JP2000098073A - 長半減期放射性物質の消滅用集合体 - Google Patents
長半減期放射性物質の消滅用集合体Info
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- Y02E30/30—Nuclear fission reactors
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- Monitoring And Testing Of Nuclear Reactors (AREA)
Abstract
(57)【要約】
【課題】 原子炉で発生した長半減期放射性物質(テク
ネチウム−99あるいはヨウ素−129等の長半減期F
P核種)を、原子炉で効率よく消滅でき、製作し易く、
検査なども容易で、コスト低減を図ることができる長半
減期放射性物質の消滅用集合体を得る。 【解決手段】 長半減期FP核種を含む金属、合金、又
は化合物からなる長半減期放射性物質の線状体22の周
りを減速材物質24で囲み、それを被覆管26内に収め
てFP入りピン20とし、そのFP入りピンのみをラッ
パ管28内に収容して長半減期放射性物質の消滅用集合
体30とする。前記線状体は、複数本分散して配置し、
その周りを減速材物質で囲む構成でもよい。長半減期放
射性物質は薄肉筒状体としてもよい。このような長半減
期放射性物質の消滅用集合体は、高速炉のブランケット
領域に装荷するのが最適である。
ネチウム−99あるいはヨウ素−129等の長半減期F
P核種)を、原子炉で効率よく消滅でき、製作し易く、
検査なども容易で、コスト低減を図ることができる長半
減期放射性物質の消滅用集合体を得る。 【解決手段】 長半減期FP核種を含む金属、合金、又
は化合物からなる長半減期放射性物質の線状体22の周
りを減速材物質24で囲み、それを被覆管26内に収め
てFP入りピン20とし、そのFP入りピンのみをラッ
パ管28内に収容して長半減期放射性物質の消滅用集合
体30とする。前記線状体は、複数本分散して配置し、
その周りを減速材物質で囲む構成でもよい。長半減期放
射性物質は薄肉筒状体としてもよい。このような長半減
期放射性物質の消滅用集合体は、高速炉のブランケット
領域に装荷するのが最適である。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、長半減期放射性物
質を消滅処理するために高速炉に装荷する集合体に関
し、更に詳しく述べると、長半減期FP(fission prod
ucts:核分裂生成物)核種を含む放射性物質の周りを減
速材物質で囲み被覆管内に収めたFP入りピンのみで構
成した長半減期放射性物質の消滅用集合体に関するもの
である。
質を消滅処理するために高速炉に装荷する集合体に関
し、更に詳しく述べると、長半減期FP(fission prod
ucts:核分裂生成物)核種を含む放射性物質の周りを減
速材物質で囲み被覆管内に収めたFP入りピンのみで構
成した長半減期放射性物質の消滅用集合体に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】原子力利用に伴い、長半減期核分裂生成
物が発生することは避けられない。核分裂生成物等をガ
ラス固化して処分する高レベル放射性廃棄物のなかに
は、テクネチウム−99及びヨウ素−129という、半
減期がそれぞれ約21万年及び約1600万年の長半減
期の放射性FP核種が含まれている。テクネチウム−9
9は、水に溶ける性質があり、地層処分の際、長年月を
経る間にTcO4 - などのイオンの形で障壁から溶け出
すことが懸念される。またヨウ素−129は、固定化し
て地層処分する場合の安全性を地下水移行の観点から検
討すると、溶解度が大きく、障壁による吸収が小さいな
どの問題がある。このため、環境負荷低減の観点から、
これらの長半減期FP核種は、最終処分を行う前に何ら
かの方法で安定な核種へ変換することが望まれる。因み
に、上記のテクネチウム−99及びヨウ素−129は、
中性子吸収反応によって、放射線を出さない安定なルテ
ニウム及びキセノンに変換できる。
物が発生することは避けられない。核分裂生成物等をガ
ラス固化して処分する高レベル放射性廃棄物のなかに
は、テクネチウム−99及びヨウ素−129という、半
減期がそれぞれ約21万年及び約1600万年の長半減
期の放射性FP核種が含まれている。テクネチウム−9
9は、水に溶ける性質があり、地層処分の際、長年月を
経る間にTcO4 - などのイオンの形で障壁から溶け出
すことが懸念される。またヨウ素−129は、固定化し
て地層処分する場合の安全性を地下水移行の観点から検
討すると、溶解度が大きく、障壁による吸収が小さいな
どの問題がある。このため、環境負荷低減の観点から、
これらの長半減期FP核種は、最終処分を行う前に何ら
かの方法で安定な核種へ変換することが望まれる。因み
に、上記のテクネチウム−99及びヨウ素−129は、
中性子吸収反応によって、放射線を出さない安定なルテ
ニウム及びキセノンに変換できる。
【0003】長半減期FP核種であるテクネチウム−9
9及びヨウ素−129の中性子吸収断面積は、高速中性
子エネルギーより熱中性子エネルギーが大きく、また低
いエネルギー領域(5eV近傍等)に大きな共鳴吸収領
域があるという特徴がある。このため、これら長半減期
FP核種を中性子吸収反応により消滅させるには、核分
裂で生成した高速中性子をある程度減速させて、共鳴エ
ネルギー中性子や熱中性子として使用するのがよい。
9及びヨウ素−129の中性子吸収断面積は、高速中性
子エネルギーより熱中性子エネルギーが大きく、また低
いエネルギー領域(5eV近傍等)に大きな共鳴吸収領
域があるという特徴がある。このため、これら長半減期
FP核種を中性子吸収反応により消滅させるには、核分
裂で生成した高速中性子をある程度減速させて、共鳴エ
ネルギー中性子や熱中性子として使用するのがよい。
【0004】長半減期FP核種を消滅させる原子炉とし
ては、熱中性子炉や高速中性子炉が考えられる。熱中性
子炉では、減速された中性子を使用するため、テクネチ
ウム−99やヨウ素−129を含んだピンを炉心に装荷
することにより、ある程度これらの核種を消滅させるこ
とが可能である。しかし、高速炉では、高速中性子を減
速させる必要があり、これら長半減期FP核種の消滅に
は、長半減期FP核種と減速材を混在させた集合体を用
いていた。
ては、熱中性子炉や高速中性子炉が考えられる。熱中性
子炉では、減速された中性子を使用するため、テクネチ
ウム−99やヨウ素−129を含んだピンを炉心に装荷
することにより、ある程度これらの核種を消滅させるこ
とが可能である。しかし、高速炉では、高速中性子を減
速させる必要があり、これら長半減期FP核種の消滅に
は、長半減期FP核種と減速材を混在させた集合体を用
いていた。
【0005】この消滅用集合体は、従来技術では、図6
に示すように、ラッパ管10内に、減速材ピン12とF
Pを含有させたFPピン14を分散配置した構成であ
る。ここで、減速材ピン12は減速材物質のみを被覆管
に収めたものであり、FP入りピン14は長半減期FP
核種を含む物質のみを被覆管に収めたものである。
に示すように、ラッパ管10内に、減速材ピン12とF
Pを含有させたFPピン14を分散配置した構成であ
る。ここで、減速材ピン12は減速材物質のみを被覆管
に収めたものであり、FP入りピン14は長半減期FP
核種を含む物質のみを被覆管に収めたものである。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このような構造の消滅
用集合体を高速炉のブランケット領域に装荷した場合、
長半減期FP核種の消滅率は2〜2.5%程度であり、
あまり大きな値が得られない。これは、FP入りピンに
おける中性子自己遮蔽効果が大きく、核分裂生成物と中
性子との核反応は表面でのみ起こり、中性子がFPピン
の奥まで入り込めないことが原因となっていると考えら
れる。この問題は、FPピンを細くすることで、ある程
度解決できるが、その構成では、必要なピン本数が多く
なることから、製作性が悪く、経済性の低下などの問題
も生じる。
用集合体を高速炉のブランケット領域に装荷した場合、
長半減期FP核種の消滅率は2〜2.5%程度であり、
あまり大きな値が得られない。これは、FP入りピンに
おける中性子自己遮蔽効果が大きく、核分裂生成物と中
性子との核反応は表面でのみ起こり、中性子がFPピン
の奥まで入り込めないことが原因となっていると考えら
れる。この問題は、FPピンを細くすることで、ある程
度解決できるが、その構成では、必要なピン本数が多く
なることから、製作性が悪く、経済性の低下などの問題
も生じる。
【0007】更に従来構造では、集合体内のFPピンと
減速材ピンの配置が複雑で、その点でも製作性が悪い
し、検査が煩雑になる欠点もある。
減速材ピンの配置が複雑で、その点でも製作性が悪い
し、検査が煩雑になる欠点もある。
【0008】本発明の目的は、原子炉で発生した長半減
期放射性物質(特に、テクネチウム−99あるいはヨウ
素−129等の長半減期FP核種)を、原子炉で効率よ
く消滅できる(核変換によって安定核種に変換する)集
合体を提供することである。本発明の他の目的は、製作
し易く、検査なども容易で、コスト低減を図ることがで
きる長半減期放射性物質の消滅用集合体を提供すること
である。
期放射性物質(特に、テクネチウム−99あるいはヨウ
素−129等の長半減期FP核種)を、原子炉で効率よ
く消滅できる(核変換によって安定核種に変換する)集
合体を提供することである。本発明の他の目的は、製作
し易く、検査なども容易で、コスト低減を図ることがで
きる長半減期放射性物質の消滅用集合体を提供すること
である。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、長半減期FP
核種を含む金属、合金、又は化合物からなる長半減期放
射性物質の線状体の周りを減速材物質で囲み、それを被
覆管内に収めてFP入りピンとし、該FP入りピンのみ
をラッパ管内に収容した長半減期放射性物質の消滅用集
合体である。長半減期放射性物質の線状体は、複数本分
散して配置し、その周りを減速材物質で囲む構成でもよ
い。
核種を含む金属、合金、又は化合物からなる長半減期放
射性物質の線状体の周りを減速材物質で囲み、それを被
覆管内に収めてFP入りピンとし、該FP入りピンのみ
をラッパ管内に収容した長半減期放射性物質の消滅用集
合体である。長半減期放射性物質の線状体は、複数本分
散して配置し、その周りを減速材物質で囲む構成でもよ
い。
【0010】あるいは長半減期FP核種を含む金属、合
金、又は化合物からなる長半減期放射性物質の単一もし
くは複数の薄肉筒状体の内外を減速材物質で囲み、それ
を被覆管内に収めてFP入りピンとし、該FP入りピン
のみをラッパ管内に収容した構造としてもよい。
金、又は化合物からなる長半減期放射性物質の単一もし
くは複数の薄肉筒状体の内外を減速材物質で囲み、それ
を被覆管内に収めてFP入りピンとし、該FP入りピン
のみをラッパ管内に収容した構造としてもよい。
【0011】このような長半減期放射性物質の消滅用集
合体は、高速炉の炉心燃料集合体、ブランケット集合
体、遮蔽体集合体のいずれかと置き換えて装荷し、消滅
処理する。余剰中性子を有効に利用し、炉心特性への影
響を少なくするという観点からは、ブランケット領域へ
の装荷が最適である。
合体は、高速炉の炉心燃料集合体、ブランケット集合
体、遮蔽体集合体のいずれかと置き換えて装荷し、消滅
処理する。余剰中性子を有効に利用し、炉心特性への影
響を少なくするという観点からは、ブランケット領域へ
の装荷が最適である。
【0012】
【発明の実施の態様】図1は本発明に係る長半減期放射
性物質の消滅用集合体とそれに組み込むFP入りピンの
一例を示す横断面図である。FP入りピン20は、長半
減期FP核種を含む金属、合金、又は化合物からなる1
本の長半減期放射性物質の線状体22を中心に配し、そ
の周りを減速材物質24で囲んでペレット状あるいはロ
ッド状とし、それを被覆管26内に収めた構造とする。
そして、多数本の該FP入りピン20のみを束ねるよう
に配列して六角筒状のラッパ管28内に収容して長半減
期放射性物質の消滅用集合体30とする。
性物質の消滅用集合体とそれに組み込むFP入りピンの
一例を示す横断面図である。FP入りピン20は、長半
減期FP核種を含む金属、合金、又は化合物からなる1
本の長半減期放射性物質の線状体22を中心に配し、そ
の周りを減速材物質24で囲んでペレット状あるいはロ
ッド状とし、それを被覆管26内に収めた構造とする。
そして、多数本の該FP入りピン20のみを束ねるよう
に配列して六角筒状のラッパ管28内に収容して長半減
期放射性物質の消滅用集合体30とする。
【0013】長半減期FP核種としては、テクネチウム
−99やヨウ素−129がある。それらを含む金属、合
金、化合物の形で使用する。例えば、テクネチウムの場
合にはTc(金属)やTcO2 など、ヨウ素の場合には
AgI,NaI,PdI2 ,あるいはCeI3 などであ
る。これら長半減期放射性物質の線状体22は、直径1
〜2mm程度とするのがよい。これによって、中性子を適
度に減速するとともに中性子の自己遮蔽効果(中性子が
FPの中まで入り込むのを防ぐ効果)をなるべく少なく
して、高い消滅率を達成できるようにしている。また、
直径1mm程度以上であれば、比較的容易に製造できる。
なお、減速材物質24としては、例えば水素化ジルコニ
ウムや酸化ベリリウム等を用いる。
−99やヨウ素−129がある。それらを含む金属、合
金、化合物の形で使用する。例えば、テクネチウムの場
合にはTc(金属)やTcO2 など、ヨウ素の場合には
AgI,NaI,PdI2 ,あるいはCeI3 などであ
る。これら長半減期放射性物質の線状体22は、直径1
〜2mm程度とするのがよい。これによって、中性子を適
度に減速するとともに中性子の自己遮蔽効果(中性子が
FPの中まで入り込むのを防ぐ効果)をなるべく少なく
して、高い消滅率を達成できるようにしている。また、
直径1mm程度以上であれば、比較的容易に製造できる。
なお、減速材物質24としては、例えば水素化ジルコニ
ウムや酸化ベリリウム等を用いる。
【0014】長半減期放射性物質の線状体22を減速材
物質24で囲んだペレットあるいはロッドは、被覆管2
6のほぼ全長にわたって挿入され、通常の燃料ピンと同
様、上下両端が端栓で密封される。このようなFP入り
ピン20のみを多数本規則的に配列して収容するラッパ
管28は、通常の燃料集合体で用いられているラッパ管
と同様の構造であり、下部にエントランスノズルを有
し、上部には燃料取扱機で装荷作業が可能なようにハン
ドリングヘッドが設けられ、内部を冷却材が流通できる
ようになっている。
物質24で囲んだペレットあるいはロッドは、被覆管2
6のほぼ全長にわたって挿入され、通常の燃料ピンと同
様、上下両端が端栓で密封される。このようなFP入り
ピン20のみを多数本規則的に配列して収容するラッパ
管28は、通常の燃料集合体で用いられているラッパ管
と同様の構造であり、下部にエントランスノズルを有
し、上部には燃料取扱機で装荷作業が可能なようにハン
ドリングヘッドが設けられ、内部を冷却材が流通できる
ようになっている。
【0015】図2にFP入りピンの他の例を示す。長半
減期放射性物質の線状体32を複数本(ここでは7本)
分散配列し、その周りを減速材物質34で囲んでペレッ
トあるいはロッドとし、被覆管38内に充填する。長半
減期放射性物質の線状体32を多数本挿入することで消
滅量を大きくできる。この場合も、長半減期放射性物質
の線状体32の直径は、1〜2mm程度とするのがよい。
なお、長半減期放射性物質の線状体32の設置本数及び
設置位置は任意であり適宜変更できることは言うまでも
ない。
減期放射性物質の線状体32を複数本(ここでは7本)
分散配列し、その周りを減速材物質34で囲んでペレッ
トあるいはロッドとし、被覆管38内に充填する。長半
減期放射性物質の線状体32を多数本挿入することで消
滅量を大きくできる。この場合も、長半減期放射性物質
の線状体32の直径は、1〜2mm程度とするのがよい。
なお、長半減期放射性物質の線状体32の設置本数及び
設置位置は任意であり適宜変更できることは言うまでも
ない。
【0016】図3にFP入りピンの更に他の例を示す。
これらA〜Cに示す例では長半減期放射性物質の薄肉円
筒状体を用いる。同図のAは、直径がやや小さめの長半
減期放射性物質の薄肉円筒状体42を中心に配置し、そ
の内外を減速材物質44で囲んでペレットあるいはロッ
ドとし、被覆管46内に充填する構造である。同図のB
では、直径がやや大きめ長半減期放射性物質の薄肉円筒
状体48を配置し、その内外を減速材物質44で囲んで
ペレットあるいはロッドとし、被覆管46内に充填する
例である。更に同図のCは、それら大小2個の長半減期
放射性物質の薄肉円筒状体42,48を同心状に配置
し、それらの内外を減速材物質44で囲んでペレットあ
るいはロッドとし、被覆管46内に充填する構成であ
る。長半減期放射性物質の薄肉円筒状体を複数挿入する
ことで消滅量を大きくできる。これらの場合、長半減期
放射性物質の薄肉円筒状体は、肉厚1〜2mm程度とする
のがよい。この構成も、中性子の自己遮蔽効果を小さく
して、消滅率を高くするのに適している。また、肉厚1
mm程度以上であれば、比較的容易に製造できる。
これらA〜Cに示す例では長半減期放射性物質の薄肉円
筒状体を用いる。同図のAは、直径がやや小さめの長半
減期放射性物質の薄肉円筒状体42を中心に配置し、そ
の内外を減速材物質44で囲んでペレットあるいはロッ
ドとし、被覆管46内に充填する構造である。同図のB
では、直径がやや大きめ長半減期放射性物質の薄肉円筒
状体48を配置し、その内外を減速材物質44で囲んで
ペレットあるいはロッドとし、被覆管46内に充填する
例である。更に同図のCは、それら大小2個の長半減期
放射性物質の薄肉円筒状体42,48を同心状に配置
し、それらの内外を減速材物質44で囲んでペレットあ
るいはロッドとし、被覆管46内に充填する構成であ
る。長半減期放射性物質の薄肉円筒状体を複数挿入する
ことで消滅量を大きくできる。これらの場合、長半減期
放射性物質の薄肉円筒状体は、肉厚1〜2mm程度とする
のがよい。この構成も、中性子の自己遮蔽効果を小さく
して、消滅率を高くするのに適している。また、肉厚1
mm程度以上であれば、比較的容易に製造できる。
【0017】長半減期放射性物質の消滅用集合体は、こ
れらのうちの1種類のFP入りピンのみを用いて構成で
きる。そのため、消滅用集合体の製造や検査が単純にな
り、コスト低減を図ることができる。
れらのうちの1種類のFP入りピンのみを用いて構成で
きる。そのため、消滅用集合体の製造や検査が単純にな
り、コスト低減を図ることができる。
【0018】これら消滅用集合体の高速炉炉心への装荷
としては、炉心領域、ブランケット領域、遮蔽体領域が
考えられる。即ち、炉心領域に一部に装荷すること、ブ
ランケット領域の一部に装荷すること、遮蔽体領域の一
部に装荷すること、あるいはそれらの自由な組み合わせ
がある。しかし、余剰中性子を有効に利用し、炉心特性
への影響を少なくするという観点からは、ブランケット
領域に装荷することが最適である。特にブランケット領
域に装荷する場合には、全てのブランケット集合体をこ
の消滅用集合体で置き換えることができる。
としては、炉心領域、ブランケット領域、遮蔽体領域が
考えられる。即ち、炉心領域に一部に装荷すること、ブ
ランケット領域の一部に装荷すること、遮蔽体領域の一
部に装荷すること、あるいはそれらの自由な組み合わせ
がある。しかし、余剰中性子を有効に利用し、炉心特性
への影響を少なくするという観点からは、ブランケット
領域に装荷することが最適である。特にブランケット領
域に装荷する場合には、全てのブランケット集合体をこ
の消滅用集合体で置き換えることができる。
【0019】
【実施例】長半減期放射性物質の消滅用集合体をブラン
ケット領域に装荷した高速炉について、モンテカルロコ
ードにより詳細解析を行った。その結果を表1に示す。
本発明として想定している消滅用集合体(本発明1及び
2)は、図1に示すような構造であり、長半減期のテク
ネチウム−99を細い金属線に加工し、その周りを水素
化ジルコニウムの減速材物質で囲んでペレットにしたも
のを被覆管内に収めてFP入りピンとし、そのFP入り
ピンのみを束ねるように配列してラッパ管内に収容した
ものである。この消滅用集合体を図4及び図5に示すよ
うな100万kWe高速炉のブランケット領域に装荷
し、1年間の消滅率を求めた。図4は高速炉炉心構成と
消滅用集合体の装荷位置を示しており、図5は炉心の寸
法を示している。ここでは径ブランケットの位置に消滅
用集合体を装荷している。また、比較のために、図6に
示す従来構造の長半減期放射性物質の消滅用集合体(従
来例1及び2)を用いた場合についても、同様に解析し
た。
ケット領域に装荷した高速炉について、モンテカルロコ
ードにより詳細解析を行った。その結果を表1に示す。
本発明として想定している消滅用集合体(本発明1及び
2)は、図1に示すような構造であり、長半減期のテク
ネチウム−99を細い金属線に加工し、その周りを水素
化ジルコニウムの減速材物質で囲んでペレットにしたも
のを被覆管内に収めてFP入りピンとし、そのFP入り
ピンのみを束ねるように配列してラッパ管内に収容した
ものである。この消滅用集合体を図4及び図5に示すよ
うな100万kWe高速炉のブランケット領域に装荷
し、1年間の消滅率を求めた。図4は高速炉炉心構成と
消滅用集合体の装荷位置を示しており、図5は炉心の寸
法を示している。ここでは径ブランケットの位置に消滅
用集合体を装荷している。また、比較のために、図6に
示す従来構造の長半減期放射性物質の消滅用集合体(従
来例1及び2)を用いた場合についても、同様に解析し
た。
【0020】
【表1】
【0021】表1において、従来例のFP入りピンとは
長半減期放射性物質のみが充填されたピンをいい、本発
明のFP入りピンとは長半減期放射性物質の線状体の周
りを減速材物質で囲んだペレットを充填したFP入りピ
ンをいう。従って、従来例のFP物質半径はピン半径に
一致し、本発明のFP物質半径は線状体の半径であって
実際のピン(FR入りピン)の直径は、従来例と同じ1
0mmである。
長半減期放射性物質のみが充填されたピンをいい、本発
明のFP入りピンとは長半減期放射性物質の線状体の周
りを減速材物質で囲んだペレットを充填したFP入りピ
ンをいう。従って、従来例のFP物質半径はピン半径に
一致し、本発明のFP物質半径は線状体の半径であって
実際のピン(FR入りピン)の直径は、従来例と同じ1
0mmである。
【0022】表1から、従来構造の消滅用集合体を用い
た場合には、消滅率は低く(1.8〜2.5%/年)あ
まり効果的でない。それに対して本発明の長半減期放射
性物質の消滅用集合体を用いた場合には、集合体内のピ
ン本数によらず、9〜10%/年の高い消滅率が達成で
きた。これは、従来構造の消滅用集合体を用いた場合に
比べて、4〜5倍の高い値である。
た場合には、消滅率は低く(1.8〜2.5%/年)あ
まり効果的でない。それに対して本発明の長半減期放射
性物質の消滅用集合体を用いた場合には、集合体内のピ
ン本数によらず、9〜10%/年の高い消滅率が達成で
きた。これは、従来構造の消滅用集合体を用いた場合に
比べて、4〜5倍の高い値である。
【0023】解析結果などから、本発明において消滅用
集合体内のピン本数は、表1に示したように、127〜
271本程度までは可能である。ピンに組み込む長半減
期放射性物質の線状体の直径は、この例では1.3mmと
したが、1〜2mm程度であればよい。
集合体内のピン本数は、表1に示したように、127〜
271本程度までは可能である。ピンに組み込む長半減
期放射性物質の線状体の直径は、この例では1.3mmと
したが、1〜2mm程度であればよい。
【0024】
【発明の効果】本発明は上記のように、線状もしくは薄
肉筒状の長半減期放射性物質の周りを減速材物質で囲ん
で被覆管内に収めたFP入りピンのみで構成した消滅用
集合体であるから、長半減期FP核種の消滅率を非常に
高くすることができる。また、同種のFP入りピンのみ
で消滅用集合体を構成できるため、製造や検査が容易と
なり、それらにかかるコストを低減できる。
肉筒状の長半減期放射性物質の周りを減速材物質で囲ん
で被覆管内に収めたFP入りピンのみで構成した消滅用
集合体であるから、長半減期FP核種の消滅率を非常に
高くすることができる。また、同種のFP入りピンのみ
で消滅用集合体を構成できるため、製造や検査が容易と
なり、それらにかかるコストを低減できる。
【図1】本発明に係る長半減期放射性物質の消滅用集合
体及びそれに組み込むFP入りピンの一例を示す横断面
図。
体及びそれに組み込むFP入りピンの一例を示す横断面
図。
【図2】長半減期放射性物質の消滅用集合体に組み込む
FP入りピンの他の例を示す横断面図。
FP入りピンの他の例を示す横断面図。
【図3】長半減期放射性物質の消滅用集合体に組み込む
FP入りピンの更に他の例を示す横断面図。
FP入りピンの更に他の例を示す横断面図。
【図4】消滅用集合体を装荷する高速炉の一例を示す炉
心構成図。
心構成図。
【図5】その高速炉の縦断面説明図。
【図6】従来の長半減期放射性物質の消滅用集合体の一
例を示す横断面図。
例を示す横断面図。
20 FP入りピン 22 長半減期放射性物質の線状体 24 減速材物質 26 被覆管 28 ラッパ管 30 消滅用集合体
Claims (5)
- 【請求項1】 長半減期FP核種を含む金属、合金、又
は化合物からなる長半減期放射性物質の線状体の周りを
減速材物質で囲み、それを被覆管内に収めてFP入りピ
ンとし、該FP入りピンのみをラッパ管内に収容したこ
とを特徴とする長半減期放射性物質の消滅用集合体。 - 【請求項2】 長半減期放射性物質の線状体が複数本分
散して配置され、その周りが減速材物質で囲まれている
請求項1記載の長半減期放射性物質の消滅用集合体。 - 【請求項3】 長半減期FP核種を含む金属、合金、又
は化合物からなる長半減期放射性物質の薄肉筒状体の内
外を減速材物質で囲み、それを被覆管内に収めてFP入
りピンとし、該FP入りピンのみをラッパ管内に収容し
たことを特徴とする長半減期放射性物質の消滅用集合
体。 - 【請求項4】 請求項1乃至3のいずれかに記載の長半
減期放射性物質の消滅用集合体を、高速炉の炉心燃料集
合体、ブランケット集合体、遮蔽体集合体の一部と置き
換えて装荷する高速炉炉心。 - 【請求項5】 請求項1乃至3のいずれかに記載の長半
減期放射性物質の消滅用集合体を、高速炉のブランケッ
ト集合体の全てと置き換えて装荷する高速炉炉心。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10272908A JP2000098073A (ja) | 1998-09-28 | 1998-09-28 | 長半減期放射性物質の消滅用集合体 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10272908A JP2000098073A (ja) | 1998-09-28 | 1998-09-28 | 長半減期放射性物質の消滅用集合体 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000098073A true JP2000098073A (ja) | 2000-04-07 |
Family
ID=17520442
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10272908A Pending JP2000098073A (ja) | 1998-09-28 | 1998-09-28 | 長半減期放射性物質の消滅用集合体 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000098073A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011174837A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Japan Atomic Energy Agency | 長寿命核分裂生成物の核変換方法 |
JP2013242191A (ja) * | 2012-05-18 | 2013-12-05 | Toshiba Corp | 核分裂生成物集合体およびこれを装荷した炉心 |
FR3011118A1 (fr) * | 2013-09-25 | 2015-03-27 | Hitachi Ge Nuclear Energy Ltd | Assemblage de transmutation et centrale nucleaire a reacteur rapide l'utilisant. |
-
1998
- 1998-09-28 JP JP10272908A patent/JP2000098073A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2011174837A (ja) * | 2010-02-25 | 2011-09-08 | Japan Atomic Energy Agency | 長寿命核分裂生成物の核変換方法 |
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JP2015064261A (ja) * | 2013-09-25 | 2015-04-09 | 日立Geニュークリア・エナジー株式会社 | 核変換用集合体およびそれを用いた高速炉原子力発電システム |
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