JP2000101090A - 薄膜トランジスタの製造方法 - Google Patents

薄膜トランジスタの製造方法

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JP2000101090A
JP2000101090A JP27183798A JP27183798A JP2000101090A JP 2000101090 A JP2000101090 A JP 2000101090A JP 27183798 A JP27183798 A JP 27183798A JP 27183798 A JP27183798 A JP 27183798A JP 2000101090 A JP2000101090 A JP 2000101090A
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grain size
film transistor
crystal grain
average crystal
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JP27183798A
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Yasuto Kawahisa
慶人 川久
Yuki Matsuura
由紀 松浦
Takashi Fujimura
尚 藤村
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】低ゲート電圧下においてもドレイン電流が正常
となるような多結晶シリコン薄膜を製造する薄膜トラン
ジスタの製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】非晶質シリコン薄膜125を成膜した後、
島状にパターニングする。この時、実質的に平坦な平坦
部125Pと、テーパ状の周縁部125Sとが形成され
る。この非晶質シリコン薄膜に対して所定の強度のエキ
シマレーザビームを照射してアニールし、多結晶シリコ
ン薄膜110を形成する。これにより、多結晶シリコン
薄膜110の周縁部110Sにおけるシリコン結晶の平
均結晶粒径が、平坦部110Pより小さくなる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、薄膜トランジス
タの製造方法にかかり、特に、半導体層として多結晶シ
リコン薄膜を備えた多結晶シリコン薄膜トランジスタの
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】多結晶シリコン薄膜トランジスタは、非
晶質シリコン薄膜トランジスタに比べて、移動度が2桁
以上大きいという特徴を有している。このため、多結晶
シリコン薄膜トランジスタを適用したアクティブマトリ
クス型液晶表示装置において、スイッチング素子として
のみならず、駆動回路としても利用することが可能であ
る。
【0003】スイッチング素子及び駆動回路をモノリシ
ックに基板上に形成することにより、一部の駆動回路が
不要となり、液晶表示装置の低コスト化が実現できる。
また、素子の微細化が可能となり、将来の超高精細液晶
表示装置のキーデバイスとして期待されている。
【0004】多結晶シリコン薄膜は、一般に、安価な大
面積ガラス基板が使用できるという点から、エキシマレ
ーザアニール法によって形成方法される。デバイス構造
としては、エキシマレーザアニール法により多結晶シリ
コン薄膜トランジスタを形成する場合は、レーザビーム
が照射される基板表面側の結晶性が、ガラス基板側の結
晶性よりも優れているため、主に、ゲート電極、ソース
電極及びドレイン電極がともにチャネル上にあるコプラ
ナ型構造が適用される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、コプラ
ナ型の多結晶シリコン薄膜トランジスタは、ゲート電圧
に対するドレイン電流の出力特性すなわちI−V特性に
おいて、ゲート電圧が低い場合に、本来出力されるべき
値の電圧値より高い値の電圧が出力され、いわゆるコブ
が現れる特性が見られることがある。このようなI−V
特性を示すと、ゲート電圧が0Vにおける電流値が高い
ために、シフトレジスタ等の駆動回路の消費電力が増大
し、また、駆動回路の信頼性が劣化するという問題が発
生する。
【0006】このようなI−V特性は、以下のような原
因で発生すると考えられる。すなわち、通常、多結晶シ
リコン薄膜トランジスタを製造する場合、まず、ガラス
基板上の全面に所定の膜厚の非晶質シリコン薄膜を成膜
する。そして、この非晶質シリコン薄膜に対してエキシ
マレーザビームを照射してアニールし、多結晶シリコン
薄膜を形成する。そして、この多結晶シリコン薄膜を所
望のパターンにパターニングンする。その後、ゲート絶
縁膜を形成し、ゲート電極を形成する。
【0007】この製造工程において、アニール条件は、
所定の膜厚の非晶質シリコン薄膜を全域にわたって結晶
化させ、移動度が100cm2 /V・s以上となるよう
な、0.3μm以上の平均結晶粒径を有する多結晶シリ
コン薄膜が得られるように設定されている。
【0008】このような多結晶シリコン薄膜をパターニ
ングすることにより、所望のパターンの半導体層を形成
するが、このとき、半導体層の周縁部をテーパ状に加工
している。この周縁部における平均結晶粒径は、半導体
層の中央部すなわちほぼ均一な膜厚の平坦部の平均結晶
粒径にほぼ等しく、また、周縁部上に成膜されたゲート
絶縁膜の厚さは、半導体層の平坦部と比較して薄くなる
傾向にある。このため、周辺部では、低いゲート電圧で
もキャリアが発生し、ドレイン電流が流れてしまうとい
ういわゆるサイドチャネル効果が発生する。
【0009】このサイドチャネル効果が、I−V特性の
コブの発生主要因として考えられる。このように、エキ
シマレーザアニール法により形成した多結晶シリコン薄
膜を半導体層に用いたコプラナ型構造の薄膜トランジス
タにおいて、しばしば、低ゲート電圧でのドレイン電流
値が大きくなり、そのため、駆動回路の消費電力の増
大、駆動回路の信頼性の劣化といった問題が発生する。
【0010】この発明の目的は、上述した問題点に鑑み
なされたものであって、低ゲート電圧下においてもドレ
イン電流が正常となるような多結晶シリコン薄膜を製造
する薄膜トランジスタの製造方法を提供することにあ
る。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決し目的を
達成するために、請求項1によれば、半導体層として多
結晶シリコン膜を備えた薄膜トランジスタを絶縁性基板
上に製造する製造方法において、絶縁性基板上に非晶質
シリコン膜を成膜する工程と、この非晶質シリコン膜
を、所定の膜厚の平坦部と、テーパ状に形成された周縁
部とを有する島状にパターニングする工程と、前記周縁
部での平均結晶粒径が前記平坦部での平均結晶粒径より
小さい多結晶シリコン膜とすべく前記島状の非晶質シリ
コン膜を結晶化する工程と、を備えたことを特徴とする
薄膜トランジスタの製造方法が提供される。
【0012】請求項2によれば、少なくともチャネル長
方向に平行な前記周縁部での平均結晶粒径が0.2μm
以下であることを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
法が提供される。
【0013】請求項3によれば、前記平坦部の、平均結
晶粒径が0.3μm以上であることを特徴とする薄膜ト
ランジスタの製造方法が提供される。
【0014】請求項4によれば、テーパ状の前記周縁部
は、四フッ化炭素(CF4 )と酸素(O2 )との混合ガ
スによる等方性ドライエッチングによって形成されたこ
とを特徴とする薄膜トランジスタの製造方法が提供され
る。
【0015】請求項5によれば、前記結晶化する工程
は、前記所定の膜厚の平坦部に対して所定の大きさ以上
の平均結晶粒径を形成するとともに、前記所定の膜厚よ
り薄い周縁部に対して前記所定の大きさより小さな平均
結晶粒径を形成するような所定の照射強度のレーザビー
ムを照射することによって行われることを特徴とする薄
膜トランジスタの製造方法が提供される。
【0016】この発明の薄膜トランジスタの製造方法に
よれば、島状にパターニングされた非晶質シリコン膜
を、周縁部の平均結晶粒径が平坦部の平均結晶粒径より
小さくなるような条件でアニールしている。より具体的
には、周縁部での平均結晶粒径は、0.2μm以下と
し、平坦部での平均結晶粒径は、0.3μm以上として
いる。この結果、得られた多結晶シリコン薄膜を半導体
層とする薄膜トランジスタにおいては、低ゲート電圧下
においてもキャリアの発生が抑制され、正常なI−V特
性が得られる。
【0017】多結晶シリコン薄膜トランジスタのしきい
値電圧は、平均結晶粒径に強く依存する。平均結晶粒径
が0.2μm以下の多結晶薄膜トランジスタのしきい値
電圧は、平均結晶粒径が0.3μm以上の場合に比べて
大きくなる。したがって、周辺部の平均結晶粒径を0.
2μm以下にすることにより、サイドチャネル効果を抑
制することが可能となる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、この発明の薄膜トランジス
タの製造方法の実施の形態について図面を参照して説明
する。図1は、この発明の薄膜トランジスタの製造方法
によって製造される薄膜トランジスタを備えた液晶表示
装置のアレイ基板の構造を概略的に示す平面図である。
【0019】図1に示すように、液晶表示装置のアレイ
基板は、絶縁性基板すなわちガラス基板上に絶縁膜を介
して互いに直交するように配置された走査線101と、
信号線103とを有している。走査線101と信号線1
03とで区画される画素領域には、画素電極105が設
けられている。また、走査線101と信号線103との
交差部近傍には、画素電極105への電圧の供給を制御
するスイッチング素子として機能する薄膜トランジスタ
107が設けられている。
【0020】この薄膜トランジスタ107は、チャネル
として機能する半導体層として多結晶シリコン薄膜11
0を備え、ゲート電極112、ドレイン電114極及び
ソース電極116をチャネル上に形成したコプラナ型の
構造を有している。ゲート電極112は、走査線101
の一部によって形成され、ゲート電圧が印加されてい
る。また、ドレイン電極114は、信号線103の一部
によって形成され、ソース電極116は、画素電極10
5に接続されている。
【0021】図2は、図1に示したコプラナ型薄膜トラ
ンジスタをチャネル長方向、すなわちB−B線に沿って
切断した時の断面を概略的に示す断面図である。すなわ
ち、ガラス基板120上には、シリコン窒化膜122及
びシリコン酸化膜124の積層膜からなるアンダーコー
ト層が設けられている。このアンダーコート層は、ガラ
ス基板120からの不純物拡散を抑制するためのバッフ
ァ層として機能する。
【0022】シリコン酸化膜124上には、島状に形成
された多結晶シリコン薄膜110が設けられている。こ
の多結晶シリコン薄膜110は、高濃度不純物領域11
0A、低濃度不純物領域110B、及びチャネル領域1
10Cを有している。高濃度不純物領域110A及び低
濃度不純物領域110Bには、不純物としてリンが注入
されている。
【0023】多結晶シリコン薄膜110上には、シリコ
ン酸化膜からなるゲート絶縁膜126が設けられてい
る。このゲート絶縁膜126上におけるチャネル領域1
10Cの直上に対応する領域には、走査線101の一部
によって形成されたゲート電極112が設けられてい
る。この走査線101及びゲート電極112は、アルミ
ニウムもしくはアルミニウムを主体とする合金によって
形成されている。また、ゲート絶縁膜126上及びゲー
ト電極112上には、シリコン酸化膜からなる層間絶縁
膜128が設けられている。
【0024】ゲート絶縁膜126及び層間絶縁膜128
に形成されたコンタクトホール130、132を介し
て、それぞれ多結晶シリコン薄膜110の高濃度不純物
領域110Aにドレイン電極114及びソース電極11
6がコンタクトされている。ドレイン電極114は、信
号線103の一部によって形成されている。ソース電極
116は、層間絶縁膜128上に設けられた画素電極1
05に電気的に接続されている。
【0025】信号線103、ドレイン電極114及びソ
ース電極116は、モリブデン−アルミニウム−モリブ
デンの積層体によって形成されている。画素電極105
は、透明導電性部材、例えばインジウム−ティン−オキ
サイドすなわちITOによって形成されている。
【0026】次に、このコプラナ型構造の多結晶シリコ
ン薄膜トランジスタの製造方法について説明する。図3
の(a)ないし(d)は、この発明の薄膜トランジスタ
の製造方法を概略的に示す断面図である。この断面図
は、図1に示したコプラナ型薄膜トランジスタをチャネ
ル長方向に垂直な方向、すなわちA−A線に沿って切断
したものである。
【0027】すなわち、図3の(a)に示すように、プ
ラズマCVD法により、ガラス基板101上にシリコン
窒化膜122、シリコン酸化膜124、および非晶質シ
リコン薄膜125の順に積層するように成膜する。各層
の膜厚は、例えば、シリコン窒化膜が50nm、シリコ
ン酸化膜が100nm、非晶質シリコン薄膜が50nm
である。
【0028】続いて、図3の(b)に示すように、CD
E(Chemical Dry Ething)法によ
り、非晶質シリコン薄膜125を島状にパターニングす
る。その際、非晶質シリコン薄膜125は、中央部すな
わち実質的に均一な膜厚の平坦部125Pと、平坦部1
25Pの周縁の領域であって、平坦部125Pより膜厚
が薄いテーパ状に形成された周縁部125Sとを有する
ように形成される。
【0029】この非晶質シリコン薄膜125のパターニ
ングは、四フッ化炭素(CF4 )と酸素(O2 )との混
合ガスをそれぞれ250sccmの流量にて供給し、マ
イクロ波プラズマで分解して生じさせたフッ素・酸素ラ
ジカルによる等方性エッチングにより行う。周縁部のテ
ーパ角は、ガスの混合比によって制御できるが、概ね3
0乃至60°に設定される。
【0030】なお、この非晶質シリコン薄膜125のパ
ターニングは、RIE(Reactive Ion E
thing)法によってなされても良い。続いて、非晶
質シリコン薄膜125中の水素濃度が、1atm.%以
下となるように、脱水素処理を施した後、図3の(c)
に示すように、波長308nmのXeClエキシマレー
ザビーム200により、非晶質シリコン薄膜125をア
ニールする。すなわち、非晶質シリコン薄膜125の表
面にエキシマレーザビーム200を照射することによ
り、非晶質シリコンを結晶化させ、半導体層としての多
結晶シリコン薄膜110を形成する。
【0031】このとき、エキシマレーザビーム200の
基板表面での照射強度は、平坦部110Pにおける平均
結晶粒径が0.3μm以上となり、且つ、周縁部110
Sにおける平均結晶粒径が0.2μm以下となるように
設定される。この実施の形態では、約50nmの膜厚を
有する平坦部110Pにおいて平均結晶粒径が0.5μ
mとなり、且つ、テーパ状の周縁部110Sにおける平
均結晶粒径が0.1μm程度となるように、エキシマレ
ーザビームの照射強度を300乃至400mJ/cm2
に設定されている。
【0032】一般に、エキシマレーザビームによるアニ
ール工程では、ある膜厚の非晶質シリコン薄膜に対して
レーザビームの照射強度が大きいほど、大きな平均結晶
粒径を得ることができるが、あるしきい値を越えた過剰
強度のレーザビームが照射されると、逆に平均結晶粒径
が小さくなる特性がある。
【0033】この実施の形態では、この特性を利用し、
所定の膜厚の平坦部110Pでは、十分に結晶成長でき
るとともに、所定の膜厚より薄いテーパ状の周縁部11
0Sでは、結晶成長には過剰となるような強度のレーザ
ビームを照射している。このような条件で非晶質シリコ
ン薄膜125をアニールすることにより、周縁部110
Sの平均結晶粒径が平坦部110Pの平均結晶粒径より
小さい多結晶シリコン薄膜110を形成することができ
る。
【0034】続いて、図3の(d)に示すように、プラ
ズマCVD法により、多結晶シリコン薄膜110上及び
シリコン酸化膜124上の全面にゲート絶縁膜126を
成膜し、その後、このゲート絶縁膜126上にアルミニ
ウムもしくはアルミニウムを主体とする合金からなる金
属層を成膜する。そして、この金属層をパターニングす
ることにより、走査線及びゲート電極112を形成す
る。
【0035】続いて、ゲート電極112をマスクとし
て、不純物としてのリンを多結晶シリコン薄膜110に
注入する。このとき、リンは、ドーズ量3×1013/c
2 、加速電圧80keVの条件で注入される。そし
て、低濃度不純物領域110Bとなる領域の直上に相当
する領域をレジスト膜で覆った後、再びリンを多結晶シ
リコン薄膜110の高濃度不純物領域110Aに相当す
る領域に注入する。このとき、リンは、ドーズ量1×1
15/cm2 、加速電圧65keVの条件で注入され
る。
【0036】このようにして、図2に示すように、 ASK
\* MERGEFORMAT 半導体層としての多結晶シリコン薄
膜110に、高濃度不純物領域110A、低濃度不純物
領域110B、ゲート電極112の直下の領域にチャネ
ル領域110Cを形成する。
【0037】そして、プラズマCVD法により、ゲート
電極112及びゲート絶縁膜126上の全面にシリコン
酸化膜を成膜し、層間絶縁膜128を形成する。そし
て、多結晶シリコン薄膜110の高濃度不純物領域11
0A上に相当する領域のゲート絶縁膜126及び層間絶
縁膜128にコンタクトホール130、132を形成す
る。
【0038】続いて、スパッタ法により、層間絶縁膜1
28上の全面に、モリブデン−アルミニウム−モリブデ
ンを3層積層した金属膜を成膜する。それぞれの膜厚
は、50nm、400nm、50nmである。このと
き、コンタクトホール130、132にも、金属膜を充
填し、多結晶シリコン薄膜110の高濃度不純物領域1
10Aにコンタクトする。そして、この金属膜をパター
ニングすることにより、信号線103、信号線103に
一体のドレイン電極114、及びソース電極116を形
成する。
【0039】続いて、スパッタ法により、ITOを40
nmの膜厚に成膜し、パターニングすることにより画素
電極105を形成する。この画素電極105は、ソース
電極116に電気的に接続される。
【0040】上述したような工程を経て、半導体層とし
て多結晶シリコン薄膜を有するコプラナ型構造の薄膜ト
ランジスタを形成する。次に、上述したような構造の薄
膜トランジスタのゲート電圧に対するドレイン電極の出
力特性すなわちI−V特性を測定した。
【0041】比較例として、ガラス基板上の全面に非晶
質シリコン薄膜を成膜し、この非晶質シリコン薄膜に対
してエキシマレーザビームを照射してアニールして多結
晶シリコン薄膜を形成した後、パターニングして半導体
膜としての多結晶シリコン薄膜を備えた薄膜トランジス
タを形成し、この薄膜トランジスタのI−V特性を測定
した。その測定結果を図4に示す。
【0042】比較例の薄膜トランジスタでは、多結晶シ
リコン薄膜の周縁部を覆うゲート絶縁膜の膜厚が、平坦
部を覆うゲート絶縁膜と比較して薄くなる傾向にある。
したがって、周縁部、特にチャネル長方向に平行なチャ
ネル端では、低いゲート電圧でもキャリアが発生しドレ
イン電流が流れてしまうといういわゆるサイドチャネル
効果が発生し、図4に示すようなI−V特性におけるコ
ブの発生主要因となりうる。
【0043】これに対して、この実施の形態の製造方法
により製造した図2に示す多結晶シリコン薄膜トランジ
スタによれば、少なくともチャネル長方向に平行なチャ
ネル端における平均結晶粒径は、0.2μm以下であ
り、半導体層のチャネル領域における平均結晶粒径0.
3μm以上となっている。このため、低ゲート電圧下に
おいてもキャリアの発生を抑制することが可能となる。
この薄膜トランジスタのI−V特性を測定した。
【0044】その測定結果を図5に示す。図5に示すよ
うに、図2に示したような薄膜トランジスタにおいて
は、比較例のような方法で形成したコプラナ型構造多結
晶シリコン薄膜トランジスタのI−V特性(図4)に比
べて、サイドチャネル効果のない、正常なI−V特性が
得られた。
【0045】多結晶シリコン薄膜トランジスタのしきい
値電圧は、平均結晶粒径に強く依存するため、平均結晶
粒径が0.2μm以下の多結晶薄膜トランジスタのしき
い値電圧は、平均結晶粒径が0.3μm以上の場合に比
べて大きくなる。したがって、周縁部の平均結晶粒径を
平坦部より小さい0.2μm以下とすることにより、サ
イドチャネル効果を抑制することが可能となる。
【0046】上述したように、この発明の薄膜トランジ
スタの製造方法によれば、半導体膜としての多結晶シリ
コン薄膜の周縁部におけるシリコン結晶の平均結晶粒径
が、半導体膜の平坦部より小さくなるよう形成してい
る。このため、周縁部において、低ゲート電圧下におい
てもキャリアの発生が抑制され、正常なI−V特性が得
られる。これにより、駆動回路の消費電力を低減させ、
かつ駆動回路の信頼性を向上することが可能となる。
【0047】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、低ゲート電圧下においてもドレイン電流が正常とな
るような多結晶シリコン薄膜を製造する薄膜トランジス
タの製造方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、この発明の薄膜トランジスタの製造方
法によって製造される薄膜トランジスタを備えた液晶表
示装置のアレイ基板の構造を概略的に示す平面図であ
る。
【図2】図2は、図1に示したコプラナ型薄膜トランジ
スタをチャネル長方向、すなわちB−B線に沿って切断
した時の断面を概略的に示す断面図である。
【図3】図3の(a)ないし(d)は、この発明の薄膜
トランジスタの製造方法を概略的に示す断面図である。
【図4】図4は、従来の製造方法で製造された薄膜トラ
ンジスタのI−V特性を示す図である。
【図5】図5は、この発明の製造方法で製造された薄膜
トランジスタのI−V特性を示す図である。
【符号の説明】
101…走査線 103…信号線 105…画素電極 107…多結晶シリコン薄膜トランジスタ 110…多結晶シリコン薄膜 110A…高濃度不純物領域 110B…低濃度不純物領域 110C…チャネル領域 112…ゲート電極 114…ドレイン電極 116…ソース電極 120…ガラス基板 122…シリコン窒化膜 124…シリコン酸化膜 125…非晶質シリコン薄膜 126…ゲート絶縁膜 128…層間絶縁膜
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 藤村 尚 埼玉県深谷市幡羅町1丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内 Fターム(参考) 2H092 JA24 JA30 KA04 KA05 MA19 MA30 NA26 PA01 5F110 CC02 DD13 DD14 DD24 EE03 FF02 FF30 GG02 GG13 GG15 GG16 GG22 GG45 HJ01 HL03 HL06 HM15 NN02 NN23 PP03 QQ04 QQ09

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体層として多結晶シリコン膜を備えた
    薄膜トランジスタを絶縁性基板上に製造する製造方法に
    おいて、 絶縁性基板上に非晶質シリコン膜を成膜する工程と、 この非晶質シリコン膜を、所定の膜厚の平坦部と、テー
    パ状に形成された周縁部とを有する島状にパターニング
    する工程と、 前記周縁部での平均結晶粒径が前記平坦部での平均結晶
    粒径より小さい多結晶シリコン膜とすべく前記島状の非
    晶質シリコン膜を結晶化する工程と、 を備えたことを特徴とする薄膜トランジスタの製造方
    法。
  2. 【請求項2】少なくともチャネル長方向に平行な前記周
    縁部での平均結晶粒径が0.2μm以下であることを特
    徴とする請求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方
    法。
  3. 【請求項3】前記平坦部の、平均結晶粒径が0.3μm
    以上であることを特徴とする請求項1に記載の薄膜トラ
    ンジスタの製造方法。
  4. 【請求項4】テーパ状の前記周縁部は、四フッ化炭素
    (CF4 )と酸素(O2 )との混合ガスによる等方性ド
    ライエッチングによって形成されたことを特徴とする請
    求項1に記載の薄膜トランジスタの製造方法。
  5. 【請求項5】前記結晶化する工程は、前記所定の膜厚の
    平坦部に対して所定の大きさ以上の平均結晶粒径を形成
    するとともに、前記所定の膜厚より薄い周縁部に対して
    前記所定の大きさより小さな平均結晶粒径を形成するよ
    うな所定の照射強度のレーザビームを照射することによ
    って行われることを特徴とする請求項1に記載の薄膜ト
    ランジスタの製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JPWO2006038351A1 (ja) * 2004-09-30 2008-05-15 シャープ株式会社 結晶質半導体膜およびその製造方法
US8035103B2 (en) 2005-08-11 2011-10-11 Sharp Kabushiki Kaisha Circuit board, electronic device, and method for producing circuit board

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