JP2000093501A - 生体活性材料 - Google Patents

生体活性材料

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JP2000093501A
JP2000093501A JP10264462A JP26446298A JP2000093501A JP 2000093501 A JP2000093501 A JP 2000093501A JP 10264462 A JP10264462 A JP 10264462A JP 26446298 A JP26446298 A JP 26446298A JP 2000093501 A JP2000093501 A JP 2000093501A
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Japan
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cement
filler
glass
bioactive material
workability
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JP10264462A
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English (en)
Inventor
Ken Choju
研 長寿
Kiyoyuki Okunaga
清行 奥長
Satoshi Yoshihara
聡 吉原
Yoshiaki Kitamura
嘉朗 北村
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Nippon Electric Glass Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体活性セメントのフィラーとして好適な生
体活性材料を提供する。 【解決手段】 Caを含有するガラス又は結晶化ガラス
粉末からなり、5m2/g以下の比表面積を有すること
を特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は生体活性セメントのフィ
ラーや、骨欠損部の充填材として用いられる生体活性材
料に関するものである。
【0002】
【従来の技術】整形外科分野や口腔外科分野等で用いら
れるインプラント材の接着固定や骨欠損部の充填、脳神
経外科分野における頭蓋欠損部の再建等に使用されるセ
メントとして、PMMAセメントが広く知られている。
ところがPMMAセメントには生体活性がないため、自
然骨と化学的に結合することはできない。そこで近年、
PMMAセメントに生体活性材料(アパタイト、Ca含
有ガラス等)をフィラーとして添加した生体活性セメン
トが提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】上記生体活性セメント
は、生体内で硬化すると、硬化体表面に露出したフィラ
ーからCaイオンが溶出し、体液と反応して硬化体表面
にアパタイト層を形成する結果、自然骨と化学的に結合
することができる。
【0004】ところがこのセメントは、フィラーの添加
によって作業性が低下する場合がある。
【0005】本発明の目的は、生体活性セメントのフィ
ラーとして好適な生体活性材料を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の生体活性材料
は、Caを含有するガラス又は結晶化ガラス粉末からな
り、5m2/g以下の比表面積を有することを特徴とす
る。ここで比表面積は、BET法で測定した値を示して
いる。
【0007】
【作用】無機材料と有機材料からなるセメントの特性、
特にセメント混合時の作業性は、両者の接している界面
の面積に左右されるが、本発明の生体活性材料は比表面
積が5m2/g以下、好ましくは3m2/g以下であるた
め、これをフィラーとして用いると作業性のよいセメン
トを得ることができる。比表面積が5m2/gより大き
いと、樹脂との接触面積が大きくなりすぎるために、セ
メントの粘性が著しく上昇して作業性が悪くなり、所望
の形状に成形できない等の問題が生じる。なお比表面積
は小さい方がよいが、極端に小さすぎる場合は、樹脂と
の接触面積が少なくなってセメントの粘性が低下し、形
状維持が困難になったり、セメントの手触り感が悪くな
ることがある。また生体活性が低下する場合もある。こ
のため、比表面積は0.1m2/g以上に調整すること
が好ましい。
【0008】また本発明の生体活性材料は、体液と接触
するとCa2+イオンを溶出する性質を有するCa含有ガ
ラス又は結晶化ガラス粉末からなる。より具体的には重
量%でCaO 30〜70%、SiO2 30〜70
%、P25 0〜40%、MgO 0〜20%、Ca
2 0〜5%、特にCaO 40〜50%、SiO2
0〜40%、P25 10〜20%、MgO 0.5
〜10%、CaF20〜2%の組成を有するガラスや、
これを熱処理した結晶化ガラスを使用することができ
る。上記組成を有するガラスはCa2+イオンを溶出し易
く、高い生体活性を示す。また上記結晶化ガラスは、骨
との間に化学結合を生じさせるとともに生体親和性を良
好にするアパタイト結晶や、機械的強度を高めるウォラ
ストナイト結晶等がガラス中に多数析出した緻密な構造
を有している。
【0009】また生体活性材料は、粉砕物、破砕物、鱗
片形、瓢箪形、紡錘形、球形等種々の形状で使用し得る
が、特に球形等の鋭角部が殆どない丸みを帯びた形状、
いわゆるビーズ状であることが好ましい。ビーズ状の粉
末を得るには、ガラス(或いは結晶化ガラス)粉末を高
温の炎に供給して再溶融した後、急冷すればよい。この
ような粉末は、粉砕等で生じた粒子中のクラックが再溶
融時に消失し、滑らかな火造りの表面を有する。このた
め粒子そのものの機械的強度が高く、セメント用フィラ
ーとして使用すると、セメント硬化体の機械的強度を著
しく向上させることができる。また骨欠損部充填材とし
て使用する場合、丸みを帯びた形状であるため流動性が
よく、注射器を用いて充填しても管が詰まることがな
い。しかも鋭角部が殆どないため、充填後に生体組織を
刺激する可能性が低い。さらに粒子同士が衝突して破損
したり、微粉が発生することもない。
【0010】なおビーズ化するに当たっては、生体に対
する安全性の面から、製造工程から混入する不純物、特
に製造設備に使用されるステンレス鋼の成分であるFe
23、Cr23、NiO等の不純物の混入を極力制限す
ることが重要である。具体的にはFe23を100pp
m以下、Cr23を20ppm以下、NiOを10pp
m以下に制限することが望ましい。これらの不純物の混
入を防止する方法としては、例えば製造設備のガラス粉
末と接する部分全体にアルミナ、シリカ−アルミナ複合
体等のコーティングを施しておけばよい。
【0011】本発明の材料をセメント用フィラーとして
使用する場合、その表面をシランカップリング処理して
おくことが好ましい。この処理により、樹脂成分との馴
染みがよくなってセメント硬化体の強度が大きくなると
ともに、粉末表面が疎水基を持つために血液の阻害性が
なくなり、セメントが硬化し易くなる。なおシランカッ
プリング処理を施すに当たっては、弱酸〜中性領域(p
H5〜8程度)で行うことが好ましい。これは、pHが
5より低いとガラス表面が浸食されて生体活性が低くな
り、pHが8より高いとシランカップリング処理が困難
になるためである。
【0012】
【実施例】以下、本発明を実施例及び比較例に基づいて
詳細に説明する。
【0013】表1〜3は本発明の材料をPMMAセメン
トのフィラーとして用いた実施例(試料No.1〜1
1)、及び比較例(試料No.12)を示すものであ
る。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】[試料の調製]各試料は次のようにして調
製した。
【0018】まずフィラーとポリメタクリレート粉末を
用意した。
【0019】フィラーは次のようにして調製した。ま
ず、重量%でCaO 45%、SiO 2 34%、P2
5 16%、MgO 4.5%、CaF2 0.5%
の組成を有するCa含有ガラスを粉砕、分級したガラス
粉末と、これを1050℃で5時間熱処理して結晶化さ
せた後、再度粉砕、分級して得た結晶化ガラス粉末を用
意した。次にガラス粉末又は結晶化ガラス粉末を150
0℃以上の火炎中に供給して再溶融しながら吹き飛ばし
た後、急冷することによって、比表面積が0.5〜8.
0m2/gのビーズ状フィラーを作製した。また粉砕物
状フィラーは、比表面積が1.0m2/gとなるように
調整したガラス粉末を用いた。
【0020】なおビーズ化は、フィラー中のFe23
Cr23、NiOの混入量がそれぞれ100ppm以
下、20ppm以下、10ppm以下になるように、ガ
ラス粉末と接する部分全体にアルミナのコーティングを
施した設備を用いて行った。また各フィラーは、pH6
に調製したシランカップリング剤で表面処理を施した。
【0021】ポリメタクリレート系粉末としては、平均
粒径30μm、重量平均分子量15万のポリメチルメタ
クリレート(PMMA)粉末を用意した。
【0022】次に生体活性フィラーとポリメタクリレー
ト系粉末を表に示す割合で秤量し、さらに重合開始剤と
して過酸化ベンゾイルを添加して混合した。
【0023】また、メタクリレート系モノマーとしてメ
チルメタクリレート(MMA)を用意し、さらに重合促
進剤としてN,N−ジメチル−p−トルイジンを添加し
て混練した。
【0024】このようにして粉末−液体系の試料を得
た。
【0025】なお過酸化ベンゾイル、N,N−ジメチル
−p−トルイジンの添加量は、約7分で硬化するよう
に、それぞれモノマーの総量100重量部に対して2重
量部及び1.4重量部とした。
【0026】[評価]各試料について作業性、アパタイ
ト形成能、及び硬化体の曲げ強度について評価した。結
果を表に示す。
【0027】表から明らかなように、本発明の実施例で
ある試料No.1〜11は作業性が良好であり、また何
れもアパタイトの形成が認められた。さらに硬化体の曲
げ強度は初期で90MPa以上、生理食塩水浸漬後で7
0MPa以上であり、実用上十分な値であった。特にビ
ーズ状のフィラーを用いた試料No.1〜10は、初期
強度が120MPa以上、生理食塩水浸漬後の強度が1
10MPa以上であり非常に高強度であった。
【0028】一方、比較例であるNo.12の試料は、
アパタイトの形成が認められ、また実施例と同等の曲げ
強度を有していたが、比表面積が5m2/gより大きい
フィラーを使用したために粘度が高くなりすぎて作業性
が悪かった。
【0029】なお作業性は、セメントを手で混練したと
きの作業のし易さを評価した。アパタイト形成能は、セ
メント硬化直後に37℃の疑似体液中に浸漬し、3日後
に取り出してその表面を電子顕微鏡で観察し、アパタイ
ト結晶の有無を確認することによって行った。曲げ強度
は、各試料を混練して硬化させ、3×4×20mmの大
きさの試験片を作製した後、初期強度及び生理食塩水に
1ヶ月間浸漬した後の強度を3点曲げ試験(スパン16
mm)にて評価したものである。
【0030】
【発明の効果】本発明の生体活性材料をセメントのフィ
ラーとして使用すると、作業性のよいセメントを得るこ
とができる。このセメントは、フィラーから溶出するC
2+イオンが体液中のPO4 -イオンと反応する結果、硬
化体表面に生体類似のアパタイト層を形成する。これに
より、セメント硬化体が自然骨と化学的に結合すること
ができる。
【0031】また本発明の生体活性材料は、生体活性が
高く、実用上十分な機械的強度を有しているため、骨欠
損部の充填材としても使用可能である。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 北村 嘉朗 滋賀県大津市晴嵐2丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内 Fターム(参考) 4C081 AB04 AC04 BA13 BA17 BB04 BB08 CA081 CA082 CF061 CF111 DA11 DB02 DC03 DC12

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 Caを含有するガラス又は結晶化ガラス
    粉末からなり、5m 2/g以下の比表面積を有すること
    を特徴とする生体活性材料。
  2. 【請求項2】 ビーズ状であることを特徴とする請求項
    1の生体活性材料。
  3. 【請求項3】 重量%でCaO 30〜70%、SiO
    2 30〜70%、P25 0〜40%、MgO 0
    〜20%、CaF2 0〜5%の組成を有することを特
    徴とする請求項1又は2の生体活性材料。
  4. 【請求項4】 生体活性セメントのフィラーとして使用
    されることを特徴とする請求項1〜3の生体活性材料。
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