JP2000103474A - 遊離ホルムアルデヒドが低減されたセルロース系繊維製品及びセルロース系繊維製品貯蔵中の遊離ホルムアルデヒドの低減除去方法 - Google Patents

遊離ホルムアルデヒドが低減されたセルロース系繊維製品及びセルロース系繊維製品貯蔵中の遊離ホルムアルデヒドの低減除去方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期間貯蔵後に遊離ホルムアルデヒドの少な
い形態安定化セルロース系製品を提供する。 【解決手段】 形態安定化化学加工を施したセルロース
系繊維製品を、遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤の水溶
液にて含浸処理し、次いで脱液して乾燥し、その形態を
整えた後、乾燥剤を封入した疎水性ポリマー製の袋の中
に密閉して貯蔵する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊離ホルムアルデ
ヒドが低減された形態安定化セルロース系繊維製品、及
び形態安定化加工を施したセルロース系繊維製品の貯蔵
中の遊離ホルムアルデヒドの低減除去方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、セルロース系繊維製品は、洗濯す
ることによって形態寸法が収縮するため、これを抑制す
るために樹脂加工、ホルムアルデヒドガスによる気相加
工、及び加熱収縮加工などのいわゆる形態安定化加工が
施されている。このうち前2者は加工後遊離ホルムアル
デヒドを生成するので、それを低減するための工夫(例
えば、特開平10−168741)はなされているが、
セルロース系繊維製品貯蔵中に経時的に発生する遊離ホ
ルムアルデヒドを低減する技術は、学術雑誌に散見され
るのみである。すなわち、低ホルムアルデヒド加工セル
ロース系繊維製品の製造後貯蔵中においてこれらセルロ
ース系繊維製品から放散する遊離ホルムアルデヒドを低
減し、公的規則基準値〔(A−A0 )値≦0.05〕を
満足する最も簡便且つ有効な方法は、ホルムアルデヒド
捕集除去剤の水溶液でこれらセルロース系繊維製品を処
理して遊離ホルムアルデヒドを除去するものである〔C
ooke Theodore F.,Olney Me
dal Assess 15,(12)233−238
(1983)〕〔Sello Stephan B.,
JSDC 101,99−105(1985)〕〔Hi
lden J.,Int.Tex.Bull.Dyei
ng/Printing/Finishing,1/8
6〕。この方法は、セルロース系繊維製品中に存在する
遊離ホルムアルデヒド及び一部の遊離しやすいホルムア
ルデヒドを除去し、セルロース系繊維製品を安定化さ
せ、セルロース系繊維製品中に存在する結合ホルムアル
デヒドからホルムアルデヒドが再度遊離するのを防止す
るものである。この方法は一時的には有効な方法だが、
3ケ月以上経過したセルロース製品をみると遊離ホルム
アルデヒド量が公的規制基準値を満足しなくなっている
ものが多くみられる(表1参照)。
【0003】本発明者による実験結果から、この方法に
よる加工処理が公的規制基準値を満足する有効期間(加
工処理後遊離ホルムアルデヒド量が規制基準値未満とな
ったセルロース系繊維製品を貯蔵してから再度その遊離
ホルムアルデヒド量が規制値を超えるまでの期間をい
う)は通常の常温貯蔵では約3ケ月であることがわかっ
た(表1参照)〔南部雅弘、(財)日本化学繊維検査協
会平成4年度研究報告研究No.その他6〕。その対象
として遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤の濃度を上げた
りして加工を変えても、効果が変わらないこともわかっ
た。そればかりか遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤の濃
度を上げるとセルロース系繊維製品の変色が生じる〔P
erry,R.S.,Tsou,C.H.and Le
e,C.S.,Textile Chem.Colo
r.12,No12.,311−316(198
0)〕。また、蒸気によって遊離ホルムアルデヒドを追
い出す方法、及びこの方法とホルムアルデヒド捕集除去
剤処理を併用した方法も検討されているが、同じく有効
期間延長に関して有効ではない(表1参照)。
【0004】
【表1】
【0005】尚、従来からほかのセルロース系繊維製品
から放散する遊離ホルムアルデヒドによる移染防止のた
めにセルロース系繊維製品を袋詰めする対策は施されて
いたが、それ以上の十分な対象検討はなされていない。
国内又は海外でホルムアルデヒド樹脂加工した製品を輸
出又は輸入の後、消費者にわたる一定期間(数ケ月)
〔Jaco,P.J.,and Hendrix,J.
E.,TextileChem.Color.14,N
o9.,194−199(1982)〕貯蔵される場合
が多い。その結果、現在市場に出ているこれらセルロー
ス系製品のなかには貯蔵(ストック)期間の経過と共に
流通販売できなくなってしまっている製品が少なからず
ある。これらの実状から、セルロース系繊維製品を取り
扱う現場サイドからは、上記の有効期間の2倍延長(最
低6ケ月)がのぞまれている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記し
た従来技術の問題点を解決することにあり、特に形態安
定化加工を施したセルロース系繊維製品中の遊離ホルム
アルデヒド濃度を平均的貯蔵期間(3ケ月)の2倍以上
の貯蔵期間において公的規制基準値を満足することを可
能にする手段を提供することにある。本発明者の検討の
結果、ホルムアルデヒド捕集除去剤の水溶液を用いた処
理を施してセルロース系繊維製品を安定化させても、セ
ルロース系繊維製品に施された結合ホルムアルデヒドの
一部が貯蔵期間内において大気中の水分により徐々に加
水分解するため遊離ホルムアルデヒドが徐々に発生して
セルロース系繊維製品に経時残留蓄積し、その結果3ケ
月後には規制基準値を超えることがわかった。これらの
知見に基づいて、効果の顕著な本発明を完成するに至っ
た。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の第1は、遊離ホ
ルムアルデヒド捕集除去剤を付着させた形態安定化セル
ロース系繊維製品を乾燥剤を封入した疎水性ポリマー製
の袋の中に密閉貯蔵してなることを特徴とする遊離ホル
ムアルデヒドが低減された形態安定化セルロース系繊維
製品包装体である。本発明の第2は、形態安定化化学加
工を施したセルロース系繊維製品を、遊離ホルムアルデ
ヒド捕集除去剤水溶液にて含浸処理し、次いで脱液して
乾燥し、その形態を整えた後、乾燥剤を封入した疎水性
ポリマー製の袋の中に密閉して貯蔵することを特徴とす
るセルロース系繊維製品貯蔵中の遊離ホルムアルデヒド
の低減方法である。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に供されるセルロース系製
品は形態安定化処理を施したセルロース系製品であれば
本質的にはいずれも包含されるが、最終加工製品、特に
乳幼児用衣類やパジャマ等が好ましく用いられる。以下
本発明の好ましい態様を図面も参照しつつ説明する。
【0009】形態安定化化学加工を施した上記のような
セルロース系繊維製品を、遊離ホルムアルデヒド捕集除
去剤(通称ホルマリンキャッチャー)の水溶液を含有す
る遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液槽〔3〕内で
含浸処理し、脱液して乾燥させた後、アイロン掛け又は
プレス処理を施して形態を整え、ただちに乾燥剤を封入
した疎水性ポリマー製の袋の中に密閉して貯蔵する。よ
り具体的には、例えば遊離ホルムアルデヒドの除去剤水
溶液を常温で操作して、セルロース系繊維製品の遊離ホ
ルムアルデヒドを除去するよう組成及び濃度を調整工夫
された遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液〔1〕、
遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液移送管I〔2〕
及び遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液槽〔3〕、
この溶液にセルロース系繊維製品を浸漬してその遊離ホ
ルムアルデヒドを除去するための遊離ホルムアルデヒド
捕集除去槽〔4〕、その後製品を脱液(加圧・遠心)・
乾燥する遠心分離機〔5〕、乾燥機〔6〕からなる遊離
ホルムアルデヒド捕集除去部、及びこの遠心分離機
〔5〕内の溶液を濾過・回収する遊離ホルムアルデヒド
捕集除去剤水溶液回収槽〔7〕、この回収槽の除去剤水
溶液を再び遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液槽
〔3〕に送り込む除去剤水溶液移送管II〔8〕、ポンプ
〔9〕、ポンプII〔10〕からなる除去剤水溶液回収
部からなる装置を使用する。乾燥したセロルース系繊維
製品はアイロンもしくはプレス機を使用して形態を整え
た後、乾燥剤と共に疎水性ポリマーからなる袋に密閉貯
蔵する。
【0010】前記の遊離ホルムアルデヒド捕集除去部
は、吸引機構に接続したものであってもよい。また、遊
離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液〔1〕は、カーボ
アマイド、カーボヒドラジド、アミノプラスト化合物等
の有機アミン系化合物等の公知のホルムアルデヒド捕集
除去剤(固体)を水で溶解して水溶液としたもの等が適
宜用いられる。公知の遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤
には、エアクリン(カーボアマイドタイプ、一方社油脂
工業(株))、スミテックスバッファ190−AS (カ
ーボアマイドポリマータイプ、住友化学工業(株))、
パンシルAA−7(アミノプラスト化合物、高松油脂
(株))等の市販品があり、これらは適宜の標準使用濃
度液で用いうる。尚、捕集除去槽〔4〕及び遠心分離機
〔5〕としては具体的には工業用洗濯機(タンブラー
型)等を用いうる。上記の方法で処理すべきセルロース
系繊維製品の数量が少量であれば、市販のタンブル乾燥
機型家庭用洗濯機及びタンブル乾燥機等を用いることが
できる。
【0011】図示した遊離ホルムアルデヒド除去装置を
用いることにより処理中にセルロース系繊維製品から遊
離ホルムアルデヒドが生成するのを極力抑え、迅速に遊
離ホルムアルデヒドの除去処理を行うことができるが、
これによらず、上記の遊離ホルムアルデヒド低減方法を
手動で行ってもよい。また、必要により、遊離ホルムア
ルデヒド捕集除去剤水溶液〔1〕を用いて遊離ホルムア
ルデヒドを捕集除去する前に、あらかじめ、10℃以下
の水に3分から30分以内の間セルロース系繊維製品を
浸漬してセルロース系繊維製品中において定常状態にあ
る遊離ホルムアルデヒドを除去してもよい〔Andre
ws,B.A.K.and Reinhardt,R.
M.,Textile Res.J.56,(2)11
5−120(1986)〕。
【0012】また、乾燥後においてセルロース系繊維製
品の形態を整えるために、JISL 0217の302
号又は同303号に準拠する中温又は低温のアイロン掛
けもしくはJIS L 1042 H法に準拠するプレ
ス処理をセルロース系繊維製品に対して施すことが好ま
しい。この場合、遊離ホルムアルデヒドの再発生を極力
抑えるために、アイロン掛けもしくはプレス処理に当た
ってはセルロース系繊維製品に水を噴霧すべきでない。
通常、乾熱のアイロン掛けもしくは乾熱プレス処理(J
IS L 1042 H−1法に準拠する方法)を行
う。但し、スチーム(蒸熱)トンネルによるスチーム
(蒸熱)処理及びスチーム(蒸熱)アイロン掛けは、ス
チーム(蒸熱)が遊離ホルムアルデヒドの排除に寄与す
るため(表1参照)、処理時間を短くしてこれを用いて
もよい。スチームトンネルによるスチーム処理は、東京
洗染機械製作所製TST−500F型スチームトンネル
を用いて行ってもよい。スチームアイロン掛けは、JI
S C 9203に準拠する職業用スチームアイロンを
用いて、JIS L 1057 B法に準拠する蒸熱を
用いるアイロン法を用いた処理を行ってもよい。プレス
処理についても同様である。すなわち、処理時間が短い
JIS L 1042 H−2法、H−3法、及びH−
4法のいずれかに準拠する蒸熱を用いるプレス処理を行
ってもよい。いずれの場合も、その後、ただちにセルロ
ース系繊維製品に対して乾熱のアイロン掛けもしくはホ
ットプレス処理(JIS L 1042 H−1法に準
拠する方法)を行い、水分を排除するとよい。なお、セ
ルロース系繊維製品を大量に処理する場合には、工業用
大型プレス機を用いて行う上記のプレス処理が好まし
い。その場合、スチームトンネルを併用するとよい。
【0013】また、貯蔵容器は、低密度ポリエチレン、
又はポリプロピレン製などの疎水性ポリマー製で、セル
ロース系繊維製品の経時的変色に寄与するBHTなどの
酸化防止剤をなるべく含まない材質の、袋状ものであ
り、密封シール付きで、セルロース系繊維製品封入後密
封又は結び留めして密封することが可能な大きさのもの
であることが望ましい。また、セルロース系繊維製品の
貯蔵は、上記のような袋を用いた密封袋詰めを基本単位
として貯蔵するものであるが、一度に多量のセルロース
系繊維製品を貯蔵する場合には、この密封袋詰めを施し
たセルロース系繊維製品もしくはこの密封袋詰めを施し
ていないセルロース系繊維製品を密閉型の大きな箱形容
器を用いて多量に貯蔵してもよい。その場合には、本発
明の条件を満足するように以下に記する貯蔵容器内に封
入する乾燥剤と併用して、例えば市販の家庭用挿入用大
型乾燥剤、すなわち吸湿量の絶対値が大きい乾燥剤を当
該容器の中で使用状態にして、セルロース系繊維製品と
共に密閉安置することが望ましい。
【0014】また、貯蔵容器内に封入する乾燥剤は特に
制限されないが、JIS Z0701包装用シリカゲル
乾燥剤に準じた材質がシリカゲル又は塩化カルシウム等
の乾燥剤の水分吸収量が0.03〜0.50gH2O /g
の性能でのものが好ましい。その単一容器あたりの使用
量は、封入すべきセルロース系繊維製品の乾燥度により
異なるが、そのセルロース系繊維製品重量の10%から
50%までとするのが望ましい。また、この乾燥剤は直
接セルロース繊維製品と裸で接触しないように、包装用
に包装加工(袋詰め)されたものであることが望まし
い。また、乾燥剤とともにホルムアルデヒド捕集除去剤
(固体)を併用してもよい。
【0015】〔作用〕本発明は、上述のように構成した
ものであるから、上記のように遊離ホルムアルデヒド除
去処理して乾燥したセルロース系繊維製品の形態を整え
た後、これを直ちに乾燥剤入りポリマー製袋に封入して
密封貯蔵することにより、遊離ホルムアルデヒドの捕集
除去に使用したホルムアルデヒド捕集除去剤によるセル
ロース系繊維製品の変色がなく、遊離ホルムアルデヒド
の再発生によるセルロース繊維製品の汚染を半年以上に
わたり防止できる。また、セルロース系繊維製品はスチ
ームで加熱されることがなく、従って遊離ホルムアルデ
ヒド捕集除去処理中に遊離ホルムアルデヒドの発生がな
く、これを常温の遊離ホルムアルデヒド捕集除去槽
〔4〕に導入して遊離ホルムアルデヒドを捕集してこれ
を除去することができる。遊離ホルムアルデヒド捕集除
去剤水溶液〔1〕は水溶液であるため遊離ホルムアルデ
ヒド捕集除去槽〔4〕及び遠心分離機〔5〕から多量の
遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液〔1〕を繰り返
し回収すること及び遊離ホルムアルデヒド捕集除去槽
〔4〕への繰り返し供給が容易であり、遊離ホルムアル
デヒドの捕集除去処理を効率よく行うことが可能とな
る。また、遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液
〔1〕に関しては閉鎖系であるため光による遊離ホルム
アルデヒド捕集除去剤水溶液〔1〕の劣化により発生す
るとされる遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液
〔1〕の酸化変色がなく、環境対策的にも配慮されてい
る特徴があり、常温で安全に大量の遊離ホルムアルデヒ
ドの捕集除去に使用することが可能となる。また、遊離
ホルムアルデヒド捕集除去部、遊離ホルムアルデヒド捕
集除去剤水溶液回収部は、吸引機構を用いることにより
更に迅速な遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液の回
収が可能となる。
【0016】
【実施例】(1)遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶
液によるセルロース系繊維製品の処理 遊離ホルムアルデヒド量が異なる純綿製繊維製品(原
布)3点についてそれぞれ10gを採取して、それぞれ
別々に遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液〔1〕
(標準使用濃度液滴:3w/v%)2Lに、室温で約5
分間浸漬し、十分濡らした後、遠心分離機〔5〕の脱水
槽で約10秒間脱液する。これを乾燥機〔6〕内に送
り、80℃で乾燥した後、中温アイロンで形態を整え
る。 (2)セルロース系繊維製品の貯蔵 密封可能なポリエチレン製の袋を用意して、(1)で得
られたセルロース系繊維製品に対して以下の貯蔵方法を
適用した。貯蔵方法:(1)で調整した試料を、そのま
ま直ちにポリエチレン製の袋に入れて、これに乾燥剤を
加えて密封した後、常温で貯蔵する。なお、用いた乾燥
剤添加量対セルロース系繊維製品試料重量の比は、1:
10である。(JIS Z0701包装用シリカゲル乾
燥剤使用に対する有効量から算出した) (3)遊離ホルムアルデヒド量測定方法 遊離ホルムアルデヒド量測定方法は、JIS L 10
415.3.1液相抽出法(2)2,4−ペンタンジオ
ン法によった。〔(注)2,4−ペンタンジオン=アセ
チルアセトン〕 (4)試験結果 処理後各貯蔵期間経過後のセルロース系繊維製品につい
て吸光度測定により求めた遊離ホルムアルデヒド量(A
−A0 )の測定結果を表2に示す。なお、貯蔵6ケ月後
のセルロース系繊維製品は原布と比較して変色並びに硬
化が認められなかった。すなわち、セルロース系繊維製
品を遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤の水溶液などで処
理して遊離ホルムアルデヒドを捕集除去し、次いでその
セルロース系繊維製品を乾燥して、その形態を整えた
後、そのセルロース繊維製品を乾燥状態に保った貯蔵を
行った場合においては遊離ホルムアルデヒド量の規制基
準値を長期(6ケ月以上)にわたり満足することを確認
した。
【0017】
【表2】
【0018】
【発明の効果】(1)本発明によれば、遊離ホルムアル
デヒドを捕集除去処理前の遊離ホルムアルデヒド量が概
ねA−A0 値で0.35(この値は乳幼児セルロース系
繊維製品としては全く受け入れられない高い値である)
未満又は濃度で110ppm未満のセルロース系繊維製
品であれば、処理後6ケ月の貯蔵期間において、乳幼児
用セルロース系繊維製品に対する公的規制基準を満足
し、従来の方法による結果(表1参照)と比べてその有
効期間には明らかに2倍の差があり、現場サイドの要求
に応えるものである。すなわち、貯蔵期間の延長による
セルロース系繊維の流通販売量に寄与する効果は大き
い。 (2)また、表1と表2を対比しても明らかなように、
本発明は遊離ホルムアルデヒドが比較的高濃度のセルロ
ース系繊維製品にも適用可能である。 (3)本発明は、上述のように常温で繰り返し供給され
る遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液〔1〕に、
(必要により事前に低温で水洗した)セルロース系繊維
製品を浸漬して、その遊離ホルムアルデヒド捕集するこ
とによりこれを除去し、セルロース系繊維製品を回収す
るものであるから、比較的少ない除去剤水溶液により多
量の遊離ホルムアルデヒドを捕集除去して、セルロース
系繊維製品を安定化して回収することが可能となり、経
済的コストの低い遊離ホルムアルデヒドの捕集除去処理
を可能とする。 (4)また、遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液
〔1〕は、同じ装置内で回収され、この遊離ホルムアル
デヒド捕集除去槽〔4〕に接続している除去剤水溶液回
収部及び遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液移送管
II〔8〕により、直ちに回収され再利用することが可能
となる。そのため、セルロース系繊維製品浸漬後に遊離
ホルムアルデヒドを常温で除去することができ、セルロ
ース系繊維製品の品質の低下を全く損なうことなく迅速
に遊離ホルムアルデヒドの除去及び除去剤水溶液の回収
作業を可能とすることができる。 (5)また、この常温又は常温以下の温度下で行う遊離
ホルムアルデヒド捕集除去処理という低減化処理方法
は、その処理中に遊離ホルムアルデヒドの発生がなく、
環境に配慮した低減化処理方法である。 (6)また、遊離ホルムアルデヒドの除去後残存する糸
くずなどの不純物は除去剤水溶液回収部において常温下
で濾過除去されるため、乾燥後もセルロース系繊維製品
の品質が維持できる。特に、ホルムアルデヒド捕集除去
部と除去剤水溶液回収部を凍結することにより、除去剤
水溶液の回収を促進するこどができ、さらに吸引機構と
連結することにより常温で迅速に遊離ホルムアルデヒド
の除去を可能とすることができるものである。 (7)また、捕集除去槽〔4〕及び遠心分離機〔5〕
は、具体的には工業用洗濯機(タンブラー型)を用いて
行えるため、同時に大量のセルロース系繊維製品の遊離
ホルムアルデヒド捕集除去処理が可能である点において
工業的規模で効率よく行える実用性があり、経済的利点
がある。 (8)さらに、貯蔵に使用する疎水性ポリマー製袋及び
乾燥剤は現状では安価で大量に入手しやすいため、コス
トがかからず経済的で、セルロース系繊維製品の貯蔵に
最適である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる遊離ホルムアルデヒド捕集除去
装置の一例を示すブロック図。
【符号の説明】
1 遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液 2 遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液移送管I 3 遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液槽 4 遊離ホルムアルデヒド捕集除去槽 5 遠心分離機 6 乾燥機 7 遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液回収槽 8 遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液移送管II 9 ポンプI 10 ポンプII

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤を付着
    させた形態安定化セルロース系繊維製品を乾燥剤を封入
    した疎水性ポリマー製の袋の中に密閉貯蔵してなること
    を特徴とする遊離ホルムアルデヒドが低減された形態安
    定化セルロース系繊維製品包装体。
  2. 【請求項2】 形態安定化化学加工を施したセルロース
    系繊維製品を、遊離ホルムアルデヒド捕集除去剤水溶液
    にて含浸処理し、次いで脱液して乾燥し、その形態を整
    えた後、乾燥剤を封入した疎水性ポリマー製の袋の中に
    密閉して貯蔵することを特徴とするセルロース系繊維製
    品貯蔵中の遊離ホルムアルデヒドの低減方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2019514519A (ja) * 2016-04-28 2019-06-06 青島海爾洗衣机有限公司QingDao Haier Washing Machine Co.,Ltd. 衣類のホルムアルデヒドを除去する洗濯機の洗浄方法

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