JP2000091778A - 箱体の冷却構造及び冷却方法 - Google Patents

箱体の冷却構造及び冷却方法

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JP2000091778A
JP2000091778A JP10306938A JP30693898A JP2000091778A JP 2000091778 A JP2000091778 A JP 2000091778A JP 10306938 A JP10306938 A JP 10306938A JP 30693898 A JP30693898 A JP 30693898A JP 2000091778 A JP2000091778 A JP 2000091778A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 防水性や防塵性を損なうことなく箱体内の温
度上昇を防ぐとともに、組み立て性に影響を来すことな
く箱体を組み立てることができ、さらには、部品類の劣
化防止や電気的特性の向上を図ることのできる箱体の冷
却構造及び冷却方法を提供する。 【解決手段】 箱体の冷却構造は、箱体21内部の発熱
源27、28から導出される電線29aの電線束29に
熱電冷却素子37を含む冷却手段34を設けて電線束2
9に対する吸熱をさせることにより箱体21を冷却する
構造を採用している。冷却手段34は熱電冷却素子37
の吸熱側で電線束29に外嵌される吸熱部38を有し、
その吸熱部38を箱体21の外壁25に形成した取り付
け部33に固定するようになっている。また、熱電冷却
素子37の放熱側に放熱用のフィン52を設けるように
なっている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、箱体の冷却構造及
び冷却方法に関し、特に、箱体内部に設けられた発熱源
から導出される電線束の吸熱を行うことにより箱体を冷
却する構造及び方法に関する。
【0002】
【従来の技術】上記箱体を自動車等の車両に搭載される
電気接続箱、即ちリレーボックスを例にして説明する
と、そのリレーボックスをエンジンルーム内で使用する
場合には、エンジンからの熱に曝されるのみならず、油
や水、或いは埃などに接触する機会が多いため、これら
を防ぐカバーをリレーボックス本体部に設けるようにな
っている。
【0003】図5を参照してもう少し具体的に説明すれ
ば、リレーボックス1は、リレーボックス本体部2とこ
れに被着する上カバー3及び下カバー4とを備えて構成
されており、リレーボックス本体部2には、一体的に形
成された配線板5が設けられている。
【0004】配線板5の一方の面5a側は、複数のリレ
ー6等が配設されており、一方の面5aの反対側となる
他方の面5b側には、複数のリレー6等からそれぞれ導
出された電線7が電線束8を形成して配索されている。
そして、電線束8は、リレーボックス本体部2の側壁2
aに形成された電線導出口9を通じて外部の図示しない
回路体と接続されるようになっている。
【0005】尚、図中10は、電線導出口9からの雨水
等の浸入を防止するために設けられた鍔部を示してい
る。また、下カバー4には、仮にリレーボックス1内に
雨水等が浸入した際に機能する排水口が形成される場合
もある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】上記従来技術にあって
は、リレーボックス1は、図5に示される如く、上カバ
ー3及び下カバー4によって密閉されており、その内部
に複数のリレー6等が密集するように設けられているこ
とから、これらリレー6等が通電時に発熱源となり、リ
レーボックス1内の温度が次第に上昇してしまうような
構造になっている。
【0007】従って、最悪の状態で考えた場合には、温
度上昇に伴う電気抵抗の増加により、電線7の溶断、シ
ョートを引き起こす可能性があるため、ユーザー側から
放熱性の良いリレーボックス、即ち電気接続箱を提供す
るよう強く要望されている。
【0008】しかし、防水性や防塵性を損なうことなく
温度上昇を防ぐような構造は、電気接続箱の組み立て性
の面も踏まえると容易なことではないため、依然として
上記リレーボックス1のような構造を採用するしかない
のが現状である。
【0009】尚、上記の他に、リレー6等の劣化や電気
的特性の低下も懸念されている。
【0010】本発明は、上述した事情に鑑み、防水性や
防塵性を損なうことなく箱体内の温度上昇を防ぐととも
に、組み立て性に影響を来すことなく箱体を組み立てる
ことができ、さらには、部品類の劣化防止や電気的特性
の向上を図ることのできる箱体の冷却構造及び冷却方法
を提供することを課題とする。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
なされた請求項1記載の本発明の箱体の冷却構造は、内
部に発熱源を有する箱体の冷却構造であって、前記発熱
源から導出される電線の電線束、又は前記発熱源に熱電
冷却素子を含む冷却手段を設けることを特徴としてい
る。
【0012】上記構成において、箱体の冷却構造は、箱
体内部の発熱源から導出される電線の電線束、又は発熱
源に熱電冷却素子を含む冷却手段を設けて電線束に対す
る吸熱をさせることにより箱体を冷却する構造を採用し
ている。このような冷却構造を採用すると、先ず電線束
の場合、冷却手段が電線束に生じる熱を吸熱して箱体内
の温度上昇を防ぐことになるため、温度上昇に伴う電気
抵抗の増加がなくなり、電線の溶断、ショート及び部品
類の劣化等を引き起こすことがなく、電気的特性も向上
する。また、電線束を介して吸熱することから、箱体の
防水性や防塵性を必要とする部分の形状を変更しなくて
もすむので、当然の如く、従来同様の防水性及び防塵性
を維持できる。さらにまた、冷却手段を電線束に対して
予め組み付けやすくしておけば、箱体自体が複雑な構造
となることはまずないので、箱体の組み立て性も十分に
確保される。次に、発熱源に冷却手段を設けた場合、冷
却手段が直接効率よく吸熱できるという利点がある。従
って、防水性や防塵性を損なうことなく箱体内の温度上
昇を防ぐとともに、組み立て性に影響を来すことなく箱
体を組み立てることができ、さらには、部品類の劣化防
止や電気的特性の向上を図ることのできる冷却構造を提
供することができる。尚、上記熱電冷却素子は、2つの
異種金属の接合部を通って電流を流したときに、熱が吸
収されるというペルチェ効果に基づいて作られた、熱エ
ネルギーを輸送する電子熱ポンプであり、半導体と金属
の接合部における同様の効果を利用したものも含まれる
(以下同様)。
【0013】請求項2記載の本発明の箱体の冷却構造
は、請求項1に記載の箱体の冷却構造において、前記冷
却手段は前記熱電冷却素子の吸熱側で前記電線束に外嵌
される吸熱部を有することを特徴としている。
【0014】上記構成において、冷却手段は熱電冷却素
子の吸熱側で電線束に外嵌される吸熱部を有するように
なっている。従って、例えば箱体自体の組み立て後に吸
熱部を電線束に外嵌して冷却手段を設けることもできる
ので、箱体の組み立て性を従来と同様に確保することが
できる。
【0015】請求項3記載の本発明の箱体の冷却構造
は、請求項2に記載の箱体の冷却構造において、前記吸
熱部と前記電線束との間隙に熱伝導性を有するグリス等
を充填することを特徴としている。
【0016】上記構成において、外嵌した吸熱部と電線
束との間隙に熱伝導性を有するグリス等を充填するよう
になっている。従って、電線束から吸熱部への熱伝導性
が向上し、電線束に対する吸熱をより確実なものとする
ことができる。
【0017】請求項4記載の本発明の箱体の冷却構造
は、請求項2又は請求項3に記載の箱体の冷却構造にお
いて、前記吸熱部を前記箱体の外壁に形成した取り付け
部に固定することを特徴としている。
【0018】上記構成において、吸熱部を箱体の外壁に
形成した取り付け部に固定するようになっている。従っ
て、吸熱部をこのように固定することにより、冷却手段
が発熱源や箱体周囲の雰囲気温度によって上昇した箱体
外壁部分の吸熱も行うことになって、より箱体内の温度
上昇を抑えることができる。
【0019】請求項5記載の本発明の箱体の冷却構造
は、請求項1に記載の箱体の冷却構造において、前記発
熱源は前記熱電冷却素子の吸熱側に直付け可能な端子、
バスバー、及びコネクタのうち、いずれか又はこれらの
組み合わせであることを特徴としている。
【0020】上記構成において、発熱源は端子、バスバ
ー、及びコネクタのうち、いずれか又はこれらの組み合
わせであり、熱電冷却素子の吸熱側に直付けすること
で、より効率よく吸熱することができる。
【0021】請求項6記載の本発明の箱体の冷却構造
は、請求項1ないし請求項5いずれか記載の箱体の冷却
構造において、前記箱体は自動車等の車両に搭載される
電気接続箱であることを特徴としている。
【0022】上記構成において、箱体は自動車等の車両
に搭載される電気接続箱であり、例えば高温雰囲気中に
曝されるエンジンルーム内で使用したとしても、十分に
温度上昇を抑えることができる。従って、よりよい電気
接続箱を提供することができる。
【0023】請求項7記載の本発明の箱体の冷却構造
は、請求項1ないし請求項6いずれか記載の箱体の冷却
構造において、前記冷却手段における前記熱電冷却素子
の放熱側に放熱用のフィンを設けることを特徴としてい
る。
【0024】上記構成において、冷却手段における熱電
冷却素子の放熱側に放熱用のフィンを設けるようになっ
ている。従って、放熱側の表面積が広がり、その放熱側
から放熱する際の効率を高めることができる。
【0025】請求項8記載の本発明の箱体の冷却構造
は、請求項6に記載の箱体の冷却構造において、前記車
両のボディに前記冷却手段における前記熱電冷却素子の
放熱側を密着させることを特徴としている。
【0026】上記構成において、車両のボディに冷却手
段における熱電冷却素子の放熱側を密着させるようにな
っている。従って、放熱側の表面積が大幅に広がり、そ
の放熱側から放熱する際の効率をさらに高めることがで
きる。
【0027】上記課題を解決するためなされた請求項9
記載の本発明の箱体の冷却方法は、内部に発熱源を有す
る箱体の冷却方法であって、前記発熱源から導出される
電線の電線束、又は前記発熱源に熱電冷却素子を含む冷
却手段を設けて前記電線束又は前記発熱源に生じた熱を
吸熱させることにより前記箱体を冷却することを特徴と
している。
【0028】上記構成において、箱体の冷却方法は、箱
体内部の発熱源から導出される電線の電線束、又は発熱
源に熱電冷却素子を含む冷却手段を設けて電線束又は発
熱源に生じた熱を吸熱させることにより箱体を冷却する
方法を採用している。このような冷却方法を採用するこ
とにより、上述同様の作用効果が得られることになる。
即ち、先ず電線束の場合、冷却手段が電線束に生じる熱
を吸熱して箱体内の温度上昇を防ぐことになるため、温
度上昇に伴う電気抵抗の増加がなくなり、電線の溶断、
ショート等を引き起こすことがなく、電気的特性も向上
する。また、電線束を介して吸熱することから、箱体の
防水性や防塵性を必要とする部分の形状を変更しなくて
もすむので、当然の如く、従来同様の防水性及び防塵性
を維持できる。さらにまた、冷却手段を電線束に対して
予め組み付けやすくしておけば、箱体自体が複雑な構造
となることはまずないので、箱体の組み立て性も十分に
確保される。次に、発熱源に冷却手段を設けた場合、冷
却手段が直接効率よく吸熱できるという利点がある。従
って、防水性や防塵性を損なうことなく箱体内の温度上
昇を防ぐとともに、組み立て性に影響を来すことなく箱
体を組み立てることができ、さらには、部品類の劣化防
止や電気的特性の向上を図ることのできる冷却方法を提
供することができる。
【0029】請求項10記載の本発明の箱体の冷却方法
は、請求項9に記載の箱体の冷却方法において、前記冷
却手段は前記熱電冷却素子の吸熱側で前記電線束に外嵌
される吸熱部を有し、該吸熱部を前記箱体の外壁に形成
した取り付け部に固定することによって前記冷却手段が
更に前記外壁の吸熱も行うことを特徴としている。
【0030】上記構成において、冷却手段は熱電冷却素
子の吸熱側で電線束に外嵌される吸熱部を有し、その吸
熱部を箱体の外壁に形成した取り付け部に固定すること
によって冷却手段が更に外壁の吸熱も行う方法を採用し
ている。従って、上述同様に、冷却手段が発熱源や箱体
周囲の雰囲気温度によって上昇した箱体外壁部分の吸熱
も行うことになり、より箱体内の温度上昇を抑えること
ができる。
【0031】請求項11記載の本発明の箱体の冷却方法
は、請求項10に記載の箱体の冷却方法において、前記
電線束における前記各電線を横一列に平らに並べ前記吸
熱部を外嵌するとともに前記吸熱部と前記電線束との間
隙に熱伝導性を有するグリス等を充填することを特徴と
している。
【0032】上記構成において、電線束における各電線
を横一列に平らに並べ吸熱部を外嵌するとともに吸熱部
と電線束との間隙に熱伝導性を有するグリス等を充填す
る方法を採用している。従って、上述同様に、電線束か
ら吸熱部への熱伝導性が向上し、電線束に対する吸熱を
より確実なものとすることができる。また、各電線を横
一列に平らに並べることで斑なく吸熱することができ
る。
【0033】請求項12記載の本発明の箱体の冷却方法
は、請求項9に記載の箱体の冷却方法において、前記発
熱源は端子、バスバー、及びコネクタのうち、いずれか
又はこれらの組み合わせであって、前記熱電冷却素子の
吸熱側と直付けすることにより吸熱を行うことを特徴と
している。
【0034】上記構成において、発熱源は端子、バスバ
ー、及びコネクタのうち、いずれか又はこれらの組み合
わせであって、熱電冷却素子の吸熱側と直付けすること
により吸熱を行う方法を採用している。従って、上述同
様に、熱電冷却素子の吸熱側と直付けすることで、より
効率よく吸熱することができる。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施の形態を説明する。図1は本発明の箱体の冷却構造
の一実施の形態を示す電気接続箱の分解斜視図である。
また、図2は図1の縦断面図、図3は図1の冷却手段を
説明するための模式図である。
【0036】尚、上記の通り、特許請求の範囲に記載し
た箱体の一例として、自動車等の車両に搭載される電気
接続箱を用いることとし、先ず、その電気接続箱の構成
について説明する。
【0037】図1において、図中引用符号21は電気接
続箱を示しており、その電気接続箱21は箱本体部22
と箱本体部22に対して上下方向から各々被着する上カ
バー23及び下カバー24とを備えて構成されている。
【0038】箱本体部22は、合成樹脂製で上下が開放
された矩形枠体状の外壁25を有し、その外壁25によ
って囲まれた内部には、図2に示される如くの配線板2
6が一体に設けられている(これに限らず、配線板26
を別体にしてはめ込み等による取り付けでもよい)。
【0039】その配線板26の一方の面側には、複数の
リレー27、ヒューズ28(共に特許請求の範囲に記載
した発熱源に相当)、場合によっては図示しない他の電
気部品及び電子ユニット等がキャビティ26a、26b
等を介して配設されており、また、前記一方に対する他
方の面側には、それらから導出される複数の電線29a
によって電線束29が形成されている。
【0040】そして、その電線束29は、外壁25の一
側壁25aに形成された開口30を介して箱本体部22
の外側へ引き出されている(開口30に対しては、当然
の如く、図示しない既知のグロメット等を用いて水密に
することができる)。
【0041】外壁25には、図1に示される如く、上カ
バー23に対する防水防塵部31と、例えば前記車両の
ボディ59(図2参照)に対する4つ(一方側のみ図
示)の取り付け脚部32とが形成されており、さらに、
前記一側壁25aの開口30に対して上カバー23側に
形成された取り付け部33には、電線束29を介して電
気接続箱21の冷却を行う冷却手段34が設けられてい
る。
【0042】上記防水防塵部31は、挿着されるパッキ
ン35(図2参照)が当接する段部31aと、その段部
31aによって外壁25の外周面よりも内側に配設され
る薄肉の枠部31bとから構成されており、上カバー2
3が被着してからの水等の浸入を防止するようになって
いる。また、上カバー23に対する案内の役目も果たし
ている。
【0043】上記取り付け脚部32は、正面視略短冊
状、側面視略L字状に形成された板部材であって、その
取り付け脚部32の一端が前記一側壁25aに対して直
交する側壁25b、25bに一体に形成されており、前
記一端に対する他端側には、図示しない固定ボルトに対
する貫通孔32aが穿設されている。
【0044】上記取り付け部33は、前記一側壁25a
から電線束29の引き出し方向へ延在する板部材であっ
て、その延在方向に沿う両側縁部と一側壁25aにわた
って側面視、略直角三角形状のリブ33a、33aが形
成されており、また、両側縁部近傍には、前記冷却手段
34を固定するためのボルト36、36が挿し通される
図示しない貫通孔が設けられている。
【0045】上記冷却手段34は、図3に示される如
く、熱電冷却素子(Thermoelectriccooling element)
37と、熱電冷却素子37の吸熱側に設けられる金属製
の吸熱ブロック38(特許請求の範囲に記載した吸熱部
に相当)と、前記吸熱側に対向する放熱側のヒートシン
ク39(金属製)とを備えて構成されている。
【0046】上記熱電冷却素子37は、2つの異種金属
の接合部を通って電流を流したときに、熱が吸収される
というペルチェ効果に基づいて作られた、熱エネルギー
を輸送する電子熱ポンプであり、本形態においては、半
導体(例えばBi2Te3、Sb2Te3など)と金属(例えば銅)
との接合部における同様の効果を利用したものを用いて
いる。
【0047】即ち、銅製の正電極40及び負電極41
と、同じく銅製の吸熱側中間電極42、42と、同じく
銅製の放熱側中間電極43と、n形半導体44、44
と、p形半導体45、45と、これらを挟み込むような
状態で設けられるセラミック板46、46とで構成され
ており、正電極40及び負電極41は、電線47、47
を介して電源48に接続されている。
【0048】そして、この熱電冷却素子37は、通電が
なされることにより、吸熱側中間電極42、42が吸熱
源、正電極40及び負電極41の両電極と放熱側中間電
極43とが発熱源となって熱ポンプとしての機能を有す
るようになっている。
【0049】上記吸熱ブロック38は、前記取り付け部
33(図2参照)に接する上ブロック49と、接着剤な
どによる適宜固定手段により吸熱側のセラミック板46
を固定することになる下ブロック50とを備えて構成さ
れており、共に凹状の断面形状を有するとともに、互い
に向き合うことで内方が中空状になるよう形成されてい
る。その中空となった空間には、前記電線束29の各電
線29a(図1参照)が横一列に並んだ状態で挟み込ま
れるようになっている。
【0050】上記上ブロック49の両側の厚肉部分に
は、取り付け部33(図1参照)の前記図示しない貫通
孔に対応する位置に、図示しない貫通孔又は雌ねじを有
する孔が穿設されており、また、下ブロック50の同位
置には、図示しない雌ねじを有する孔が形成されてい
る。
【0051】上記ヒートシンク39は、放熱側のセラミ
ック板46に接着剤などによる適宜固定手段で固定され
る基部51を有しており、その基部51の下面には、下
方に延在する複数の放熱用のフィン52が形成されてい
る。
【0052】一方、上カバー23は合成樹脂製であっ
て、図1に示される如く、一方を開放した浅底箱状に形
成されており、段部31a及び枠部31bに嵌合する側
壁の先端部分が防水用のパッキン35(図2参照)に当
接するようになっている。
【0053】また、4つ(一方側のみ図示)の取り付け
脚部32に対応する位置の側壁23a、23aには、そ
の4つの取り付け脚部32の近傍に各々設けられた略爪
状の係止突起53に係合する可撓係止片54が形成され
ている。その可撓係止片54は、矩形の係合孔54aを
有する略短冊片状に形成されている。
【0054】他方、下カバー24は上カバー23と同
様、合成樹脂製であって、図1に示される如く、一方を
開放した浅底箱状に形成されており、その側壁には、外
壁25の下側端部と嵌合する段部24a及び枠部24b
が形成されている。また、枠部24bの先端部分で防水
用のパッキン55(図2参照)を圧縮するようになって
いる。
【0055】また、4つ(一方側のみ図示)の取り付け
脚部32に対応する位置に直交する側の側壁24c、2
4cには、外壁25に設けられた4つの略爪状の係止突
起56に各々係合する可撓係止片57が形成されてい
る。その可撓係止片57は上記可撓係止片54と同様
に、矩形の係合孔57aを有する略短冊片状に形成され
ている。
【0056】上記構成において、図1を参照しながら電
気接続箱21の組み立てについて説明する。
【0057】先ず、箱本体部22の配線板26(図2参
照)に複数のリレー27及びヒューズ28等を搭載す
る。そして、その配線板26(図2参照)の下方から開
口30を介して電線束29を引き出すとともに、開口3
0近傍の電線束29を各電線29aが横一列に並んだ状
態となるように扁平させておく。
【0058】次に、箱本体部22に上カバー23及び下
カバー24を被着する。この時、可撓係止片54及び5
7と、係止突起53及び56とが係合し、パッキン35
及び55(図2参照)が圧縮されることにより、電気接
続箱21に対する防水、防塵性が確保される。
【0059】続いて、横一列に並んだ各電線29aを挟
み込むように上ブロック49と下ブロック50とを重ね
合わせて吸熱ブロック38を形成し、その上ブロック4
9を取り付け部33の下面に沿わせる。そして、ボルト
36、36を前記図示しない貫通孔に挿し通しながら締
め付けてゆき、吸熱ブロック38を取り付け部33に固
定する。
【0060】続いてさらに、吸熱ブロック38と吸熱ブ
ロック38に挟み込まれた電線束29との間隙に熱伝導
性を有するグリス等を充填(図示しない)し、予め組み
立てておいた熱電冷却素子37(ヒートシンク39が放
熱側のセラミック板46に固着されているものとする)
を吸熱ブロック38の下ブロック50に接着剤などによ
り固着する。
【0061】そして最後に、電線47、47(一方のみ
図示)と電線束29とを共にテープ58で巻回すること
によって一連の組み立てが完了する。尚、上述の組み立
て手順は一例であり、これに限られるものではない。
【0062】次に、図2を参照しながら電気接続箱21
に対する冷却作用について説明する。
【0063】熱電冷却素子37が通電状態になると、吸
熱側中間電極42、42が吸熱源となり、吸熱側のセラ
ミック板46及び吸熱ブロック38を介して吸熱ブロッ
ク38により挟み込まれた電線束29に対する吸熱を行
う。この時、吸熱ブロック38は、取り付け部33に固
定されていることから、その取り付け部33に伝達され
た熱も一緒に吸熱することになる。
【0064】そして、熱電冷却素子37の発熱源となる
正電極40及び負電極41の両電極並びに放熱側中間電
極43と、放熱側のセラミック板46とを介して上述の
吸熱した熱をヒートシンク39によって放熱する。
【0065】電線束29と取り付け部33及び外壁25
等とが冷却手段34によって冷却され、電気接続箱21
の内部温度が上昇することはない。
【0066】以上図1ないし図3を用いて説明したよう
に、電気接続箱21内部の発熱源となる複数のリレー2
7及びヒューズ28等から導出される電線29aの電線
束29に熱電冷却素子37を含む冷却手段34を設けて
電線束29に対する吸熱をさせることにより電気接続箱
21を冷却する冷却構造及び冷却方法を採用しているの
で、電気接続箱21の内部温度上昇に伴う電気抵抗の増
加がなくなり、電線29aの溶断、ショート及び部品類
の劣化等を引き起こすことはない。
【0067】また、電線束29を介して吸熱することか
ら、電気接続箱21の防水性や防塵性を必要とする部分
の形状を変更しなくてもすむので、当然の如く、従来同
様の防水性及び防塵性を維持することができる。
【0068】さらにまた、上述した組み立ての説明から
も分かるように、冷却手段34を設けたとしても電気接
続箱21の組み立て性が十分に確保されている。
【0069】従って、防水性や防塵性を損なうことなく
電気接続箱21内の温度上昇を防ぐとともに、組み立て
性に影響を来すことなく電気接続箱21を組み立てるこ
とができ、さらには、部品類の劣化防止や電気的特性の
向上を図ることのできる冷却構造及び冷却方法を提供す
ることができる。
【0070】次に、図4を参照しながら冷却手段の放熱
側を車両のボディに密着させた場合についての例を説明
する。尚、上述した構成と同一の部材に対しては同一の
符号を付してあり、また、若干異なるが基本的に類似す
る部材に対してはダッシュの符号が付してある。
【0071】図4において、引用符号21′は電気接続
箱を示しており、その電気接続箱21′は箱本体部2
2′と箱本体部22′に対して上下方向から各々被着す
る上カバー23及び下カバー24′とを備えて構成され
ている。尚、下カバー24′の一側壁には開口58が形
成されている。
【0072】箱本体部22′は、合成樹脂製で上下が開
放された矩形枠体状の外壁25′を有し、その外壁2
5′によって囲まれた内部には、配線板26が一体に設
けられている。
【0073】その配線板26の一方の面側には、複数の
リレー27、ヒューズ28等がキャビティ26a、26
b等を介して配設されており、また、前記一方に対する
他方の面側には、それらから導出される複数の電線29
aによって電線束29が形成されている。
【0074】そして、その電線束29は、下カバー2
4′の開口61を介して外側へ引き出されている。
【0075】外壁25′には、防水防塵部31と、車両
のボディ59に対する4つ(一方側のみ図示)の取り付
け脚部32とが形成されており、さらに、一側壁25
a′に対し下カバー24′の開口61近傍となる部分に
は、取り付け部33が形成されている。その取り付け部
33には、電線束29を介して電気接続箱21′の冷却
を行う冷却手段60が設けられている。
【0076】冷却手段60は、熱電冷却素子37と、熱
電冷却素子37の吸熱側に設けられる金属製の吸熱ブロ
ック38とを備えて構成されている。
【0077】上記構成において、先ず、箱本体部22′
の配線板26に複数のリレー27及びヒューズ28等を
搭載するとともに、その箱本体部22′に上カバー23
及び下カバー24′を被着する。この時、開口61を介
して引き出された電線束29の各電線29aを前述同
様、横一列に並んだ状態にする。尚、図4には示されて
いないが、前述の可撓係止片54及び57と、同じく前
述の係止突起53及び56とが係合し、パッキン35及
び55が圧縮されることにより、電気接続箱21′に対
する防水、防塵性が確保されている。
【0078】次に、横一列に並んだ各電線29aを挟み
込むように上ブロック49と下ブロック50とを重ね合
わせて吸熱ブロック38を形成し、その上ブロック49
を取り付け部33の下面に沿わせる。そして、ボルト3
6、36(一方のみ図示)を前記図示しない貫通孔に挿
し通しながら締め付けてゆき、吸熱ブロック38を取り
付け部33に固定する。
【0079】続いて、吸熱ブロック38と吸熱ブロック
38に挟み込まれた電線束29との間隙に熱伝導性を有
するグリス等を充填(図示しない)し、予め組み立てて
おいた熱電冷却素子37を吸熱ブロック38の下ブロッ
ク50に接着剤などにより固着する。また、電線47、
47と電線束29とを共にテープ58で巻回する。以上
により、一連の組み立てが完了する。
【0080】そして最後に、4つ(一方側のみ図示)の
取り付け脚部32をボディ59に締め付け固定するとと
もに、放熱側のセラミック板46をボディ59に当接さ
せて、車両に対する電気接続箱21′の取り付けが完了
する。
【0081】以上のような電気接続箱21′に対する冷
却構造を採用しても上述同様の作用効果が得られる。
尚、セラミック板46とボディ59との間に、熱伝導性
を有する前述のグリス等を介在させることが好ましい。
【0082】続いて、図5を参照しながら、本発明によ
る箱体の冷却構造の他の一実施の形態を説明する。この
他の一実施の形態では、上述のように電線束を冷却する
のではなく、発熱源そのものを直接効率よく冷却するよ
うになっている。
【0083】図5は電気接続箱(箱体)における箱本体
部71の横断面図を示しており、ここではその箱本体部
71の内部に、上述のような配線板等が配設されている
ものとする(説明を簡素化するために省略している)。
【0084】箱本体部71の対向する側壁71a、71
bには、箱本体部71の内外に突出する枠状の取り付け
部71c、及び箱本体部71の内側に凹む取り付け部7
1dが形成されており、冷却手段としての熱電冷却素子
37、37がそれぞれはめ込み又はネジ止め等の適宜取
り付け手段によって水密に固定されている。そして、熱
電冷却素子37、37の各吸熱側には、発熱源としての
複数(図中においては三つ)の端子72と、同じく発熱
源としてのバスバー73がそれぞれ貼り付け(上述の如
く、セラミック板46を有するため、容易に貼り付けが
可能である)等の適宜手段により固定されている。
【0085】上記端子72及びバスバー73は既知構造
のものを用いている。簡単に説明すると、先ず端子72
は圧着端子であって、電線74を接続するための電線接
続部72aと、電線接続部72aに連成される電気接触
部72bとから構成されており、電線接続部72aに
は、放熱板部72cが形成されている。そして、放熱板
部72cを介して熱電冷却素子37の吸熱側へ固定する
ようになっている。一方、バスバー73は、凹状の取り
付け部73aを形成して熱電冷却素子37の吸熱側へ固
定するようになっており、他の部分は側壁71aから適
当な間隔をあけて所望の位置へ延在している。尚、引用
符号73bはタブを示している。
【0086】上記構成において、端子72及びバスバー
73のどれか一つ又は一部が抵抗等の影響によって発熱
しても、その熱が熱電冷却素子37の作用によって、箱
本体部71の外部へ放出されてしまうことになる。これ
により、近傍の他の端子72やバスバー73全体に熱が
伝達してしまうことはなく、当然に電気接続箱(不図
示)の温度上昇も抑えられる。また、上述のように熱電
冷却素子37、37を水密に固定すれば、防水性や防塵
性を損なうこともない。
【0087】尚、熱電冷却素子37の配置や端子72等
の組み合わせは上述の他の形態に限るものではない。ま
た、端子の形態にもとらわれないものとする。一方、図
6に示されるようなコネクタを単体で、又は上述の他の
形態の発熱源と共に冷却しても良い。
【0088】即ち、図6は複数の図示しないリレーが接
続されるリレーブロックの縦断面図を示しており、前記
リレー毎の接続部材を発熱源としてのコネクタ74と定
義すると、コネクタ74は、内部に端子収容室75a、
75aを有する矩形箱状のキャビティ75と、電線7
6、76を圧着接続した端子77、77とを備え、端子
収容室75a、75aに端子77、77を挿着して固定
した後に、既知構成の端子押さえ78が挿し込まれる構
成になっている。そして、コネクタ74は、上述同様の
貼り付け等の適宜手段で熱電冷却素子37の吸熱側に固
定されている。尚、熱電冷却素子37の放熱側は、図5
同様外部に面しているものとする。また、電線間の接続
に用いられるコネクタや、ヒューズ接続部材を対象にし
ても良い。
【0089】従って、端子77、77と図示しないリレ
ーとの接続によって生じた熱がキャビティ75に伝達し
ても、熱電冷却素子37により冷却されることになるこ
とから、電気接続箱(不図示)の温度上昇を抑えること
ができる。また、図5同様に熱電冷却素子37、37を
水密に固定すれば、防水性や防塵性を損なうこともな
い。
【0090】以上図5及び図6で説明した冷却構造及び
方法は、当然に上述の電気接続箱21等に応用すること
ができる。また、図5及び図6で説明した端子72及び
77に接続された電線74及び76を熱電冷却素子37
に沿わせて電線単体を冷却することも可能である。
【0091】その他、本発明は本発明の主旨を変えない
範囲で種々変更実施可能なことは勿論である。即ち、電
気接続箱から引き出される電線束の引き出し位置は、上
述の位置に限定されるものではなく、電気接続箱の仕様
に応じてその引き出し位置が決定するので、適宜取り付
け部(引用符号33で示される取り付け部を参照)を変
更したりすることが可能である。
【0092】また、引用符号33で示される取り付け
部、同じく25で示される外壁等を金属製にすると更に
効果を高めることができる。
【0093】さらにまた、引用符号52で示されるフィ
ンを、例えば車両におけるラジエターの近傍や十分に外
気が当たる部分に配設し、効率よく放熱させることも効
果的である。
【0094】また、引用符号38で示される吸熱ブロッ
クを用いずに、吸熱側のセラミック板46を電線束29
に直付けすることも可能である。
【0095】尚、箱体は電気接続箱21、21′に限る
ものではない。例えば車両において他を挙げるのなら
ば、インストルメントパネルに装備されるメータユニッ
トにも適用することができる。
【0096】
【発明の効果】以上説明したように、請求項1に記載さ
れた本発明によれば、箱体の冷却構造は、箱体内部の発
熱源から導出される電線の電線束、又は発熱源に熱電冷
却素子を含む冷却手段を設けて電線束に対する吸熱をさ
せることにより箱体を冷却する構造を採用している。こ
のような冷却構造を採用すると、先ず電線束の場合、冷
却手段が電線束に生じる熱を吸熱して箱体内の温度上昇
を防ぐことになるため、温度上昇に伴う電気抵抗の増加
がなくなり、電線の溶断、ショート及び部品類の劣化等
を引き起こすことがなく、電気的特性も向上する。ま
た、電線束を介して吸熱することから、箱体の防水性や
防塵性を必要とする部分の形状を変更しなくてもすむの
で、当然の如く、従来同様の防水性及び防塵性を維持で
きる。さらにまた、冷却手段を電線束に対して予め組み
付けやすくしておけば、箱体自体が複雑な構造となるこ
とはまずないので、箱体の組み立て性も十分に確保され
る。次に、発熱源に冷却手段を設けた場合、冷却手段が
直接効率よく吸熱できるという利点がある。従って、防
水性や防塵性を損なうことなく箱体内の温度上昇を防ぐ
とともに、組み立て性に影響を来すことなく箱体を組み
立てることができ、さらには、部品類の劣化防止や電気
的特性の向上を図ることのできる冷却構造を提供するこ
とができるという効果を奏する。
【0097】請求項2に記載された本発明によれば、冷
却手段は熱電冷却素子の吸熱側で電線束に外嵌される吸
熱部を有するようになっている。従って、例えば箱体自
体の組み立て後に吸熱部を電線束に外嵌して冷却手段を
設けることもできるので、箱体の組み立て性を従来と同
様に確保することができるという効果を奏する。
【0098】請求項3に記載された本発明によれば、外
嵌した吸熱部と電線束との間隙に熱伝導性を有するグリ
ス等を充填するようになっている。従って、電線束から
吸熱部への熱伝導性が向上し、電線束に対する吸熱をよ
り確実なものとすることができるという効果を奏する。
【0099】請求項4に記載された本発明によれば、吸
熱部を箱体の外壁に形成した取り付け部に固定するよう
になっている。従って、吸熱部をこのように固定するこ
とにより、冷却手段が発熱源や箱体周囲の雰囲気温度に
よって上昇した箱体外壁部分の吸熱も行うことになっ
て、より箱体内の温度上昇を抑えることができるという
効果を奏する。
【0100】請求項5に記載された本発明によれば、発
熱源は端子、バスバー、及びコネクタのうち、いずれか
又はこれらの組み合わせであり、熱電冷却素子の吸熱側
に直付けすることで、より効率よく吸熱することができ
るという効果を奏する。
【0101】請求項6に記載された本発明によれば、箱
体は自動車等の車両に搭載される電気接続箱であり、例
えば高温雰囲気中に曝されるエンジンルーム内で使用し
たとしても、十分に温度上昇を抑えることができる。従
って、よりよい電気接続箱を提供することができるとい
う効果を奏する。
【0102】請求項7に記載された本発明によれば、冷
却手段における熱電冷却素子の放熱側に放熱用のフィン
を設けるようになっている。従って、放熱側の表面積が
広がり、その放熱側から放熱する際の効率を高めること
ができるという効果を奏する。
【0103】請求項8に記載された本発明によれば、車
両のボディに冷却手段における熱電冷却素子の放熱側を
密着させるようになっている。従って、放熱側の表面積
が大幅に広がり、その放熱側から放熱する際の効率をさ
らに高めることができるという効果を奏する。
【0104】請求項9に記載された本発明によれば、箱
体の冷却方法は、箱体内部の発熱源から導出される電線
の電線束、又は発熱源に熱電冷却素子を含む冷却手段を
設けて電線束又は発熱源に生じた熱を吸熱させることに
より箱体を冷却する方法を採用している。このような冷
却方法を採用することにより、上述同様の作用効果が得
られることになる。即ち、先ず電線束の場合、冷却手段
が電線束に生じる熱を吸熱して箱体内の温度上昇を防ぐ
ことになるため、温度上昇に伴う電気抵抗の増加がなく
なり、電線の溶断、ショート等を引き起こすことがな
く、電気的特性も向上する。また、電線束を介して吸熱
することから、箱体の防水性や防塵性を必要とする部分
の形状を変更しなくてもすむので、当然の如く、従来同
様の防水性及び防塵性を維持できる。さらにまた、冷却
手段を電線束に対して予め組み付けやすくしておけば、
箱体自体が複雑な構造となることはまずないので、箱体
の組み立て性も十分に確保される。次に、発熱源に冷却
手段を設けた場合、冷却手段が直接効率よく吸熱できる
という利点がある。従って、防水性や防塵性を損なうこ
となく箱体内の温度上昇を防ぐとともに、組み立て性に
影響を来すことなく箱体を組み立てることができ、さら
には、部品類の劣化防止や電気的特性の向上を図ること
のできる冷却方法を提供することができるという効果を
奏する。
【0105】請求項10に記載された本発明によれば、
冷却手段は熱電冷却素子の吸熱側で電線束に外嵌される
吸熱部を有し、その吸熱部を箱体の外壁に形成した取り
付け部に固定することによって冷却手段が更に外壁の吸
熱も行う方法を採用している。 従って、上述同様に、
冷却手段が発熱源や箱体周囲の雰囲気温度によって上昇
した箱体外壁部分の吸熱も行うことになり、より箱体内
の温度上昇を抑えることができるという効果を奏する。
【0106】請求項11に記載された本発明によれば、
電線束における各電線を横一列に平らに並べ吸熱部を外
嵌するとともに吸熱部と電線束との間隙に熱伝導性を有
するグリス等を充填する方法を採用している。従って、
上述同様に、電線束から吸熱部への熱伝導性が向上し、
電線束に対する吸熱をより確実なものとすることができ
るという効果を奏する。また、各電線を横一列に平らに
並べることで斑なく吸熱することができるという効果を
奏する。
【0107】請求項12に記載された本発明によれば、
発熱源は端子、バスバー、及びコネクタのうち、いずれ
か又はこれらの組み合わせであって、熱電冷却素子の吸
熱側と直付けすることにより吸熱を行う方法を採用して
いる。従って、上述同様に、熱電冷却素子の吸熱側と直
付けすることで、より効率よく吸熱することができると
いう効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による箱体の冷却構造の一実施の形態を
示す電気接続箱の分解斜視図である。
【図2】図1の縦断面図である。
【図3】図1の冷却手段を説明するための模式図であ
る。
【図4】図1の冷却手段の放熱側を車両のボディに密着
させた状態を示す断面図である。
【図5】本発明による箱体の冷却構造の他の一実施の形
態を示す電気接続箱における箱本体部の横断面図であ
る。
【図6】リレーが接続されるリレーブロックに冷却手段
を設けた例を示す縦断面図である。
【図7】従来例のリレーボックスの断面図である。
【符号の説明】
21 電気接続箱(箱体) 22 箱本体部 23 上カバー 24 下カバー 25 外壁 27 リレー(発熱源) 28 ヒューズ(発熱源) 29 電線束 29a 電線 30 開口 31 防水防塵部 32 取り付け脚部 33 取り付け部 34 冷却手段 35、55 パッキン 36 ボルト 37 熱電冷却素子 38 吸熱ブロック(吸熱部) 39 ヒートシンク 40 正電極 41 負電極 42 吸熱側中間電極 43 放熱側中間電極 44 n形半導体 45 p形半導体 46 セラミック板 47 電線 48 電源 49 上ブロック 50 下ブロック 51 基部 52 フィン 53、56 係止突起 54、57 可撓係止片 71 箱本体部 72 端子(発熱源) 73 バスバー(発熱源) 74 コネクタ(発熱源)

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部に発熱源を有する箱体の冷却構造で
    あって、 前記発熱源から導出される電線の電線束、又は前記発熱
    源に熱電冷却素子を含む冷却手段を設けることを特徴と
    する箱体の冷却構造。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の箱体の冷却構造におい
    て、 前記冷却手段は前記熱電冷却素子の吸熱側で前記電線束
    に外嵌される吸熱部を有することを特徴とする箱体の冷
    却構造。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の箱体の冷却構造におい
    て、 前記吸熱部と前記電線束との間隙に熱伝導性を有するグ
    リス等を充填することを特徴とする箱体の冷却構造。
  4. 【請求項4】 請求項2又は請求項3に記載の箱体の冷
    却構造において、 前記吸熱部を前記箱体の外壁に形成した取り付け部に固
    定することを特徴とする箱体の冷却構造。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の箱体の冷却構造におい
    て、 前記発熱源は前記熱電冷却素子の吸熱側に直付け可能な
    端子、バスバー、及びコネクタのうち、いずれか又はこ
    れらの組み合わせであることを特徴とする箱体の冷却構
    造。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし請求項5いずれか記載の
    箱体の冷却構造において、 前記箱体は自動車等の車両に搭載される電気接続箱であ
    ることを特徴とする箱体の冷却構造。
  7. 【請求項7】 請求項1ないし請求項6いずれか記載の
    箱体の冷却構造において、 前記冷却手段における前記熱電冷却素子の放熱側に放熱
    用のフィンを設けることを特徴とする箱体の冷却構造。
  8. 【請求項8】 請求項6に記載の箱体の冷却構造におい
    て、 前記車両のボディに前記冷却手段における前記熱電冷却
    素子の放熱側を密着させることを特徴とする箱体の冷却
    構造。
  9. 【請求項9】 内部に発熱源を有する箱体の冷却方法で
    あって、 前記発熱源から導出される電線の電線束、又は前記発熱
    源に熱電冷却素子を含む冷却手段を設けて前記電線束又
    は前記発熱源に生じた熱を吸熱させることにより前記箱
    体を冷却することを特徴とする箱体の冷却方法。
  10. 【請求項10】 請求項9に記載の箱体の冷却方法にお
    いて、 前記冷却手段は前記熱電冷却素子の吸熱側で前記電線束
    に外嵌される吸熱部を有し、該吸熱部を前記箱体の外壁
    に形成した取り付け部に固定することによって前記冷却
    手段が更に前記外壁の吸熱も行うことを特徴とする箱体
    の冷却方法。
  11. 【請求項11】 請求項10に記載の箱体の冷却方法に
    おいて、 前記電線束における前記各電線を横一列に平らに並べ前
    記吸熱部を外嵌するとともに前記吸熱部と前記電線束と
    の間隙に熱伝導性を有するグリス等を充填することを特
    徴とする箱体の冷却方法。
  12. 【請求項12】 請求項9に記載の箱体の冷却方法にお
    いて、 前記発熱源は端子、バスバー、及びコネクタのうち、い
    ずれか又はこれらの組み合わせであって、前記熱電冷却
    素子の吸熱側と直付けすることにより吸熱を行うことを
    特徴とする箱体の冷却構造。
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