本発明の支持体に用いる紙用のパ
ルプとしては、針葉樹晒クラフトパルプ(以下、NBK
P)等や広葉樹晒クラフトパルプ(以下、LBKP)等
の化学パルプ、GP、BCTMP、MP等の機械パル
プ、ケナフ等の非木材原料から得られるパルプ、DIP
等のパルプに代表される抄紙用パルプが挙げられる。こ
れを主体とし、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレ
ン・プロピレン共重合体、ポリスチレン、エチレン・酢
酸ビニル共重合体等のポリオレフィン系繊維、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のハロゲン含有重合体、
6−ナイロン、66−ナイロン等のポリアミド系繊維、
ポリエチレンサクシネート、ポリカプロラクトン、ポリ
乳酸、ポリヒドロキシブチレート・ヴァリレート共重合
体等の脂肪族ポリエステル繊維、ビニロン繊維等を混合
してもよい。また、必要に応じてタルク、カオリン、焼
成カオリン、炭酸カルシウム、ホワイトカーボン、無定
型シリカ、珪藻土、酸化チタン、活性白土、硫酸バリウ
ム等の無機顔料、尿素ホルマリン樹脂、ナイロンパウダ
ー、ポリエチレンパウダー等有機顔料を填料として添加
し、酸性あるいは中性抄紙で通常の方法により調製でき
る。中でも焼成カオリン、ホワイトカーボン、無定型シ
リカ、尿素ホルマリン樹脂等の多孔質顔料は、それ自身
インク吸収性を持つため、好ましく使用される。
【0008】さらに、ロジン系サイズ剤、アルケニルコ
ハク酸無水物、アルキルケテンダイマー等に代表される
サイズ剤、酸化澱粉、酵素変性澱粉、カチオン変性澱
粉、エステル化澱粉、エーテル化澱粉等の澱粉類、メチ
ルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、メトキシセルロース、ヒドロキシセルロー
ス、完全鹸化または部分鹸化ポリビニルアルコール、カ
ルボキシ変性ポリビニルアルコール、珪素変成ポリビニ
ルアルコール等のポリビニルアルコール類、ポリアクリ
ルアミド、ポリビニルピロリドン、アクリル酸アミド・
アクリル酸エステル共重合体、アクリル酸アミド・アク
リル酸エステル・メタクリル酸共重合体、スチレン・無
水マレイン酸共重合体のアルカリ塩、イソブチレン・無
水マレイン酸共重合体アルカリ塩、カゼイン等の水溶性
高分子、ポリ酢酸ビニル、ポリウレタン、ポリアクリル
酸、ポリアクリル酸エステル、ポリブチルメタクリレー
ト、スチレン・ブタジエン共重合体、塩化ビニル・酢酸
ビニル共重合体、スチレン・ブタジエン・アクリル系共
重合体等のラテックスに代表される接着剤を内添あるい
は塗布した原紙を適宜用いることができる。
【0009】本発明において、インク受容層に含まれる
キセロゲル系多孔質顔料は、たとえば、 (1)水酸化アルミニウム、アルミナ、シリカ、酸化マ
グネシウム等のヒドロゲル形成物質を原料とし、このよ
うなヒドロゲルを乾燥してキセロゲルにした後、粉砕、
分級して用いる方法。 (2)ヒドロゲルの状態で適当な二次、三次凝集体の大
きさに造粒し、乾燥した後、さらに加熱処理することに
より焼結、結晶化等を進行させ、酸化物の一次粒子間の
結合を強化して用いる方法。 (3)コロイダルシリカ、コロイダルアルミナ等の微粒
子懸濁液中で尿素−ホルマリン樹脂、メラミン−ホルマ
リン樹脂等を生成させる段階で、その生成条件を調節す
ることにより、目的とする二次粒子径に造粒された微小
粒子とした後、乾燥して用いたり、さらには必要に応じ
て焼結された粒子として使用する方法。等、公知の種々
の方法を利用して製造することができ、市販されてい
る。中でもシリカ系顔料は、比較的屈折率が小さいこ
と、多孔性構造のコントロールが容易なこと等の特性に
より、インク受容性に優れ、高い記録濃度が得られるた
め、インクジェット記録媒体に好ましく使用される。
【0010】本発明において、インク受容層の表層に
は、少なくとも2つの異なる比表面積をもつキセロゲル
系多孔質顔料が含まれる。該キセロゲル系多孔質顔料の
BET比表面積は、1種目が450〜900m2/g、
2種目が200〜450m2/gの無定形シリカから選
択する必要がある。比表面積が450〜900m2/g
の無定形シリカは、鉛筆筆記性および消しゴム消去性の
付与に効果があり、比表面積が200〜450m2/g
の無定形シリカは、記録濃度とインク吸収容量の付与に
効果的である。
【0011】比表面積が450〜900m2/gの無定
形シリカと200〜450m2/gの無定形シリカを組
み合わせる比率は特に限定されるものではなく、要求す
る品質に応じて適宜組み合わせることができるが、イン
ク受容層中の無定形シリカの内、比表面積が450〜9
00m2/gのものを5〜40重量%、200〜450
2/gのものを95〜60重量%とすることが好まし
い。
【0012】比表面積が450〜900m2/gの無定
形シリカに関し、比表面積が450m2/gより小さい
場合は鉛筆筆記性付与の効果が小さくなりすぎ、逆に9
00m2/gより大きい場合はインクの吸収容量が小さ
くなりすぎ、インクの吸収に寄与しなくなる。また、こ
の無定形シリカのみでインク受容層を構成した場合、鉛
筆筆記性や消しゴム消去性には優れるが、記録濃度とイ
ンク吸収容量が不足する。好ましくは500〜900m
2/g、より好ましくは600〜900m2/gである。
【0013】比表面積が200〜450m2/gの無定
形シリカに関し、比表面積が200m2/gより小さい
場合は表面強度が弱くなりすぎ、逆に450m2/g以
上の場合はインクの吸収容量が小さくなりすぎ、印字条
件によっては乾燥が遅くなり、または画像がにじみすぎ
て高精細記録には不向きなものとなる。また、この無定
形シリカのみでインク受容層を構成した場合、記録濃度
とインク吸収容量には優れるが、鉛筆筆記性や消しゴム
消去性が不足する。好ましい範囲は200〜400m2
/g、より好ましくは200〜350m2/g、最も好
ましくは200〜300m2/gである。
【0014】インク受容層に含まれる顔料として、キセ
ロゲル系多孔性顔料の他、必要に応じて例えば、炭酸カ
ルシウム、カオリン、タルク、硫酸カルシウム、硫酸バ
リウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、炭酸亜鉛、サチンホ
ワイト、珪酸アルミニウム、珪藻土、珪酸カルシウム、
珪酸マグネシウム、ホワイトカーボン、アルミナ、水酸
化アルミニウム等の無機顔料類、スチレン系、アクリル
系、尿素樹脂系、メラミン樹脂系、ベンゾグアナミン樹
脂系の有機顔料類を併用することもできる。
【0015】また、結着剤としてデンプン及びその誘導
体、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセ
ルロース、カゼイン、ゼラチン、大豆タンパク等の天然
または半合成高分子類、ポリビニルアルコール及びシリ
ル変性ポリビニルアルコール、カチオン変性ポリビニル
アルコール等ポリビニルアルコール誘導体、ポリビニル
ブチラール樹脂、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリビニ
ルピロリドン系樹脂、ポリ(メタ)アクリル酸系樹脂、
アクリル酸エステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリア
クリルアミド系樹脂、ポリエステル樹脂、尿素樹脂、メ
ラミン樹脂、スチレン・ブタジエン共重合体、メタクリ
ル酸メチル・ブタジエン共重合体、エチレン・酢酸ビニ
ル共重合体等のビニル系共重合体樹脂の水溶液または水
分散体、あるいは上記の樹脂類にアニオン性またはカチ
オン性残基を導入した変性重合体等の公知の材料を適宜
用いることができる。
【0016】さらに、ポリエチレンイミン系樹脂、ポリ
アミン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリアミドエピクロ
ルヒドリン系樹脂、ポリアミンエピクロルヒドリン系樹
脂、ポリアミドポリアミンエピクロルヒドリン系樹脂、
ポリジアリルアミン系樹脂、ジシアンジアミド縮合物等
のカチオン系高分子化合物を併用することも出来る。こ
れにより水性インクでの印字画像の耐水性を向上させる
ことができる。更に必要に応じ、顔料分散剤、増粘剤、
消泡剤、抑泡剤、発泡剤、離型剤、浸透剤、湿潤剤、熱
ゲル化剤、滑剤、その他当該技術分野で公知の各種助剤
も使用することができる。
【0017】塗工量について特に制約はなく、求める記
録品質に応じて決定することができるが、鉛筆の筆記性
と高画質記録の両立が問題になるのは塗工量が多い場合
であり、そのためには塗工量として8g/m2以上、4
0g/m2以下であることが好ましい。これより少ない
塗工量では鉛筆筆記性は比較的容易に確保できるものの
高精度な画像再現性に優れた記録物を得ることは困難で
あり、逆に塗工量が多い場合は記録濃度や表面強度が低
下する恐れがある。
【0018】塗工層構成は、2層以上としても良い。前
述のとおり、インクジェット記録層として好ましいキセ
ロゲル系多孔質顔料はシリカ系顔料であり、表面の層は
これを主顔料とすることが好ましいが、支持体に近接す
る記録層(支持体と前記記録層間の層)の顔料は、キセ
ロゲル系多孔質顔料と非キセロゲル系顔料を併用する方
が好ましい。この記録層を設けることによりインクが多
く供給される場合でもボコツキのない記録が得られる。
【0019】この場合、支持体に近接する記録層の顔料
は、その構成比の75〜25重量%を吸油量100ml
/100g以下、平均粒子径1〜15μmの非キセロゲ
ル系顔料とし、25〜75重量%を吸油量100ml/
100g以上、平均粒子径1〜15μmのキセロゲル系
多孔質顔料とすることが好ましい。吸油量100ml/
100g以上、平均粒子径1〜15μmのキセロゲル系
多孔質顔料の吸油量に上限はないが、350ml/10
0g程度までのキセロゲル系多孔質顔料は入手できる。
【0020】支持体に近接する記録層中のキセロゲル系
多孔質顔料が25重量%より少ないとインクの吸収容量
が低下し、保持しきれなかったインク中の溶媒成分は基
材に吸収され、基材繊維を膨潤させるため、打ち込むイ
ンクの量が多いとコックリングと呼ばれる、記録紙がボ
コつく現象の改良効果が充分には認められない恐れがあ
る。または、保持しきれなかったインクは上層に留ま
り、インクの吸収容量が不足するため、にじみ不良のた
めに画質が悪化したり、インクの吸収速度が低下してプ
リンタ内部のロールや次の記録物を汚したりする可能性
が高くなる。キセロゲル系多孔質顔料が25重量%より
少ないままでこれ等の欠点を避けるためには、全体の記
録層塗工量を大幅に増やす必要が生ずる。塗工量が多い
ことは操業的、経済的に不利であるのみならず、記録濃
度や表面強度が低下しやすくなり、品質の面からも好ま
しい態様とは言えない。また逆に75重量%より多い場
合、コックリングに関しては問題ないが、この層の吸水
性が大きすぎるため、相対的に上層の塗料の保水性が低
下し、上層の塗工時にストリーク、スクラッチや塗工ム
ラ等の操業上、外観上の欠陥を生じやすくなる。非キセ
ロゲル系顔料としては、前記のインク受容層に併用でき
る顔料の例示の内キセロゲル系顔料でないものを使用す
ることができる。特に焼成カオリン、炭酸カルシウム等
の無機顔料、尿素系樹脂等の有機系顔料が好ましい。
【0021】本発明においては、JIS−P−8118
に基づいて測定した記録媒体の密度を0.70g/cm
3以上、0.90g/cm3以下、好ましくは0.70g
/cm3以上、0.85g/cm3以下に調整する。密度
が0.70g/cm3未満の場合、インク受容層表面が
柔らかすぎるために表面に傷がつきやすく、好ましくな
い。逆に0.90g/cm3より大きい場合、インク受
容層が密になりすぎてインク吸収容量が小さくなり、乾
燥が遅くなりすぎたり画像がにじみすぎたりする。 ま
た、特に比表面積が450〜900m2/gの無定形シ
リカと200〜450m2/gの無定形シリカを組み合
わせた場合、密度が高くなるに伴い記録濃度が下がる傾
向が認められる。密度を0.90g/cm3より大きく
すると、記録濃度が低くなり、高品質の記録適性を得る
ことは困難となる。記録体の密度の調整は、支持体、原
紙のカレンダー条件、記録層の各構成成分の選択、記録
層塗工後のスーパーカレンダー条件等により行うことが
できる。スーパーカレンダーのロールとしてはウールロ
ール、プラスチックロール等を利用することができる。
【0022】高精細の画像を良好な再現性で記録できる
のみならず、事務用紙として充分な表面強度を持ち、鉛
筆による筆記性や消しゴムによる消去性を備えたインク
ジェット記録媒体を得るためには、インク受容層の表層
には、少なくとも2つの異なる比表面積をもつキセロゲ
ル系多孔質顔料が含まれ、該キセロゲル系多孔質顔料の
BET比表面積は、1種目が450〜900m2/g、
2種目が200〜450m2/gの無定形シリカからな
り、さらには、JIS−P−8118に基づいて測定し
た記録媒体の密度が、0.70g/cm3以上、0.9
0g/cm3以下でなければならない。
【0023】インク受容層を塗設する手段としてはサイ
ズプレス、ゲートロール、ロールコーター、バーコータ
ー、エアナイフコーター、ロッドブレードコーター、ブ
レードコーターなど通常使用されている塗工手段から適
宜選択することができる。特に、グラビアコーター、ダ
イコーター、リップコーター、カーテンコーター等の前
計量タイプのコーターは、塗料の選択吸収を抑えること
ができ、結果として均一な塗工層が得られるとして好ま
しい塗工方式と言える。
【0024】本発明において使用される水性インク中に
は染料として水溶性直接染料及び水溶性酸性染料のうち
少なくとも1種を含有し、この他に適宜、湿潤剤、染料
溶解剤、防腐剤、防黴剤等を含有する。水溶性直接染料
としてはCI.ダイレクトブラック、CI.ダイレクト
イエロー、CI.ダイレクトブルー、CI.ダイレクト
レッド等が挙げられ、水溶性酸性染料としては、CI.
アシッドブラック、CI.アシッドイエロー、CI.ア
シッドブルー,CI.アシッドレッド等を挙げることが
できるが必ずしもこれらに限定されるものではない。
【0025】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、もちろんこれらの例に限定されるものでは
ない。なお実施例に於て示す部数及び%は重量部及び重
量%を意味する。実施例中の諸物性の測定方法を以下に
示す。 1)記録濃度 セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−
700Cを用いて720dpiの記録密度で印字を行
い、印字濃度を測定した。その結果、優れた印字濃度を
示したものをA、やや薄いが実用上問題のないレベルの
ものをB、薄すぎて実用に耐えないものをCとランク付
けした。 2)印字乾燥性 セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−
700Cを用いて720dpiの記録密度で100%濃
度印字を行い、その部分の乾燥状態を目視で評価し、光
沢がなくなるまでの時間を印字乾燥性の尺度とした。排
紙後数秒以内に光沢のなくなるものをA、光沢は数十秒
間残るが、実用上問題のないものをB、光沢が2分以上
残り、実用上問題を起こす可能性のあるものをCとラン
ク付けした。 3)にじみ セイコーエプソン社製インクジェットプリンターPM−
700Cを用いて720dpiの記録密度で200%濃
度印字を行い、隣り合った部分のにじみ状態を目視で評
価した。その結果、にじみがほとんど認められなかった
ものをA、ややにじみが認められるが実用上問題のない
レベルのものをB、にじみが大きすぎて実用に耐えない
ものをCとランク付けした。 4)鉛筆による筆記性 鉛筆(H)による手書きの際、インク受容層の脱落の有
無、筆跡の明瞭さの程度から評価した。濃度が高く、充
分に書きやすいものをA、濃度がやや薄く少し書きづら
いが、実用に耐えるものをB、濃度が薄く、実用に耐え
ないものをCとランク付けした。 5)消しゴム消去性 鉛筆(H)による手書きの文字をプラスティック消しゴ
ムで消去し、消しやすさを官能評価した。容易に消せる
ものをA、やや消しづらいが実用上問題のないものを
B、消しにくく、実用に耐えないものをCとランク付け
した。
【0026】実施例1 比表面積700m2/gの無定形シリカ(商品名:シル
クロンG−900、SCMケミカルス(株)製)5部、
比表面積290m2/gの無定型シリカ(商品名:ファ
インシールX−60、(株)トクヤマ製)95部に、シ
ラノール化ポリビニルアルコール(商品名:R−113
0、(株)クラレ製)の10%水溶液350部、ポリジ
アリルジメチルアンモニウムクロライド(商品名:ユニ
センスCP−103、(株)センカ製)10部を添加
し、水を加えた後、濃度18%のインク受容層用塗液と
した。坪量80g/m2、ステキヒトサイズ度12秒の
上質紙に乾燥後の塗布量が15g/m2になるようマイ
ヤーバーを用いて塗布乾燥した後、スーパーカレンダー
処理を行い(線圧30kg/cm,通紙速度100m/
分)、JIS−P−8118に基づいて測定した密度が
0.75g/cm3のインクジェット記録媒体を得た。
【0027】実施例2 スーパーカレンダー処理を調節して密度の目標値を0.
70g/cm3とした(線圧15kg/cm,通紙速度
100m/分)以外は実施例1と同様にしてインクジェ
ット記録媒体を得た。 実施例3 スーパーカレンダー処理を調節して密度の目標値を0.
85g/cm3とした(線圧60kg/cm,通紙速度
100m/分)以外は実施例1と同様にしてインクジェ
ット記録媒体を得た。
【0028】実施例4 スーパーカレンダー処理を調節して密度の目標値を0.
90g/cm3とした(線圧90kg/cm,通紙速度
100m/分)以外は実施例1と同様にしてインクジェ
ット記録媒体を得た。 実施例5 焼成カオリン(商品名:アンシレックス、エンゲルハー
ド(株)製、吸油量80ml/100g、平均粒子径2
μm)70部、無定形シリカ(商品名:ミズカシルP−
78D、水澤化学工業(株)製、吸油量220ml/1
00g、平均粒子径8μm)30部を水分散し、ポリビ
ニルアルコール(商品名:クラレポバール110、
(株)クラレ製)10%水溶液を50部、ラテックス
(商品名:L−1537、旭化成(株)製)48%液を
10部添加して固形分濃度30%とした第2の記録層塗
工液を、実施例1と同じ原紙上に乾燥後の塗工量が10
g/m2となるようにマイヤーバーを用いて塗工乾燥し
た。これに実施例1と同じ記録層塗料を、乾燥後の塗工
量が15g/m2となるようにマイヤーバーを用いて塗
工乾燥し、実施例1と同様(線圧30kg/cm、通紙
速度100m/分)にスーパーカレンダー処理を行い、
密度0.77g/cm3のインクジェット記録媒体を得
た。
【0029】比較例1 スーパーカレンダー処理を行わず密度の目標値を0.6
5g/cm3とした以外は実施例1と同様にしてインク
ジェット記録媒体を得た。 比較例2 スーパーカレンダー処理を調節して密度の目標値を0.
95g/cm3とした(線圧90kg/cm,通紙速度
50m/分)以外は実施例1と同様にしてインクジェッ
ト記録媒体を得た。
【0030】比較例3 比表面積290m2/gの無定型シリカ(商品名:ファ
インシールX−60、(株)トクヤマ製)100部とし
た以外は実施例1と同様にしてインクジェット記録媒体
を得た。 比較例4 スーパーカレンダー処理を調節して密度の目標値を0.
90g/cm3とした(線圧90kg/cm,通紙速度
100m/分)以外は比較例3と同様にしてインクジェ
ット記録媒体を得た。 比較例5 無定形シリカを比表面積750m2/gの無定形シリカ
(商品名:サイリシア770、富士シリシア(株)製)
100部とした以外は実施例1と同様にしてインクジェ
ット記録媒体を得た。以上の9種類の記録媒体について
密度、記録濃度、印字乾燥性、にじみ、鉛筆筆記性、消
しゴム消去性を評価した結果を表1に示す。比較例1で
は断裁,包装等のハンドリング中にこすれ傷が付きやす
い記録体が得られた。実施例ではこすれ傷なし。
【0031】
【表1】
【0032】
【発明の効果】表1から明らかなように本発明の実施例
は、比較例に比べ、記録濃度、印字乾燥性、にじみ、鉛
筆筆記性、消しゴム消去性がすべて優れたインクジェッ
ト記録媒体であった。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2H086 BA15 BA16 BA32 BA33 BA41 BA45 BA48 4L055 AG18 AG27 AG63 AG64 AG65 AG76 AG95 AG97 AG98 AH02 AH37 AJ04 BE02 BE08 BE09 EA08 EA10 EA16 EA17 FA11 FA13 FA15 GA09

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙支持体上にキセロゲル系多孔質顔料を
    含有する記録層を設けてなるインクジェット記録媒体に
    おいて、該キセロゲル系多孔質顔料がBET比表面積4
    50〜900m2/gの無定形シリカとBET比表面積
    200〜450m2/gの無定形シリカを含有し、JI
    S−P−8118に基づいて測定したインクジェット記
    録媒体の密度が0.70g/cm3以上0.90g/c
    3以下であることを特徴とするインクジェット記録媒
    体。
  2. 【請求項2】 JIS−P−8118に基づいて測定し
    たインクジェット記録媒体の密度が、0.70g/cm
    3以上、0.85g/cm3以下であることを特徴とする
    請求項1記載のインクジェット記録媒体。
  3. 【請求項3】 紙支持体と記録層間に第2の記録層を有
    し、第2の記録層が顔料を含み、全顔料の75〜25重
    量%を吸油量100ml/100g以下平均粒子径1〜
    15μmの非キセロゲル系顔料とし、25〜75重量%
    を吸油量100ml/100g以上平均粒子径1〜15
    μmのキセロゲル系多孔質顔料とした請求項1または2
    記載のインクジェット記録媒体。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2003082590A1 (fr) * 2002-03-29 2003-10-09 Nippon Paper Industries Co., Ltd. Support d'impression par jet d'encre
JP2010264443A (ja) * 2009-05-18 2010-11-25 Wacker Chemie Ag シリコーン消泡粒子

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