JP2000104810A - 自動変速機の多板ブレーキ構造 - Google Patents

自動変速機の多板ブレーキ構造

Info

Publication number
JP2000104810A
JP2000104810A JP10276805A JP27680598A JP2000104810A JP 2000104810 A JP2000104810 A JP 2000104810A JP 10276805 A JP10276805 A JP 10276805A JP 27680598 A JP27680598 A JP 27680598A JP 2000104810 A JP2000104810 A JP 2000104810A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
snap ring
plate
ring
ring groove
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP10276805A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3643712B2 (ja
Inventor
Shinichi Mochizuki
真一 望月
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JATCO Corp
Original Assignee
JATCO Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JATCO Corp filed Critical JATCO Corp
Priority to JP27680598A priority Critical patent/JP3643712B2/ja
Publication of JP2000104810A publication Critical patent/JP2000104810A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3643712B2 publication Critical patent/JP3643712B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • General Details Of Gearings (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 コスト増を招くことがなく容易に組み付ける
ことができて、第1多板ブレーキの締結開始域で共用ス
ナップリングの移動による変速ショックが防止される自
動変速機の多板ブレーキ構造を提供すること。 【解決手段】 トランスミッションケース1の外周部位
置に軸方向に直列配置された第1多板ブレーキ3の軸方
向移動の規制と第2多板ブレーキ4のピストンリテーナ
17の位置決めを共用化している共用スナップリング2
4を備えた自動変速機の多板ブレーキ構造において、共
用スナップリング24を、加工公差を考慮した最大リン
グ溝幅Wより大きな内径幅W1と、加工公差を考慮した
最小リング溝幅Wより小さな外径幅W2を持ち、且つ、
両側面の少なくとも一方の面に内外径の幅差を吸収する
テーパー面24bが形成されたスナップリングとし、共
用スナップリング24を、トランスミッションケース1
のリング溝23に対して軸方向の移動を許容しないテー
パー嵌合状態にて固定した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、トランスミッショ
ンケースの外周部位置に軸方向に直列配置された第1多
板ブレーキ及び第2多板ブレーキとの間に共用スナップ
リングが設けられた自動変速機の多板ブレーキ構造の技
術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、自動変速機の多板ブレーキ構造と
しては、例えば、実開平2−84058号公報に記載の
ものが知られている。
【0003】この公報には、トランスミッションケース
の外周部位置に軸方向に直列配置された第1多板ブレー
キ及び第2多板ブレーキと、トランスミッションケース
のリング溝に嵌合され、第1多板ブレーキの軸方向移動
を規制するスナップリングと、第2多板ブレーキを押圧
するピストンの油圧室を形成するピストンリテーナの軸
方向一端側の位置決めをするスナップリングとを共用化
している共用スナップリング20と、を備えた自動変速
機の多板ブレーキ構造が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の自動変速機の多板ブレーキ構造にあっては、軸方向
に隙間余裕を持った方形断面のリング溝に、方形断面の
共用スナップリングが嵌合されているものであるため、
第1多板ブレーキの締結開始域で一時的にブレーキ締結
容量の低下が生じ、変速ショックを生じるという問題が
ある。
【0005】すなわち、1つの多板ブレーキの軸方向移
動を規制する目的で設けられるスナップリングの場合、
図5に示すように、スナップリングには外径方向への弾
性力があるため、一度、多板ブレーキが締結されると多
板ブレーキが解放されても、スナップリングはリング溝
の他端方向へ押し付けられた位置に止まって保持されて
いる。この状態で多板ブレーキが締結されると、多板ブ
レーキのプレートが他端側に配置されているスナップリ
ングの位置まで移動し、ブレーキ締結が行なわれるた
め、変速ショックが起きることがない。
【0006】しかし、上記従来公報のように、第1多板
ブレーキの軸方向移動を規制するスナップリングと、第
2多板ブレーキを押圧するピストンの油圧室を形成する
ピストンリテーナの軸方向一端側の位置決めをするスナ
ップリングとを共用化している共用スナップリングの場
合、図6(イ) に示すように、第1多板ブレーキが解放状
態ではピストンリテーナに作用するリターンスプリング
力により共用スナップリングがリング溝の一端側に押し
付けられた状態となり、その後、第1多板ブレーキの締
結が開始されると、ブレーキ締結開始域である程度のブ
レーキ締結容量を持つまでは、図6(ロ) に示すように、
共用スナップリングがリング溝の一端側に押し付けられ
た状態を保つ。しかし、ブレーキ締結容量がリターンス
プリング力やスナップリング弾性力に打ち勝つレベルに
達すると、図6(ハ) に示すように、共用スナップリング
がリング溝の一端側から他端側へ移動する。このスナッ
プリングの移動中、ブレーキ締結容量が一時的に低下
し、変速ショックが生じる。
【0007】上記問題の解決案としては、図7に示すよ
うに、リング溝に対して共用スナップリングを密に嵌合
し、共用スナップリングの軸方向移動を許容しないよう
に取り付ける案がある。
【0008】しかし、この場合、リング溝の溝幅は少な
くとも加工公差の範囲でバラツキがあるため、共用スナ
ップリングの緊密嵌合を達成するには、少なくとも数種
類の軸方向幅が異なる共用スナップリングを用意しなけ
ればならずコスト増になると共に、リング溝の溝幅を確
認した上で、溝幅に最も合致する幅の共用スナップリン
グを選択し、強い力を加えながら選択された共用スナッ
プリングをリング溝に嵌合するという組み付け作業を要
するものであり、組み付けが困難であるという問題があ
る。
【0009】本発明が解決しようとする課題は、コスト
増を招くことがなく容易に組み付けることができて、第
1多板ブレーキの締結開始域で共用スナップリングの移
動による変速ショックが防止される自動変速機の多板ブ
レーキ構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】(解決手段1)上記課題
の解決手段1(請求項1)は、トランスミッションケー
スの外周部位置に軸方向に直列配置された第1多板ブレ
ーキ及び第2多板ブレーキと、トランスミッションケー
スのリング溝に嵌合され、前記第1多板ブレーキの軸方
向移動を規制するスナップリングと、前記第2多板ブレ
ーキを押圧するピストンの油圧室を形成するピストンリ
テーナの軸方向一端側の位置決めをするスナップリング
とを共用化している共用スナップリングと、を備え、前
記ピストンリテーナの軸方向他端側の位置決めを、前記
油圧室の前記ピストンを挟んで反対側に配置されたリタ
ーンスプリングを介して行なう自動変速機の多板ブレー
キ構造において、前記トランスミッションケースは、軸
方向一端に開口部を設けると共に、前記共用スナップリ
ングを、加工公差を考慮した最大リング溝幅より大きな
内径幅と、加工公差を考慮した最小リング溝幅より小さ
な外径幅を持ち、且つ、両側面の少なくとも一方の面に
内外径の幅差を吸収するテーパー面が形成されたスナッ
プリングとし、該共用スナップリングを、トランスミッ
ションケースのリング溝に対して軸方向の移動を許容し
ないテーパー嵌合状態にて固定したことを特徴とする。 (解決手段2)上記課題の解決手段2(請求項2)は、
請求項1記載の自動変速機の多板ブレーキ構造におい
て、前記リング溝を、方形断面による溝とし、前記共用
スナップリングを、第1多板ブレーキ側の側面のみにブ
レーキ板に面接触するブレーキ板接触面とリング溝に線
接触するテーパー面が形成されたスナップリングとした
ことを特徴とする。 (解決手段3)上記課題の解決手段3(請求項3)は、
請求項1記載の自動変速機の多板ブレーキ構造におい
て、前記リング溝を、第1多板ブレーキ側の内側面のみ
にテーパー面が形成された溝とし、前記共用スナップリ
ングを、第1多板ブレーキ側の側面のみにブレーキ板に
面接触するブレーキ板接触面とリング溝のテーパー面に
面接触するテーパー面が形成されたスナップリングとし
たことを特徴とする。 (解決手段4)上記課題の解決手段4(請求項4)は、
請求項1記載の自動変速機の多板ブレーキ構造におい
て、前記リング溝を、第1多板ブレーキ側と第2ブレー
キ側との両内側面にテーパー面が形成された溝とし、前
記共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側にリング
溝のテーパー面に面接触するテーパー面とブレーキ板に
面接触するブレーキ板接触面とが形成され、第2多板ブ
レーキ側にリング溝のテーパー面に面接触するテーパー
面とピストンリテーナに面接触するリテーナ接触面とが
形成されたスナップリングとしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】(実施の形態1)実施の形態1は
請求項1,2に記載の発明に対応する自動変速機の多板
ブレーキ構造である。
【0012】まず、構成を説明する。 [全体構成について]図1は実施の形態1の自動変速機
の多板ブレーキ構造を示す断面図で、1はトランスミッ
ションケース、2はサイドカバー、3は第1多板ブレー
キ、4は第2多板ブレーキ、5は第1ブレーキピスト
ン、6は第1油圧室、7は第1スプリングリテーナ、8
は第1リターンスプリング、9はリテーナ用スナップリ
ング、10は第1静止プレート、11は第1回転プレー
ト、12は第1回転ドラム、13は第2ブレーキピスト
ン、14は第2油圧室、15は第2スプリングリテー
ナ、16は第2リターンスプリング、17はピストンリ
テーナ、18は第2静止プレート、19は第2回転プレ
ート、20は第2プレート用スナップリング、21は第
2回転ドラム、22はスプライン部、23はリング溝、
24は共用スナップリング、25は締結ボルト、26は
トランスミッションケース1の開口部である。
【0013】前記第1多板ブレーキ3及び第2多板ブレ
ーキ4は、トランスミッションケース1の外周部位置に
軸方向に直列配置されている。
【0014】前記第1多板ブレーキ3は、前進2速位置
と前進3速位置とで締結されるブレーキであり、第1油
圧室6への圧油供給により第1ブレーキピストン5が図
面右方向にストロークし、交互に重ねられた第1静止プ
レート10と第1回転プレート11とが締結され、第1
回転ドラム12をケース固定とする。また、第1油圧室
6からの圧油排除により、第1リターンスプリング8に
よる付勢力で第1ブレーキピストン5が図面左方向にス
トロークして締結解放される。
【0015】前記第2多板ブレーキ4は、前進1速位置
と後退位置とで締結されるブレーキであり、第2油圧室
14への圧油供給により第2ブレーキピストン13が図
面右方向にストロークし、交互に重ねられた第2静止プ
レート18と第2回転プレート19とが締結され、第2
回転ドラム21をケース固定とする。また、第2油圧室
14からの圧油排除により、第2リターンスプリング1
6による付勢力で第2ブレーキピストン13が図面左方
向にストロークして締結解放される。
【0016】前記共用スナップリング24は、トランス
ミッションケース1のスプライン部22に形成されたリ
ング溝23に嵌合され、第1多板ブレーキ3の第1静止
プレート10の軸方向移動を規制するスナップリング
と、第2多板ブレーキ4を押圧する第2ブレーキピスト
ン13の第2油圧室14を形成するピストンリテーナ1
7の位置決めをするスナップリングとを共用化してい
る。 [要部構成について]図2は実施の形態1の自動変速機
の多板ブレーキ構造の共用スナップリング部を示す断面
図であり、3は第1多板ブレーキ、4は第2多板ブレー
キ、10は第1静止プレート、17はピストンリテー
ナ、23はリング溝、24は共用スナップリング、24
aはブレーキ板接触面、24bはテーパー面、24cは
第2ブレーキ側接触面、Wはリング溝幅、W1は内径
幅、W2は外径幅である。
【0017】前記リング溝23は、リング溝幅Wによる
方形断面による溝である。
【0018】前記共用スナップリング24は、加工公差
を考慮した最大リング溝幅より大きな内径幅W1と、加
工公差を考慮した最小リング溝幅より小さな外径幅W2
を持ち、且つ、第1多板ブレーキ3側の側面のみに第1
静止プレート10に面接触するブレーキ板接触面24a
とリング溝23に線接触するテーパー面24bが形成さ
れている。尚、第2多板ブレーキ4側の側面は、ピスト
ンリテーナ17とリング溝23の内側面とに面接触する
第2ブレーキ側接触面24cとされている。
【0019】そして、共用スナップリング24を、トラ
ンスミッションケース1のスプラン部22に形成された
リング溝23に対して軸方向の移動を許容しないテーパ
ー嵌合状態にて固定している。
【0020】次に、作用効果を説明する。 [コスト及び組み付け工数の低減について]共用スナッ
プリングが軸方向にガタつかないで緊密嵌合を達成する
には、バラツキのあるリング溝の溝幅に最も合致する幅
の共用スナップリングを選択する手法があるが、この場
合、少なくとも数種類の軸方向幅が異なる共用スナップ
リングを用意しておく必要がありコスト増を招くし、ま
た、リング溝の溝幅と合致する幅の共用スナップリング
を選択する作業が必要であるし、また、寸法差がほとん
どないリング溝に共用スナップリングを嵌合させる作業
を必要とするものであり、組み付けが困難であった。
【0021】これに対し、実施の形態1の共用スナップ
リング24は、加工公差を考慮した最大リング溝幅より
大きな内径幅W1と、加工公差を考慮した最小リング溝
幅より小さな外径幅W2を持ち、且つ、リング溝23に
線接触するテーパー面24bが形成されているため、加
工公差の範囲でバラツキのあるリング溝23に対し、差
し込み嵌合するだけで、内外径の幅差を吸収するテーパ
ー面24bのいずれかの位置がリング溝23との線接触
部となり、共用スナップリング24を、トランスミッシ
ョンケース1のリング溝23に対して軸方向の移動を許
容しないテーパー嵌合状態にて固定され、共用スナップ
リング24をリング溝23に対して組み付ける場合、コ
スト増を招くことがなく組み付けも容易となる。
【0022】さらに、共用スナップリング24の組み付
けは、トランスミッションケース1の一端側に設けられ
た開口部26からピストンリテーナ17を組み付けた後
に行なう為、治具等により第2リターンスプリング16
を短縮させてリング溝23付近に充分な隙間を作ること
ができ、共用スナップリング24の組み付けが容易とな
る。 [変速ショック防止について]従来の軸方向に隙間余裕
を持った方形断面のリング溝に、方形断面の共用スナッ
プリングが嵌合されている構造の場合、軸方向に隙間余
裕があることで、第1多板ブレーキの締結開始域で一時
的にブレーキ締結容量の低下が生じ、変速ショックを生
じるという問題があった。
【0023】これに対し、実施の形態では、共用スナッ
プリング24が、トランスミッションケース1のリング
溝23に対して軸方向の移動を許容しないテーパー嵌合
状態にて固定されているため、第1多板ブレーキ3の締
結開始域で共用スナップリング24の移動による変速シ
ョックが防止される。 [片側テーパー嵌合について]実施の形態1の場合、リ
ング溝23は、リング溝幅Wによる方形断面による溝と
し、共用スナップリング24は、第1多板ブレーキ3側
の側面のみに第1静止プレート10に面接触するブレー
キ板接触面24aとリング溝23に線接触するテーパー
面24bが形成されているスナップリングとした。
【0024】このため、従来と同じ単純な溝加工にてリ
ング溝23を形成することができるし、片側のみをテー
パー面24bとした線材により共用スナップリング24
を製造すればよいため、例えば、リング溝にテーパ面を
形成したり、共用スナップリングの両面にテーパー面を
形成する場合に比べ、コスト及び加工工数を低減させる
ことができる。
【0025】さらに、共用スナップリング24のいずれ
の面側にテーパ面を形成するかについては、第1多板ブ
レーキ3の軸方向移動規制作用とピストンリテーナ13
の位置決め作用を考慮する必要がある。
【0026】これに対し、第1多板ブレーキ3側にテー
パー面24bを形成したため、第2多板ブレーキ4に比
べて締結容量の大きな第1多板ブレーキ3の締結時、リ
ング溝23の内側面とに面接触する第2ブレーキ側接触
面24cにより締結反力を受けることができ、共用スナ
ップリング24のテーパー嵌合を達成しながら、第1多
板ブレーキ3の軸方向移動規制作用とピストンリテーナ
13の位置決め作用をうまく両立させることができる。 (実施の形態2)実施の形態2は請求項1,3に記載の
発明に対応する自動変速機の多板ブレーキ構造である。
【0027】図3は実施の形態2の自動変速機の多板ブ
レーキ構造の共用スナップリング部を示す断面図であ
り、3は第1多板ブレーキ、4は第2多板ブレーキ、1
0は第1静止プレート、17はピストンリテーナ、23
はリング溝、23bはテーパー面、24は共用スナップ
リング、24aはブレーキ板接触面、24bはテーパー
面、24cは第2ブレーキ側接触面、Wはリング溝幅、
W1は内径幅、W2は外径幅である。
【0028】この実施の形態2では、リング溝23を、
第1多板ブレーキ3側の内側面のみにテーパー面23b
が形成された溝とし、共用スナップリング24を、第1
多板ブレーキ3側の側面のみに第1静止プレート10に
面接触するブレーキ板接触面24aとリング溝23の前
記テーパー面23bに面接触するテーパー面24bが形
成されたスナップリングとした例である。尚、他の構成
は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0029】よって、この実施の形態2では、ピストン
リテーナ13の位置決め作用において共用スナップリン
グ24に加わる力を、互いに面接触するテーパー面23
bとテーパー面24bとで受けることができ、実施の形
態1に比べてピストンリテーナ13の位置決め支持力を
高めることができる。 (実施の形態3)実施の形態3は請求項1,4に記載の
発明に対応する自動変速機の多板ブレーキ構造である。
【0030】図4は実施の形態3の自動変速機の多板ブ
レーキ構造の共用スナップリング部を示す断面図であ
り、3は第1多板ブレーキ、4は第2多板ブレーキ、1
0は第1静止プレート、17はピストンリテーナ、23
はリング溝、23bはテーパー面、23dはテーパー
面、24は共用スナップリング、24aはブレーキ板接
触面、24bはテーパー面、24cは第2ブレーキ側接
触面、24dはテーパー面、Wはリング溝幅、W1は内
径幅、W2は外径幅である。
【0031】この実施の形態3では、リング溝23を、
第1多板ブレーキ3側と第2ブレーキ4側との両内側面
にテーパー面23b,23dが形成された溝とし、共用
スナップリング24を、第1多板ブレーキ3側にリング
溝23のテーパー面23bに面接触するテーパー面24
bと静止プレート10に面接触するブレーキ板接触面2
4aとが形成され、第2多板ブレーキ4側にリング溝2
3のテーパー面23dに面接触するテーパー面24dと
ピストンリテーナ17に面接触するリテーナ接触面24
cとが形成されたスナップリングとした例である。尚、
他の構成は、実施の形態1と同様であるので説明を省略
する。
【0032】よって、この実施の形態3では、両テーパ
ー嵌合としているため、第1多板ブレーキ3の軸方向移
動規制とピストンリテーナ13の位置決めを高い支持力
にて達成できると共に、リング溝23へ共用スナップリ
ング24を組み付ける時、共用スナップリング24を傾
かせることなく整然とテーパー嵌合により取り付けるこ
とができる。
【0033】
【発明の効果】請求項1記載の発明にあっては、トラン
スミッションケースの外周部位置に軸方向に直列配置さ
れた第1多板ブレーキ及び第2多板ブレーキと、トラン
スミッションケースのリング溝に嵌合され、第1多板ブ
レーキの軸方向移動を規制するスナップリングと、第2
多板ブレーキを押圧するピストンの油圧室を形成するピ
ストンリテーナの軸方向一端側の位置決めをするスナッ
プリングとを共用化している共用スナップリングと、を
備え、前記ピストンリテーナの軸方向他端側の位置決め
を、油圧室のピストンを挟んで反対側に配置されたリタ
ーンスプリングを介して行なう自動変速機の多板ブレー
キ構造において、トランスミッションケースは、軸方向
一端に開口部を設けると共に、共用スナップリングを、
加工公差を考慮した最大リング溝幅より大きな内径幅
と、加工公差を考慮した最小リング溝幅より小さな外径
幅を持ち、且つ、両側面の少なくとも一方の面に内外径
の幅差を吸収するテーパー面が形成されたスナップリン
グとし、共用スナップリングを、トランスミッションケ
ースのリング溝に対して軸方向の移動を許容しないテー
パー嵌合状態にて固定したとしたため、コスト増を招く
ことがなく共用スナップリングをトランスミッションケ
ースの一端側に設けられた開口部から容易に組み付ける
ことができて、第1多板ブレーキの締結開始域で共用ス
ナップリングの移動による変速ショックを防止すること
ができるという効果が得られる。
【0034】請求項2記載の発明にあっては、請求項1
記載の自動変速機の多板ブレーキ構造において、リング
溝を、方形断面による溝とし、共用スナップリングを、
第1多板ブレーキ側の側面のみにブレーキ板に面接触す
るブレーキ板接触面とリング溝に線接触するテーパー面
が形成されたスナップリングとしたため、請求項1記載
の発明の効果に加え、コスト及び加工工数を低く抑えた
構造としながら、第1多板ブレーキの軸方向移動規制作
用とピストンリテーナの位置決め作用をうまく両立させ
ることができる。
【0035】請求項3記載の発明にあっては、請求項1
記載の自動変速機の多板ブレーキ構造において、リング
溝を、第1多板ブレーキ側の内側面のみにテーパー面が
形成された溝とし、共用スナップリングを、第1多板ブ
レーキ側の側面のみにブレーキ板に面接触するブレーキ
板接触面とリング溝のテーパー面に面接触するテーパー
面が形成されたスナップリングとしたため、請求項1記
載の発明の効果に加え、第1多板ブレーキの軸方向移動
規制とピストンリテーナの位置決めを高い支持力にて達
成することができる。
【0036】請求項4記載の発明にあっては、請求項1
記載の自動変速機の多板ブレーキ構造において、リング
溝を、第1多板ブレーキ側と第2ブレーキ側との両内側
面にテーパー面が形成された溝とし、共用スナップリン
グを、第1多板ブレーキ側にリング溝のテーパー面に面
接触するテーパー面とブレーキ板に面接触するブレーキ
板接触面とが形成され、第2多板ブレーキ側にリング溝
のテーパー面に面接触するテーパー面とピストンリテー
ナに面接触するリテーナ接触面とが形成されたスナップ
リングとしたため、請求項1記載の発明の効果に加え、
第1多板ブレーキの軸方向移動規制とピストンリテーナ
の位置決めを高い支持力にて達成できると共に、リング
溝へ共用スナップリングを組み付ける時、共用スナップ
リングを傾かせることなく整然とテーパー嵌合により取
り付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の自動変速機の多板ブレーキ構造
を示す断面図である。
【図2】実施の形態1の自動変速機の多板ブレーキ構造
の共用スナップリング部を示す断面図である。
【図3】実施の形態2の自動変速機の多板ブレーキ構造
の共用スナップリング部を示す断面図である。
【図4】実施の形態3の自動変速機の多板ブレーキ構造
の共用スナップリング部を示す断面図である。
【図5】従来の自動変速機の多板ブレーキ構造のスナッ
プリング部を示す断面図である。
【図6】従来の自動変速機の多板ブレーキ構造で共用ス
ナップリングを設けた場合の変速ショックを生じるメカ
ニズムの説明図である。
【図7】自動変速機の多板ブレーキ構造で選択による共
用スナップリングをリング溝に緊密嵌合させた断面図で
ある。
【符号の説明】
1 トランスミッションケース 2 サイドカバー 3 第1多板ブレーキ 4 第2多板ブレーキ 5 第1ブレーキピストン 6 第1油圧室 7 第1スプリングリテーナ 8 第1リターンスプリング 9 リテーナ用スナップリング 10 第1静止プレート 11 第1回転プレート 12 第1回転ドラム 13 第2ブレーキピストン 14 第2油圧室 15 第2スプリングリテーナ 16 第2リターンスプリング 17 ピストンリテーナ 18 第2静止プレート 19 第2回転プレート 20 第2プレート用スナップリング 21 第2回転ドラム 22 スプライン部 23 リング溝 23b,23d テーパー面 24 共用スナップリング 24a ブレーキ板接触面 24b テーパー面 24c 第2ブレーキ側接触面 24d テーパー面 W リング溝幅 W1 内径幅 W2 外径幅 25 締結ボルト 26 トランスミッションケースの開口部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスミッションケースの外周部位置
    に軸方向に直列配置された第1多板ブレーキ及び第2多
    板ブレーキと、 トランスミッションケースのリング溝に嵌合され、前記
    第1多板ブレーキの軸方向移動を規制するスナップリン
    グと、前記第2多板ブレーキを押圧するピストンの油圧
    室を形成するピストンリテーナの軸方向一端側の位置決
    めをするスナップリングとを共用化している共用スナッ
    プリングと、 を備え、前記ピストンリテーナの軸方向他端側の位置決
    めを、前記油圧室の前記ピストンを挟んで反対側に配置
    されたリターンスプリングを介して行なう自動変速機の
    多板ブレーキ構造において、 前記トランスミッションケースは、軸方向一端に開口部
    を設けると共に、 前記共用スナップリングを、加工公差を考慮した最大リ
    ング溝幅より大きな内径幅と、加工公差を考慮した最小
    リング溝幅より小さな外径幅を持ち、且つ、両側面の少
    なくとも一方の面に内外径の幅差を吸収するテーパー面
    が形成されたスナップリングとし、 該共用スナップリングを、トランスミッションケースの
    リング溝に対して軸方向の移動を許容しないテーパー嵌
    合状態にて固定したことを特徴とする自動変速機の多板
    ブレーキ構造。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の自動変速機の多板ブレー
    キ構造において、 前記リング溝を、方形断面による溝とし、 前記共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側の側面
    のみにブレーキ板に面接触するブレーキ板接触面とリン
    グ溝に線接触するテーパー面が形成されたスナップリン
    グとしたことを特徴とする自動変速機の多板ブレーキ構
    造。
  3. 【請求項3】 請求項1記載の自動変速機の多板ブレー
    キ構造において、 前記リング溝を、第1多板ブレーキ側の内側面のみにテ
    ーパー面が形成された溝とし、 前記共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側の側面
    のみにブレーキ板に面接触するブレーキ板接触面とリン
    グ溝のテーパー面に面接触するテーパー面が形成された
    スナップリングとしたことを特徴とする自動変速機の多
    板ブレーキ構造。
  4. 【請求項4】 請求項1記載の自動変速機の多板ブレー
    キ構造において、 前記リング溝を、第1多板ブレーキ側と第2ブレーキ側
    との両内側面にテーパー面が形成された溝とし、 前記共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側にリン
    グ溝のテーパー面に面接触するテーパー面とブレーキ板
    に面接触するブレーキ板接触面とが形成され、第2多板
    ブレーキ側にリング溝のテーパー面に面接触するテーパ
    ー面とピストンリテーナに面接触するリテーナ接触面と
    が形成されたスナップリングとしたことを特徴とする自
    動変速機の多板ブレーキ構造。前記を、としたことを特
    徴とする自動変速機の多板ブレーキ構造。
JP27680598A 1998-09-30 1998-09-30 自動変速機の多板ブレーキ構造 Expired - Fee Related JP3643712B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27680598A JP3643712B2 (ja) 1998-09-30 1998-09-30 自動変速機の多板ブレーキ構造

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27680598A JP3643712B2 (ja) 1998-09-30 1998-09-30 自動変速機の多板ブレーキ構造

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2000104810A true JP2000104810A (ja) 2000-04-11
JP3643712B2 JP3643712B2 (ja) 2005-04-27

Family

ID=17574639

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27680598A Expired - Fee Related JP3643712B2 (ja) 1998-09-30 1998-09-30 自動変速機の多板ブレーキ構造

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3643712B2 (ja)

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100793880B1 (ko) 2006-08-14 2008-01-15 현대자동차주식회사 자동변속기
CN101846149A (zh) * 2010-05-26 2010-09-29 厦门大学 一种多盘制动器
JP2015203845A (ja) * 2014-04-16 2015-11-16 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置および画像形成装置
WO2019058886A1 (ja) * 2017-09-20 2019-03-28 日立オートモティブシステムズ株式会社 動力伝達軸
US20220282759A1 (en) * 2019-11-27 2022-09-08 Jatco Ltd Automatic transmission

Cited By (8)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100793880B1 (ko) 2006-08-14 2008-01-15 현대자동차주식회사 자동변속기
CN101846149A (zh) * 2010-05-26 2010-09-29 厦门大学 一种多盘制动器
JP2015203845A (ja) * 2014-04-16 2015-11-16 京セラドキュメントソリューションズ株式会社 定着装置および画像形成装置
WO2019058886A1 (ja) * 2017-09-20 2019-03-28 日立オートモティブシステムズ株式会社 動力伝達軸
JPWO2019058886A1 (ja) * 2017-09-20 2020-10-01 日立オートモティブシステムズ株式会社 動力伝達軸
US11560926B2 (en) 2017-09-20 2023-01-24 Hitachi Astemo, Ltd. Power transmission shaft
US20220282759A1 (en) * 2019-11-27 2022-09-08 Jatco Ltd Automatic transmission
US11739800B2 (en) 2019-11-27 2023-08-29 Jatco Ltd Automatic transmission

Also Published As

Publication number Publication date
JP3643712B2 (ja) 2005-04-27

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7383932B2 (en) Clutch hub
JP4770920B2 (ja) ウェーブスプリングの挟持構造および摩擦係合装置
EP2037142B1 (en) Power transmitting apparatus
US20060264297A1 (en) Connection structure for automatic transmission
US7059459B2 (en) Multiple disc clutch apparatus
KR19990029865A (ko) 슬립 제한 차동 장치 및 여기에 사용되는 개선된 차동 하우징조립체
US5454454A (en) Polygonal friction disk and method
EP2306038B1 (en) Multi-plate clutch system
JPH10252777A (ja) 多板クラッチ
US5992597A (en) Multiple disk clutch and method and apparatus for forming clutch drum
US6419065B1 (en) Multi-disk clutch and method of manufacturing a core plate of a multi-disk clutch
US7296507B2 (en) Piston for automatic transmission
EP3388705B1 (en) Wet brake
US6892869B2 (en) Multi-plate friction clutch
JP2010007789A (ja) 多板クラッチ
US4944376A (en) Brake band drum for planetary gear-type transmissions
EP1253339B1 (en) Clutch
JP2000104810A (ja) 自動変速機の多板ブレーキ構造
WO2020116508A1 (ja) 動力伝達装置
US6648106B2 (en) One-way clutch and a supporting structure
JP3552784B2 (ja) ピストンストッパー構造
JP3229853B2 (ja) 自動変速機
WO2021164485A1 (en) Arrangement for shifting brake device
JPH06280895A (ja) プルタイプクラッチ
KR100394620B1 (ko) 자동변속기용 클러치

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20041026

RD04 Notification of resignation of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7424

Effective date: 20041108

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20041222

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050125

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050131

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

RD02 Notification of acceptance of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7422

Effective date: 20050304

A072 Dismissal of procedure

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A072

Effective date: 20050517

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090204

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20090204

Year of fee payment: 4

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100204

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20100204

Year of fee payment: 5

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110204

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110204

Year of fee payment: 6

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120204

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20120204

Year of fee payment: 7

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130204

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20130204

Year of fee payment: 8

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140204

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20150204

Year of fee payment: 10

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees