JP2000098590A - 欠陥検査装置および欠陥検査方法、およびこれを用いた露光装置および露光方法 - Google Patents

欠陥検査装置および欠陥検査方法、およびこれを用いた露光装置および露光方法

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JP2000098590A JP27027298A JP27027298A JP2000098590A JP 2000098590 A JP2000098590 A JP 2000098590A JP 27027298 A JP27027298 A JP 27027298A JP 27027298 A JP27027298 A JP 27027298A JP 2000098590 A JP2000098590 A JP 2000098590A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 位相シフトパターンやソフト欠陥の検出が高
感度で可能な欠陥検査装置を提供する。 【解決手段】 第1の検査光をフォトマスク5に照射
し、透過した光を検出器7によって検出する透過照明系
2と、フォトマスク5の側面から第2の検査光を、フォ
トマスク5中に照射する側面照明系4とを有する。この
側面照明系4によりフォトマスク5内に所定の入射角で
第2の検査光を誘導する。フォトマスク5の表面に何も
付着していない場合は、第2の検査光は全て反射する
が、フォトマスク5の表面上に光透過性のある欠陥が付
着していると、第2の検査光はマスク面から欠陥内へと
進み、欠陥内から大気中へ漏れ出す。この漏れ出した第
2の検査光を対物レンズ122で集光し、検出器7によ
り検出する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被測定試料の主表
面上の欠陥検出技術に関し、詳しくは大規模集積回路
(LSI)等の半導体装置や液晶表示装置等の製造に使
用されるフォトマスクに形成されたパターンの欠陥およ
びフォトマスク上の異物を検査する欠陥検出装置及び欠
陥検出方法に関する。さらには、これらの欠陥検出装置
及び欠陥検出方法を露光用マスクの主表面上の異物の検
出に用いた露光装置及び露光方法に関する。
【0002】
【従来の技術】大規模集積回路(LSI)等の半導体装
置の製造における歩留まりの低下の大きな原因の一つと
して、フォトリソグラフィ技術上の問題がある。即ち、
半導体ウェハ上に形成される微細な回路パターンをフォ
トリソグラフィ技術を用いて描画する際に使用されるフ
ォトマスク上の異物や欠陥が歩留まりの低下の大きな原
因であるとして議論されている。このため、このような
フォトマスク上の異物や欠陥を検査する欠陥検出装置及
び欠陥検出方法の開発が盛んに行われ、一部は実用化さ
れている。
【0003】図7に示す従来のマスク欠陥検査装置では
フォトマスク5上のパターン6の欠陥を観察するため
に、パターン6が描かれたフォトマスク5の下面側にフ
ォトダイオードアレイ等の検出手段7を、このフォトマ
スク5を挟んで反対側(フォトマスク5の上面側)に、
透過照明光学系2を用意している。そして、透過照明光
学系2は、照射レンズ121を有し、適当な波長の照明
光をフォトマスク5に照射し、フォトマスク5を透過し
てきた光を検出手段7で観察し、欠陥を検出する。即
ち、検出手段7で観察されたデータと、このパターンを
製作するために用いた設計パターンデータとを適当な欠
陥検出アルゴリズムによって比較して欠陥を検出してい
る。あるいは、フォトマスク5の下面側に反射照明光学
系3を用意し、この反射照明光学系3の照射レンズ12
2から適当な波長の照明光をフォトマスク5に照射し、
パターン6の描かれたフォトマスク面から反射してきた
光を検出手段7で観察し、欠陥を検出する場合もある。
さらには、両方の光学系2,3を組み合わせて、適当な
波長の照明光をフォトマスク5に照射し、パターン6が
描かれた領域を検出手段7で観察し欠陥を検出する装置
や方法が知られている。
【0004】具体的には、検出手段7上に結像されたパ
ターンの像は、検出手段7によって光電変換され、測定
信号を出力する。この測定信号はさらにセンサ回路等に
よりによってA/D変換され、測定パターンデータを生
成する。一方、フォトマスク5上へのパターン6の形成
時に用いたパターン設計データが、磁気ディスク等のデ
ータメモリに格納され、ホスト計算機を通して設計デー
タ展開回路に読み出され、設計データ展開回路は、パタ
ーン設計データを2値データに変換し、このデータを比
較回路に送る。比較回路は、測定パターンデータと適切
なフィルタ処理の施された設計データとを適切なアルゴ
リズムに従って比較し、一致しない場合には、パターン
欠陥有りと判定する。
【0005】しかし、このアルゴリズムは、基本的に
は、白/黒の2値の比較であり、フォトマスク面にレジ
ストの様な光透過性のある物質が薄く貼り付いた灰色部
分、即ち、「ソフト欠陥」は、原理的に検出し難いとい
う問題点がある。
【0006】ところで、半導体装置の集積度はますます
高くなる傾向にあり、これを構成するLSI素子の回路
パターンはさらなる微細化が要求されている。このパタ
ーンの微細化には、単に線幅が細くなるだけではなく、
パターンの寸法精度や位置精度の向上も要請される。こ
れらの要請を満たすために多くのリソグラフィー技術の
研究・開発が行われている。
【0007】多くのリソグラフィー技術の内で、光露光
方式には、光の波長による解像度の限界がある。このた
め、光の波長をより短くするためにエキシマレーザ光等
の紫外線(ディープUV光)を用いた露光技術が開発さ
れている。さらに、光露光方式で、より微細なパターン
を実現するために、位相シフトマスクが使用され始めて
いる。この位相シフトマスクは、従来のクロム(Cr)
膜部分からなる遮光パターンの一部に、露光波長の透過
率や光の位相を変化させた位相シフトパターンを形成
し、光の波長レベルの微細なパターンの分離を良好にす
る技術である。したがって、最近はこの位相シフトマス
クの検査が重要になっている。
【0008】位相シフトマスクのようなハーフトーンマ
スクの欠陥検出感度は従来のCrパターンの欠陥検出感
度より劣っている。欠陥検出率の低い原因としては、位
相シフトマスクが低コントラストになっているため、比
較回路において、測定パターンデータと設計データと
を、白/黒の2値判定のアルゴリズムに従って比較する
方式では、無理があるからである。例えば、上述したハ
ーフトーンマスクでは、このフォトマスクが使用される
露光波長での遮光部の透過率は高々数%で、位相差は1
80度であるが、露光波長より波長の長い検査装置の波
長では数10%以上の透過率となってしまい、検査装置
の観察光学系としては、低コントラスト、低位相物体を
観察していることになっているからである。
【0009】上述したように、光露光方式には、光の波
長による解像度の限界があり、ディープUV光で位相シ
フトマスクを採用したとしても、0.1μm以下の像度
は実現できない。従って、X線を用いた露光技術が、紫
外線を用いた露光技術の次の世代の技術として有望視さ
れている。現在開発の進められているX線露光技術は、
図8に示すようにシンクロトロン放射リング52からの
シンクロトロン放射光(SOR光)を用い、X線ミラー
53、真空隔壁となるBe薄膜54等で構成されたビー
ムライン51を経て、ステッパーが内蔵された露光室5
7に導かれる。そして、ステッパーがこのSOR光(X
線)を用いて、半導体ウェハ25の表面に塗布されたフ
ォトレジスト膜を露光するシステムとなっており、通常
は等倍転写によって露光を行う。等倍転写の系を用いて
0.1μm以下の微細なパターンを転写する場合には、
パターンのぼけを抑制するために、通常20μm以下の
微少な間隙(ギャップ)をおいて、露光用マスク(露光
原版)となるX線マスク24と被露光基板となるウェハ
25を対向させて近接露光を行う必要がある。
【0010】しかし、実際のSOR光(X線)を用いた
露光の手順を考慮すると、X線マスク24とウェハ25
の相対位置を調整する作業が必要であり、このための移
動の際には10μm以下の距離に接近することが頻繁に
起こりうる。一方、被露光基板となるウェハ25の表面
には感光性の高分子樹脂であるレジストが塗布されてい
るため、X線マスク24の表面に高々10μm程度の異
物が存在していた場合でも、前述の様にX線マスク24
とウェハ25が移動の際に10μm程度まで接近する
と、ウェハ25の表面のレジストが削り取られるため、
パターン欠陥の原因となるばかりでなく、削り取られた
レジストが異物側に付着して異物の見かけの大きさが徐
々に大きくなり、やがては巨大に成長した異物が剥落し
てX線マスク24とウェハ25の間に巻き込まれること
により高々数μmの厚さしかないX線マスク24のX線
透過性基板(メンブレン)が破壊される事がある。
【0011】従来、このような問題に対処するためにい
くつかの手段が講じられている。例えば、通常のウェハ
用のゴミ検査装置を転用して、予め露光前のX線マスク
24の表面の異物を検査する方法があるが、このような
方法は、実際に異物の付着し易いエッジ近傍において
は、異物を検出することが困難である。また、ワイヤや
ナイフエッジ等をマスク表面近傍で走査することによ
り、物理的に異物を検出・除去する方法もあるが、この
場合、除去された異物が粉砕されて新たなパターン欠陥
を招く恐れがある。さらに付け加えるならば、上述の2
つの方法では、マスクが露光位置でない場所で異物の検
出を行う必要があるため、実際の露光位置にある状態で
の検出が出来ず、搬送途中で付着した異物や、前述の様
に露光中に形成あるいは成長した異物の検出が困難であ
るという問題がある。
【0012】このようなマスク表面の異物の付着の問題
は、X線露光の場合に限られず、光露光方式でも、近接
露光やコンタクト露光を行う場合には発生する問題であ
る。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】このように、従来、被
測定試料の主表面上に光透過性のある物質が薄く貼り付
いた灰色部分によるソフト欠陥は、検出し難いという問
題点があった。
【0014】同様に、位相シフトマスクの欠陥の検査
が、位相シフトパターンを有しないCrマスクの欠陥の
検査よりも検出感度が低下する問題があった。
【0015】さらに、X線露光等の近接露光方式やコン
タクト露光方式においてはマスク表面に付着した異物は
転写欠陥のみならず、高価なマスクの破壊の原因とさえ
なりうるにも拘わらず、エッジ近傍を含めたマスク表面
の異物の検出方法として有効な手段は容易に得られない
という問題があった。
【0016】特に実際の露光時の露光位置において、露
光中に形成あるいは成長した異物の検出を行うことが出
来ないという問題があった。
【0017】上記問題点を鑑み、本発明の目的は、位相
シフトマスクの欠陥検査やソフト欠陥の検出感度を向上
させることが可能な欠陥検査装置を提供することにあ
る。
【0018】本発明の他の目的は、被測定試料の主表面
の異物等の欠陥の検出を、非接触で行う事が可能な欠陥
検出装置を提供することにある。
【0019】本発明のさらに他の目的は、位相シフトマ
スクの欠陥検査やソフト欠陥の検出感度を向上させるこ
とが可能な欠陥検査方法を提供することにある。
【0020】本発明のさらに他の目的は、被測定試料の
主表面の異物等の欠陥の検出を、非接触で行う事が可能
な欠陥検出方法を提供することにある。
【0021】本発明のさらに他の目的は、露光用マスク
の主表面の異物等の欠陥の検出を、露光用マスクのエッ
ジ部分を含む全面で、非接触で行う事が出来、転写欠陥
の低減や、露光用マスクの破損の危険の回避を図る事が
可能な露光装置を提供することにある。
【0022】本発明のさらに他の目的は、露光用マスク
の主表面の異物等の欠陥の検出を、露光用マスクのエッ
ジ部分を含む全面で、非接触で行う事が出来、転写欠陥
の低減や、露光用マスクの破損の危険の回避を図る事が
可能な露光方法を提供することにある。
【0023】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、本発明の第1の特徴は、対向する第1及び第2の主
表面を有する透明な被測定試料の第2の主表面上に配置
されたパターンの欠陥を検出する装置であって、被測定
試料の屈折率と被測定試料の雰囲気の屈折率とで決定さ
れる全反射する角度となるように、被測定試料の第2の
主表面に対する被測定試料中での入射角を調整し、被測
定試料の側面方向から検査光を入射させる側面照明系
と、第2の主表面から出射した検査光を集光する光学系
と、光学系で集光された検査光を検出する検出器とから
少なくとも構成された欠陥検出装置であることである。
なお、本明細書においては、付着物質や異物と区別した
「狭義の欠陥」と、付着物質や異物及びこの「狭義の欠
陥」とを含む「広義の欠陥」の二通りの用語を用いてい
る。以下の第2乃至第6の特徴においても同様である
が、本発明の第1の特徴における欠陥は「広義の欠陥」
である。同様に、特許請求の範囲記載の欠陥は「広義の
欠陥」であることに留意されたい。また、本発明におけ
る「全反射する角度」とは、全反射臨界角θcとほぼ等
しいか、もしくは全反射臨界角θcより若干大きな入射
角を意味することに留意されたい。
【0024】従来の照明方法においては、マスク等の被
測定試料の主表面上(第2の主表面上)に薄く貼り付い
た光透過性の有る欠陥は、照明光の光量の減少があまり
無くそのまま光は透過してしまうため検出し難い。そこ
で、本発明の第1の特徴においては、被測定試料の側面
から被測定試料内へ照明光を誘導する。この時、被測定
試料内に誘導された照明光は、パターンの描かれている
第2の主表面で全反射する角度となるように光が入射す
るように設定されている。もし、この時、被測定試料面
に光透過性のある欠陥が付着していた場合、この部分で
の全反射の角度は全反射臨界角θcよりも大きくなり、
被測定試料面から欠陥内へ光が進入する事になる。そし
て、欠陥から漏れ出す光により、ソフト欠陥や位相シフ
トマスクが検出し易くなり欠陥検出の感度を向上させる
ものである。
【0025】本発明の第1の特徴は、従来検出し難い光
透過性のあるハーフトーンマスクの欠陥検出やソフト欠
陥等を、被測定試料の側面から検査光を照射し、被測定
試料面で全反射する角度で反射するようにし、被測定試
料面に付着している欠陥の所から漏れ出す検査光により
欠陥の検出を行うものである。したがって、本発明の第
1の特徴の方式は、従来技術の透過照明、反射照明の照
明光学系をそのまま用いることができる。即ち、従来の
照明光学系を使用して、従来技術と同様の検査を行い、
それでも検出し難い欠陥についての補助的な検査を本発
明の側面証明系を用いて実行する事によって、従来の照
明方法の利点はそのまま使用し、従来技術が苦手とした
位相シフトマスクの欠陥検査やソフト欠陥の検出パター
ンの欠陥検査等の検出感度を向上できる。この結果、総
合的な欠陥検出感度を向上させることができる。
【0026】本発明の第2の特徴は、被測定試料の主表
面に近接して配置された第1の主表面およびこの第1の
主表面に対向した第2の主表面とを有する光学素子と、
この光学素子の屈折率と光学素子の雰囲気の屈折率とで
決定される全反射する角度となるように、光学素子の第
2の主表面に対する光学素子中での入射角を調整し、検
査光を光学素子に入射させる照明系と、第2の主表面か
ら出射した検査光を集光する光学系と、この光学系で集
光された検査光を検出する検出器とから少なくとも構成
された欠陥検出装置であることである。
【0027】本発明の第2の特徴においては、光学素子
に検査光を入射し、光学素子の表面に減衰波(いわゆる
エバネッセント光)を形成する。この減衰波の到達距離
内に、光学素子の屈折率と異なる屈折率を有する欠陥が
存在すると、この欠陥が光学素子に直接接していなくて
も、減衰波の一部が散乱される。エバネッセント光は、
光学素子内の元々の検査光と異なる角度で伝播するが、
元々の検査光の入射角が全反射臨界角θcとほぼ同じ
か、もしくは全反射臨界角θcより若干大きな入射角に
設定されているので、散乱を受けた検査光の一部は再び
全反射を起こすこと無く、光学素子の第2の主表面から
放出される。そこで、この光学素子の第2の主表面から
放出される光を光学系を用いて検出器で検知する事によ
り、光学素子の表面の減衰波の到達領域内にある欠陥を
非接触のまま検知することが可能となる。したがって、
被測定試料破壊や破損の危険性を伴うことなく、被測定
試料のエッジ部分を含む全面で、簡単に被測定試料表面
の欠陥の検出をする事が出来る。
【0028】本発明の第3の特徴は、対向する第1及び
第2の主表面を有する透明な被測定試料の第2の主表面
上に配置されたパターンの欠陥を検出する方法であっ
て、被測定試料の屈折率と被測定試料の雰囲気の屈折率
とで決定される全反射する角度となるように、被測定試
料の第2の主表面に対する被測定試料中での入射角を調
整し、被測定試料の側面方向から検査光を入射させるス
テップと、第2の主表面から出射した検査光を集光する
ステップと、集光された検査光を検出するステップとか
ら少なくとも構成され欠陥検出方法であることである。
【0029】本発明の第3の特徴においては、本発明の
第1の特徴と同様な原理により、被測定試料面から欠陥
内へ光が進入する事になる。そして、欠陥から漏れ出す
光により、ソフト欠陥や位相シフトマスクが検出でき
る。
【0030】本発明の第3の特徴に係る欠陥検出方法に
よれば、従来の欠陥検出装置の透過照明、反射照明の照
明光学系をそのまま用いて、簡単に、従来技術が苦手と
した位相シフトマスクの欠陥検査やソフト欠陥の検出パ
ターンの欠陥検査の検出感度を向上できる。この結果、
総合的な欠陥検出感度を向上させることができる。
【0031】本発明の第4の特徴は、被測定試料の主表
面に近接して、第1の主表面およびこの第1の主表面に
対向した第2の主表面とを有する光学素子を配置するス
テップと、光学素子の屈折率と光学素子の雰囲気の屈折
率とで決定される全反射する角度となるように、光学素
子の第2の主表面に対する光学素子中での入射角を調整
し、検査光を光学素子に入射させるステップと、第2の
主表面から出射した検査光を集光するステップと、集光
された検査光を検出するステップとから少なくとも構成
された欠陥検出方法であることである。
【0032】本発明の第4の特徴によれば、本発明の第
2の特徴と同様な原理により、光学素子の第2の主表面
から放出される光を検知する事により、欠陥を非接触の
まま検知することが可能となる。したがって、被測定試
料破壊や破損の危険性を伴うことなく、被測定試料のエ
ッジ部分を含む全面で、簡単に被測定試料表面の欠陥の
検出をする事が出来る。
【0033】本発明の第5の特徴は、露光用マスクを保
持するマスクステージと、露光用マスクの主表面に近接
して配置された第1の主表面および第1の主表面に対向
した第2の主表面とを有する光学素子と、被露光基板お
よび光学素子とを保持するウェハステージと、露光用マ
スクと被露光基板との間隔および露光用マスクと光学素
子の第1の主表面との間隔を調整し、露光用マスクの位
置に被露光基板および光学素子を逐次移動する駆動機構
と、光学素子の屈折率と光学素子の雰囲気の屈折率とで
決定される全反射する角度となるように、第2の主表面
に対する光学素子中での入射角を調整し、検査光を光学
素子に入射させる照明系と、第2の主表面から出射した
検査光を集光する光学系と、この光学系で集光された検
査光を測定して、露光用マスクの主表面上の欠陥を検出
する検出器とから少なくとも構成された露光装置である
ことである。
【0034】本発明の第5の特徴によれば、本発明の第
2の特徴と同様な原理により、露光用マスクの主表面に
付着した欠陥を非接触のまま検知することが可能とな
る。したがって、露光用マスクの主表面の欠陥の検出
を、露光用マスクのエッジ部分を含む全面で、非接触で
行う事が出来、転写欠陥の低減や、高価で破損しやすい
露光用マスクの破損の危険の回避を図る事が可能とな
る。
【0035】本発明の第6の特徴は、露光用マスクの主
表面に近接して光学素子を配置するステップと、この光
学素子の屈折率と光学素子の雰囲気の屈折率とで決定さ
れる全反射する角度となるように、光学素子の一方の主
表面に対する光学素子中での入射角を調整し、検査光を
光学素子に入射させるステップと、第2の主表面から出
射した検査光を測定して、露光用マスクの主表面上の欠
陥を検出するステップとから少なくとも構成された露光
方法であることである。
【0036】本発明の第6の特徴によれば、本発明の第
2の特徴と同様な原理により、露光用マスクの主表面に
付着した欠陥を非接触のまま検知することが可能とな
る。したがって、露光用マスクの主表面の欠陥の検出
を、露光用マスクのエッジ部分を含む全面で、非接触で
行う事が出来、転写欠陥の低減や、高価で破損しやすい
露光用マスクの破損の危険の回避を図る事が可能とな
る。
【0037】例えば、露光用マスクが、露光の際に載置
される場所に新たに載置され、最初の被露光基板の露光
が行われる前に、少なくとも1回、欠陥を検出するステ
ップを行うようにすればよい。また、この少なくとも1
回の検査の後に、所定の露光処理毎に、露光用マスクの
検査を繰り返すようにしても良い。
【0038】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態を説明する。
【0039】(第1の実施の形態)図1に本発明の第1
の実施の形態に係る欠陥検査装置の照明光学系の概略図
を示す。本発明の第1の実施の形態に係る欠陥検査装置
は、対向する第1及び第2の主表面を有する透明な被測
定試料(フォトマスク)5の第2の主表面(図1におい
てフォトマスク5の下面)上に配置されたパターン6の
欠陥を検出する装置であって、被測定試料(フォトマス
ク)5の屈折率n2とフォトマスク5の雰囲気の屈折率
1とで決定される全反射臨界角θcとなるように、第2
の主表面に対するフォトマスク5中での入射角を調整
し、フォトマスク5の側面方向から検査光を入射させる
側面照明系4と、第2の主表面から出射した検査光を集
光する光学系(結像光学系)122と、光学系(結像光
学系)122で集光された検査光を検出する検出器7と
から少なくとも構成されている。側面照明系4は、光源
13と照明レンズ123、及び入射角を調整するための
照明レンズ123を移動させるゴニオメータ等の角度調
整機構(図示省略)とから構成されている。本発明の第
1の実施の形態に係る欠陥検査装置は、さらに、このフ
ォトマスク5を挟んで反対側(フォトマスク5の上面
側)に、透過照明光学系2を用意している。透過照明光
学系2は、光源11と照明レンズ121とから構成され
ている。
【0040】図示を省略しているが、本発明の第1の実
施の形態に係る欠陥検査装置は、さらに、ホスト計算機
とこれに接続された周辺機器からなる欠陥判定システム
を具備している。この欠陥判定システムにより、検出手
段7で観察されたデータと、このパターンを製作するた
めに用いた設計パターンデータとを適当な欠陥検出アル
ゴリズムによって比較される。すなわち、検出手段7に
はセンサ回路が接続され、検出手段7によって光電変換
された測定信号をセンサ回路等によりによってA/D変
換して測定パターンデータを生成するように構成されて
いる。一方、フォトマスク5上へのパターン6の形成時
に用いたパターン設計データは、磁気ディスク等のデー
タメモリに格納されている。ホスト計算機には、設計デ
ータ展開回路が接続され、設計データ展開回路にはフィ
ルタが接続されている。フィルタの出力とセンサ回路の
出力はともに比較回路に接続されている。
【0041】図1に示した欠陥検出装置における透過照
明の照明方法は、光源11を出た照明光が、透過照明系
2の照明レンズ121によりフォトマスク5を照射し、
マスクを透過した光が検出手段7により光の強度分布と
なって検出手段7により検出される。検出手段7上に結
像されたパターンの像は、検出手段7によって光電変換
され、測定信号を出力する。この測定信号はさらにセン
サ回路等によりによってA/D変換され、測定パターン
データを生成する。一方、データメモリに格納されたパ
ターン設計データは、ホスト計算機を通して設計データ
展開回路に読み出され、設計データ展開回路は、パター
ン設計データを2値データに変換し、このデータをフィ
ルタを介して比較回路に送る。フィルタは、送られてき
た図形のデータに適切なフィルタ処理を施す。これはセ
ンサ回路から得られた測定パターンデータは、拡大光学
系(結像光学系)122の解像特性や検出手段7のアパ
ーチャ効果等によってフィルタが作用した状態にあるた
め、設計側のデータにもフィルタ処理を施して、測定パ
ターンデータに合わせるためである。比較回路は、測定
パターンデータと適切なフィルタ処理の施された設計デ
ータとを適切なアルゴリズムに従って比較し、一致しな
い場合には、パターン欠陥有りと判定する。
【0042】また、光源13を出た照明光は、側面照明
系4の照明レンズ123により、フォトマスク5の右側
面よりマスク内へ誘導される。フォトマスク5の内部に
誘導された光は、図2(a)の様にマスク面内で光が全
反射するような全反射臨界角 θc≧sin-1(n2/n1) …(1) に設定されているので、フォトマスク5の第2の主表面
(下面)に何も付着物質が無ければ、光は全て反射し左
側面から出て行く事になる(なお、本発明の実施の形態
の記載においては、請求項記載の「広義の欠陥」ではな
く、「付着物質」や「異物」を明記して、より具体的に
説明する)。
【0043】もしこの時、図2(b)に示す様に、フォ
トマスク5の第2の主表面に屈折率n3(n3>n1)の
透過性のある物質100が付着していれば(例えばソフ
ト欠陥が生じた場合)、フォトマスク5の第2の主表面
で全反射していた光が付着物質100内へ進入し、付着
物質100の表面から大気(フォトマスク5の雰囲気)
中へ漏れる事になる。この光を結像光学系122で集光
し、検出手段7で検出すれば、付着物質100の有無が
判定できる。
【0044】また図2(c)の様に、フォトマスク5の
第2の主表面に屈折率n3(n3>n1)の光透過性のあ
る物質で位相シフト部101が作成されたハーフトーン
マスクの場合も同様である。この場合も、光源13を出
た照明光は、側面照明系4の照明レンズ123により、
フォトマスク5の右側面よりマスク内へ誘導される。フ
ォトマスク5の内部に誘導された光は、図2(c)の様
にマスク面内で光が全反射するような全反射臨界角θc
に設定されているので、フォトマスク5の第2の主表面
(下面)に位相シフト部101が無ければ、光は全て反
射し左側面から出て行く事になる。しかし、フォトマス
ク5の第2の主表面(下面)に位相シフト部101が形
成されていれば、位相シフト部101へ進入した光は、
位相シフト部の表面形状にもよるが、基本的には位相シ
フト部101のエッジ部分から漏れ出し、この漏れ出し
た光を結像光学系122で集光し、検出手段7で検出す
る事により位相シフト部の形状を認識する事ができる。
【0045】図3は本発明の第1の実施の形態の変形例
に係る欠陥検査装置の照明光学系の概略図を示す。この
変形例に係る欠陥検査装置は、図1の構成に加え、フォ
トマスク5の第2の主表面(下面)側に反射照明光学系
3を具備している。反射照明光学系3は、光源12、ハ
ーフミラー8及び結像光学系を兼ねた照射レンズ122
とから構成されている。
【0046】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る
欠陥検査装置においては、光源12から出た適当な波長
の照明光を、ハーフミラー8及び照射レンズ(結像光学
系)122を用いて、フォトマスク5に照射し、パター
ン6の描かれたフォトマスク5の第2の主表面(下面)
から反射してきた光を結像光学系122で集光し、検出
手段7で観察し、欠陥を検出できる。光源11を出た照
明光が、透過照明系2の照明レンズ121によりフォト
マスク5を照射し、マスクを透過した光を結像光学系1
22で集光し、検出手段7で観察し、欠陥を検出するの
は、図1と同様である。このようにして検出された光の
強度分布からフォトマスク5上のパターン6を測定し、
パターンデータとの比較などを行い、マスクに描画され
たパターンの欠陥を検出する。
【0047】さらに本発明の第1の実施の形態の変形例
に係る欠陥検査装置は、図1と同様に、側面照明系4を
有し、光源13を出た照明光は、側面照明系4の照明レ
ンズ123により、フォトマスク5の右側面よりフォト
マスク5の内部へ誘導される。フォトマスク5の内部へ
誘導された光は、図2(a)の様に、被測定試料(フォ
トマスク)5の屈折率n2とフォトマスク5の雰囲気の
屈折率n1とで決定される全反射臨界角θcとなるよう
に、第2の主表面に対するフォトマスク5中での入射角
を調整し、マスク面内で光が全反射するような全反射臨
界角θcに設定しておけば、フォトマスク5の第2の主
表面(下面)に何も付着物質が無ければ、光は全て反射
し左側面から出て行く事になる。しかし、フォトマスク
5の第2の主表面に透過性のある物質が付着していれ
ば、全反射すべき光が付着物質内へ進入し、付着物質の
表面から大気中へ漏れるので、付着物質の有無が判定で
きる。
【0048】なお、本発明の第1の実施の形態の欠陥検
査装置の側面照明系4は、図1及び図3に示すような光
源13、照明レンズ123から構成される構造に限定さ
れる必要はない。例えば、光ファイバー等を用いて、第
2の主表面に対する被測定試料中での入射角が全反射臨
界角θcとなるように、被測定試料の側面方向から検査
光を入射させてもよい。さらに、図1及び図3において
は、被測定試料の右側面から検査光を入射させた場合を
示したが、フォトマスクのような4角形の平板形状の被
測定試料であれば、4つの側面の内のいずれから検査光
を入射させてもよい。さらに、4つの側面の内の2以上
から検査光を入射させてもよい。4つの側面の内の全部
から検査光を入射させればより高感度な欠陥検出が可能
となる。
【0049】また、構造が若干複雑化するが、側面照明
系4に対する専用の結像光学系を、第2の主表面から出
射した検査光が最も効率よく集光できる位置に配置して
も良い。たとえば、この専用の結像光学系は、第2の主
表面から出射した検査光の光軸に沿って、被測定試料の
第2の主表面上に対して斜め方向となるように配置すれ
ば良い。さらに、この専用の結像光学系を光ファイバー
を含めて構成してもよい。
【0050】(第2の実施の形態)図4は本発明の第2
の実施の形態に係る欠陥検査装置の主要部分を示す断面
図である。そして、図4のプリズム部分82を拡大した
断面図を図5に示す。図4に示すように、本発明の第2
の実施の形態に係る欠陥検査装置は、被測定試料(X線
マスク)24の主表面に近接して配置された、第1の主
表面およびこの第1の主表面に対向した第2の主表面と
を有する光学素子(プリズム)82と、この光学素子の
屈折率n2と光学素子の雰囲気の屈折率n1とで決定され
る全反射臨界角θcとなるように、第2の主表面に対す
る光学素子(プリズム)82中での入射角を調整し、検
査光を光学素子(プリズム)82に入射させる照明系8
3a,83bと、第2の主表面から出射した検査光を集
光する光学系(結像光学系)122と、この光学系(結
像光学系)122で集光された検査光を検出する検出器
7とから少なくとも構成されている。
【0051】本発明の第2の実施の形態の欠陥検査装置
においては、シリコンの単結晶から形成された光学素子
であるプリズム82に赤外光を入射しプリズム82の表
面に減衰波(いわゆるエバネッセント光)を形成する。
プリズム82の表面の平坦度は、被測定試料(X線マス
ク)24の表面の平坦度と同程度か、それ以上であれば
良い。指数関数的に減衰するエバネッセント光の到達距
離(振幅が1/eになる距離)は、全反射臨界角θc
ほぼ同じ角度で光が入射した場合に最も大きくなり、そ
の大きさは波長の長さ程度にすることが可能である。こ
の減衰波の到達距離内に、異物のように、光学素子(プ
リズム)82の屈折率n2と異なる屈折率を有する物質
が存在すると、異物が光学素子(プリズム)82に直接
接していなくても、減衰波の一部が散乱される。エバネ
ッセント光は、プリズム82内の元々の光と異なる角度
で伝播するが、元々の光の入射角が全反射臨界角θc
ほぼ同じに設定されているので、散乱を受けた光の一部
は再び全反射を起こすこと無く、プリズム82の第2の
主表面(下面)から放出される。そこで、このプリズム
82の第2の主表面(下面)から放出される光を結像光
学系122を用いて検出器7で検知する事により、プリ
ズム82の表面の減衰波の到達領域内にある異物を非接
触のまま検知することが可能となる。この検知方法は、
消光状態の背景から輝点を検出するので、検出系のノイ
ズにも強く、検出感度も良いという特徴がある。
【0052】例えば、波長5μmの赤外線を検知光とし
て用いると、この波長に対するシリコンの屈折率n2
約3.423である。従って、全反射臨界角θcは空気
の屈折率n1=1として、 sinθc=n1/n2 =1/n2 …(2) より約17°である。この全反射臨界角θcが正確に設
定出来るように、赤外線照明光学系83a,83bに
は、出力光の角度を微調整する機構が備わっている。図
5に示すようにプリズム82に光を入射する際には、側
面で全反射させる方法が用いられるが、この全反射を可
能とするためには、 90−(α−90+θc)>θc …(3) すなわち、 α<2(90−θc) …(4) であることが要請される。また、検出光の分布に死角を
作らないためには、プリズム82のX線マスク24に対
向した部分の厚さをdとして、プリズム82の最大厚さ
Lの大きさが以下の条件を満たしている事が要請され
る。
【0053】 L>2d/(1−(tanαtanθc-1) …(5) 式(5)は正弦定理の応用である以下の式(6)を変形するこ
とにより得られる。
【0054】
【数1】 2dtanθc/sin(α−90+θc)<(L/sinα)/sin(90−θc) …(6) さらにプリズムへの入射角βは、プリズムの屈折率をn
2、雰囲気の屈折率をn1とすると、良く知られた屈折の
式を用いて、以下の条件を満たす必要があることがわか
る。
【0055】 n1sinβ=−n2sin(2α+θc) …(7) 良く用いられる垂直入射(β=0の近傍)の場合には、 2α+θc=180 …(8) すなわち、 α=90−θc/2 …(9) とすれば良い。
【0056】以上の条件に基づいて欠陥検査装置の設計
を行った。波長5μmの赤外光を検出光として用いた場
合、シリコンのプリズム82中の減衰波の到達距離は5
μm以上となる。本発明の第2の実施の形態において
は、赤外線検出器7の出力をモニターしつつ、面間隔測
定機能を有する位置決め機構を用いて、X線マスク24
の表面とプリズム82の表面を徐々に近づけることによ
り、異物がプリズム82に接触する前に、異物の存在を
検知する事が出来る。前述のように、通常のX線露光条
件でのX線マスク24とウェハの間隔は20μm以下で
ある。したがって、異物の検知の際には、X線マスク表
面とプリズム表面を約30μm離した状態から、たとえ
ば5μmまで近づける事により検査できる。
【0057】本発明の第2の実施の形態に係る欠陥検査
装置を用いたX線露光装置を図6に示す。図6に示すX
線露光装置はSOR光源52とビームライン51に接続
されたマスクステージ26とウェハステージ27から構
成されている。SOR光源52には、エネルギー600
MeVの電子が周回しているSORリングが用いられて
いる。SORリングの曲線部の曲率半径は0.66mで
ある。そして、露光用のX線として、このSORリング
52から輻射されたSOR光が、真空に排気されたビー
ムライン51に導かれる。ビームライン51を通る光
は、X線反射ミラー53により反射された後、真空隔壁
となる膜厚20μmのBe薄膜54を経て、一気圧のH
eで満たされた露光室57中に導かれる。
【0058】この露光室57の内部には、露光用マスク
(X線マスク)24を保持するマスクステージ26と、
被露光基板(ウェハ)25および光学素子(プリズム)
82とを保持するウェハステージ27と、図4に示した
欠陥検査装置93とが配置されている。
【0059】この露光室57中に導かれたSOR光は、
マスクステージ26のX線マスク24を透過し、被露光
基板となるウェハ25上に導かれる。このSOR光は、
ウェハ25上で、0.7nm程度にピークを持つ波長分
布の白色光である。また露光室57に充填されているH
eはHe循環精製部58に連結されており、露光室57
内のHe純度の低下をある程度抑制する機構となってい
る。
【0060】マスクステージ26上にはX線マスク24
を保持する機構と共に、X線マスク24とウェハステー
ジ27に保持されたウェハ25のアライメントとギャッ
プ設定を行う機構が備えられている。ウェハステージ2
7には被露光基板(ウェハ)25を保持する機構と共
に、欠陥検査装置93が備えられている。ウェハステー
ジ27上で、ウェハ25の表面と欠陥検査装置93のプ
リズム82の表面は、概略同一平面上に位置するように
構成されている。そしてウェハステージ駆動部56によ
り、ウェハ25のステップ・アンド・リピート動作だけ
でなく、欠陥検査装置93のプリズム82のマスク位置
への移動も行える様になっている。また、X線マスク2
4と欠陥検査装置93のプリズム82との間隔の測定・
制御は、露光装置が露光の際に使用するX線マスク24
とウェハ25の間隔の測定・制御装置を、そのまま利用
している。
【0061】図6に示すX線露光装置は、X線マスク2
4の主表面に近接して光学素子82を配置するステップ
と、全反射臨界角θcとなるように、光学素子82の一
方の主表面に対する光学素子82中での入射角を調整
し、検査光を光学素子82に入射させるステップと、第
2の主表面から出射した検査光を測定して、X線マスク
24の主表面上の異物を検出するステップとにより、異
物のないことを確認した後に、ウェハ25上のフォトレ
ジストをSOR光で露光する。具体的には、X線マスク
24がマスクステージ26に搭載された直後に、ウェハ
ステージ27上に設けられている本発明の欠陥検査装置
93の位置が、X線マスク24の位置まで、ウェハステ
ージ駆動部56により移動し、X線マスク24上に異物
のないことを確認する。このように、X線マスク24
が、マスクステージ26に新たに載置され、最初の被露
光基板(ウェハ)25の露光が行われる前に、少なくと
も1回、異物を検出する。そして、同一ロットの露光処
理中も、一枚のウェハ25の露光が終了する毎にウェハ
25のロード・アンロード時間を利用して、欠陥検査装
置93によりX線マスク24上に異物のないことを確認
する。これは前述のように、露光中に成長する可能性の
ある異物が存在するためである。但し、その間隔は一枚
毎である必要は無く、必要性に応じて変化させて構わな
い。これらの設定は、露光装置に接続されている制御系
60を用いて制御されている。
【0062】一方、異物の存在が確認された場合は、直
ちにX線マスク24を洗浄する必要がある。通常はX線
マスク24を一旦取り外し、洗浄装置を用いて洗浄を行
う。異物がオゾン(O3)処理等で分解可能な物であれ
ば、X線マスク24をマスクステージ26から取り外す
ことなく、その場での酸素(O2)を含む雰囲気でUV
ランプ61を用いて紫外線照射等を用いて洗浄すること
も可能である。酸素は酸素ボンベ62からマスフローコ
ントローラ63,バルブ64等を介して露光室57に導
入すればよい。図示を省略しているが好ましくは、X線
マスク24の近傍にまで酸素導入用の配管を設け、ノズ
ルを介してX線マスク24の表面に酸素を噴出させ、同
時にこの酸素にUVランプ61からの紫外線照射を行う
ことによりオゾンを発生させればよい。UVランプ61
はウェハステージ27に配設して、異物をオゾン処理す
る必要が生じれば、UVランプ61をX線マスク24の
位置へ、移動すればよい。つまり、UVランプ61は、
ウェハステージ駆動部56によりX線マスク24の位置
へ移動できるように構成されている。
【0063】以上のように本発明によりX線マスク24
の表面の異物の検出を、実際の露光位置において、X線
マスク24のエッジ部分を含む全面で、非接触で行う事
が可能となる。従って、転写欠陥の低減や、X線マスク
24の破壊の危険の回避を図る事が可能となった。
【0064】本発明の第2の実施の形態の実施に係る欠
陥検査装置93は、種々の変形が可能である。たとえば
X線マスク24の全面を同時に検査するためには、図4
のプリズム82の裏面の開口部がX線マスク24の表面
部分よりも大きい必要があるが、プリズム82を走査し
てX線マスク24の全面を検査する場合には、大きさの
制限はなく、小さいプリズム82を用いても構わない。
またプリズム82の材質に関しても、シリコン以外に
も、ゲルマニウム、ZnS、ZnSe、KRS−5(T
iBrI混晶)、溶融石英等、他の赤外光用光学材料を
用いる事が可能である。
【0065】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の欠陥検出
装置及び欠陥検出方法によれば、位相シフトマスクや、
レジストの様な光透過性のある欠陥が被測定試料の主表
面上に薄く貼り付いたソフト欠陥でも、有効に欠陥を検
出できる。
【0066】本発明の欠陥検出装置及び欠陥検出方法に
よれば、被測定試料の主表面の欠陥の検出を、非接触で
行う事が可能となる。
【0067】本発明の露光装置及び露光方法によれば、
露光用マスクの主表面の欠陥の検出を、露光用マスクの
エッジ部分を含む全面で、非接触で行う事が出来、転写
欠陥の低減や、露光用マスクの破損の危険の回避を図る
事が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る欠陥検査装置
の概略構成図である。
【図2】図2(a)は図1に示した検査装置でフォトマ
スクを側面から照明する方法を説明するための図、図2
(b)はマスク面に透過性のある物質が付着していた場
合の説明図、図2(c)はハーフトーンマスクの位相シ
フト部を照明した場合の説明図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態の変形例に係る欠陥
検査装置の概略構成図である。
【図4】本発明の第2の実施の形態に係る欠陥検査装置
の概略構成図である。
【図5】図4に示した欠陥検査装置の検査原理を説明す
るための光路を示す図である。
【図6】図4に示した欠陥検査装置を用いたX線露光装
置の概略構成図である。
【図7】従来の欠陥検査装置の概略構成図である。
【図8】従来のX線露光装置の概略構成図である。
【符号の説明】
2 透過照明系 3 反射照明系 4 側面照明系 5 被測定試料(フォトマスク) 6 パターン 7 検出器 8 ハーフミラー 11,12,13 光源 24 X線マスク 25 ウェハ 26 マスクステージ 27 ウェハステージ 51 ビームライン 52 SOR光源 53 X線反射ミラー 54 Be薄膜 55 マスクステージ駆動部 56 ウェハステージ駆動部 57 露光室 58 He循環精製部 59 ミラー駆動部 60 制御系 61 UVランプ 62 O2ボンベ 63 マスフローコントローラ 64,65 バルブ 82 プリズム 83a,83b 赤外線照明光学系 84a,84b 赤外線光源 93 欠陥検査装置 100 付着物質 101 位相シフト部 121,123 照明レンズ 122 結像光学系

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 対向する第1及び第2の主表面を有する
    透明な被測定試料の前記第2の主表面上に配置されたパ
    ターンの欠陥を検出する装置であって、 前記被測定試料の屈折率と前記被測定試料の雰囲気の屈
    折率とで決定される全反射する角度となるように、前記
    第2の主表面に対する前記被測定試料中での入射角を調
    整し、前記被測定試料の側面方向から検査光を入射させ
    る側面照明系と、 前記第2の主表面から出射した前記検査光を集光する光
    学系と、 該光学系で集光された前記検査光を検出する検出器とか
    ら少なくとも構成されたことを特徴とする欠陥検出装
    置。
  2. 【請求項2】 被測定試料の主表面に近接して配置され
    た第1の主表面および該第1の主表面に対向した第2の
    主表面とを有する光学素子と、 該光学素子の屈折率と該光学素子の雰囲気の屈折率とで
    決定される全反射する角度となるように、前記第2の主
    表面に対する該光学素子中での入射角を調整し、前記検
    査光を該光学素子に入射させる照明系と、 前記第2の主表面から出射した前記検査光を集光する光
    学系と、 該光学系で集光された前記検査光を検出する検出器とか
    ら少なくとも構成されたことを特徴とする欠陥検出装
    置。
  3. 【請求項3】 対向する第1及び第2の主表面を有する
    透明な被測定試料の前記第2の主表面上に配置されたパ
    ターンの欠陥を検出する方法であって、 前記被測定試料の屈折率と前記被測定試料の雰囲気の屈
    折率とで決定される全反射する角度となるように、前記
    第2の主表面に対する前記被測定試料中での入射角を調
    整し、前記被測定試料の側面方向から検査光を入射させ
    るステップと、 前記第2の主表面から出射した前記検査光を集光するス
    テップと、 集光された前記検査光を検出するステップとから少なく
    とも構成されたことを特徴とする欠陥検出方法。
  4. 【請求項4】 被測定試料の主表面に近接して、第1の
    主表面および該第1の主表面に対向した第2の主表面と
    を有する光学素子を配置するステップと、 該光学素子の屈折率と該光学素子の雰囲気の屈折率とで
    決定される全反射する角度となるように、前記第2の主
    表面に対する該光学素子中での入射角を調整し、前記検
    査光を該光学素子に入射させるステップと、 前記第2の主表面から出射した前記検査光を集光するス
    テップと、 集光された前記検査光を検出するステップとから少なく
    とも構成されたことを特徴とする欠陥検出方法。
  5. 【請求項5】 露光用マスクを保持するマスクステージ
    と、 前記露光用マスクの主表面に近接して配置された第1の
    主表面および該第1の主表面に対向した第2の主表面と
    を有する光学素子と、 被露光基板および前記光学素子とを保持するウェハステ
    ージと、 前記露光用マスクと前記被露光基板との間隔および前記
    露光用マスクと前記光学素子の前記第1の主表面との間
    隔を調整し、前記露光用マスクの位置に前記被露光基板
    および前記光学素子を逐次移動する駆動機構と該光学素
    子の屈折率と該光学素子の雰囲気の屈折率とで決定され
    る全反射する角度となるように、前記第2の主表面に対
    する該光学素子中での入射角を調整し、前記検査光を該
    光学素子に入射させる照明系と、 前記第2の主表面から出射した前記検査光を集光する光
    学系と、 該光学系で集光された前記検査光を測定して、前記露光
    用マスクの主表面上の欠陥を検出する検出器とから少な
    くとも構成されたことを特徴とするた露光装置。
  6. 【請求項6】 露光用マスクの主表面に近接して光学素
    子を配置するステップと、 該光学素子の屈折率と該光学素子の雰囲気の屈折率とで
    決定される全反射する角度となるように、該光学素子の
    一方の主表面に対する該光学素子中での入射角を調整
    し、検査光を該光学素子に入射させるステップと、 前記第2の主表面から出射した前記検査光を測定して、
    前記露光用マスクの主表面上の欠陥を検出するステップ
    とから少なくとも構成されたことを特徴とする露光方
    法。
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JP2010145993A (ja) * 2008-12-17 2010-07-01 Asml Holding Nv Euvマスク検査システム

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