JP2000093998A - 高濃度廃水を処理する方法および装置 - Google Patents

高濃度廃水を処理する方法および装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高濃度廃水、特に畜産廃水および有機性産業
廃水を、土壌微生物を利用して、経済的で効率的に処理
できる廃水処理方法および装置を提供する。 【解決手段】 貯留槽、嫌気性醗酵槽、微生物活性化
槽、混合槽、ばっ気槽、脱窒槽、1次沈殿槽、凝集沈殿
槽および脱水機で構成される廃水処理装置;ならびに濃
度・流量均等化工程、脱リン微生物の活性化工程、好気
性微生物の活性化工程、混合工程、脱リンおよびアンモ
ニア性窒素の脱硝工程、脱窒工程、分離工程および残留
リンと懸濁固形物を除去工程を含む廃水処理方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、土壌微生物を利用
して、高濃度の有機物や、特に窒素およびリンを含有す
る畜産廃水または有機性産業廃水を、効率的に浄化処理
するための廃水処理方法および装置に関する。
【0002】
【従来の技術】周辺水系に富栄養化を誘発させるなど、
環境汚染の主要な原因として認識されている畜産廃水ま
たは有機性産業廃水は、産業の規模によって共同処理場
または個別浄化施設によって処理されている。しかし、
畜産廃水共同処理場の場合には、不適切な設計負荷など
により、ほとんど大部分が本来の機能を発揮できず、個
別浄化槽の場合においても、畜舎の類型と畜種による廃
水濃度に対する適応性の不足によって、本来の機能が発
揮できないことが多い。また、畜産廃水または有機性産
業廃水を処理するために投資される費用が、関連産業規
模に比べて過大であり、産業の競争力確保が難しい。
【0003】一般的には、畜産廃水のような高濃度のス
ラッジ状廃水の処理と関連して、嫌気性消化、活性スラ
ッジ法および酸化池法などの多様な工法が適用されてい
る。たとえば、Jose R. BicudoおよびIvo F. Svoboda,
“Intermittent aeration ofpig slurry-farm scale ex
periments for carbon and nitrogen removal”. Wat.
Sci. & Tech. Vol.32, No.12, pp 83-90 (1985) には、
豚舎の廃水を希釈間歇ばっ気方式で処理した結果が報告
されている。しかし、このような浄化処理によっては、
F/Mv比(反応槽内の単位微生物質量当たり単位時間
当たり基質負荷率)が0.8kg-BOD/kg-Mv/d以上の場合
に、硝化阻害現象が発生する。
【0004】一方、CintoliC., Di Sabantino, B., Gal
eotti, L.およびBruno, G.,“Ammonia uptake and trea
tment in UASB reactor of piggery wastewater”, Wa
t. Sci. & Tach. Vol.32, No.12, pp 76-83 (1995) に
は、豚舎の廃水を遠心分離した後、ゼオライトによるイ
オン交換法でNH4 +を除去して、上昇流嫌気性スラッジ
ブランケット(UASB; Upflow Anaerobic Sludge Blanke
t)方式とUASB−嫌気性フィルター方式により、C
ODを95%、TNを90%、TPを80%の水準まで
除去することが開示されている。また、Bortone G., Ge
meli, S.およびRambaldi, A.,“Nitrification, denitr
ification and biological phosphate removal in SBR
treating piggery wastewater”, Wat. Sci. & Tech. V
ol.26, No.5, pp 977-985 (1992) には、豚舎の廃水を
遠心分離した後、回分式反応器で処理して、CODを9
3%、TNを93%、TPを95%の水準まで除去した
結果が報告されている。Yang, P. Y., Chen, H. Kongsr
ichareon, N. and Polprasert, C.,“A swine waster p
ackage biotreatment plant for the tropics”, Wat.
Sci. & Tech., Vol.28, No.2, pp 211-218 (1993) に
は、小規模の豚舎で、高濃度の廃水を単純嫌気性工法に
よって処理した結果が報告されている。Martin,J. H. a
nd Loehr, R. C.,“Aerobic treatment of poultry was
tes”, J. Agri.Eng. Res. Vol.21, pp 157-167 (1976)
には、家禽の廃水を酸化溝法で処理した結果が報告さ
れている。
【0005】しかし、上記の文献に開示された廃水処理
例は、嫌気性消化方式を除く大部分が、希釈された廃水
を対象として遂行されたものである。したがって、小規
模の畜産廃水に適用するには、廃水の状態にかなりの差
があり、多くの改善が要求される。
【0006】また、畜産廃水または糞尿が、水系富栄養
化の主要因として一般的に認識されてきている。しか
し、有機物除去を中心にした既存の処理施設では、この
富栄養化のような環境問題を解消できない。そこで、畜
産廃水の処理効率を改善して上記の問題を解決するため
に、既存の施設に微生物活性剤を利用したB3または生
物反応器(Bio-reactor)のような技術を導入して運転
しているが、微生物製剤の供給などと関連した処理施設
の運転費用が非経済的であるばかりでなく、施設が主と
して有機物の処理を対象にしていることから、富栄養化
の原因物質である窒素化合物やリン化合物が適切に除去
されない。そのため、この方法を現実に適用するには、
多くの問題点を含んでいる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】したがって、本発明の
目的は、高濃度廃水を効率的に処理できる廃水処理方法
および装置を提供することである。
【0008】本発明の他の目的は、畜産廃水および有機
性産業廃水を、土壌微生物を利用して、経済的かつ効率
的に処理できる、廃水処理方法および装置を提供するこ
とである。
【0009】本発明のさらに他の目的は、固形化させた
土壌微生物を利用して、急激な廃水濃度の変化に対する
装置の適応性を改善し、有機物だけでなく、高濃度の窒
素およびリンを含む栄養塩類を、低廉な費用で効果的に
処理するための、廃水処理方法および装置を提供するこ
とである。
【0010】本発明のまた他の目的は、小規模の廃水発
生施設にも適用が可能で、畜産廃水の共同処理のための
処理費用の節減と、処理過程で発生する非点汚染問題を
解決できる、効率的で経済的な廃水処理方法および装置
を提供することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めの、本発明の廃水処理方法は、 (a)廃水から固液分離された排出液を貯留槽に保存し
て、濃度と流量を均等化する工程; (b)貯留槽で均等化された排出液中の難分解性有機物
を、嫌気性醗酵槽内で嫌気性微生物により、後続微生物
の摂取に容易な状態に加水分解して、脱リン微生物を活
性化させる工程; (c)ばっ気槽から微生物活性化槽に搬送されたスラッ
ジ内の好気性微生物を、該微生物活性化槽で選択的に活
性化して生物的吸着能を増大させ、バイオクロード内に
充填された微生物を成長させることにより、好気性微生
物を活性化する工程; (d)固形化させた土壌微生物を受け入れた微生物活性
化槽の流出液と、上記嫌気性醗酵槽の流出液、ならびに
搬送スラッジおよび濾液を、混合槽で混合する工程; (e)上記混合液を、溶存酸素濃度調節式ばっ気槽に導
入して、有機物とリンを処理し、アンモニア性窒素を硝
化する工程; (f)ばっ気槽で処理された液を、無酸素状態で微生物
の内生呼吸を利用して、硝化物を脱窒する工程; (g)脱窒処理された液を、1次沈殿槽でスラッジと上
澄液に分離する工程;ならびに (h)1次沈殿槽で沈殿分離された上澄液から、凝集沈
殿槽で残留リン、および懸濁した固形物を除去して、処
理水を放出する工程を含むことを特徴とする。
【0012】また、本発明の廃水処理装置は、 (A)廃水から固液分離された排出液を貯蔵して、濃度
と流量を均等化する貯留槽; (B)上記貯留槽の下側に位置して、嫌気性微生物を備
える嫌気性醗酵槽; (C)バイオクロードが収容されている内部活性槽と散
気管を備える微生物活性化槽; (D)上記微生物活性化槽および上記嫌気性醗酵槽それ
ぞれの流出液と、搬送スラッジおよび濾液が流入する流
入口を備えて、上記流入口からの流入物を収容して混合
する混合槽; (E)上記混合槽の下流側に連結された溶存酸素調節式
ばっ気槽; (F)上記ばっ気槽の下流側に連結された、脱窒槽; (G)上記脱窒槽の下流側に連結された1次沈殿槽;な
らびに (H)上記1次沈殿槽の下流側に連結された凝集沈殿槽
を含むことを特徴とする。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、添付した図面に示された本
発明の廃水処理装置の具体例を参照して、本発明の廃水
処理方法および装置を詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明による畜産廃水処理装置の
構成図である。図1に示されるように、本発明の廃水処
理装置(10)は、貯留槽(20)、嫌気性醗酵槽(3
0)、微生物活性化槽(40)、混合槽(50)、ばっ
気槽(60)、脱窒槽(70)、1次沈殿槽、たとえば
多重傾斜式沈殿槽(80)、凝集沈殿槽(90)および
好ましくはさらに脱水機(100)で構成される。
【0015】(A)貯留槽(20)は、畜舎で発生した
廃水から、固液分離を介して排出された排出液を収容
し、濃度と流量を均一化した処理廃水として、嫌気性醗
酵槽(30)に供給する。
【0016】(B)嫌気性醗酵槽(30)は、脱リン微
生物を嫌気的に活性化させて、貯留槽(20)から流入
する処理廃水中の難分解性有機物を加水分解させる。
【0017】(C)微生物活性化槽(40)には、高濃
度廃水に適応可能な微生物の供給源として作用するバイ
オクロード(42;bio-clod)が投入されており、そこ
で好気性微生物だけを選択的に活性化する。
【0018】(D)混合槽(50)は、嫌気性醗酵槽
(30)で処理された廃水を、微生物活性化槽(40)
からの流出液および搬送されたスラッジと混合して、ば
っ気槽(60)に送る。
【0019】(E)ばっ気槽(60)は、混合槽(5
0)から流入する廃水中の有機物およびアンモニア性窒
素を、微生物の物質代謝作用によって酸化分解する。
【0020】(F)脱窒槽(70)は、ばっ気槽処理液
が流入する流入口、および内部の接触濾材を備え、ばっ
気槽(60)で処理された液の窒素酸化物から、混合液
に含まれた微生物の内生呼吸作用によって、窒素を除去
する。
【0021】沈殿槽は、(G)1次沈殿槽として機能す
る、たとえば多重傾斜式沈殿槽(80)と、(H)凝集
沈殿槽(90)を含む。多重傾斜式沈殿槽は、処理上澄
液が流入する流入口と、流出口とを備え、脱窒処理され
た廃水を、固形物と上澄液に固液分離させる。凝集沈殿
槽は、多重傾斜式沈殿槽(80)の上澄液から、残留リ
ンと固形物を除去する。
【0022】脱水機(100)は、凝集沈殿槽(90)
で発生したスラッジのような残留物を脱水する。
【0023】また、本発明の廃水処理装置(10)に
は、ばっ気槽(60)の微生物スラッジが微生物活性化
槽(40)に流入する第1搬送経路b、脱窒槽(70)
のスラッジが混合槽(50)に流入する第2搬送経路
c、および多重傾斜式沈殿槽(80)の微生物スラッジ
が嫌気性醗酵槽(30)に流入する第3搬送経路dが形
成されていることが好ましい。
【0024】さらに、本発明の廃水処理装置(10)に
は、脱水機(100)でスラッジの脱水の際に発生する
濾液を処理するために混合槽(50)に流入させる第4
搬送経路eと、必要な場合に貯留槽(20)の濃度を調
節するために、多重傾斜式沈殿槽(80)の処理水を貯
留槽に流入させる第5搬送経路iが形成されていること
が好ましい。
【0025】本発明の廃水処理方法は、上記の廃水処理
装置を用いて、代表的には以下のようにして行われる。
【0026】すなわち、畜舎などで発生した畜産廃水お
よび糞尿などは、廃水処理装置(10)による処理が行
われる前に、まず固液分離される。固液分離によって生
じた排出液には、難分解性有機物を含む高濃度有機物
と、窒素化合物およびリン化合物などが含まれている。
【0027】(a)濃度・流量均等化工程 このような廃水は、貯留槽(20)に導入して貯蔵され
る。貯留槽は、たとえば廃水の日平均流量の約1.5倍
の流量に対して、滞留時間約2日程度の規模のものとし
て設置される。貯留槽では、必要に応じて、第5搬送経
路iに沿って流入する多重傾斜式沈殿槽(80)の処理
水により、廃水の濃度を調節した後、一定の濃度と流量
で排出する。一定の濃度に維持された廃水は、ポンプ
(図示されていない)などによって、図1に矢印aで示
された経路に沿い、嫌気性醗酵槽(30)に流入する。
【0028】(b)脱リン微生物の活性化工程 図2には、嫌気性醗酵槽(30)の構造が概略的に示さ
れている。該嫌気性醗酵槽の内部には、嫌気性微生物が
提供されて、貯留槽(20)から流入した廃水に含まれ
ている有機物を、嫌気性微生物の物質代謝作用によって
分解する。特に、廃水に含まれている難分解性有機物
を、好気性微生物が摂取するのに容易な状態に加水分解
し、リン摂取微生物が体内のリンを放出してエネルギー
源とし、有機酸形態の有機物を体内に貯蔵するようにな
る。すなわち、本発明による廃水処理装置においては、
有機物の負荷程度が嫌気性醗酵槽内で適切に調節される
ので、この嫌気性微生物による分解工程が、ばっ気槽
(60)でリンを処理する工程の前処理工程となる。
【0029】図2に示された嫌気性醗酵槽(30)は、
直立円筒形であり、その上部に貯留槽(20)から廃水
が流入する第1流入口(36)、および脱リン微生物を
確保するために、多重傾斜式沈殿槽(80)から第3搬
送経路dに沿ってスラッジが流入する第2流入口(3
7)と、嫌気性状態で醗酵された廃水を放出させる流出
口(38)が備えられている。
【0030】嫌気性醗酵槽(30)の壁は、その内部を
加温するために電気コイル(図示されていない)が内蔵
されている保温壁(34)からなる。保温壁内の電気コ
イルに電流を通し、嫌気性醗酵槽の内部を所定温度以上
に加温して、流出口(38)を通じて放出される廃水の
温度と、下記の活性化された脱リン微生物の温度を30
℃以上に維持することにより、後工程のばっ気槽(6
0)内における処理の間に、低い外気温度によって硝化
反応などの効率が低下するのを防止できる。
【0031】また、嫌気性醗酵槽(30)の内部には、
嫌気性微生物と廃水を効果的に混合させるための撹拌翼
(32)が備えられている。嫌気性醗酵槽の内部にはま
た、スラッジ排出バルブ(35)、スラッジ排出用バッ
フル(33)およびスカム破砕器(31)が備えられて
いる。スラッジ排出バルブとスラッジ排出用バッフル
は、嫌気性醗酵槽の内部に残存するスラッジ残留物を排
出させるように作用する。スカム破砕器は、嫌気性醗酵
槽の内側上部に形成されるスカムを除去するように作用
する。
【0032】一方、後述の多重傾斜式沈殿槽(80)の
下部に沈殿したスラッジを、図1に矢印dで表示された
第3搬送経路によって、嫌気性醗酵槽(30)の内部へ
搬送する。この搬送されたスラッジ内に含まれる脱リン
微生物は、嫌気性醗酵槽の嫌気性条件で活性化されて、
微生物細胞内のリンをリン酸イオン(PO4 3 -)の形態
で放出し、嫌気性醗酵槽内の有機酸を体内に蓄積する。
ばっ気槽(60)で物質代謝を遂行してリンを摂取する
ためのエネルギー源とする、ばっ気槽内の脱リン微生物
は、嫌気性醗酵槽で放出したリンの量よりかなり多量の
リンを摂取して除去するようになる。
【0033】嫌気性醗酵槽(30)は、有機酸生成のた
め嫌気性醗酵が維持され、かつメタン化が進行しないよ
うに、脱リン微生物の滞留時間を約1.5〜2.5日程
度に制御するように運転することが望ましい。
【0034】(c)好気性微生物の活性化工程 図3には、本発明による微生物活性化槽(40)の断面
構造が概略的に示されている。該微生物活性化槽の上部
には、好気性微生物が含まれているスラッジの一部が搬
送されて流入する入口(45)と、微生物活性化槽内で
活性化された好気性微生物を含む流出水が排出される排
出口(46)が備えられており、その底部には、ディス
ク型散気管(41)が備えられている。また、微生物活
性化槽の下部には、該活性槽内部の残留物を排出させる
ためのバルブ(43)が備えられている。
【0035】スラッジは、下記に詳細に説明されるよう
に、ばっ気槽(60)の排出端から、図1に矢印bで示
される第1搬送経路に沿って微生物活性化槽(40)に
供給できる。外部空気を、散気管(41)を通じて微生
物活性化槽の内部に流入させることにより、該微生物活
性化槽の内部は好気性雰囲気で維持され、スラッジ内の
好気性微生物だけが、選択的に活性化される。
【0036】一方、微生物活性化槽(40)の内部に
は、多孔性壁からなる内部活性化槽(44)が備えられ
ており、該内部活性槽には、土壌で抽出されて独立的に
培養されたバチルス(bacillus)系微生物および放線菌
類(actinomycets)のような微生物を、重量比で1%程
度含有するバイオクロード(42;土壌微生物担体)が
投入される。
【0037】バイオクロード(42)に充填された微生
物は、微生物活性化槽(40)内の好気性雰囲気下で活
性化されて成長する。活性化されたクロード微生物は、
バイオクロードから分離されて、微生物活性化槽内の活
性化された好気性微生物と共に排出口(46)から排出
される。そして、バイオクロード内に充填された微生物
は、高濃度廃水に適応可能な生存力を有するので、後述
のように、ばっ気槽(60)内で高濃度の有機物と接触
しても、活発な物質代謝作用を示す。
【0038】微生物活性化槽(40)に流入した搬送ス
ラッジには、糸状菌(filamentous)を含む菌類のよう
に、スラッジのバルキング(bulking)、すなわち固液
分離を妨害する微生物が含まれることがある。このよう
な菌類の成長は、微生物活性化槽内の好気性雰囲気下で
抑制されて、後の固液分離工程を円滑にする。また、有
機物を分解する微生物は、微生物活性化槽で過ばっ気状
態で運転されるため、その有機物生吸着能を向上させる
ことができる。菌類のような微生物の成長を抑制し、好
気性微生物の活性化を極大化させるために、微生物活性
化槽は、約1.5〜2.0日程度の滞留時間で運転され
ることが望ましい。
【0039】(d)混合工程 混合槽(50)では、嫌気性醗酵槽(30)で処理され
た廃水、微生物活性化槽(40)からの流出物、ならび
に後述の脱窒槽(70)から搬送管を経由して搬送され
たスラッジ、および必要に応じて脱水機(100)から
の濾液のような、異なる性状のものを強制的に混合し
て、ばっ気槽(60)に送る工程を行う。ここで、微生
物活性化槽からの流出物中に含まれる微生物に、その餌
となる物質を均等に混合することにより、ばっ気槽にお
ける、活性化された微生物の均一な作用が誘発される。
【0040】(e)脱リンおよびアンモニア性窒素の硝
化工程 図4には、ばっ気槽(60)の構造が概略的に示されて
いる。ばっ気槽の一つの端部には、混合槽(50)で得
られた混合物が流入する開口(62)が形成されてお
り、他の端部には、ばっ気槽で処理された廃水が排出さ
れる出口(64)が形成されている。ばっ気槽の底部
は、槽内にスラッジが沈積することを予防し、また空気
供給による混合作用を円滑にするために、所定角度、た
とえば7°で傾斜している。ばっ気槽の内部は、複数個
の隔壁により、複数個の隔室に分けられている。たとえ
ば、図4に示されるばっ気槽の内部は、3個の隔壁(6
6)により、4個の隔室(60a、60b、60c、6
0d)に分けられている。
【0041】空気流入管(61)を通じて外部空気がば
っ気槽(60)の内部に流入することにより、ばっ気槽
の内部は好気性雰囲気に維持される。ばっ気槽内部の溶
存酸素量を、0.5〜2.0mg/Lに維持することが望ま
しい。
【0042】一方、ばっ気槽(60)で硝化が急速に進
行する場合、廃水内のアルカリ性物質の含有量が、硝化
工程を制限する要因となるので、このような硝化阻害現
象を防止するために、ばっ気槽内部の溶存酸素量を、隔
室によって相互に異なる値で維持することが好ましい。
たとえば図4の構造のばっ気槽では、開口(62)が備
えられているばっ気槽の流入端と、出口が備えられてい
る出口端に各々位置する第1および第4隔室(60a、
60d)における溶存酸素量を、約1.5〜2.5mg/L
に維持し、流入端と出口端の間に位置する第2および第
3隔室(60b、60c)における溶存酸素量を、0.
5〜1.5mg/Lに維持することが好ましい。流入端に隣
接する第2隔室(60b)における溶存酸素量を1.0
〜1.5mg/Lに維持して、出口端に隣接する第3隔室
(60c)における溶存酸素量を0.5〜1.0mg/Lに
維持することが特に好ましい。このように、ばっ気槽内
の溶存酸素濃度を相対的に低く維持することにより、好
気性処理のためのばっ気費用を最小限に保つことができ
る。
【0043】ばっ気槽内での好気性微生物の物質代謝作
用による、有機物の分解と脱窒素および脱リン工程は、
次のとおりである。
【0044】まず、好気性微生物を、微生物活性化槽
(40)で、過ばっ気条件により活性化した後、餌成分
の生物的吸着能が最大の状態でばっ気槽(60)に流入
させる。ばっ気槽における好気性微生物の物質代謝作用
による有機物の分解反応は、下記の式で表現される。
【0045】
【化1】
【0046】このように除去されたBOD量による新し
い細胞の成長量は、約0.5kg MLVSS/Kg BOD remにな
る。
【0047】一方、アンモニア性窒素は、次のように硝
化される。
【0048】
【化2】
【0049】アンモニア性窒素1mg/Lを硝化させるの
に、酸素4.6mgO2/Lと、7.1mg CaCO3/Lに相当する
アルカリ性物質が消費される。前述のように、ばっ気槽
(60)の流入端と出口端との間に位置する第2および
第3隔室(60b、60c)において、溶存酸素量を
0.5〜1.5mg/L、特に1.0mg/L付近で調節するこ
とにより、急激な硝化を抑制して、アルカリ度不足によ
る硝化阻害現象を予防することができる。
【0050】ばっ気槽(60)における脱リン工程は、
次のように説明される。すなわち、嫌気性醗酵槽(3
0)で細胞内のリンをリン酸の形態で放出した脱リン微
生物は、ばっ気槽内の好気性雰囲気下で細胞質構成物質
を合成する際に、相対的により多量のリンを摂取するよ
うになる。たとえば、嫌気性醗酵槽で脱リン微生物がリ
ン酸の形態で放出するリンの量と、ばっ気槽内の好気性
雰囲気で脱リン微生物が摂取するリンの量は、約1:
1.5程度の比率で維持される。このように、ばっ気槽
内で脱リン微生物が細胞質構成物質を合成するとき、細
胞内にリンが過剰摂取(luxury uptake)されることに
より、脱リン工程が遂行される。
【0051】嫌気性醗酵槽(30)で選択的に活性化さ
れた脱リン微生物を使用して、廃水処理装置の脱リン能
力を改善することに基づいて、後述の凝集沈殿槽(9
0)における凝集処理により、脱リン工程に要求される
薬品消耗量を最小化し、水質を改善することができる。
【0052】ばっ気槽(60)内で好気性微生物の物質
代謝作用による有機物の分解過程で、スラッジの一部
は、ばっ気槽の排出端にある出口(64)から、図1に
おいて矢印bで示された第1搬送経路に沿って、微生物
活性化槽(40)に搬送される。このような搬送スラッ
ジには、前述のように、好気性微生物が含まれている。
ばっ気槽で処理された廃水は、微生物と混ざり合った状
態で、出口を通して無酸素状態の脱窒槽(70)の流入
口(77)を経由して、脱窒槽に流入する。
【0053】(f)脱窒工程 図5には、接触濾材層(70a)と混合層(70b)で
構成された脱窒槽(70)が示されている。接触濾材層
には、ばっ気槽(60)でばっ気処理された混合液の脱
窒作用を行う接触濾材(75)が充填されている。接触
濾材層で脱窒された窒素ガスは、撹拌翼(73)を備え
た混合層(70b)で脱気され、脱窒された混合液は、
上層の流出ウィア(71;weir)を経て、排出口(7
2)を通じて排出される。
【0054】ばっ気槽(60)から流入した微生物と廃
水の混合液は、接触濾材(75)が充填された接触濾材
層(70a)を通過し、微生物などが接触濾剤に付着し
て、未処理の有機物と廃水内の硝化物を利用して脱窒反
応を行いながら成長する。微生物が接触濾材に付着成長
することにより、接触濾材層には順次スラッジブランケ
ット(sludge blanket)が形成されて、生物学的濾過作
用を行うようになり、廃水とスラッジの固液分離効果が
改善される。
【0055】脱窒槽(70)では、ばっ気槽(60)か
ら流入する混合液に含まれる未処理の有機物と硝化物か
ら、スラッジを利用して接触濾材層(70a)中に濃縮
された微生物の内生呼吸作用により、下記の式の脱窒反
応が行われる。
【0056】
【化3】
【0057】処理結果の一例では、脱窒工程を通じて、
酸素2.86g O2/g Nとアルカリ性物質3.6g CaCO3/
g Nが生成し、脱窒槽の滞留時間は、約0.75〜1.
25日程度であり、この工程の脱窒率は、0.03g N/
g MLVSS/dであった。
【0058】脱窒槽(70)では、スラッジの一部が接
触濾材層(70a)の生物学的濾過作用により濾過、分
離されて下部に沈殿した後、スラッジ排出口(76)を
経て、第2搬送経路cによって混合槽(50)に搬送さ
れる。その結果、ばっ気槽(60)における微生物濃度
を一定に維持することができる。
【0059】脱窒工程を経た廃水は、脱窒槽(70)の
排出口(72)を経て、下段の多重傾斜式沈殿槽(8
0)に流入する。
【0060】(g)分離工程 図6には、1次沈殿槽として代表的に用いられる多重傾
斜式沈殿槽(80)の構造が、概略的に示されている。
該多重傾斜式沈殿槽は、内部に複数個の傾斜沈殿板(8
5)および該傾斜沈殿板の両端部を支持する一対の傾斜
沈殿対(86)と、下部の沈殿スラッジ貯留部を有す
る。
【0061】一般に、栄養素除去のための各工程を、ス
ラッジの滞留時間を長く運転した場合、過度の酸化によ
って細胞が活性を喪失することにより、分散して、沈降
しない微細な細胞物質、すなわちピンフロック(pin fl
oc)が発生する。多重傾斜沈殿板(85)は、このよう
なピンフロックの発生を防ぐために設置されたもので、
スラッジとの接触面積を大きくするように構成される。
すなわち、多重傾斜式沈殿槽(80)に流入した廃水
は、傾斜沈殿板(85)の表面に沿って上方向に流れ、
該沈殿板を越えて次の沈殿板の表面を沿って流れる。傾
斜沈殿板を複数個設置することにより、スラッジとの接
触面積が大きくなり、ピンフロックの発生が抑制され
る。
【0062】ばっ気処理および脱窒処理された後、多重
傾斜式沈殿槽(80)に流入した処理廃水は、重力によ
り固形物と上澄液に固液分離される。このような固液分
離は、前述のように、微生物活性化槽(40)において
糸状菌(filamentous)のような菌類の成長を抑制する
ことによって向上する。一方、固形物は多重傾斜式沈殿
槽の下端部に沈降して、スラッジとして残存する。スラ
ッジは、無酸素状態で硝化物の残留濃度がほとんど0の
状態の脱リン微生物が、より優先的な状態になる。該ス
ラッジは、スラッジ排出口(83)から、図1の第3搬
送経路dに沿って嫌気性醗酵槽(30)に流入し、スラ
ッジ内の脱リン微生物が活性化される。
【0063】多重傾斜式沈殿槽(80)内の、固液分離
された上澄液は、上部排出口(82)を経由して凝集沈
殿槽(90)に流入し、残留リンと懸濁固形物が完全に
除去されるように、薬品処理される。
【0064】(h)残留リンおよび懸濁固形物の除去工
程 図7には、凝集沈殿槽(90)の内部構造の一例が、概
略的に示されている。該凝集沈殿槽には、多重傾斜式沈
殿槽(80)から上澄液が流入する導入管(92)と、
硫酸または金属塩のような化学薬品を注入するための注
入管(94)が設置されている。導入管から流入する上
澄液と、注入管から流入する化学薬品を適切に混合する
ための撹拌翼(93)が、注入管(94)の下部に位置
している。また、凝集沈殿槽の内部には、所定間隔で隔
離された分離壁(96、97、98)などが設けられ、
薬品と上澄液の混合室、凝集室および沈殿分離室を形成
している。
【0065】凝集沈殿槽(90)における作用を詳細に
説明すれば、導入管(92)から凝集沈殿槽に流入した
上澄液に、まず注入管(94)から硫酸を注入して撹拌
翼(3)によって混合し、上澄液を中性、すなわちpHを
好ましくは7.2〜7.8、特に好ましくは約7.5に
調節する。中性に調節された上澄液に、注入管(94)
から金属塩、たとえば鉄塩を所定量注入して混合する。
この後、混合液は、鉄塩と上澄液との間の化学反応によ
り、上澄液内の残留リンと懸濁固形物が除去される。
【0066】残留リンが除去される反応式は、次のとお
りである。 Fe3 + + PO4 3 - ――――――→ Fe(PO4) すなわち、上澄液内の残留リンは、鉄塩と直接反応し
て、不溶性塩として除去される。
【0067】また、鉄塩内の鉄は、次の反応式のように
上澄液の水酸基と反応し、水酸化鉄を形成して沈殿し、
除去される。 Fe3 + + 3(OH-) ――――――→ Fe(OH)3 この際、上澄液に残留している懸濁固形物は、沈殿する
水酸化鉄の粘性により、共に凝集沈殿して除去される。
【0068】図7の右半分に示された矢印は、上澄液と
化学薬品の混合液が、凝集沈殿槽(90)内で流動する
過程を表示する。1次分離壁(96)の内部では、撹拌
翼(93)が回転する間、分離壁によって限定された空
間内で、上澄液と化学薬品の急速な混合が、約5分間行
われる。ついで、得られた混合液は、1次分離壁の末端
部を越える際に、その混合エネルギーが減少する。1次
分離壁と2次分離壁(97)との間では、薬品スラッジ
の凝集とスラッジ粒子の成長が進行する。混合液が2次
分離壁(97)を越える際に、混合液の残留混合エネル
ギーが消滅し、その結果、混合液のスラッジは、末端分
離壁(98)を越えて沈殿する。凝集沈殿槽で発生する
最終処理水は、凝集沈殿槽の上部に設置されたバッフル
(99)を介して外部に放流され、スラッジは凝集沈殿
槽の下部に設置された放出口(91)から排出され、図
1の矢印hで示された経路に沿って脱水機(100)に
移送される。
【0069】脱水機(100)には、図1の矢印f、g
で各々示された経路に沿って、嫌気性醗酵槽(30)か
らの排出スラッジと、多重沈殿槽(80)からのスラッ
ジが共に流入する。脱水機(100)に流入したスラッ
ジは、脱水処理されることにより、脱水スラッジと脱水
濾液に分離される。脱水スラッジは、有機物含有量が高
く、毒性物質がほとんど含まれていないので、固形堆肥
化を通じて肥料で再活用できる。脱水によって生じた濾
液は、図1の搬送経路eを経由して、混合槽(50)に
流入する。
【0070】
【実施例】以下、実施例によって、本発明を説明する。
本発明は、この実施例によって限定されるものではな
い。
【0071】図1の廃水処理装置を使用して、スクレー
パ式豚舎で発生した畜産廃水を浄化処理した。浄化処理
に供した畜産廃水の生物学的酸素要求量(BOD)、化
学的酸素要求量(COD)、総窒素量(TN)および総
リン量(TP)は、表1に示すとおりであった。
【0072】
【表1】
【0073】表2には、本試験例に使われた廃水処理装
置の規格を記載する。
【0074】
【表2】
【0075】ここで、pHメータは、凝集沈殿槽(90)
内の上澄液のpHを測定するための;移送ポンプは、貯留
槽(20)内の廃水を嫌気性醗酵槽(30)に移送する
ための;搬送ポンプは、装置内でスラッジを搬送させる
ための;混合用モータは、嫌気性醗酵槽(30)と脱窒
槽(70)内の混合用撹拌翼(32、73)、および凝
集沈殿槽(90)の混合用撹拌翼(93)を回転させる
ための;そしてブロアは、微生物活性化槽(40)とば
っ気槽(60)に空気を供給するためのものである。
【0076】微生物活性化槽(40)に投入されたバイ
オクロード(42)には、別途に培養されたバチルス系
微生物および放線菌類微生物が、バイオクロード重量の
1%程度含まれていた。脱窒槽(70)から混合槽(5
0)への搬送率は125%であり、多重傾斜式沈殿槽
(80)から嫌気性醗酵槽(30)へのスラッジの搬送
率は75%であり、ばっ気槽(60)から微生物活性化
槽(40)へのスラッジの搬送率は100%であった。
【0077】脱水濾液を、脱水機(100)から混合槽
(50)に全量搬送した。貯留槽(20)を除外した装
置全体の容積は30.3Lであり、空気を15〜20L/m
in送風した。
【0078】嫌気性醗酵槽(30)内部の上層部には、
約10日経過後にスカムが形成された。酸化還元電位
(ORP)値は、約−300以下であり、搬送による希
釈効果を考慮する場合、排出液の溶解性リン含有量が約
1.5〜2.2倍に増加し、溶解性CODの含有量は、
大きくは増加しなかった。しかし、総窒素量(TN)は
約32.6%減少して、嫌気性醗酵槽(30)による前
処理により、後続の窒素負荷をかなり減少させ、硝化に
要求される酸素量をかなり減少させた。
【0079】ばっ気槽(60)の微生物混合液は、約1
1,000〜14,000mg/Lの濃度で維持され、スラ
ッジ生産量は、除去されたBOD(kg)当たり約0.5
kg MLVSSであり、排出スラッジ濃度は、約18,000
mg/Lであった。ばっ気槽(60)内の溶存酸素量は、流
入端に位置する隔室(60a)で2.0mg/L、流入端に
近接する隔室(60b)で1〜1.5mg/L、排出部に近
接する隔室(60c)で0.5〜1mg/L、そして排出端
に位置する隔室(60d)で2.5mg/Lに維持された。
ばっ気槽内のpHは7.7〜8.2であった。アルカリ度
は約2,325mg CaCO3/Lと、硝化工程で減少して、後
続の凝集処理工程で水酸化物形成による凝集剤の要求量
を減少させることができる、良好な条件を形成した。
【0080】多重傾斜式沈殿槽(80)の流出水質は、
BOD 128mg/L、TN 145mg/LおよびTP 75m
g/Lであって、BODとTNは95%以上の高い除去率
を表し、TP除去率は86%であった。多重傾斜式沈殿
槽(80)の上澄液に鉄塩を添加して、凝集沈殿を行っ
た凝集沈殿槽(90)の流出水質は、BOD 42mg/
L、懸濁固形物(SS) 33mg/L、TN 45mg/Lおよ
びTP 6.2mg/Lの安定した水質を表した。この際、
凝集スラッジは、多重傾斜式沈殿槽(80)の懸濁固形
物(SS)の約4倍が発生して、多重傾斜式沈殿槽で発
生した13.6g/dと、凝集沈殿スラッジ4.3g/dによ
り、畜産廃水のCOD除去当たり発生するスラッジは、
除去されたCOD(kg)当たりSSが0.4kgであっ
た。
【0081】本実施例による畜産廃水の処理結果は、表
3に示すとおりであった。処理工程中、ばっ気槽(6
0)の微生物混合液のSVIは62〜115であり、酸
素要求量は58〜105mg O/L/hであったが、実際に供
給された酸素量は、酸素伝達率を0.1として、約36
0mg O/L/hであった。そのため、ばっ気槽(60)の溶
存酸素濃度は低く維持されたが、要求量は満足させるこ
とができる値であった。したがって、溶存酸素濃度を本
発明のように制御することにより、処理費用の相当な節
減効果がなされた。
【0082】
【表3】
【0083】
【発明の効果】上記の結果から明らかなように、本発明
によって、高濃度の畜産廃水を処理する際に、有機物お
よび窒素とリンを効果的にかつ経済的に除去することが
でき、安定で優秀な処理水質を経済的に確保できる。本
発明は、小規模の廃水発生施設にも適用可能であり、畜
産廃水と関連した環境汚染問題を効果的に解消できる。
また、畜産廃水の処理によって生じるスラッジは、一般
都市の下水とは異なり、重金属またはその他の有害性汚
染物を含むおそれがない。したがって、該スラッジを堆
肥化し、また固形肥料としても有効に利用できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による廃水処理工程の構成図である。
【図2】本発明の廃水処理装置に使用される嫌気性醗酵
槽の概略図である。
【図3】本発明の廃水処理装置に使用される微生物活性
化槽の概略図である。
【図4】本発明の廃水処理装置に使用されるばっ気槽の
概略図である。
【図5】本発明の脱窒処理に使用される脱窒槽の概略図
である。
【図6】本発明の廃水処理装置に使用される多重傾斜式
沈殿槽の概略図である。
【図7】本発明の廃水処理装置に使用される凝集沈殿槽
の内部構造図である。
【符号の説明】
10:廃水処理装置 20:貯留槽 30:嫌気性醗酵槽 40:微生物活性化槽 42:バイオクロード 44:内部活性化槽 50:混合槽 60:ばっ気槽 66:隔壁 70:脱窒槽 75:接触濾材 80:多重傾斜式沈殿槽 84:多重傾斜沈殿板 90:凝集沈殿槽 100:脱水機

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (a)廃水から固液分離された排出液
    を、貯留槽に保存して濃度と流量を均等化する工程; (b)貯留槽で均等化された排出液中の難分解性有機物
    を、嫌気性醗酵槽内で嫌気性微生物により、後続微生物
    の摂取に容易な状態に加水分解して、脱リン微生物を活
    性化する工程; (c)ばっ気槽から微生物活性化槽に搬送されたスラッ
    ジ内の好気性微生物を、該微生物活性化槽で選択的に活
    性化して生物的吸着能を増大させ、バイオクロード内に
    充填された微生物を成長させることにより、好気性微生
    物を活性化する工程; (d)固形化させた土壌微生物を受け入れた微生物活性
    化槽の流出液と、上記嫌気性醗酵槽の流出液、ならびに
    搬送スラッジおよび濾液を、混合槽で混合する工程; (e)上記混合液を、溶存酸素濃度調節式ばっ気槽に導
    入して、有機物とリンを処理し、アンモニア性窒素を硝
    化する工程; (f)ばっ気槽で処理された液を、無酸素状態で微生物
    の内生呼吸を利用して、硝化物を脱窒する工程; (g)脱窒処理された液を、1次沈殿槽でスラッジと上
    澄液に分離する工程;ならびに (h)1次沈殿槽で沈殿分離された上澄液から、凝集沈
    殿槽で残留リンおよび懸濁した固形物を除去して、処理
    水を放出する工程を含むことを特徴とする廃水処理方
    法。
  2. 【請求項2】 1次沈殿槽で分離された微生物スラッジ
    の一部を、微生物活性化槽に供給する工程をさらに含
    む、請求項1記載の廃水処理方法。
  3. 【請求項3】 上記ばっ気槽の処理工程を、多段式ばっ
    気槽で遂行し、かつばっ気槽中間隔室の溶存酸素濃度を
    0.5〜1mg/Lに調節する、請求項1記載の廃水処理方
    法。
  4. 【請求項4】 上記凝集沈殿槽処理工程において、凝集
    沈殿槽内のpHを7.2〜7.8に調節した後、金属塩を
    注入する、請求項1記載の廃水処理方法。
  5. 【請求項5】 上記凝集沈殿槽の沈殿スラッジ、嫌気性
    醗酵槽の排出スラッジ、および1次沈殿槽で分離したス
    ラッジを、脱水機で固液分離し、脱水濾液を混合槽に搬
    送する工程をさらに含む、請求項4記載の廃水処理方
    法。
  6. 【請求項6】 硝化物による脱リン微生物の阻害現象を
    排除するために、脱窒槽と嫌気性醗酵槽を分離運転す
    る、請求項1記載の廃水処理方法。
  7. 【請求項7】 (A)廃水から固液分離された排出液を
    貯蔵して、濃度と流量を均等化させる貯留槽; (B)上記貯留槽の下側に位置して、嫌気性微生物を備
    える嫌気性醗酵槽; (C)バイオクロードが収容されている内部活性化槽と
    散気管を備える微生物活性化槽; (D)上記微生物活性化槽および上記嫌気性醗酵槽それ
    ぞれの流出液と、搬送スラッジおよび濾液が流入する流
    入口を備えて、上記流入口からの流入物を受け入れて混
    合する混合槽; (E)上記混合槽の下流側に連結された溶存酸素調節式
    ばっ気槽; (F)上記ばっ気槽の下流側に連結された脱窒槽; (G)上記脱窒槽の下流側に連結された1次沈殿槽;な
    らびに (H)上記1次沈殿槽の下流側に連結された凝集沈殿槽
    を含むことを特徴とする廃水処理装置。
  8. 【請求項8】 上記微生物活性化槽が、バイオクロード
    が充填された内部活性化槽を含む、請求項7記載の廃水
    処理装置。
  9. 【請求項9】 上記ばっ気槽が、多段式ばっ気槽であ
    る、請求項7記載の廃水処理装置。
  10. 【請求項10】 脱水機、ならびに上記1次沈殿槽、凝
    集沈殿槽および嫌気性醗酵槽の各々からのスラッジを、
    上記脱水機に供給するための供給管をさらに含む、請求
    項7記載の廃水処理装置。
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