JP2000099061A - 効果音付加装置 - Google Patents

効果音付加装置

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JP2000099061A
JP2000099061A JP10272241A JP27224198A JP2000099061A JP 2000099061 A JP2000099061 A JP 2000099061A JP 10272241 A JP10272241 A JP 10272241A JP 27224198 A JP27224198 A JP 27224198A JP 2000099061 A JP2000099061 A JP 2000099061A
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impulse response
sound
reverberation
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impulse
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Tatsutaka Hase
樹高 長谷
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Sony Corp
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    • GPHYSICS
    • G10MUSICAL INSTRUMENTS; ACOUSTICS
    • G10KSOUND-PRODUCING DEVICES; METHODS OR DEVICES FOR PROTECTING AGAINST, OR FOR DAMPING, NOISE OR OTHER ACOUSTIC WAVES IN GENERAL; ACOUSTICS NOT OTHERWISE PROVIDED FOR
    • G10K15/00Acoustics not otherwise provided for
    • G10K15/08Arrangements for producing a reverberation or echo sound

Abstract

(57)【要約】 【課題】 収集したインパルス応答を使用して所望の残
響音を付加する。 【解決手段】 元のインパルス応答を直接音および初期
反射音に対応するものと、残響音に対応するものとに分
離する。直接音のインパルス応答が開始するポイントN
1と、直接音および初期反射音のインパルス応答が終了
するポイントN2、残響音のインパルス応答が開始する
ポイントN3とは、インパルス応答に付随するデータに
より示される。直接音および初期反射音に対応するイン
パルス応答の値が調整されてから残響音に対応するイン
パルス応答と合成される。オーディオデータと合成後の
インパルス応答とをたたみ込むことによって、残響音を
生成し、原音に付加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、実在する機器ま
たは空間のインパルス応答に基づき残響音を付加する残
響付加装置に対して適用可能な効果音付加装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】オーディオ信号に対して効果音を付加す
るための装置の一つに、残響付加装置(リバーブレー
タ)がある。この残響付加装置は、例えば録音スタジオ
でオーディオ信号に残響音を付加し、音に広がりや深み
を出すために多く用いられている。スタジオなどで録音
された音に残響音を付加することで、実際にホールで演
奏されているような効果や、さらに特殊な効果を与える
ことができる。
【0003】古くには、残響音の付加は、実際に、ホー
ルなどの残響音を得られるような場所で録音を行うか、
あるいは、鉄板などの振動を利用して残響音的な効果を
得るようにした、鉄板エコーなどの装置を用いて行われ
ていた。近年の残響付加装置では、これらの効果が電気
的に実現されている。さらに、近年では、ディジタル信
号処理技術の発達に伴い、ディジタル的に残響音を合成
するような装置が普及してきている。
【0004】ディジタル処理によって残響音を付加する
際には、例えば巡回型のディジタルフィルタが用いられ
る。入力されたディジタルオーディオ信号が減衰されな
がら巡回され、残響音が発生される。これを、元のディ
ジタルオーディオ信号に混合する。入力に対する残響音
の遅延時間は、プリディレイと称される。残響時間や副
残響音の付加、細かなレベル調整などを行うことが可能
で、幅広い音作りができる。
【0005】ところで、実際のホールなどでの残響音
は、ホールの形状や音源の位置などにより、音が様々に
反射や干渉などを起こし、より複雑な波形となってい
る。しかしながら、上述のように、元のディジタルオー
ディオ信号をフィルタ処理する方法では、単純に減衰し
た波形が得られるだけなので、どうしても人工的な印象
を免れないという問題点があった。
【0006】また、元の信号をフィルタ処理により巡回
させる方法では、入力が無くなった後の最終的な残響音
のピッチが、巡回型フィルタ内部のフィードバックルー
プのピッチとなってしまうという問題点があった。
【0007】より自然な残響音を得るために、実際にホ
ールなどで録音を行うという方法もある。しかしなが
ら、実際のホールでは、残響時間などの、残響音に関す
るパラメータを変更できない、瞬時にマイクロホンの位
置や銘柄(特性)を変えることができない、膨大な機材
が必要、空調機器などの騒音がありS/Nが悪いといっ
た、様々な問題点があった。
【0008】同様に、鉄板エコーやスプリングエコーな
どの、機械式の残響付加装置を用いることも考えられ
る。しかしながら、これらの機械式の装置は、経年変化
がありメンテナンスが大変であるという問題点があっ
た。これは、特に絶版となってしまった機器について、
顕著である。また、機械式なので、振動や外来のノイズ
に弱いという問題点があった。さらに、残響時間の調整
がある範囲内でしか行えないうえ、再現性にも乏しいと
いう問題点があった。さらにまた、装置自身が重厚長大
である、S/Nが悪いという問題点があった。
【0009】一方、これらの問題点を解決するために、
実際にホールや鉄板エコーなどで残響音を発生させて、
発生された残響音に基づきインパルス応答を収集すると
いう方法が既に提案されている。収集されたインパルス
応答は、フィルタ処理により入力データと共にたたみ込
まれる。これにより、インパルス応答に基づいた、より
自然な残響音を得ることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上述した方法によって
収集したインパルス応答をそのまま使用すると、得られ
る効果音が1種類しかなく、次のような問題がある。第
1に残響時間を可変できない。第2に直接音および初期
反射音が含まれていると、残響音の付加というよりも、
ホールのシュミレータのような音となってしまう。第3
に直接音のレベルが大きすぎるために、入力音とミック
スすると、不自然な音になってしまう。第4に、残響時
間を変えるために、異なる残響時間毎にインパルス応答
を持つと、インパルス応答のデータ量が課題となる。第
5に、入力から直接音が発生するまでのディレイをある
固有値以下とできない。第6に、IIRフィルタを使用
したディジタル残響付加装置のように、初期反射音を調
整することができない。
【0011】従って、この発明の目的は、収集したイン
パルス応答をそのまま使用することにより生じる上述し
た不具合を解決することが可能な残響付加装置を提供す
ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した課
題を解決するために、入力されたディジタルオーディオ
信号と、インパルス応答データをたたみ込むことによっ
て効果音を付加する効果音付加装置において、元のイン
パルス応答を加工するインパルス応答加工手段と、加工
したインパルス応答とディジタルオーディオ信号とをた
たみ込み処理する手段とからなることを特徴とする効果
音付加装置である。
【0013】元のインパルス応答を加工することによっ
て、直接音、初期反射音を除去したり、残響時間を調整
したり、初期反射音が発生するまでのディレイを調整し
たりすることができ、高品質の残響付加を行うことがで
きる。
【0014】
【発明の実施の形態】この発明の一実施形態の説明に先
立って、インパルス応答を使用した残響付加装置の一例
および他の例の概略について説明する。図1は、FIR
(Finite Impulse Response) フィルタを用いて、時間軸
方向にインパルス応答をたたみ込む構成の一例を示す。
インパルス応答の係数は、入力されるディジタルオーデ
ィオ信号のサンプルに対応して必要である。従って、2
19ポイント(524,288ポイント:端数を省略し
て、512kポイントと記述する)のインパルス応答デ
ータがあれば、例えばディジタルオーディオ信号のサン
プリング周波数が48kHzで、10sec程度の残響
時間が得られる。
【0015】図1において、端子310から量子化ビッ
ト数が例えば24ビットで、サンプリング周波数が48
kHzのディジタルオーディオ信号が供給される。入力
信号は、512k個が直列に接続された、1サンプル分
の遅延を有する遅延回路311に入力される。各遅延回
路311の出力は、それぞれ係数乗算器312に供給さ
れる。係数乗算器312のそれぞれには、第1ポイント
から第512kポイントまでのインパルス応答データ
が、24ビットの量子化ビット数で以て供給される。係
数乗算器312のそれぞれにおいて、遅延回路311の
出力とインパルス応答データとの乗算が行われ、乗算結
果が加算器313で加算される。加算結果は、入力デー
タに対する残響データとして、端子314に導出され
る。
【0016】図2は、残響付加装置の他の例を示す。他
の例は、入力ディジタルオーディオ信号およびインパル
ス応答をそれぞれフーリエ変換することにより周波数要
素データに変換してからたたみ込む方法である。図2に
おいて、320で示す端子から入力ディジタルオーディ
オ信号が供給され、必要な残響時間に対応するサンプル
数分、すなわち、512kポイントのデータがメモリ3
21に格納される。そして、メモリ321に格納された
データを、FFT回路322で高速フーリエ変換するこ
とで、周波数要素データに変換する。一方、インパルス
応答データについても同様に、端子323から供給され
たデータをメモリ324に格納し、FFT回路325で
高速フーリエ変換して周波数要素データに変換する。な
お、インパルス応答データは、予め知られているため、
この部分はROM326として構成してもよい。
【0017】FFT回路322および325の出力は、
乗算器327に供給され、互いに周波数成分が一致する
データ同士で乗算が行われる。乗算結果は、IFFT回
路328で逆高速フーリエ変換され、時間軸上のデータ
とされ、端子329に導出される。
【0018】図1に示すように、時間軸方向にインパル
ス応答をたたみ込む方法では、膨大な数の遅延回路31
1と係数乗算器312とが必要となるという問題点があ
った。一方、図2の構成は、ハードウェアの規模が小さ
くて済むという利点がある。しかしながら、必要な残響
時間に対応する分の入力データを、一旦メモリ321に
格納し、たたみ込み演算する必要があるため、入出力に
関して大きな遅延が生じてしまうという問題点があっ
た。そこで、インパルス応答を時間軸上で分割し、分割
されたそれぞれのインパルス応答によって入力データの
たたみ込みを行う方法が提案されている(特表平8−5
01667号公報)。
【0019】この発明は、何れの方法による残響付加装
置に対しても適用可能である。この発明の一実施形態
は、たたみ込みのためのハードウエアの規模が小さくて
良く、また、遅延時間が少なくて良い、インパルス応答
を時間軸上で分割し、分割されたインパルス応答とオー
ディオデータのたたみ込みを並列的に処理する方法を採
用している。
【0020】図3は、この一実施形態による残響付加の
ためのインパルス応答と従来の巡回型フィルタによるイ
ンパルス応答とを示す。図3Aに示される従来技術によ
るインパルス応答は、入力に対して遅延して発生する直
接音および初期反射音に対応するインパルス応答と、さ
らに所定時間遅延されて発生する残響音に対応するイン
パルス応答とからなる。付加される残響音は、単純な減
衰曲線で減衰する。これに対して、この一実施形態で
は、実際に収録されたデータに基づくインパルス応答に
よって残響音を生成しているため、実際のホールなどで
の音響特性を反映した、単純な減衰曲線ではない残響音
が得られる。これにより、より自然で高品位な残響音を
得ることができる。
【0021】図4は、インパルス応答収集装置97の構
成の一例を示す。この例では、鉄板エコー装置92のイ
ンパルス応答を測定する。インパルス応答収集装置97
は、例えばパーソナルコンピュータにより構成できる。
この装置97では、インパルス応答測定用の信号を発生
し、測定対象に対して出力すると共に、測定結果を収集
し、測定結果をインパルス応答データに変換する。イン
パルス応答データは、例えばファイルとして保存され
る。
【0022】測定用信号発生部90で、インパルス応答
を測定するためのTSP(タイムストレッチパルス)信
号が発生される。TSP信号は、スイープ信号の一種で
あり、逆特性の信号で割ることによって、インパルス信
号が得られる。インパルス応答を測定するためには、直
接的にインパルス信号を発生させるのがより好ましい
が、測定が困難であるため、このような方法を用いる。
測定用信号発生部90で発生されたTSP信号は、D/
A変換器91を介してアナログ信号に変換され、鉄板エ
コー装置92に入力される。
【0023】鉄板エコー装置92では、入力されたTS
P信号により、残響音を発生する。この残響音は、L
(左)およびR(右)チャンネルのアナログオーディオ
信号として出力される。これらの出力は、A/D変換器
93でLおよびRチャンネルそれぞれのディジタルオー
ディオ信号とされる。A/D変換器93では、例えばサ
ンプリング周波数が48kHzあるいは96kHz、量
子化ビット数が24ビットでサンプリングが行われる。
A/D変換器93の出力は、LおよびRチャンネルのそ
れぞれがインパルス応答収集装置97に入力される。入
力された信号は、例えば図示されないハードディスク装
置やメモリなどに記憶される。
【0024】なお、残響時間は、残響音が発生してから
音圧レベルが60dB減衰するまでの時間と定められて
いる。この例では、量子化ビット数の24ビットにおい
て、1ビットに対して6dBが割り当てられる。
【0025】測定用信号発生部90によるTSP信号の
発生は、N回行われる。N回分の出力信号は、同期加算
部94で、信号の発生タイミングを揃えられ、それぞれ
同期加算される。N回分の信号を同期加算することによ
り、再現性のある信号のみが加算され、ランダムに発生
されるノイズ成分は加算されないため、S/N比を向上
させることができる。S/N比は、(10logN)d
B向上される。例えば、S/N比は、N=16で12d
B向上される。
【0026】同期加算された信号は、LおよびRチャン
ネルのそれぞれがインパルス応答変換部95に供給され
る。インパルス応答変換部95では、供給された信号
を、TSP信号の逆特性を有する信号で割る。これによ
り、TSP信号がインパルス信号に変換され、測定結果
が、インパルス信号により発生された残響音に基づくイ
ンパルス応答に変換される。インパルス応答データは、
サンプリング周波数に対応した間隔で得られる波高値で
ある。A/D変換器93により24ビットの量子化ビッ
ト数でサンプリングされた信号は、変換後は、量子化ビ
ット数が32ビットとされる。
【0027】インパルス応答変換部から出力された、L
チャンネルのインパルス応答データ96LおよびRチャ
ンネルのインパルス応答データ96Rは、CD−ROM
やMOといった、適当な記録媒体に記録される。インパ
ルス応答収集装置97にイーサネットなどのインターフ
ェイスを設け、ネットワークを介して外部へ供給するよ
うにしてもよい。
【0028】図5は、ホールでインパルス応答を収集す
る場合の例を示す。ホール101は、ステージ部101
Aおよび客席部101Bを有する。ステージ部101A
の所定位置に、音源102が据えられる。音源102
は、例えば球面上の互いに異なる12方向にスピーカが
設けられた12面体スピーカである。客席部101Bに
は、LおよびRチャンネルにそれぞれ対応したマイクロ
フォン103Lおよび103Rが所定位置に据えられ
る。
【0029】インパルス応答収集装置97から出力され
たTSP信号がD/A変換器91でアナログ信号に変換
され、アンプ100で増幅され、音源102で音声とし
て再生される。この再生音を、マイクロフォン103L
および103Rで収録する。マイクロフォン103Lお
よび103Rの出力は、それぞれA/D変換器93で所
定のサンプリング周波数および量子化ビット数でサンプ
リングされ、LおよびRチャンネルのディジタルオーデ
ィオ信号とされ、インパルス応答収集装置97に供給さ
れる。インパルス応答収集装置97での処理は、上述の
鉄板エコー装置92での処理と、全く同一である。
【0030】この場合、音源102の位置を様々に変え
て、インパルス応答の収集が行われる。また、音源10
2として用いられるスピーカも、その銘柄などを様々に
変えて収集が行われる。同様に、マイクロフォン103
Lおよび103Rも、その位置および銘柄を様々に変え
て収録が行われる。こうして、1つのホール101にお
いて、複数のデータが収集される。これらは、例えば残
響音付加の際に、残響音のバリエーションとして選択可
能とすることができる。
【0031】一方、インパルス応答変換部95で得られ
たインパルス応答データ96Lおよび96Rは、加工す
ることができる。図6は、インパルス応答データの加工
の際の処理の流れを、概略的に示す。インパルス応答デ
ータ110は、加工処理111を施される。図7は、加
工処理111の例を示す。図7Aに一例が示されるよう
に、データには、音の伝搬によるシステムディレイが存
在する(図中の「A」の部分)。加工処理111で、こ
のシステムディレイ部Aの値が
〔0〕に固定され、この
部分のノイズが除去される。
【0032】また、データの後半は、データの終端を
〔0〕に収束させるために、フェードアウト処理が施さ
れる。このフェードアウト処理により、後半の微小レベ
ルの信号部分のノイズ除去もなされる。図7Bおよび図
7Cは、このフェードアウト処理の例を示す。
【0033】図7Bは、減衰の指数関数に基づきフェー
ドアウト処理を行う例である。例えば、元のインパルス
応答をh(n)として、フェードアウト関数をF
0 (n)とする。nは、インパルス応答データのポイン
トを表す。なお、インパルス応答データのポイントと、
ディジタルオーディオ信号のサンプリング点のポイント
とは、互いに対応する。このとき、F0 (n)におい
て、n≦0であれば、F0 (n)=1である。一方、n
>0であれば、F0 (n)は、図7Bのような減衰の指
数関数とされる。
【0034】出力データx(n)は、次式(1)に示さ
れるように、 x(n)=h(n)・F0 (n−a) ・・・(1) となる。値aは、元のインパルス応答における直接音の
位置を、サンプル数で表したものである。このように、
フェードアウトは、直接音の位置よりも後ろで行われ
る。
【0035】なお、フェードアウト関数は、減衰の指数
関数に限られない。例えば、図7Cに示されるように、
直線的な減衰特性としてもよい。
【0036】なお、フェードアウトによって、このデー
タを用いて実際にオーディオ信号に残響音を付加する残
響付加装置の処理能力に適合するように、インパルス応
答データのポイント数を調整することができる。すなわ
ち、インパルス応答データのポイント数を所定値、例え
ば256kポイント(262,144ポイント:端数を
省略して、256kポイントと記述する。2n の値の表
現については、以下同様とする)に制限するときには、
例えば図4Aに示されるように、128kポイントの時
点でフェードアウトを開始し、256kポイントの時点
でデータが
〔0〕になるようにする。
【0037】加工処理111としては、上述の他に、レ
ベル調整なども行われる。加工されたインパルス応答デ
ータは、FIRフィルタによるたたみ込みの際の、FI
Rフィルタ係数112として、記憶媒体例えばCD−R
OM45に記録される。加工処理111は、インパルス
応答の測定値を見ながら、測定値を操作することによっ
てなされる。
【0038】そして、CD−ROM45には、インパル
ス応答と共に、付随データとしてインパルス応答を特徴
付けるデータも併せて記録される。付随データとして
は、インパルス応答の残響時間を表すデータ、直接音お
よび初期反射音がそれぞれ始まるポイントからこれらが
終わるポイントの値(例えば入力時点のポイントを1と
する)、残響音の開始するポイントの値が使用される。
一例として、CD−ROM45には、鉄板エコー装置を
使用して収集した複数種類のインパルス応答と、ホール
の1種類のインパルス応答と、各インパルス応答に付随
するデータとが記録される。鉄板エコー装置の場合で
は、残響時間を可変することができるので、異なる残響
時間の複数種類のインパルス応答を収集している。
【0039】図8は、このようにして作成されたインパ
ルス応答データを用いてたたみ込みを行う、残響付加装
置の構成の一例を、概略的に示す。残響音を付加したい
ディジタルオーディオ信号が入力端120から入力され
る。入力データは、乗算器126に供給されると共に、
プリディレイ121によって遅延され、プリディレイを
与えられる。プリディレイは、入力の時点から残響音が
発生するまでの時間に相当する。プリディレイ121の
出力は、たたみ込み処理部122に供給される。
【0040】たたみ込み処理部122は、LおよびRチ
ャンネルそれぞれのFIRフィルタ(フィルタ122L
およびフィルタ122R)からなる。上述のインパルス
応答収集装置97で作成された、インパルス応答データ
96Lおよび97Rが対応するチャンネルのFIRフィ
ルタ係数として、端子123Lおよび123Rから供給
される。これらインパルス応答データ96Lおよび96
Rは、例えばCD−ROMから読み出されて得られる
(図示しない)。
【0041】フィルタ122Lおよび122Rでは、イ
ンパルス応答データ96Lおよび97Rによって、入力
されたディジタルオーディオ信号のたたみ込みが行われ
る。このたたみ込みの結果、インパルス応答データ96
Lおよび96Rに基づく残響音が生成される。フィルタ
122Lおよび122Rの出力は、それぞれ乗算器12
4Lおよび124Rに供給される。
【0042】乗算器124L,124Rおよび上述の乗
算器126と、加算器128Lおよび128Rとで、入
力オーディオ信号、すなわち、原音(ドライ成分)と残
響音(ウェット成分)との混合器が構成される。端子1
27および125にそれぞれ供給された直接音および残
響音の比率に応じて、乗算器126および乗算器124
L,124Rで入力ディジタルオーディオ信号およびた
たみ込み処理部122の出力が調整され、加算器128
Lおよび128Rで、これらの信号が加算され、Lチャ
ンネルの出力が出力端129Lに、Rチャンネルの出力
が出力端129Rに、それぞれ導出される。
【0043】図9において、1は、残響付加装置の具体
的な構成を全体として示す。この残響付加装置1は、2
チャンネル(1ch/2ch)分のディジタルオーディ
オ信号が、AES/EBU(Audio Engineering Society
/European Broadcasting Union) の規格に基づくディジ
タルオーディオ入力端子10から入力される。入力端子
10から供給されたディジタルオーディオ信号は、ディ
ジタル入力部11を介してインプットスイッチャ12に
供給される。
【0044】入力されるディジタルオーディオ信号は、
例えばサンプリング周波数が48kHz、量子化ビット
数が24ビットである。なお、後述するオプションボー
ド50をこの装置1に装着することで、扱うことができ
るサンプリング周波数を2倍の96kHzとすることが
可能とされる。また、これらの例に限らず、例えばサン
プリング周波数44.1kHzのディジタルオーディオ
信号にも対応可能とすることができる。この場合には、
オプションボード50装着時には、サンプリング周波数
が88.2kHzの信号を扱うことが可能とされる。
【0045】残響付加装置1に対してアナログオーディ
オ信号を入力する場合には、アナログオーディオ入力端
子13L,13Rが用いられる。L(左)およびR
(右)チャンネルのオーディオ信号のそれぞれは、入力
端子13Lおよび13Rの対応する側から入力され、A
/D変換器14で例えば48kHzのサンプリング周波
数で量子化ビット数が24ビットでサンプリングされ、
ディジタルオーディオ信号に変換される。A/D変換器
14の出力は、インプットスイッチャ12に供給され
る。
【0046】インプットスイッチャ12は、後述するコ
ントローラ40の制御あるいは手動の切り替えスイッチ
により、入力オーディオ信号の系統を切り替える。イン
プットスイッチャ12の出力は、経路31を通って、D
SP(Digital Signal Processor)30に供給される。
【0047】DSP30は、DRAM(Dynamic Random
Access Memory)を有し、後述するコントローラ40から
供給されるプログラムに基づき、入出力されるディジタ
ルオーディオ信号の様々な制御を行う。DSP30は、
所定のプログラムに基づき、供給されたディジタルオー
ディオ信号を、インパルス応答のたたみ込み演算を行う
ためのDSP32A〜32Kに供給する。また、DSP
30では、入力信号に基づき初期反射音を生成する。さ
らに、DSP30には、後述するDSP34から、イン
パルス応答のたたみ込み演算結果が供給される。
【0048】DSP32A〜32Kは、DSP30から
供給されたディジタルオーディオ信号を、それぞれ所定
のサイズのブロックに切り出し、予め供給されたインパ
ルス応答データによるたたみ込み演算を行う。DSP3
2A〜32Kは、それぞれ処理するサンプル数に応じた
容量のDRAMを有する。この例では、DSP32A〜
32Hはそれぞれ1個ずつ、DSP32Iは2個、DS
P32J,32Kは4個ずつ、容量が16MビットのD
RAMを有する。
【0049】DSP32A〜32Kにより行われた、ブ
ロック毎でのインパルス応答のたたみ込み演算結果は、
加算器33で加算され、DSP34を介してDSP30
に供給される。DSP34では、加算結果のオーバーフ
ローが検出され、例えばオーバーフローを起こしたデー
タが所定値に固定される。
【0050】DSP30では、入力ディジタルオーディ
オ信号と、上述の初期反射音と、DSP34を介して供
給されたインパルス応答のたたみ込み演算結果とを混合
することで、入力ディジタルオーディオ信号に対して残
響音を付加して出力する。DSP30の出力35は、ア
ウトプットスイッチャ18に供給される。
【0051】なお、形成された残響音および入力ディジ
タルオーディオ信号(原音)は、それぞれ「ウェット成
分」および「ドライ成分」とも称される。DSP30で
は、これらウェット成分およびドライ成分の混合比を、
LおよびRチャンネルのそれぞれについて、自在に変更
することができる。それと共に、DSP30では、出力
信号のレベル調整なども行われる。
【0052】また、DSP30に対して、取り扱うディ
ジタルオーディオ信号のサンプリング周波数に対応した
周波数のクロックFSあるいは2FSが供給される。D
SP30での信号処理は、このクロックに基づきなされ
る。
【0053】アウトプットスイッチャ18は、後述する
コントローラ40の制御あるいは手動の切り替えスイッ
チにより、出力信号の系統を切り替える。出力は、ディ
ジタルおよびアナログのオーディオ信号として出力でき
る。アウトプットスイッチャ18からディジタル出力部
19を介して、AES/EBU規格による出力端子20
に対して、2チャンネル分のディジタルオーディオ信号
が導出される。また、アウトプットスイッチャ18から
出力されたディジタルオーディオ信号は、D/A変換器
21でLおよびRチャンネルのアナログオーディオ信号
に変換される。LおよびRチャンネルのアナログオーデ
ィオ信号は、それぞれアナログ出力端子22Lおよび2
2Rに導出される。
【0054】なお、この例では、入力端子10、入力端
子13Lおよび13R、出力端子20、出力端子22L
および22Rのそれぞれには、ホット、コールドおよび
独立したアースラインの3本の信号線を有する、キャノ
ン型が用いられている。
【0055】また、アウトプットスイッチャ18によ
り、入力されたオーディオ信号に対する装置1内部での
残響音付加処理をバイパスするように選択することもで
きる。バイパスが選択されると、入力されたディジタル
オーディオ信号は、インプットスイッチャ12からバイ
パス経路17を通ってアウトプットスイッチャ18に直
接的に供給される。
【0056】一方、この残響付加装置1の全体は、コン
トローラ40によって制御される。コントローラ40
は、例えばCPU(Central Processing Unit) やRAM
(Random Access Memory)、ROM(Read Only Memory)、
所定の入出力インターフェイスなどからなる。ROM
は、例えばシステムを起動するための初期プログラム
や、シリアル番号が予め記憶される。RAMは、CPU
が動作するためのワークメモリであると共に、例えば外
部からプログラムがロードされる。
【0057】コントローラ40は、例えば8ビットパラ
レルでバス41に接続される。バス41は、上述のDS
P30、32A〜32H、34にそれぞれ接続される。
バス41を介して、コントローラ40と各DSP30、
32A〜32H、34との間で通信が行われる。この通
信により、コントローラ40から各DSP30、32A
〜32H、34のそれぞれに対してプログラムが供給さ
れると共に、コントローラ40と各DSP30、32A
〜32H、34との間で、データやコマンドのやり取り
が行われる。
【0058】また、上述したように、インプットスイッ
チャ12およびアウトプットスイッチャ18は、例えば
バス41と接続され(図示しない)、コントローラ40
によって制御される。
【0059】コントローラ40に対して、例えばフルド
ットのLCD(Liquid Crystal Display)からなる表示装
置42が接続される。コントローラ40で生成された表
示データに基づいて、表示装置42に対して所定の表示
が行われる。
【0060】入力部43は、図示しないが、複数の入力
手段、例えば回転角に対応してデータを入力するように
されたロータリエンコーダと、複数のプッシュスイッチ
を有する。これらの入力手段を操作することで、対応す
る制御信号が入力部43からコントローラ40に供給さ
れる。この制御信号に基づき、コントローラ40から各
DSP30、32A〜32H、34に対して、所定のプ
ログラムやパラメータなどが供給される。
【0061】この残響付加装置1には、CD−ROM(C
ompact Disc-ROM)ドライブ44が設けられる。CD−R
OMドライブ44に対してCD−ROM45が挿入さ
れ、CD−ROM45からデータ(インパルス応答およ
び付随データ)やプログラムが読み出される。読み出さ
れたデータやプログラムは、CD−ROMドライブ44
からコントローラ40に供給される。
【0062】例えば、CD−ROM45には、インパル
ス応答データおよび付随データが記録されている。CD
−ROM45からこのインパルス応答データが読み出さ
れ、コントローラ40に供給される。そして、コントロ
ーラ40において、インパルス応答に対して必要な加工
がなされ、加工処理後のインパルス応答がコントローラ
40からDSP32A〜32Kのそれぞれに対して供給
される。DSP32A〜32Kでは、供給されたインパ
ルス応答データに基づき、入力オーディオサンプルとイ
ンパルス応答のたたみ込み演算を行う。なお、インパル
ス応答の加工処理については、後述する。
【0063】この残響付加装置1は、外部インターフェ
イスとしてMIDI(Musical Instrument Digital Inte
rface)を備える。MIDI入力端子46から供給された
MIDI信号は、コントローラ40に供給される。供給
されたMIDI信号に基づき、この装置1の所定の機能
を制御することができる。また、コントローラ40にお
いて、MIDI信号を生成して出力することができる。
MIDI入力端子46から供給されたMIDI信号を加
工して出力するようにもできる。コントローラ40から
出力されたMIDI信号は、MIDI出力端子47から
外部の機器へと供給される。また、MIDIスルー端子
48は、MIDI入力端子46から供給されたMIDI
信号を、そのまま出力する。
【0064】この残響付加装置1は、オプションボード
50を装着することで、機能を拡張することができる。
機能拡張の一例として、サンプリング周波数が48kH
zのディジタルオーディオ信号を、さらに2系統、扱う
ことができるようになる。2チャンネル分(3ch/4
ch)のディジタルオーディオ信号がオプションボード
50を介して、端子15から入力される。このディジタ
ルオーディオ信号は、ディジタル入力部16を介してイ
ンプットスイッチャ12に供給される。また、アウトプ
ットスイッチャ18から出力された、オプションボード
50での処理に対応した2チャンネル分のディジタルオ
ーディオ信号がディジタル出力部23を介して端子24
に導出される。このディジタルオーディオ信号は、端子
24からオプションボード50を介して外部に出力され
る。
【0065】機能拡張の他の例として、2チャンネル
(1ch/2ch)分のディジタルオーディオ信号を扱
う際に、サンプリング周波数が2倍の96kHzである
信号を扱うことができるようになる。
【0066】オプションボード50とこの装置1とは、
端子51〜56および端子15,24で互いに接続され
る。図10は、オプションボード50の構成の一例を示
す。このオプションボード50は、上述のDSP32A
〜32Kおよび加算器33による、インパルス応答のた
たみ込み演算を拡張して実行できるようにしたものであ
る。従って、このオプションボード50には、上述のD
SP32A〜32Kと同様のDSP32L、32M、お
よびDSP60A〜Lが設けられると共に、加算器61
ならびに上述のDSP34に対応するDSP62とが設
けられる。
【0067】ボード50上のバス41’は、端子56を
介して装置1のバス41と接続される。ボード50上の
各DSP32L、32M、およびDSP60A〜Lは、
バス41’を介して、コントローラ40との間で通信を
行うことができる。
【0068】DSP32Lおよび32Mは、16Mビッ
トのDRAMを8個有し、上述のDSP32A〜Kと共
にたたみ込み演算を行う。入力ディジタルオーディオ信
号がDSP30から出力され、端子53を介してDSP
32Lおよび32Mに対してそれぞれ供給される。DS
P32Lおよび32Mによるたたみ込み演算結果は、そ
れぞれ端子54および55を介して加算器33に供給さ
れ、他のDSP32A〜32Kの演算結果と共に加算さ
れる。
【0069】一方、DSP60A〜60Mは、例えば上
述のDSP32A〜32Mと並列的に処理を行う。入力
ディジタルオーディオ信号がDSP30から出力され、
端子51を介してDSP60A〜60Mに配分される。
【0070】例えば、オプションボード50の装着によ
って、1ch〜4chまでの4チャンネル分の処理を行
う場合には、DSP32A〜32Mによって1chおよ
び2chのたたみ込み演算が行われ、DSP60A〜6
0Mによって3chおよび4chのたたみ込み演算が行
われる。また、サンプリング周波数が96kHzのディ
ジタルオーディオ信号を扱う場合には、例えば同一のサ
ンプル数からなるブロックが供給されるDSP同士、す
なわち、DSP32Aおよび60A、DSP32Bおよ
び60B、・・・、DSP32Mおよび60Mがそれぞ
れ並列的にたたみ込み演算を行うことで、2倍の速度の
処理がなされる。
【0071】DSP60A〜60Mでのたたみ込み演算
結果は、それぞれ加算器61に供給され加算される。加
算結果は、DSP62に供給され、上述のDSP34と
同様にオーバーフロー処理をされ、端子52を介してD
SP30に供給される。そして、DSP30において、
必要に応じてドライ成分およびウェット成分の比率の調
整や、他のチャンネルの信号との混合比の調整をされ、
アウトプットスイッチャ18に供給される。
【0072】なお、オプションボード50には、AES
/EBUの規格に基づくディジタルオーディオ信号の入
力端子63および出力端子64とが設けられる。入力端
子63には、2チャンネル(3ch/4ch)分の信号
が入力され、入力された信号は、端子15を介してイン
プットスイッチャ12に供給される。同様に、アウトプ
ットスイッチャ18から出力された2チャンネル(3c
h/4ch)分の出力信号は、端子24を介してこのボ
ード50に供給され、出力端子64に導出される。な
お、この例では、端子63および64は、キャノン型が
用いられている。
【0073】図11は、この残響付加装置1のフロント
パネル200の一例を示す。フロントパネル200の四
隅には、この装置1をラックにマウントすることが可能
なように、取り付け穴が設けられている。パネル200
の左側に、電源スイッチ201が設けられ、その下方に
CD−ROMドライブ44に対してCD−ROM45を
装着するための、CD−ROM挿入部202が設けられ
る。スイッチ205を操作することで、CD−ROM挿
入部202へのCD−ROM45の挿入および挿入部2
02からのCD−ROM45の取り出しを行うことがで
きる。
【0074】パネル200の略中央部には、表示部20
3が設けられる。表示部203は、上述したLCD42
に対応するものである。表示部203の右側に、ロータ
リエンコーダ204が設けられる。また、表示部203
の下部に、ファンクションキー206,207,208
および209が設けられる。これらロータリエンコーダ
204およびファンクションキー206〜209によっ
て、この装置1の機能の選択やデータの入力などを行う
ことができる。
【0075】表示部203は、選択されている機能など
により様々な表示を行う。この例では、所定の残響音の
インパルス応答が選択された場合の、パラメータ表示が
行われ、表示部203内の表示領域210には、選択さ
れた残響音に対して指定されたパラメータが感覚的に表
示されると共に、表示領域211には、パラメータ名と
パラメータ値が表示されている。このパラメータは、付
随データにより表されるもの、並びに加工処理後のもの
の両方を含む。
【0076】表示領域211の表示は、表示部203の
下部に配置されたファンクションスイッチ206〜20
9のそれぞれに対応している。例えば、ファンクション
キー206〜209のうちの何れかを押すことで、押さ
れたキーの直上に表示されているパラメータが選択され
る。そして、ロータリエンコーダ204を回転させる
と、そのパラメータが変更される。また例えば、所定の
操作によって、表示部203に、別のページを表示させ
ることも可能である。別のページでは、別のパラメータ
値を変更することができる。
【0077】一方、この一実施形態においては、表示領
域210に対して、現在設定されているパラメータ値に
対応した波紋が表示され、そのパラメータ値による残響
音の効果(音の広がり)が感覚的に把握できるようにさ
れている。図12および図13は、この表示領域210
の表示の例を示す。残響時間を短い値から長い値へと変
更していくのに伴い、図12A〜図12H、さらに、図
13A〜図13Hというように、波紋の波数が増加され
る。
【0078】この例では、波紋は、残響時間の最小値か
ら最大値までの値に段階的に対応した、16段階の表示
を有する。この16段階の表示は、残響時間に対して相
対的である。波紋表示のための表示データは、CD−R
OM45に格納されている。そして、例えばこの装置1
の起動時に予めCD−ROM45から読み出され、コン
トローラ40が有するRAMに格納される。これに限ら
ず、コントローラ40が有するROMに予め格納してお
くようにしてもよい。残響時間のパラメータを決定する
と、波紋の表示は、そのときの表示に固定される。
【0079】このような表示を行うことにより、ユーザ
に対して、視覚的に印象を与えることができる。ユーザ
は、残響の効果を、感覚的に把握することができるよう
になる。すなわち、ユーザは、波紋により、残響音の広
がりを視覚的に把握することができる。
【0080】なお、波紋の表示は、この例では表示領域
210の左下から右上に向かって広がっていくように表
示されているが、これはこの例に限定されない。図14
は、表示領域210に対する波紋の表示の、他の例を示
す。波紋の中心点および波紋が広がる方向は、任意に設
定することができ、例えば、左端を波紋の中心とするこ
とができる(図14A)。また、表示領域210の中心
を波紋の中心とすることもできる(図14B)。さらに
また、波紋の断面を表示するようにしてもよい(図14
C)。また、選択された残響音のタイプに応じて波紋の
形状を変化させることもできる。さらに、この例では、
波紋の表示は固定的に行われているが、1段階のパラメ
ータに対して複数枚の表示データを用意し、これらを連
続的に切り替えて表示することで、アニメーション表示
とすることもできる。
【0081】次に、DSP32A〜32M、DSP60
A〜60Mで行われる、インパルス応答のたたみ込み演
算について説明する。なお、ここでは、繁雑さを避ける
ため、オプションボード50を用いずに、DSP32A
〜32Kのみで行う演算について説明する。
【0082】図15は、DSP32A〜32Kの各々に
おける処理を概略的に示す。インパルス応答データは、
コントローラ40の制御によって、例えばCD−ROM
45から読み出され、予めDSP32A〜32Kに対し
て供給され、DSP32A〜32Kがそれぞれ備えるD
RAMに格納される。そして、各DSP32A〜32K
において、それぞれに対して定められている処理ブロッ
クサイズに対応し、インパルス応答データが時間軸上の
所定の間隔で区切られる。
【0083】ここで、各DSP32A〜32KをDSP
32として代表し、DSP32に処理されるインパルス
応答の単位をNとする。例えば、この例では、DSP3
2Aは、128ポイントのインパルス応答データのたた
み込み演算を行うようにされているため、N=128で
ある。また、以下の説明において、1ワードは、ディジ
タルオーディオ信号の1サンプリングデータに対応す
る。従って、1ワードは、時間軸上では(1/サンプリ
ング周波数)の時間間隔を有し、ディジタルデータとし
ては、量子化ビット数(24ビット)のものである。
【0084】DSP32に供給された入力データは、N
ワードからなるブロックデータに切り出される。従っ
て、最初のNワード分の時間は、データの入力に費やさ
れる。入力されたNワード分のデータは、DSP32が
有するDRAMに格納される。そして、次のNワード分
の時間で、格納されたNワード分の入力データに対する
インパルス応答のたたみ込み演算が行われる。演算が全
て終了すると、Nワード分の演算結果が出力される。従
って、Nワードの演算において、データの入出力に対し
て2Nワード分の遅延が生じることになる。
【0085】図16は、DSP32における処理を、さ
らに詳細に示す。DSP32では、周知の技術である、
巡回たたみ込みにおけるオーバーラップセーブメソッド
を用いて、インパルス応答のたたみ込み演算を行ってい
る。
【0086】すなわち、図16に示されるように、時間
軸に従いNワード毎に供給される、第n番目のブロック
80Bと、一つ前の第(n−1)番目のブロック80A
とに対してDFT(Discrete Fourier Transform)を行
い、時間軸上のデータを、(N+1)ワードの実数部8
1Aと(N−1)ワードの虚数部81Bとからなる周波
数要素データ81に変換する。
【0087】一方、インパルス応答データ82は、それ
ぞれNワードの、実データ82Aとゼロデータ82Bに
ついて予めDFTされ、(N+1)ワードの実数部83
Aと(N−1)ワードの虚数部83Bとからなる周波数
要素データ83に変換されている。
【0088】入力データによる周波数要素データ81
と、インパルス応答による周波数要素データ83の、互
いに対応する周波数要素同士が乗算され、乗算結果につ
いて、等しい周波数成分同士を足し合わせるフィルタ処
理(たたみ込み)が行われる。この演算の結果、(N+
1)ワードの実数部84Aと(N−1)ワードの虚数部
84Bとからなる周波数要素データ84が得られる。こ
の周波数要素データ84に対して、DFTの逆の処理で
あるIDFTして、2Nワードからなる時間軸上のデー
タ86が得られる。
【0089】IDFTの結果は、図16のデータ85,
86,87に示されるように、Nワード間隔で2Nワー
ドずつ得られる。データ85,86,87のそれぞれに
おいて、前半のNワードのデータ85A,86A,87
Aが捨てられ、第(n−1)番目のブロック,第n番目
のブロック,第(n+1)番目のブロックというよう
に、出力データが得られる。第n番目の出力データは、
対応する第n番目の入力データに対して2ブロック分、
遅延している。
【0090】ブロックサイズを大きくとり、1回の処理
でより多くのインパルス応答データのたたみ込み演算を
行うことで、長い残響時間を得ることができる。しかし
ながら、上述したように、入力されたブロックが出力さ
れるまでには、2ブロック分の遅延があるため、1ブロ
ックを大きくすると、残響処理の成分が出力されるまで
の遅延時間が長くなり、実用的ではない。そこで、この
一実施形態では、所望の残響時間を得るための処理を、
それぞれ所定のポイント数(ワード数)に分割された複
数のブロック毎に並列的に行う。
【0091】図17および図18は、この一実施形態に
よる、複数のブロックに分割してのたたみ込み演算処理
について示す。例えば218ワード(256kワード)の
たたみ込み演算を行う場合を考える。この場合、ディジ
タルオーディオ信号が256kワード(256kポイン
ト)のインパルス応答データによってたたみ込まれる。
サンプリング周波数が48kHzの場合で略5.3se
c、サンプリング周波数が44.1kHzの場合で略
5.9secの残響時間が得られる。
【0092】図17に一例が示されるように、全体が2
56kワードが2分割され、2分割されたうち時間軸上
で前に位置する側がさらに2分割される。このように、
時間軸上で前に位置する側が順次2分割される。そし
て、2分割されたうち、時間軸上で後ろに位置する側の
それぞれは、さらに2分割され同一サイズの2ブロック
が形成される。
【0093】図18は、図17における先頭の8kワー
ドの部分Aを拡大して示す。この部分Aも、同様にして
2分割されていくが、先頭の256ワードに関しては、
128ワードのブロックが2ブロック形成され、この2
ブロックについてインパルス応答のたたみ込みが行われ
る。従って、残響成分は、先頭の256ワード分遅延さ
れて出力される。しかしながら、例えばサンプリング周
波数が48kHzの場合、これは僅か5msecの遅延
であり、残響音付加の面から考えると、問題がない。
【0094】このように、全体が256kワードのこの
例では、128ワード,256ワード,512ワード,
1kワード,2kワード,4kワード,8kワード,1
6kワード,32kワードおよび64kワードのサイズ
を有するブロックがそれぞれ2ブロックずつ形成され
る。
【0095】DSP32A〜32Kでは、それぞれ同一
ブロックサイズの組について処理が行われる。すなわ
ち、図17および図18に示されるように、DSP32
A〜32Kに対して供給された入力データは、DSP3
2A〜32Kのそれぞれにおいて、DSP32Aで12
8ワード、DSP32Bで256ワード、DSP32C
で512ワード、DSP32Dで1kワード、DSP3
2Eで2kワード、DSP32Fで4kワード、DSP
32Gで8kワードDSP32Hで16kワード、DS
P32Iで32kワード、DSP32J,32Kで64
kワードに、それぞれ切り出される。
【0096】128ワードから32kワードまでの処理
のそれぞれは、同一のブロックサイズの2つのブロック
についてのたたみ込みの処理を、一つのDSPによって
時分割的に行うようにしている。
【0097】すなわち、DSP32A〜32Kのそれぞ
れにおいて、切り出されたブロックデータに対して対応
するインパルス応答データによるたたみ込み演算が行わ
れる。同一ブロックサイズの組の、後半のブロックにつ
いては、処理後、1ブロック分遅延されて出力される。
これにより、DSP32A〜32Kのそれぞれにおい
て、同一サイズの2ブロックが連続して出力される。D
SP32A〜32Kの出力を加算器33で加算すること
で、残響データ88が生成される。
【0098】なお、DSP32A〜32Kのそれぞれに
対して連続的に供給されるデータに対して、DSP32
A〜32Kのそれぞれの周期で以て処理を行い、その結
果を加算することで、連続的に供給されるデータに対し
て残響音を付加することができることは、周知である。
【0099】図19は、各DSP32A〜32Kのそれ
ぞれにより構成されるFIRフィルタ70の構成の一例
を示す。たたみ込みフィルタ70は、例えば、コントロ
ーラ40からDSP32A〜32Kに対して供給される
所定のプログラムに基づいて実現される。端子71から
ディジタルオーディオ信号が入力され、DFT回路72
に供給される。ディジタルオーディオ信号は、DFT回
路72で時間軸上のデータから周波数要素データに変換
される。DFT回路72の出力は、乗算器74に供給さ
れると共に、遅延回路73に供給される。
【0100】遅延回路73は、Nワード分の遅延を有す
る。すなわち、DSP32A〜32Kは、それぞれN=
128,256,512,1k,2k,4k,8k,1
6k,32kおよび64kであって、対応する遅延量を
有する。遅延回路73で遅延されたデータは、乗算器7
6に供給される。
【0101】乗算器74では、端子75から、DFTさ
れたインパルス応答データであるフィルタ係数Aが供給
される。乗算器74で、DFT回路72の出力およびフ
ィルタ係数Aの対応する周波数要素同士の乗算がなされ
る。一方、乗算器76でも同様な処理が行われる。すな
わち、端子77から、DFTされたインパルス応答デー
タであるフィルタ係数Bが供給され、遅延回路73から
の出力およびフィルタ係数Bの対応する周波数要素同士
の乗算がなされる。
【0102】乗算器74および76それぞれの乗算結果
は、加算器78で加算される。加算結果は、IDFT回
路79に供給され、周波数要素データが時間軸上のデー
タに変換され、端子80から出力される。
【0103】このように、たたみ込みフィルタ70で
は、入力データと、Nワード、すなわち1ブロック分遅
延された入力データとの、2ブロック分のデータを用い
てたたみ込み演算が行われ、2ワード分のデータが出力
される。図16を用いて既に説明したように、出力され
た2ワード分のデータのうち、前半の1ワードは、捨て
られる。
【0104】図20は、上述の図19の構成に基づく、
FIRフィルタ70の処理を、時間軸に対応して示す。
図20の左端側には入力データが示され、右端側には、
出力データが示される。また、図20は、全体的に、上
側から下側へ向けて、時間の経過が示される。すなわ
ち、複数のフィルタ70が存在するように示されている
が、これらは、一つのフィルタの異なるタイミングでの
処理を示す。このように、1つ前のタイミングでDFT
した結果が遅延回路73によって遅延されて、次のタイ
ミングのフィルタ処理に用いられる。そのため、入力デ
ータに対して、2ブロック分遅延された出力データが連
続的に出力される。
【0105】図21は、並列処理を行うDSP32A〜
32Kのそれぞれが受け持つ機能を示す。入力データが
DSP32A〜32Kのそれぞれに対して並列的に供給
される。DSP32A〜32Kは、それぞれN=12
8,N=256,N=512,N=1k,N=2k,N
=4k,N=8k,N=16k,N=32kおよびN=
64kのポイントのたたみ込みを行う。そして、演算結
果は、DSP32A〜32Kのそれぞれから、2Nワー
ド分遅延されて、加算器22に供給される。
【0106】例えば、DSP32Aに供給された入力デ
ータは、N=128ワードからなるブロックに切り出さ
れ、切り出されたブロックに対してたたみ込み処理を行
い、入力タイミングに対して2Nワード遅延されて演算
結果が出力される。そして、次のNワードのブロックが
取り込まれ、同様な処理が繰り返される。DSP32B
〜32Kのそれぞれにおいて、同様の処理が行われる。
【0107】次に、この発明の特徴とする点である、イ
ンパルス応答の加工または合成について説明する。上述
したように、残響付加装置に対しては、CD−ROM4
5に記録されている複数のインパルス応答のデータと、
各インパルス応答に付随するデータが読み込まれる。例
えば鉄板エコー装置を使用して収集した複数種類のイン
パルス応答と、ホールで収集した1種類のインパルス応
答と、各インパルス応答の付随データが残響付加装置に
読み込まれる。上述したように、付随データとしては、
インパルス応答の残響時間を表すデータ、直接音および
初期反射音がそれぞれ始まるポイントからこれが終わる
ポイントの値(例えば入力時点のポイントを1とす
る)、残響音の開始するポイントの値が使用される。な
お、インパルス応答の加工または合成は、コントローラ
40のソフトウェア処理によって実行される。
【0108】インパルス応答の加工の第1の例として、
図22、図23、図24および図25を参照して、直接
音および初期反射音の除去について説明する。直接音お
よび初期反射音が含まれていると、ホールのシュミュレ
ータのような処理がされるので、直接音および初期反射
音の除去が必要とされる。図22は、CD−ROM45
から読み込まれたホールに関する元のインパルス応答を
示す。例えばサンプリング周波数が96kHzであり、5
12kポイントの内の64kポイント分を示す。図23
は、さらに図22中の初期応答部分(4kポイント分)
を拡大して示す。
【0109】元のインパルス応答の内で、直接音および
初期反射音に対応するインパルス応答を除去したインパ
ルス応答を図24および図25にそれぞれ示す。直接音
および初期反射音に対応するインパルス応答を0とする
ことによって、直接音および初期反射音を除去できる。
図24は、図22に対応して64kポイント分のインパ
ルス応答を示し、図25は、図23に対応して4kポイ
ント分のインパルス応答を拡大して示す。なお、これら
の図において、上側のインパルス応答がLチャンネルに
対するもので、下側のインパルス応答がRチャンネルに
対するものである。
【0110】上述したように、図22に示すインパルス
応答に付随するデータ中に、直接音および初期反射音に
対応するインパルス応答のそれぞれが開始するポイント
と、これらが終了するポイントの情報が含まれているの
で、直接音および初期反射音に対応するインパルス応答
の位置を特定することができる。特定した位置からフェ
ードインさせることによって初期反射音を除去できる。
但し、付随情報を使用しなくても直接音および初期反射
音の除去をなしうる。すなわち、インパルス応答のエン
ベロープを検出し、エンベロープの波形が最大値を過ぎ
てからその傾きが正に反転する箇所までを直接音および
初期反射音に対応するインパルス応答と推定することが
できる。なお、残響付加にとって、直接音の存在の影響
が大きいので、直接音のみを除去するようにしても良
い。
【0111】インパルス応答の加工の第2の例について
図26を参照して説明する。第2の例は、直接音および
初期反射音と残響音のバランスを調整する例である。図
26Aは、元のインパルス応答を示す。直接音および初
期反射音の開始ポイントN1と、その終了のポイントN
2と、残響音の開始ポイントN3と、残響時間Toとが
付随データで示されている。
【0112】付随データを使用して、元のインパルス応
答を直接音および初期反射音に対応するインパルス応答
(図26B)と、残響音に対応するインパルス応答(図
26C)に分離する。図26の例では、直接音および初
期反射音に対応するインパルス応答が大きすぎるので、
これらのインパルス応答をより小さい値に調整し、調整
後のインパルス応答と残響音のインパルス応答を合成す
る。図26Dが合成後のインパルス応答を示す。必要に
応じて、残響音のインパルス応答の値を大きくする調整
を行っても良い。さらに、直接音および初期反射音に対
応するインパルス応答に対しては、フェードアウトし、
残響音に対しては、フェードインするようなクロスフェ
ードの手法を使用してインパルス応答のバランスを調整
しても良い。フェードイン/アウトのカーブは、直線、
指数関数等の曲線の何れでも良い。
【0113】インパルス応答の加工の第3の例について
図27および図28を参照して説明する。第3の例は、
残響時間の調整である。鉄板エコー装置の場合は、残響
時間を変えると、残響付加装置の周波数特性も変化す
る。図27は、0.25秒ステップで異なる残響時間
(1.5秒、1.75秒、2.0秒、・・・・、3.5
秒)のそれぞれの周波数特性の測定例を示している。従
って、鉄板エコー装置による残響と等価な残響を付加す
るためには、各残響時間毎にインパルス応答を持つ必要
がある。このことは、インパルス応答のデータ量が膨大
となり、メモリ容量の増大を招く点で好ましくない。
【0114】そこで、図28に示すように、代表的な残
響時間のインパルス応答を持ち、他の残響時間のインパ
ルス応答は、演算により求めるようにする。より具体的
には、残響時間の範囲を複数のタイムゾーンに区切り、
それぞれのゾーンにおいて、代表的なインパルス応答か
ら所望の残響時間のインパルス応答を求める。図28A
は、残響時間To=4秒のインパルス応答を示し、図2
8Bは、残響時間To=3秒のインパルス応答を示し、
図28Cは、残響時間To=2秒のインパルス応答を示
す。そして、To=4秒の代表的インパルス応答から
3.25秒、3.5秒、3.75秒のインパルス応答を
求める。また、To=3秒の代表的インパルス応答から
2.25秒、2.5秒、2.75秒のインパルス応答を
求める。さらに、Tr=2秒の代表的インパルス応答か
ら1.25秒、1.5秒、1.75秒のインパルス応答
を求める。このようにすれば、データとして持っている
3個の代表的インパルス応答に加えて、9種類の残響時
間のインパルス応答を求めることができる。
【0115】代表的インパルス応答を使用して、より短
縮した残響時間のインパルス応答を求める演算について
説明する。ここでは、元のインパルス応答に指数関数を
乗じて残響時間を短縮する。Trev : 短縮後の残響時
間、To:元のインパルス応答の残響時間、Tx:イン
パルス応答に乗じる指数関数の残響時間とすると、 −60/Trev =(−60/To)+(−60/Tx) =−60・〔(To+Tx)/To・Tx)〕 =−60/〔(To・Tx)/To+Tx)〕 となる。よって、下記の関係式が成り立つ。
【0116】Trev =(To・Tx)/(To+Tx) これを変形して指数関数の残響時間を求めると、 Trev ・(To+Tx)=To・Tx (Trev −To)・Tx=−Trev ・To Tx=(Trev ・To)/(To−Trev ) となる。
【0117】次に、 X^(Fs・t):インパルス応答に乗じる指数関数
(^はベキ乗を表す演算子とする) Fs:サンプリング周波数 として、残響時間がTxになる指数関数を求めると、 X^(Fs・Tx)=−60dB=10^(−3) (Fs・Tx)・log X=log (10^(−3))=−
3 log X=−3/(Fs・Tx) よって、 X=10^〔−3/(Fs・Tx)〕 となる。このようにして求めた指数関数を代表的インパ
ルス応答に対して乗じることによって、残響時間をTx
に調整することができる。
【0118】インパルス応答の加工の第4の例について
図29を参照して説明する。第4の例は、異なる複数の
インパルス応答を合成したインパルス応答を形成するも
のである。図29Aは、例えば鉄板エコー装置のインパ
ルス応答であり、図29Bは、ホールのインパルス応答
である。それぞれの付随データによって、直接音および
初期反射音に対応するインパルス応答の終了するポイン
トN1が分かっている。図の例では、二つのインパルス
応答においてポイントN1が共通としているが、異なっ
た値でも良い。
【0119】図29Aの鉄板エコー装置のインパルス応
答の直接音および初期反射音に対応するの部分を除い
て、図29Cに示すように、残響音のインパルス応答を
分離する。また、図29Bのホールのインパルス応答の
残響音の部分を除いて、図29Dに示すように、直接音
および初期反射音に対応するインパルス応答を分離す
る。そして、これらのインパルス応答を合成して図29
Eに示すような合成したインパルス応答を形成する。な
お、分離してから合成する処理以外に、直線または指数
関数を使用するクロスフェードにより二つのインパルス
応答を合成しても良い。
【0120】インパルス応答の加工の第5の例について
図30および図31を参照して説明する。第5の例は、
元のインパルス応答中のものとは異なる初期反射音を合
成するものである。図30において、DL1、DL2、
・・・、DLnは、それぞれ異なる遅延量のディレイ素
子であり、並列接続されている。これらのディレイ素子
DL1〜DLnに対して、図31Aに示すような元のイ
ンパルス応答の初期反射音x0を供給する。
【0121】ディレイ素子DL1〜DLnのそれぞれの
出力が乗算器MP1〜MPnに供給され、係数k1〜k
nを乗じられる。乗算器MP1〜MPnからは、ディレ
イ素子DL1〜DLnの遅延量に対応した位置に、レベ
ル調整がされた初期反射音のインパルス応答x1〜xn
が発生する。元の初期反射音のインパルス応答x0と、
作成された初期反射音のインパルス応答x1〜xnが加
算器ADにおいて加算される。従って、加算器ADから
は、図31Bに示すように、元のインパルス応答中のも
のとは異なる初期反射音のインパルス応答を得ることが
できる。なお、図30に示すブロック図は、コントロー
ラ40のソフトウェア処理によって実行される。
【0122】さらに、インパルス応答の加工の第6の例
として、プリディレイの値を変更できる。入力の時点か
ら残響音が発生するまでの時間、すなわち、プリディレ
イを削除して0としたり、プリディレイを負とする加工
が可能である。
【0123】以上のインパルス応答の加工または合成の
処理は、残響付加装置のユーザがスイッチを操作した
り、ロータリーエンコーダを回転させる等の操作に応答
してなされる。その場合、LCD表示部に付随データの
情報を表示したり、加工後の残響時間等のパラメータを
表示したり、インパルス応答自体を表示する等の表示が
なされる。
【0124】なお、上述では、インパルス応答収集装置
97と、残響付加装置1とが別個の装置であるように記
述したが、これはこの例に限定されない。すなわち、残
響付加装置1に対して、TSP信号を発生する測定用信
号発生部90や、同期加算部94ならびにインパルス応
答変換部95を持たせる。これらは、CPUと若干の周
辺部品によって構成することが可能であることは言うま
でもない。残響付加装置1が元々有するDSP30やD
SP34などを利用することも可能である。このよう
に、残響付加装置1に対してインパルス応答を収集する
機能を持たせることで、ユーザ独自の効果音を得ること
ができる。
【0125】また、上述では、インパルス応答のたたみ
込み処理を、DSP32A〜32Kといった、ハードウ
ェアで行っているが、これはこの例に限定されず、ソフ
トウェア処理で行うことも可能である。同様に、DSP
30および34の処理も、ソフトウェアで行うことが可
能である。
【0126】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、収集したインパルス応答をオーディオデータとたた
み込んで効果音を得るので、自然で高品位な処理結果が
得られる。また、収集したインパルス応答をそのまま使
用するのではなく、元のインパルス応答を加工または合
成することによって、ユーザが希望する種々の効果音を
得ることができる。すなわち、この発明によれば、イン
パルス応答の加工または合成によって次のような効果が
得られる。
【0127】第1に、残響時間を所望のものに調整する
ことができる。この場合、代表的な残響時間のインパル
ス応答を持ち、それ以外の残響時間を演算により求める
ことによって、インパルス応答のデータ量を少なくする
ことができる。第2に、直接音および初期反射音のイン
パルス応答を除去すること、そのレベルを調整するこ
と、並びに所望の初期反射音の合成が可能となる。第3
に、異なるインパルス応答を合成することによって、新
たなインパルス応答を作成することができる。第4に、
プリディレイを所望のものに調整することができる。こ
れらのインパルス応答の加工または合成によって、既存
のディジタル残響付加装置と同様の操作性を実現できる
と共に、自然な感じで高品位の残響音を付加することが
可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明を適用できる残響付加装置の一例のブ
ロック図である。
【図2】この発明を適用できる残響付加装置の他の例の
ブロック図である。
【図3】従来の巡回型フィルタによる残響音のインパル
ス応答と、この発明の一実施形態による残響音とを示す
略線図である。
【図4】インパルス応答収集装置の構成の一例を示すブ
ロック図である。
【図5】ホールでインパルス応答を収集する場合の例を
示すブロック図である。
【図6】インパルス応答の加工処理の一例を示すブロッ
ク図である。
【図7】インパルス応答の加工処理の一例を示す略線図
である。
【図8】インパルス応答データを用いてたたみ込みを行
う残響付加装置の構成の一例を概略的に示すブロック図
である。
【図9】残響付加装置の構成の一例をより具体的に示す
ブロック図である。
【図10】残響付加装置のオプションボードの構成の一
例を示すブロック図である。
【図11】残響付加装置のフロントパネルの一例を示す
略線図である。
【図12】表示領域に表示される波紋の例を示す略線図
である。
【図13】表示領域に表示される波紋の例を示す略線図
である。
【図14】表示領域に表示される波紋の変形例を示す略
線図である。
【図15】たたみ込み演算を行う各DSPにおける処理
を概略的に示す略線図である。
【図16】各DSPにおける処理を、さらに詳細に示す
略線図である。
【図17】一つのインパルス応答のたたみ込みを複数の
ブロックに分割して行う演算処理を説明するための略線
図である。
【図18】複数のブロックに分割してのたたみ込み演算
処理を拡大して示す略線図である。
【図19】各DSPにおけるたたみ込みフィルタの構成
の一例を示すブロック図である。
【図20】たたみ込みフィルタの処理を時間軸に対応し
て示す略線図である。
【図21】並列処理を行うDSPのそれぞれが受け持つ
機能を示すブロック図である。
【図22】ホールに関する元のインパルス応答を示す略
線図である。
【図23】図22の一部のインパルス応答を拡大して示
す略線図である。
【図24】元のインパルス応答中の直接音および初期反
射音に対応するものを除去したインパルス応答を示す略
線図である。
【図25】図24の一部のインパルス応答を拡大して示
す略線図である。
【図26】直接音および初期反射音に対応するインパル
ス応答と残響音に対応するインパルス応答とのバランス
を調整する処理を説明するための略線図である。
【図27】残響時間を変えた時の周波数特性の変化の一
例を示す略線図である。
【図28】元のインパルス応答の残響時間を調整する処
理を説明するための略線図である。
【図29】異なる二つのインパルス応答を合成する処理
を説明するための略線図である。
【図30】初期反射音を合成するための構成の一例を示
すブロック図である。
【図31】初期反射音を合成する処理を説明するための
略線図である。
【符号の説明】
1・・・残響付加装置、30・・・DSP、32A〜3
2M・・・DSP、33・・・加算器、34・・・DS
P、40・・・コントローラ、42・・・LCDによる
表示部、43・・・入力部、44・・・CD−ROMド
ライブ、45・・・CD−ROM、50・・・オプショ
ンボード、60A〜60M・・・DSP、61・・・加
算器、62・・・DSP、90・・・測定用信号発生
部、94・・・同期加算部、95・・・インパルス応答
変換部95、96L,96R・・・インパルス応答デー
タ、97・・・インパルス応答収集装置、122・・・
たたみ込みフィルタ
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月21日(1999.9.2
1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】同様に、鉄板エコーやスプリングエコーな
どの、機械式の残響付加装置を用いることも行われた
しかしながら、これらの機械式の装置は、経年変化があ
りメンテナンスが大変であるという問題点があった。こ
れは、特に絶版となってしまった機器について、顕著で
ある。また、機械式なので、振動や外来のノイズに弱い
という問題点があった。さらに、残響時間の調整がある
範囲内でしか行えないうえ、再現性にも乏しいという問
題点があった。さらにまた、装置自身が重厚長大であ
る、S/Nが悪いという問題点があった。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0012
【補正方法】変更
【補正内容】
【0012】
【課題を解決するための手段】この発明は、上述した課
題を解決するために、入力されたディジタルオーディオ
信号と、インパルス応答データをたたみ込むことによっ
て効果音を付加する効果音付加装置において、元のイン
パルス応答を加工するインパルス応答加工手段と、加工
したインパルス応答と入力ディジタルオーディオ信号と
をたたみ込み処理するたたみ込み処理手段とからなるこ
とを特徴とする効果音付加装置である。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0022
【補正方法】変更
【補正内容】
【0022】測定用信号発生部90で、インパルス応答
を測定するためのTSP(タイムストレッチパルス)信
号が発生される。TSP信号は、スイープ信号の一種で
あり、逆関数をたたみ込むことによって、インパルス信
号が得られる。インパルス応答を測定するためには、直
接的にインパルス信号を発生させるのがより好ましい
が、測定が困難であるため、このような方法を用いる。
測定用信号発生部90で発生されたTSP信号は、D/
A変換器91を介してアナログ信号に変換され、鉄板エ
コー装置92に入力される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0024
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】同期加算された信号は、LおよびRチャン
ネルのそれぞれがインパルス応答変換部95に供給され
る。インパルス応答変換部95では、供給された信号
、TSP信号の逆関数をたたみ込む。これにより、T
SP信号がインパルス信号に変換され、測定結果が、イ
ンパルス信号により発生された残響音に基づくインパル
ス応答に変換される。インパルス応答データは、サンプ
リング周波数に対応した間隔で得られる波高値である。
A/D変換器93により24ビットの量子化ビット数で
サンプリングされた信号は、変換後は、量子化ビット数
が32ビットとされる。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力されたディジタルオーディオ信号
    と、インパルス応答データをたたみ込むことによって効
    果音を付加する効果音付加装置において、 元のインパルス応答を加工するインパルス応答加工手段
    と、 加工したインパルス応答とディジタルオーディオ信号と
    をたたみ込み処理する手段とからなることを特徴とする
    効果音付加装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 互いに異なる複数の上記元のインパルス応答を記録媒体
    から再生することを特徴とする効果音付加装置。
  3. 【請求項3】 請求項1において、 上記インパルス応答加工手段は、上記元のインパルス応
    答と、その特徴を示す情報とを使用して、上記元のイン
    パルス応答を加工することを特徴とする効果音付加装
    置。
  4. 【請求項4】 請求項1において、 上記元のインパルス応答は、入力時点から後の直接音お
    よび初期反射音に対応する第1のインパルス応答と、上
    記第1のインパルス応答の後の残響音に対応する第2の
    インパルス応答とからなることを特徴とする効果音付加
    装置。
  5. 【請求項5】 請求項4において、 上記インパルス応答加工手段は、上記第1のインパルス
    応答中の少なくとも直接音に対応するものを除去するこ
    とを特徴とする効果音付加装置。
  6. 【請求項6】 請求項4において、 上記インパルス応答加工手段は、上記第1のインパルス
    応答中の少なくとも直接音に対応するものの値を調整す
    ることを特徴とする効果音付加装置。
  7. 【請求項7】 請求項4において、 上記インパルス応答加工手段は、入力時点から上記残響
    音が発生するまでの残響時間を調整することを特徴とす
    る効果音付加装置。
  8. 【請求項8】 請求項7において、 複数の残響時間にそれぞれ対応する複数の代表的な元の
    インパルス応答を持ち、 上記代表的な元のインパルス応答を使用して所望の残響
    時間に対応するインパルス応答を演算によって生成する
    ことを特徴とする効果音付加装置。
  9. 【請求項9】 請求項4において、 上記インパルス応答加工手段は、複数の元のインパルス
    応答を合成して新たなインパルス応答を生成することを
    特徴とする効果音付加装置。
  10. 【請求項10】 請求項4において、 上記インパルス応答加工手段は、入力から残響音が発生
    するまでのプリディレイを調整することを特徴とする効
    果音付加装置。
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