JP2004290412A - 血液分析装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】発光素子は、温度や湿度や劣化によって光量が変化する。また、生体には個人差があり、それにより透過光量が増えたり、減ったりする。従来では光量に対してのみの補正であり対策が不十分であった。また、受光部が複数必要になるので、構成が複雑であった。さらには、それぞれの光源に対して計算式が必要なので臨機応変さに欠けていた。
【解決手段】濃度演算時のFFTによる測定パラメータを併用することで、光量の補正を行う。光量の補正は演算回路17からの信号をもとに発光部制御回路19が行う。これにより、複数の受光部を設ける必要がなく経済的である。また、透過光量を見ることにより、温度だけでなく湿度や劣化、個人差などにも対応を可能にした。これにより光源ごとに計算式を用意する必要がなく、計算の精度と安定性があがった。
【選択図】 図6
【解決手段】濃度演算時のFFTによる測定パラメータを併用することで、光量の補正を行う。光量の補正は演算回路17からの信号をもとに発光部制御回路19が行う。これにより、複数の受光部を設ける必要がなく経済的である。また、透過光量を見ることにより、温度だけでなく湿度や劣化、個人差などにも対応を可能にした。これにより光源ごとに計算式を用意する必要がなく、計算の精度と安定性があがった。
【選択図】 図6
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非侵襲で血液中の成分を分析する血液分析装置に関して、とくにその発光部の光量補正に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から採血しないで血液成分を検査する装置としては、例えば動脈血の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターがある。パルスオキシメーターは、指や耳朶などの一方の側から他方へ発光部の光を透過させ、これを受光部で受け取り、演算することで血液成分を分析する装置である。透過光には、動脈の脈動による吸収の変動分とその他の骨や皮膚や静脈による吸収の直流分とで大部分が構成されている。この交流分と直流分をパラメータとして演算することで、血液成分の分析をおこなうことが出来るのである。現在、このような技術を応用して様々な血液成分を非侵襲で測定する研究がなされている。このうち、発光部の発光素子には様々な問題が生じている。
【0003】
一般的に発光部で使用される発光ダイオードや半導体レーザというものは、常に一定の発光をし続けるわけではない。即ち、発光素子の光量が変化してしまう問題がある。これを解決しようとした従来例がある(例えば、特許文献1参照。)。これは発光部として発光ダイオードを用いた例である。発光ダイオードは温度によりその光量が変化するので、これが光量不足となった場合には測定不能になることが考えられる。また、そうでなくとも光源の光量が、著しく大きくなることや、小さくなることで増幅器の非線形領域で増幅することになり、測定精度が著しく低下することが考えられる。これを解決しようとするものである。
【0004】
特許文献1にある構造は、発光素子と受光素子を使ったもので一般的な光センサであるが、受光素子をふたつ使用している。一つ目の受光素子は、一般的な光センサ同様に発光素子と対向した位置に、非検体を挟んで置かれている。二つ目の受光素子は、発光素子の近傍に置かれている。この二つ目の受光素子により発光素子の光量を直接検出し、光量補正を行うのものである。
【0005】
二つ目の受光素子を発光素子の近傍に置くことで、発光素子の光を直接受光する。受光された光は、電圧値に変換される。あらかじめ、ある温度における受光電圧と発光素子の電流値との関係を求めておき、そして、実際に受光した電圧値が設定した電圧値になっているかどうかを比較し、それよりも大きい場合には先ほどの関係に基づいて発光素子への電流値を補正し、小さい場合も同様に補正する。こうして、発光素子の温度変化に伴う光量の変化を補正して、発光素子に流れる電流を制御するのである。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−295542号公報 (第1図、第2図、第1頁〜第3頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光センサを使用することで温度に対しての光量変化を補正することができるが、発光素子、例えば発光ダイオードなどは温度に対してのみ光量が変化するのではなく、他にも湿度や寿命などによる劣化が考えられる。また、非検体である生体、例えば指などは個人差があり、指の太さや血液成分のにごり(高脂血症)などによって、透過光が変わってくる。即ち、ある人が測定してうまく光が透過できても、他の人でうまく光が透過するとは限らないのである。これにより、光量不足になって測定不能になることも考えられる。受光した透過光は非常に微小な値なので、増幅器などで増幅する必要がある。しかし増幅器は、入力が最大値近傍であったり、最小値近傍であったりすると増幅器特有の非線形特性が表われ入出力の線形関係が失われてしまう。これにより、測定精度が低下する問題がある。即ち、透過光が著しく大きかったり、小かったりすると測定値の信頼性が低くなる。また、ひとつひとつの発光素子の温度と光量との関係は異なるために、計算量も光源が増えるたびに多くなる。さらに、受光部が複数必要になるので、構成が複雑になる。そして、ひとつひとつの光源に対して計算式を使うので臨機応変さに欠けていた。連続監視の観点から述べると、動的に光量を補正して測定するので、前後の測定データとの互換性がなくなる問題がある。これは、光量が変化すると生体での散乱が変化するため、その他のデータと条件が変わってしまうために起こる。また、偶発的に大きなノイズなどが測定データに上乗せされると、発光部への電流を制御する制御部が過度に補正を行ってしまう危険性もあった。
【0008】
〔発明の目的〕
本発明の目的は上記課題を解決し、より高精度で簡単な構成で、安定した分析結果が得られる血液分析装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の構成は、生体を挿入するホルダと、該生体に光を照射する発光部と、前記生体を介して得られる光を受光する受光部と、該発光部の光量を制御する発光部制御回路と、前記受光部からの測定データに基づいて血液成分の濃度を演算し、信号を出力する演算回路と、前記演算回路の演算結果に基づいて表示する表示装置を有する血液分析装置であって、前記演算回路は前記受光部からの測定データに基づいて血液成分の濃度演算に用いる測定パラメータを算出し、前記発光部制御回路は測定パラメータに基づいて前記発光部の光量を制御することを特徴とする。
【0011】
また、前記演算回路は前記測定データに基づいて血液成分の濃度演算に用いる測定パラメータを算出するとともに、該測定パラメータに基づいて前記光量補正データを算出することが好ましい。また、前記演算回路は前記測定データを周波数分解することにより血液成分の濃度演算に用いる直流分測定パラメータと複数の交流分測定パラメータとを算出するとともに、前記直流分測定パラメータと前記交流分測定パラメータに基づいて前記光量補正データを算出しても良い。その時、前記演算回路は、前記直流分測定パラメータと前記交流分測定パラメータから算出する比較基準値との比に、前記発光部に供給している電流値を積算して前記光量補正データを算出するが好ましい。また、前記演算回路は、前記測定データのレベルが所定の範囲外である判断したときに前記光量補正データを出力するのが好ましい。また、前記発光部制御回路は前記光量補正データに基づいて前記発光部への供給電流値を制御することが好ましい。また、前記受光部の出力信号が受光量に対応する電流であり、該電流を電流電圧変換回路で電圧に変換し、該電圧をADコンバータによりディジタル値に変換して前記演算回路にすることが好ましい。更に、前記演算回路は、周波数分解処理により得られる各測定パラメータの少なくとも1つを所定値とを比較して所望の情報を前記表示装置に表示させることが好ましい。
【0012】
〔作用〕
本発明の光量補正システムは、濃度演算時の測定パラメータに基づいて光量を補正することで、別途受光部などを付け加える必要がなく、各発光素子と測定データとの関係をあらかじめ求めておく必要がないので経済的かつ単純である。しかも、発光部の温度、湿度、劣化といったような要因による光量変化の補正を行うとともに、指の太さや生体の内部成分による個人差にも対応して発光部の光量を制御できるので、増幅器の非線形領域を使用しないように制御できる。また、測定データに周波数分解処理を施すことで測定データの構成を明らかにし、これにより求められる測定パラメータを、濃度演算と補正制御信号に併用するので別途あらたな構成が必要なく光量変化の補正を行え、経済的かつ正確で安定的な測定が行えるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態における血液分析装置の概略について、図1、図2を用いて説明する。本発明は糖尿病の診断や検査のための血液分析装置であり、図1の分析装置は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが、血液中のグルコースと結合した割合を測定するものである。図1のホルダ3には、測定部位を入れられる挿入穴があり、図1のように使用者の生体1が入るようにほぼ円筒形状をしている。ホルダ3内の構造は図2に示す通りであり、センサ部を構成している。センサ部は発光部5と受光部7によって構成され、お互いに対向する形で配置される。血液分析装置上面には図1のように電源を入れて演算を開始させる電源ボタン4と、演算結果を表示する表示装置2が設けられている。表示装置2には血糖コントロールの指標となる、ヘモグロビンA1cの分析結果が表示される。
【0014】
本発明の実施形態における血液分析装置のセンサ部構造を図2、図3を用いて説明する。まず挿入穴は図2に示す通り、先端が閉じたほぼ円筒形状のホルダ3からなり、生体1をホルダ3の先端に突当たるように挿入する。ホルダ3内の受光部7の上面には受光フィルタ8が、その反対側の発光部5の上面には拡散板6が備え付けられている。拡散板6は透明なポリスチレン(PS)樹脂やアクリル(PMMA)樹脂を成形したものであり、その奥には図3(a)に示すように発光素子11、12、13が近接して配置されている。発光素子11、12、13は、それぞれのピーク発光波長がλ1、λ2、λ3のチップ型発光ダイオードである。
【0015】
受光フィルタ8は、発光波長λ1、λ2、λ3を透過させるが、その他の蛍光燈や太陽光を減衰させるための光学フィルタであり、挿入穴と生体1との隙間から漏れてくる外来光の影響を少なくしている。また、受光フィルタ8は防塵効果もあり、清掃を簡単に行うことができる。受光フィルタ8の奥には、図3(b)のように受光素子14が配置されている。受光素子14は感度波長範囲に発光波長λ1、λ2、λ3を含んだ感度波長範囲であるフォトダイオードである。
【0016】
本発明の実施形態における血液分析装置の血液成分演算方法について、図4と図11を用いて説明する。図4は、交流分と直流分をわかりやすく説明するために、交流分を拡大したものである。図4の縦軸は測定データ(単位は電圧でmV)で、横軸は時間(単位は0.01秒、つまり100で1秒を表す)である。一般的なパルスオキシメーターは、血液成分の濃度演算を行う際、計算式としてランバート・ベールの法則を利用する。これは次の式(1)で与えられる。
A=LOg{I0(λ)/I(λ)}=Σ{εi(λ)・Ci・D} ・・・(1)
Aは減光度、I0(λ)は入射光、I(λ)は透過光、εi(λ)はi番目の吸光係数、Ciはi番目の物質の濃度、Dは光路長を表している。このように、減光度Aは各成分による減光度の和として表される。血液成分の減光度は、血管が脈動しているために交流成分として扱える。つまり、その他の吸収成分と区別することができる。その他の吸収成分とは、例えば生体ならば、皮膚や爪や組織などの固定吸収成分、即ち直流分である。このようにして減光度Aを直流分と脈動の交流分に分解することで、血液成分の濃度演算を行うことができる。式(1)を透過光I(λ)について解くことで、透過光I(λ)が直流分と交流分で表されることがわかる。ここで、図4の実際に得られる測定データに注目する。測定データが、直流分と交流分で構成されていることがわかる。よって、求める脈動の交流分の情報を得るためには、測定データを周波数分解して、直流分測定パラメータを算出する必要がある。また、装置などで受光した測定データには、交流分として脈動の他にも、電源ノイズであったり、体動であったり、偶発的なノイズなどが重畳されているので、これらの交流成分を分離する必要がある。そのため、先ほどの直流分測定パラメータだけでなく、その他の交流分測定パラメータも算出する必要がある。図11が図4の測定データを50Hzまで周波数分解処理を行った結果のグラフである。図11(a)において、0Hz成分が直流分測定パラメータであり、その他の周波数に出ている実効値が交流分測定パラメータとなる。50Hz付近に実効値が大きくなっているのが見られるのがわかる。これは電源からのノイズである。また、図11(a)の低周波数付近を拡大した図11(b)に注目する。この中で、1Hzより大きく〜2Hzより小さい領域の実効値が脈動であり、0Hzより大きく〜1Hzより小さい領域の実効値が体動成分である。このような周波数分解処理と演算をすることで、測定データのうちわけを明らかにし、血液成分の濃度演算を正確に行うことができる。
【0017】
ここで、発光部5の光量補正の必要性について説明する。発光部5の発光素子として好んで良く使われる発光ダイオードや半導体レーザなどは、発光する場所の環境や使用年月によって光量が変化する。ここでいう場所の環境とは、例えば温度や湿度を意味する。特に湿度などに対しては非常に敏感であり、モールド材などが腐食して、光量が半減することもある。温度に対しても同様であり、特に夏などの気温が上昇するような場合には、光量不足に陥る可能性もある。あらかじめ、光量が多くなるように設計する手法もあるが、この場合逆に冬に発光しすぎる可能性も出てくる。一般的な発光ダイオードの温度特性としては、温度が上がるごとに光量は減少し、温度が下がるごとに光量は増加する。生体1などを扱う場合には、もうひとつ問題が出てくる。これは発光部5による問題というよりも、生体1を透過させることによる問題である。生体1、特に指などに光を当てて透過させる場合には、指にも個人差があるために透過光も人によって変化する。個人差として考えられるのは、指の太さや、血液の純度である。血液の純度は、血漿成分がどの程度の比率で血液中に混在しているかを意味する。高脂血症のような、血液中に脂肪分が多いような場合には、血漿成分比は低い。即ち、指が太いような場合や、血液の血漿成分比が低いような場合には、透過光が著しく少なくなる。逆に、指が細い場合や、血液の血漿成分比が高い場合には、透過光が著しく大きくなるのである。このように、透過光が多すぎたり、少なすぎたりといった状況が起こるのである。
【0018】
透過光の大小の問題は、透過光を増幅する電流電圧変換増幅回路15が原因で起きる。受光部5で得られる透過光の電流値は、数マイクロアンペア程度であって非常に小さい。さらに、分離する交流分などはその100分の1近くにもなる。このような微小な測定データを正確に検出するには、増幅器が必要となる。しかしながら、この電流電圧変換増幅回路15の入出力の関係は必ずしもリニアではなく、図5に示すとおりである。図5の縦軸は増幅後の電圧で出力電圧である。横軸は受光部7の出力信号であり、透過光によって変化する光電流である。V01は入出力の線形性が保てる上限の値であり、線形上限値である。V02は入出力の線形性が保てる下限の値であり、線形下限値である。電流電圧変換増幅回路15の入力である光電流値が線形上限値V01や線形下限値V02を挟んで変化する場合には、出力値がその他のデータと互換性を失う。ここでいう入力とは透過光の値に比例するので透過光が多すぎたり、少なすぎたりすると、互換性がなくなる領域で増幅することになる。このような状況下においては、相互のデータに互換性がなくなり、濃度演算の結果には誤差が生じる。このために、光量の補正が必要となるのである。
【0019】
本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムの回路構成について、図6を用いて説明する。図6は本実施形態である血液分析装置を示すシステム構成図である。まず、図6のマルチコンバータ20は、ある所定の時間間隔で発光素子11、12、13を順次点滅する。この光は、生体1を通過して、透過光となって受光部7の受光素子14で受光される。受光された透過光は、受光素子14により出力信号として電流に変換され、更に電流電圧変換増幅回路15で増幅されて電圧に変化される。電圧に変換された出力信号は、A/Dコンバータ16によってアナログ値からディジタル値に変換する。このような過程を経て、透過光は、ディジタル値の測定データとなり、演算回路17へ伝送される。
【0020】
本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムの具体的なシステムを、図8、図9、図10のフローチャート及び図11を用いて説明する。図8のフローチャートは、本発明における実施例のシステムのうち、メイン処理を説明するフローチャートである。図9は、ある周波数成分の平均値実効値とあらかじめ定められた正常値とを比較して、表示装置2にそれに応じた表示を行う処理1を説明するためのフローチャートである。図10は、補正光量データの算出を行う処理2を説明するためのフローチャートである。図8のS1は発光部制御回路19の処理であり、発光部制御回路19は演算回路17からの光量補正データをもとに発光部5へ補正制御電流を送る。そして、発光部5の各発光素子を順次点灯させる。S2では、演算回路17から順次送られてくる測定データD(λ)に対して電流電圧変換増幅回路15の線形上限値V01と線形下限値V02の値を比較する。ここでD(λ)は、使用する各光源の波長λに対して測定を行う。つまり、演算回路17が取得するデータ数は、異なる波長の光源の数とひとつの光源に対して取得するデータ数Tとの積である。S2において、測定データD(λ)が線形上限値V01以下、線形下限値V02以上であれば変数Xに0を代入する。測定データD(λ)が線形上限値V01よりも大きい場合にはXに1を代入する。測定データD(λ)が線形下限値V02よりも小さい場合にはXに2を代入する。この処理は所定の時間収集する各測定データD(λ)に対して行う。Xの値が一度でも1及び2になったらばXを1又は2に固定し、0は代入しないようにする。これは、一度でも線形上限値V01以上もしくは線形下限値V02以下になったならば、その後適切な範囲内であってもデータの取り直しを行うためである。これについての説明は前述のとおりであって、ひとつでも非線形領域のデータがあると濃度演算時に誤差となるからである。S2が終了すると、S3のステップに入り周波数分解処理であるFFT(高速フーリエ変換)を開始する。高速フーリエ変換を行うことで、図11のように横軸を周波数(Hz)、縦軸をその周波数の実効値として分離できる。このうち各周波数による縦軸の実効値は、ある所定の時間間隔における測定データの波形が作る面積に対して、その周波数成分の占める面積を表している。これをひとつの光源に対して取得したデータ数Tで割ることで、測定データにおける各周波数成分の平均実効値が得られる。各周波数成分の平均実効値は、図4において、その周波数成分の平均振幅を示す。これを踏まえて、図9の処理1を説明する。
【0021】
図9の処理1では、各周波数成分の平均実効値をあらかじめ定められた正常値と比較する。比較項目の中で、ひとつでも周波数成分の平均実効値が正常でない場合には、それを表示装置2に表示する。S4では、測定データから抽出した体動成分の周波数成分を正常値と比較する。体動成分をみるのは、体動によって実効的な生体1の光路長が変化することや、測定する組織部位が変わることで濃度演算結果に誤差が生じるためである。この体動成分のあらかじめ定められた正常値をN1、交流分測定パラメータのうち体動に相当する周波数成分をB(λ)として比較を行う。この時に、体動に相当する周波数成分B(λ)はFFTより求めた実効値なので、これをひとつの光源で取得するデータ数Tで割って、平均実効値にしてから比較を行っている。この結果により、体動成分が正常値より多い場合にはS5に進み、“体動が多い“と表示する。次にS6の比較に入る。Z(λ)は外来のノイズに相当する周波数成分の実効値を表している。Z(λ)も同様にひとつの光源で取得するデータ数Tで割る。N2は外来のノイズ値の許容値を示している。これは、外来ノイズによって線形領域を越えてしまうような場合を避けるために行う。また、外来ノイズの多いような場所での測定は、内部回路にも悪影響を及ぼす可能性がある。これを避けるためのものである。これも上記と同様な比較が行われ、多い場合にはS7に進み、”外部ノイズが多い“と表示がされる。S8のM(λ)は脈動に相当する周波数成分の実効値を表している。M(λ)も同様にひとつの光源で取得するデータ数Tで割る。N3は正常な脈動の許容下限値である。脈動があまりに小さい場合には、血液の循環がうまく行われていない可能性がある。例えば、寒い環境などにおいては満足な脈動が得られずに、脈動波形も不規則なものになる場合がある。これを警告するものである。S8の比較の結果許容下限値よりも小さい場合には、S9に進んで所定の表示を行う。S10のXはS2における変数Xであり、測定データDの比較の値が格納されている。この値が1ならば、S11の表示をし、この値が2ならばS12の表示をする。Xが0の場合はそのまま処理1を終了する。
【0022】
図8に示す如く、処理1が終了後、すぐに処理2に入る。図10において、S13ではS2におけるXの値を参照し、発光部5の発光量が多くXが1ならばS14に、発光部5の発光量が少なくXが2ならばS16へ、発光部5の発光量が規定値ならばXが0となり、処理2を終了する。S14とS16を説明するために、図7を用いる。図7は、図5と縦軸及び横軸は等しく、縦軸は増幅後の電圧を示し、横軸は受光部の出力信号である光電流を示す。まずXが1のとき、つまりS14については、N×ΔV(λ)は図7の比較上限値Vd1(λ)と線形上限値V01の間隔を示し、ΔV(λ)はAC(λ)をひとつの光源に対して取得するデータ数Tで割った値であり、つまり図4に示す交流分の平均振幅値を表している。ここで、AC(λ)は図11(a)に示す0Hz以外の各交流分測定パラメータの実効値の和であり、全交流分測定パラメータを示している。また、N×ΔV(λ)を減算するのは、透過光の光電流の変動分によって線形上限値V01を超えないようにするためである。ΔV(λ)をN倍することで、突発的なノイズの場合以外では二度と線形上限値V01を越えないような比較上限値Vd1(λ)を算出している。Nには実数が入り、設計の仕方によって変更する。理論的にはNは1であれば、平均振幅値分だけ光電流の増幅後の電圧を下げることができる。比較上限値Vd1(λ)に余裕を持たせたいときには、このNの値を大きくすると良い。続いてS15で、ここでは実際に発光部5に流すべき電流値である補正制御電流I1(λ)を算出する。Vd(λ)は直流分測定パラメータであり、これは測定データの周波数成分のうち0Hz成分である。I(λ)は補正前に発光部5の発光素子に流していた電流値である。現在発光部5に流れている電流値I(λ)と現在の直流分測定パラメータVd(λ)と理想の比較上限値Vd1(λ)がわかっているので、これらの演算から発光部5へ流すべき補正制御電流I1(λ)を求める。即ち、前述の光量補正データとは発光部制御回路19に対して、発光部5へ補正制御電流を流すように指示するデータである。S15は演算を行った後、処理2を終了する。
【0023】
続いてXが2のときの処理2について説明する。図10におけるS15について、N×ΔV(λ)は図7の比較下限値Vd2(λ)と線形下限値V02の間隔を示し、ΔV(λ)はAC(λ)をひとつの光源に対して取得するデータ数Tで割った値であり、つまり図4に示す交流分の平均振幅値を表している。ここで、AC(λ)は図11(a)に示す0Hz以外の各交流分測定パラメータの実効値の和であり、全交流分測定パラメータを示している。また、N×ΔV(λ)を和算するのは、透過光の光電流の変動分によって線形下限値V02を下まわらないようにするためである。ΔV(λ)をN倍することで、突発的なノイズの場合以外では二度と線形下限値V02を下まわらないような比較下限値Vd2(λ)を算出している。Nには実数が入り、設計の仕方によって変更する。理論的にはNは1であれば、平均振幅値分だけ光電流の増幅後の電圧を下げることができる。比較下限値Vd2(λ)に余裕を持たせたいときには、このNの値を大きくすると良い。続いてS15で、ここでは実際に発光部5に流すべき電流値である補正制御電流I2(λ)を算出する。Vd(λ)は直流分測定パラメータであり、これは測定データの周波数成分のうち0Hz成分である。I(λ)は補正前に発光部5の発光素子に流していた電流値である。現在発光部5に流れている電流値I(λ)と現在の直流分測定パラメータVd(λ)と理想の比較上限値Vd2(λ)がわかっているので、これらの演算から発光部5へ流すべき補正制御電流I1(λ)を求める。S17は演算を行った後、処理2を終了する。
【0024】
処理2が終了すると、もう一度図8に戻る。ここで、S18において再度Xの値の比較を行い、Xが0ならば、補正の必要がないと判断してS21を行う。S21ではFFTで求めた測定パラメータに基づいて演算し、血液成分の濃度を表示装置2に表示して終了する。Xが1だった場合には、S19において演算回路17から補正制御電流I1(λ)の光量補正データが発光部制御回路19へ伝送される。発光部制御回路19は、演算回路17から補正制御電流I1(λ)の光量補正データを受け取って、D/A変換した後に、定電流化されて発光部5の発光素子へ補正制御電流I1(λ)を流す。この場合の補正制御電流I1(λ)は、はじめの電流値より少なくなっており、発光部5の光量を減らすようにしている。また、Xが2だった場合には、Xが1のときと同様で、S20によって演算回路17から補正制御電流I2(λ)の光量補正データが発光部制御回路19へ伝送される。発光部制御回路19は、演算回路17から補正制御電流I2(λ)の光量補正データを受け取って、D/A変換した後に、定電流化されて発光部5の発光素子へ補正制御電流I2(λ)を流す。この場合の補正制御電流I2(λ)は、はじめの電流値より多くなっており、発光部5の光量を増やすようにしている。ここからまたS1が始まり、同様の処理が繰り返されるシステムである。
【0025】
本発明はこの実施形態の他にも、全ヘモグロビンのうち酸素と結合したオキシヘモグロビンの割合である酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターにも利用できる。また同様に分光分析によって、血液中のグルコース濃度を非侵襲で計測する開発が行われている。このような血糖値測定装置にも利用できる。さらに、血液中の脂質などの血液分析装置にも利用できる。
【0026】
【発明の効果】
以上のような構成により、発光素子に対する温度や湿度などの環境の変化による影響を排除し、また生体の個人差による透過光への影響も補正することができる。この結果、微小な透過光を増幅する増幅器における誤差を排除し、正確で安定した測定が行える。また、別途受光部を設ける必要がなく経済的である。さらに、FFTの測定パラメータを用いることで従来発光素子と測定データとの相関を求めておかなければいけなかったのに対し、これが必要なく、どのような光源に対しても補正が行え、これからの光源複数化に対応することができる。そして、測定データを判別しながらも、異常値があったときにすぐに補正をかけずに、定期的に補正を行うことで、補正前と補正後が混在した測定データで演算を行わず、演算結果の信頼性を高めることができる。FFTを用いるため、偶発的な高いノイズがあったとしても、平均化されてしまい、補正時に過度な補正を行う心配がない。それと、測定データをFFTで周波数分解するので、各周波数の大小関係がわかり、異常値があったときの判断材料として使える。これにより、使用者に原因を伝えることができて、測定の正確性をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における血液分析装置の外観図である。
【図2】本発明の実施形態における血液分析装置のホルダ部構造図である。
【図3】本発明の実施形態における血液分析装置のセンサ部構造図であり、(a)は発光部を、(b)は受光部の構造を示している。
【図4】本発明の実施形態における血液分析装置で取得した透過光のデータであり、交流分と直流分とで構成されることを示した図である。
【図5】本発明の実施形態における血液分析装置の増幅器における入出力図である。
【図6】本発明の実施形態における血液分析装置のブロック図である。
【図7】本発明の実施形態における血液分析装置の増幅器における線形上限値、線形下限値と比較上限値、比較下限値との関係を示したグラフである。
【図8】本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムのうち、メインのフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムのうち、処理1のフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムのうち、処理2のフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムで、測定データにFFTをかけた結果を示すグラフであり、(a)は50Hz成分までのグラフ、(b)は(a)を拡大して10Hz成分までのグラフである。
【符号の説明】
1 生体
2 表示装置
3 ホルダ
4 電源スイッチ
5 発光部
6 拡散板
7 受光部
8 受光フィルタ
11、12、13 発光素子
14 受光素子
15 電流電圧変換増幅回路
16 A/Dコンバータ
17 演算回路
19 発光部制御回路
20 マルチコンバータ
【発明の属する技術分野】
本発明は、非侵襲で血液中の成分を分析する血液分析装置に関して、とくにその発光部の光量補正に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から採血しないで血液成分を検査する装置としては、例えば動脈血の酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターがある。パルスオキシメーターは、指や耳朶などの一方の側から他方へ発光部の光を透過させ、これを受光部で受け取り、演算することで血液成分を分析する装置である。透過光には、動脈の脈動による吸収の変動分とその他の骨や皮膚や静脈による吸収の直流分とで大部分が構成されている。この交流分と直流分をパラメータとして演算することで、血液成分の分析をおこなうことが出来るのである。現在、このような技術を応用して様々な血液成分を非侵襲で測定する研究がなされている。このうち、発光部の発光素子には様々な問題が生じている。
【0003】
一般的に発光部で使用される発光ダイオードや半導体レーザというものは、常に一定の発光をし続けるわけではない。即ち、発光素子の光量が変化してしまう問題がある。これを解決しようとした従来例がある(例えば、特許文献1参照。)。これは発光部として発光ダイオードを用いた例である。発光ダイオードは温度によりその光量が変化するので、これが光量不足となった場合には測定不能になることが考えられる。また、そうでなくとも光源の光量が、著しく大きくなることや、小さくなることで増幅器の非線形領域で増幅することになり、測定精度が著しく低下することが考えられる。これを解決しようとするものである。
【0004】
特許文献1にある構造は、発光素子と受光素子を使ったもので一般的な光センサであるが、受光素子をふたつ使用している。一つ目の受光素子は、一般的な光センサ同様に発光素子と対向した位置に、非検体を挟んで置かれている。二つ目の受光素子は、発光素子の近傍に置かれている。この二つ目の受光素子により発光素子の光量を直接検出し、光量補正を行うのものである。
【0005】
二つ目の受光素子を発光素子の近傍に置くことで、発光素子の光を直接受光する。受光された光は、電圧値に変換される。あらかじめ、ある温度における受光電圧と発光素子の電流値との関係を求めておき、そして、実際に受光した電圧値が設定した電圧値になっているかどうかを比較し、それよりも大きい場合には先ほどの関係に基づいて発光素子への電流値を補正し、小さい場合も同様に補正する。こうして、発光素子の温度変化に伴う光量の変化を補正して、発光素子に流れる電流を制御するのである。
【0006】
【特許文献1】
特開平2−295542号公報 (第1図、第2図、第1頁〜第3頁)
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
上記の光センサを使用することで温度に対しての光量変化を補正することができるが、発光素子、例えば発光ダイオードなどは温度に対してのみ光量が変化するのではなく、他にも湿度や寿命などによる劣化が考えられる。また、非検体である生体、例えば指などは個人差があり、指の太さや血液成分のにごり(高脂血症)などによって、透過光が変わってくる。即ち、ある人が測定してうまく光が透過できても、他の人でうまく光が透過するとは限らないのである。これにより、光量不足になって測定不能になることも考えられる。受光した透過光は非常に微小な値なので、増幅器などで増幅する必要がある。しかし増幅器は、入力が最大値近傍であったり、最小値近傍であったりすると増幅器特有の非線形特性が表われ入出力の線形関係が失われてしまう。これにより、測定精度が低下する問題がある。即ち、透過光が著しく大きかったり、小かったりすると測定値の信頼性が低くなる。また、ひとつひとつの発光素子の温度と光量との関係は異なるために、計算量も光源が増えるたびに多くなる。さらに、受光部が複数必要になるので、構成が複雑になる。そして、ひとつひとつの光源に対して計算式を使うので臨機応変さに欠けていた。連続監視の観点から述べると、動的に光量を補正して測定するので、前後の測定データとの互換性がなくなる問題がある。これは、光量が変化すると生体での散乱が変化するため、その他のデータと条件が変わってしまうために起こる。また、偶発的に大きなノイズなどが測定データに上乗せされると、発光部への電流を制御する制御部が過度に補正を行ってしまう危険性もあった。
【0008】
〔発明の目的〕
本発明の目的は上記課題を解決し、より高精度で簡単な構成で、安定した分析結果が得られる血液分析装置を提供することである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記の目的を達成するための本発明の構成は、生体を挿入するホルダと、該生体に光を照射する発光部と、前記生体を介して得られる光を受光する受光部と、該発光部の光量を制御する発光部制御回路と、前記受光部からの測定データに基づいて血液成分の濃度を演算し、信号を出力する演算回路と、前記演算回路の演算結果に基づいて表示する表示装置を有する血液分析装置であって、前記演算回路は前記受光部からの測定データに基づいて血液成分の濃度演算に用いる測定パラメータを算出し、前記発光部制御回路は測定パラメータに基づいて前記発光部の光量を制御することを特徴とする。
【0011】
また、前記演算回路は前記測定データに基づいて血液成分の濃度演算に用いる測定パラメータを算出するとともに、該測定パラメータに基づいて前記光量補正データを算出することが好ましい。また、前記演算回路は前記測定データを周波数分解することにより血液成分の濃度演算に用いる直流分測定パラメータと複数の交流分測定パラメータとを算出するとともに、前記直流分測定パラメータと前記交流分測定パラメータに基づいて前記光量補正データを算出しても良い。その時、前記演算回路は、前記直流分測定パラメータと前記交流分測定パラメータから算出する比較基準値との比に、前記発光部に供給している電流値を積算して前記光量補正データを算出するが好ましい。また、前記演算回路は、前記測定データのレベルが所定の範囲外である判断したときに前記光量補正データを出力するのが好ましい。また、前記発光部制御回路は前記光量補正データに基づいて前記発光部への供給電流値を制御することが好ましい。また、前記受光部の出力信号が受光量に対応する電流であり、該電流を電流電圧変換回路で電圧に変換し、該電圧をADコンバータによりディジタル値に変換して前記演算回路にすることが好ましい。更に、前記演算回路は、周波数分解処理により得られる各測定パラメータの少なくとも1つを所定値とを比較して所望の情報を前記表示装置に表示させることが好ましい。
【0012】
〔作用〕
本発明の光量補正システムは、濃度演算時の測定パラメータに基づいて光量を補正することで、別途受光部などを付け加える必要がなく、各発光素子と測定データとの関係をあらかじめ求めておく必要がないので経済的かつ単純である。しかも、発光部の温度、湿度、劣化といったような要因による光量変化の補正を行うとともに、指の太さや生体の内部成分による個人差にも対応して発光部の光量を制御できるので、増幅器の非線形領域を使用しないように制御できる。また、測定データに周波数分解処理を施すことで測定データの構成を明らかにし、これにより求められる測定パラメータを、濃度演算と補正制御信号に併用するので別途あらたな構成が必要なく光量変化の補正を行え、経済的かつ正確で安定的な測定が行えるようになる。
【0013】
【発明の実施の形態】
本発明の実施形態における血液分析装置の概略について、図1、図2を用いて説明する。本発明は糖尿病の診断や検査のための血液分析装置であり、図1の分析装置は、血液中の赤血球に含まれるヘモグロビンが、血液中のグルコースと結合した割合を測定するものである。図1のホルダ3には、測定部位を入れられる挿入穴があり、図1のように使用者の生体1が入るようにほぼ円筒形状をしている。ホルダ3内の構造は図2に示す通りであり、センサ部を構成している。センサ部は発光部5と受光部7によって構成され、お互いに対向する形で配置される。血液分析装置上面には図1のように電源を入れて演算を開始させる電源ボタン4と、演算結果を表示する表示装置2が設けられている。表示装置2には血糖コントロールの指標となる、ヘモグロビンA1cの分析結果が表示される。
【0014】
本発明の実施形態における血液分析装置のセンサ部構造を図2、図3を用いて説明する。まず挿入穴は図2に示す通り、先端が閉じたほぼ円筒形状のホルダ3からなり、生体1をホルダ3の先端に突当たるように挿入する。ホルダ3内の受光部7の上面には受光フィルタ8が、その反対側の発光部5の上面には拡散板6が備え付けられている。拡散板6は透明なポリスチレン(PS)樹脂やアクリル(PMMA)樹脂を成形したものであり、その奥には図3(a)に示すように発光素子11、12、13が近接して配置されている。発光素子11、12、13は、それぞれのピーク発光波長がλ1、λ2、λ3のチップ型発光ダイオードである。
【0015】
受光フィルタ8は、発光波長λ1、λ2、λ3を透過させるが、その他の蛍光燈や太陽光を減衰させるための光学フィルタであり、挿入穴と生体1との隙間から漏れてくる外来光の影響を少なくしている。また、受光フィルタ8は防塵効果もあり、清掃を簡単に行うことができる。受光フィルタ8の奥には、図3(b)のように受光素子14が配置されている。受光素子14は感度波長範囲に発光波長λ1、λ2、λ3を含んだ感度波長範囲であるフォトダイオードである。
【0016】
本発明の実施形態における血液分析装置の血液成分演算方法について、図4と図11を用いて説明する。図4は、交流分と直流分をわかりやすく説明するために、交流分を拡大したものである。図4の縦軸は測定データ(単位は電圧でmV)で、横軸は時間(単位は0.01秒、つまり100で1秒を表す)である。一般的なパルスオキシメーターは、血液成分の濃度演算を行う際、計算式としてランバート・ベールの法則を利用する。これは次の式(1)で与えられる。
A=LOg{I0(λ)/I(λ)}=Σ{εi(λ)・Ci・D} ・・・(1)
Aは減光度、I0(λ)は入射光、I(λ)は透過光、εi(λ)はi番目の吸光係数、Ciはi番目の物質の濃度、Dは光路長を表している。このように、減光度Aは各成分による減光度の和として表される。血液成分の減光度は、血管が脈動しているために交流成分として扱える。つまり、その他の吸収成分と区別することができる。その他の吸収成分とは、例えば生体ならば、皮膚や爪や組織などの固定吸収成分、即ち直流分である。このようにして減光度Aを直流分と脈動の交流分に分解することで、血液成分の濃度演算を行うことができる。式(1)を透過光I(λ)について解くことで、透過光I(λ)が直流分と交流分で表されることがわかる。ここで、図4の実際に得られる測定データに注目する。測定データが、直流分と交流分で構成されていることがわかる。よって、求める脈動の交流分の情報を得るためには、測定データを周波数分解して、直流分測定パラメータを算出する必要がある。また、装置などで受光した測定データには、交流分として脈動の他にも、電源ノイズであったり、体動であったり、偶発的なノイズなどが重畳されているので、これらの交流成分を分離する必要がある。そのため、先ほどの直流分測定パラメータだけでなく、その他の交流分測定パラメータも算出する必要がある。図11が図4の測定データを50Hzまで周波数分解処理を行った結果のグラフである。図11(a)において、0Hz成分が直流分測定パラメータであり、その他の周波数に出ている実効値が交流分測定パラメータとなる。50Hz付近に実効値が大きくなっているのが見られるのがわかる。これは電源からのノイズである。また、図11(a)の低周波数付近を拡大した図11(b)に注目する。この中で、1Hzより大きく〜2Hzより小さい領域の実効値が脈動であり、0Hzより大きく〜1Hzより小さい領域の実効値が体動成分である。このような周波数分解処理と演算をすることで、測定データのうちわけを明らかにし、血液成分の濃度演算を正確に行うことができる。
【0017】
ここで、発光部5の光量補正の必要性について説明する。発光部5の発光素子として好んで良く使われる発光ダイオードや半導体レーザなどは、発光する場所の環境や使用年月によって光量が変化する。ここでいう場所の環境とは、例えば温度や湿度を意味する。特に湿度などに対しては非常に敏感であり、モールド材などが腐食して、光量が半減することもある。温度に対しても同様であり、特に夏などの気温が上昇するような場合には、光量不足に陥る可能性もある。あらかじめ、光量が多くなるように設計する手法もあるが、この場合逆に冬に発光しすぎる可能性も出てくる。一般的な発光ダイオードの温度特性としては、温度が上がるごとに光量は減少し、温度が下がるごとに光量は増加する。生体1などを扱う場合には、もうひとつ問題が出てくる。これは発光部5による問題というよりも、生体1を透過させることによる問題である。生体1、特に指などに光を当てて透過させる場合には、指にも個人差があるために透過光も人によって変化する。個人差として考えられるのは、指の太さや、血液の純度である。血液の純度は、血漿成分がどの程度の比率で血液中に混在しているかを意味する。高脂血症のような、血液中に脂肪分が多いような場合には、血漿成分比は低い。即ち、指が太いような場合や、血液の血漿成分比が低いような場合には、透過光が著しく少なくなる。逆に、指が細い場合や、血液の血漿成分比が高い場合には、透過光が著しく大きくなるのである。このように、透過光が多すぎたり、少なすぎたりといった状況が起こるのである。
【0018】
透過光の大小の問題は、透過光を増幅する電流電圧変換増幅回路15が原因で起きる。受光部5で得られる透過光の電流値は、数マイクロアンペア程度であって非常に小さい。さらに、分離する交流分などはその100分の1近くにもなる。このような微小な測定データを正確に検出するには、増幅器が必要となる。しかしながら、この電流電圧変換増幅回路15の入出力の関係は必ずしもリニアではなく、図5に示すとおりである。図5の縦軸は増幅後の電圧で出力電圧である。横軸は受光部7の出力信号であり、透過光によって変化する光電流である。V01は入出力の線形性が保てる上限の値であり、線形上限値である。V02は入出力の線形性が保てる下限の値であり、線形下限値である。電流電圧変換増幅回路15の入力である光電流値が線形上限値V01や線形下限値V02を挟んで変化する場合には、出力値がその他のデータと互換性を失う。ここでいう入力とは透過光の値に比例するので透過光が多すぎたり、少なすぎたりすると、互換性がなくなる領域で増幅することになる。このような状況下においては、相互のデータに互換性がなくなり、濃度演算の結果には誤差が生じる。このために、光量の補正が必要となるのである。
【0019】
本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムの回路構成について、図6を用いて説明する。図6は本実施形態である血液分析装置を示すシステム構成図である。まず、図6のマルチコンバータ20は、ある所定の時間間隔で発光素子11、12、13を順次点滅する。この光は、生体1を通過して、透過光となって受光部7の受光素子14で受光される。受光された透過光は、受光素子14により出力信号として電流に変換され、更に電流電圧変換増幅回路15で増幅されて電圧に変化される。電圧に変換された出力信号は、A/Dコンバータ16によってアナログ値からディジタル値に変換する。このような過程を経て、透過光は、ディジタル値の測定データとなり、演算回路17へ伝送される。
【0020】
本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムの具体的なシステムを、図8、図9、図10のフローチャート及び図11を用いて説明する。図8のフローチャートは、本発明における実施例のシステムのうち、メイン処理を説明するフローチャートである。図9は、ある周波数成分の平均値実効値とあらかじめ定められた正常値とを比較して、表示装置2にそれに応じた表示を行う処理1を説明するためのフローチャートである。図10は、補正光量データの算出を行う処理2を説明するためのフローチャートである。図8のS1は発光部制御回路19の処理であり、発光部制御回路19は演算回路17からの光量補正データをもとに発光部5へ補正制御電流を送る。そして、発光部5の各発光素子を順次点灯させる。S2では、演算回路17から順次送られてくる測定データD(λ)に対して電流電圧変換増幅回路15の線形上限値V01と線形下限値V02の値を比較する。ここでD(λ)は、使用する各光源の波長λに対して測定を行う。つまり、演算回路17が取得するデータ数は、異なる波長の光源の数とひとつの光源に対して取得するデータ数Tとの積である。S2において、測定データD(λ)が線形上限値V01以下、線形下限値V02以上であれば変数Xに0を代入する。測定データD(λ)が線形上限値V01よりも大きい場合にはXに1を代入する。測定データD(λ)が線形下限値V02よりも小さい場合にはXに2を代入する。この処理は所定の時間収集する各測定データD(λ)に対して行う。Xの値が一度でも1及び2になったらばXを1又は2に固定し、0は代入しないようにする。これは、一度でも線形上限値V01以上もしくは線形下限値V02以下になったならば、その後適切な範囲内であってもデータの取り直しを行うためである。これについての説明は前述のとおりであって、ひとつでも非線形領域のデータがあると濃度演算時に誤差となるからである。S2が終了すると、S3のステップに入り周波数分解処理であるFFT(高速フーリエ変換)を開始する。高速フーリエ変換を行うことで、図11のように横軸を周波数(Hz)、縦軸をその周波数の実効値として分離できる。このうち各周波数による縦軸の実効値は、ある所定の時間間隔における測定データの波形が作る面積に対して、その周波数成分の占める面積を表している。これをひとつの光源に対して取得したデータ数Tで割ることで、測定データにおける各周波数成分の平均実効値が得られる。各周波数成分の平均実効値は、図4において、その周波数成分の平均振幅を示す。これを踏まえて、図9の処理1を説明する。
【0021】
図9の処理1では、各周波数成分の平均実効値をあらかじめ定められた正常値と比較する。比較項目の中で、ひとつでも周波数成分の平均実効値が正常でない場合には、それを表示装置2に表示する。S4では、測定データから抽出した体動成分の周波数成分を正常値と比較する。体動成分をみるのは、体動によって実効的な生体1の光路長が変化することや、測定する組織部位が変わることで濃度演算結果に誤差が生じるためである。この体動成分のあらかじめ定められた正常値をN1、交流分測定パラメータのうち体動に相当する周波数成分をB(λ)として比較を行う。この時に、体動に相当する周波数成分B(λ)はFFTより求めた実効値なので、これをひとつの光源で取得するデータ数Tで割って、平均実効値にしてから比較を行っている。この結果により、体動成分が正常値より多い場合にはS5に進み、“体動が多い“と表示する。次にS6の比較に入る。Z(λ)は外来のノイズに相当する周波数成分の実効値を表している。Z(λ)も同様にひとつの光源で取得するデータ数Tで割る。N2は外来のノイズ値の許容値を示している。これは、外来ノイズによって線形領域を越えてしまうような場合を避けるために行う。また、外来ノイズの多いような場所での測定は、内部回路にも悪影響を及ぼす可能性がある。これを避けるためのものである。これも上記と同様な比較が行われ、多い場合にはS7に進み、”外部ノイズが多い“と表示がされる。S8のM(λ)は脈動に相当する周波数成分の実効値を表している。M(λ)も同様にひとつの光源で取得するデータ数Tで割る。N3は正常な脈動の許容下限値である。脈動があまりに小さい場合には、血液の循環がうまく行われていない可能性がある。例えば、寒い環境などにおいては満足な脈動が得られずに、脈動波形も不規則なものになる場合がある。これを警告するものである。S8の比較の結果許容下限値よりも小さい場合には、S9に進んで所定の表示を行う。S10のXはS2における変数Xであり、測定データDの比較の値が格納されている。この値が1ならば、S11の表示をし、この値が2ならばS12の表示をする。Xが0の場合はそのまま処理1を終了する。
【0022】
図8に示す如く、処理1が終了後、すぐに処理2に入る。図10において、S13ではS2におけるXの値を参照し、発光部5の発光量が多くXが1ならばS14に、発光部5の発光量が少なくXが2ならばS16へ、発光部5の発光量が規定値ならばXが0となり、処理2を終了する。S14とS16を説明するために、図7を用いる。図7は、図5と縦軸及び横軸は等しく、縦軸は増幅後の電圧を示し、横軸は受光部の出力信号である光電流を示す。まずXが1のとき、つまりS14については、N×ΔV(λ)は図7の比較上限値Vd1(λ)と線形上限値V01の間隔を示し、ΔV(λ)はAC(λ)をひとつの光源に対して取得するデータ数Tで割った値であり、つまり図4に示す交流分の平均振幅値を表している。ここで、AC(λ)は図11(a)に示す0Hz以外の各交流分測定パラメータの実効値の和であり、全交流分測定パラメータを示している。また、N×ΔV(λ)を減算するのは、透過光の光電流の変動分によって線形上限値V01を超えないようにするためである。ΔV(λ)をN倍することで、突発的なノイズの場合以外では二度と線形上限値V01を越えないような比較上限値Vd1(λ)を算出している。Nには実数が入り、設計の仕方によって変更する。理論的にはNは1であれば、平均振幅値分だけ光電流の増幅後の電圧を下げることができる。比較上限値Vd1(λ)に余裕を持たせたいときには、このNの値を大きくすると良い。続いてS15で、ここでは実際に発光部5に流すべき電流値である補正制御電流I1(λ)を算出する。Vd(λ)は直流分測定パラメータであり、これは測定データの周波数成分のうち0Hz成分である。I(λ)は補正前に発光部5の発光素子に流していた電流値である。現在発光部5に流れている電流値I(λ)と現在の直流分測定パラメータVd(λ)と理想の比較上限値Vd1(λ)がわかっているので、これらの演算から発光部5へ流すべき補正制御電流I1(λ)を求める。即ち、前述の光量補正データとは発光部制御回路19に対して、発光部5へ補正制御電流を流すように指示するデータである。S15は演算を行った後、処理2を終了する。
【0023】
続いてXが2のときの処理2について説明する。図10におけるS15について、N×ΔV(λ)は図7の比較下限値Vd2(λ)と線形下限値V02の間隔を示し、ΔV(λ)はAC(λ)をひとつの光源に対して取得するデータ数Tで割った値であり、つまり図4に示す交流分の平均振幅値を表している。ここで、AC(λ)は図11(a)に示す0Hz以外の各交流分測定パラメータの実効値の和であり、全交流分測定パラメータを示している。また、N×ΔV(λ)を和算するのは、透過光の光電流の変動分によって線形下限値V02を下まわらないようにするためである。ΔV(λ)をN倍することで、突発的なノイズの場合以外では二度と線形下限値V02を下まわらないような比較下限値Vd2(λ)を算出している。Nには実数が入り、設計の仕方によって変更する。理論的にはNは1であれば、平均振幅値分だけ光電流の増幅後の電圧を下げることができる。比較下限値Vd2(λ)に余裕を持たせたいときには、このNの値を大きくすると良い。続いてS15で、ここでは実際に発光部5に流すべき電流値である補正制御電流I2(λ)を算出する。Vd(λ)は直流分測定パラメータであり、これは測定データの周波数成分のうち0Hz成分である。I(λ)は補正前に発光部5の発光素子に流していた電流値である。現在発光部5に流れている電流値I(λ)と現在の直流分測定パラメータVd(λ)と理想の比較上限値Vd2(λ)がわかっているので、これらの演算から発光部5へ流すべき補正制御電流I1(λ)を求める。S17は演算を行った後、処理2を終了する。
【0024】
処理2が終了すると、もう一度図8に戻る。ここで、S18において再度Xの値の比較を行い、Xが0ならば、補正の必要がないと判断してS21を行う。S21ではFFTで求めた測定パラメータに基づいて演算し、血液成分の濃度を表示装置2に表示して終了する。Xが1だった場合には、S19において演算回路17から補正制御電流I1(λ)の光量補正データが発光部制御回路19へ伝送される。発光部制御回路19は、演算回路17から補正制御電流I1(λ)の光量補正データを受け取って、D/A変換した後に、定電流化されて発光部5の発光素子へ補正制御電流I1(λ)を流す。この場合の補正制御電流I1(λ)は、はじめの電流値より少なくなっており、発光部5の光量を減らすようにしている。また、Xが2だった場合には、Xが1のときと同様で、S20によって演算回路17から補正制御電流I2(λ)の光量補正データが発光部制御回路19へ伝送される。発光部制御回路19は、演算回路17から補正制御電流I2(λ)の光量補正データを受け取って、D/A変換した後に、定電流化されて発光部5の発光素子へ補正制御電流I2(λ)を流す。この場合の補正制御電流I2(λ)は、はじめの電流値より多くなっており、発光部5の光量を増やすようにしている。ここからまたS1が始まり、同様の処理が繰り返されるシステムである。
【0025】
本発明はこの実施形態の他にも、全ヘモグロビンのうち酸素と結合したオキシヘモグロビンの割合である酸素飽和度を測定するパルスオキシメーターにも利用できる。また同様に分光分析によって、血液中のグルコース濃度を非侵襲で計測する開発が行われている。このような血糖値測定装置にも利用できる。さらに、血液中の脂質などの血液分析装置にも利用できる。
【0026】
【発明の効果】
以上のような構成により、発光素子に対する温度や湿度などの環境の変化による影響を排除し、また生体の個人差による透過光への影響も補正することができる。この結果、微小な透過光を増幅する増幅器における誤差を排除し、正確で安定した測定が行える。また、別途受光部を設ける必要がなく経済的である。さらに、FFTの測定パラメータを用いることで従来発光素子と測定データとの相関を求めておかなければいけなかったのに対し、これが必要なく、どのような光源に対しても補正が行え、これからの光源複数化に対応することができる。そして、測定データを判別しながらも、異常値があったときにすぐに補正をかけずに、定期的に補正を行うことで、補正前と補正後が混在した測定データで演算を行わず、演算結果の信頼性を高めることができる。FFTを用いるため、偶発的な高いノイズがあったとしても、平均化されてしまい、補正時に過度な補正を行う心配がない。それと、測定データをFFTで周波数分解するので、各周波数の大小関係がわかり、異常値があったときの判断材料として使える。これにより、使用者に原因を伝えることができて、測定の正確性をあげることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態における血液分析装置の外観図である。
【図2】本発明の実施形態における血液分析装置のホルダ部構造図である。
【図3】本発明の実施形態における血液分析装置のセンサ部構造図であり、(a)は発光部を、(b)は受光部の構造を示している。
【図4】本発明の実施形態における血液分析装置で取得した透過光のデータであり、交流分と直流分とで構成されることを示した図である。
【図5】本発明の実施形態における血液分析装置の増幅器における入出力図である。
【図6】本発明の実施形態における血液分析装置のブロック図である。
【図7】本発明の実施形態における血液分析装置の増幅器における線形上限値、線形下限値と比較上限値、比較下限値との関係を示したグラフである。
【図8】本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムのうち、メインのフローチャートである。
【図9】本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムのうち、処理1のフローチャートである。
【図10】本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムのうち、処理2のフローチャートである。
【図11】本発明の実施形態における血液分析装置の光量補正システムで、測定データにFFTをかけた結果を示すグラフであり、(a)は50Hz成分までのグラフ、(b)は(a)を拡大して10Hz成分までのグラフである。
【符号の説明】
1 生体
2 表示装置
3 ホルダ
4 電源スイッチ
5 発光部
6 拡散板
7 受光部
8 受光フィルタ
11、12、13 発光素子
14 受光素子
15 電流電圧変換増幅回路
16 A/Dコンバータ
17 演算回路
19 発光部制御回路
20 マルチコンバータ
Claims (8)
- 生体を挿入するホルダと、該ホルダ内の前記生体に光を照射する発光部と、前記生体を介して得られる光を受光して出力信号を発生する受光部と、該受光部の出力信号に基づいて得られる測定データから血液成分の濃度を演算する演算回路と、前記演算回路の演算結果に基づいて血液成分の濃度情報を表示する表示装置と、前記発光部の光量を制御する発光部制御回路とを有する血液分析装置において、前記演算回路は前記測定データに基づいて光量補正データを出力し、前記発光部制御回路は前記光量補正データに基づいて前記発光部の光量を制御することを特徴とする血液分析装置。
- 前記演算回路は前記測定データに基づいて血液成分の濃度演算に用いる測定パラメータを算出するとともに、該測定パラメータに基づいて前記光量補正データを算出することを特徴とする請求項1記載の血液分析装置。
- 前記演算回路は前記測定データを周波数分解することにより血液成分の濃度演算に用いる直流分測定パラメータと複数の交流分測定パラメータとを算出するとともに、前記直流分測定パラメータと前記交流分測定パラメータに基づいて前記光量補正データを算出することを特徴とする請求項1記載の血液分析装置。
- 前記演算回路は、前記直流分測定パラメータから前記交流分測定パラメータの和である全交流分測定パラメータを減算することで得られる比較基準値との比に、前記発光部に供給している電流値を積算して前記光量補正データを算出することを特徴とする請求項3記載の血液分析装置。
- 前記演算回路は、前記測定データのレベルが所定の範囲外である判断したときに前記光量補正データを出力することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の血液分析装置。
- 前記発光部制御回路は前記光量補正データに基づいて前記発光部への補正制御電流を制御することを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の血液分析装置。
- 前記受光部の前記出力信号は受光量に対応する電流であり、該電流を電流電圧変換回路で電圧に変換し、該電圧をADコンバータによりディジタル値に変換して前記演算回路にすることを特徴とする請求項1から請求項7のいずれか1つに記載の血液分析装置。
- 前記演算回路は、周波数分解処理により得られる各測定パラメータの少なくとも1つを所定値と比較して所望の情報を前記表示装置に表示させることを特徴とする請求項2から請求項7のいずれか1つに記載の血液分析装置。
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