JP2000096032A - 粘着性シート - Google Patents

粘着性シート

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JP2000096032A JP10269883A JP26988398A JP2000096032A JP 2000096032 A JP2000096032 A JP 2000096032A JP 10269883 A JP10269883 A JP 10269883A JP 26988398 A JP26988398 A JP 26988398A JP 2000096032 A JP2000096032 A JP 2000096032A
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浩司 森
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 長期にわたって安定した粘着性能を発揮し得
る粘着剤組成物と、当該粘着剤組成物を用いた粘着性シ
ートとを提供する。 【解決手段】 粘着性樹脂と、一般式(1) : 【化1】 〔式中、Aはアルキレン基等、R3 、R4 は水素原子
等、R1 、R2 は基(B) : 【化2】 (式中、R5 はアルキレン基等、R6 、R7 はアルキル
基等を示す。)を示す。〕で表わされるビスベンゾトリ
アゾリルフェノール化合物とからなる粘着剤組成物であ
る。また、樹脂フィルムの少なくとも片面に、その粘着
剤組成物からなる層を積層した粘着性シートである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収効果に
優れた粘着剤組成物および粘着性シートに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、建造物や自動車、電車等の輸送機
器類の窓ガラス、合成樹脂からなる成形品などには、そ
の表面を保護するために樹脂フィルムを貼着することが
行われている。この樹脂フィルムは、窓ガラスや成形品
などと粘着剤を介して貼着されているので、かかる粘着
剤には、適切な粘着力が長期間に亘って安定的に持続す
ることが要求される。
【0003】しかしながら、従来の粘着剤は耐候性が低
いため、紫外線に晒されると、粘着力が短期間で低下し
たり、あるいは変色するといった欠点があった。そこ
で、このような欠点を解消するため、上記粘着剤に紫外
線吸収剤を配合することが提案されている。かかる紫外
線吸収剤としては、例えばベンゾトリアゾール、ベンゾ
フェノン、サリチル酸フェニル、安息香酸フェニル、シ
アノアクリレート等の、添加型の紫外線吸収剤があげら
れる(特開昭62−124176号公報、特開昭51−
69538号公報など)。
【0004】しかしながら、上記添加型の紫外線吸収剤
はいずれも低分子量の化合物であり、また結晶性も高い
ため、樹脂フィルムの貼着にこれらの添加型の紫外線吸
収剤を配合した粘着剤を使用した場合には、上記添加型
の紫外線吸収剤が樹脂フィルムと粘着剤からなる層(以
下、粘着剤層という)との界面等へブリードアウトしや
すく、その結果、樹脂フィルムと粘着剤層との粘着力が
低下し、樹脂フィルムの剥離を促したり、樹脂フィルム
の透明性を損なうといった問題を引き起こすおそれがあ
った。
【0005】また、上記添加型の紫外線吸収剤は、粘着
剤を構成する粘着性樹脂との相溶性が不十分であるた
め、粘着性樹脂との混合時に分散不良を生じたり、ある
いは混合後に相分離して紫外線吸収剤を含まない部分を
生じたりする問題があった。さらに、これら添加型の紫
外線吸収剤は、粘着剤への耐候性の付与効果が充分では
ないため、粘着剤中に多量に配合する必要がある。
【0006】しかしながら、仮に粘着剤中に添加型の紫
外線吸収剤を多量に配合すれば、やはり、上述した樹脂
フィルムと粘着剤層との界面等へのブリードアウトが発
生して樹脂フィルムの透明性が低下したり、粘着性樹脂
との混合時に分散不良が発生して、樹脂フィルムと粘着
剤層との粘着力が低下し、樹脂フィルムの剥離を引き起
こすおそれがあった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、上記添加型の
紫外線吸収剤に代わるものとして、一般式(2):
【0008】
【化3】 〔式中、Ra は炭素数1〜12のアルキレン基を示す。
b は水素原子またはメチル基を示す。〕で表されるベ
ンゾトリアゾール化合物(例えば、特開平6−2991
32号公報等)や、一般式(3):
【0009】
【化4】 〔式中、Yは直接結合するか:あるいは炭素数1〜6の
アルキレン基、基:−C(CH3 2 −、基:−C(C
2 5 )(CH3 )−、基:−O−または基:−NH−
を示す。R8 およびR10は同一または異なって、水酸基
または炭素数1〜12の直鎖状もしくは分岐鎖状のヒド
ロキシアルキル基を示す。R9 およびR11は同一または
異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキル基、アリ
ール基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハロゲン原
子を示す。〕で表されるビスベンゾトリアゾリルフェノ
ール化合物(特開平9−316060号公報)等の、反
応型のベンゾトリアゾール化合物(反応型の紫外線吸収
剤)が提案されている。
【0010】これらの反応型の紫外線吸収剤は、その分
子内の反応性基が樹脂成分中の官能基等と化学結合して
一体化されるため、樹脂フィルムと粘着剤層との界面等
へブリードアウトしにくいものとして期待される。しか
しながら、上記反応型の紫外線吸収剤のうち、ベンゾト
リアゾール化合物(2)は、その分子内の反応性基(す
なわち、(メタ)アクリロイルオキシ基)が樹脂成分中
の官能基等と100%反応することは少なく、粘着剤中
に未反応物として存在するベンゾトリアゾール化合物
(2)が、添加型の紫外線吸収剤と同様に、経時的に樹
脂フィルムと粘着剤層との界面等へブリードアウトし
て、樹脂フィルムの剥離や透明性の低下を引き起こすお
それがある。
【0011】また上記ベンゾトリアゾール化合物(2)
は、金属イオンとの反応性が高い(耐金属イオン性が低
い)ために、例えば、樹脂フィルムの使用環境において
存在する金属イオンを含む液体や固形物(自動車用ワッ
クスやガラスクリーナーなど)に接触すると、ベンゾト
リアゾール化合物(2)中のフェノール性水酸基がこの
金属イオンと反応して錯体を形成し、粘着剤の変色を誘
起し、樹脂フィルムの品質(透明性など)を損なうおそ
れがある。
【0012】さらに、上記ベンゾトリアゾール化合物
(2)では、耐候性の発現に欠かせないフェノール性水
酸基が上記金属イオンとの反応によって減少するので、
粘着剤への耐候性を付与する効果自体も低下するおそれ
がある。一方、上記ビスベンゾトリアゾール化合物
(3)は、その分子中の水酸基またはヒドロキシアルキ
ル基が非常に良好な反応性を有し、粘着剤中の樹脂成分
と強固に化学結合するので、樹脂フィルムと粘着剤層と
の界面等へ経時的にブリードアウトすることが殆どみら
れない利点を有する。
【0013】また上記ビスベンゾトリアゾール化合物
(3)は、同分子中の一方のベンゾトリアゾールフェノ
ールが、他方のベンゾトリアゾールフェノールのフェノ
ール水酸基に対して、隣接する嵩高い置換基となって当
該フェノール水酸基を保護するような役割を果たすた
め、金属イオンと接触しても錯体を形成することがな
く、耐候性の付与効果の低下や、粘着剤の変色が起らな
い利点を有する。
【0014】しかしながら、上記ビスベンゾトリアゾー
ル化合物(3)は、樹脂成分との相溶性が不十分である
ため、樹脂成分中に均一に分散させることが困難であ
り、長期的には粘着性能や耐候性が低下する場合があ
る。本発明の目的は、長期にわたって安定した粘着性能
および耐候性を発揮し得る、新規な粘着剤組成物を提供
することである。
【0015】また本発明の他の目的は、上記粘着剤組成
物から形成される粘着性シートを提供することである。
【0016】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記課題
を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、樹脂フィルムの貼
着に用いる粘着剤として、粘着性樹脂に下記一般式
(1)で表される紫外線吸収剤を配合した組成物を使用
すれば、長期にわたって安定した粘着力および耐候性を
発揮し、樹脂フィルムの剥離や透明性の低下を防止する
ことができるという新たな事実を見出し、本発明を完成
するに至った。
【0017】すなわち、本発明は、粘着性樹脂および一
般式(1):
【0018】
【化5】 〔式中、Aは直接結合するか、あるいは置換基を有して
もよいメチレン基、炭素数2〜6の直鎖状または分枝状
のアルキレン基、基:−O−または基:−NH−を示
す。R3 およびR4 は同一または異なって、水素原子、
炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、炭素数1〜4
のアルコキシ基またはハロゲン原子を示す。R1 および
2 は同一または異なって、基(B):
【0019】
【化6】 (式中、R5 は直接結合するか、あるいは炭素数1〜1
2の直鎖状または分枝状のアルキレン基を示す。R6
よびR7 は同一または異なって、水素原子または炭素数
1〜10のアルキル基を示す。mは1〜20の整数を示
し、nは4〜8の整数を示す。)を示す。〕で表される
ビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物を含有する粘
着剤組成物に関するものである。
【0020】また本発明は、樹脂フィルムの少なくとも
片面に、上記の粘着剤組成物からなる層を積層して形成
される粘着性シートに関するものである。本発明におい
て、紫外線吸収剤として使用される上記一般式(1)で
表されるビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物は、
ベンゾトリアゾリルフェノールが二量化した構造を有
し、単位重量あたりの紫外線吸収能が大きいために、従
来の紫外線吸収剤に比べて少量の添加で、粘着剤に非常
に高い耐候性を付与することができる。
【0021】また上記ビスベンゾトリアゾリルフェノー
ル化合物(1)は、分子量が比較的大きいことに加え
て、その分子中に樹脂成分と結合して一体化され得る反
応性基(B)(長鎖ポリエステル)を有するため、樹脂
フィルムと粘着剤層との界面等へ簡単にブリードアウト
するおそれがない。さらに上記ビスベンゾトリアゾリル
フェノール化合物(1)は、その分子中の反応性基
(B)のポリエステル鎖の長さを適宜変えることによっ
て、樹脂成分である各種の粘着性樹脂との相溶性および
有機溶媒への溶解性を優れたものとすることができ、粘
着性樹脂中への均一な分散を容易にする。また、粘着剤
に優れた耐熱性を付与することができる。
【0022】従って、本発明の粘着剤組成物は、優れた
耐候性および耐熱性を有するので、屋外等の紫外線に晒
されたり、温度が上昇する条件下においても、長期間に
わたって安定した粘着性能を発揮することができる。ま
た上記ビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物(1)
は、同分子中の一方のベンゾトリアゾールフェノール
が、他方のベンゾトリアゾールフェノールのフェノール
性水酸基に対して嵩高い保護基となるため、金属イオン
との反応性が極めて低く、粘着剤を変色させる原因とな
る錯体形成を防止する構造を有している。
【0023】従って、本発明の粘着剤組成物は、優れた
耐候性および耐金属イオン性を有するので、粘着剤の変
色を防止することができ、樹脂フィルムの品質(透明
性)を損なうおそれがない。本発明の粘着性シートは、
粘着剤として上記粘着剤組成物を使用するので、屋外等
の紫外線に晒されたり、温度が上昇する条件下において
も、長期間にわたって安定した粘着性能を発揮し、樹脂
フィルムの剥離や透明性の低下を防止することができ
る。従って、建造物や輸送機器の窓ガラスをはじめ、成
形品などの保護に好適に使用することができる。
【0024】
【発明の実施の形態】以下に本発明を詳細に説明する。
本発明の粘着剤組成物は、樹脂成分としての粘着性樹脂
と、紫外線吸収剤としてのビスベンゾトリアゾリルフェ
ノール化合物(1)とを含有するものである。まず、樹
脂成分として使用される粘着性樹脂について説明する。
【0025】上記粘着性樹脂としては粘着性を有するも
のであれば特に制限されず公知のものがいずれも使用で
き、例えばアクリル系、酢酸ビニル系、エチレン−酢酸
ビニル系、ウレタン系、スチレン−ブタジエンゴム系、
天然ゴム系、イソプレンゴム系、ブタジエン−アクリロ
ニトリル液状ゴム系;ウレタン系、シリコン系等の樹脂
などがあげられる。これらの粘着性樹脂は単独で、また
は必要に応じて2種以上組み合わせて使用される。
【0026】次に、紫外線吸収剤として使用するビスベ
ンゾトリアゾリルフェノール化合物(1)について説明
する。上記ビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物
(1)において、Aに相当する、置換基を有してもよい
メチレン基としては、メチレンの他に、例えばエチリデ
ン、プロピリデン、イソプロピリデン、2−ブチリデン
などがあげられる。また炭素数2〜6の直鎖状または分
岐状のアルキレン基としては、例えばエチレン、トリメ
チレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、ヘキサメチ
レン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジメチルトリ
メチレン等の直鎖状または分枝状のアルキレン基があげ
られる。上記のうち、好ましくは直鎖状のアルキレン
基、より好ましくはメチレンである。
【0027】R6 およびR7 に相当する炭素数1〜10
のアルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピ
ル、iso−プロピル、ブチル、tert−ブチル、ペ
ンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシ
ルなどの直鎖状または分岐状のアルキル基があげられ、
これらの中でも、メチル、エチル、プロピル、iso−
プロピル等の炭素数1〜3程度の直鎖状または分岐状の
アルキル基が好ましい。R6 およびR7 に相当する基の
中では、水素原子が特に好ましい。
【0028】R5 に相当する炭素数1〜12の直鎖状ま
たは分枝状のアルキレン基としては、前記例示の炭素数
1〜6のアルキレン基の他に、例えばヘプタメチレン、
オクタメチレン、ノナメチレン、デカメチレン、ウンデ
カメチレン、ドデカメチレンなどがあげられる。R5
相当する基の中では、炭素数1〜12の直鎖状アルキレ
ン基であるのが好ましい。
【0029】長鎖ポリエステル(B)において、mは1
〜20の整数であり、好ましくは2〜10の整数であ
る。この長鎖ポリエステル(B)の繰り返し単位の数m
を任意に変えることにより、化合物の性状を結晶、ワッ
クス状またはオイル状というように調整できる。また長
鎖ポリエステル(B)において、nは4〜8の整数であ
る。この繰り返し単位の数nを任意に変えることによ
り、樹脂成分である粘着性樹脂との相溶性や、有機溶剤
への溶解性などが向上する。その結果、上記ビスベンゾ
トリアゾリルフェノール化合物(1)は、樹脂成分中に
均一に分散させることができ、長期的な粘着性能および
耐候性を低下するおそれがない。
【0030】ビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物
(1)は、例えば上記特開平9−316060号公報に
開示のビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物(3)
に、一般式(4):
【0031】
【化7】 〔式中、R6 、R7 およびnは前記と同じである。〕で
表されるラクトン類を開環付加重合することにより製造
できる。
【0032】上記ビスベンゾトリアゾリルフェノール化
合物(3)としては公知のものを使用でき、その具体例
としては、例えば2,2’−メチレンビス〔6−(2H
−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
(2−ヒドロキシエチル)フェノール〕、2,2’−メ
チレンビス〔6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾ
ール−2−イル)−4−(3−ヒドロキシプロピル)フ
ェノール〕、2,2’−メチレンビス〔6−(2H−
1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
(4−ヒドロキシブチル)フェノール〕などがあげられ
る。
【0033】また、上記ラクトン類(4)としては公知
のものを使用でき、例えばε−カプロラクトン、トリメ
チル−ε−カプロラクトン、モノメチル−ε−カプロラ
クトン、γ−ブチロラクトン、δ−バレロラクトンなど
があげられる。ラクトン類(4)の開環付加重合は公知
の方法に従い、例えば開環付加重合用の触媒存在下で、
ビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物(3)とラク
トン類(4)とを反応させればよい。
【0034】開環付加重合用の触媒としては、例えばテ
トラエチルチタネート、テトラブチルチタネート、テト
ラプロピルチタネート等の有機チタン系化合物や、オク
チル酸第一スズ、ジブチルスズオキサイド、ジブチルス
ズラウレート、モノ−n−ブチルスズ脂肪酸塩等の有機
スズ化合物、塩化第一スズ、臭化第一スズ、ヨウ化第一
スズ等のハロゲン化第一スズなどがあげられる。
【0035】上記触媒の使用量は、通常、ビスベンゾト
リアゾリルフェノール化合物(3)に対して0.1〜1
0000ppm程度、好ましくは1〜5000ppm程
度とすればよい。上記の開環付加重合反応は、通常90
〜240℃程度、好ましくは100〜220℃程度の温
度にて、通常3〜24時間程度、好ましくは4〜10時
間程度で行えばよい。
【0036】この反応で得られるビスベンゾトリアゾリ
ルフェノール化合物(1)は通常の方法により、反応混
合物中から容易に分離精製できる。ビスベンゾトリアゾ
リルフェノール化合物(1)の具体例としては、例えば
2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベ
ンゾトリアゾール−2−イル)−4−(グリコロイルオ
キシエチル)フェノール]、2,2’−メチレンビス
[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−
イル)−4−(3−ヒドロキシプロパノイルオキシエチ
ル)フェノール]、2,2’−メチレンビス[6−(2
H−1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4
−(4−ヒドロキシブタノイルオキシエチル)フェノー
ル]、2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,
3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(5−ヒド
ロキシヘプタノイルオキシエチル)フェノール]、2,
2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)−4−(6−ヒドロキシヘキ
サノイルオキシエチル)フェノール]、2,2’−メチ
レンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリアゾー
ル−2−イル)−4−(16−ヒドロキシ−4,11−
ジオキソ−3,10−ジオキサヘキサデシル)フェノー
ル]、2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,
3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(23−ヒ
ドロキシ−4,11,18−トリオキソ−3,10,1
7−トリオキサトリコシル)フェノール]、2,2’−
メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリア
ゾール−2−イル)−4−(30−ヒドロキシ−4,1
1,18,25−テトラオキソ−3,10,17,24
−テトラオキサヘキサデシル)フェノール]、2,2’
−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾトリ
アゾール−2−イル)−4−(37−ヒドロキシ−4,
11,18,25,32−ヘプタオキソ−3,10,2
4,31−ヘプタオキサヘプタトリアコンチル)フェノ
ール]などがあげられる。これらのビスベンゾトリアゾ
リルフェノール化合物(1)はそれぞれ単独で使用され
る他、2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0037】本発明の粘着剤組成物において、ビスベン
ゾトリアゾリルフェノール化合物(1)の使用量は、粘
着性樹脂100重量部に対して、通常0.1〜50重量
部、好ましくは0.5〜10重量部であるのがよい。本
発明の粘着剤組成物には、例えばキナクリドン系顔料、
微粉末プラセオジウム黄顔料、インドール系顔料などの
顔料を配合し、その遮蔽波長領域を200〜500nm
にまで広げることもできる。また、本発明の粘着剤組成
物の好ましい特性を損なわない範囲で、ベンゾフェノン
系、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、シアノアク
リレート系、サリチル酸系、酸化亜鉛系、酸化チタン
系、酸化セリウム系等の紫外線吸収剤や、ヒンダードア
ミン等の光安定剤などを配合してもよい。
【0038】また本発明の粘着剤組成物には、ロジン、
ロジンエステル、フェノール樹脂、スチレン系樹脂等の
粘着性付与剤、メチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロース、ポリビニルアルコール、ポリアクリル酸ナト
リウム等の増粘剤などを配合することができる。さらに
本発明の粘着剤組成物には、公知の粘着剤用の添加剤を
配合できる。
【0039】本発明の粘着剤組成物は、粘着性樹脂、ビ
スベンゾトリアゾリルフェノール化合物(1)および必
要に応じて上述の種々の添加剤を、通常の方法で混合す
ることにより、製造できる。本発明の粘着性シートは、
樹脂フィルムの少なくとも片面に、本発明の粘着剤組成
物からなる層(粘着剤層)を積層したものである。
【0040】ここで使用される樹脂フィルムとしては、
従来から粘着性シートに用いられているものを使用で
き、例えばポリエチレンテレフタレート(PET)、ポ
リブチレンレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフ
タレート(PEN)等のポリエステル、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のポリハロゲ
ン化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオ
レフィン、トリアセチルセルロース等のセルロースエス
テル、(メタ)アクリル酸エステル、テトラフロロエチ
レン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラフロ
ロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフロロエチレ
ン(PCTFE)、ポリビニリデンフロライド(PVD
F)、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピレン
共重合体(FEP)等のフッ素樹脂などからなるフィル
ムがあげられる。これらの中でも、耐汚染性、耐熱性、
弾力性、引っ張り強度などを考慮すると、フッ素樹脂か
らなる樹脂フィルムを使用するのが好ましい。
【0041】また、上記樹脂フィルムは1種の樹脂から
構成されるものでもよく、また2種以上の樹脂フィルム
を積層したものであってもよい。本発明において、上記
樹脂フィルムは公知の種々の形態をとることができる。
例えば、粘着剤層を積層する面とは反対の樹脂フィルム
表面に、紫外線吸収剤や光安定剤を含有したシロキサン
系、アクリル系等の硬化樹脂を被覆することができる。
【0042】また、樹脂フィルムそのものとして着色し
た樹脂フィルムを用いたり、あるいは樹脂フィルムに着
色樹脂フィルムを積層し、更にその上に粘着剤層を形成
して、マーキングフィルムとしてもよい。透明樹脂フィ
ルムに粘着剤層を積層して透明粘着性シートとしてもよ
い。上記樹脂フィルムには、必要に応じてビスベンゾト
リアゾリルフェノール化合物(1)、ビスベンゾトリア
ゾリルフェノール化合物(2)、ビスベンゾトリアゾリ
ルフェノール化合物(3)等の反応型の紫外線吸収剤
や、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、トリア
ジン系、シアノアクリレート系、サリチル酸系、酸化亜
鉛系、酸化チタン系、酸化セリウム系等の添加型の紫外
線吸収剤、キナクリドン系顔料、微粉末プラセオジウム
黄顔料、インドール系顔料等の顔料、帯電防止剤、酸化
防止剤、光安定剤、可塑剤、染料等の一般的な樹脂添加
剤などを配合することができる。
【0043】上記樹脂フィルムの厚みは特に制限されな
いが、得られる粘着性シートを貼着する際の作業性や経
済性等を考慮すると、通常20〜200μm、好ましく
は50〜100μmの範囲とすればよい。樹脂フィルム
の片面または両面上に積層する粘着剤層は、例えば公知
の塗装法や印刷法に従って形成することができる。
【0044】上記塗装法としては特に制限はなく、例え
ばグラビアコート法、ワールコート法、コンマコート法
などがあげられる。また上記印刷法も特に制限はなく、
例えばグラビア印刷法、スクリーン印刷法などがあげら
れる。粘着剤層の乾燥時の厚みは特に制限はなく、通常
1〜100μm、好ましくは10〜70μm程度とすれ
ばよい。
【0045】また、本発明の粘着性シートは、上記粘着
剤層上に剥離材を積層していてもよい。かかる剥離材と
しては、従来から粘着性シートに用いられているものを
いずれも使用でき、例えば紙製や合成樹脂製のものなど
があげられる。斯くして得られる本発明の粘着性シート
は、従来の粘着性シートと同じ用途に使用できる。
【0046】例えば、本発明の粘着性シートが着色した
ものである場合は、例えばテープ、マーキングフィルム
等の表示材料、梱包材料、保護材料、補強材料等として
使用できる。また、本発明の粘着性シートが透明の粘着
性シートである場合には、自動車、電車等の輸送機器や
一般建築物の窓ガラス、ショーウィンド等のガラスの飛
散防止を兼ねた紫外線遮蔽フィルム、蛍光管等の照明機
器のガラスの飛散防止、昆虫の誘引阻止を兼ねた紫外線
遮蔽フィルム等として使用できる。
【0047】
【実施例】以下に実施例、比較例および試験例を挙げ、
本発明を具体的に説明する。 (ビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物(1)の製
造) 合成例1 冷却管、窒素導入管、温度計および撹拌装置を備えた四
頭フラスコに、2,2’−メチレンビス[6−(2H−
1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
(2−ヒドロキシエチル)フェノール](商品名:RU
VA−100、大塚化学(株)製)129.3g、ε−
カプロラクトン170.3g(ダイセル化学工業(株)
製)、モノ−n−ブチルスズ脂肪酸塩(商品名:SCA
T−24、三共有機合成(株)製)50ppmを加え、
反応温度を150℃に保ちながら6時間反応させ、2,
2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)−4−(23−ヒドロキシ−
4,11,18−トリオキソ−3,10,17−トリオ
キサトリコシル)フェノール]を製造した(収率98
%)。
【0048】上記製造した化合物は、酸価(mgKOH
/g)1.8、粘度2645cp(60℃)、数平均分
子量(Mn)1391、重量平均分子量(Mw)168
8、Mw/Mn=1.213の粘稠オイルであった。 合成例2 2,2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベ
ンゾトリアゾール−2−イル)−4−(2−ヒドロキシ
エチル)フェノール](RUVA−100)93.7g
に対し、ε−カプロラクトン206.3gを使用した以
外は合成例1と同様にして反応を行うことにより、2,
2’−メチレンビス[6−(2H−1,2,3−ベンゾ
トリアゾール−2−イル)−4−(37−ヒドロキシ−
4,11,18,25,32−ヘプタオキソ−3,1
0,24,31−ヘプタオキサヘプタトリアコンチル)
フェノール]を製造した(収率98%)。
【0049】上記製造した化合物は、酸価(mgKOH
/g)2.5、粘度987cp(60℃)、数平均分子
量(Mn)2017、重量平均分子量(Mw)246
5、Mw/Mn=1.222のワックス状固形物であっ
た。 (粘着性樹脂の調製) 合成例3 合成例1で用いた容器と同じ反応容器に、酢酸エチル7
5g、トルエン40gおよびアゾビスイソブチロニトリ
ル0.2gを加え、86℃で加熱した。ついで、この反
応液に、アクリル酸2−エチルヘキシル67.2g、ア
クリル酸ブチル108g、酢酸ビニル36g、スチレン
12.4g、メタクリル酸メチル3.9g、アクリル酸
9.6g、メタクリル酸0.2gおよびメタクリル酸2
−ヒドロキシエチル0.7gの混合物を2時間かけて滴
下し、さらにトルエン40gにアゾビスイソブチロニト
リル0.3gを溶解した液を2回に分けて反応開始3時
間後と5時間後に滴下して、合計7時間の重合反応を行
なった。
【0050】得られた共重合体の組成は以下の通りであ
る。 (組成比) アクリル酸2−エチルヘキシル 28重量% アクリル酸ブチル 45重量% 酢酸ビニル 15重量% スチレン 5.2重量% メタクリル酸メチル 1.6重量% アクリル酸 4.0重量% メタクリル酸 0.1重量% メタクリル酸2−ヒドロキシエチル 0.3重量% 実施例1 合成例1で得た2,2’−メチレンビス[6−(2H−
1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
(23−ヒドロキシ−4,11,18−トリオキソ−
3,10,17−トリオキサトリコシル)フェノール]
105mgをトルエン16gに溶解させた。ついで、こ
のトルエン溶液を合成例3で得た共重合体の反応液に撹
拌下で加えて、紫外線吸収剤の含有量が、樹脂固形分に
対して1重量%になるように調製された粘着剤組成物溶
液を得た。なお、この溶液には、樹脂を固形分として4
3重量%含有する。 実施例2 合成例2で得た2,2’−メチレンビス[6−(2H−
1,2,3−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−
(37−ヒドロキシ−4,11,18,25,32−ヘ
プタオキソ−3,10,24,31−ヘプタオキサヘプ
タトリアコンチル)フェノール]を105mg使用した
以外は実施例1と同様にして、紫外線吸収剤の含有量
が、樹脂固形分に対して1重量%になるように調製され
た粘着剤組成物溶液を得た。 比較例1〜3 紫外線吸収剤として、下記の各化合物240mgをトル
エン160gに溶解し以外は実施例1と同様にして、紫
外線吸収剤の含有量が、樹脂固形分に対して1重量%に
なるように調製された、3種類の粘着剤組成物溶液を調
製した。
【0051】なお、これらの溶液にはそれぞれ、実施例
1と同様に樹脂を固形分として43重量%含有する。 比較例1:2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェ
ニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品名:TINU
VIN P、チバスペシャリティー・ケミカルズ社製) 比較例2:2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジt
−ブチルフェニル)−2H−ベンゾトリアゾール(商品
名:TINUVIN 320、チバスペシャリティー・
ケミカルズ社製) 比較例3:2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(商品
名:D0573、東京化成工業(株)製) 次に、実施例1〜2および比較例1〜3で得られた各粘
着性樹脂組成物溶液について、粘着剤としての性能を下
記試験例1で評価した。 試験例1 (試験片の作製)各実施例および比較例で得た溶液に常
法に従い、架橋剤コロネートL(日本ポリウレタン
(株)製、イソシアネート基13重量%含有)をそれぞ
れ0.6g添加して粘着剤を調製した。そして常法に従
って、各粘着剤をグラシンセパレーターに25g/m2
となるように塗布して100℃で1分間乾燥した後、厚
さ40μのPETFE透明フィルム(商品名:アフロン
COP、旭硝子(株)製)に転写して粘着性シートを作
製した。
【0052】ついで、この粘着性シートを20℃で1週
間エージングした後、ポリメチルメタクリレート平板に
粘着させて試験片を作製した。各試験片を耐候性試験機
(商品名:デューサイクルサンシャインウエザーメータ
ー、スガ試験機(株)製)を用いて1500時間促進試
験を実施し、接着力の低下度合(JIS−Z−0237
に準拠)と、試験前を基準とする黄色化度ΔEab
* (Y)(商品名:カラーコンピュータSM−2、スガ
試験機(株)製)とを定量した。
【0053】その試験結果を下記表1に示す。
【0054】
【表1】 表1から、実施例の粘着性シートは、長期間にわたって
優れた粘着性および紫外線吸収性(遮蔽性)を維持でき
ることが明らかである。
【0055】
【発明の効果】本発明で使用するビスベンゾトリアゾリ
ルフェノール化合物(1)は、優れた耐候性、耐熱性お
よび耐金属イオン性を有するとともに、粘着性樹脂との
相溶性および有機溶剤との溶解性に優れている。本発明
の粘着剤組成物は、上記ビスベンゾトリアゾリルフェノ
ール化合物(1)を配合するので、直射日光に晒される
過酷な条件下においても、長期にわたって安定した粘着
性能を発揮することができる。
【0056】また、本発明の粘着性シートは、樹脂フィ
ルムの少なくとも片面に、上記粘着性組成物からなる粘
着剤層を有するので、樹脂フィルムの剥離や透明性の低
下を引き起こすおそれがない。よって、建造物や輸送機
器の窓ガラス、成型品等の保護に好適に使用できる。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年9月2日(1999.9.2)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 〔式中、Aは直接結合するか、あるいはメチレン基、炭
素数2〜6の直鎖状または分枝状のアルキレン基、基:
−O−または基:−NH−を示す。R3およびR4は同一
または異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、アリ−ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハ
ロゲン原子を示す。R1 およびR2 は同一または異なっ
て、基(B):
【化2】 (式中、R5は直接結合するか、あるいは炭素数1〜1
2の直鎖状または分枝状のアルキレン基を示す。R6
よびR7は同一または異なって、水素原子または炭素数
1〜10のアルキル基を示す。mは1〜20の整数を示
し、nは4〜8の整数を示す)を示す。〕で表されるビ
スベンゾトリアゾリルフェノール化合物を含有する粘着
剤組成物。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】すなわち、本発明は、エチレン−酢酸ビニ
ル系、スチレン−ブタジエンゴム系、天然ゴム系、イソ
プレンゴム系、ブタジエン−アクリロニトリル液状ゴム
系およびシリコン系からなる群より選ばれる1種または
2種以上の粘着性樹脂および一般式(1) :
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【化5】 〔式中、Aは直接結合するか、あるいはメチレン基、炭
素数2〜6の直鎖状または分状のアルキレン基、基:
−O−または基:−NH−を示す。R3およびR4は同一
または異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、アリ−ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハ
ロゲン原子を示す。R1 およびR2 は同一または異なっ
て、基(B):
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】上記粘着性樹脂としては、エチレン−酢酸
ビニル系、スチレン−ブタジエンゴム系、天然ゴム系、
イソプレンゴム系、ブタジエン−アクリロニトリル液状
ゴム系およびシリコン系樹脂があげられる。これらの粘
着性樹脂は単独で、または必要に応じて2種以上組み合
わせて使用される。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】次に、紫外線吸収剤として使用するビスベ
ンゾトリアゾリルフェノール化合物(I)について説明
する。上記ビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物
(I)において、Aはメチレン基、炭素数2〜6の直鎖
状または分岐状のアルキレン基としては、例えばエチレ
ン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、
ヘキサメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジ
メチルトリメチレン等の直鎖状または分枝状のアルキレ
ン基があげられる。上記のうち、好ましくは直鎖状のア
ルキレン基、より好ましくはメチレンである。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成11年12月16日(1999.12.
16)
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】発明の名称
【補正方法】変更
【補正内容】
【発明の名称】 粘着性シート
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【化1】 〔式中、Aは直接結合するか、あるいはメチレン基、炭
素数2〜6の直鎖状または分枝状のアルキレン基、基:
−O−または基:−NH−を示す。R3およびR4は同一
または異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、アリ−ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハ
ロゲン原子を示す。R1 およびR2 は同一または異なっ
て、基(B):
【化2】 (式中、R5は直接結合するか、あるいは炭素数1〜1
2の直鎖状または分枝状のアルキレン基を示す。R6
よびR7は同一または異なって、水素原子または炭素数
1〜10のアルキル基を示す。mは1〜20の整数を示
し、nは4〜8の整数を示す)を示す。〕で表されるビ
スベンゾトリアゾリルフェノール化合物を含有する粘着
剤組成物を、フッ素樹脂フイルムの少なくとも片面に積
層して形成される粘着性シート。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0001
【補正方法】変更
【補正内容】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、紫外線吸収効果に
優れた粘着性組成物を積層して形成される粘着性シート
に関する。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】しかしながら、上記ビスベンゾトリアゾー
ル化合物(3)は、樹脂成分との相溶性が不十分である
ため、樹脂成分中に均一に分散させることが困難であ
り、長期的には粘着性や耐候性が低下する場合がある。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】本発明の目的は、長期にわたって安定した
粘着性および耐候性を発揮し得る粘着剤組成物から形成
される粘着シートを提供することである。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】すなわち、本発明は、アクリル系、酢酸ビ
ニル系、エチレン−酢酸ビニル系、ウレタン系、スチレ
ン−ブタジエンゴム系、天然ゴム系、イソプレンゴム
系、ブタジエン−アクリロニトリル液状ゴム系およびシ
リコン系からなる群より選ばれた1種または2種以上の
粘着性樹脂および一般式(1):
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0018
【補正方法】変更
【補正内容】
【0018】
【化5】 〔式中、Aは直接結合するか、あるいはメチレン基、炭
素数2〜6の直鎖状または分状のアルキレン基、基:
−O−または基:−NH−を示す。R3およびR4は同一
または異なって、水素原子、炭素数1〜4のアルキル
基、アリ−ル基、炭素数1〜4のアルコキシ基またはハ
ロゲン原子を示す。R1 およびR2 は同一または異なっ
て、基(B):
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0019
【補正方法】変更
【補正内容】
【0019】
【化6】 (式中、R5は直接するか、あるいは炭素数1〜12の
直鎖状または分枝状のアルキレン基を示す。R6および
R7は同一または異なって、水素原子または炭素数1〜
10のアルキル基を示す。mは1〜20の整数を示し、
nは4〜8の整数を示す)を示す]で表わされるビスベ
ンゾトリアゾリルフェノール化合物を含有する粘着組成
の用途に関するものである。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0020
【補正方法】変更
【補正内容】
【0020】すなわち、本発明は、フッ素樹脂フィルム
の少なくとも片面に、上記の粘着剤組成物からなる層を
積層して形成される粘着性シートに関するものである。
本発明において、紫外線吸収剤として使用される上記一
般式(1)で表わされるビスベンゾトリアゾリルフェノ
ール化合物は、ベンゾトリアゾリルフェノールが二量化
した構造を有し、単位重量あたりの紫外線給収能が大き
いために、従来の紫外線吸収剤に比べて少量の添加で、
粘着剤に非常に高い耐候性を付与することができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0025
【補正方法】変更
【補正内容】
【0025】上記粘着性樹脂としては粘着性を有するも
のであれば特に制限されず公知のものが使用できるが、
本発明においては、前述のように、アクリル系、酢酸ビ
ニル系、エチレン−酢酸ビニル系、ウレタン系、スチレ
ン−ブタジエンゴム系、天然ゴム系、イソプレンゴム
系、ブタジエン−アクリロニトリル液状ゴム系および
リコン系からなる群より選ばれた1種または2種以上の
粘着性樹脂が使用される。
【手続補正11】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0026
【補正方法】変更
【補正内容】
【0026】次に、紫外線吸収剤として使用するビスベ
ンゾトリアゾリルフェノール化合物(I)について説明
する。上記ビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物
(I)において、Aはメチレン基、炭素数2〜6の直鎖
状または分岐状のアルキレン基としては、例えばエチレ
ン、トリメチレン、テトラメチレン、ペンタメチレン、
ヘキサメチレン、2−メチルトリメチレン、2,2−ジ
メチルトリメチレン等の直鎖状または分枝状のアルキレ
ン基があげられる。上記のうち、好ましくは直鎖状のア
ルキレン基、より好ましくはメチレンである。
【手続補正12】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】変更
【補正内容】
【0039】本発明の粘着剤組成物は、粘着性樹脂、ビ
スベンゾトリアゾリルフェノール化合物(1)および必
要に応じて上述の種々の添加剤を、通常の方法で混合す
ることにより、製造できる。本発明の粘着性シートは、
フッ素樹脂フィルムの片面に、上記の粘着剤組成物から
なる層(粘着剤層)を積層したものである。
【手続補正13】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】変更
【補正内容】
【0040】粘着性シートに使用される樹脂フィルムと
しては、例えばポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンフタレート(PBT)、ポリエチレ
ンナフタレート(PEN)等のポリエステル、ポリ塩化
ビニル、ポリ塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のポリハ
ロゲン化ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポ
リオレフィン、トリアセチルセルロース等のセルロース
エステル、(メタ)アクリル酸エステル、テトラフロロ
エチレン−エチレン共重合体(ETFE)、ポリテトラ
フロロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフロロエ
チレン(PCTFE)、ポリビニリデンフロライド(P
VDF)、テトラフロロエチレン−ヘキサフロロプロピ
レン共重合体(FEP)等のフッ素樹脂などからなるフ
ィルムがあげられる。これらの中でも、本発明において
は、耐汚染性、耐熱性、弾力性、引っ張り強度などを考
して、フッ素樹脂からなる樹脂フィルムが使用され
【手続補正14】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0041
【補正方法】変更
【補正内容】
【0041】また、上記フッ素樹脂フイルムはその単独
から構成されるものでもよく、それと上記にあげたよう
な他の樹脂フィルムが積層されたものであってもよい。
以下において「樹脂フィルム」とは、フッ素樹脂フィル
ムを必須樹脂フィルムとして構成されるものを意味す
る。本発明において、上記樹脂フィルムは公知の種々の
形態をとることができる。例えば、粘着剤層を積層する
面とは反対の樹脂フィルム表面に、紫外線吸収剤や光安
定剤を含有したシロキサン系、アクリル系等の硬化樹脂
を被覆することができる。
【手続補正15】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0055
【補正方法】変更
【補正内容】
【0055】
【発明の効果】本発明で使用するビスベンゾトリアゾリ
ルフェノール化合物(1)は、優れた耐候性、耐熱性お
よび耐金属イオン性を有するとともに、粘着性樹脂との
相溶性および有機溶剤との溶解性に優れている。本発明
における粘着剤樹脂組成物は、上記ビスベンゾトリアゾ
リルフェノール化合物(1)を配合するので、直射日光
に晒される過酷な条件下においても、長期にわたって安
定した粘着性能を発揮することができる。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J004 AA04 AA05 AA07 AA09 AA10 AA11 AA14 AA17 AB01 CA03 CA04 CA05 CA06 CC02 DB02 FA04 4J040 CA011 CA071 CA081 CA101 DA051 DE021 DF041 DF051 EF001 EK031 HC25 JA09 JB09 KA29 LA07 MA10 MB03 NA12 NA16

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】粘着性樹脂および一般式(1): 【化1】 〔式中、Aは直接結合するか、あるいは置換基を有して
    もよいメチレン基、炭素数2〜6の直鎖状または分枝状
    のアルキレン基、基:−O−または基:−NH−を示
    す。R3 およびR4 は同一または異なって、水素原子、
    炭素数1〜4のアルキル基、アリール基、炭素数1〜4
    のアルコキシ基またはハロゲン原子を示す。R1 および
    2 は同一または異なって、基(B): 【化2】 (式中、R5 は直接結合するか、あるいは炭素数1〜1
    2の直鎖状または分枝状のアルキレン基を示す。R6
    よびR7 は同一または異なって、水素原子または炭素数
    1〜10のアルキル基を示す。mは1〜20の整数を示
    し、nは4〜8の整数を示す。)を示す。〕で表される
    ビスベンゾトリアゾリルフェノール化合物を含有する粘
    着剤組成物。
  2. 【請求項2】樹脂フィルムの少なくとも片面に、請求項
    1記載の粘着剤組成物からなる層を積層して形成される
    粘着性シート。
  3. 【請求項3】前記樹脂フィルムが、フッ素樹脂フィルム
    である請求項2記載の粘着性シート。
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