JP2000107157A - 酸素飽和度測定装置 - Google Patents

酸素飽和度測定装置

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JP2000107157A JP10294683A JP29468398A JP2000107157A JP 2000107157 A JP2000107157 A JP 2000107157A JP 10294683 A JP10294683 A JP 10294683A JP 29468398 A JP29468398 A JP 29468398A JP 2000107157 A JP2000107157 A JP 2000107157A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体組織中の動脈血、静脈血を合わせた血液
の酸素飽和度を精度良く測定すること。 【解決手段】 受光部3は、光源部2からの2波長の光
を生体組織を介して受け取るとこれを電気信号に変換す
る。この信号は、アナログ信号処理部6、A/D変換部
7を経てデジタルコンピュータ8に入力される。デジタ
ルコンピュータ8はこの信号により生体組織による吸光
度をそれぞれの波長について求める。一方、操作者は、
被験者に息ごらえ等をさせて測定部位の血液量を変化さ
せる。デジタルコンピュータ8はこの変化に対応した吸
光度の変化を検出し、これに基づいて動脈血及び静脈血
からなる生体組織中の血液の酸素飽和度を計算する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、生体組織中の血液
の酸素飽和度を測定する酸素飽和度測定装置に関する。
【0002】
【従来の技術】動脈血と静脈血が混在した生体組織中の
血液の酸素飽和度は、これにより酸素摂取率の概略値が
分かり、また酸素消費量を求めるための重要な値であ
る。このような酸素飽和度を求める方法には、従来より
主として次の方法がある。 (1)生体組織中の血液を圧排した時、その生体組織に
ついて異なる2つの波長の光の吸光度を記憶しておき、
圧迫を解除してその時の吸光度から記憶した吸光度を差
し引き、酸素飽和度を求める方法。 (2)近接した3つの波長の光の生体組織による吸光度
を測定し、各波長について成り立つ所定の理論式に測定
値を代入し、これらの式により血液のない生体組織の吸
光度を除外し、酸素飽和度を求める方法。 (3)血液の無い生体組織に見立てた散乱・吸光板を用
いて血液の吸光度を測定し、これにより酸素飽和度を求
める方法。 (4)光の拡散方程式の近似解から吸収係数を求めて酸
素飽和度を求める方法。
【0003】しかし、これらの方法はそれぞれ問題を持
っている。(1)の方法は、センサを圧迫して血液を圧
排できる部位では良いが、脊髄などのように、圧をかけ
られない部位には使用できない。また、圧迫は行ない得
ても腹や前腕などのように、適切に血液を排除できない
部位には使用できない。さらに、圧迫により組織の光学
特性が変化して、血液を除く組織の吸光度が適切に除去
できない部位にも使用できない。(2)の方法は、3つ
の近接した波長における血液を除く組織の吸光度が等し
いという条件が必要であり、この条件がずれると誤差が
大きくなる問題がある。(3)の方法は、いかなる部位
でも、いかなる被験者にも当てはまる血液の無い組織の
吸光度を示す散乱・吸光板は実際には得られない。
(4)の方法は、その近似解を用いて作成した装置によ
り求めた酸素飽和度は、誤差が大きく、実際に組織から
採血して得られた血液の酸素飽和度と大きな違いが生じ
ることがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように従来の方法
により酸素飽和度を測定すると、センサの取り付け部位
が限られたり、測定誤差が大きくて実用的でないなどの
問題点があった。
【0005】本発明はこのような従来の問題点を解決す
るためになされたもので、その目的は、動脈血および静
脈血から成る組織中の混合の血液の酸素飽和度測定を精
度良く行うことができ、測定部位が特定の箇所に限定さ
れることなく測定できることである。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1に係る装置は、
波長が異なる複数種の光を生体組織に照射する光源部
と、この光源部からの光を前記生体組織を介して受け取
り電気信号に変換する受光部と、この受光部の出力信号
に基づき各波長について前記生体組織による吸光度を求
める吸光度検出手段と、この吸光度検出手段が求めた各
波長の吸光度において、動脈血の脈動による吸光度差よ
りも大きい吸光度差が生じる各波長に共通の2時点を設
定する2時点設定手段と、前記吸光度検出手段が求めた
各波長の吸光度における、前記2時点設定手段が設定し
た2時点の吸光度差に基づいて、前記生体組織中の血液
の酸素飽和度を求める酸素飽和度検出手段とを具備す
る。
【0007】このように構成された装置を使用する場
合、操作者は例えば被験者に息ごらえを行うように指示
して測定部位の血液量を変化させる。2時点設定手段
は、動脈血の脈動による吸光度差よりも大きい吸光度差
が生じる各波長に共通の2時点を設定する。酸素飽和度
検出手段は、2時点設定手段が設定した2時点の吸光度
差に基づいて、前記生体組織中の血液の酸素飽和度を求
める。
【0008】請求項2に係る装置は、波長が異なる複数
種の光を生体組織に照射する光源部と、この光源部から
の光を前記生体組織を介して受け取り電気信号に変換す
る受光部と、この受光部の出力信号に基づき各波長につ
いて前記生体組織による吸光度を求める吸光度検出手段
と、前記生体組織の血液量に変動を生じさせる処置がと
られること又はとられたことを指示するための手段であ
り操作によりその旨の指示信号を出力する指示手段と、
この指示手段から指示信号が出力された時点に基づいて
2時点を設定する2時点設定手段と、前記吸光度検出手
段が求めた各波長の吸光度における、前記2時点設定手
段が設定した2時点の吸光度差に基づいて、前記生体組
織中の血液の酸素飽和度を求める酸素飽和度検出手段と
を具備する。
【0009】本装置を使用する場合においても、上記の
装置と同様にして測定部位の血液量を変化させる。ただ
し操作者は、指示手段を操作してその変化を生じさせる
処置がとられること又はとられたことを装置に知らせて
おく。2時点設定手段は、指示手段から指示信号が出力
された時点に基づいて2時点を設定する。酸素飽和度検
出手段は、2時点設定手段が設定した2時点の吸光度差
に基づいて酸素飽和度を求める。
【0010】
【発明の実施の形態】まず、本実施の形態の原理的説明
を行なう。例として、生体組織に2つの波長の光を照射
し、それぞれの波長について生体組織の吸光度を測定
し、これに基づいて酸素飽和度を求める方法を説明す
る。
【0011】時刻tにおける波長λ1 の吸光度Aλ1(t)
は、入射光強度をI0λ1 、受光散乱光強度を Iλ1(t)と
すれば、ランバート−ベールの法則により次式で表され
る。 Aλ1(t)=log{I0λ1/ Iλ1(t)} (1) ここで、血液の吸光度をAbλ1(t)、血液以外の生体組織
の吸光度をAtλ1(t)とすると、 Aλ1(t)=Abλ1(t)+Atλ1(t) =εHbO2λ1 ・CHbO2(t) ・L+εHbλ1 ・CHb(t) ・L+Atλ1(t) (2) である。この(2)式において、εHbO2λ1 は波長λ1
の酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数、εHbλ1 は波長
λ1 の脱酸素化ヘモグロビンのモル吸光係数、CHbO2
(t) は時刻tにおける酸素化ヘモグロビンの量、CHb
(t) は時刻tにおける脱酸素化ヘモグロビンの量、Lは
平均光路長を示している。平均光路長Lは、図7に示す
ように、光がある点Aに入射されると、他の点Bに至る
まで種々の光路を採るがそれらの光路の長さの平均値で
ある。
【0012】時刻t1,t2 における吸光度の差ΔAλ1 は
(1)式より次のようになる。 ΔAλ1 =Aλ1(t2) −Aλ1(t1) ={logI0λ1 −logIλ1(t2)}−{logI0λ1 −logIλ1(t1)} =logIλ1(t1) −logIλ1(t2) (3) 一方、(2)式よりΔAλ1 は次のようになる。 ΔAλ1 =Aλ1(t2) −Aλ1(t1) ={εHbO2λ1 ・CHbO2(t2)・L+εHbλ1 ・CHb(t2)・L +Atλ1(t2) }−{εHbO2λ1 ・CHbO2(t1)・L +εHbλ1 ・CHb(t1)・L+Atλ1(t1) } ここで、血液以外の生体組織の吸光度Atλ1(t)は短時間
には変化しないので、Atλ1(t2) =Atλ1(t1) であるか
ら、次式が成立する。 ΔAλ1 =εHbO2λ1 ・ΔCHbO2・L+εHbλ1 ・ΔCHb・L (4) ここで、ΔCHbO2は時刻t1からt2の間の酸素化ヘモグロ
ビンの変化量であり、ΔCHbO2=CHbO2(t2)−CHbO2(t
1)である。また、ΔCHbは時刻t1からt2の間の脱酸素化
ヘモグロビンの変化量であり、ΔCHb=CHb(t2)−CHb
(t1)である。
【0013】(3)式、(4)式より時刻t1,t2 におけ
る吸光度の差ΔAλ1 は次式により表される。 ΔAλ1 =logIλ1(t1) −logIλ1(t2) =εHbO2λ1 ・ΔCHbO2・L+εHbλ1 ・ΔCHb・L (5) 同様にして時刻t1,t2 における波長λ2 の吸光度の差Δ
Aλ2 は次式により表される。 ΔAλ2 =logIλ2(t1) −logIλ2(t2) =εHbO2λ2 ・ΔCHbO2・L+εHbλ2 ・ΔCHb・L (6) ここで、 Iλ2(t)は、波長λ2 の時刻tにおける受光散
乱光強度、εHbO2λ2 は波長λ2 の酸素化ヘモグロビン
のモル吸光係数、εHbλ2 は波長λ2 の脱酸素化ヘモグ
ロビンのモル吸光係数を示している。図5に2つの波長
λ1 、λ2 の吸光度Aλ1(t)、Aλ2(t)と、2時点t1、
t2の吸光度差ΔAλ1 、ΔAλ2 の一例を示す。
【0014】2時点t1、t2のlogIλ1 、logIλ2 を測定
すればΔAλ1 、ΔAλ2 が求められ、このΔAλ1 、
ΔAλ2 を(5)式および(6)式に代入した式によれ
ば、εHbO2λ1 、εHbO2λ2 、εHbλ1 、εHbλ2 、は
既知であるから2つの未知数ΔCHbO2・L、ΔCHb・L
を求めることができる。そしてこれらが求められるなら
ば、次式の関係により生体組織中の酸素飽和度SO2 を
求めることができる。 SO2 =CHbO2/(CHbO2+CHb)×100 % =ΔCHbO2/(ΔCHbO2+ΔCHb)×100 % =ΔCHbO2・L/(ΔCHbO2+ΔCHb)・L×100 % =ΔCHbO2・L/(ΔCHbO2・L+ΔCHb・L)×100 % (7)
【0015】生体組織の血液量が変化すれば、このよう
に酸素飽和度を求めることができる。パルスオキシメー
タは動脈血の脈動による血液量の変化から酸素飽和度を
測定している。すなわちパルスオキシメータは動脈血の
脈動の周期、変化量の大きさをある程度想定して作られ
たものである。例えば動脈血の脈動の周期に対応したフ
ィルタを用いてその変化を取り出すようにしている。し
かし、これによれば動脈血の酸素飽和度しか検出するこ
とができない。したがって組織中の混合の血液の酸素飽
和度を測定することはできない。人体の血液はその75
%が静脈系にあるとされている。このため組織中の混合
の血液の酸素飽和度はパルスオキシメータによって測定
することはできない。
【0016】そこで、何等かの手段を講じて意図的に計
測部位の血液量を変化させることにする。例えばバルサ
ルバ試験(息ごらえ試験)を被験者に行なわせたり、測
定部位の上下への位置変更を行なったり、測定部位近傍
を圧迫、解除するなどすれば測定部位の全血液量を変化
させることができる。この変化は図5の一部拡大図に示
す動脈血の脈動による変化よりもはるかに大きいものと
する。
【0017】この第1の実施の形態の装置は、被験者の
測定部位の血液量に上記のような変化が生じたときに、
この変化を装置自身が検出して測定を行なうものであ
る。以下、詳細にこの装置について説明する。
【0018】図1に示すようにプローブ1は、光源部2
と受光部3とから成っている。光源部2は、2つの波長
λ1 、λ2 の光をそれぞれ発する光源、例えば2つのL
EDから構成されている。受光部3は光を受けるとこれ
を電気信号に変換するもので、例えばフォトダイオード
から構成されている。光源部2と受光部3は同一方向に
向けられ、ハウジング4に固定されている。
【0019】光源駆動部5は、光源部2の2つの光源を
駆動するものである。アナログ信号処理回路6は、受光
部3の出力に対し電流/電圧変換、サンプリングアンド
ホールド等の処理を行なうものである。A/D変換部7
は、アナログ信号処理回路6が処理した信号をデジタル
信号に変換するものである。
【0020】デジタルコンピュータ8は、A/D変換部
7から与えられる信号を処理するとともに、各部を制御
するものである。デジタルコンピュータ8は、外部との
信号の授受を行なう入出力インターフェイス9、演算、
制御を行なうCPU(中央処理装置)10、CPU10
が行なう処理のプログラムや、この処理の過程で必要な
データを記憶するメモリ11、データを表示する表示器
12、表示器12を制御する表示コントローラ13、こ
れらを接続するシステムバス14を備えている。図2
(a)は、デジタルコンピュータ8が行なう処理のフロ
ーチャートである。
【0021】次にこのように構成された装置の動作を説
明する。まず、本装置の電源をオンとしデジタルコンピ
ュータ8の動作を開始させる。デジタルコンピュータ8
は、光源駆動部5を動作させ、光源部2の2つの光源を
交互に点滅させる。この光は生体組織に照射され、受光
部3に至る。
【0022】受光部3の出力信号はアナログ信号処理部
6で処理され、A/D変換部7でデジタル信号に変換さ
れ、デジタルコンピュータ8に至る。次にデジタルコン
ピュータ8が行なう処理を図2(a)を参照して説明す
る。図2(a)は、必要なデータを全部取り込んだ後、
そのデータを処理する方式のものである。
【0023】操作者はデジタルコンピュータ8の動作を
開始させた後、しばらくして被験者に息ごらえをするよ
うに指示する。デジタルコンピュータ8は、動作開始と
なるとA/D変換部7からの信号、すなわち光強度デー
タIλ1 (t) 、Iλ2(t)の取り込みを開始している。被
験者が息ごらえを行なうと、測定部位の生体組織中の血
液が増加する。この息ごらえが終了すると操作者は図示
せぬ入力手段によりその旨をデジタルコンピュータ8に
指示する。これにより、デジタルコンピュータ8は、A
/D変換部7からの信号の取り込みを終了する(ステッ
プ101)。
【0024】次に、取り込んだデータIλ1 (t) 、Iλ
2(t)を対数変換して波長λ1 、λ2それぞれについての
吸光度Aλ1(t)、Aλ2(t)を求める(ステップ10
2)。このため図5に示すように吸光度Aλ1(t)、Aλ
2(t)は、息ごらえのところで変化している。
【0025】次に、一方の波長λ1 の吸光度Aλ1(t)に
ついて、動脈血の脈動より大きい所定の吸光度差が生じ
ているかを検出する(ステップ103)。例えば図6に
示すように吸光度Aλ1(t)のデータ上を、間隔が所定時
間taの2時点を最初のデータから移動させていき、その
2時点の吸光度の差が動脈血の脈動より大きい設定値A
d1となるか否かを検出する。これを最後のデータまで調
べてそのような設定値Ad1とならない場合は、所定の吸
光度差が生じていないとしてこの処理を終了する。設定
値Ad1となった時、所定の吸光度差が生じていると判断
し、この2時点t1、t2を記憶する(ステップ104)。
次に吸光度Aλ2(t)のデータについて、この2時点t1、
t2の吸光度Aλ2(t)の差Ad2を求める(ステップ10
5)。この時、Ad1、Ad2が(5)式、(6)式のΔA
λ1 、ΔAλ2 に代入すべき吸光度の差の測定値であ
る。Ad2が決定されるなら(この場合Ad1は既にわかっ
ている)、酸素飽和度SO2 が求められるように、
(5)、(6)、(7)式から予め作成した計算式を用
意しておく。したがってAd2が求められると、その計算
式にAd2を代入して酸素飽和度SO2 を求める(ステッ
プ106)。そしてこの結果を表示器12の画面に表示
する(ステップ107)。
【0026】以上は必要な光強度データIλ1 (t) 、I
λ2(t)を全て取り込んだ後、このデータを処理して酸素
飽和度SO2 を求める方式である。これに対し、図2
(b)に示すフローチャートのようにリアルタイムでデ
ータを処理しても良い。すなわち、光の強度Iλ1 (t)
、Iλ2(t)を単位時間毎に取り込み(ステップ20
1)、これらを直ちに対数変換して吸光度Aλ1(t)、A
λ2(t)となし、記憶する(ステップ202)。
【0027】次に吸光度Aλ1(t)に所定の吸光度差が生
じたかを判断する(ステップ203)。ここでは例えば
現時点の吸光度Aλ1(t)と、現時点から所定時間ta前の
時点の吸光度Aλ1(t-ta) との差が動脈の脈動より大き
い設定値Ad1となったか否かを検出する。設定値Ad1と
なっていないならばステップ201に戻る。設定値Ad1
となっているならば、この時点t2とこの時点t2より所定
時間ta前の時点t1を求めてこれらを記憶する(ステップ
204)。次に時点t2における波長λ2 の吸光度Aλ2
(t2) と、時点t1の吸光度Aλ2(t1) との差Ad2を求め
る(ステップ205)。以下のステップ206、207
は図2(a)で説明したステップ106、107と同じ
であるので説明は省略する。
【0028】以上の実施の形態によれば、操作者は被験
者に息ごらえの指示をするのみで、特に操作は不要であ
るので、取り扱いがきわめて簡単である。
【0029】次に第2の実施の形態を説明する。この装
置の構成は図3に示すように、デジタルコンピュータ8
に吸光度データAλ1(t)、Aλ2(t)に変化が生じること
を予め示す指示信号を出力するための指示スイッチ15
を備えている。また、このデジタルコンピュータ8が行
う処理のプログラムは図4(a)のフローチャートのよ
うになっている。他の構成は第1の実施の形態と同じで
ある。
【0030】この装置の動作を説明すると、まず操作者
は本装置の電源をオンとし、デジタルコンピュータ8の
動作を開始させる。このデジタルコンピュータ8の制御
により、光源駆動部5が光源部2の光源を駆動し、この
光源から発した光は生体組織を介して受光部3に至り、
ここで電気信号に変換され、その信号はアナログ信号処
理部6により所定の処理がなされ、A/D変換部7によ
りデジタル信号とされてデジタルコンピュータ8に至る
ことは第1の実施の形態と同じである。
【0031】操作者はデジタルコンピュータ8の動作を
開始させた後、しばらくして被験者に息ごらえをするよ
うに指示する。この指示をする際に操作者は指示スイッ
チを操作する。この操作はその指示をする前でも良い
し、指示の後でも良いが、息ごらえによって血液量が変
化する前に行うようにする。一方、デジタルコンピュー
タ8は、動作開始となるとA/D変換部7からの信号の
取り込みを開始し、開始後しばらくして指示スイッチ1
5から指示信号を受ける。被験者が息ごらえを行なう
と、測定部位の生体組織中の血液が増加する。この息ご
らえが終了すると操作者は図示せぬ入力手段によりその
旨をデジタルコンピュータ8に指示する。これにより、
デジタルコンピュータ8は、A/D変換部7からの信号
の取り込みを終了する。これによりデジタルコンピュー
タ8のメモリ11に光強度データIλ1 (t) 、Iλ2(t)
と指示スイッチから指示信号が出力された時点t1が記憶
される(ステップ301)。
【0032】次に記憶した全部の光強度データIλ1
(t) 、Iλ2(t)を対数変換して吸光度データAλ1(t)、
Aλ2(t)を求める(ステップ302)。次に指示信号発
生の時点t1の吸光度Aλ1(t1) 、Aλ2(t1) と、この時
点t1から所定時間ta経過後の時点t2の吸光度Aλ1(t2)
、Aλ2(t2) の差ΔAλ1 、ΔAλ2 を求める(ステ
ップ303)。すなわちこの時、(5)式、(6)式の
ΔAλ1 、ΔAλ2 に代入すべき吸光度の差が測定され
る。ΔAλ1 、ΔAλ2 が決定されるなら、酸素飽和度
SO2 が求められるように、(5)、(6)、(7)式
から予め作成した計算式を用意しておく。したがってΔ
Aλ1 、ΔAλ2 が求められると、その計算式にΔAλ
1 、ΔAλ2 を代入して酸素飽和度SO2 を求める(ス
テップ304)。そしてこの結果を表示器12の画面に
表示する(ステップ305)。
【0033】上記の所定時間taは、動脈の脈動の周期よ
りもはるかに長い時間に設定している。したがって、息
ごらえにより変化する血液量に対応する吸光度の変化が
捕らえられ、動脈血、静脈血の両方を含む血液の酸素飽
和度を測定することができる。
【0034】以上は必要な光の強度データIλ1 (t) 、
Iλ2(t)と指示信号を全て取り込んだ後、このデータを
処理して酸素飽和度SO2 を求める方式である。これに
対し、図4(b)に示すフローチャートのようにリアル
タイムでデータを処理しても良い。すなわち、指示スイ
ッチ15から指示信号を受け取るまで待つ(ステップ4
01)。指示信号があればその時点t1の光の強度データ
Iλ1 (t1)、Iλ2(t1) を取り込みこれらを直ちに対数
変換して吸光度データAλ1(t1) 、Aλ2(t1)として記
憶する(ステップ402)。
【0035】次に指示信号があってから所定時間ta経過
した時点t2となるまで待つ(ステップ403)。時点t2
となるとこの時点t2の光の強度データIλ1 (t2)、Iλ
2(t2) を取り込みこれらを直ちに対数変換して吸光度デ
ータAλ1(t2) 、Aλ2(t2)として記憶する(ステップ
404)。次に、記憶した時点t1の吸光度Aλ1(t1)、
Aλ2(t1) と、時点t2の吸光度Aλ1(t2) 、Aλ2(t2)
の差ΔAλ1 、ΔAλ1 を求める(ステップ405)。
以後のステップ406、407は図4(a)のステップ
304、305と同じであるので説明は省略する。
【0036】第2の実施の形態によれば、操作者が被験
者の測定部位の血液量を変化させるタイミングを装置に
知らせるので、そのときの吸光度Aλ1(t)、Aλ2(t)の
変化が血液量の変化であることが確実となり、測定精度
の向上を図ることができる。なお、上記の図4(a)
(b)の例ではいずれも指示スイッチ15から、血液量
を変化させる前の時点t1を装置に知らせるようにし、時
点t2については時点t1から所定時間ta経過後としたが、
時点t2も指示スイッチ15から知らせるようにしても良
い。また、時点t1は指示スイッチ15により指示し、そ
の後、吸光度が時点t1のときの値に対しその差が所定値
(動脈血の脈動による変動よりも大きい値)となる時点
を検出し、この時点をt2としても良い。
【0037】以上第1の実施の形態も第2の実施の形態
も息ごらえにより血液量を変化させるようにしたが、こ
れは上記の原理的説明でも述べた他の方法で行っても良
い。また、上記の実施の形態ではいずれも、プローブ1
は、光源部2と受光部3が同一方向に向けられているも
のであったが、これらを対向配置して組織の透過光を受
光するタイプのものでも良い。
【0038】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、生体組織中の
動脈血、静脈血を合わせた血液の酸素飽和度を精度良く
測定することができる。また、測定の際、測定部位が特
定の箇所に限定されることはない。
【0039】請求項2の発明によれば、指示スイッチに
より血液量が変化するタイミングを知らせるようにした
ので、正確にその変化を捕らえることができ、測定精度
の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施の形態の装置の構成を示すブロック
図。
【図2】図1に示した装置の動作を説明するためのフロ
ーチャート。
【図3】第2の実施の形態の装置の構成を示すブロック
図。
【図4】図3に示した装置の動作を説明するためのフロ
ーチャート。
【図5】2つの波長それぞれについての吸光度の変化を
示す図。
【図6】吸光度データから変化が生じた箇所の2時点を
設定するときの動作を説明するための図。
【図7】平均光路長を説明するための図。
【符号の説明】
2 光源部 3 受光部 6 アナログ信号処理部 7 A/D変換部 8 デジタルコンピュータ 15 指示スイッチ

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 波長が異なる複数種の光を生体組織に照
    射する光源部と、 この光源部からの光を前記生体組織を介して受け取り電
    気信号に変換する受光部と、 この受光部の出力信号に基づき各波長について前記生体
    組織による吸光度を求める吸光度検出手段と、 この吸光度検出手段が求めた各波長の吸光度において、
    動脈血の脈動による吸光度差よりも大きい吸光度差が生
    じる各波長に共通の2時点を設定する2時点設定手段
    と、 前記吸光度検出手段が求めた各波長の吸光度における、
    前記2時点設定手段が設定した2時点の吸光度差に基づ
    いて、前記生体組織中の血液の酸素飽和度を求める酸素
    飽和度検出手段と、 を具備することを特徴とする酸素飽和度測定装置。
  2. 【請求項2】 波長が異なる複数種の光を生体組織に照
    射する光源部と、 この光源部からの光を前記生体組織を介して受け取り電
    気信号に変換する受光部と、 この受光部の出力信号に基づき各波長について前記生体
    組織による吸光度を求める吸光度検出手段と、 前記生体組織の血液量に変動を生じさせる処置がとられ
    ること又はとられたことを指示するための手段であり操
    作によりその旨の指示信号を出力する指示手段と、 この指示手段から指示信号が出力された時点に基づいて
    2時点を設定する2時点設定手段と、 前記吸光度検出手段が求めた各波長の吸光度における、
    前記2時点設定手段が設定した2時点の吸光度差に基づ
    いて、前記生体組織中の血液の酸素飽和度を求める酸素
    飽和度検出手段と、を具備することを特徴とする酸素飽
    和度測定装置。
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