JPH0549624A - 血液酸素飽和度モニタ方法および装置 - Google Patents

血液酸素飽和度モニタ方法および装置

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JPH0549624A
JPH0549624A JP3240584A JP24058491A JPH0549624A JP H0549624 A JPH0549624 A JP H0549624A JP 3240584 A JP3240584 A JP 3240584A JP 24058491 A JP24058491 A JP 24058491A JP H0549624 A JPH0549624 A JP H0549624A
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  • Measurement Of The Respiration, Hearing Ability, Form, And Blood Characteristics Of Living Organisms (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 動脈血の酸素飽和度を測定する非観血光学血
圧酸素飽和度モニタ方法および装置において、血液酸素
飽和度の測定精度を顕著に高める。 【構成】 患者の動脈血が2種類の異なる波長の光で照
射され、照射後の各光の強度が光検出器によって検出さ
れ、その強度に対応して当該光検出器から信号が出力さ
れる。各出力信号は処理されて、各波長での光のAC成
分とDC成分との比が求められる。これらの比の商と、
酸素飽和度の特性を表す基準曲線とが相関させられるこ
とによって、血液の酸素飽和度が算出される。その際
に、各波長でのAC成分のパルス振幅信号から上向きも
しくは下向きの傾きの影響を除く補正が行われ、それに
より血液酸素飽和度の測定精度が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生体動脈血の酸素飽和度
の測定に使用され得るモニタ方法および装置に関し、特
に、信号アーチファクトの影響を受けない血液酸素飽和
度を測定する方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】ヘモグロビンと酸化ヘモグロビンとは異
なる光吸収スペクトルを示し、光学オキシメータは、吸
収スペクトルにおけるこの差を基本原理として利用する
ことにより構成される。光学的技法により血中酸素飽和
度の測定を行う現在入手可能なオキシメータの殆どは透
過型である。それらの装置は、指ないし耳たぶ等の生体
の突起部に光を透過させ、その突起部の一方の側に透過
した光とその反対側で検出される光とを比較することに
より、酸素飽和度を決定する。しかし透過型測定法の大
きな問題は、光の透過を許容する程度に充分に薄い生体
部分でしか使用できないことである。近年、反射光を利
用して血液酸素飽和度を測定する反射型オキシメータの
開発に関心が集まっている。反射型オキシメータは、透
過型の測定に適さない生体部分においても血液酸素飽和
度の測定が可能な点で有利である。
【0003】血液酸素飽和度の測定に血液の光学的性質
を利用する種々の方法および装置が従来の特許文献に開
示されている。透過型の測定法を採用する代表的な装置
が、例えば、米国特許第4,586,513号、第4,
446,871号、第4,407,290号、第4,2
26,554号、第4,167,331号、第3,99
8,550号等に見える。また、反射型の測定装置およ
び技法が、例えば、米国特許第4,447,150号、
第4,086,915号、第3,825,342号等に
開示されている。反射型オキシメータの設計原理に関す
る理論的考察が、イツァーク・メンデルスン(Yitzhak
Mendelson )の“動脈酸素飽和度の非観血測定のための
経皮反射オキシメータ装置の理論および開発”(出版さ
れた博士論文,第8329355号,ユニヴァーシティ
・マイクロフィルムズ,アナーバー,ミシガン州,19
83年)に示されている。また、血液の光学的性質につ
いての理論的考察が、ナラヤナン・R.ピシャロティ
(Narayanan R. Pisharoty)の“血液による光学的散乱
(optical scattering)”(出版された博士論文,第7
124816号,ユニヴァーシティ・マイクロフィルム
ズ,アナーバー,ミシガン州,1971年)に見える。
さらに、血液その他の試料中における光のふるまいを分
析した理論的研究が数多く開示されている。その一部を
簡単に紹介すると、ポール・クベルカ(Paul Kubelka)
の“光を強く散乱させる試料の光学的性質についての諸
考察−パート1”(ジャーナル・オブ・ザ・オプティカ
ル・ソサイアティ・オブ・アメリカ,第38巻,第5
号,5月,1948年)、R.J.ズドロジコウスキ
(R.J.Zdrojkowski )とN.R.ピシャロティの“血液
による光学的透過および反射”(IEEEトランザクシ
ョン・オン・バイオメディカル・エンジニアリング,B
ME−17巻,第2号,4月,1970年)がある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】一般に、反射型オキシ
メータによって測定されるパルスの振幅は、その反射信
号強度全体の1%弱に過ぎない。従って、パルス振幅の
測定精度が悪いと、結果として、血液酸素飽和度の測定
が不精確となる。パルス振幅の測定誤差は、測定される
信号波形に上向きもしくは下向きのトレンドが含まれる
場合に生じやすい。検出された信号波形に平均して上向
きのトレンドが含まれる場合には、その波形のパルス振
幅が実際より小さくなり、逆に、検出された信号波形に
平均して下向きのトレンドが現れる場合には、パルスの
振幅が実際より大きくなる傾向がある。従来の装置で
は、信号波形に上向きもしくは下向きのトレンドが含ま
れる場合にもこれをそのまま利用するので、パルス振幅
の測定精度が低下する傾向があり、その結果、それらの
パルスからの血液酸素飽和度の算出が不精確となってい
た。以下に詳しく記載されるように、本発明の方法およ
び装置はこれらの問題を解決する。
【0005】本発明は、患者の血液酸素飽和度を精度よ
く測定することができる非観血オキシメータを提供する
ことである。本発明においては、患者の動脈血の酸素飽
和度が、ヘモグロビンと酸化ヘモグロビンの光吸収スペ
クトルの差を利用する非観血光学技法によって決定され
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の最も基本的な構
成には、(a) 患者の動脈血を波長の異なる2種類の光で
照射する光源と、(b) 前記血液に到達後の光の強度を測
定する検出手段と、(c) その光強度と所定の酸素飽和度
基準曲線とを相関させることにより患者の血液酸素飽和
度を決定する手段とが含まれる。光源の一方から出る光
の波長は、それに対するヘモグロビンと酸化ヘモグロビ
ンの吸光係数が実質的に異なるものが用いられる。本装
置によって検出される光信号には、各波長の光の交流
(AC)成分と直流(DC)成分とが含まれる。各波長
でのAC,DC両成分に基づいて振幅比が決定される。
そしてこの振幅比が酸素飽和度基準曲線と相関させられ
て、患者の動脈血液酸素飽和度が決定される。上記光信
号のAD成分は、振幅比の算出に用いられる前に、その
上向きまたは下向きの傾きの影響が信号補正手段により
除去される。
【0007】
【作用および発明の効果】本発明の方法および装置は、
パルス信号を処理してその信号波形に含まれるトレンド
の影響を除くことにより、そのトレンドに関係した従来
の問題を解決する。血液酸素飽和度の算出に使用される
パルス振幅信号から上向きもしくは下向きのトレンドの
影響が除去され、それにより血液酸素飽和度の決定精度
が飛躍的に向上する。本発明におけるトレンド補正法に
は、(a)今回のパルス信号と前回のパルス信号の各々
について、最低血圧−最高血圧信号間区間時間とメジア
ンパルス振幅とを算出する工程と、(b)トレンドの傾
斜率を第1の量と第2の量の比として算出する工程と、
上記第1の量は今回のメジアン信号と前回のメジアン信
号との差として計算され、上記第2の量は今回の最低血
圧−最高血圧信号間区間時間と前回の最低血圧−最高血
圧信号間区間時間との差として計算される、(c)今回
測定された最高および最低血圧信号値からトレンド量を
減ずることによりそれら最高および最低血圧信号値を補
正する工程と、上記トレンド量は前記トレンド傾斜率と
今回のパルスの最低血圧−最高血圧信号間区間時間との
積である、の各工程が含まれる。
【0008】
【実施例】図1には、本発明の実施例としての非観血血
液酸素飽和度モニタ装置10が示されている。検出プロ
ーブ12が患者の組織14上に置かれることにより、2
個の発光ダイオード(LED)16,18から交互に出
た光が組織14の動脈血によって反射され、その反射光
が光検出器20によって検出される。本実施例において
は、第1のLED16が660nmの波長の光(赤色
光)を出し、第2のLED18が900nmの波長の光
(赤外光)を出す。しかし本発明は、光源から出る光の
波長について何ら限定されない。ただし、本発明が有効
に機能するためには、2つの光源16,18の一方から
出でる光の波長は、それに対するヘモグロビンと酸化ヘ
モグロビンの吸光係数が実質的に異なるものが用いられ
る必要がある。光検出器20は、組織14で動脈血によ
って反射させられ直流(DC)と交流(AC)の両成分
を同時に含む光に対応する電気信号を出力する。
【0009】図2は、各波長の反射光について、光検出
器20が出力するパルス信号の波形の典型例を示すグラ
フであり、図3と図4はそれぞれ上向きと下向きの傾き
を持つパルス振幅信号を示すグラフである。前記のよう
に、これらの傾きはパルス振幅の測定精度を損ない、そ
れにより組織14の血液酸素飽和度の測定精度を損な
う。本発明においては、検出された信号に含まれるこの
ようなトレンドの影響が信号トレンド補正装置22によ
って除かれる。信号トレンド補正装置22は後述のトレ
ンド補正方法を実行する。
【0010】光検出器20からの出力信号はトレンド補
正装置22によって補正された後、各波長の光について
適当なフィルタ24によって処理されることにより、A
CとDCの両電圧成分に各々分離される。各波長につい
てのAC,DC両電圧信号はその後電圧振幅比決定回路
26によって処理されて各反射光信号のAC/DC比に
対応する信号とされ、各波長についてのこのAC/DC
比を用いて最終的な複合比(composite ratio )が求め
られる。そしてこの複合的な電圧振幅比を表す信号がマ
イクロプロセッサ28に供給される。マイクロプロセッ
サ28はプログラムメモリ30に記憶されたアルゴリズ
ムと所定のデータ基準曲線に従って血液酸素飽和度を算
出する。こうして決定された血液酸素飽和度は適当な表
示器32上に表示される。
【0011】以下、パルス振幅を決定するためのトレン
ド補正方法について詳述する。図2は、光検出器20に
よって検出されるパルス振幅信号の典型例を示すグラフ
である。この信号は組織14から反射された光を表し、
その極大値に対応する時間が心臓の弛緩期(最低血圧)
に相当し、他方、その極小値に対応する時間が心臓の収
縮期(最高血圧)に相当する。
【0012】パルス検出ウィンドウ(各パルスの最小値
と最大値を特定するために使用される検査ウィンドウ)
は、次回のパルスの予想される最低血圧−最高血圧信号
間区間時間であり、例えば、図2ではt3−t4の区間
時間に相当する。このように、本モニタ装置において
は、光検出器20からのチャネルを通して送られてくる
信号波形の前回のパルスの最大値および最小値が認識さ
れ、かつ、今回のパルスの最大値(最低血圧時間)から
のデータサンプリング時間が少なくとも前記パルス検出
ウィンドウと同一時間に達するまでは当該信号波形を一
個のパルスとして認識しない。その結果、本装置におい
て決定される信号の最小値は実際の最高血圧に対応し、
体動,電気ノイズ等のアーチファクトによるものでない
ことが保証される。このパルス検出ウィンドウが小さす
ぎ(短すぎ)れば、アーチファクトを誤ってパルスと認
識してしまう可能性があり、逆に大きすぎ(長すぎ)る
と、1つのウィンドウ内で2個以上のパルスが発生して
結局どのパルスも認識できなくなる。
【0013】従来の装置の多くは、各パルスの直前のパ
ルスについての最低血圧−最高血圧信号間区間時間(心
臓の弛緩と収縮の間の時間量)をその次に発生するパル
スのための検出ウィンドウの算出に利用してきた。例え
ば、図2において、第1の区間時間t1−t2を利用し
て、次回のパルスの予想される最低血圧−最高血圧信号
間区間としてt3−t4が決定される。従って、第1の
区間時間t1−t2の決定の際に仮に最低もしくは最高
血圧時間の認識を誤ると、次回のパルスのための検出ウ
ィンドウを間違って予想してしまい、当該パルスを見逃
すかないしは誤って認識してしまう可能性がある。
【0014】また、直前に認識されたパルスの最低血圧
−最高血圧信号間区間時間をその次のパルスのための検
出ウィンドウの決定に利用する従来のパルス検出技法
は、信号アーチファクトの影響を受けやすい。アーチフ
ァクトが誤ってパルスと認識されると、間違った最低血
圧−最高血圧信号間区間時間が新しいパルス検出ウィン
ドウのために使われ、そのために、アーチファクトばか
りを検出して真のパルスを見逃してしまう結果になりや
すい。本実施例においては、直前の4個のパルスについ
ての最低血圧−最高血圧信号間区間時間の平均値が、次
のパルスのための検出ウィンドウを決定するために用い
られる。
【0015】パルス振幅とは、光検出器20によって検
出された信号波形のAC成分をいう。例えば、図2にお
いて区間t1−t2におけるパルス振幅はa1 −a2
ある。本装置においては、パルス振幅の上限値と下限値
が、既に検出された少なくとも1個のパルスからのパル
ス振幅情報を利用して算出される。本装置は、パルス波
形の振幅がこれら上下の限界値の範囲内にない場合に
は、当該波形をパスルとして認識しない。その結果、正
しいタイミングで入ってきたアーチファクトや、アーチ
ファクトによってつぶされたパルスを正規のパルスとし
て採用することを防いでいる。パルス振幅の上下の限界
値が互いに極めて近い値をとる場合には、真のパルスで
あってもそれらの振幅が当該範囲に入らず、そのために
多くの正しいパルスが見逃されることになり、パルス振
幅の上下の限界値が大きく隔たっている場合には、排除
されるべき偽のもしくは潰れたパルスが採用されてしま
う。
【0016】従来の多くの装置では有効なパルスを排除
してしまうことがあるが、これはパルス振幅の上下の限
界値の間隔が狭すぎるためである。さらに、不適当なパ
ルスを間違って真のパルスと認識し、これを次のパルス
振幅のための上下の限界値の決定に使用することがあ
る。それに対して本実施例は、次回のパルスのためのパ
ルス振幅の上下の限界値を算出するためにその直前の4
個のパルス振幅の平均値と以下の関係式を用いることに
よって、これらの問題を解決した。 パルス振幅の下限値=パルス振幅の平均値/3.0 パルス振幅の上限値=パルス振幅の平均値×3.0 上記の式中に使用されている換算率(sale factor)の
3.0という数字は、1.5〜5.0の範囲内の複数の
換算率を用いて得られたデータを比較検討することによ
って選定された。当該換算率の値が小さくなるほど多く
の真のパルスが排除され、その値が大きくなるほど多く
の不適当なパルスが採用されてしまう。一般に、換算率
が約3.0のとき、真のパルスの採用率が最も高くかつ
不適当なパルスの混入率が最も低くなることが確認され
た。
【0017】本実施例においては、プログラムメモリ3
0に記憶されたアルゴリズムを利用して血液酸素飽和度
(SaO2)が算出される。このアルゴリズムは、血液酸素
飽和度を、2種類の波長の光の各反射光強度から得られ
る比に基づいて決定する。以下、経験的に導かれた関係
式を示す。 SaO2=A+B×〔(パルス振幅/メジアン信号)red
(パルス振幅/メジアン信号)infrared〕 但し、AおよびBは経験的に得られる定数であり、添字
red infraredはそれぞれ赤色光,赤外光であること
を示す。
【0018】経験的定数Aは数学的に導かれ、その例が
エドガ(Edgar )Jr.らの米国特許第4,714,0
80号やブランステッタ(Branstetter )らの米国特許
第4,796,636号に開示されている。これらの内
容は本明細書の一部を構成するものとする。例えば、定
数Aは以下の等式から算出され得る。 A=〔(KB Dr)/(35HB Dr(WOr
Rr))〕+〔WRr/(WRr−WOr)〕 但し、KB は血液による散乱 KDrは波長660nmでの最低血圧時における組織と血
液による散乱 HB はヘモグロビンを含む血液体積の変化(fraction) WDrは波長660nmでの最低血圧時における組織と血
液による吸収 WRrは波長660nmでの還元ヘモグロビンの吸率 WOrは波長660nmでの酸化ヘモグロビンの吸率 上記の式の第1項の値は極めて小さく、従ってこれを無
視して計算しても定数Aの精度にそれほど影響しない。
第2項は、波長660nm(赤色)等の既知の波長での
酸化および還元ヘモグロビンの吸光率のみから成ってい
る。これらの値は血液を照射する光の波長に関係する既
知の定数である。従って、定数Aは上記の第2項中の吸
光度WRr,WOrに具体的な数字をあてはめることによっ
て算出される。例えば、660nmの光の場合には、W
Rrが1.732であり、WOrが0.211であるので、
これらの値を上記の式の第2項に代入すると、定数Aは
112%と計算される。
【0019】経験的定数Bは、98%等の既知の酸素飽
和度を有する少なくとも1人の患者に本モニタ装置をキ
ャリブレートすることによって経験的に決定される。
【0020】その他の実施態様として、血液酸素飽和度
を算出する経験式は、前記のようにメジアンパルス信号
を利用する代わりに平均パルス信号に基づいてもよい。
平均パルス信号に基づく計算によっても精確な結果を得
ることができるが、ただし、マイクロプロセッサ28に
おいて平均化アルゴリズムを実行することは望ましくな
い。
【0021】一般に、光検出器20によって検出される
パルス振幅は反射信号強度全体の1%弱に過ぎない。従
って、パルス振幅の測定誤差はそれがたとえ小さなもの
であっても血液酸素飽和度の算出を不精確にする。パル
ス振幅の測定における誤差は、信号波形の大きさに上向
きもしくは下向きの傾きが含まれている場合に生じ得
る。信号波形のメジアン(または平均)信号が上向きの
傾きを含むときには、当該波形のパルス振幅は実際より
も小さくなる。図3のグラフはこのことを示しており、
実際のパルス振幅のほうが検出されたパルス振幅よりも
大きいことがわかる。同様に、信号波形のメジアン信号
が下向きの傾きを含むときには、当該波形のパルス振幅
は実際よりも大きくなる。この現象は図4のグラフに示
されている。
【0022】従来の装置の多くは、信号波形が上向きも
しくは下向きの傾きを含む場合にも、当該波形のパルス
振幅をそのまま利用するので不精確な結果となり、その
ために、それらのパルスに基づく血液酸素飽和度の算出
も不精確なものとなっていた。本モニタ装置は、信号波
形に含まれる上向きもしくは下向きの傾きの影響を除く
ことによって、前記の問題を解決する。本実施例では、
信号波形の中の最低血圧時と最高血圧時に対応する信号
値を以下のように補正する。最初に、各パルスの区間の
平均時間を求める。 区間平均時間=(最低血圧時+最高血圧時)/2 次に、各区間におけるメジアン信号を計算する。 メジアン信号=(最低血圧信号値+最高血圧信号値)/
2 これらから、トレンド傾斜率を以下のように計算する。 トレンド傾斜率=(今回のメジアン信号−前回のメジア
ン信号)/(今回の区間平均信号−前回の区間平均信
号) 最高血圧信号値および最低血圧信号値は以下のように補
正される(但し、添字correct measuredはそれぞれ補
正値,測定値を示す。以下同じ)。 最高血圧信号値correct =最高血圧信号値measured
(トレンド傾斜率*最低血圧−最高血圧信号間区間時
間) 最低血圧信号値correct =最低血圧信号値measured
(トレンド傾斜率*最低血圧−最高血圧信号間区間時
間) 最後に、パルス振幅が以下のように補正される。 パルス振幅correct =最低血圧信号値correct −最高血
圧信号値correct
【0023】上記のトレンドの影響を除く操作によっ
て、信号波形の各パルス振幅の測定精度が向上し、その
結果、本モニタ装置による血液酸素飽和度の測定精度が
顕著に向上する。もっとも、信号波形のトレンド変化が
極めて急激な場合(例えば、2〜3パルス程度しか継続
しない場合)には、上記のトレンド除去操作の結果却っ
て生のデータを歪めてしまうことがある。
【0024】上記のような問題を防止するための1つの
方法は、各パルスについて、トレンド除去操作を受けな
ければ採用されたはずであるのにも関わらず当該操作を
受けたために除去されるべきであるとされたパルス振幅
については、元の“当該操作を受けない状態の”最低血
圧信号値および最高血圧信号値を採用することである。
例えば、トレンド除去操作を受けたパルスの振幅がパル
ス振幅の上限値もしくは下限値を超えたにも関わらず、
トレンド除去操作を受ける前のパルス振幅は何れの限界
値も超えない場合には、血液酸素飽和度の算出を後者の
トレンド除去操作を受けていないパルス振幅に基づいて
行うこととするのである。
【0025】その他の実施態様として、トレンド除去方
法はまた、今回と前回のパルス情報に加えてそれ以前お
よび/またはそれ以後のパルスから得られる情報に基づ
いて行うことができる。例えば、始めに今回のパルス
(n)について、それと前回のパルス(n−1)とのト
レンド傾斜率とそれと次回のパルス(n+1)とのトレ
ンド傾斜率とをそれぞれ個別に求めておき、次いで、そ
れら複数の傾きの平均値をとるかあるいは比較を行うこ
とによって全体的なトレンドの傾きの値を求め、その値
に基づいてパルス振幅を補正するのである。さらに、種
々の曲線あてはめ(curve fitting )手法を利用するこ
とにより複数のパルスからの情報に基づいてトレンドの
傾きを決定する態様とすることも可能である。
【0026】以上本発明の方法および装置の具体例につ
いて詳細に説明したが、本発明は上記の具体的態様に何
ら限定されず、特許請求の範囲に記載された本発明の精
神および範囲内での変更、修正、改良を含むことが理解
されるべきである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の非観血血液酸素飽和度モニタ装置の基
本的な実施態様を概略的に示すブロック図である。
【図2】本発明の反射型オキシメータ装置の光学センサ
によって検出されたパルスの波形を表すグラフである。
【図3】上向きのトレンドを含むパルスの波形を表すグ
ラフである。
【図4】下向きのトレンドを含むパルスの波形を表すグ
ラフである。
【符号の説明】
12 検出プローブ 16 第1の発光ダイオード(第1の光源) 18 第2の発光ダイオード(第2の光源) 20 光検出器 22 信号トレンド補正装置 24 フィルタ 26 電圧振幅比決定回路 28 マイクロプロセッサ 30 プログラムメモリ

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 組織内の動脈の血液試料を第1波長の光
    で照射する第1照射工程と、 前記血液試料を第2波長の光で照射する第2照射工程
    と、 前記血液試料を経た前記各光を検出し、該検出された各
    光をAC脈動成分とDC成分を含む信号に変換する検出
    工程と、 前記各信号のAC脈動成分を補正して該成分から上向き
    もしくは下向きの傾きの影響を除く信号補正工程と、 前記各電磁照射のDC成分と補正されたAC成分を信号
    処理することにより前記組織の血液酸素飽和度を決定す
    る工程とを含むことを特徴とする血液酸素飽和度モニタ
    方法。
  2. 【請求項2】 前記AC脈動成分を補正する信号補正工
    程が、 今回のAC脈動成分の区間平均時間と以前のAC脈動成
    分の区間平均時間とを算出する工程と、 今回のメジアン信号の振幅と前回のメジアン信号の振幅
    との差から第1の量を算出し、今回のAC脈動成分の区
    間平均時間と以前のAC脈動成分の区間平均時間との差
    から第2の量を算出し、前記信号の傾きを示す傾斜率を
    該第1の量と第2の量の比として算出する傾斜率算出工
    程と、 前記傾斜率と今回のAC脈動成分の区間時間との積から
    トレンド量を算出し、検出された最高血圧信号値から該
    トレンド量を減ずることにより該最高血圧信号値を補正
    する最高血圧値補正工程と、 検出された最低血圧信号値から前記トレンド量を減ずる
    ことにより該最低血圧信号値を補正する最低血圧値補正
    工程と、 前記補正された最高および最低血圧信号値を使用するこ
    とにより前記各波長でのAC脈動信号成分の振幅を補正
    する振幅補正工程とを含む血液酸素飽和度モニタ方法。
  3. 【請求項3】 第1波長の光で照射を行う第1の照射光
    源と、 第2波長の光で照射を行う第2の照射光源と、 前記第1と第2の照射光源を血液試料を照射するために
    配置する配置手段と、 前記血液試料を経た各光を検出し、該検出された各光を
    AC脈動成分とDC成分を含む信号に変換し、該信号を
    出力する検出手段と、 前記各信号のAC脈動成分を補正して該成分から上向き
    もしくは下向きの傾きの影響を除く信号補正手段と、 前記各出力信号のAC成分とDC成分の振幅の比をそれ
    ぞれ求める振幅比算出手段と、 前記2つの振幅比の商と、所定の酸素飽和度特性基準曲
    線とを相関させることにより血液酸素飽和度を算出する
    手段とを含むことを特徴とする血液酸素飽和度モニタ装
    置。
  4. 【請求項4】 前記各AC脈動成分の各パルス振幅が、
    該パルス振幅より前に検出された少なくとも1つのパル
    ス振幅からのパルス振幅情報に基づく最小および最大パ
    ルス振幅によって規定されるパルス振幅範囲を外れる場
    合に、該検出パルス振幅を排除する手段を、前記信号補
    正手段が含む請求項3の装置。
  5. 【請求項5】 前記パルス振幅範囲の最小および最大振
    幅が、 最小パルス振幅=Avgpulse ÷換算率 最大パルス振幅=Avgpulse ×換算率 但し、Avgpulse は、前記各パルス振幅より前に検出
    されたパルスのパルス振幅と、該各パルス振幅の前に検
    出された少なくとも2つのパルスのパルス振幅の平均値
    との何れかである請求項4の装置。
  6. 【請求項6】 前記換算率が約3.0である請求項5の
    装置。
  7. 【請求項7】 前記AC脈動成分のパルス振幅の前
    に検出された少なくとも1つのパルスについての最低血
    圧−最高血圧信号間区間時間に基づいて、該パルスの最
    低血圧信号値と最高血圧信号値を決定するためのパルス
    検出ウィンドウを設定する手段と、 少なくとも前記パルス検出ウィンドウと同じ時間だけ互
    いに隔てられた最低血圧信号値と最高血圧信号値を有す
    るパルスのみを血液酸素飽和度の算出に適した真のパル
    スと認定する手段とを更に含む請求項3の装置。
  8. 【請求項8】 前記パルス検出ウィンドウの区間時間
    が、複数のパルスについての最低血圧−最高血圧信号間
    区間時間の平均値に基づくものである請求項7の装置。
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