JP2000103687A - セラミックス接合用組成物およびセラミックス管の接合方法 - Google Patents

セラミックス接合用組成物およびセラミックス管の接合方法

Info

Publication number
JP2000103687A
JP2000103687A JP27385998A JP27385998A JP2000103687A JP 2000103687 A JP2000103687 A JP 2000103687A JP 27385998 A JP27385998 A JP 27385998A JP 27385998 A JP27385998 A JP 27385998A JP 2000103687 A JP2000103687 A JP 2000103687A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ceramic
cordierite
composition
thermal expansion
bonding
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP27385998A
Other languages
English (en)
Inventor
Tomoko Niigashira
朋子 新頭
Hideo Takahashi
秀雄 高橋
Shotaro Okumiya
正太郎 奥宮
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
AGC Inc
Original Assignee
Asahi Glass Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Asahi Glass Co Ltd filed Critical Asahi Glass Co Ltd
Priority to JP27385998A priority Critical patent/JP2000103687A/ja
Publication of JP2000103687A publication Critical patent/JP2000103687A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Filtering Materials (AREA)
  • Ceramic Products (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】高温条件下においても接合強度が大きく、長期
間使用しても接合部分に亀裂が生じず平均熱膨張係数が
小さいセラミックス管接合体の提供。 【解決手段】粒径が1.0mm未満のスポジュメン質粒
子10〜80重量%と、粒径が0.1〜1μmのシリカ
粉末6〜17重量%と、粒径が0.01〜1.0mmの
コーディエライト質骨材10〜80重量%とを含むセラ
ミックス接合用組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は平均熱膨張係数の小
さいセラミックス管の接合に適したセラミックス接合用
組成物、およびこれを用いたセラミックス管の接合方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】セラミックス管をフィルタとして用いた
高温ガスの除塵装置は、石炭を燃料とした次世代のクリ
ーンで高効率な発電方式である加圧流動床複合発電およ
び石炭ガス化発電を実用化するうえでのキーテクノロジ
ーと考えられており、世界各国でその開発競争が繰り広
げられている。さらに、近年問題が顕在化しているダイ
オキシンに代表される環境汚染の観点から、ゴミおよび
産業廃棄物の焼却炉への適用も検討されている。
【0003】セラミックス管を製造するうえで、ばらつ
きの少ない高品質の単体が得られる大きさは最大でも約
1mである。セラミックス管の製造プロセス技術として
は押し出し成形など、連続的に長尺の均一断面形状のセ
ラミックス成形体を製造する技術は存在するが、ある程
度の重量のあるセラミックス体では、焼成時の材料収縮
に起因する歪みにより、欠陥が発生する問題があり、特
にフィルタとして機能するために多孔質化した場合には
焼結体強度が低く、製造できる長さに限界がある。
【0004】一方、高温ガスの除塵装置のフィルタとし
て用いられるセラミックス管は、装置全体の大きさを勘
案した経済性から、ある程度の長さ(例えば3〜4m)
が必要となる。このため、焼成されたセラミックス管を
何本かつないで一本とする接合技術が不可欠となる。
【0005】このセラミックス管の接合体においては、
接合部分が充分な接合強度を有することが必要である。
すなわち、セラミックス管を除塵装置にとりつける際に
加わる機械的衝撃、焼成冷却時に発生する残留応力、高
温含塵ガスの昇降温による熱衝撃と熱応力、除塵装置運
転時に発生する振動に起因する応力等によって、接合部
分が損傷しないことが必要である。
【0006】従来より、高温で使用することを目的とす
る、同種または異種のセラミックスの接合に使用される
接合用組成物としては、各種の接合用組成物が市販され
ており、セメントの硬化を利用するもの、リン酸塩系溶
液の脱水縮合反応による硬化を利用するもの等がある。
しかし、これらは600℃を超える高い温度域において
は実用性のある接合強度を示すものではなかった。
【0007】特開平7−138081には、高い接合強
度を安定して示す平均熱膨張係数の小さいセラミックス
接合用組成物と、セラミックス管の接合方法が提案され
ており、接合されるセラミックス管としては、特開平3
−68411に記載の方法で製造されるコーディエライ
ト質セラミックス管が挙げられている。ここで用いられ
ているセラミックス管および焼結された接合用組成物の
平均熱膨張係数(25℃から1000℃までの平均熱膨
張係数、以下同様。)はほぼ同じであり、18×10-7
/℃以下である。したがって、セラミックス管を焼成し
た後冷却した場合も、接合部分に残留歪みは発生せず、
高温で使用した場合も接合部分に熱応力は発生せず、高
い接合強度を示す。
【0008】しかし、上記の接合されたセラミックス管
を900℃程度の高温下で長時間使用すると、接合用組
成物は経時変化を起こし、接合部分にさらに高い応力が
発生するおそれのあることがわかった。応力の大きさが
継ぎ手が耐えうる強度を超えた場合は、継ぎ手にはクラ
ックが発生し、接合部分やセラミックス管が破損するお
それがある。
【0009】また、最近では焼結されたときの平均熱膨
張係数が15×10-7/℃以下、特には、10×10-7
/℃以下のコーディエライト質骨材が得られるようにな
っている。したがって、特開平7−138081に示す
接合用組成物を用いて上記骨材からなるセラミックス管
を接合すると、接合部分を焼成後冷却したときに、接合
用組成物とセラミックス管の間で熱膨張差が生じ、焼結
されたときの平均熱膨張係数の大きい接合用組成物側に
引張残留応力が発生する問題がある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、焼結
されたときの平均熱膨張係数が小さく、かつ600℃を
超える高温下においてもセラミックス管接合体の接合部
分の強度を安定に維持できるセラミックス接合用組成物
を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、粒径が1.0
mm未満のスポジュメン質粒子10〜80重量%と、粒
径が0.1〜1μmのシリカ粉末6〜17重量%と、コ
ーディエライト組成を有する混合物を溶融してガラス化
した後にコーディエライトに結晶化させた粒径0.01
〜1.0mmのコーディエライト質骨材10〜80重量
%とを含むことを特徴とするセラミックス接合用組成物
を提供する。
【0012】スポジュメン質粒子はコーディエライト質
骨材に比べ焼結性が高く、焼結したときの平均熱膨張係
数が小さい材料である。本発明の接合用組成物は、粒径
が1.0mm未満であるスポジュメン質粒子を10〜8
0重量%含む。スポジュメン(Li2 O・Al23
4SiO2 )の理論組成は、Li2 O:8重量%、Al
23 :27.4重量%、SiO2 :64.6重量%で
あるが、本発明におけるスポジュメン質粒子とは、組成
比がLi2 O:5〜13重量%、Al23 :20〜3
0重量%、SiO2 :60〜70重量%であるものをい
う。スポジュメン質粒子としては、α−スポジュメン、
β−スポジュメンのどちらを用いてもよい。なお、スポ
ジュメン質粒子としては、粒径が1μm以上であるのが
好ましく、特には75μm以上であるものが好ましい。
【0013】上記スポジュメン質粒子の粉末の含有量が
10重量%未満では、接合用組成物中の骨材のほとんど
が難焼結性のコーディエライト質骨材となるため、接合
用組成物を900℃以上の高温で焼成しても焼結が進み
にくくなる。また、上記スポジュメン質粒子の粉末の含
有量が80重量%超では、焼成時に接合部分にクラック
が発生しやすくなる。
【0014】また、本発明の接合用組成物は、粒径が
0.1〜10μm以下のシリカ粉末を6〜17重量%含
む。シリカ粉末の粒径が0.1μm以上かつ10μm以
下であることにより接合用組成物に適度の流動性と可塑
性が付与され、接合作業が容易となる。また、接合用組
成物が被接合物の表面と良くなじみ、被接合物の表面の
小さいくぼみにも入りやすくなることから、得られる接
合体の接合強度が大きくなる。
【0015】シリカ粉末の含有量が6重量%より少ない
と、接合用組成物の流動性および分散性が不充分とな
る。シリカ粉末の含有量が17重量%を超えると、接合
用組成物の保形性が悪くなり接合する際の施工性が悪く
なる、乾燥または焼成にともなう収縮量が大きくなり接
合層に亀裂が発生しやすくなる等の問題が生じる。シリ
カ粉末としては、その粒子が微細で球状であり、接合用
組成物に優れた流動性を付与できることから、特にはヒ
ュームドシリカを用いるのが好ましい。
【0016】また、本発明の接合用組成物は、コーディ
エライト組成を有する混合物を溶融してガラス化した後
にコーディエライトに結晶化させた粒径0.01〜1.
0mmのコーディエライト質骨材を10〜80重量%含
有する。これにより、接合用組成物からなる接合層の平
均熱膨張係数を小さくでき、接合層の乾燥または焼成に
ともなう収縮を小さくし、接合層に亀裂が発生するのを
抑制できる。
【0017】特には、コーディエライト質骨材として、
コーディエライト組成を有する溶融液を急速冷却して欠
陥の少ないガラス粒子とした後、粒径が1mm以上のガ
ラス粒子を1100〜1420℃で結晶化させてなる骨
材であって、結晶の平均粒径が50μm以上であり、か
つ、焼結されたときの平均熱膨張係数が10×10-7
℃以下である骨材を用いるのが好ましい。
【0018】コーディエライト質骨材としては、平均熱
膨張係数が小さいものが好ましく、特開昭57−202
69に記載の骨材、特開平6−151281に記載の骨
材が好ましい。特に、特開平6−151281に記載の
骨材は、結晶粒径を大きくすることで結晶粒内、または
結晶粒界にマイクロクラックを発生させ、該マイクロク
ラックによって熱膨張を吸収することにより焼結したと
きの平均熱膨張係数を小さくできる。
【0019】特開昭57−20269に記載の骨材は、
使用するコーディエライト質骨材の粒径にかかわらず、
焼結したときの平均熱膨張係数が18×10-7/℃以下
である。また、特開平6−151281に記載の骨材の
焼結したときの平均熱膨張係数は粒度依存性があり、骨
材の粒径が50μm以上である場合は、10×10-7
℃以下であり、さらに300μm以上である場合は6×
10-7/℃以下である。したがって、コーディエライト
質骨材の粒径を選択することで、焼結されたときの接合
用組成物の平均熱膨張係数を制御できる。
【0020】本発明の接合用組成物は、少量の粘土を含
有していてもよく、例えば6重量%以下の粘土を含有し
ていてもよい。粘土を含有することにより接合用組成物
の可塑性や施工性を向上できる。また、本発明の接合用
組成物は、さらにバインダ成分を添加して用いるのが好
ましい。バインダ成分を添加することにより、接合用組
成物に適度な粘性および可塑性を持たせ、接合強度を高
めることができる。
【0021】一般には、焼結されたときの平均熱膨張係
数の小さいコーディエライト質骨材を含む接合用組成物
と、シリカゾルや水ガラス等の無機バインダ成分とを併
用すると、コーディエライト質骨材中のマイクロクラッ
クが塞がれるため、焼結された接合用組成物の平均熱膨
張係数は大きくなる。しかし、コーディエライト質骨材
だけでなく、スポジュメン質粒子の粉末を適当量含有す
る本発明の接合用組成物においては、シリカゾル等の無
機バインダ成分を併用しても平均熱膨張係数はほとんど
大きくならない。
【0022】本発明におけるバインダ成分としては、シ
リカゾル、水ガラス等の無機バインダ、または、ポリビ
ニルアルコール水溶液等の有機バインダ、または、これ
らの混合物が挙げられる。バインダ成分の添加量は、固
形分に換算して、接合用組成物100重量部に対し1〜
10重量部、特には1.5〜7.5重量部とするのが好
ましい。バインダ成分の含有割合が10量部未満では施
工性が悪くなり、また自然乾燥後の室温での接合強度が
弱くなり、10重量部超では、バインダ成分中の多量の
水分によって、乾燥時に接合層に亀裂が発生しやすくな
る。
【0023】本発明のセラミックス接合用組成物は、ア
ルミナ質、コーディエライト質、ムライト質、炭化ケイ
素質等のセラミックスの接合に使用できるが、特にコー
ディエライト質セラミックスの接合に好適である。加圧
流動床ボイラの燃焼ガスや石炭ガス化炉の合成ガス等、
高温ガスの除塵フィルタとして使用されるセラミックス
管としては、該セラミックス管が繰り返しの熱応力をう
けるため、平均熱膨張係数が15×10-7/℃以下、好
ましくは12×10-7/℃以下であるものが用いられ
る。このようなセラミックス管は、骨材として例えば特
開平6−151281に示す平均熱膨張係数の小さいコ
ーディエライト骨材を50重量%以上用いることにより
得られる。
【0024】本発明の接合用組成物は、上記のような平
均熱膨張係数が15×10-7/℃以下であるコーディエ
ライト質セラミックス管同士を直接または継ぎ手を介し
て接合するのに好ましく用いられる。なかでも、焼結さ
れたときの平均熱膨張係数が15×10-7/℃以下、特
には12×10-7/℃である本発明の接合用組成物を用
いるのが好ましい。このようにセラミックス管の平均熱
膨張係数と、焼結された接合用組成物の平均熱膨張係数
を近づけることにより、接合部分にかかる熱応力を低減
できる。
【0025】また、本発明の接合用組成物を用いて2本
のセラミックス管を接合する場合、例えば以下の方法に
したがい接合できる。2本のセラミックス管を接合する
箇所に、内側にリング状の突起が設けらけた筒状継ぎ手
を配置し、該リング状の突起を2本のセラミックス管の
端面で挟むようにしてセラミックス管を筒状継ぎ手に嵌
合し、筒状継ぎ手とセラミックス管の間の隙間に接合用
組成物を充填する。次いで、接合用組成物を乾燥させ、
焼成することによりセラミックス管の接合体が得られ
る。
【0026】平均熱膨張係数の小さいコーディエライト
質セラミックスからなるセラミックス管同士を上記方法
を用いて接合する場合は、筒状継ぎ手として、セラミッ
クス管と同程度の平均熱膨張係数を示すものを用いるこ
とが好ましい。
【0027】本発明の接合用組成物を用いたコーディエ
ライト質セラミックス管の接合は、900〜1250℃
で焼成して行うのが好ましい。焼成温度を高くすると、
接合層の平均熱膨張係数が小さくなる傾向がある。これ
は焼成温度を高くすることで、スポジュメン質粒子の結
晶性が上がるためと考えられる。900℃未満では接合
用組成物の焼結が充分進まず接合強度が小さくなる。ま
た、1250℃超では接合用組成物の焼成にともなう収
縮が大きくなるため、接合部分に亀裂が発生しやすくな
る。
【0028】また、焼結されたときの接合用組成物の平
均熱膨張係数は、含有するコーディエライト質骨材の量
や各粒度の調合、および焼成温度で調整できる。したが
って、多様な平均熱膨張係数を有するセラミックス管お
よび筒状継ぎ手の平均熱膨張係数に近づけることがで
き、多様なセラミックス管の接合に使用できる。
【0029】
【実施例】粒径1.0mm未満のβ−スポジュメン、粒
径0.1〜1μmのシリカ粉末、コーディエライト組成
を有する混合物を溶融してガラス化した後にコーディエ
ライトに結晶化させた粒径0.01〜1.0mmのコー
ディエライト質骨材およびポリビニルアルコール(PV
A)10重量%水溶液を、表1の割合(重量部)で混合
し、5種類の接合用組成物を得た(例1〜例5)。混合
は万能ミキサーで3分間撹拌して行った。なお、上記コ
ーディエライト質骨材としては、コーディエライト組成
を有する溶融液を急速に冷却して欠陥の少ないガラス粒
子とした後、粒径が1mm以上のガラス粒子を1400
℃で結晶化させたものであり、結晶の平均粒径が80μ
mであるものを用いた。
【0030】得られた接合用組成物を50mm×150
mm×15mmの型に流し込み、室内に24時間放置
後、乾燥機にて100℃で24時間乾燥し、型から取り
外した後、電気炉に入れ、100℃/時間の昇温速度で
1000℃まで昇温し、1000℃にて24時間保持し
て固化させ、接合用組成物の焼結体を得た。
【0031】得られた焼結体の室温での強度(接合用組
成物強度)、平均熱膨張係数を測定し、焼成後のクラッ
クの発生状態を目視観察した。また、コーディエライト
質セラミックスと接合用組成物との接合強度を後述する
方法で測定した。結果を表1に示す。なお、例1、例4
および例5は比較例である。
【0032】
【表1】
【0033】表1において平均熱膨張係数は、得られた
接合用組成物の焼結体を直径8mm、高さ30mmの円
柱に加工して測定した25℃から1000℃までの平均
熱膨張率より算出して求めた値である。このとき、標準
サンプルとしては石英ガラスを用いた。
【0034】また、コーディエライト質セラミックスと
接合用組成物との接合強度は、以下の方法にしたがって
測定した。コーディエライト質セラミックスのテストピ
ース(25mm×40mm×10mm)を2本準備し、
40mm×10mmの面に接合用組成物を挟み、接合層
が厚さ1mm程度になるまで押しあてた。余分な接合用
組成物を除去した後、1000℃で24時間焼成してコ
ーディエライト質セラミックスの接合体を得た。この接
合体を短冊状(50mm×10mm×5mm)に切断
し、室温で3点曲げを行い(図1参照)接合強度を求め
た。図1において、1はコーディエライト質セラミック
スのテストピース、2は接合層、3は強度を測定するた
めの支点である。接合部分の接合強度σは、上記テスト
ピースの厚さをd、幅をb、支点距離をL、破断強度を
Wとしたとき、σ=3WL/2bd2 により算出した。
【0035】例1では焼結性の高いスポジュメン質粒子
が含まれないため、焼結が進まず、接合強度が小さかっ
た。また、焼結されたスポジュメン質粒子の平均熱膨張
係数は焼結されたコーディエライト質骨材の平均熱膨張
係数よりも小さいため、スポジュメン質粒子の添加量が
増えると、焼結された接合用組成物の平均熱膨張係数は
小さくなる傾向にあった。
【0036】次に、焼成温度を950℃(例6)、11
00℃(例7)、1200℃(例8)に変更した以外は
例3と同様にして接合用組成物の焼結体を得、接合用組
成物強度、接合強度、平均熱膨張係数を測定した。ま
た、焼成後のクラック発生状態を目視観察した。結果を
例3の結果とともに表2に示す。例3における接合用組
成物はシリカゾルや水ガラスのような無機バインダ成分
を使用することなく接合強度を大きくできることがわか
る。
【0037】
【表2】
【0038】また、PVA水溶液および/またはシリカ
ゾルの添加量と接合層のクラックの有無の相関について
調査した。例3で用いた各原料と、シリカ成分が30重
量%であるシリカゾルを表3の割合で混合した以外は、
例3と同様にして接合用組成物を作製した。また、外径
が170mm、内径が140mm、長さが710mmで
あり、平均熱膨張係数が14×10-7/℃であるコーデ
ィエライト質セラミックス管2本と、外径が194m
m、内径が176mm、高さが70mmであり、リング
状突起の内径が140mm、厚さ10mmであり、平均
熱膨張係数が14×10-7/℃であるコーディエライト
質からなる円筒状継ぎ手を準備した。
【0039】次に、片方のセラミックス管を筒状継ぎ手
の片側に嵌合し、次いで筒状継ぎ手の反対側に他方のセ
ラミックス管を嵌合した後、両セラミックス管と筒状継
ぎ手の間に接合用組成物を充填し、乾燥、焼結してセラ
ミックス管の接合体を得た(図2参照)。図2において
4はセラミックス管、5は内側にリング状の突起が設け
られた筒状継ぎ手、6は接合層である。
【0040】得られたセラミックス管の接合体につい
て、接合層のクラック発生状態を目視観察した。また、
接合用組成物の焼結されたときの平均熱膨張係数、およ
び強度(接合用組成物強度)を測定した。結果を表3に
示す。
【0041】
【表3】
【0042】
【発明の効果】本発明のセラミックス接合用組成物を用
いることにより、高温条件下においても接合強度が大き
く、長期間使用しても接合部分に亀裂が生じず、平均熱
膨張係数が小さいセラミックス管接合体が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のセラミックス接合用組成物の接合強度
の測定方法を説明する図。
【図2】本発明のセラミックス接合用組成物を用いて接
合されたセラミックス管の部分断面図。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粒径が1.0mm未満のスポジュメン質粒
    子10〜80重量%と、粒径が0.1〜1μmのシリカ
    粉末6〜17重量%と、コーディエライト組成を有する
    混合物を溶融してガラス化した後にコーディエライトに
    結晶化させた粒径0.01〜1.0mmのコーディエラ
    イト質骨材10〜80重量%とを含むことを特徴とする
    セラミックス接合用組成物。
  2. 【請求項2】バインダ成分が、上記接合用組成物100
    重量部に対して固形分換算で1〜10重量部の割合で添
    加されてなる請求項1に記載のセラミックス接合用組成
    物。
  3. 【請求項3】焼結されたセラミックス接合用組成物の2
    5℃から1000℃までの平均熱膨張係数が15×10
    -7/℃以下である請求項1または2に記載のセラミック
    ス接合用組成物。
  4. 【請求項4】上記コーディエライト質骨材が、コーディ
    エライト組成を有する溶融液を急速冷却して欠陥の少な
    いガラス粒子とした後、粒径が1mm以上のガラス粒子
    を1100〜1420℃で結晶化させてなる骨材であっ
    て、結晶の平均粒径が50μm以上であり、かつ焼結さ
    れた上記コーディエライト質骨材の25℃から1000
    ℃までの平均熱膨張係数が10×10-7/℃以下である
    請求項1、2または3に記載のセラミックス接合用組成
    物。
  5. 【請求項5】請求項1、2、3または4に記載のセラミ
    ックス接合用組成物を使用し、25℃から1000℃ま
    での平均熱膨張係数が15×10-7/℃以下であるコー
    ディエライト質セラミックス管同士を直接または継ぎ手
    を介して接合することを特徴とするセラミックス管の接
    合方法。
  6. 【請求項6】請求項1、2、3または4に記載のセラミ
    ックス接合用組成物を用いてコーディエライト質セラミ
    ックス管同士を接合する方法であって、900〜125
    0℃で焼成することを特徴とするセラミックス管の接合
    方法。
JP27385998A 1998-09-28 1998-09-28 セラミックス接合用組成物およびセラミックス管の接合方法 Pending JP2000103687A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27385998A JP2000103687A (ja) 1998-09-28 1998-09-28 セラミックス接合用組成物およびセラミックス管の接合方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP27385998A JP2000103687A (ja) 1998-09-28 1998-09-28 セラミックス接合用組成物およびセラミックス管の接合方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000103687A true JP2000103687A (ja) 2000-04-11

Family

ID=17533558

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP27385998A Pending JP2000103687A (ja) 1998-09-28 1998-09-28 セラミックス接合用組成物およびセラミックス管の接合方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000103687A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007111056A1 (ja) * 2006-03-28 2007-10-04 Ngk Insulators, Ltd. ハニカム構造体及びその製造方法

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2007111056A1 (ja) * 2006-03-28 2007-10-04 Ngk Insulators, Ltd. ハニカム構造体及びその製造方法
US7947103B2 (en) 2006-03-28 2011-05-24 MGK Insulators, Ltd. Honeycomb structure and method for producing same
JP5103377B2 (ja) * 2006-03-28 2012-12-19 日本碍子株式会社 ハニカム構造体及びその製造方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US5552349A (en) Low thermal expansion cordierite aggregate and its bonded body
EP0244109B1 (en) Thermally bonded fibrous products
US3979216A (en) Low thermal expansion coefficient synthetic cordierite-containing ceramic bodies and method for producing same
JP2016052960A (ja) 珪石質キャスタブル耐火物及び珪石質プレキャストブロック耐火物
JPH11128639A (ja) セラミックスフィルタ及びその製造方法
JP2000103687A (ja) セラミックス接合用組成物およびセラミックス管の接合方法
US5039629A (en) Hybrid ceramic composition and process for its manufacture
KR101133097B1 (ko) 고온가스필터용 뮬라이트-지르코니아 결합 탄화규소질 세라믹 조성물 및 이를 이용한 고온가스필터 제조방법
JP3359429B2 (ja) セラミックス接合用組成物と接合方法
EP1000914A1 (en) Cordierite ceramic filter
JP4612330B2 (ja) ロータリーキルン
JP3368960B2 (ja) SiC質耐火物
JPH07101772A (ja) 低熱膨張コーディエライト質骨材及びその結合体
JP4485615B2 (ja) 耐食性スピネル質焼結体およびそれよりなる熱処理用部材
JP6468565B2 (ja) モルタルおよびモジュールブロック
JP2000351679A (ja) 炭化ケイ素質多孔体の製造方法および炭化ケイ素質多孔体
JPH0368411A (ja) コーディエライト質ガス用フィルタとその製造方法
JP4700560B2 (ja) 熱間補修用珪石れんがの製造方法
JPH0822779B2 (ja) クッション性珪石モルタル
JP2823140B2 (ja) コーディエライト質多孔体の製造方法
JP2001278676A (ja) 無機繊維成形体
Al-Taie et al. Characterizations of semi-silica refractory bricks produced from local Iraqi materials
JP3108362B2 (ja) 高強度無機質繊維成形体
JPH1192215A (ja) コーディエライト質セラミックス焼結体、そのための組成物および製造方法
JP3219623B2 (ja) セラミックエレメントの接合方法、接合部材及び接合装置