JP2000094102A - 連続鋳造方法 - Google Patents
連続鋳造方法Info
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Abstract
い鋳片を製造する連続鋳造方法の提供。 【解決手段】鋳片の液相線クレータエンドに相当する位
置から固相線クレータエンドに相当する位置までの所定
範囲で、ガイドロール群の鋳片短辺方向のロール間隔を
広げて鋳片に20mmから100mmまでのバルジングを起こさ
せた後、圧下ロールによって前記バルジング相当量で圧
下する連続鋳造方法であって、圧下ロールの鋳片引き抜
き方向の軸間距離(ロール設置ピッチ)をpとすると
き、ロール設置ピッチpが下記式を満足することを特徴
とする連続鋳造方法。 D<p<D+200(mm) ここで、Dは圧下ロールの直径(mm)である。
Description
造される鋼鋳片の中心偏析と内部割れの発生を軽減する
ため、連続鋳造装置のガイドロール群の間で鋳片に積極
的にバルジングを起こさせた後圧下する方法に関する。
は、鋳片に中心偏析と呼ばれる内部欠陥がしばしば発生
し、問題となる。この中心偏析の発生は、鋳片の厚み方
向中心部の最終凝固部に溶鋼のC、Mn、S、Pなどの成
分元素が濃化して正偏析する現象である。この現象は、
厚板鋼材において特に深刻な問題であり、偏析部分にお
ける靱性の低下や水素誘起割れの原因となることが知ら
れている。
おける樹枝状晶(デンドライト)間にC、Mn、S、Pな
どの成分元素が濃化した溶鋼が残り、鋳片厚み方向中心
部でそのまま凝固すること、および凝固時の収縮または
バルジングと呼ばれる鋳片の膨れによる溶鋼流動によ
り、最終凝固部の凝固完了点に向かって溶鋼がマクロ的
に移動することである。したがって、中心偏析の防止対
策としては、樹枝状晶間の濃化溶鋼の移動を妨げるこ
と、および濃化溶鋼の局部的な集積を妨げることが有効
である。
特開昭63-252655号公報には、鋳片表面に噴射される二
次冷却水量を増加させることにより、鋳片最終凝固部の
表面温度を700〜800℃の範囲とし、凝固シェル厚さを厚
くすることにより、ロール間で発生するバルジング量を
抑制し、さらに軽圧下ロール群で毎分0.2〜0.4%の歪み
速度の圧下力を鋳片に加えることにより、濃化溶鋼の流
動を阻止し、中心偏析を防止する方法(未凝固圧下法)
が提案されている。
グが起こると中心偏析が発生するといわれていたが、鋳
片に積極的にバルジングを起こさせた後圧下する連続鋳
造方法(以下、この方法を「バルジング−圧下法」とい
う)によって中心偏析の発生を防止させるという発明が
下記のようにいつくか提案されている。
するための連続鋳造設備の一例を模式的に示す図であ
る。図1を用いて、上記の提案を幾つか説明する。
との間で凝固シェル2aにバルジング力を作用させ、次い
で、液層線クレータエンド3と固相線クレータエンド4と
の間で鋳片に圧下を加える連続鋳造方法(特開昭60-625
4号公報、参照)。
て、鋳型1の直下に配置されたガイドロール5a,5bの複数
組においてロール間隔を鋳型下端内側厚みよりも広く
し、鋳片厚み方向にバルジングさせ、その後方において
他のロール5cによって鋳片2を0.04〜10%圧下する鋳片
の製造法(特開昭60-21150号公報、参照)。
れたガイドロール群5を鋳片2の厚さ方向に間隔を段階的
に増加させて鋳片にバルジングを生じさせ、鋳片の厚さ
を鋳型短辺の2〜3倍とした後、クレータエンド4付近
で小径ロール5cによって軽圧下するスラブの連続鋳造方
法(特開平1-178355号公報、参照)。
位置に軽圧下ロール群5cからなる圧下ゾーンを設け、こ
の圧下ゾーンの前に基準ロール間隔に対してロール間隔
を5.0〜0.5%広げたガイドロール群5a,5bからなるバル
ジング形成ブロックを連設し、鋳片にバルジングを形成
させ、続いて4.0〜0.5%の軽圧下を行うブルーム連続鋳
造方法(特開平2-235558号公報、参照)。
でバルジングを生ぜしめ、鋳片の最大厚さを鋳型1の短
辺長さよりも20〜100mm厚くし、凝固完了点4の直前で一
対の圧下ロール5cあたり20mm以上の圧下を与え、バルジ
ング量相当量を圧下する連続鋳造方法(特開平9-57410
号公報、参照)。
での間に鋳片にバルジングを生ぜしめ、鋳片の最大厚さ
を鋳型1の短辺長さの10〜50%分厚くし、凝固完了直前
までに少なくとも1対の圧下ロールを用いて鋳片長さあ
たり80mm/m以上の圧下勾配で圧下を与え、バルジング
量相当分を圧下する連続鋳造方法(特開平9-206903号公
報、参照)。
すると、溶鋼6が浸漬ノズル7を経て鋳型1に注入され、
水冷されている鋳型1およびその下方に配置されたガイ
ドロール群5のロールの間に設けられたスプレーノズル
群(図示せず)から噴射される冷却水によって冷却さ
れ、凝固シェル2aが形成されて引き出され鋳片2とな
る。鋳片2は、内部に未凝固部2bを保持した状態で鋳型
から引き抜かれる。
は、図1に示すように、バルジングゾーンでガイドロー
ル群5bのロール間隔を段階的に広げてあるので、鋳片は
溶鋼静圧によって鋳片の長手方向の中央部が短辺方向に
段階的に広げられ、いわゆるバルジングが発生する。バ
ルジングを起こした鋳片は、圧下ゾーンの圧下ロール群
5cによって段階的に圧下され、鋳片の凝固界面が圧着さ
れて凝固する。凝固した鋳片は、ピンチロール群8によ
って引き抜かれる。
されたバルジング−圧下連続鋳造方法は、鋳片の中心偏
析の発生を軽減させる効果がある。しかし、バルジング
量と圧下量が大きくなると、鋳片内の凝固界面に割れが
発生し、鋼板製品となったとき、強度が低下することが
ある。
量が大きくなっても鋳片に内部割れを発生させないバル
ジング−圧下連続鋳造法を提供することにある。
グ量および圧下量を大きくしたとき発生する鋳片の内部
割れを防止する方法について調査を行い、圧下ロールの
直径と設置ピッチを最適化する必要があることを見いだ
し、本発明を完成した。本発明の要旨は、下記に示す連
続鋳造方法にある。また、pはロール設置ピッチであ
り、複数本の小径ロールを有する圧下装置の場合はそれ
ぞれの圧下ロールの中心間距離を、1本の大径圧下ロー
ルの場合は圧下ロールとバルジングロールとの中心間距
離または圧下ロールとピンチロールとの中心間距離をい
う。
位置から固相線クレータエンド4に相当する位置までの
所定範囲で、ガイドロール群5bの鋳片短辺方向のロール
間隔を広げて鋳片に5mmから100mmまでのバルジングを起
こさせた後、圧下ロール5cによって前記バルジング相当
量で圧下する連続鋳造方法であって、圧下ロールの鋳片
引き抜き方向の軸間距離(ロール設置ピッチ)をpとす
るとき、ロール設置ピッチpが下記式を満足することを
特徴とする連続鋳造方法。
直曲げ型連続鋳造装置でも、その型式を問わず同じよう
に適用できる。また、鋳片はスラブでもブルーム(ビレ
ット)でもよいが、特に厚鋼板等の素材になるスラブの
連続鋳造に適用するのが好適である。
クレータエンドの位置LSCEは、メニスカスからの長さ
として、下記の式を用いて計算することができる。
鋳造速度(m/min)である。
れたロールの鋳片短辺方向の距離であり、「ロール設置
ピッチ」とは、鋳片の引き抜き方向のロール軸間距離を
意味する。
ジング−圧下連続鋳造法では、鋳片2を液相線クレータ
エンド3から固相線クレータエンド4の間において積極的
にバルジングさせた後、圧下ロール群5cによってバルジ
ング量に相当する圧下を行う。従って、連続鋳造装置に
は、図1に示すように、液層線クレータエンド3から固
相線クレータエンド4までのガイドロールにロール間隔
を鋳片の短辺方向に移動することができるバルジングロ
ール群5bと圧下ロール群5cとが配置されている。圧下ロ
ール群のロール5には圧下装置9が備えられている。
ゾーンを液層線クレータエンド3以降(下方)とするの
は、それよりも前(上方)でバルジングを起こさせる
と、鋳片の薄いシェル(凝固殻)に曲げ応力がかかって
シェル内壁に割れが発生し、ブレークアウトの危険があ
るからである。また、固相線クレータエンド4よりも下
方の位置で圧下を行うと、完全凝固鋳片を圧下すること
になり、大きな圧下力を必要とする。したがって、バル
ジングを起こさせる位置は液相線クレータエンド以降、
圧下の最終位置は固相線クレータエンドとする。
下量で圧下するのは、凝固界面から未凝固溶鋼を押し出
し、溶鋼を完全凝固させて鋳片とするためである。圧下
量がバルジング相当量以上になると、鋳片の完全凝固部
を圧下するため、大きな圧下力が必要となり、圧下設備
が大きくなる。また、圧下量がバルジング量の80%以下
になると、鋳片の厚さが大きくなる。したがって、圧下
量は、バルジング量に等しくする。
長さの2%(約5mm)から40%(約100mm)とするのは、
2%(約5mm)以下では、鋳片の中心偏析を軽減させる
ことができず、40%(約100mm)を超えると、圧下ロー
ルの直径が大きくなり、設備が大型化するためである。
は、バルジング量に応じて変化させる必要がある。
よび圧下量を大きくすることができ、中心偏析の発生が
少なくなるが、設備が大型化する。しかし、圧下ロール
の直径が150mm未満では(鋳片の幅およびバルジング量
にもよるが)鋳片を十分圧下することができず、鋳片の
中心偏析の発生を防止することができない。したがっ
て、圧下ロールの直径は、150mmから550mmまでとするの
が望ましい。
の直径に応じて変化させる必要がある。圧下ロールの設
置ピッチpは、小さいほど鋳片の内部割れの発生を軽減
することができる。しかし、圧下ロールの設置ピッチが
圧下ロールの直径よりも200mmを超えると、前段ロール
と圧下ロールとの間でバルジングが発生し、圧下によっ
て凝固界面に割れが発生する。したがって、圧下ロール
の設置ピッチpは、圧下ロールの直径よりも200mm以下
とする。
素鋼(C:0.16〜0.18%、Si:0.3〜0.4%、Mn:1.3〜1.4
5%、P≦0.025%、S≦0.0025%、Feおよび不純物:残
部)の鋳造試験を行った。使用した鋳型は、内法断面寸
法で厚さ235mm、幅2260mmとした。
速度を0.9m/min、比水量を2.0リットル/(溶鋼1kg)とし、
定常鋳込み時のバルジング量を5mmから100mm、圧下量
をバルジング量に等しくし、ロール直径およびロール設
置ピッチを表1に示すように変化させた。
ログレードおよび中心偏析について行った。
って計算した。
(P)の最大偏析度で行った。P最大偏析度は、最大P
濃度[Pmax]を溶鋼のPの濃度[Po]で除した値
([Pmax]/[Po])である。ここで最大P濃度[P
max]は、鋳片を鋳込み方向に垂直な断面で切断し、鋳
片厚さ方向の中心部から試験片を採取し、試験片の表面
を200μmメッシュに区分し、各区分でEPMA(エレ
クトロン・プローブ・マイクロ・アナライザ)を用いて
P濃度を測定し、その中での最大値である。また、溶鋼
のPの濃度[Po]は、通常の分析方法で得られた溶鋼
のPの濃度である。
研磨し、4%硝酸溶液でマクロエッチしたときの偏析の
程度を目視判定したものである。偏析の程度は、表2に
示すように7段階に分け、グレード7が最良、1が最悪
である。
偏析マクログレードが5よりも大きな値、中心偏析度が
3.5以下を発明で定める範囲とした。それらの結果を表
1に示した。
から番号11までは、P偏析度が3.0〜3.5の範囲、偏析マ
クログレードが5〜7の範囲、内部歪みが1.0〜1.6の範
囲であり、いずれも良好である。
径が130mmと、バルジング量および鋳片の幅に対して小
さいため、P偏析度が3.8、偏析マクログレードが3と
悪い。
ール直径に対して設置ピッチが大きいため、偏析マクロ
グレードがいずれも2、内部歪みが2.4〜2.8と大きい。
チが鋳片の内部歪みまたは偏析に及ぼす影響を示す図で
ある。この図は、表1の結果から、発明で定める範囲に
あるものを●、発明で定める範囲から外れるものを△と
して表した。図から明らかなように、圧下ロールの設置
ピッチを(圧下ロールの直径)から(圧下ロールの直径
+200mm)までの範囲にすれば、中心偏析を軽減させ、
また、内部割れも発生しない。
ロール直径に応じてロール設置ピッチを設定すれば、バ
ルジング後圧下時における内部割れを防止しつつ、偏析
マクログレードおよび中心偏析を著しく減少させること
ができる。
続鋳造設備の一例を模式的に示す図である。
部歪または偏析に及ぼす影響を示す図である。
Claims (1)
- 【請求項1】鋳片の液相線クレータエンドに相当する位
置から固相線クレータエンドに相当する位置までの所定
範囲で、ガイドロール群の鋳片短辺方向のロール間隔を
広げて鋳片に5mmから100mmまでのバルジングを起こさせ
た後、圧下ロールによって前記バルジング相当量で圧下
する連続鋳造方法であって、圧下ロールの鋳片引き抜き
方向の軸間距離(ロール設置ピッチ)をpとするとき、
ロール設置ピッチpが下記式を満足することを特徴とす
る連続鋳造方法。 D<p<D+200(mm) ここで、Dは圧下ロールの直径(mm)、pはロール設置
ピッチであり、複数本の小径ロールを有する圧下装置の
場合はそれぞれの圧下ロールの中心間距離を、1本の大
径圧下ロールの場合は圧下ロールとバルジングロールと
の中心間距離または圧下ロールとピンチロールとの中心
間距離をいう。
Priority Applications (1)
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JP26286998A JP3498586B2 (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | 連続鋳造方法 |
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