JPH10253490A - 振動応力計測装置 - Google Patents

振動応力計測装置

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JPH10253490A
JPH10253490A JP9053718A JP5371897A JPH10253490A JP H10253490 A JPH10253490 A JP H10253490A JP 9053718 A JP9053718 A JP 9053718A JP 5371897 A JP5371897 A JP 5371897A JP H10253490 A JPH10253490 A JP H10253490A
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vibration
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signal
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JP9053718A
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Koreichi Ehata
維一 江畑
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  • Measurement Of Mechanical Vibrations Or Ultrasonic Waves (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 供試体を加振させる場合に加振系や固定治具
などの影響を取り除き、供試体の振動分布を正確に測定
し、さらに、供試体に対する加振力を効率よく増大させ
る。 【解決手段】 供試体を加振させる加振手段を備え、供
試体に対する歪計および変位計からの歪信号および変位
信号に基づいて供試体の振動応力を計測する計測手段を
備えた振動応力計測装置において、加振手段として、供
試体を非接触状態で加振する音源を備えた音響加振装置
を用いる。また、音響加振装置の音源の前面側に、供試
体に向けてノズルを取り付ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ガスタービンエン
ジンの動静翼など(供試体)の振動応力計測装置に係
り、特に、加振系や固定治具などの影響を取り除いて、
振動応力を計測することが可能な振動応力計測装置に関
する。
【0002】
【従来の技術】ガスタービンエンジンの動静翼に関する
振動応力を計測し、その振動特性を解析しておくこと
は、エンジンの耐久性等を考察する上で重要であり、さ
らに、FEM(有限要素法)モデルの検証を簡単に行う
ことが可能となるため好ましい。そして、動静翼(供試
体)の振動特性を解析するものとしては、特開平06−
102106号公報に記載の「振動応力分布計測装置」
があり、供試体の振動応力を計測することにより、供試
体の振動特性を解析している。
【0003】図10は、前記した振動応力分布計測装置
を示すもので、架台1に取り付けられた固定治具2に動
翼(供試体)3の基端部が固定されるとともに、この架
台1に動電型加振器やピエゾ型加振器などの加振手段4
が設けられている。また、動翼3の表裏面には多数の歪
ゲージ5が貼付され、さらに動翼3の側方には変位計6
が配設されている。そして、加振手段4を駆動すること
により、架台1および固定治具2を介して動翼3を振動
させ、歪ゲージ5からの歪信号および変位計6からの変
位信号に基づいて、計測手段7により動翼3の振動応力
分布が計測される。なお、計測手段7では、歪信号と変
位信号に対して、単一正弦波相関法によるN回積分の波
形解析が採用されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来の振動応
力分布計測装置は、加振手段4が架台1に組み込まれ、
動翼3への加振が架台1および固定治具2を介して行わ
れるため、歪ゲージ5からの歪信号や変位計6からの変
位信号として、動翼3(供試体)自体の振動特性だけで
なく、架台1、固定治具2及び加振手段4などを加えた
全体系の影響を与えたものとなり、その結果、計測され
た振動応力に基づいて供試体の正確な振動特性(特に高
次モード)を得ることができず、加えて、供試体の微少
歪に基づく歪信号や変位信号から、振動応力を正確に計
測できない等の不具合が生じる。
【0005】本発明は、このような課題に鑑みてなされ
たもので、供試体を加振させる場合に加振系や固定治具
などの影響を取り除き、供試体の振動応力を正確に計測
すること、さらには、供試体に対する加振力を効率よく
増大させることを目的とするものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明に係る振動応力計
測装置にあっては、供試体を加振させる加振手段を備
え、供試体に対する歪計および変位計からの歪信号およ
び変位信号に基づいて供試体の振動応力を計測する計測
手段を備え、加振手段として、供試体を非接触状態で加
振する音源を備えた音響加振装置が用いられる構成を採
用している。音響加振装置には、供試体を加振する周波
数領域に応じて、複数の音源の中から一の音源を選択可
能とした技術が適用される。音響加振装置には、音源の
前面側に、供試体に向けてノズルが取り付けられる技術
が適用される。ノズルには、音響加振装置に接続する胴
部の長手方向に対して、先端部の向きを傾けて構成され
る技術が適用される。ノズルには、音源からの周波数に
応じてその全長を変更可能に構成される技術が適用され
る。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る振動応力計測
装置の実施形態を、図1〜図9に基づいて説明する。な
お、架台1、固定治具2、動翼3、歪ゲージ5、変位計
6、計測手段7は、図10に示す従来の振動応力分布計
測装置に用いられるものと同様である。
【0008】図1は、本発明に係る振動応力計測装置を
示す正面図である。図1に示すように、動翼(供試体)
3は、架台1に取り付けられた固定治具2に翼基端部が
固定され、垂下状態で保持されている。ただし、動翼3
の保持態様は、垂下状態に限らず、水平状態とするもの
であってもよい。また、この実施の形態では、動翼3を
固定する方法として一端固定方式を採用しているが、こ
れに代えて、動翼3の翼先端部と翼基端部との双方を固
定する両端固定方式を採用してもよい。
【0009】動翼3の翼面(背側および腹側の両面)に
は、翼先端から翼基端まで多数(例えば背側の翼面には
150個)の歪ゲージ(歪計)5が貼付され、中継端子
ボックス5aを介して計測手段7に接続されている。そ
して、各歪ゲージ5は、動翼3の変形に応じて、それぞ
れ歪信号を計測手段7に出力する。
【0010】動翼3の下方には、動翼3の振動に基づい
て変位信号を得る変位計6が配設され、増幅器6aを介
して計測手段7に接続されている。そして、変位計6の
変位信号は、増幅器6aによって増幅されてから計測手
段7に入力される。ただし、変位計6の配設位置は、動
翼3の下方に限定されず、動翼3の被測定箇所に合わせ
て、動翼3の近傍に任意に配設される。
【0011】変位計6としては、例えば光学式電子変位
計やレーザードップラー振動計が用いられる。光学式電
子変位計は、動翼3に低周波域(5kHz以下)の振動
が与えられている場合に使用され、その変位信号として
翼先端振幅と位相が得られる。レーザードップラー振動
計は、動翼3に高周波域(5〜15kHz以下)の振動
が与えられている場合に使用され、その変位信号として
速度と位相が得られる。
【0012】動翼3への加振手段8である音響加振装置
9は、動翼3を非接触状態で加振させるもので、筐体9
aに取り付けられたスピーカ(音源)10の前面側に、
先端を動翼3に向けたノズル11が取り付けられてい
る。このスピーカ10には、計測手段7からの出力信号
が増幅器9bで増幅されて入力される。増幅器9bとし
ては、例えば、出力:300W(モノラル8Ω)、周波
数特性:5〜200kHz(+0〜3dB)のものが用
いられる。
【0013】図2は音響加振装置9の平面図、図3は音
響加振装置9の斜視図である。この音響加振装置9で
は、筐体9aにスピーカ(ツィータ)10およびスピー
カ(ホーンスピーカ)10aの二つの音源が取り付けら
れている。スピーカ10は、動翼3への加振周波数が高
周波域のときに用いられ、スピーカ10aは、動翼3へ
の加振周波数が低周波域のときに用いられる。ただし、
計測手段7の出力信号により作動するのは、スピーカ1
0およびスピーカ10aの何れか一方であり、各種スイ
ッチ等によって一方が選択される。
【0014】スピーカ10としては、例えば、定格入
力:50W(8Ω)、音圧レベル:108dB(1W、
1mにて)、周波数帯域:5k〜40kHzのものが用
いられる。スピーカ10aとしては、例えば、定格入
力:70W(16Ω)、音圧レベル:110dB(1
W、1mにて)、周波数帯域:150〜6kHzのもの
が用いられる。
【0015】図3に示すように、筐体9aは、ボックス
状であって、スピーカ10、10aを設置すべき二つの
側面14、15に、音出口14a、15aが設けられる
とともに、これら側面14、15以外を開放した簡単な
構造が用いられる。そして、スピーカ10、10aは、
音出口14a、15aの位置に合わせて板材14、15
にそれぞれ取り付けられる。なお、筐体9aの下面や側
面には、ゴム等の弾性部材が緩衝材として適宜取り付け
られている。
【0016】スピーカ10の前面側に取り付けられるノ
ズル11は、炭素鋼からなる円筒状の胴部12と、同じ
く炭素鋼からなり先端に向けて内径をテーパ状に縮小し
た先端部13とで構成され、両者間を六角穴付ボルト等
で締結して設けられる。このノズル11の寸法は、例え
ばφ60×250mm、重量約10kgである。ノズル
11は、筐体9aの側面14、15に着脱可能であり、
使用されるスピーカ10、10aの何れか前方側に選択
的に取り付けられる。なお、筐体9aへの取付も、六角
穴付ボルト等が用いられる。なお、ノズル11(胴部1
2、先端部13)を、炭素鋼に代えて、各種金属や合成
樹脂などで形成してもよい。
【0017】そして、音響加振装置9は、計測手段7か
らの信号によりスピーカ10を作動させ、所定周波数の
音波を動翼3に当てることにより、動翼3に対して非接
触で加振する。その音圧は、110dB以上(〜50K
Hz)に設定されている。なお、スピーカ10に代え
て、スピーカ10aを使用するときには、スピーカ10
aが動翼3に向くように筐体9aの向きを回動させるも
のであるが、この筐体9aの回動を各種駆動装置で制御
してもよい。
【0018】また、スピーカ10が作動する際、その前
面側にノズル11が取り付けられているので、スピーカ
からの音波はノズル11内を通って先端部13から発せ
られる。ここで、ノズル11は、先端部13の開口径が
縮小しているため、音波を収束させてから動翼3に当て
るようにしている。そして、ノズル11の全長を音波の
周波数に対応させると、ノズル11内で気柱振動を生じ
させ、大きな振動を発生させることが可能となる。これ
によって、スピーカ10の音量を上げることなく動翼3
を効率よく加振でき、特に、高周波域でも動翼3を十分
に加振させることができる。
【0019】なお、スピーカから発せられる音波の周波
数が異なると、必要とされるノズル11の全長も異な
る。従って、予め全長の異なる複数のノズル11を形成
しておき、この中から対応するノズル11をスピーカ1
0、10aの前面側に付け替えて使用することが必要と
なる。このようなノズル11の付け替え作業は、ロボッ
トアーム等により行うようにしてもよい。なお、ノズル
11を用いるか否かは任意であり、スピーカ10、10
aのみで動翼3を十分加振できるときには、ノズル11
を取り付ける必要はない。
【0020】図4及び図5は、ノズル11に代わるノズ
ル11a、11bの平面図である。図4のノズル11a
は、胴部12と先端部13との間にエルボ16(管継
手)が設置されている。従って、このノズル11aで
は、先端部13の向きが胴部12の長手方向から略直角
に曲げられて構成されている。なお、エルボ16と、胴
部12および先端部13との間は、六角穴付ボルト等に
より締結されている。
【0021】そして、エルボ16が設置されることによ
り、スピーカ10と動翼3とを向き合わせる必要がな
い。例えば、動翼3が水平状態で設置されている場合で
は、先端部13を上(下)向きにしてノズル11aを使
用すれば、音響加振装置9の設置位置を変えずに対応で
きる。このノズル11aは、形状の異なるエルボ16に
交換することにより、先端部13の向きを胴部12の長
手方向から任意に設定できることになる。なお、接続部
16は、胴部12等と同様に炭素鋼で形成されるが、こ
れに限定されない。さらに、接続部16を例えばフレキ
シブルホースや蛇腹部で形成すれば、接続部16を取り
替えることなく先端部13の向きを任意に変更できるも
のとなる。
【0022】図5のノズル11bは、その全長を変更可
能に構成されたもので、胴部17と、この胴部17の外
周面を摺動する筒状部19を備えた先端部18とで構成
されている。従って、先端部18を胴部17に対して移
動させることにより、全長の伸縮が可能となる。これに
より、スピーカ10等からの音波の周波数を変更する場
合に、先端部18を移動させるだけでノズル11bの全
長を変更でき、ノズルの付け替えを要しない。なお、胴
部17と筒状部19との間は、任意の固定手段で固定さ
れる。
【0023】ただし、ノズル11bの全長を伸縮させる
構成として、図5に示すものに限定されない。例えば、
筒状部19を胴部17の内側に嵌め込む構成としてもよ
く、さらに、図2に示すノズル11の胴部12の一部
に、伸縮可能な蛇腹部を設けることにより、先端部13
を胴部12の長手方向に移動自在としたものであっても
よい。
【0024】このように、本発明に係る振動応力分布計
測装置では、加振手段8である音響加振装置9が動翼3
を非接触で加震するため、歪ゲージ5からの歪信号や、
変位計6からの変位信号が、加振系や固定治具等を含ん
だ全体系の影響を受けることはない。従って、後述する
計測手段7において歪信号や変位信号から、振動応力を
正確に計測することが可能となっている。
【0025】さらに、音響加振装置9の音源として、高
周波域用のスピーカ10および低周波域用のスピーカ1
0aといった二つの(複数の)音源が取り付けられてい
るので、周波数帯域の異なる音源を用いることにより、
低周波域から高周波域までの広範囲の周波数において振
動応力を計測することが可能となる。
【0026】図6は、計測手段7の説明図である。計測
手段7は、動歪計20と、チャンネルセレクタ21と、
周波数応答解析装置22と、コントローラ23とで構成
される。動歪計20は、複数のチャンネル(30チャン
ネル程)20a、20b、20c・・・を有しており、
これらチャンネルごとに各歪ゲージ5からの歪信号が入
力される。
【0027】チャンネルセレクタ21は、後述する周波
数応答解析装置22からチャンネルの指定信号が入力さ
れることにより、動歪計20のチャンネルの切り替えを
行い、そのチャンネルに対応する歪ゲージ5の歪信号を
周波数応答解析装置22に出力する。周波数応答解析装
置22は、音響加振装置9に出力するとともに、チャン
ネルセレクタ21で選んだ歪ゲージ5からの歪信号と、
変位計6からの変位信号とが入力される。コントローラ
23は、制御部23aおよび記憶部23b、出力部8c
を備え、周波数応答解析装置22に接続されている。
【0028】周波数応答解析装置22は、次のように作
動する。 音響加振装置9に、動翼3を加振するよう出力し、
かつ、位相の微調整により加振されている動翼3の共振
周波数を検出する。 音響加振装置9に、共振周波数の正弦波を動翼3に
印加させるように信号を出力する。 この正弦波の変化量が、チャンネルセレクタ21で
選択された歪ゲージ5からの歪信号と、変位計6からの
変位信号として入力され、この歪信号と変位信号の波形
から、高調波成分、分調波成分、さらにはランダムなノ
イズを除去して、平均化された振幅及び位相からなる振
動応力を計測する。この振動応力は、コントローラ23
の制御部23aによって記憶部23bに適宜記憶される
とともに、出力部23cに出力可能となる。
【0029】上記において、振動応力データの算出手
法としては、歪信号と変位信号に対して、単一正弦波相
関法によるN回積分の波形解析が採用される。これによ
り、歪出力値と応答信号の波形から、高調波成分、分調
波成分、さらにはランダムなノイズを除去して、平均化
された振幅及び位相を算出することが可能となる。
【0030】この単一正弦波相関法を簡単に説明する。
先ず、 y(t):被測定系からの出力 x(t):SINω1t ω1:2π×測定周波数 とすると、
【数1】 を得る。(ただし、N:積分回数、T=2π/ω1) そして、τ=NTーtと変数変換を行うとともに、
【数2】 を考慮すると、
【数3】 となり、畳み込み積分の形になる。すなわち、h(τ)は
インパルス応答を表しており、その周波数領域における
特性はフーリエ変換(H1(ω))によって与えられ、こ
のフイルターのゲイン特性を求めると、
【数4】 となる。同様にして、COSω1tを掛けて積分した場合の
フィルターのゲイン特性|H2(ω)|は、
【数5】 となる。これらゲイン特性|H1(ω)|、及び|H2(ω)
|は、ω/ω1=1(基本波)において1(0dB)と
なることが知られている。従って、
【数6】 であり、高周波成分はN(積分回数)に関わらず理論的
に0となる(正確には、高調波成分のフーリエ係数が0
となる。)。また、分調波の場合は、
【数7】 となる。ただし、N=Rn(Rは整数) このように、単一正弦波相関法によるN回積分の波形解
析により、周波数成分から高調波成分、分調波成分、さ
らにはランダムなノイズが除去されることが理解でき
る。
【0031】本発明では、図7に示すように、高調波、
分調波及びランダムなノイズが混入した歪信号y
1(t)、変位信号y2(t)が周波数応答解析装置22に入
力される。これら歪信号y1(t)、応答信号y2(t)を、
単一正弦波相関法に基づいて、上記したフィルター|H
1(ω)|及び|H2(ω)|に通過させることにより、それ
ぞれの値は、動翼3に印加された共振周波数(x(t)=
SINω1t)に同期したy1(t)、y2(t)の成分、
【数8】 となる。従って、図8および図9に示すように、平均化
された振幅r=r2/r1と、位相θ=θ2ーθ1が算出さ
れる。すなわち、歪信号と変位信号の波形から、高調波
成分、分調波成分、さらにはランダムなノイズが除去さ
れて、平均化された振幅及び位相が算出される。
【0032】続いて、本発明に係る振動応力計測装置の
作動を説明する。先ず、周波数応答解析装置22からの
出力に基づいて、音響加振装置9は、音波の周波数を低
周波から高周波まで変化せしめて動翼3の共振点を検出
した後、この共振周波数で動翼3を加振する。次いで、
コントローラ23の制御部23aからの信号に基づき、
チャンネルセレクタ21へチャンネルの指定信号が送信
されることにより、対応する歪ゲージ5から動歪計20
を介して周波数応答解析装置22に歪信号が入力され
る。また、変位計6から変位信号が周波数応答解析装置
22に入力される。
【0033】そして、周波数応答解析装置22におい
て、単一正弦波相関法によるN回積分の波形解析によ
り、歪信号と変位信号の波形から高調波成分、分調波成
分、さらにはランダムなノイズが除去され、平均化され
た振幅及び位相からなる振動応力が計測される。ここ
で、歪信号は位相情報が得られるので、正負符号が付け
られた数値となる。この振動応力は、コントローラ23
の記憶部23bに記憶される。
【0034】このような動作が、チャンネルセレクタ2
1の切り替え操作により他の歪ゲージ5においても行わ
れる。そして、各歪ゲージ5から得られた歪信号と、変
位計6からの変位信号とが周波数応答解析装置22に随
時入力されていくことにより、記憶部23bに正負符号
の付いた振動応力が記憶されていく。さらに、高精度の
振動応力分布を得るために、スピーカ10aを使用した
低周波領域と、スピーカ10を使用した高周波領域とに
分けて計測を行っていく。以上のような手順により、動
翼3の振動応力が計測され、これに基づいて振動応力分
布が解析される。
【0035】従って、周波数応答解析装置22は、歪ゲ
ージ5から入力される歪信号と、変位計6から入力され
る変位信号の波形を解析する演算手法として単一正弦波
相関法が採用され、この単一正弦波相関法によるN回積
分の波形解析により歪出力値と応答信号の波形から高調
波成分、分調波成分、さらにはランダムなノイズが除去
され、平均化された振幅及び位相を算出することができ
る。
【0036】また、動翼3の翼面に複数貼付された歪ゲ
ージ5から得られる歪信号を、チャンネルセレクタ21
の切り替え操作により周波数応答解析装置22に随時入
力していくことができるので、多数の歪ゲージ5からの
歪信号を容易かつ確実に周波数応答解析装置22に入力
させることが可能となる。
【0037】なお、この実施の形態では、供試体として
動翼3が用いられるが、これに代えて、例えば静翼や他
の部材を供試体として用い、振動応力を計測する場合で
あっても同様に行うことができる。
【0038】
【発明の効果】本発明に係る振動応力計測装置によれ
ば、以下のような効果を奏する。 (1) 供試体の加振手段として、供試体を非接触状態
で加振する音源を備えた音響加振装置が用いられるの
で、歪ゲージからの歪信号や、変位計からの変位信号
に、加振系や固定治具等を含んだ全体系の影響を与え
ず、これら歪信号や変位信号の波形解析を行うことによ
り、振動応力分布を正確に計測できる。 (2) 音響加振装置が、供試体から離れて設置される
ので、この音響加振装置を架台等に組み込む必要がな
く、装置を容易に構成できる。 (3) 音響加振装置が、供試体を加振する周波数領域
に応じて、複数の音源の中から一の音源を選択可能とし
たものでは、周波数帯域の異なる音源を用いることによ
り、低周波域から高周波域まで広範囲の周波数で供試体
を加振でき、広範囲な周波数に基づく振動応力を計測で
きる。 (4) 音響加振装置の音源の前面側に、供試体に向け
てノズルが取り付けられたものでは、音源からの音波に
よりノズル内で気柱振動を生じさせ、ノズル先端からの
振動が大きくなるので、音源からの音量を上げることな
く、供試体を効率よく加振でき、特に、高周波域でも供
試体を十分に加震できる。 (5) ノズルが、音響加振装置に接続する胴部の長手
方向に対して、先端部の向きを傾けて構成されるもので
は、供試体に対して音源自体を向ける必要がなく、音響
加振装置の設置位置はそのままで、ノズルの先端部を供
試体に向けることができ、音響加振装置の設置位置に任
意性を付与できる。 (6) ノズルが、音源からの周波数に応じてその全長
を変更可能に構成されるものでは、音波の周波数を変え
たときでも、その周波数に対応して、気柱振動を有効に
発生させる全長に調節すれば、ノズルを付け替える手間
がなくなり、取扱性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る振動応力計測装置の実施形態を
示すブロック図を併記した正面図である。
【図2】 図1の音響加振装置の平面図である。
【図3】 図1の音響加振装置の斜視図である。
【図4】 図1のノズルに代わるノズルの例を示す平面
図である。
【図5】 図1のノズルに代わる他のノズルの例を示す
平面図である。
【図6】 図1の計測手段の概略構成を示すブロック図
である。
【図7】 周波数応答解析装置と供試体との間の信号を
示すブロック図である。
【図8】 歪信号と変位信号の位相関係により得られる
グラフのモデル図である。
【図9】 平均化された歪出力値と応答信号の位相差に
より得られるグラフのモデル図である。
【図10】 従来の振動応力分布計測装置を示す概略図
である。
【符号の説明】
3 動翼(供試体) 5 歪ゲージ(歪計) 6 変位計 7 計測手段 8 加振手段 9 音響加振装置 10、10a スピーカ(音源) 11、11a、11b ノズル 12 胴部 13 先端部

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 供試体(3)を加振させる加振手段
    (8)を備え、当該供試体に対する歪計(5)および変
    位計(6)からの歪信号および変位信号に基づいて供試
    体の振動応力を計測する計測手段(7)を備えた振動応
    力計測装置において、 前記加振手段として、前記供試体を非接触状態で加震す
    る音源(10,10a)を備えた音響加振装置(9)が
    用いられることを特徴とする振動応力計測装置。
  2. 【請求項2】 音響加振装置は、供試体を加振する周波
    数領域に応じて、複数の音源の中から一の音源を選択可
    能としたことを特徴とする請求項1記載の振動応力計測
    装置。
  3. 【請求項3】 音響加振装置の音源の前面側に、供試体
    に向けてノズル(11,11a,11b)が取り付けら
    れることを特徴とする請求項1または2記載の振動応力
    計測装置。
  4. 【請求項4】 ノズルは、音響加振装置に接続する胴部
    の長手方向に対して、先端部の向きを傾けて構成される
    ことを特徴とする請求項3記載の振動応力計測装置。
  5. 【請求項5】 ノズルは、音源からの周波数に応じてそ
    の全長を変更可能に構成されることを特徴とする請求項
    3記載の振動応力計測装置。
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