JP2000105443A - 二軸配向ポリオレフィンシ―トを有する透過型両面塗り写真要素 - Google Patents

二軸配向ポリオレフィンシ―トを有する透過型両面塗り写真要素

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JP2000105443A JP11263843A JP26384399A JP2000105443A JP 2000105443 A JP2000105443 A JP 2000105443A JP 11263843 A JP11263843 A JP 11263843A JP 26384399 A JP26384399 A JP 26384399A JP 2000105443 A JP2000105443 A JP 2000105443A
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ポール ボーデレイス ロバート
Alphonse D Camp
ドミニク キャンプ アルフォンス
Peter Thomas Aylward
トーマス エイルワード ピーター
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 改良された光の透過率を備え、同時に、光源
の素子が見る者にはっきりとわからないように、より有
効な光の拡散を提供する透過型ディスプレー材料に対す
る要求が存在する。 【解決手段】 本発明は、透明高分子シート、前記透明
高分子シートにラミネートされた二軸配向ポリオレフィ
ンシート、前記二軸配向ポリオレフィンシートの頂部に
塗布された1層の画像層、および前記透明高分子シート
の底部に塗布された1層の画像層を含んでなる写真要素
であって、前記高分子シートの剛性が20〜100ミリニュ
ートンであり、前記二軸配向ポリオレフィンシートの分
光透過率が少なくとも40%であり、反射濃度が60%未満
である写真要素に関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は写真材料に関する。
好ましい態様において、本発明は写真用透過型ディスプ
レーに関する。
【0002】
【従来の技術】写真ディスプレー材料が、広告、並びに
写真画像の装飾的ディスプレーに利用されることは当該
技術分野において知られている。これらのディスプレー
材料は広告に使用されるので、当該ディスプレー材料の
画質は、広告されている製品またはサービスの良質なメ
ッセージを表現する点で重要である。さらに、写真ディ
スプレー画像は、そのディスプレー材料およびその伝達
しようとするメッセージに消費者の注意を引きつけよう
とするものであるので、インパクトの強いものであるこ
とが必要である。ディスプレー材料の典型的な用途とし
ては、公共の場、例えば空港、バス、スポーツのスタジ
アムにおける製品およびサービスの広告、映画ポスタ
ー、並びに芸術写真が含まれる。良質の高インパクト写
真ディスプレー材料の望ましい特性は、僅かな青濃度最
小値、耐久性、鮮鋭性、および平坦性である。ディスプ
レー材料は代替のディスプレー材料技術、主に紙の上の
リソグラフ画像と比較して高価になりがちであるので、
コストもまた重要である。伝統的なカラーペーパーは、
取扱い、写真処理、および大判画像のディスプレーにお
ける耐久性が欠如しているので、ディスプレー材料には
望ましくない。
【0003】カラーペーパーの形成において、そのベー
ス紙にポリマー、概してポリエチレンの層を適用するこ
とが知られている。この層は、紙に耐水性を提供するの
に役立つと共に、その上に感光性層を形成するための平
滑な表面を提供する。ポリエチレン層の適当なレイダウ
ンおよび冷却を確保するには十分な注意力と費用とを必
要とするので、好適な平滑面を形成することは困難であ
る。好適な平滑面の形成により、改良されたベースの反
射特性が従来の材料よりもさらに鏡面となるにつれて、
当該ディスプレー材料はより明らかな(黒の)シマリを
有することになるので、画質もまた改良されるであろ
う。白色はより白く、黒色はより黒くなるので、その間
の範囲がより広くなり、ゆえに、コントラストが高めら
れる。さらに信頼性が高く、しかも改良された表面をよ
り安価に形成することができれば望ましいであろう。
【0004】従来技術の反射型印画紙は、蛍光増白剤お
よび他の白色化材料、並びに色味剤のためのキャリアー
層としても役立つ溶融押出ポリエチレン層を含んでな
る。蛍光増白剤、白色化材料および色味剤をポリエチレ
ンの単一溶融押出層中に分散させるのではなく、表面の
より近くに集中させることができれば望ましく、それら
は光学的にさらに有効なものになるであろう。
【0005】ディフューザーが導入されている従来技術
の透過型写真ディスプレー材料は、ゼラチンを塗布した
透明ポリエステルシート上に感光性ハロゲン化銀乳剤が
直接塗布されている。導入されているディフューザーは
バックライト式透過型ディスプレー材料に使用される光
源を拡散させるのに必要である。ディフューザーが無い
と、光源が画像の品質を低下させるであろう。概して、
白色顔料は像形成層の最底部層に塗布される。写真乳剤
用のバインダーとして使用されるゼラチンのために感光
性ハロゲン化銀乳剤は黄色になりがちであるので、現像
された画像の最小濃度領域は黄色く見えることが多いで
あろう。画像を見る大衆は画質を真っ白な白と関連付け
るため、黄色みがかった白は透過型ディスプレー材料の
商業的価値を下げる。より青みがかった白は大衆にもっ
とも白い白として知覚されるので、ディフューザーが導
入されている透過型ディスプレー材料がより青みがかっ
た白を有することができれば望ましいであろう。
【0006】従来技術の透過型ディスプレー材料は感光
性ハロゲン化銀乳剤の付着量を高めて、写真用反射型プ
リント材料と比較して、画像の濃度を高めている。付着
量を高めると透過空間における画像の濃度が高まると同
時に、画像を現像する時間もまた付着量の増大につれて
長くなる。概して、写真プリント材料の現像時間が45秒
以下であるのに対して、高濃度透過型ディスプレー材料
の現像時間は 110秒である。従来技術の高濃度透過型デ
ィスプレー材料は、処理時の、現像ラボの生産性を低下
させる。さらに、乳剤を高い付着量で塗布すると、製造
において乳剤のさらなる乾燥が必要となり、乳剤塗工機
の生産性を低下させる。濃度が高く、現像時間が50秒未
満の透過型ディスプレー材料があれば望ましいであろ
う。
【0007】ディフューザーが導入されている従来技術
の写真用透過型ディスプレー材料は、ゼラチンを下塗り
された透明ポリエステルシート上に感光性ハロゲン化銀
乳剤が直接塗布されている。TiO2 を像形成層の最底
部層に添加して、光を良好に拡散させ、利用されている
照明用電球の個々の素子が表示画像の観察者に見えない
ようにする。しかしながら、像形成層にTiO2 を塗布
すると、コーティング付着量の増加などの製造上の問題
が起こり、塗工機でのより多くの乾燥が必要となり、T
iO2 のために塗工機のさらなる清掃が必要となるの
で、塗工機の生産性の低下を避けられない。さらに、高
強度背面照明システムを拡散させるには、より多量のT
iO2 を使用するので、最底部の像形成層に塗布された
TiO2 が許容できない光散乱を生じ、透過型画像の品
質を低下させる。必要な透過特性および画質特性を提供
しつつ、画像層からTiO2 を排除するのが望ましいで
あろう。
【0008】従来技術の写真ディスプレー材料は支持体
のベースとしてポリエステルを使用する。概してポリエ
ステル支持体は、必要とされる剛性を備えるには 150〜
250μmの厚みとなる。ベース材料が薄いほどコストも
低くなり、ロールの重量が減少し、その直径も小さくな
るので、効率の良いロールの取り扱いが可能となるであ
ろう。必要とされる剛性を有するけれども、コストを低
下させ、かつロールの取扱効率を向上させるベース材料
を使用することが望ましいであろう。
【0009】共押出薄層技術における改良および限界の
例が米国特許第 5,476,708号明細書において説明されて
おり、そこでは、写真システムにおける鮮鋭性の改良
を、色味剤および顔料を加えられていない溶融押出され
た薄い表皮層を製造し、感光性乳剤の下に使用すること
によって達成することができると提案されている。乳剤
の下の薄い表皮層を二軸配向させて剛性を備えさせ、か
つ、青の色味を付けて、感光性ハロゲン化銀像形成層の
黄色度に必要な色補正を加えることができれば望ましい
であろう。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】改良された光の透過率
を備え、同時に、光源の素子が見る者にはっきりとわか
らないように、より有効な光の拡散を提供する透過型デ
ィスプレー材料に対する要求が存在する。
【0011】改良された透過型ディスプレー材料を提供
することが本発明の目的である。
【0012】コストが低く、鮮鋭な耐久性画像を提供す
るディスプレー材料を提供することがもう1つの目的で
ある。
【0013】透過型ディスプレー材料を照らすのに使用
される光をより有効に使用することがさらなる目的であ
る。
【0014】各々の側面にハロゲン化銀画像を備えてい
るけれども、単一露光工程のままであり、処理時間が短
い製品を提供することがもう1つの目的である。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明のこれらの目的お
よびその他の目的は、透明高分子シート、前記透明高分
子シートにラミネートされた二軸配向ポリオレフィンシ
ート、前記二軸配向ポリオレフィンシートの頂部に塗布
された1層の画像層、および前記透明高分子シートの底
部に塗布された1層の画像層を含んでなる写真要素であ
って、前記高分子シートの剛性が20〜 100ミリニュート
ンであり、前記二軸配向ポリオレフィンシートの分光透
過率が少なくとも40%であり、反射濃度が60%未満であ
る写真要素によって達成される。
【0016】
【発明の実施の形態】本発明は従来の透過型ディスプレ
ー材料および透過型ディスプレー材料の像形成方法に勝
る無数の利点を有する。本発明のディスプレー材料は非
常に有効に光を拡散させると同時に高い割合の光を透過
させる。これらの材料は、好ましい態様においてハロゲ
ン化銀像形成層を高分子シートの両側に含有しているの
で、平行ビーム露光装置による1回の露光で像形成させ
ることができる。比較的薄い2層のハロゲン化銀画像材
料があり、現像液が像形成材料の薄層を通って迅速に浸
透するので、本発明の要素の現像を迅速に行うことがで
きる。これらの材料は、透明高分子シートが従来の製品
よりも薄いので低コストである。二軸配向シートが写真
要素の強度および剛性に寄与するので、これらの製品を
より薄くすることができる。それらはまた、ハレーショ
ン防止層がまったく必要ではないので、利用されるゼラ
チンがより少ないことからもコストが低い。透過型ディ
スプレー材料の形成には、利用される照明電球の個々の
素子が表示画像の観察者に見えないほど良好に光を拡散
するディスプレー材料が必要とされる。他方では、光が
有効に透過してディスプレー画像を明るく照らすことが
必要である。本発明により、より大量の照明光をディス
プレー照明として実際に利用し、同時に、光源が観察者
にはっきりとわからないように非常に有効に光源を拡散
させることが可能となる。本発明のディスプレー材料
は、個々の光源が見えるのを防ぐのに多量の光散乱顔料
を必要とするためにやや黄色く見える傾向がある従来技
術の材料よりも、観察者にとって、より白く見えるであ
ろう。これらの高濃度の顔料は観察者には黄色く見え、
結果的に望まれるよりも暗い画像となる。これらの利点
およびその他の利点は下記の詳細な説明から明らかであ
ろう。
【0017】本明細書において使用される「頂部」、
「上部」、「乳剤側」、および「表」という用語は、要
素の、二軸配向シートを担持している面または面方向を
意味する。「底部」、「下部面」、および「裏」という
用語は、要素の、二軸配向シートを担持している面とは
反対側の面を意味する。本明細書において使用される
「透明」という用語は、大した偏りまたは吸収を伴わず
に輻射線を通過させる能力を意味する。本発明では、
「透明」材料とは、90%を超える分光透過率を有する材
料として定義する。写真要素についての分光透過率は入
射出力に対する透過出力の比であり、以下のように百分
率として表す。 TRGB =10-D× 100 上式中、DはX-Rite 310型(または同等品)写真透過濃
度計によって測定された赤、緑、および青のステータス
A透過濃度応答の平均値である。本明細書において使用
されている「両面塗り」要素という用語は、像形成支持
体の頂部側および底部側に感光性ハロゲン化銀塗膜があ
る要素を意味する。
【0018】本発明の二軸配向ポリオレフィンシートの
層は、最適な透過特性を提供するように調整された量の
ボイド化、TiO2 および着色剤を有する。この二軸配
向ポリオレフィンシートは、有効な画像処理、並びに製
品の取り扱いおよびディスプレーのための剛性を得るた
めに透明高分子ベースにラミネートされている。本発明
の重要な特徴は、像形成支持体の頂部側および底部側に
感光性ハロゲン化銀乳剤が塗布されており、この両面塗
りハロゲン化銀塗膜が、頂部側にのみ付与されている二
軸配向シートの光学的性質と相まって、透過式で使用す
ることができる改良された写真ディスプレー材料を提供
するということである。本発明の両面塗りディスプレー
材料は、従来技術の写真ディスプレー材料が 110秒の現
像時間を必要とするのに対して、本発明については45秒
の現像時間であるという点で、かなりの商業的価値を有
する。両面塗り乳剤の頂部側の底部側に対する付着量の
比は1: 0.6〜1:1.25の比であるべきであることが見
出された。両面塗り乳剤の頂部側の底部側に対する付着
量の比が1:1.25では像形成用の光をかなり減衰させ、
悪影響を及ぼし、結果として底部側の乳剤塗膜の露出不
足を生ずることが示された。逆に、両面塗り乳剤の頂部
側の底部側に対する付着量の比が1: 0.6未満では像形
成用の光をかなり減衰させ、悪影響を及ぼし、結果とし
て頂部側の乳剤塗膜の露出過度を生ずる。両面塗り乳剤
の頂部側の底部側に対する付着量の好ましい比は1:1
である。1:1の比により、有効な露光と良質な画像に
必要とされる色素濃度とが可能となる。
【0019】ラミネートして本発明のベースを形成させ
るためのシートには、いずれの好適な二軸配向ポリオレ
フィンシートを利用してもよい。TiO2 を使用するこ
となくボイドが不透明度を付与するため、ミクロボイド
化複合二軸配向シートが好ましい。ミクロボイド化複合
配向シートは、コア層と表面層とを共押出して、続いて
二軸配向させて、それにより、コア層中に含有されてい
るボイド開始材料の周りにボイドを形成させることによ
って製造するのが便利である。このような複合シート
は、例えば、米国特許第 4,377,616号、同 4,758,462
号、および同 4,632,869号の各明細書に開示されてい
る。
【0020】好ましい複合シートのコアはシートの全厚
の15〜95%、好ましくは全厚の30〜85%であるべきであ
る。従って、非ボイド化表皮層(複数であってもよい)
はシートの5〜85%、好ましくは厚みの15〜70%である
べきである。
【0021】複合シートの密度(比重)は、「中実密度
のパ−セント」で表すと、以下のように算出され、 45%〜 100%、好ましくは67〜 100%であるべきであ
る。中実密度のパーセントが67%未満になると、引張強
さの低下のために複合シートの加工性が低下し、物理的
損傷をより受け易くなる。
【0022】複合シートの全厚は12〜 100μm、好まし
くは20〜70μmの範囲とすることができる。20μm未満
では、ミクロボイド化シートは、支持体固有の非平坦性
を最小化するのに十分厚くはなく、製造するのがさらに
困難になるであろう。70μmを超える厚みでは、表面の
平滑性または機械的性質のいずれについても改良がほと
んど見られないので、余分の材料に起因するコストのさ
らなる増加を正当化する理由は殆ど無い。
【0023】本明細書で使用されている「ボイド」は、
添加された固体および液体が無いこと(「ボイド」は気
体を含有していることが多い)を意味する。完成パッケ
ージングシートコアに残留するボイド開始粒子は、所望
の形状および大きさのボイドを生ずるには、直径は 0.1
〜10μmであり、好ましくは形状が丸いものであるべき
である。ボイドの大きさはまた縦方向および横方向への
配向度にも依存する。理想的には、ボイドは、対向し、
かつ縁が接触している2つの凹型の円板によって規定さ
れる形状をとるであろう。換言すれば、ボイドはレンズ
状または両凸の形状を有する傾向がある。ボイドは、2
つの主次元がシートの縦方向および横方向に並ぶように
配向させられる。Z方向軸は副次元であり、おおよそボ
イド化粒子の断面直径の大きさである。これらのボイド
は一般に独立気泡になる傾向があり、従って、そこを通
って気体または液体が通り抜けることができるような、
ボイド化コアの一方の側面から他の側面へと開いている
経路は事実上存在しない。
【0024】ボイド開始材料は種々の材料から選ぶこと
ができ、コアマトリックスポリマーの重量に対して約5
〜50重量%の量が存在すべきである。好ましくは、ボイ
ド開始材料は高分子材料を含んでなる。高分子材料を使
用する場合、その高分子材料は、コアマトリックスの製
造に用いるポリマーと溶融混合することができ、かつ懸
濁液を冷却するにつれて分散球状粒子を形成することが
できるポリマーであってもよい。これらの例には、ポリ
プロピレン中に分散されたナイロン、ポリプロピレン中
のポリブチレンテレフタレート、またはポリエチレンテ
レフタレート中に分散されたポリプロピレンが含まれ
る。ポリマーを予め造形し、マトリックスポリマー中に
配合する場合、重要な特性は粒子の大きさおよび形状で
ある。球体が好ましく、中空または中実であることがで
きる。これらの球体は、一般式がAr−C(R)=CH
2 であるアルケニル芳香族化合物(式中、Arは芳香族
炭化水素ラジカル、またはベンゼン系列の芳香族ハロ炭
化水素ラジカルを表し、Rは水素またはメチルラジカル
である);アクリレートタイプのモノマー、例えば式C
2 =C(R’)−C(O)(OR)(式中、Rは水素
および約1〜12個の炭素原子を含有しているアルキルラ
ジカルからなる群より選ばれ、R’は水素およびメチル
からなる群より選ばれる)のモノマー;塩化ビニルおよ
び塩化ビニリデン、アクリロニトリルおよび塩化ビニ
ル、臭化ビニル、式CH2 =CH(O)COR(式中、
Rは2〜18個の炭素原子を含有しているアルキルラジカ
ルである)を有するビニルエステルのコポリマー;アク
リル酸、メタクリル酸、イタコン酸、シトラコン酸、マ
レイン酸、フマル酸、オレイン酸、ビニル安息香酸;テ
レフタル酸およびジアルキルテレフタル酸もしくはその
エステル形成性誘導体を、HO(CH2 n OH(式
中、nは2〜10の範囲内にある整数である)系列のグリ
コールと反応させることによって調製され、反応性オレ
フィン系結合をポリマー分子内に有する合成ポリエステ
ル樹脂(上述のポリエステルには、反応性オレフィン系
不飽和を有する第二の酸もしくはそのエステルおよびそ
れらの混合物が共重合されて、その中に20重量%以下含
まれている)からなる群より選ばれたものである架橋ポ
リマーから製造することができ、架橋剤は、ジビニルベ
ンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート、フマ
ル酸ジアリル、フタル酸ジアリルおよびそれらの混合物
からなる群より選ばれる。
【0025】架橋ポリマーを製造するための典型的なモ
ノマーの例には、スチレン、アクリル酸ブチル、アクリ
ルアミド、アクリロニトリル、メタクリル酸メチル、エ
チレングリコールジメタクリレート、ビニルピリジン、
酢酸ビニル、アクリル酸メチル、ビニルベンジルクロラ
イド、塩化ビニリデン、アクリル酸、ジビニルベンゼ
ン、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸、ビニル
トルエンなどが含まれる。好ましくは、架橋ポリマーは
ポリスチレンまたはポリメタクリル酸メチルである。も
っとも好ましくは、架橋ポリマーはポリスチレンであ
り、架橋剤はジビニルベンゼンである。
【0026】当該技術分野において周知の方法では、ブ
ロードな粒径分布を特徴とする、大きさが不均一な粒子
が得られる。元々の粒径分布の範囲にわたるビーズを篩
分けすることによって、得られたビーズを分級すること
ができる。他の方法、例えば懸濁重合および限定凝集に
より、大きさが非常に均一な粒子が直接得られる。
【0027】ボイド開始材料に薬剤を塗布して、ボイド
生成を促進してもよい。好適な薬剤または滑剤には、コ
ロイド状シリカ、コロイド状アルミナ、および金属酸化
物、例えば酸化スズおよび酸化アルミニウムが含まれ
る。好ましい薬剤はコロイド状のシリカおよびアルミナ
であり、もっとも好ましくはシリカである。薬剤塗膜を
有する架橋ポリマーは当該技術分野において周知の手順
によって調製することができる。例えば、従来の懸濁重
合法であって、当該薬剤をその懸濁液に添加するものが
好ましい。薬剤としては、コロイド状シリカが好まし
い。
【0028】ボイド開始粒子は、中実または中空のガラ
ス球、金属もしくはセラミックのビーズ、または無機粒
子、例えばクレー、タルク、硫酸バリウム、および炭酸
カルシウムなどの無機球体であってもよい。重要なこと
は、これらの材料がコアマトリックスポリマーと化学的
に反応して以下の問題の1つ以上を引き起すことがない
ことである。(a)マトリックスポリマーの結晶化動力
学が変化して配向させるのが困難になること、(b)コ
アマトリックスポリマーの分解、(c)ボイド開始粒子
の破壊、(d)ボイド開始粒子のマトリックスポリマー
への接着、または(e)望ましくない反応生成物、例え
ば毒性のもしくは高度に着色した部分の発生。ボイド開
始材料は写真活性のあるものであるべきではなく、また
は二軸配向ポリオレフィンフィルムが利用されている写
真要素の性能を低下させるものであるべきではない。
【0029】乳剤側の頂部面上の二軸配向シートについ
ては、好ましい複合シートの二軸配向シートおよびコア
マトリックスポリマーとして好適な熱可塑性ポリマーの
類にはポリオレフィンが含まれる。好適なポリオレフィ
ンには、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリメチルペ
ンテン、ポリスチレン、ポリブチレンおよびそれらの混
合物が含まれる。プロピレンとエチレン、例えばヘキセ
ン、ブテンおよびオクテンとのコポリマーなどのポリオ
レフィンコポリマーもまた有用である。コストが低く、
そして望ましい強度特性を有するので、ポリプロピレン
が好ましい。
【0030】複合シートの非ボイド化表皮層は、コアマ
トリックスについて上記に列挙したものと同じ高分子材
料から製造することができる。複合シートは、コアマト
リックスと同じ高分子材料の表皮層(複数であってもよ
い)を用いて製造することができ、またはコアマトリッ
クスとは異なる高分子組成物の表皮層(複数であっても
よい)を用いて製造することができる。適合性を得るた
めに、補助層を使用して、表皮層のコアへの接着を強め
ることができる。
【0031】最上の表皮層または露出表面層の全厚は、
0.20〜 1.5μm、好ましくは 0.5〜1.0μmであるべき
である。 0.5μm未満では、共押出された表皮層に固有
の非平坦性により許容しがたい色変動が発生することに
なる。 1.0μmを超える表皮層厚みでは、写真光学特
性、例えば画像解像度が低下する。 1.0μmを超える厚
みではまた、凝塊、カラー顔料の分散不良、または汚染
などの汚染のために濾過すべき材料の容積が大きくな
る。現行の乳剤調合物はポリプロピレンおよび高密度ポ
リエチレンなどの他の材料と比較して低密度ポリエチレ
ンに良好に接着するため、密度が0.88〜0.94g/cm3 の低
密度ポリエチレンが頂部表皮層に好ましい材料である。
【0032】最上の表皮層に添加剤を添加して、像形成
要素の色を変化させてもよい。写真用途には、僅かに青
味がかった白色ベースが好ましい。当該技術分野におい
て知られているいずれかの方法、例えば着色剤濃厚物を
押出前に機械配合すること、および所望の配合比で予め
配合された青色着色剤を溶融押出することによって、僅
かな青味を加えることができる。表皮層の共押出には 3
20℃を超える温度が必要であるので、 320℃を超える押
出温度に耐えることができる着色顔料が好ましい。本発
明に使用される青色着色剤は、像形成要素に悪影響を及
ぼさないならばいずれの青色着色剤であってもよい。好
ましい青色着色剤には、フタロシアニン青色顔料、クロ
モフタール青色顔料、イルガジン青色顔料、イルガライ
ト有機青色顔料、および顔料ブルー60が含まれる。
【0033】共押出し、その後、幅方向および長さ方向
に延伸することによって、乳剤層直下の表面に極薄塗膜
( 0.2〜 1.5μm)を製造することができることが見出
された。この層は、本来、厚みが極めて正確であり、こ
の層を使用して、通常は乳剤と透明高分子シートとの間
のシートの厚み全体にわたって配置される色補正剤のす
べてを提供することができることが見出された。この最
上層は極めて効率的であるので、補正を行うのに必要と
される全着色剤は、着色剤を厚み全体に分散させた場合
に必要とされる量の半分未満である。着色剤は凝塊およ
び分散不良に起因するスポット欠陥の原因となることが
多い。本発明によれば、より少量の着色剤が使用され、
着色剤を含むポリマーの全容積が、透明高分子シートと
感光性層との間の全ポリマーの概して2〜10%でしかな
いので、溶融ポリマーを清浄にするための高品質濾過を
はるかに容易に実行可能であるため、画像の商業的価値
を低下させるスポット欠陥が改良される。
【0034】本発明の頂部表皮層へのTiO2 の添加
は、シートの光学性能に大して寄与しないにもかかわら
ず、無数の製造上の問題、例えば押出ダイ筋およびスポ
ットの原因となることがある。TiO2 を実質的に含ま
ない表皮層が好ましい。0.20〜1.5μmの層にTiO2
を添加しても、支持体の光学性能を大して改良せず、設
計コストが高くなり、そして押出過程にあるまじき顔料
筋の原因となるであろう。
【0035】目的とする観衆に二軸配向シートが見られ
る際に、その像形成要素が紫外線に露光されると可視ス
ペクトル光を発光するように、本発明の二軸配向シート
に添加剤を添加してもよい。可視スペクトル光の発光に
より、紫外線エネルギーの存在下で支持体が所望のバッ
クグラウンドカラーを有することが可能となる。これ
は、紫外線エネルギーを含有する光源を用いて画像を背
面から照らす場合に特に有用であり、これを使用して、
透過型ディスプレー用途に画質を最適化することができ
る。
【0036】青スペクトルの可視光を発光することが当
該技術分野において知られている添加剤が好ましい。消
費者は、もっとも良好に知覚される白色としては、0か
ら1b* 単位以内のb* で定義される白い白色と比較し
て、負のb* で定義される僅かに青味を加えた白色の方
を一般に好む。b* はCIE空間における黄色/青色の
尺度である。正のb* は黄色を示し、負のb* は青色を
示す。青スペクトルにおいて発光する添加剤の添加によ
り、画像の白色度を低下させる着色剤を添加することな
く支持体を色付けすることが可能となる。好ましい発光
は、1〜5Δb * 単位である。Δb* は、試料を紫外線
光源によって照射した場合と、紫外線エネルギーをまっ
たく含有していない光源によって照射した場合との測定
されるb * の差として定義される。Δb* は、本発明の
頂部二軸配向シートに蛍光増白剤を添加したことの正味
の効果を測定するのに好ましい尺度である。大抵の消費
者は1b* 単位未満の発光に気づくことができないの
で、二軸配向シートに蛍光増白剤を添加するのは原価効
率が高くない。5b* 単位を超える発光は、プリントの
色バランスを崩し、大抵の消費者にとって青過ぎるよう
に見える白色を生ずる。
【0037】本発明の好ましい添加剤は蛍光増白剤であ
る。蛍光増白剤は、紫外線を吸収し、それを可視青色光
として発光する、実質的に無色の蛍光有機化合物であ
る。例としては、 4,4'-ジアミノスチルベン-2,2'-ジス
ルホン酸の誘導体、クマリン誘導体、例えば4-メチル -
7-ジエチルアミノクマリン、1,4-ビス (o-シアノスチリ
ル) ベンゾール、および2-アミノ -4-メチルフェノール
が含まれるけれども、これらに限定されるものではな
い。本発明の予想外の望ましい特徴は蛍光増白剤を有効
に使用することである。透過型ディスプレー材料のため
の紫外光源は画像の反対側にあるため、像形成層に一般
的な紫外線フィルターによって紫外線強度が弱められる
ことはない。その結果、所望のバックグラウンドカラー
を達成するのに必要とされる蛍光増白剤がより少量で済
むことになる。
【0038】蛍光増白剤は多層共押出二軸配向ポリオレ
フィンシート中のいずれの層に添加してもよい。好まし
い位置は前記シートの露出表面層に隣接しているか、ま
たは露出表面層の中である。この位置に添加することに
より、蛍光増白剤を効率的に集中させ、結果として、伝
統的な写真用支持体と比較して、より少量の蛍光増白剤
を使用することが可能となる。蛍光増白剤の所望添加重
量%が、蛍光増白剤が支持体の表面に移動して像形成層
に結晶を形成する濃度に近づき始める場合は、露出層に
隣接する層の中に蛍光増白剤を添加するのが好ましい。
蛍光増白剤の移動が、感光性ハロゲン化銀像形成システ
ムにとっての懸念点となる場合には、好ましい露出層は
ポリエチレンを含んでなる。この場合、露出層に隣接し
ている層からの移動がかなり減少し、はるかに多量の蛍
光増白剤を使用して画質を最適化することが可能とな
る。露出層に隣接する層に蛍光増白剤を配置することに
より、実質的に蛍光増白剤を含まない露出層が、隣接す
る層から頂部層を通って像形成層中に蛍光増白剤が移動
するのをかなり抑制するので、より安価な蛍光増白剤を
使用することが可能となる。好ましくない蛍光増白剤の
移動を低減するもう1つの好ましい方法は、露出表面に
隣接する層にポリプロピレンを使用することである。蛍
光増白剤はポリエチレンよりもポリプロピレンに溶解し
やすいので、蛍光増白剤がポリプロピレンからポリエチ
レン層中に移動しにくい。
【0039】本発明の二軸配向シートはミクロボイド化
コアを有するものが好ましい。ミクロボイド化コアは不
透明度および白色度を像形成支持体に付与して画質をさ
らに向上させる。さらに、ボイド化コアは優れた光ディ
フューザーであり、TiO2などの白色顔料よりも光散
乱が実質的により少ない。光散乱が少ないほど、透過画
像の品質が向上する。ミクロボイド化コアと紫外線エネ
ルギーを吸収して可視スペクトル光を発光する材料との
画質面での利点を組み合わせると、画像支持体が紫外線
に露光された場合に色味を有することができ、屋内光な
どの、大した量の紫外線エネルギーを含有していない照
明を使用して画像を見る場合でもなお優れた白色度が保
持されるので、画質を特異的に最適化することが可能と
なる。垂直方向のボイドの数が実質的にすべての点で6
を超えているのが好ましい。垂直方向のボイドの数と
は、ボイド化層中に存在するポリマー/気体の界面の数
である。ボイド化層は、屈折率がポリマー/気体の界面
間で変化するので、不透明層として機能する。4個以下
のボイドでは、フィルムの不透明性の改良は殆ど認めら
れず、従って、本発明の二軸配向シートをボイド化する
ための追加の出費が正当化されないので、6個を超える
ボイドが好ましい。35個以上のボイドでは、ボイド化コ
アが容易に応力破壊を受け、画像領域に望ましくない破
壊線を生じ、透過型ディスプレー材料の商業的価値を低
下させることがあるので、垂直方向に6〜30個のボイド
があるのがもっとも好ましい。
【0040】二軸配向シートは、白色性または鮮鋭性な
どの写真応答を向上させることが知られている顔料を含
有していてもよい。本発明では、画像鮮鋭性を向上させ
るために二酸化チタンを使用する。使用されるTiO2
はアナターゼタイプまたはルチルタイプのいずれであっ
てもよい。光学特性の場合は、特異な粒径および幾何学
的形状の故にルチルが好ましい。さらに、アナターゼお
よびルチルの両方のTiO2 を配合して白色性および鮮
鋭性の両方を改良してもよい。写真システムにおいて許
容可能なTiO2 の例は、Dupont Chemical Co. のR101
ルチルTiO2およびDuPont Chemical Co. のR104ルチ
ルTiO2 である。二酸化チタン、硫酸バリウム、クレ
ー、または炭酸カルシウムなどの、写真応答を向上させ
る他の顔料を本発明に使用してもよい。
【0041】本発明の二軸配向シートへの好ましいTi
2 の添加量は4〜18重量%である。3%未満のTiO
2 では、ミクロボイド化単独では、必要とされる光透過
率を容易に達成することができない。4%を超えるTi
2 とボイド化とを組み合わせることにより、低コスト
の二軸配向ミクロボイド化シートが提供される。14%を
超えるTiO2 では、透過率の低下を克服するのに、さ
らなる色素濃度が必要とされる。
【0042】本発明の二軸配向ポリオレフィンシートの
好ましい分光透過率は少なくとも40%である。分光透過
率は材料を透過した光エネルギーの量である。写真要素
については、分光透過率は入射出力に対する透過出力の
比であり、以下のように百分率で表される。 TRGB =10-D× 100 上式中、DはX-Rite 310型(または同等品)写真透過濃
度計によって測定された赤、緑、および青のステータス
A透過濃度応答の平均値である。透過率が高い程、材料
の不透明性は低い。ディフューザーが導入されている透
過型ディスプレー材料の場合、画質は、画像から観察者
の眼に反射される光の量に関連する。分光透過率が低い
透過型ディスプレー画像では画像を十分に照らすことが
できず、画質の知覚的な損失を引き起こす。分光透過率
が35%未満の透過画像は、画質が従来技術の透過型ディ
スプレー材料に見合うものとなることができないので、
透過型ディスプレー材料としては不適格である。さら
に、35%未満の分光透過率では、さらなる色素濃度が必
要とされ、当該透過型ディスプレー材料のコストが高く
なるであろう。分光透過率が40%を超えると許容可能な
画質が得られる。しかしながら、分光透過率が75%に近
づくにつれて、当該材料が背面照明光源を十分に拡散さ
せなくなることが見出されている。
【0043】本発明の二軸配向シートには、46%〜54%
の分光透過率がもっとも好ましい。この範囲で、透過特
性および反射特性を最適化して、背面照明光源を拡散さ
せ、画像層の色素濃度を最小化することが可能となる。
【0044】本発明の二軸配向シートには60%未満の反
射濃度が好ましい。反射濃度とは、画像から観察者の眼
に反射される光エネルギーの量である。反射濃度は、X-
Rite310型(または同等品)写真透過濃度計を使用する
0°/45°でのステータスAの赤/緑/青の応答によっ
て測定される。背面照明光源を拡散させるには、十分な
量の反射光エネルギーが必要とされる。透過型ディスプ
レー材料には65%を超える反射濃度は不適格であり、従
来技術の透過型ディスプレー材料の品質に見合うものと
ならない。25%を超える反射濃度により、照明光源の十
分な透過が可能となる。
【0045】これらの複合シートの共押出、急冷、配
向、および熱固定は、フラットシート法またはバブルも
しくはチューブラー法などの、配向シートを製造するの
に当該技術分野において知られているいずれの方法で行
ってもよい。フラットシート法には、スリットダイを通
して配合物を押出し、押出されたウェブを冷却キャステ
ィングドラム上で迅速に急冷して、シートのコアマトリ
ックスポリマー成分および表皮層成分(複数であっても
よい)をそれらのガラス凝固温度未満に急冷することが
含まれる。次に、急冷されたシートを、マトリックスポ
リマーのガラス転移温度より高いけれども、溶融温度よ
り低い温度で互いに垂直な方向に延伸することによって
二軸配向させる。このシートを一方向に延伸し、次に第
二方向に延伸しても、または同時に両方向に延伸しても
よい。延伸比(縦方向および横方向の合計について最終
長さを原長で割ったものとして定義される)は少なくと
も10:1であるのが好ましい。シートを延伸した後、両
延伸方向における収縮に抗してシートをある程度拘束し
ながら、ポリマーを結晶化またはアニールするのに十分
な温度まで加熱することによって、シートを熱固定す
る。
【0046】複合シートは、コアおよび各々の側面の表
皮層の少なくとも3層を有するのが好ましいと記載した
けれども、二軸配向シートの性質を変えるのに役立つ追
加層を具備していてもよい。二軸配向シートは、支持体
および写真要素の接着性を向上させる表面層を備えるよ
うに形成されていてもよい。他の層により、要素の外観
を変えることもできる。二軸配向押出は、ある特定の所
望の特性を達成するのに望まれる場合には、10層に及ぶ
多数の層を用いて実施することができる。
【0047】これらの複合シートを、共押出および配向
過程の後またはキャスティングと全配向との間に、プリ
ント性などのシートの特性を向上させるのに使用するこ
とができるいくつかの数の塗膜で塗布または処理して、
蒸気バリヤーを提供し、それらをヒートシール可能に
し、または支持体もしくは感光性層への接着性を向上さ
せてもよい。これらの例としては、プリント性について
はアクリル系塗膜、ヒートシール特性についてはポリ塩
化ビニリデン塗膜がある。さらなる例としては、プリン
ト性または接着性を向上させるための火炎処理、プラズ
マ処理またはコロナ放電処理が含まれる。
【0048】ミクロボイド化コア上に少なくとも1層の
非ボイド化表皮層を有することにより、シートの引張強
さが増大し、加工性がより高くなる。それにより、すべ
ての層をボイド化してシートを製造する場合よりも、よ
り広幅で、かつより高い延伸比でシートを製造すること
が可能となる。それらの層を共押出することにより、製
造過程がさらに単純化される。
【0049】露出表面層が像形成層に隣接している好ま
しい二軸配向シートの構造は以下の通りである。
【0050】 ───────────────────────────── 青色顔料を有するポリエチレン表皮層 ───────────────────────────── 8%TiO2 および蛍光増白剤を有するポリプロピレン ───────────────────────────── ポリプロピレンミクロボイド化層 ───────────────────────────── ポリプロピレン底部表皮層 ─────────────────────────────
【0051】感光性ハロゲン化銀層のラミネート支持体
とするためにミクロボイド化複合シートおよび二軸配向
シートがラミネートされる支持体は、所望の透過率およ
び剛性を有するものであればいずれの材料であってもよ
い。本発明の写真要素は、例えばポリアルキルアクリレ
ートまたはメタクリレート、ポリスチレン、ポリアミド
(例えばナイロン)のシート、半合成高分子量材料、例
えば硝酸セルロース、酢酪酸セルロースなどのシート;
塩化ビニルのホモポリマーおよびコポリマー、ポリビニ
ルアセタール、ポリカーボネート、オレフィンのホモポ
リマーおよびコポリマー、例えばポリエチレンおよびポ
リプロピレンなどの種々の種類の材料のシートを含むい
ずれかの好適な透明写真品質高分子支持体上に調製する
ことができる。
【0052】ポリエステルシートは優れた強度および寸
法安定性を提供するため特に好都合である。このような
ポリエステルシートは周知であり、広く使用されてお
り、概して二価アルコールと二塩基性の飽和脂肪酸また
はそれらの誘導体とを縮合させることによって調製され
る高分子量ポリエステルから調製される。
【0053】このようなポリエステルの製造に使用する
のに好適な二価アルコールは当該技術分野において周知
であり、例えばエチレングリコール、プロピレングリコ
ール、トリメチレングリコール、ヘキサメチレングリコ
ール、デカメチレングリコール、ドデカメチレングリコ
ール、1,4-シクロヘキサンジメタノールなどの、ヒドロ
キシル基が末端炭素原子上にあり、2〜12個の炭素原子
を含有しているいずれかのグリコールが含まれる。
【0054】ポリエステルの製造に有用な好適な二塩基
酸としては、2〜16個の炭素原子を含有しているもの、
例えばアジピン酸、セバシン酸、イソフタル酸、テレフ
タル酸などが含まれる。酸、例えば上記に列挙したもの
のアルキルエステルもまた用いることができる。他のア
ルコールおよび酸、並びにそれらから製造されるポリエ
ステルおよびそれらのポリエステルの調製については、
米国特許第 2,720,503号および同 2,901,466号の各明細
書に記載されている(引用することにより本明細書に包
含する)。ポリエチレンテレフタレートが好ましい。
【0055】ラミネート支持体のポリエステルシートは
約15μm〜 100μmの範囲にわたる厚みを有することが
できる。好ましい剛性は20〜 100ミリニュートンであ
る。ポリエステルの剛性が15ミリニュートン未満では、
ディスプレー材料に必要とされる剛性が提供されず、取
扱が困難で、最適に見えるように平坦にはならない。ポ
リエステルの剛性が 100ミリニュートンを超えると、二
軸配向ポリオレフィンシートとのラミネート後の加工装
置にとっての剛性限界を超え始め、ディスプレー材料と
しての性能上の恩恵がまったく無い。
【0056】一般に、ポリエステル支持体は、ポリエス
テルをスリットダイを通して溶融押出し、急冷して非晶
質状態とし、縦方向および横方向の延伸によって配向さ
せ、寸法拘束下で熱固定させることによって製造され
る。このポリエステルフィルムを熱緩和処理に付して寸
法安定性および表面平滑性を向上させることもできる。
【0057】当該ポリエステルシートは、概して、ポリ
エステルシートの両側にアンダーコートまたはプライマ
ー層を適用されたものであろう。塗布組成物の支持体へ
の接着性を高めるのに使用される下塗り層は当該技術分
野において周知であり、このような材料であればいずれ
を用いることもできる。この目的のために有用な組成物
には、塩化ビニリデンのインターポリマー、例えば塩化
ビニリデン/アクリル酸メチル/イタコン酸のターポリ
マーまたは塩化ビニリデン/アクリロニトリル/アクリ
ル酸のターポリマーなどが含まれる。これらのおよび他
の好適な組成物は、例えば、米国特許第 2,627,088号、
同 2,698,240号、同 2,943,937号、同 3,143,421号、同
3,201,249号、同 3,271,178号、同 3,443,950号、およ
び同 3,501,301号の各明細書に記載されている。高分子
下塗り層は通常はゼラチンからなる第2の下塗り層(概
してゼラチンサブと呼ばれる)でオーバーコートされ
る。
【0058】透明ポリマー中のTiO2 は反射型ディス
プレー材料に望ましくない乳光の外観を与えるので、T
iO2 の無い透明高分子シートが好ましい。TiO2
加えた従来技術の透明ポリマーはまた、TiO2 を厚み
全体(概して 100〜 180μm)にわたって分散させなけ
ればならないので高価でもある。TiO2 はまた、透明
高分子支持体に僅かな黄色味を与え、写真ディスプレー
材料としては望ましくない。写真用反射型ディスプレー
材料として使用するには、TiO2 を含有している透明
高分子支持体に青味を付けて、望ましい白色度の低下の
原因となるポリエステルの黄色味を相殺しなければなら
ず、これにより、ディスプレー材料のコストが上乗せさ
れる。ポリオレフィン層中に白色顔料を集中させること
により、白色顔料の効率的使用が可能となり、画質を向
上させ、像形成支持体のコストが削減される。
【0059】ポリエステルシートを使用する場合は、ポ
リオレフィン樹脂を使用して、このポリエステルシート
にミクロボイド化複合シートを押出ラミネートするのが
好ましい。押出ラミネートは、ポリエステルシートと本
発明の二軸配向ポリオレフィンシートとの間に溶融押出
接着剤を適用することにより二軸配向シートとポリエス
テルベースシートとを一緒にし、続いて2本のローラー
の間などのニップにおいてそれらをプレスすることによ
って行う。それらをニップに入れる前に、二軸配向シー
トまたはポリエステルシートのいずれかに溶融押出接着
剤を適用してもよい。好ましい態様においては、二軸配
向シートおよびポリエステルシートと同時に接着剤をニ
ップ中に適用する。二軸配向ポリオレフィンシートをポ
リエステルベースに接着するのに使用される接着剤は、
写真要素に悪影響を及ぼさないものであればいずれの好
適な材料であってもよい。好ましい材料はメタロセン触
媒エチレンプラストマーであって、ポリエステルシート
と二軸配向シートとの間のニップ中に溶融押出されるも
のである。メタロセン触媒エチレンプラストマーは、溶
融押出が容易で、本発明の二軸配向ポリオレフィンシー
トに良好に接着し、かつ本発明のゼラチンを下塗りされ
たポリエステル支持体に良好に接着するため好ましい。
【0060】像形成層が二軸配向ポリオレフィンシート
に適用されている好ましいディスプレー支持体の構造は
以下の通りである。
【0061】 ───────────────────────────── 二軸配向ポリオレフィンシート ───────────────────────────── メタロセン触媒エチレンプラストマー(バインダー層) ───────────────────────────── ポリエステルベース ─────────────────────────────
【0062】本明細書で使用されているように、「写真
要素」という句は、画像の形成に感光性ハロゲン化銀を
利用する材料を意味する。写真要素は、黒白、単色要素
または多色要素であることができる。多色要素は、スペ
クトルの三原色領域の各々に感度を有する画像色素形成
ユニットを含有している。各ユニットは、スペクトルの
所定の領域に感度を有する単一の乳剤層または複数の乳
剤層を含むことができる。それらの要素の層(画像形成
ユニットの層を含む)は、当該技術分野において知られ
ている種々の順序に配列することができる。別の態様で
は、スペクトルの三原色領域の各々に感度を有する乳剤
を単一の区分層として配置することができる。
【0063】本発明のディスプレー材料については、前
記像形成要素の頂部側または底部側にあるハロゲン化銀
および色素形成カプラーを含有している少なくとも1層
の画像層が好適である。写真ディスプレー要素としては
前記像形成要素の頂部側または底部側のいずれかに像形
成層を適用するのが好適であるけれども、透過型ディス
プレーに最適な写真ディスプレー材料をつくるには十分
ではない。本発明のディスプレー材料としては、本発明
の像形成支持体の頂部および底部の両方に少なくとも1
種の色素形成カプラーを含んでなる少なくとも1層の画
像層が好ましい。支持体の頂部および底部の両方に画像
層を適用することにより、画像濃度を最適化が可能とな
ると同時に、50秒未満の現像時間が可能となる。
【0064】本発明のディスプレー材料は、前記透明高
分子シートの、二軸配向ポリオレフィンシートとは反対
側の前記の少なくとも1層の色素形成層が、二軸配向ポ
リオレフィンシートと同じ側の像形成層よりも少ない色
素形成カプラーを有するものが好適である。両面塗り乳
剤の頂部側の底部側に対する付着量の比は1: 0.6〜
1:1.25の比であるべきであることが見出された。両面
塗り乳剤の頂部側の底部側に対する付着量の比が1:1.
25では像形成用の光をかなり減衰させ、悪影響を及ぼ
し、結果として底部側の乳剤塗膜の露出不足を生ずるこ
とが示された。逆に、両面塗り乳剤の頂部側の底部側に
対する付着量の比が1: 0.6未満では像形成用の光をか
なり減衰させ、悪影響を及ぼし、結果として頂部側の乳
剤塗膜の露出過度を生ずる。両面塗り乳剤の頂部側の底
部側に対する付着量の好ましい比は1:1である。1:
1の比により、有効な露光と良質な画像に必要とされる
色素濃度とが可能となる。本発明のディスプレー材料
は、二軸配向ポリオレフィンシートとは反対側の少なく
とも1層の色素形成層が、二軸配向ポリオレフィンシー
トと同じ側の像形成層と同じ量の色素形成カプラーを含
んでなるものが好ましい。両側に実質的に同じ量の感光
性ハロゲン化銀乳剤を塗布することには、写真用乳剤に
概して見られる吸湿性ゼラチンの収縮および膨張によっ
て生ずる画像のカールについて、像形成要素をバランス
させるという、さらなる恩恵がある。
【0065】本発明に有用な写真乳剤は、一般に、当該
技術分野における従来の方法によりハロゲン化銀結晶を
コロイド状マトリックス中に析出させることによって調
製される。コロイドは、概して、ゼラチン、アルギン
酸、またはそれらの誘導体などの親水性のフィルム形成
剤である。
【0066】析出工程で形成された結晶を洗浄し、次
に、分光増感色素および化学増感剤を添加し、そして加
熱工程(乳剤温度を概して40℃〜70℃に上げ、一定時間
維持する)に付すことによって化学増感および分光増感
させる。本発明に用いられる乳剤を調製するのに利用さ
れる析出並びに分光増感および化学増感の方法は当該技
術分野において知られている方法とすることができる。
【0067】乳剤の化学増感には、概して、硫黄含有化
合物、例えばアリルイソチオシアネート、チオ硫酸ナト
リウムおよびアリルチオ尿素;還元剤、例えばポリアミ
ンおよび第一スズの塩;貴金属化合物、例えば金、白
金;並びに高分子薬剤、例えばポリアルキレンオキシド
などの増感剤が用いられる。記載されているように、熱
処理を施して化学増感を完了させる。分光増感は、可視
または赤外スペクトル内の対象とする波長範囲となるよ
うに設計された色素の組み合わせを用いて行う。このよ
うな色素を熱処理前および熱処理後の両時点で添加する
ことが知られている。
【0068】分光増感後、乳剤を支持体上に塗布する。
種々の塗布技法には、浸漬コーティング、エアナイフコ
ーティング、カーテンコーティング、および押出コーテ
ィングが含まれる。
【0069】本発明に利用されるハロゲン化銀乳剤は、
如何なるハロゲン化物配分になっていてもよい。従っ
て、それらは、塩化銀、臭化銀、臭塩化銀、塩臭化銀、
ヨウ塩化銀、ヨウ臭化銀、臭ヨウ塩化銀、塩ヨウ臭化
銀、ヨウ臭塩化銀、およびヨウ塩臭化銀の乳剤からなっ
ていてもよい。しかしながら、乳剤は主に塩化銀乳剤で
あるのが好ましい。主に塩化銀であるとは、約50モル%
を超える乳剤粒子が塩化銀であることを意味する。好ま
しくは、それらは約90モル%超が塩化銀であり、最適に
は約95モル%超が塩化銀である。
【0070】これらのハロゲン化銀乳剤は任意の大きさ
および形態の粒子を含有することができる。従って、こ
れらの粒子は、立方形、八面体、立方八面体、または立
方格子タイプのハロゲン化銀粒子において天然に産出す
る任意の他の形態の形をとっていてもよい。さらに、こ
れらの粒子は非等軸のもの、例えば、球状粒子または平
板状粒子であってもよい。平板形状または立方形の形態
を有する粒子が好ましい。
【0071】本発明の写真要素は、The Theory of the
Photographic Process, Fourth Edition, T.H. James,
Macmillan Publishing Company, Inc., 1977, pages 15
1-152 に記載されている乳剤を利用していてもよい。ハ
ロゲン化銀乳剤の写真感度を高めるために還元増感を施
すことが知られている。還元増感されたハロゲン化銀乳
剤は一般に良好な写真スピードを示すけれども、それら
には望ましくないカブリおよび貯蔵安定性不良という欠
点があることが多い。
【0072】還元増感は、還元増感剤(銀イオンを還元
して金属銀原子を形成させる化学物質)を添加すること
により、または還元性環境(例えば、高pH(水酸化物
イオン過剰)および/または低pAg(銀イオン過
剰))を提供することによって、意図的に実施すること
ができる。ハロゲン化銀乳剤の析出中に、例えば、硝酸
銀またはアルカリ溶液を迅速にまたは混合不良な状態で
添加した場合に、偶発的な還元増感が起こって、乳剤粒
子を形成することがある。また、チオエーテル、セレノ
エーテル、チオ尿素、またはアンモニアなどの熟成剤
(粒子成長改質剤)の存在下でハロゲン化銀乳剤を析出
させると、還元増感が促進される傾向がある。
【0073】析出または乳剤を還元増感するための分光
増感/化学増感の際に使用される還元増感剤および環境
の例には、米国特許第 2,487,850号、同 2,512,925号、
および英国特許第 789,823号の各明細書に記載されてい
るアスコルビン酸誘導体、スズ化合物、ポリアミン化合
物、および二酸化チオ尿素系化合物が含まれる。還元増
感剤または条件の具体例、例えばジメチルアミンボラ
ン、塩化第一スズ、ヒドラジン、高pH(pH8〜1
1)、および低pAg(pAg1〜7)での熟成が、S.
Collierによって、Photographic Science and Engineer
ing, 23, 113 (1979)において考察されている。意図的
に還元増感されたハロゲン化銀乳剤の調製方法の例が、
欧州特許公開公報第 0 348 934号 (Yamashita)、欧州特
許第 0 369 491号 (Yamashita)、同第 0 371 388号(Oha
shi)、欧州特許公開公報第 0 396 424号(Takada)、同第
0 404 142号(Yamada)、および同第 0 435 355号(Makin
o)の各明細書に記載されている。
【0074】本発明の写真要素は、リサーチディスクロ
ージャー (Research Disclosure)、1994年9月、アイテ
ム 36544、セクションI(Kenneth Mason Publication
s, Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth,
Hampshire PO10 7DQ, ENGLAND 発行)に記載されてい
る第VIII族金属、例えばイリジウム、ロジウム、オスミ
ウムおよび鉄でドープされた乳剤を使用してもよい。さ
らに、ハロゲン化銀乳剤の増感におけるイリジウムの使
用についての一般的な要約は、Carroll の"Iridium Sen
sitization: A Literature Review", Photographic Sci
ence and Engineering, Vol.24, No.6, 1980に含有され
ている。イリジウム塩および写真分光増感色素の存在下
で乳剤を化学増感させることによってハロゲン化銀乳剤
を製造する方法は、米国特許第 4,693,965号明細書に記
載されている。場合によっては、このようなドーパント
を導入した際に、The British Journal of Photographi
c Annual, 1982, pages 201-203 に記載されているカラ
ーリバーサルE−6法で処理すると、フレッシュカブリ
の増加およびコントラストが低い特性曲線を乳剤が示
す。
【0075】本発明の要素はハレーション防止層を含有
していてもよい。相当量の光が乳剤によって拡散透過
し、支持体の裏面を照らす。この光は部分的にまたは全
体的に反射されて乳剤に戻り、入射の初期点から相当離
れた位置で乳剤を再露光させる。この効果により明るい
被写体の画像の周りにハローが現れるため、この効果を
ハレーションと称する。さらに、透明支持体はまた光を
光伝達(pipe)することもある。乳剤により透過された光
または支持体により光伝達された光を吸収することによ
って、ハレーションを大幅に低減または排除することが
できる。ハレーション防止のための3つの方法は、
(1)色素ゼラチンまたはグレー銀を含有しているゼラ
チンのいずれかであるハレーション防止アンダーコート
を乳剤と支持体との間に塗布すること、(2)色素また
は顔料のいずれかを含有している支持体上に乳剤を塗布
すること、および(3)裏面上に塗布された層を着色す
るための色素を有する透明支持体上に乳剤を塗布するこ
とである。ハレーション防止アンダーコートまたはハレ
ーション防止バッキング中に含有されている吸収材料
は、写真要素を処理する際に、処理化学物質によって除
去される。支持体内の色素または顔料は永久的であり、
一般に本発明には好ましくない。本発明においては、頂
部からもっとも遠い面上にグレー銀を塗布してハレーシ
ョン防止層を形成させ、処理の際に除去することが好ま
しい。裏面上の頂部からもっとも遠くに塗布することに
よって、ハレーション防止層は容易に除去でき、同時に
両面塗り材料を一方の側面のみから露光することが可能
となる。材料が両面塗りされていない場合、グレー銀
を、最も効果的な場所である支持体と頂部乳剤層との間
に塗布することができる。ハレーションの問題は、平行
光線による露光さえ用いればハレーション防止層を利用
することによって改良することができるけれども、コヒ
ーレント平行光線による露光によって最小化される。
【0076】本発明のディスプレー材料を首尾よく移送
するには、製造および画像形成処理中のウエブの移送に
より生ずる静電荷を減少させることが望ましい。本発明
の感光性像形成層は、ウエブが搬送装置、例えば、ロー
ラーおよび駆動ニップ上を移動する際に、ウエブにより
蓄積された静電放電からの光によってカブリが生ずるこ
とがあるので、静電荷を減少させることが、望ましくな
い静電カブリを回避するのに必要である。本発明の高分
子材料は、それらが移送中に機械部品と接触する時に静
電荷を蓄積する傾向が著しい。本発明のウエブ材料上に
蓄積した電荷を減少させるための帯電防止材料の使用が
望ましい。帯電防止材料を本発明のウエブ材料上に塗布
してもよく、写真紙の移送中の静電荷を低減するために
写真ウエブ材料上に塗布することができるならば、当該
技術分野において既知のいずれの材料を含有していても
よい。帯電防止塗膜の例には、導電性塩およびコロイド
状シリカが含まれる。本発明の支持体材料の望ましい帯
電防止特性を、高分子層の一体部分である帯電防止添加
剤によっても達成してもよい。ポリマーの表面に移動し
て導電性を向上させる添加剤には、脂肪族第四級アンモ
ニウム化合物、脂肪族アミン、およびリン酸エステルが
含まれる。他のタイプの帯電防止添加剤は、吸湿性化合
物、例えばポリエチレングリコールおよびウエブ材料の
摩擦係数を小さくする疎水性スリップ添加剤である。画
像層と反対側に適用されているか、または裏面の高分子
層中に導入されている帯電防止塗膜が好ましい。製造お
よび光処理における搬送中のウエブ接触の大部分は裏面
で起こるので裏面が好ましい。50%RHでの帯電防止コー
トの好ましい表面抵抗率は1013Ω/□未満である。50%
RHでの帯電防止コートの表面抵抗率が1013Ω/□未満で
あると、画像層の製造および光処理の際に静電カブリを
十分に低減することが示されている。
【0077】本発明の典型的な多色写真要素は、少なく
とも1種のシアン色素形成カプラーを関連して有する赤
感性ハロゲン化銀乳剤層を少なくとも1層含んでなるシ
アン色素画像形成ユニット、少なくとも1種のマゼンタ
色素形成カプラーを関連して有する緑感性ハロゲン化銀
乳剤層を少なくとも1層含んでなるマゼンタ色素画像形
成ユニット、および少なくとも1種のイエロー色素形成
カプラーを関連して有する青感性ハロゲン化銀乳剤層を
少なくとも1層含んでなるイエロー色素画像形成ユニッ
トを担持している本発明のラミネート支持体を含んでな
る。この要素は、追加層、例えばフィルター層、中間
層、オーバーコート層、下塗り層などを含有していても
よい。本発明の支持体を黒白写真プリント要素に利用し
てもよい。
【0078】本発明は、リサーチディスクロージャー
1997年9月、アイテム 40145に開示されている材料と共
に利用してもよい。本発明は、セクションXVI およびXV
IIのカラー紙の例にある材料と共に使用するのに特に好
適である。セクションIIのカプラーもまた特に好適であ
る。セクションIIのマゼンタIカプラー、特に下記に示
すM−7、M−10、M−11、およびM−18が特に
望ましい。
【0079】
【化1】
【0080】以下の表では、(1)リサーチディスクロ
ージャー、1978年12月、アイテム 17643、(2)リサー
チディスクロージャー、1989年12月、アイテム308119、
および(3)リサーチディスクロージャー、1994年9
月、アイテム 36544(すべてKenneth Mason Publicatio
ns, Ltd., Dudley Annex, 12a North Street, Emswort
h, Hampshire PO10 7DQ, ENGLAND 発行)を参照する。
以下の表および表中で引用されている参考文献は、本発
明の要素に使用するのに好適な個々の構成成分を説明し
ているものとして読むべきである。以下の表およびその
引用参考文献はまた、要素の調製、露光、処理、および
取り扱いの好適な方法、並びにそこに含有されている画
像をも説明している。
【0081】
【表1】
【0082】写真要素は、紫外、可視および赤外領域の
電磁スペクトルを含む種々の形のエネルギーで、並びに
電子ビーム、β線、γ線、X線、α粒子、中性子線、お
よび非コヒーレント(ランダム相)形または(レーザー
によって生ずる)コヒーレント(同期位相)形のいずれ
かの他の形の粒子および波状の輻射エネルギーで、露光
させることができる。写真要素がX線によって露光され
ることが企図されている場合、それらが従来の放射線写
真要素に見出される特徴を含んでいてもよい。
【0083】本発明の両面塗り透過型ディスプレー材料
については、前記像形成要素が、前記透明高分子シート
の、二軸配向ポリオレフィンシートとは反対側にハロゲ
ン化銀および色素形成カプラーを含む色素形成層を少な
くとも1層含んでなり、両方のカプラー含有層の前記露
光が、二軸配向ポリオレフィンシートを有する前記像形
成要素の頂部側からなされるものが好ましい。これによ
り、伝統的な画像処理装置を使用することが可能とな
る。本発明の像形成要素を平行ビームによって露光さ
せ、潜像を形成させて、次に好ましくは熱処理以外によ
って処理をして、可視画像を形成させるのが好ましい。
平行ビームは、ディジタル印刷並びに大した内部光散乱
無しに頂部側および底部側の像形成層の同時露光を可能
にするので好ましい。平行ビームの好ましい例は、輻射
線の誘導放出による光増幅としても知られるレーザーで
ある。この技術は多数のタイプのディジタル印刷装置に
幅広く使用されているため、レーザーが好ましい。さら
に、レーザーは、望ましくない光散乱無しに、本発明の
ディスプレー材料の頂部側および底部側の感光性ハロゲ
ン化銀塗膜を同時に露光させるのに十分なエネルギーを
供給する。その後の、潜像から可視画像への処理は、既
知のRA−4(商標)(Eastman Kodak Company)プロセ
スまたは高塩化物乳剤を現像するのに好適な他の処理シ
ステムで実施するのが好ましい。
【0084】以下の例は本発明の実施を説明するもので
ある。それらは本発明のすべての可能な変型を網羅する
ように企図されたものではない。部および百分率は、特
に断らない限り、重量法によるものである。
【0085】
【実施例】例1 この例では、本発明を、典型的な従来技術の透過型ディ
スプレー材料と比較した。本発明は、透明高分子ベース
にラミネートした二軸配向ミクロボイド化シートを含有
している両面塗り支持体とした。従来技術の材料および
本発明を測定して、%透過率、明度、色、照明の透通
し、および剛性を得た。この例は、従来技術の材料と比
較して、二軸配向シートをポリエステルにラミネートす
ることの剛性面での利点、濃度最小領域における黄色み
の低減、および現像時間の短縮を示すであろう。
【0086】以下の従来技術の透過型ディスプレー材料
を本発明との比較に使用した。
【0087】Kodak Duratrans (Eastman Kodak Co.)
は、片側にカラーハロゲン化銀が塗布されている厚みが
180μmのポリエステル支持体である。支持体は透明な
ゼラチンで下塗りされたポリエステルである。ハロゲン
化銀乳剤は最底部の層に約 2.2g/m2 ( 200mg/f
t2 )のルチルTiO2 を含有している。
【0088】以下のシートを写真グレードのポリエステ
ルベースの頂部側に押出ラミネートすることによって、
本発明の以下のラミネートされた写真用透過型ディスプ
レー材料を調製した。
【0089】頂部シート(乳剤側):複合シートは、L
1、L2、L3、L4、およびL5と識別される5つの
層からなる。L1は、感光性ハロゲン化銀層が付与され
た二軸配向ポリオレフィンシートの頂部上にある薄い着
色層である。L2は、蛍光増白剤およびTiO2 が添加
された層である。使用した蛍光増白剤はCiba-Geigy製の
Hostalux KS である。ベースポリマーの4重量%のルチ
ルTiO2 をL2に添加した。TiO2 のタイプはDupo
ntのR104(粒径0.22μmのTiO2 )である。この例に
おいて使用した頂部二軸配向シートの各層の特徴を下記
の表1に列挙する。
【0090】
【表2】
【0091】写真グレードポリエステルベース:110μ
m厚のポリエチレンテレフタレートベースは、透明であ
り、ベースの両側にゼラチンを塗布して、乳剤接着性を
高めたものである。このポリエチレンテレフタレートベ
ースは、縦方向の剛性が30ミリニュートンであり、横方
向の剛性が40ミリニュートンであった。
【0092】この例に使用した頂部シートを共押出し、
二軸配向させた。この頂部シートを、Exxon Chemical C
orp.製のメタロセン触媒エチレンプラストマー(SLP 908
8)を使用してポリエステルベースに溶融押出ラミネート
した。このメタロセン触媒エチレンプラストマーは、密
度が 0.900g/cm3 であり、メルトインデックスが14.0
であった。
【0093】この二軸配向シート用のL3層はミクロボ
イド化されたものであり、表2にさらに記載されてい
る。表2には、L3層を通る単一の切片に沿って測定さ
れた屈折率および幾何学的厚みが示されており、それら
は連続層を意味せず、別の位置に沿った切片では、その
厚みとは異なるけれども、およそ同じ厚みを示すであろ
う。屈折率が 1.0の領域は空気で満たされたボイドであ
り、残りの層はポリプロピレンである。
【0094】
【表3】
【0095】コーティングフォーマット1を利用して写
真用透過型ディスプレー材料を調製し、頂部二軸配向シ
ート上のL1ポリエチレン層に塗布した。頂部二軸配向
シート上のL1ポリエチレン層および底部ゼラチン下塗
り層の両方に同じ塗膜付着量で塗布した。
【0096】 コーティングフォーマット1 レイダウン(mg/m2 ) 層1 青感性層 ゼラチン 1300 青感性銀 200 Y−1 440 ST−1 440 S−1 190
【0097】 層2 中間層 ゼラチン 650 SC−1 55 S−1 160
【0098】 層3 緑感性 ゼラチン 1100 緑感性銀 70 M−1 270 S−1 75 S−2 32 ST−2 20 ST−3 165 ST−4 530
【0099】 層4 UV中間層 ゼラチン 635 UV−1 30 UV−2 160 SC−1 50 S−3 30 S−1 30
【0100】 層5 赤感性層 ゼラチン 1200 赤感性銀 170 C−1 365 S−1 360 UV−2 235 S−4 30 SC−1 3
【0101】 層6 UVオーバーコート ゼラチン 440 UV−1 20 UV−2 110 SC−1 30 S−3 20 S−1 20
【0102】 層7 SOC ゼラチン 490 SC−1 17 SiO2 200 界面活性剤 2
【0103】
【化2】
【0104】
【化3】
【0105】この例における本発明の写真像形成要素の
構造は以下の通りである。
【0106】 ───────────────────────── コーティングフォーマット1 ───────────────────────── 二軸配向ミクロボイド化ポリオレフィンシート ───────────────────────── メタロセンエチレンプラストマー ───────────────────────── ゼラチン下塗り層 ───────────────────────── 透明ポリエステルベース ───────────────────────── ゼラチン下塗り層 ───────────────────────── コーティングフォーマット1 ─────────────────────────
【0107】未増感ポリエステルベースおよびラミネー
トディスプレー材料支持体の曲げ剛性は、Lorentzen an
d Wettre剛性試験機 16D型を使用することによって測定
した。この機器からの出力は、長さ20mm、幅38.1mmのサ
ンプルの、片持ちにされてクランプで締められていない
側の端を、無負荷の位置から15°の角度に曲げるのに必
要とされる力(ミリニュートン)である。この試験にお
いて、ポリエステルベースの縦方向および横方向の両方
の剛性を、この例の頂部二軸配向シートとラミネートさ
れたベースの剛性と比較した。結果を表3に示す。
【0108】
【表4】
【0109】表3の上記データは、ポリエステルベース
の剛性が二軸配向高分子シートとのラミネート後にかな
り増大することを示している。この結果は、従来技術の
材料が、必要な剛性を提供するのに、この例に使用した
110μmのポリエステルベースと比較してはるかに厚い
( 150〜 256μm)ポリエステルベースを使用した点で
意義深い。同等の剛性では、ラミネート後に剛性がかな
り増大するので、従来技術の材料と比較して、より薄い
ポリエステルベースを使用して、それにより、透過型デ
ィスプレー支持体のコストを削減することが可能とな
る。さらに、材料が薄いほどロールの重量が減少し、そ
の直径も小さくなるので、透過型ディスプレー材料の厚
みの減少により、材料取扱コストの削減が可能となる。
【0110】ディスプレー材料を最小濃度として処理し
た。ディスプレー支持体のステータスA濃度は、X-Rite
310型写真濃度計を使用して測定した。分光透過率は、
ステータスA濃度の読み取りから算出したものであり、
入射出力に対する透過出力の比であり、以下のように百
分率として表す。 TRGB =10-D× 100 上式中、Dは赤、緑、および青のステータスA透過濃度
応答の平均値である。ディスプレー材料のL* 、a*
よびb* もまた、照明具 D6500を使用し、Spectrogard
分光光度計、CIE表色系を使用して測定した。透過方
式により、背面照明の透通しの量に関する定性評価を行
った。非蛍光光源は画質の妨げとなるので、かなりの量
の透通しは望ましくないとみなされるであろう。本発明
および対照標準についての比較データを下記の表4に列
挙する。
【0111】
【表5】
【0112】この例の感光性ハロゲン化銀コーティング
フォーマットを頂部側および底部側に塗布した透過型デ
ィスプレー支持体は、写真用透過型ディスプレー材料に
必要とされるすべての特性を示した。さらに、この例の
写真用透過型ディスプレー材料は従来技術の写真ディス
プレー材料に勝る多くの利点を有する。本発明は処理さ
れた乳剤層の本来の黄色度を克服することができたので
(従来技術の透過型材料のb* が 11.40であるのに対し
て本発明のb* は3.59であった)、非ボイド化層は、従
来技術の透過型ディスプレー材料と比較して改良された
最小濃度位置を提供するように調整された量のTiO2
および着色剤を有する。透過方式では、本発明では照明
背面光源の透通しは無く、従来技術と比較して優れた透
過型製品であることを示している。
【0113】照明光源からより多くの光を透過させたの
で、本発明の%透過率(53%)は優れた透過画像を提供
する。さらに、二軸配向シート中に色味材料および白色
顔料を集中させることにより、製造効率が向上し、より
少ない材料が用いられるので、その結果、従来技術と比
較してディスプレー材料のコストを削減することが可能
となる。本発明についてのa* およびL* は、高品質の
透過型ディスプレー材料と合致する。従来技術の写真デ
ィスプレー材料用の約 221μm( 8.7 mil)のポリエス
テルと比較して、本発明では約 102μm( 4.0 mil)の
ポリエステルベースを使用したので、本発明は従来技術
の材料よりも低コストであろう。
【0114】驚くべきことに、レーザーで片側だけを露
光させることによって本発明の材料に画像を印刷したと
ころ、裏側の画像には歪みがまったく認められなかっ
た。これにより、画像の見当狂いをまったく生ずること
なく、頂部および底部の像形成層を同時に印刷すること
が可能となる。ボイド化層を加えることにより、フィラ
メントの透通しを防ぐのに必要とされる不透明度が可能
となり、さらに、底部画像の歪みを完全に排除しつつ、
頂部面および底部面を同時に像形成させることが可能と
なった。最終的に、従来技術の透過型ディスプレー材料
は現像時間が 110秒であるのに対して、本発明は現像時
間が45秒であった。本発明のディスプレー材料が処理装
置の生産性をかなり高めることができるという点で、45
秒の現像時間はかなりの商業上の価値を有する。
【0115】本発明を、その好ましい態様に特に関して
詳細に説明してきたけれども、本発明の精神および範囲
内で変型および改良を行うことができることが理解され
るであろう。
【0116】本発明の他の好ましい態様を、請求項との
関連において、次に記載する。
【0117】[1] 透明高分子シート、前記透明高分
子シートにラミネートされた二軸配向ポリオレフィンシ
ート、前記二軸配向ポリオレフィンシートの頂部に塗布
された1層の画像層、および前記透明高分子シートの底
部に塗布された1層の画像層を含んでなる写真要素であ
って、前記高分子シートの剛性が20〜 100ミリニュート
ンであり、前記二軸配向ポリオレフィンシートの分光透
過率が少なくとも40%であり、反射濃度が60%未満であ
る写真要素。
【0118】[2] 前記二軸配向ポリオレフィンシー
トの反射濃度が46〜54%である、[1]に記載の写真要
素。
【0119】[3] 前記二軸配向ポリオレフィンシー
トがミクロボイドをさらに含んでなる、[1]に記載の
写真要素。
【0120】[4] 前記ミクロボイドが前記二軸配向
ポリオレフィンシートの少なくとも1層を構成してお
り、当該二軸配向ポリオレフィンシートの実質的にすべ
ての点で垂直方向のミクロボイドの数が少なくとも6個
である、[3]に記載の写真要素。
【0121】[5] 前記二軸配向ポリオレフィンシー
トが前記シートの頂部に一体型ポリエチレン層を有す
る、[1]に記載の写真要素。
【0122】[6] 前記分光透過率が40〜60%であ
る、[1]に記載の写真要素。
【0123】[7] 前記分光透過率が46〜54%であ
る、[6]に記載の写真要素。
【0124】[8] 前記二軸配向ポリオレフィンシー
トが垂直方向に6〜30個のボイドを含んでなる、[4]
に記載の写真要素。
【0125】[9] 前記透明高分子シートが顔料を実
質的に含まない、[1]に記載の写真要素。
【0126】[10] 前記画像層が、前記像形成要素
の頂部側および底部側に、ハロゲン化銀および色素形成
カプラーを含有している像形成層を少なくとも1層含ん
でなる、[1]に記載の写真要素。
【0127】[11] 前記二軸配向ポリオレフィンシ
ートが4〜12重量%の二酸化チタンを含んでなる、
[1]に記載の写真要素。
【0128】[12] 前記透明高分子シートの、二軸
配向ポリオレフィンシートとは反対側にある少なくとも
1層の色素形成層が、二軸配向ポリオレフィンシートと
同じ側にある像形成層よりも実質的に少ない色素形成カ
プラーを有する、[10]に記載の写真要素。
【0129】[13] 上記の反対側にある少なくとも
1層の色素形成層が、二軸配向ポリオレフィンシートと
同じ側にある像形成層とほぼ同じ量の色素形成カプラー
を含んでなる、[10]に記載の写真要素。
【0130】[14] 透明高分子シート、前記透明高
分子シートにラミネートされた二軸配向ポリオレフィン
シート、前記二軸配向ポリオレフィンシートの頂部に塗
布され、ハロゲン化銀および色素形成カプラーを含む、
少なくとも1層の像形成層、並びに前記透明高分子シー
トの底部に塗布され、ハロゲン化銀および色素形成カプ
ラーを含む、少なくとも1層の像形成層を含んでなる写
真要素であって、前記高分子シートの剛性が20〜 100ミ
リニュートンであり、前記二軸配向ポリオレフィンシー
トの分光透過率が少なくとも40%であり、反射濃度が60
%未満である写真要素を用意し、前記画像層を露光さ
せ、そして画像を現像することを含む、像形成方法。
【0131】[15] 前記露光が可視エネルギーの平
行ビームによるものである、[14]に記載の方法。
【0132】[16] 前記平行ビームがレーザー光線
を含んでなる、[14]に記載の方法。
【0133】[17] 前記現像が50秒未満で行われ
る、[14]に記載の方法。
【0134】
【発明の効果】本発明は、ディスプレー材料を照らすの
に使用される光のより有効な拡散を可能とすることによ
って、より明るい画像を提供する。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 アルフォンス ドミニク キャンプ アメリカ合衆国,ニューヨーク 14612, ロチェスター,ウィスパリング パインズ サークル 616 (72)発明者 ピーター トーマス エイルワード アメリカ合衆国,ニューヨーク 14468, ヒルトン,ハスキンス レーン ノース 92

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明高分子シート、前記透明高分子シー
    トにラミネートされた二軸配向ポリオレフィンシート、
    前記二軸配向ポリオレフィンシートの頂部に塗布された
    1層の画像層、および前記透明高分子シートの底部に塗
    布された1層の画像層を含んでなる写真要素であって、
    前記高分子シートの剛性が20〜 100ミリニュートンであ
    り、前記二軸配向ポリオレフィンシートの分光透過率が
    少なくとも40%であり、反射濃度が60%未満である写真
    要素。
  2. 【請求項2】 透明高分子シート、前記透明高分子シー
    トにラミネートされた二軸配向ポリオレフィンシート、
    前記二軸配向ポリオレフィンシートの頂部に塗布され、
    ハロゲン化銀および色素形成カプラーを含む、少なくと
    も1層の像形成層、並びに前記透明高分子シートの底部
    に塗布され、ハロゲン化銀および色素形成カプラーを含
    む、少なくとも1層の像形成層を含んでなる写真要素で
    あって、前記高分子シートの剛性が20〜 100ミリニュー
    トンであり、前記二軸配向ポリオレフィンシートの分光
    透過率が少なくとも40%であり、反射濃度が60%未満で
    ある写真要素を用意し、前記画像層を露光させ、そして
    画像を現像することを含む、像形成方法。
JP11263843A 1998-09-17 1999-09-17 二軸配向ポリオレフィンシ―トを有する透過型両面塗り写真要素 Pending JP2000105443A (ja)

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