JP2000090241A - 指紋の検出方法及び指紋検出装置 - Google Patents
指紋の検出方法及び指紋検出装置Info
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Abstract
を行なうことができ、しかも非破壊的な検出を可能とす
る指紋の検出方法の提供。 【解決手段】 付着面に指紋を形成する皮脂などの諸成
分の何れかによる吸収率が特異的に高い波長域の光を検
出用光に用いて撮像することで指紋の顕在像を得るよう
にしている。
Description
察業務としての指紋の鑑識、あるいは個人の同定のため
に指紋を利用する場合などに必要となる指紋の検出技術
に関する。
紋は、水分(98〜99%)を主体として皮脂、ミネラ
ル、アミノ酸などを含む皮膚表面の浸出物が指における
指紋のパターンに対応した隆線として物の表面に指から
移行して付着することで形成される。このような指紋つ
まり指紋隆線の検出は、犯罪現場での容疑者の割り出し
に用いることはもとより、身元の確認手段などとして警
察業務の重要な一つとなっている。
ルミニウム粉末を指紋隆線に付着させて顕在化させる方
法、指紋隆線を形成する成分に含まれるアミノ酸や塩分
などに適当な試薬を化学反応させて顕在化させる方法、
特殊なガスで燻煙して顕在化させる方法、及びわずかに
検出された指紋隆線をさらに化学処理したり補助光線を
活用して増幅鮮明化する方法がある。これらの方法のう
ちで最も広く用いられているのはアルミニウム粉末法で
ある。すなわち現状ではアルミニウム粉末法が最も効果
的な方法となっている。
粉末法による検出作業は、例えばアルミニウム粉末を振
りかける程度で指紋の顕在化程度が左右されるなど、意
外と難しく、犯行現場などに残されている微かな指紋を
検出するには相当な熟練を必要とするし、たとえ熟練者
であっても有効な指紋を検出し得ない場合も少なくな
い。またアルミニウム粉末法は、指紋そのもや指紋の付
着環境に対して「破壊的」である。すなわちアルミニウ
ム粉末法は、アルミニウム粉末を付着させることによ
り、指紋隆線成分が可能性として含んでいる他の情報を
破壊してしまうし、また同時に、指紋検出作業の際にア
ルミニウム粉末を周囲にまき散らすことになるため、そ
の場所が犯罪被害者の住宅などであると、アルミニウム
粉末の飛散により家中を汚されるというダブルパンチ的
な被害を与えることにもなる。
たものであり、特別な熟練などがなくとも容易に指紋の
検出を行なうことができ、しかも非破壊的な検出を可能
とする指紋の検出方法及びそれに用いる装置の提供を目
的としている。
上記のように、水分を主体として皮脂、ミネラル、アミ
ノ酸など、指紋が付着する物の表面に通常では存在しな
い特有の成分を含んでいることに着目し、この成分の吸
収特性を利用して指紋隆線を顕在化させることで指紋の
検出を行なうものとしている。すなわち本発明による指
紋の検出方法は、付着面に指紋を形成する皮脂などの諸
成分の何れかによる吸収率が特異的に高い波長域の光を
検出用光に用いて撮像することで指紋の顕在像を得るよ
うにしてなる。
光学的プロセスにより指紋を顕在化させることができ
る。すなわち、それに用いる光の波長域に違いはあるも
のの、基本的には視覚におけると同様な光学的プロセス
で指紋像を得るものである。したがってこれによる検出
作業には特別な熟練を必要としない。また指紋自体やそ
れを検出しようとする場所に対し何らの破壊的変化を与
えることもない。さらに本発明による検出方法は、指紋
自体に破壊的な変化を与えないことから、指紋成分が可
能性として持っている、例えばその指紋が付着してから
の経過時間のような経時的な情報などを取り出せる余地
を残し、指紋鑑識の有用性をより高めることにもつなが
る。そのような経時的な情報は、例えば指紋成分の経時
的な変質により吸収特性が変化することなどを利用して
取り出すことが考えられる。
背景となる付着面が検出用光の波長域を含む波長域に対
し、ある吸収率を有していると、それだけ背景とのコン
トラストが低下して指紋の顕在像がぼやける場合があ
り、また指紋の背景となる付着面に指紋以外の物が何ら
かのパターンで付着しており、これが検出用光の波長域
を含む波長域の光に関してパターン像を生じると、これ
により指紋の顕在像が不鮮明になる場合もある。そこ
で、これらの要因を消去できるようにするのが、より好
ましい。
ことで得られる第1の像データと、検出用光の波長域と
は異なる波長域の光による基準用光を用いて撮像するこ
とで得られる第2の像データとから指紋の顕在像を得る
ようにする。つまり検出用光として例えば皮脂が特異的
に吸収する2850cm-1(カイザー)の赤外線あるい
は2850cm-1を中心とした狭い波長域の赤外線を用
いるとすれば、この検出用光による第1の像データと、
2850cm-1から前後に若干ずれた例えば2700c
m-1や3000cm-1の赤外線あるいは2700cm-1
や3000cm-1を中心とした狭い波長域の赤外線によ
る第2の像データとの間で比をとるようにする。このよ
うにすると、付着面の吸収による影響を効果的に消去で
き、また指紋以外のパターンも実質的に消去することが
でき、より鮮明な指紋の顕在像を得ることができる。
する複数の成分に関してそれぞれ像データを得るか、あ
るいは例えば皮脂のように複数の吸収ピークを有する一
種類の成分について各吸収ピークに対応する複数種類の
検出用光を用い、これら各検出用光に関してそれぞれ像
データを得、これら各像データに共通する部分だけを抽
出するなどの処理を行なう方式でも可能である。そのよ
うな処理方式を含む上記のような検出方法は、互いに波
長域が異なる複数種類の検出用光のそれぞれについて像
データを得、そしてこれで得られた各像データから最終
的な指紋の顕在像を得ることになる。
に、上記の第1、第2の各像データ間の比をとる方法と
組み合わせることが可能であり、そうのようにすること
で、さらに一層検出精度を高めることが可能となる。
発明による指紋検出装置は、検出用光の波長域を含む照
明光を与える照明手段、検出用光を特異的に通過させる
フィルタ、基準用光を特異的に通過させるフィルタ、像
データを出力可能な撮像手段、及び撮像手段からの像デ
ータに基づいて指紋の顕在像を生成する処理手段を備え
てなる。
ましい形態で実施するには図1にその一例を示すような
構成の指紋検出装置を用いる。図1の指紋検出装置は、
指紋を形成する諸成分のうちの皮脂を対象とすることを
前提にしており、照明ランプ1、二種類のフィルタ2a
とフィルタ2bを組み込んだフィルタプレート3、カメ
ラ4、処理手段5、及び表示手段6を備えてなる。
光となる特定の波長域を含んだ領域に強い放射光の得ら
れるものを用いる。特定の波長域は、指紋を形成する諸
成分のいずれを対象とするかにより与えられる。本実施
形態におけるように皮脂を対象とする場合であれば、皮
脂の代表的な成分であるトリグリセリッド、ワックスエ
ステル、脂肪酸及びスクワレンなどが、それぞれの分子
構造に含む炭素−水素結合(C−H結合)やカルボキシ
ル基(COOH)あるいはアミド基などにおける吸収波
長である2850cm-1(C−H結合)、1760cm
-1(COOH)、1690cm-1(アミド基)、160
0cm-1(アミド基)などの波長域あるいはこれを中心
とする狭い範囲の波長域が特定の波長域に相当し、これ
らは何れも赤外線域に含まれている。したがって皮脂を
対象とする場合は照明ランプ1に赤外線ランプを用いる
ことになる。
に回転できるようされ、その回転に応じてフィルタ2a
と2bを選択的にカメラ4への入射光路上に位置させ
る。その一つのフィルタ2aは、検出用光用であり、例
えばC−H結合の吸収波長である2850cm-1の赤外
線を特異的に通過させるものを用いる。一方、もう一つ
のフィルタ2bは、基準用光用であり、2850cm-1
から前後に若干ずれた例えば2700cm-1や3000
cm-1の赤外線を特異的に通過させるものを用いる。
な波長域の赤外線に広く感受性のある固体撮像素子によ
る赤外線カメラを用いる。
像データを処理して指紋の顕在像を生成する機能を有し
た電子回路を組み込む。
の顕在像を表示して指紋の検出状態を確認するなどのた
めに機能し、例えば液晶ディスプレイなどをそれに用い
ることができる。
検出を行なうには、指紋を検出しようとする何らかの物
の外面つまり付着面Mを照明ランプ1で照明た状態でカ
メラ4を作動させて撮像する。もし付着面Mに指紋Fが
付着していれば、それを形成する成分の一つである皮脂
により波長2850cm-1の赤外線が指紋F以外の背景
部分に比べ強く吸収される。したがってフィルタ2aを
用いて撮像すれば、波長2850cm-1の赤外線を検出
用光として指紋Fを背景部分に対し顕在化させた像を得
ることができる。
線をほとんど吸収せず、また波長2850cm-1の赤外
線に対しある吸収を示す物質が指紋の他に付着していな
ければ、上記の撮像だけで十分に鮮明な指紋の顕在像を
得ることができる。
外線を含む波長域に対しある吸収を持っていたり、また
波長2850cm-1の赤外線を含む波長域に対しある吸
収を示す物質が指紋の他に付着していれば、これらによ
り指紋像が不鮮明にされしまう場合がある。この場合に
は、上記のフィルタ2aを用いた撮像により第1の像デ
ータを得るのに加えて、フィルタ2bを用いることで例
えば波長2700cm-1の赤外線を基準用光とした撮像
により第2の像データを得る。そして処理手段5により
これら両像データについて比を取る処理を施しして指紋
の顕在像を得るようにする。
準用光を用いる場合であったが、必要に応じて二種類以
上の検出用光と基準用光を用いるようにすることも可能
であり、その場合には例えばフィルタプレート3に各検
出用光や基準用光に対応するフィルタを必要な数だけ組
み込み、これらを選択的に用いることができるようにす
る。また以上の実施形態ではフィルタをカメラへの入射
光路中に設けていたが、必要ならば照明ランプからの照
明光の光路中に設けるようにすることもできる。
容易に指紋の検出が可能となり、また指紋自体やそれを
検出しようとする場所に対し何らの破壊的変化を与える
ことなく指紋の検出を行なえる。
成図である。
0)
Claims (5)
- 【請求項1】 付着面に指紋を形成する皮脂などの諸成
分の何れかによる吸収率が特異的に高い波長域の光を検
出用光に用いて撮像することで指紋の顕在像を得るよう
にした指紋の検出方法。 - 【請求項2】 検出用光を用いて撮像することで得られ
る第1の像データと、検出用光の波長域とは異なる波長
域の光による基準用光を用いて撮像することで得られる
第2の像データとから指紋の顕在像を得るようにした請
求項1に記載の検出方法。 - 【請求項3】 互いに波長域が異なる複数種類の検出用
光のそれぞれについて得た複数の像データから最終的な
指紋の顕在像を得るようにした請求項1に記載の検出方
法。 - 【請求項4】 互いに波長域が異なる複数種類の検出用
光のそれぞれについて第1の像データを得ると共に、前
記各検出用光に対応する複数種類の基準用光のそれぞれ
について第2の像データを得、そしてこれで得られた各
波長域ごとの像データから最終的な指紋の顕在像を得る
ようにした請求項2に記載の検出方法。 - 【請求項5】 請求項1〜請求項4の何れか1項に記載
の検出方法に用いる指紋検出装置であって、検出用光の
波長域を含む照明光を与える照明手段、検出用光を特異
的に通過させるフィルタ、基準用光を特異的に通過させ
るフィルタ、像データを出力可能な撮像手段、及び撮像
手段からの像データに基づいて指紋の顕在像を生成する
処理手段を備えてなる指紋検出装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10257908A JP2000090241A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 指紋の検出方法及び指紋検出装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10257908A JP2000090241A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 指紋の検出方法及び指紋検出装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000090241A true JP2000090241A (ja) | 2000-03-31 |
Family
ID=17312871
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10257908A Pending JP2000090241A (ja) | 1998-09-11 | 1998-09-11 | 指紋の検出方法及び指紋検出装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000090241A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014067386A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Koreit Co Ltd | 携帯型潜在指紋の現出装置 |
CN115251907A (zh) * | 2022-05-09 | 2022-11-01 | 吉林大学 | 一种基于纳秒激光辐照的指纹显现方法 |
WO2024085453A1 (ko) * | 2022-10-18 | 2024-04-25 | 삼성전자 주식회사 | 전자 장치, 전자 장치에서 외부 객체를 이용한 지문 등록 및 인증 방법 |
-
1998
- 1998-09-11 JP JP10257908A patent/JP2000090241A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014067386A (ja) * | 2012-09-26 | 2014-04-17 | Koreit Co Ltd | 携帯型潜在指紋の現出装置 |
CN115251907A (zh) * | 2022-05-09 | 2022-11-01 | 吉林大学 | 一种基于纳秒激光辐照的指纹显现方法 |
CN115251907B (zh) * | 2022-05-09 | 2024-04-26 | 吉林大学 | 一种基于纳秒激光辐照的指纹显现方法 |
WO2024085453A1 (ko) * | 2022-10-18 | 2024-04-25 | 삼성전자 주식회사 | 전자 장치, 전자 장치에서 외부 객체를 이용한 지문 등록 및 인증 방법 |
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