JP2000102605A - 遠心型血液ポンプ - Google Patents
遠心型血液ポンプInfo
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Abstract
心型血液ポンプに関し、血液ポンプからの供給血液流量
の測定を簡便に且つ長期に亘り安定して実施できる耐久
性の高い血液ポンプを提供する。 【解決手段】 遠心型血液ポンプの回転するインペラー
に速度検出用磁石が固定され、ポンプハウジングには磁
石による回転磁界を検出する磁気センサが固定され、磁
気センサによりインペラーの回転数を検出するようにす
る。磁気センサには、誘導コイル又はホール素子を使用
し、速度検出用磁石は、外部回転磁場によりインペラー
を回転駆動させるための磁石と兼用する。
Description
で血液循環に使用される遠心型血液ポンプに関し、特
に、ポンプのインペラーの回転数を監視するようにした
遠心型血液ポンプに関する。
を代行ないし補助する装置として、生体内に埋め込まれ
たり、生体外に配置され、ポンプの入口側と出口側の配
管を生体の対応する動脈に接続されて利用される。遠心
形血液ポンプは、ポンプケーシング内に複数の羽根を形
成したインペラーを回転させて、インペラーの回転によ
る遠心流れにより血液を供給する輻流ポンプの一種であ
る。
プケーシングに取りつけて、モータの回転軸をケーシン
グに貫通させてインペラーの回転軸に固定し、インペラ
ーを回転駆動するタイプが知られている。また、ポンプ
ケーシングの外側に磁石を回転させる機構を設け、その
回転磁場をインペラーに固定した磁性体に作用させて、
インペラーを回転駆動させるタイプがある。後者のタイ
プの遠心型血液ポンプについては、既に、特開平7−7
5667号公報により開示している。
の血液流量を監視し制御する必要が生じるが、血液流量
の測定には、従来、流体の磁気的性質を利用した電磁流
量計や、例えば、図7に示すように、超音波を利用して
流体の流れ方向とその反対方向とでは、伝播速度が異な
ることを利用した小型の超音波流量計が用いられてい
た。
音波流量計は、極めて微小な信号を検出するので、長期
の使用時には、測定感度や精度の変動や誤差が生じ、検
査や較正が必要となる。血液ポンプが体内に埋め込まれ
て長期に使用される場合には、これらの流量計も生体内
に埋め込む必要があり、この場合には、流量計内のセン
サが血液に直接接するのでセンサに血栓を生じて誤差原
因となり、さらに、使用中の周囲の生体組織の付着やこ
れに伴うセンサ一の微妙な位置ずれにより、測定感度の
変動が生じる可能性が大きく、これらの誤差要因を補正
するには、事実上困難である。
駆動電力ないし諸費電力から推定することも可能ではあ
るが、血圧の変動が消費エネルギーにも影響するので、
モータとポンプの動力の伝達で問題を発生している場合
には、この方法は極めて不正確になる。
の測定を簡便に且つ長期に亘り安定して実施できる耐久
性の高い血液ポンプを提供しようとするものである。
プは、ポンプ内のインペラーの回転を磁気的に検出し
て、インペラーの回転数を求め、回転数からポンプから
の供給血流を求めるものである。即ち、本発明の遠心型
血液ポンプにおいては、遠心型血液ポンプの回転するイ
ンペラーに磁石が固定されて、ポンプには磁石の回転を
検出する磁気センサが固定され、この磁気センサからの
電気信号によりインペラーの回転数を検出する。
されて、血液をポンプ入口に吸引して出口に加圧して供
給するが、インペラー回転数によりその供給量が定ま
る。そこで、インペラーには磁石が固定されてインペラ
ーの回転に伴い回転磁界を周囲に形成する。ポンプ固定
側には、磁気センサが固定されて、インペラーの回転に
よる回転磁界を検出して、信号を出力する。磁気センサ
からの信号を処理することによりインペラーの回転数が
計測することができる。
ンプの一例として、ポンプケーシングの内面がほぼ円錐
状をなして、インペラーが配置され、ケーシング頂部に
は入口部を、また底部の周縁部に出口部を有している。
インペラー2は、図1に示すように、ケーシング内に軸
支されて、ほぼ外面円錐状のロータ21と、このロータ
外面に植立されてロータ21の円周方向に概ね放射状に
延びる複数のフィン22とから成り、ロータ外周のフィ
ン22は、その突端がケーシング内面に近接してロータ
21の外面とケーシング内面との空所を回転し、これに
より、ポンプケーシング上部の入口からの血液を吸引し
て、加圧し、ポンプケーシング底部に形成した出口から
血液を送り出す。
外側に固定されたモータにより直接又は間接的に回転を
駆動されるが、図1に示す例は、ケーシング10の底部
外側にモータ(不図示)により駆動される磁石51を配
置し、この駆動側の磁石51に対向して磁力が作用する
ようにインペラー2のロータ21に磁性体5、例えば、
磁石が固定され、駆動側の磁石51を回転させることに
よって、インペラー2を回転させる構造のものである。
サは、インペラー内部に固定して磁石の回転によって生
じる磁界変化を検出できるセンサが使用される。このよ
うなセンサには、誘導コイルやホール素子が使用され
る。誘導コイルやホール素子は、インペラーの磁性体5
の回転軌跡に近接した位置に配置して、インペラー2の
回転による磁界変化を、交流として出力し、この交流の
電流・電圧の振動数から、回転数を求めるものである。
このため、センサは、リードにより増幅器と回転数変換
器に接続され、増幅器からの信号から回転数換算され
る。
て、インペラーに固定されてもよいが、インペラーを回
転させるための従動用磁性体と兼ねることもできる。こ
の場合には、ポンプハウジングの外側にモータにより回
転駆動される別体の駆動用磁石51を含むインペラー駆
動装置50(不図示)が、駆動用磁石51が、従動用磁
性体(即ち、速度検出用磁石5)に対置して、従動用磁
性体に回転に要する磁力を及ぼすように、配置される。
インペラー駆動装置50の駆動用磁石の回転により、こ
の従動用磁性体を介して、インペラーを回転させる。磁
気センサ8は、この従動用磁性体5の回転に応じた回転
磁界を検出する。
サ8は、インペラー2に固定した磁石5に近いポンプハ
ウジング10の位置に固定されるが、磁気センサ8が、
ポンプハウジングの外面に固定されることもでき、ま
た、ポンプハウジングの壁体の内部に固定されてもよ
い。磁気センサ8が、生体適合性材料により被覆若しく
は埋没されているのが好ましい。
害性のない材料であるが、特に、アクリル樹脂、ポリカ
ーボネート、シリコーン樹脂、ポリサルフォン、ポリエ
ーテルサルフォン、ポリプロピレン、ポリウレタン等の
ポリマーが使用される。また、この生体適合性材料に
は、アルミナ、ジルコニア、カーボン、窒化硅素、炭化
硅素等のセラミックスも利用できる。
固定される場合には、磁気センサ8は、生体適合性材料
により塗着あるいは被覆されて、外面11に取着され
る。このようなポンプは、生体中に埋め込まれて使用で
きる。
グの内部に一体の埋め込まれてもよい。この場合には、
ポンプハウジングの一部が、ポリマー又はセラミックス
から形成されて、磁気センサを固定して該センサと磁石
5との間に回転磁界を導通するようにする。ポリマー又
はセラミックスには、上記の生体適合生材料で構成され
る。
10の一部は、該センサ8と磁石5との間の回転磁界の
導通可能に、ポリマー又はセラミックスから形成されて
いるいるのが好ましい。このためのポリマー又はセラミ
ックスは、ポンプハウジングを形成する一般的な材料が
選ばれる。
置を示すと、図2は、ケーシング10の外面11に外周
近くに誘導コイル81を配置したもので、この例は、ケ
ーシング10が非金属材料、例えば、上記のポリマー又
はセラミックス材料で形成されているときに利用でき
る。
の回転面の上方で(即ち、駆動側の磁石51の反対側
で)、且つ、コイル81の内側が磁石5の回転軌跡を包
含するように配置されている。この配置は、回転駆動側
の磁石から離して、インペラー内部の固定磁石5に近接
して配置される。この配置により、駆動側の磁石51の
磁界変化の影響を少なくして、インペラー2に固定した
磁石5の回転に伴う磁界変化に感応してコイル81に電
圧を生じさせる。
上に接着材料7により直接貼着され且つ覆われて、コイ
ルと生体組織との接触が防止されている。接着材料7
は、生体適合性材料の中から、例えば、上記のアクリル
系樹脂が使用され得る。
ラーの中に回転直径35mm位置に6極の磁石5を固定
し、コイルを直径45mmで2ターンにし、回転数30
00rpmでインペラー2を回転させた時、10mVで
周波数1800Hzの交流信号を発生させることができ
た。図6には、インペラー2の回転数とコイル81から
の出力電圧との間には、直線関係があることを示すが、
この関係から、コイル出力電圧を測定すれば、回転数か
判る。
ル81がケーシング10の外面の一部に接着材料7によ
り貼着された構造であるが、インペラー2の回転により
各磁石5がコイルに近づいて離れる際のコイル位置にお
ける磁界変化を検出して、磁石5の回転周期に対応する
周期を有する交流電圧を生じる。
ケーシング10の内部に埋設された構造である。ケーシ
ング10は、インペラー2の外縁に近い位置で、上下に
区分され、ケーシング上部11と底部13の間に、リン
グ状の中間体6が介装され、リング状の中間体6がポリ
マーで形成されて、内部に磁気センサ8としてのコイル
81が同心円状に一体に埋設されている。中間体6の両
端面は、Oリング61を介して、ケーシング上部11と
底部13の間に水密的に介装されている。この配置は、
中間体6がポリマーで形成されているので、ケーシング
10がポリマーである場合の他に金属製である場合にも
適用できる。インペラー2の回転により、インペラー内
部の磁石5が回転して、コイル81に交流電圧を生じ
る。
82を使用する例であるが、この例では、3個のホール
素子82が、ポリマー製のケーシング10の外面11に
接着材(不図示)により覆われて貼着されており、イン
ペラー2の回転により磁石5がホール素子82に近づい
て離れる際のホール素子位置における磁界変化を検出し
て、磁石5の回転周期に対応する周期を有する交流電圧
をリード84に生じさせる。
ード84を増幅器と回転数変換器に接続され、増幅器か
らの信号から回転数換算される。回転数変換器は、セン
サ8から出力電圧又は電流がインペラー内の磁石5の回
転速度に比例することを利用して、回転数に変換しても
よい。また、センサ8から出力電圧の周波数が、インペ
ラー内の磁石5の回転速度に比例することを利用して、
出力電圧をパルス化して、カウンタにより周波数をデジ
タル出力することもできる。増幅器と回転数変換器は、
体外に配置することもでき、体内のポンプ近傍に小型発
振器と共に配置して、コードレス化することもできる。
ンぺラーの回転数を計測するものであるが、ポンプを作
動させて、血液を圧送させると、インペラー2の回転速
度が大きくすれば、血液流量が増加する。ポンプの水力
学的な特性から、液体の粘度、密度と、生体内での圧力
−流量特性が判れば、ポンプの回転数から血液流量が定
まってくる。そこで、予め、適用するポンプの特性を知
っておれば、インペラー2の回転数から、血液流量が精
度よく推定できる。
インペラーの回転の相差を電気的に検出するようにする
ことも可能であり、これにより、インペラーに負荷され
る値から血液輸送に要する力を求めることもでき、その
エネルギーを推定することができる。
臓として使用する場合には、インぺラーの回転数は、1
500〜3000rpmの範囲で動作させるが、血液の
流量と圧力とをパラメータとして、患者の年齢、性別、
体重などからその患者の適合する個別的のインペラー回
転数が定められる。
埋め込まれて使用される場合に、インペラー回転数を常
時または定期に監視することができ、血液ポンプが適性
に作動しているか否かを判別することができる。また、
インペラー駆動装置の駆動用磁石の回転速度とインペラ
ー2の回転速度とに大きな差があるような脱調している
場合も容易に判断することができる。
断面図。
を備えた遠心血液ポンプの正面図(A)と、断面図
(B)。
面図(A)と、断面図(B)。
面図。
ール素子を備えた遠心血液ポンプの正面図(A)と、断
面図(B)。
使用された磁気センサであるコイルの出力とポンプのイ
ンペラー回転数との関係を示す図。
の概念を示す正面図(A)と側面図(B)。
Claims (5)
- 【請求項1】 ポンプハウジング内で回転自在に保持さ
れたインペラーに速度検出用磁石が固定され、該ポンプ
ハウジングには該磁石による回転磁界を検出する磁気セ
ンサが固定され、磁気センサによりインペラーの回転数
を検出するようになした遠心型血液ポンプ。 - 【請求項2】 磁気センサが、誘導コイルである請求項
1記載の遠心型血液ポンプ。 - 【請求項3】 磁気センサが、ホール素子である請求項
1記載の遠心型血液ポンプ。 - 【請求項4】 磁気センサが、生体適合性材料により被
覆若しくは埋没されている請求項1ないし3いずれかに
記載の遠心型血液ポンプ。 - 【請求項5】 上記の速度検出用磁石は、ポンプハウジ
ングの外側に備えたモータにより回転駆動される別体の
駆動用磁石によりインペラーを回転させるための従動用
磁性体を兼ねる請求項1ないし4のいずれかに記載の遠
心型血液ポンプ。
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