JP3643712B2 - 自動変速機の多板ブレーキ構造 - Google Patents

自動変速機の多板ブレーキ構造 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トランスミッションケースの外周部位置に軸方向に直列配置された第1多板ブレーキ及び第2多板ブレーキとの間に共用スナップリングが設けられた自動変速機の多板ブレーキ構造の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動変速機の多板ブレーキ構造としては、例えば、実開平2−84058号公報に記載のものが知られている。
【0003】
この公報には、トランスミッションケースの外周部位置に軸方向に直列配置された第1多板ブレーキ及び第2多板ブレーキと、トランスミッションケースのリング溝に嵌合され、第1多板ブレーキの軸方向移動を規制するスナップリングと、第2多板ブレーキを押圧するピストンの油圧室を形成するピストンリテーナの軸方向一端側の位置決めをするスナップリングとを共用化している共用スナップリング20と、を備えた自動変速機の多板ブレーキ構造が記載されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の自動変速機の多板ブレーキ構造にあっては、軸方向に隙間余裕を持った方形断面のリング溝に、方形断面の共用スナップリングが嵌合されているものであるため、第1多板ブレーキの締結開始域で一時的にブレーキ締結容量の低下が生じ、変速ショックを生じるという問題がある。
【0005】
すなわち、1つの多板ブレーキの軸方向移動を規制する目的で設けられるスナップリングの場合、図5に示すように、スナップリングには外径方向への弾性力があるため、一度、多板ブレーキが締結されると多板ブレーキが解放されても、スナップリングはリング溝の他端方向へ押し付けられた位置に止まって保持されている。この状態で多板ブレーキが締結されると、多板ブレーキのプレートが他端側に配置されているスナップリングの位置まで移動し、ブレーキ締結が行なわれるため、変速ショックが起きることがない。
【0006】
しかし、上記従来公報のように、第1多板ブレーキの軸方向移動を規制するスナップリングと、第2多板ブレーキを押圧するピストンの油圧室を形成するピストンリテーナの軸方向一端側の位置決めをするスナップリングとを共用化している共用スナップリングの場合、図6(イ) に示すように、第1多板ブレーキが解放状態ではピストンリテーナに作用するリターンスプリング力により共用スナップリングがリング溝の一端側に押し付けられた状態となり、その後、第1多板ブレーキの締結が開始されると、ブレーキ締結開始域である程度のブレーキ締結容量を持つまでは、図6(ロ) に示すように、共用スナップリングがリング溝の一端側に押し付けられた状態を保つ。しかし、ブレーキ締結容量がリターンスプリング力やスナップリング弾性力に打ち勝つレベルに達すると、図6(ハ) に示すように、共用スナップリングがリング溝の一端側から他端側へ移動する。このスナップリングの移動中、ブレーキ締結容量が一時的に低下し、変速ショックが生じる。
【0007】
上記問題の解決案としては、図7に示すように、リング溝に対して共用スナップリングを密に嵌合し、共用スナップリングの軸方向移動を許容しないように取り付ける案がある。
【0008】
しかし、この場合、リング溝の溝幅は少なくとも加工公差の範囲でバラツキがあるため、共用スナップリングの緊密嵌合を達成するには、少なくとも数種類の軸方向幅が異なる共用スナップリングを用意しなければならずコスト増になると共に、リング溝の溝幅を確認した上で、溝幅に最も合致する幅の共用スナップリングを選択し、強い力を加えながら選択された共用スナップリングをリング溝に嵌合するという組み付け作業を要するものであり、組み付けが困難であるという問題がある。
【0009】
本発明が解決しようとする課題は、コスト増を招くことがなく容易に組み付けることができて、第1多板ブレーキの締結開始域で共用スナップリングの移動による変速ショックが防止される自動変速機の多板ブレーキ構造を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
(解決手段1)上記課題の解決手段1(請求項1)は、トランスミッションケースの外周部位置に軸方向に直列配置された第1多板ブレーキ及びこの第1多板ブレーキよりも締結容量の小さな第2多板ブレーキと、トランスミッションケースのリング溝に嵌合され、前記第1多板ブレーキの軸方向移動を規制するスナップリングと、前記第2多板ブレーキを押圧するピストンの油圧室を形成するピストンリテーナの軸方向一端側の位置決めをするスナップリングとを共用化している共用スナップリングと、を備え、前記ピストンリテーナの軸方向他端側の位置決めを、前記油圧室の前記ピストンを挟んで反対側に配置されたリターンスプリングを介して行なう自動変速機の多板ブレーキ構造において、前記トランスミッションケースは、軸方向一端に開口部を設けると共に、前記共用スナップリングを、加工公差を考慮した最大リング溝幅より大きな内径幅と、加工公差を考慮した最小リング溝幅より小さな外径幅を持ち、且つ、第1多板ブレーキ側の側面のみに内外径の幅差を吸収するテーパー面が形成されたスナップリングとし、該共用スナップリングを、トランスミッションケースのリング溝に対して軸方向の移動を許容しないテーパー嵌合状態にて固定したことを特徴とする。
(解決手段2)上記課題の解決手段2(請求項2)は、請求項1記載の自動変速機の多板ブレーキ構造において、前記リング溝を、方形断面による溝とし、前記共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側の側面のみにブレーキ板に面接触するブレーキ板接触面とリング溝に線接触するテーパー面が形成されたスナップリングとしたことを特徴とする。
(解決手段3)上記課題の解決手段3(請求項3)は、請求項1記載の自動変速機の多板ブレーキ構造において、前記リング溝を、第1多板ブレーキ側の内側面のみにテーパー面が形成された溝とし、前記共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側の側面のみにブレーキ板に面接触するブレーキ板接触面とリング溝のテーパー面に面接触するテーパー面が形成されたスナップリングとしたことを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
(実施の形態1)
実施の形態1は請求項に記載の発明に対応する自動変速機の多板ブレーキ構造である。
【0012】
まず、構成を説明する。
[全体構成について]
図1は実施の形態1の自動変速機の多板ブレーキ構造を示す断面図で、1はトランスミッションケース、2はサイドカバー、3は第1多板ブレーキ、4は第2多板ブレーキ、5は第1ブレーキピストン、6は第1油圧室、7は第1スプリングリテーナ、8は第1リターンスプリング、9はリテーナ用スナップリング、10は第1静止プレート、11は第1回転プレート、12は第1回転ドラム、13は第2ブレーキピストン、14は第2油圧室、15は第2スプリングリテーナ、16は第2リターンスプリング、17はピストンリテーナ、18は第2静止プレート、19は第2回転プレート、20は第2プレート用スナップリング、21は第2回転ドラム、22はスプライン部、23はリング溝、24は共用スナップリング、25は締結ボルト、26はトランスミッションケース1の開口部である。
【0013】
前記第1多板ブレーキ3及び第2多板ブレーキ4は、トランスミッションケース1の外周部位置に軸方向に直列配置されている。
【0014】
前記第1多板ブレーキ3は、前進2速位置と前進3速位置とで締結されるブレーキであり、第1油圧室6への圧油供給により第1ブレーキピストン5が図面右方向にストロークし、交互に重ねられた第1静止プレート10と第1回転プレート11とが締結され、第1回転ドラム12をケース固定とする。また、第1油圧室6からの圧油排除により、第1リターンスプリング8による付勢力で第1ブレーキピストン5が図面左方向にストロークして締結解放される。
【0015】
前記第2多板ブレーキ4は、前進1速位置と後退位置とで締結されるブレーキであり、第2油圧室14への圧油供給により第2ブレーキピストン13が図面右方向にストロークし、交互に重ねられた第2静止プレート18と第2回転プレート19とが締結され、第2回転ドラム21をケース固定とする。また、第2油圧室14からの圧油排除により、第2リターンスプリング16による付勢力で第2ブレーキピストン13が図面左方向にストロークして締結解放される。
【0016】
前記共用スナップリング24は、トランスミッションケース1のスプライン部22に形成されたリング溝23に嵌合され、第1多板ブレーキ3の第1静止プレート10の軸方向移動を規制するスナップリングと、第2多板ブレーキ4を押圧する第2ブレーキピストン13の第2油圧室14を形成するピストンリテーナ17の位置決めをするスナップリングとを共用化している。
[要部構成について]
図2は実施の形態1の自動変速機の多板ブレーキ構造の共用スナップリング部を示す断面図であり、3は第1多板ブレーキ、4は第2多板ブレーキ、10は第1静止プレート、17はピストンリテーナ、23はリング溝、24は共用スナップリング、24aはブレーキ板接触面、24bはテーパー面、24cは第2ブレーキ側接触面、Wはリング溝幅、W1は内径幅、W2は外径幅である。
【0017】
前記リング溝23は、リング溝幅Wによる方形断面による溝である。
【0018】
前記共用スナップリング24は、加工公差を考慮した最大リング溝幅より大きな内径幅W1と、加工公差を考慮した最小リング溝幅より小さな外径幅W2を持ち、且つ、第1多板ブレーキ3側の側面のみに第1静止プレート10に面接触するブレーキ板接触面24aとリング溝23に線接触するテーパー面24bが形成されている。尚、第2多板ブレーキ4側の側面は、ピストンリテーナ17とリング溝23の内側面とに面接触する第2ブレーキ側接触面24cとされている。
【0019】
そして、共用スナップリング24を、トランスミッションケース1のスプラン部22に形成されたリング溝23に対して軸方向の移動を許容しないテーパー嵌合状態にて固定している。
【0020】
次に、作用効果を説明する。
[コスト及び組み付け工数の低減について]
共用スナップリングが軸方向にガタつかないで緊密嵌合を達成するには、バラツキのあるリング溝の溝幅に最も合致する幅の共用スナップリングを選択する手法があるが、この場合、少なくとも数種類の軸方向幅が異なる共用スナップリングを用意しておく必要がありコスト増を招くし、また、リング溝の溝幅と合致する幅の共用スナップリングを選択する作業が必要であるし、また、寸法差がほとんどないリング溝に共用スナップリングを嵌合させる作業を必要とするものであり、組み付けが困難であった。
【0021】
これに対し、実施の形態1の共用スナップリング24は、加工公差を考慮した最大リング溝幅より大きな内径幅W1と、加工公差を考慮した最小リング溝幅より小さな外径幅W2を持ち、且つ、リング溝23に線接触するテーパー面24bが形成されているため、加工公差の範囲でバラツキのあるリング溝23に対し、差し込み嵌合するだけで、内外径の幅差を吸収するテーパー面24bのいずれかの位置がリング溝23との線接触部となり、共用スナップリング24を、トランスミッションケース1のリング溝23に対して軸方向の移動を許容しないテーパー嵌合状態にて固定され、共用スナップリング24をリング溝23に対して組み付ける場合、コスト増を招くことがなく組み付けも容易となる。
【0022】
さらに、共用スナップリング24の組み付けは、トランスミッションケース1の一端側に設けられた開口部26からピストンリテーナ17を組み付けた後に行なう為、治具等により第2リターンスプリング16を短縮させてリング溝23付近に充分な隙間を作ることができ、共用スナップリング24の組み付けが容易となる。
[変速ショック防止について]
従来の軸方向に隙間余裕を持った方形断面のリング溝に、方形断面の共用スナップリングが嵌合されている構造の場合、軸方向に隙間余裕があることで、第1多板ブレーキの締結開始域で一時的にブレーキ締結容量の低下が生じ、変速ショックを生じるという問題があった。
【0023】
これに対し、実施の形態では、共用スナップリング24が、トランスミッションケース1のリング溝23に対して軸方向の移動を許容しないテーパー嵌合状態にて固定されているため、第1多板ブレーキ3の締結開始域で共用スナップリング24の移動による変速ショックが防止される。
[片側テーパー嵌合について]
実施の形態1の場合、リング溝23は、リング溝幅Wによる方形断面による溝とし、共用スナップリング24は、第1多板ブレーキ3側の側面のみに第1静止プレート10に面接触するブレーキ板接触面24aとリング溝23に線接触するテーパー面24bが形成されているスナップリングとした。
【0024】
このため、従来と同じ単純な溝加工にてリング溝23を形成することができるし、片側のみをテーパー面24bとした線材により共用スナップリング24を製造すればよいため、例えば、リング溝にテーパ面を形成したり、共用スナップリングの両面にテーパー面を形成する場合に比べ、コスト及び加工工数を低減させることができる。
【0025】
さらに、共用スナップリング24のいずれの面側にテーパ面を形成するかについては、第1多板ブレーキ3の軸方向移動規制作用とピストンリテーナ13の位置決め作用を考慮する必要がある。
【0026】
これに対し、第1多板ブレーキ3側にテーパー面24bを形成したため、第2多板ブレーキ4に比べて締結容量の大きな第1多板ブレーキ3の締結時、リング溝23の内側面とに面接触する第2ブレーキ側接触面24cにより締結反力を受けることができ、共用スナップリング24のテーパー嵌合を達成しながら、第1多板ブレーキ3の軸方向移動規制作用とピストンリテーナ13の位置決め作用をうまく両立させることができる。
【0027】
(実施の形態2)実施の形態2は請求項1,2に記載の発明に対応する自動変速機の多板ブレーキ構造である。
図3は実施の形態2の自動変速機の多板ブレーキ構造の共用スナップリング部を示す断面図であり、3は第1多板ブレーキ、4は第2多板ブレーキ、10は第1静止プレート、17はピストンリテーナ、23はリング溝、23bはテーパー面、24は共用スナップリング、24aはブレーキ板接触面、24bはテーパー面、24cは第2ブレーキ側接触面、Wはリング溝幅、W1は内径幅、W2は外径幅である。
【0028】
この実施の形態2では、リング溝23を、第1多板ブレーキ3側の内側面のみにテーパー面23bが形成された溝とし、共用スナップリング24を、第1多板ブレーキ3側の側面のみに第1静止プレート10に面接触するブレーキ板接触面24aとリング溝23の前記テーパー面23bに面接触するテーパー面24bが形成されたスナップリングとした例である。尚、他の構成は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0029】
よって、この実施の形態2では、ピストンリテーナ13の位置決め作用において共用スナップリング24に加わる力を、互いに面接触するテーパー面23bとテーパー面24bとで受けることができ、実施の形態1に比べてピストンリテーナ13の位置決め支持力を高めることができる。
【0030】
図4は参考例の自動変速機の多板ブレーキ構造の共用スナップリング部を示す断面図であり、3は第1多板ブレーキ、4は第2多板ブレーキ、10は第1静止プレート、17はピストンリテーナ、23はリング溝、23bはテーパー面、23dはテーパー面、24は共用スナップリング、24aはブレーキ板接触面、24bはテーパー面、24cは第2ブレーキ側接触面、24dはテーパー面、Wはリング溝幅、W1は内径幅、W2は外径幅である。
【0031】
この参考例では、リング溝23を、第1多板ブレーキ3側と第2ブレーキ4側との両内側面にテーパー面23b,23dが形成された溝とし、共用スナップリング24を、第1多板ブレーキ3側にリング溝23のテーパー面23bに面接触するテーパー面24bと静止プレート10に面接触するブレーキ板接触面24aとが形成され、第2多板ブレーキ4側にリング溝23のテーパー面23dに面接触するテーパー面24dとピストンリテーナ17に面接触するリテーナ接触面24cとが形成されたスナップリングとした例である。尚、他の構成は、実施の形態1と同様であるので説明を省略する。
【0032】
よって、この参考例では、両テーパー嵌合としているため、第1多板ブレーキ3の軸方向移動規制とピストンリテーナ13の位置決めを高い支持力にて達成できると共に、リング溝23へ共用スナップリング24を組み付ける時、共用スナップリング24を傾かせることなく整然とテーパー嵌合により取り付けることができる。
【0033】
【発明の効果】
請求項1記載の発明にあっては、トランスミッションケースの外周部位置に軸方向に直列配置された第1多板ブレーキ及びこの第1多板ブレーキよりも締結容量の小さな第2多板ブレーキと、トランスミッションケースのリング溝に嵌合され、前記第1多板ブレーキの軸方向移動を規制するスナップリングと、前記第2多板ブレーキを押圧するピストンの油圧室を形成するピストンリテーナの軸方向一端側の位置決めをするスナップリングとを共用化している共用スナップリングと、を備え、前記ピストンリテーナの軸方向他端側の位置決めを、前記油圧室の前記ピストンを挟んで反対側に配置されたリターンスプリングを介して行なう自動変速機の多板ブレーキ構造において、前記トランスミッションケースは、軸方向一端に開口部を設けると共に、前記共用スナップリングを、加工公差を考慮した最大リング溝幅より大きな内径幅と、加工公差を考慮した最小リング溝幅より小さな外径幅を持ち、且つ、第1多板ブレーキ側の側面のみに内外径の幅差を吸収するテーパー面が形成されたスナップリングとし、該共用スナップリングを、トランスミッションケースのリング溝に対して軸方向の移動を許容しないテーパー嵌合状態にて固定したため、コスト増を招くことがなく共用スナップリングをトランスミッションケースの一端側に設けられた開口部から容易に組み付けることができて、第1多板ブレーキの締結開始域で共用スナップリングの移動による変速ショックを防止することができるという効果が得られる。
【0034】
請求項2記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の多板ブレーキ構造において、リング溝を、方形断面による溝とし、共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側の側面のみにブレーキ板に面接触するブレーキ板接触面とリング溝に線接触するテーパー面が形成されたスナップリングとしたため、請求項1記載の発明の効果に加え、コスト及び加工工数を低く抑えた構造としながら、第1多板ブレーキの軸方向移動規制作用とピストンリテーナの位置決め作用をうまく両立させることができる。
【0035】
請求項3記載の発明にあっては、請求項1記載の自動変速機の多板ブレーキ構造において、リング溝を、第1多板ブレーキ側の内側面のみにテーパー面が形成された溝とし、共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側の側面のみにブレーキ板に面接触するブレーキ板接触面とリング溝のテーパー面に面接触するテーパー面が形成されたスナップリングとしたため、請求項1記載の発明の効果に加え、第1多板ブレーキの軸方向移動規制とピストンリテーナの位置決めを高い支持力にて達成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施の形態1の自動変速機の多板ブレーキ構造を示す断面図である。
【図2】実施の形態1の自動変速機の多板ブレーキ構造の共用スナップリング部を示す断面図である。
【図3】実施の形態2の自動変速機の多板ブレーキ構造の共用スナップリング部を示す断面図である。
【図4】実施の形態3の自動変速機の多板ブレーキ構造の共用スナップリング部を示す断面図である。
【図5】従来の自動変速機の多板ブレーキ構造のスナップリング部を示す断面図である。
【図6】従来の自動変速機の多板ブレーキ構造で共用スナップリングを設けた場合の変速ショックを生じるメカニズムの説明図である。
【図7】自動変速機の多板ブレーキ構造で選択による共用スナップリングをリング溝に緊密嵌合させた断面図である。
【符号の説明】
1 トランスミッションケース
2 サイドカバー
3 第1多板ブレーキ
4 第2多板ブレーキ
5 第1ブレーキピストン
6 第1油圧室
7 第1スプリングリテーナ
8 第1リターンスプリング
9 リテーナ用スナップリング
10 第1静止プレート
11 第1回転プレート
12 第1回転ドラム
13 第2ブレーキピストン
14 第2油圧室
15 第2スプリングリテーナ
16 第2リターンスプリング
17 ピストンリテーナ
18 第2静止プレート
19 第2回転プレート
20 第2プレート用スナップリング
21 第2回転ドラム
22 スプライン部
23 リング溝
23b,23d テーパー面
24 共用スナップリング
24a ブレーキ板接触面
24b テーパー面
24c 第2ブレーキ側接触面
24d テーパー面
W リング溝幅
W1 内径幅
W2 外径幅
25 締結ボルト
26 トランスミッションケースの開口部

Claims (3)

  1. トランスミッションケースの外周部位置に軸方向に直列配置された第1多板ブレーキ及びこの第1多板ブレーキよりも締結容量の小さな第2多板ブレーキと、
    トランスミッションケースのリング溝に嵌合され、前記第1多板ブレーキの軸方向移動を規制するスナップリングと、前記第2多板ブレーキを押圧するピストンの油圧室を形成するピストンリテーナの軸方向一端側の位置決めをするスナップリングとを共用化している共用スナップリングと、
    を備え、
    前記ピストンリテーナの軸方向他端側の位置決めを、前記油圧室の前記ピストンを挟んで反対側に配置されたリターンスプリングを介して行なう自動変速機の多板ブレーキ構造において、
    前記トランスミッションケースは、軸方向一端に開口部を設けると共に、
    前記共用スナップリングを、加工公差を考慮した最大リング溝幅より大きな内径幅と、加工公差を考慮した最小リング溝幅より小さな外径幅を持ち、且つ、第1多板ブレーキ側の側面のみに内外径の幅差を吸収するテーパー面が形成されたスナップリングとし、
    該共用スナップリングを、トランスミッションケースのリング溝に対して軸方向の移動を許容しないテーパー嵌合状態にて固定したことを特徴とする自動変速機の多板ブレーキ構造。
  2. 請求項1記載の自動変速機の多板ブレーキ構造において、
    前記リング溝を、方形断面による溝とし、
    前記共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側の側面のみにブレーキ板に面接触するブレーキ板接触面とリング溝に線接触するテーパー面が形成されたスナップリングとしたことを特徴とする自動変速機の多板ブレーキ構造。
  3. 請求項1記載の自動変速機の多板ブレーキ構造において、
    前記リング溝を、第1多板ブレーキ側の内側面のみにテーパー面が形成された溝とし、
    前記共用スナップリングを、第1多板ブレーキ側の側面のみにブレーキ板に面接触するブレーキ板接触面とリング溝のテーパー面に面接触するテーパー面が形成されたスナップリングとしたことを特徴とする自動変速機の多板ブレーキ構造。
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