JP2000107985A - 加工動力再現方法及び装置 - Google Patents

加工動力再現方法及び装置

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JP2000107985A
JP2000107985A JP10278495A JP27849598A JP2000107985A JP 2000107985 A JP2000107985 A JP 2000107985A JP 10278495 A JP10278495 A JP 10278495A JP 27849598 A JP27849598 A JP 27849598A JP 2000107985 A JP2000107985 A JP 2000107985A
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power
processing
machining
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vibration
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Yoshitaka Morimoto
喜隆 森本
Hirobumi Ie
博文 家
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Takamatsu Machinery Co Ltd
Original Assignee
Takamatsu Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 加工中の特定の振動状態を比較的簡単に再現
することができる加工動力再現装置を提供すること。 【解決手段】 NC旋盤の工具台12に装着される再現
装置本体と、この再現装置本体に装着された加振手段4
とを具備し、加振手段4は圧電素子16、平行ばね機構
18及び作用部材32を備えている加工動力再現装置。
加振手段4は、旋盤本体のワーク保持手段36に保持さ
れたワーク14に、実際の加工状態にて測定した加工動
力(切削動力)又はこの加工動力に相当する所望周波数
の負荷を付与し、このように加振することによって、加
工中の信号状態を実際の加工状態により近い状態で擬似
的に再現することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、工作機械の加工状
態を擬似的に再現し、工作機械の振動解析等に利用する
ことができる加工動力再現方法及び装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、工作機械、例えばNC旋盤の
動特性に関するびびり等の問題が生じた場合にその解決
手法としての解析を行うために、旋盤本体に振動を加え
る加振装置として、インパルスハンマー、油圧加振機等
が用いられている。インパルスハンマーでは、ハンマー
によって加振するために、一度の打撃により広範囲の周
波数帯域の振動を加えることができ、簡便で且つ短い時
間でもって振動状態を測定することができる。また、油
圧加振機では、油圧を利用して加振を行うために、所望
の周波数の加振をすることができる。
【0003】NC旋盤の場合、切削加工時には、切削工
具(バイト)とワーク(加工物)とが干渉しながら加工
がなされており、従って、切削加工時に発生する振動解
析を行うためには、切削工具とワークとの加工点に所定
の加振力を付与するのが望ましい。ところが、インパル
スハンマーでは、切削工具とワークとの加工点に加振す
ることが難しく、実際の切削加工状態により近い状態で
の振動解析が難しいという問題がある。また、油圧加振
機では、この加工点に加振を加えようとすると、応答周
波数や設置場所等の問題で装置が大型化する問題があ
り、ほとんど実用に供されていない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このような問題を解消
するためには、実際の切削加工中の振動状態を再現すれ
ばよいが、旋盤による切削加工の場合、切削加工を施す
とワークの径が小さくなり、加工条件が同じでもワーク
の径が小さくなって同じ振動状態を維持することが困難
となる。このため、加工中に振動問題が発生すると、そ
の振動解析のために、同じワークを多数用意し、実際に
切削加工を施して旋盤の不具合を動特性を計測する必要
が生じる。このようなことから、NC旋盤においては、
切削加工中に発生した振動状態の特定状態と実質上同一
状態を比較的簡単に擬似的に再現することができる加工
動力再現装置の実現が望まれている。
【0005】このような問題は、NC旋盤以外の他の工
作機械、例えばフライス盤、ボール盤、研削盤、平削り
盤等にも同様に存在する。本発明の目的は、加工中の特
定の振動状態を比較的簡単に再現することができる加工
動力再現方法及び装置を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明では、実際の加工
状態において予め加工動力及び振動状態を測定し、加工
状態を再現する際に、工作機械の工具台又はワーク保持
手段に加振手段を取付け、前記加振手段によって、実際
の加工状態にて測定した加工動力又はこの加工動力に相
当する所望周波数の負荷を、前記ワーク保持手段に保持
されたワーク又は前記工具台に付与することを特徴とす
る。
【0007】本発明に従えば、実際の加工状態において
予め加工動力及び振動状態が測定される。加工状態を再
現する際には、工作機械の工具台又はワーク保持手段に
加振手段が取付けられ、加振手段は実際の加工状態にて
測定した加工動力又はこの加工動力に相当する所望周波
数の負荷をワーク保持手段に保持されたワーク又は工具
台に付与する。従って、実際の加工状態により近い状態
で加工動力又はそれに相当する負荷が加えられる。測定
した加工動力を付与する場合、加工中の振動状態をその
まま継続して擬似的に再現することができ、また、加工
動力に相当する所望周波数の負荷を付与する場合、その
周波数を例えば共振周波数に一致させることによって、
共振状態を継続して擬似的に再現することができ、工作
機械の加工中の振動解析に有効に利用することができ
る。尚、工作機械の代表例として、NC旋盤、フライス
盤、ボール盤、平削り盤等がある。
【0008】また、本発明では、工作機械の工具台に装
着される再現装置本体と、前記再現装置本体に装着され
た加振手段とを備え、前記加振手段は、工作機械のワー
ク保持手段に保持されたワークに、実際の加工状態にて
測定した加工動力又はこの加工動力に相当する所望周波
数の負荷を付与することを特徴とする。
【0009】本発明に従えば、加振手段が装着された再
現装置本体が工具台に取付けられ、加振手段はワーク保
持手段に保持されたワークに、加工状態の加工動力又は
この加工動力に相当する所望周波数の負荷を付与するの
で、実際の加工状態により近い状態を擬似的に再現する
ことができる。加振手段で測定した加工動力を付与する
場合、加工中の振動状態をそのまま継続して擬似的に再
現することができ、また、加振手段で加工動力に相当す
る所望周波数の負荷を付与する場合、その周波数を例え
ば共振周波数に一致させることによって、共振状態を継
続して擬似的に再現することができ、工作機械の加工中
の振動解析に有効に用いることができる。
【0010】また、本発明では、工作機械のワーク保持
手段に装着される再現装置本体と、前記再現装置本体に
装着された加振手段とを備え、前記加振手段は、工作機
械の工具台に、実際の加工状態にて測定した加工動力又
はこの加工動力に相当する所望周波数の負荷を付与する
ことを特徴とする。
【0011】本発明に従えば、加振手段が装着された再
現装置本体がワーク保持手段に保持され、加振手段は工
作機械の工具台に、加工状態の加工動力又はこの加工動
力に相当する所望周波数の負荷を付与するので、上述し
たと同様に、実際の加工状態により近い状態を擬似的に
再現することができる。そして、この加工動力再現装置
においても、測定した加工動力を付与する場合、加工中
の振動状態をそのまま継続して擬似的に再現することが
でき、また、加工動力に相当する所望周波数の負荷を付
与する場合、その周波数を例えば共振周波数に一致させ
ることによって、共振状態を継続して擬似的に再現する
ことができる。
【0012】更に、本発明では、前記加振手段は、圧電
素子と、前記圧電素子に供給する駆動信号を設定する信
号設定手段とを備え、前記加振手段によって付与される
加工動力又は負荷が前記信号設定手段によって設定され
ることを特徴とする。本発明に従えば、圧電素子を利用
しているので、駆動信号を供給することによって、比較
的簡単に且つ大きな力でもって加振することができる。
また、信号設定手段によって加工中の振動状態の駆動信
号に設定することによって加工状態を擬似的に再現する
ことができ、また例えば共振周波数の駆動信号に設定す
ることによって、共振状態を簡単に擬似的に再現するこ
とができる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付図面を参照して、本発
明に従う加工動力再現方法及び装置の一実施形態につい
て説明する。図1は、本発明に従う加工動力再現装置
(又は加工動力再現方法を実施するための再現装置)の
一実施形態を備えたNC旋盤の一部を示す平面図であ
り、図2は、図1のNC旋盤の一部を示す側面図であ
る。
【0014】図1及び図2を参照して、図示の加工動力
再現装置1は、再現装置本体2と、この再現装置本体2
に装着された加振手段4とを備えている。再現装置本体
2は矩形状の本体部6を有し、この本体部6の両端部に
上方に延びる突出壁部8,10が設けられ、一対の突出
壁部8,10間に加振手段4が配設されている。再現装
置本体2は、この実施形態では複数個の取付ねじ11
(図1参照)によってNC旋盤の工具台12に装着され
る。
【0015】NC旋盤では、旋盤本体にZ軸方向(図1
において上下方向、図2において紙面に垂直な方向)に
移動自在に往復テーブル(図示せず)が移動自在に装着
され、この往復テーブルにX軸方向(図1及びにおいて
左右方向)に移動自在に工具台12が装着され、工具台
12にワーク14に切削加工を施すための切削工具(バ
イト)が交換可能に取付けられ、加工動力再現装置1は
この切削工具に代えて工具台12に取付けられる。この
ように工具台12に加工動力再現装置1を取付けること
によって、後述するように、NC旋盤の加工中に発生す
る振動状態を擬似的に再現することができる。尚、この
実施形態では、加工動力再現装置1を工具台12に直接
的に取付けているが、例えば取付支持台を介して工具台
12に取付けるようにしてもよい。この加工動力再現装
置1はタレット型のNC旋盤にも用いることができ、こ
のような旋盤では、切削工具が取付けられるタレットが
工具台として機能する。
【0016】図示の加振手段4は、圧電素子16及び平
行ばね機構18を備えている。平行ばね機構18はブロ
ック状であり、取付ねじ22(図1参照)によって再現
装置本体12の本体部6の図1において左部に取付けら
れている。平行ばね機構18は、外力が作用すると弾性
変形し、外力の作用がなくなると元の状態に弾性的に復
元するそれ自体公知のものである。圧電素子16は、平
行ばね機構18と再現装置本体12の突出壁部8との間
に設けられている。本形態では、再現装置本体12の一
方の突出壁部8には雌ねじ孔(図示せず)が形成され、
この雌ねじ孔にねじ軸26が螺合されている。また、圧
電素子16は、このねじ軸26と平行ばね機構18との
間に介在されている。かく構成されているので、雌ねじ
孔に対してねじ軸26を緩める、即ち圧電素子16に対
してねじ軸26を締付けることによって、圧電素子16
を再現装置本体12の突出壁部8と平行ばね機構18の
間に固定することができる。尚、ねじ軸26には固定用
ナット24が螺合され、この固定用ナット24にねじ軸
26が確実に固定される。
【0017】平行ばね機構18の取付部28の先端部に
はロードセル30が装着され、このロードセル30の先
端に作用部材32が固定され、作用部材32は他方の突
出壁部10の切欠きを通してワーク14に向けて突出し
ている。このように構成されているので、圧電素子16
の伸縮は平行ばね機構18を介して作用部材32に伝達
され、ロードセル30は加振時に作用部材32に作用す
る負荷(ワーク14に付与される負荷)、換言すると擬
似的な加工動力(切削動力)を測定する。
【0018】NC旋盤の主軸台34には主軸(図示せ
ず)が回転自在に支持され、この主軸にワーク保持手段
36が取付けられ、ワーク保持手段36は主軸と一体的
に回転駆動する。図示のワーク保持手段36は、ワーク
14を保持するための三ツ爪チャックから構成され、3
つの爪部材38が半径方向に移動自在に装着されてい
る。3つの爪部材38は半径方向内方に移動してワーク
14をチャッキングし、半径方向外方に移動してワーク
14のチャッキングを解放する。このワーク保持手段3
6は、三ツ爪チャック以外の他の形態のチャック等でも
よい。
【0019】加工動力再現装置1によって加工状態を再
現するときには、ワーク保持手段36に切削加工時のワ
ーク14がチャッキング保持される。そして、加工動力
再現装置1の作用部材32の先端は、ワーク保持手段3
6に保持されたワーク14を後述する如く加振する。こ
のようにしてワーク14を直接加振することによって、
切削加工状態により近い状態もって振動を付与すること
ができ、実際の切削加工状態により近い状態を擬似的に
再現することができる。
【0020】加工動力再現装置1は、例えば、図3に示
す制御系によって制御される。この制御系は、例えば任
意波形発生装置等波形コントローラ40を備え、この波
形コントローラ40は、圧電素子16に供給される電圧
を制御する。波形コントローラ40は信号生成手段42
及び信号設定手段44を有している。信号生成手段40
は圧電素子16を駆動するための任意の波形の信号を生
成することができるが、この形態では正弦波形又は正弦
波形の組合せ波形の信号を生成する。また、信号設定手
段44は信号生成手段40にて生成された信号を所定の
駆動信号に設定するものであり、信号生成手段40から
の信号を例えば所望の周波数の駆動信号に設定する。信
号設定手段44によって設定された所望周波数の駆動信
号は増幅器46に送給され、この増幅器46にて増幅さ
れた後に圧電素子16に供給される。
【0021】一方、ロードセル30からの検出信号は増
幅器48に送給され、この増幅器48によって増幅され
た後、例えばFFTアナライザ等の信号解析装置50に
送給される。信号解析装置50は、増幅器48からの検
出信号を分析してロードセル30に作用する負荷を測定
する。波形コントローラ40に関連してCRT等から構
成される表示手段52及びプリンタ54が設けられ、ロ
ードセル30からの検出信号の解析処理結果は表示手段
52に表示され、また必要に応じてプリンタ54から出
力される。
【0022】加振手段4に関連して加速度センサ60が
設けられ、この加速度センサ60は、計測上必要な個
所、例えば工具台12に取付けられている。加速度セン
サ60からの検出信号は増幅器62に送給され、この増
幅器62によって増幅された後信号解析装置50に送給
される。信号解析装置50は、また、この加速度センサ
60からの検出信号及びロードセル30からの検出信号
を利用して加振状態における伝達関数を測定し、測定結
果の伝達関数は表示手段52に表示され、また必要に応
じてプリンタ54から出力される。
【0023】このような加工動力再現装置1を用いて加
工状態を擬似的に再現する前に、例えば図4に示す測定
システムを用いて加工中の振動状態が測定される。この
測定システムは、ロードセル72及び信号解析装置74
を含んでいる。旋盤本体の工具台12(図1〜図3参
照)にはロードセル72を介して取付具76が取付けら
れ、この取付具76に、ワーク14を切削加工するため
の切削工具(バイト)78が取付けられる。ロードセル
72からの信号は増幅器75に送給され、増幅器75に
て増幅された後に信号解析装置74に送給される。この
信号解析装置74は、図3の制御系におけるものと同様
のものでよく、信号解析装置74はロードセル72から
の信号を処理して加工動力(切削動力)を求めるととも
に、その信号の周波数を解析し、この解析結果から周波
数成分を求める。信号解析装置74によって求められた
加工動力の大きさ及び周波数解析の結果は表示手段82
に表示され、また必要に応じてプリンタ84によって出
力される。加工中に測定された上述した測定結果は、加
工中の振動状態を擬似的に再現するときに、次の通りに
利用される。
【0024】加工状態を擬似的に再現する際、取付具7
6及び加工用バイト78に代えて上述した加工動力再現
装置1が取付けられ、この加工動力再現装置1は上述し
た制御系によって制御される。即ち、信号生成手段42
にて生成された代表的な加工動力(切削動力)の正弦波
形の駆動信号は、信号設定手段44によって所定周波数
の駆動信号に設定され、この駆動信号が圧電素子16に
供給される。このようなNC旋盤では、加工中に発生す
るびびり振動等を解析する必要があり、このような場
合、この駆動信号の所定周波数は、びびり振動の原因と
なる共振振動数の一つに設定される場合が多く、このよ
うな駆動信号が圧電素子16に送給されると、設定され
た周波数でもって圧電素子16が伸縮し、圧電素子16
が伸長したときに平行ばね機構18を介して作用部材3
2がワーク保持手段36に保持されたワーク14に作用
する。かくして、加工動力再現装置1の作用部材32
は、設定された周波数でもってワーク14を加振し、例
えば共振周波数の振動状態を擬似的に再現することがで
きる。
【0025】このとき、作用部材32からワーク14に
付与される負荷は、実際の加工状態において測定した加
工動力(切削動力)に相当する大きさに設定され(負荷
をこのように設定すると、ワークの変位は加工時の変位
と実質上同じになる)、作用部材32による負荷をこの
ように設定することによって加工状態を実際の状態によ
り近い状態で再現することができる。このような負荷の
設定は、例えば、ロードセル30により検出した負荷の
大きさが実際の加工状態においてロードセル72により
検出した負荷の値と実質上等しくなるように、駆動信号
の振幅を増幅器46により増幅することによって行うこ
とができる。この加工動力再現装置1では、また、作用
部材32がワーク14を直接加振するので、実際の加工
状態により近い状態を擬似的に再現することができ、N
C旋盤のびびり振動等の異常切削状態の解析が容易とな
るとともに、より正確に行うことが可能となる。
【0026】上述した説明では、圧電素子16を伸縮さ
せて実際の加工時の加工動力に相当する所望周波数の負
荷をワーク14に作用させているが、これに代えて、実
際の加工時の加工動力をワーク14に作用させてもよ
い。かかる場合、信号生成手段42にて生成された信号
は、信号設定手段44によって、加工動力に相当する駆
動信号に設定され、かかる駆動信号によって圧電素子1
6が伸縮される。
【0027】この加工動力再現装置1を用いて行った動
力再現結果の有効性を確認するために、次の通りの実験
を行った。高松機械工業株式会社が型式X−10として
製造販売するNC旋盤を用い、このタレットにおいて、
図4に示す手法により切削動力(加工動力)の測定及び
周波数解析を行った。実験は、ワークを三ツ爪チャック
で保持し、図4に示す手法により、実際にびびり振動が
発生する切削条件で切削を行い、そのときの切削動力を
測定した。尚、ロードセルとしてキスラ−(KISTL
ER)社製の切削動力計(型式:9121)を用い、信
号解析装置として小野測器株式会社製のFFTアナライ
ザ(型式:CF−350)を用いた。
【0028】この実験により、図5に示す測定結果を得
た。この測定結果は、測定した切削動力について信号解
析装置を用い、周波数解析を実施したものである。尚、
図5は、この実験において測定した切削動力の内背分力
(図1において上下方向、図2において左右方向の切削
分力である)のみを示したものである。図5から明らか
なように、468Hzにおいて明らかに特徴的な周波数
成分が見られる。
【0029】次に、図1及び図2に示す構成の加工動力
再現装置及び図3に示す制御系を用い、また上記と同じ
NC旋盤を用いて切削動力の再現実験を行った。実験に
際し、ワークを三ツ爪チャックで保持し、切削動力再現
装置の作用部材の先端をワークに接触させ、実際の切削
加工を想定して468Hzの周波数の正弦波を、上記実
験の切削動力測定時の振動振幅と同一の振幅になるよう
に調整して圧電素子に供給し、圧電素子の伸縮を作用部
材に伝達してワークを加振した。この再現実験により、
図6に示す通りの結果を得た。図6より、加振力は、図
5の実験結果と異なり、約2倍の値となったが、上記切
削動力の内主分力(図1において紙面に垂直な方向、図
2において上下方向の切削分力である)を加味すれば、
両者はほぼ一致し、この加工動力再現装置の使用に対す
る妥当性が確認できた。
【0030】以上、本発明に従う加工動力再現装置(加
工動力再現方法)の一実施形態について説明したが、本
発明はかかる実施形態に限定されるものではなく、本発
明の範囲を逸脱することなく種々の変形乃至修正が可能
である。例えば、図示の実施形態では、加工動力再現装
置1を旋盤本体の工具台12に装着しているが、工具台
12に代えて 、ワーク保持手段36に装着してもよ
い。この場合、再現装置本体2がワーク保持手段36に
保持され、加振手段4の作用体20は工具台12を加振
し、このように構成しても上述したと略同様の効果が達
成される。
【0031】また、図示の実施形態では、加工動力再現
装置をNC旋盤に適用して説明したが、例えばフライス
盤、ボール盤、研削盤、平削り盤等の他の工作機械にも
同様に適用して加工状態を擬似的に再現することができ
る。
【0032】
【発明の効果】本発明の請求項1の加工動力再現方法に
よれば、加振手段によって実際の加工状態により近い状
態で負荷を加えることができる。そして、加工動力を付
与する場合、加工中の振動状態をそのまま継続して擬似
的に再現することができ、また加工動力に相当する所望
周波数の負荷を付与する場合、その周波数を例えば共振
周波数に一致させることによって、共振状態を継続して
擬似的に再現することができ、工作機械の加工中の異常
切削状態の解析に有効に用いることができる。
【0033】また、本発明の請求項2及び3の加工動力
再現装置によれば、実際の加工状態により近い状態を擬
似的に再現することができる。また、加工中の振動状態
又は特定周波数の振動状態を再現することができ、この
特定周波数を例えば共振周波数に一致させることによっ
て、共振状態を継続して再現することができる。
【0034】更に、本発明の請求項4の加工動力再現装
置によれば、圧電素子を利用しているので、駆動信号を
供給することによって、比較的簡単に且つ大きな力でも
って加振することができる。また、信号設定手段によっ
て加工中の振動状態の駆動信号に設定することによって
加工状態を擬似的に再現することができ、また例えば共
振周波数の駆動信号に設定することによって、共振状態
を簡単に擬似的に再現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に従う加工動力再現装置(又は加工動力
再現方法を実施するための再現装置)の一実施形態を備
えたNC旋盤の一部を示す平面図である。
【図2】図1のNC旋盤の一部を示す側面図である。
【図3】図1の加工動力再現装置の制御系を簡略的に示
すブロック図である。
【図4】NC旋盤の振動状態を測定するための測定シス
テムを簡略的に示すブロック図である。
【図5】切削動力計を用いて背分力を測定し周波数分析
をした測定結果を示す図である。
【図6】切削動力再現装置を用いて切削状態を再現した
結果を示す図である。
【符号の説明】 1 加工動力再現装置 2 再現装置本体 4 加振手段 12 工具台 14 ワーク 16 圧電素子 18 平行ばね機構 30 ロードセル 32 作用部材 36 ワーク保持手段 40 波形コントローラ 74 信号解析装置

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実際の加工状態において予め加工動力及
    び振動状態を測定し、加工状態を再現する際に、工作機
    械の工具台又はワーク保持手段に加振手段を取付け、前
    記加振手段によって、実際の加工状態にて測定した加工
    動力又はこの加工動力に相当する所望周波数の負荷を、
    前記ワーク保持手段に保持されたワーク又は前記工具台
    に付与することを特徴とする加工動力再現方法。
  2. 【請求項2】 工作機械の工具台に装着される再現装置
    本体と、前記再現装置本体に装着された加振手段とを備
    え、前記加振手段は、工作機械のワーク保持手段に保持
    されたワークに、実際の加工状態にて測定した加工動力
    又はこの加工動力に相当する所望周波数の負荷を付与す
    ることを特徴とする加工動力再現装置。
  3. 【請求項3】 工作機械のワーク保持手段に装着される
    再現装置本体と、前記再現装置本体に装着された加振手
    段とを備え、前記加振手段は、工作機械の工具台に、実
    際の加工状態にて測定した加工動力又はこの加工動力に
    相当する所望周波数の負荷を付与することを特徴とする
    加工動力再現装置。
  4. 【請求項4】 前記加振手段は、圧電素子と、前記圧電
    素子に供給する駆動信号を設定する信号設定手段とを備
    え、前記加振手段によって付与される加工動力又は負荷
    が前記信号設定手段によって設定されることを特徴とす
    る請求項2又は3記載の加工動力再現装置。
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