JP2000089815A - 移動速度指令生成方法および装置 - Google Patents

移動速度指令生成方法および装置

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JP2000089815A
JP2000089815A JP25889398A JP25889398A JP2000089815A JP 2000089815 A JP2000089815 A JP 2000089815A JP 25889398 A JP25889398 A JP 25889398A JP 25889398 A JP25889398 A JP 25889398A JP 2000089815 A JP2000089815 A JP 2000089815A
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勘 仲井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のように時定数に基づいて分割する方法
では、異なる移動量指令に基づく二次分割速度同士を重
ねあわせた場合に、加速度が反転するほどの急激な速度
変化が生じてしまうなどの課題があった。 【解決手段】 単位速度を単位として分割する方法であ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、自動搬送機、自
動組立機、NC工作機械などの自動機械、数値制御装
置、産業用ロボットなどに用いられる移動速度指令生成
方法および装置に係り、詳しくは、順次入力される複数
の移動量指令に基づいて微小期間毎の移動速度指令を生
成する移動速度指令生成方法および装置に関するもので
ある。
【0002】
【従来の技術】図18は従来の移動速度指令生成装置の
要部を示すブロック図である。図において、22は時定
数Tを記憶する時定数記憶手段、23は移動量を速度指
令毎に分割した複数の一次分割速度が順次入力され、各
一次分割速度を上記時定数Tで二次分割して各一次分割
速度に基づく時定数と同数の二次分割速度を出力する二
次分割手段、4は二次分割速度が累積加算される複数の
速度メモリを有する記憶手段、5は二次分割手段23か
ら出力される二次分割速度の累積加算先を順次ポインテ
ィングして、二次分割速度を対応する微小期間の速度メ
モリに累積加算させるイテレータ記憶手段、6は上記微
小期間に応じたタイミング毎に各速度メモリに記憶され
ている累積速度を移動速度指令として出力する出力手段
である。
【0003】次に動作について説明する。図19は従来
における分割動作を説明する動作説明図である。同図
は、時定数T(=5)の下で、速度指令F(=45)毎
に分割された8つの一次分割速度が二次分割手段23に
入力される場合の分割動作例である。同図に示すよう
に、二次分割手段23は、各一時分割速度ΔLを時定数
Tに基づいて5つに分割し、速度が9である二次分割速
度ΔL2を5つ生成する。そして、各二次分割速度は5
つの速度メモリに累積加算される。このような分割動作
により、移動量は加速度一定の台形パターンの速度分布
を有する複数の移動指令速度に変換される。
【0004】図20は従来における複数の移動量指令が
連続して入力された場合の分割動作の一例を説明する動
作説明図である。同図は、最初に一次分割速度が30で
ある場合に時定数T=3で二次分割を行い、次に一次分
割速度が45である場合に時定数T=5で二次分割を行
った場合の例である。そして、このような場合には、最
初の分割では速度10毎の二次分割速度が生成され、後
の分割では速度9毎の二次分割速度が生成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】従来の移動速度指令生
成方法および装置は以上のように構成されているので、
複数の移動量指令に基づく複数の二次分割速度を累積加
算した場合、図21の(a),(b)にその累積加算の
状態を模式的に示すように、その累積加算される微小区
間の前後において各移動量指令に基づく複数の二次分割
速度の加速度差に起因して、一次分割速度が上昇する場
合においても一旦速度が減少してから増加するように、
移動速度指令が加速度が急激に反転するほどに急激に変
化してしまう。
【0006】その結果、この微小期間毎の移動速度指令
に基づいてモータ制御などの各種の制御を行ったとして
も、その回転速度や制御対象物を滑らかに移動させるこ
とができず、特に近年の加工装置などにおいて高速・高
加速度移動制御を行うような場合においては工作機械や
工作物などに過剰な衝撃を与えてしまうこととなり、研
削加工などの高精度の処理と高速動作とを高い次元にて
両立させる上で障害となってしまうなどの課題があっ
た。
【0007】なお、上記時定数は、一次分割速度と制御
対象との関係で決定されるものであり、例えば一般的な
速度制御では、速度の変化量を一定以下に設定する必要
があり、しかも、その範囲内でなるべく高速動作させる
ことが要求されるものであり、例えばこの速度変化量の
最大値を10とした場合、一次分割速度が30である場
合には時定数は3(30/10=3→3)に設定され、
一次分割速度が45ある場合には時定数は5(45/1
0=4.5→5)に設定されるのが一般的である。
【0008】この発明は上記のような課題を解決するた
めになされたもので、複数の移動量指令に基づく速度同
士を重なり合わせて微小区間の移動速度指令を生成する
ような場合においても、従来と同等の処理速度を得つつ
その重なり部分において移動速度指令の急激な速度変化
を生ずることはない移動速度指令生成方法および装置を
得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】この発明に係る移動速度
指令生成方法は、順次入力される複数の移動量指令に基
づいて微小期間毎の移動速度指令を生成する移動速度指
令生成方法において、各移動量指令を、時系列上で一定
の加速度毎に変化する速度分布となる複数の速度指令に
分割し、この複数の速度指令に基づいて微小期間毎の移
動速度指令を生成するものである。
【0010】この発明に係る移動速度指令生成方法は、
各移動量指令に係る移動量を一定速度を単位として上記
微小期間毎の一次分割速度に分割する一次分割工程と、
各一次分割速度を所定の単位速度を単位とする1又は複
数の二次分割速度に分割する二次分割工程と、各一次分
割速度に基づく1又は複数の二次分割速度それぞれを当
該一次分割速度の微小期間を1つ目として二次分割数分
の微小期間に割り付け、この微小期間毎の二次分割速度
の累積速度を当該微小区間の移動速度指令とする累積分
配工程とを有するものである。
【0011】この発明に係る移動速度指令生成方法は、
移動量指令に係る一次分割速度を求めた後において、そ
の一次分割速度が前の移動量指令に基づく一次分割速度
と連続して時系列上に配列され、且つ、前の移動量指令
に基づく一次分割速度よりも速度が低い場合には、一次
分割工程は、当該速度差に含まれる単位速度の個数と同
数の微小期間分だけ遅延させるものである。
【0012】この発明に係る移動速度指令生成方法は、
二次分割工程は、新たな移動量指令に基づく各一次分割
速度の二次分割速度を求める際には、前回の速度指令と
今回の速度指令との速度差を単位速度で除算して得られ
る剰余を二次分割余剰速度とした場合、当該単位速度か
ら当該二次分割余剰速度を減算して得られる速度を1つ
目の二次分割速度とし、その残りを単位速度を単位とす
る1又は複数の二次分割速度に分割するものである。
【0013】この発明に係る移動速度指令生成方法は、
二次分割工程は、既に二次分割余剰速度が存在する状況
で新たな移動量指令に基づく各一次分割速度の二次分割
速度を求める際には、上記二次分割余剰速度に前回の速
度指令と今回の速度指令との速度差を加算した値を単位
速度で除算して得られる剰余を新たな二次分割余剰速度
とし、当該単位速度から当該新たな二次分割余剰速度を
減算して得られる速度を1つ目の二次分割速度とし、そ
の残りを単位速度を単位とする1又は複数の二次分割速
度に分割するものである。
【0014】この発明に係る移動速度指令生成方法は、
各移動量指令とともに指令速度が指定され、各移動量指
令を上記指令速度毎の複数の一次分割速度に分割した際
に一次分割余剰速度が発生した場合には、一次分割工程
は、次の移動量指令による最初の一次分割速度を上記一
次分割余剰速度と同一の微小期間に設定し、且つ、この
次の移動量指令による最初の一次分割速度は、上記一次
分割余剰速度を上記指令速度で割って得られる達成率を
1から減算し、その減算によって得られる未達成率と上
記前の移動量指令に対応する指令速度とを乗算して得ら
れる速度とし、更に、その残りの移動量指令に係る移動
量は対応する次の指令速度を単位として分割するもので
ある。
【0015】この発明に係る移動速度指令生成方法は、
一次分割速度がそれに対応した指令速度と異なる場合に
は、二次分割工程は、当該一次分割速度を対応する指令
速度で割った値を単位速度に乗算し、この乗算結果とし
て得られる余剰単位速度を単位として分割するものであ
る。
【0016】この発明に係る移動速度指令生成方法は、
一次分割余剰速度を補うように次の移動量指令を分割す
るに際して、未達成率と前の移動量指令に係る指令速度
と乗算して得られる未達成速度よりも次の移動量指令に
係る移動量が小さい場合には、一次分割工程は、上記移
動量指令に係る移動量を上記未達成速度で割って得られ
る追加達成率をそれまでの未達成率から減算して新たな
未達成率とし、この未達成率が0となるまで順次移動量
指令に係る移動量を当該微小期間に係る最初の一次分割
速度として設定し、未達成率が0となった際の移動量指
令は、その移動量から上記最初の一次分割速度を減算し
たものを対応する指令速度を単位として分割するもので
ある。
【0017】この発明に係る移動速度指令生成方法は、
移動量指令に係る移動量の一次分割数よりも指令速度の
単位速度による二次分割数の方が大きい場合には、一次
分割工程は、指令速度を下記式1により得られる速度に
変更して一次分割を行うものである。 F=√(L・A) ・・・式1 但し、Fは速度、Lは移動量、Aは単位速度である。
【0018】この発明に係る移動速度指令生成装置は、
移動量指令が順次入力され、各移動量指令の移動速度を
微小期間毎の一定速度の一次分割速度に分割する一次分
割手段と、上記一次分割速度が入力され、各一次分割速
度を所定の単位速度を単位とする1又は複数の二次分割
速度に分割する二次分割手段と、複数の微小期間に対応
する複数の速度メモリを有する記憶手段と、上記二次分
割速度を対応する微小期間の速度メモリに累積加算させ
る累積分配手段と、各速度メモリに記憶されている累積
速度を上記微小期間に応じたタイミングで移動速度指令
として出力する出力手段とを備えたものである。
【0019】
【発明の実施の形態】以下、この発明の実施の一形態を
説明する。 実施の形態1.図1はこの発明の実施の形態1による移
動速度指令生成装置を示すブロック図である。図におい
て、1は移動量指令Lおよび微小期間毎の目標移動速度
である速度指令Fが順次入力され、この移動量指令Lを
速度指令Fを単位として分割し、各移動量指令Lに基づ
く1又は複数の一次分割速度ΔLを出力する一次分割手
段、2は一次分割速度ΔLを分割する単位となる単位速
度Aを出力する単位速度記憶手段、3はこの単位速度A
とともに上記一次分割速度ΔLが入力され、各一次分割
速度ΔLを所定の単位速度Aを単位として分割し、各一
次分割速度ΔLに基づく1又は複数の二次分割速度ΔL
2を出力する二次分割手段、4は二次分割速度ΔL2が
累積加算される複数の速度メモリを有する配列メモリ
(記憶手段)、5は二次分割手段3から出力される二次
分割速度ΔL2の累積加算先を順次ポインティングし
て、二次分割速度ΔL2を対応する微小期間の速度メモ
リに累積加算させるイテレータ記憶手段(累積分配手
段)、6は上記微小期間に応じたタイミング毎に各速度
メモリに記憶されている累積速度ΔMを移動速度指令と
して出力する出力手段である。また、7はこれら二次分
割手段3や配列メモリ4などからなる加減速制御装置で
ある。
【0020】次に動作について説明する。モータ制御な
どに係る移動量指令L及び速度指令Fが入力されると、
一次分割手段1は、移動量指令Lを速度指令Fを単位と
して分割し、各移動量指令Lに基づく1又は複数の一次
分割速度ΔLを順次出力する。また、一次分割速度ΔL
が入力されると、二次分割手段3は、単位速度記憶手段
2に記憶されている単位速度Aを単位として当該一次分
割速度ΔLを分割し、各一次分割速度ΔLに基づく1又
は複数の二次分割速度ΔL2を順次出力する。そして、
各二次分割速度ΔL2はイテレータ記憶手段5によりポ
インティングされている速度メモリを1番目として上記
二次分割数分の微小期間に累積加算される。出力手段6
は、イテレータ記憶手段5によるポインティングが通過
した速度メモリの累積速度ΔMを微小間隔毎に移動速度
指令として出力する。
【0021】なお、所定の速度を単位として分割すると
は、その単位となる速度毎の単位に分割することを意味
し、その場合の最大の分割速度は当該所定の単位である
速度となる。
【0022】図2はこの発明の実施の形態1による分割
動作の一例を説明する動作説明図である。同図は、移動
量指令に係る移動量Lが360、速度指令Fが45、単
位速度Aが10である場合の分割動作例である。同図に
示すように、一次分割工程において、移動量(L=36
0)を速度指令(F=45)を単位として8つに分割
し、微小区間における移動量が45である8個の一次分
割速度ΔLを生成する。また、第二分割工程において
は、各一時分割速度ΔLを単位速度(A=10)を単位
として5つに分割し、速度が10である二次分割速度Δ
L2を4つと速度が5である二次分割速度ΔL2を1つ
生成している。更に、累積分配工程では、ポインティン
グされている速度メモリを1番目として5つの速度メモ
リに対して、上記5つの二次分割速度ΔL2を「10,
10,10,10,5」の順番で累積加算する。このよ
うな分割動作により、各移動量指令に係る移動量Lは加
速度一定の台形パターンあるいは三角形パターンの速度
分布を有する複数の移動指令速度ΔMに変換される。
【0023】また、このような二次分割の動作は、指令
速度Fを単位速度Aで割った値の整数部分を時定数Tと
した場合、微小期間Δt毎の一次分割速度ΔLを、前記
時定数Tに基づいて、T個のAとその残り(ΔL−A*
T)とに分割するものとして表すことができる。
【0024】図3はこの発明の実施の形態1による配列
メモリ4に対する二次分割速度ΔL2の格納動作の一例
を説明する動作説明図である。同図において、81,
…,8nはそれぞれ速度メモリである。同図(a)に示
すように、全ての速度メモリ81,…,8nの初期値が
「0」であるとともに、イテレータ記憶手段5がi=0
において配列メモリ4の最初の速度メモリ81をポイン
ティングしている状態で、最初の一次分割速度ΔLが二
次分割手段3に入力されると、配列メモリ4の最初の4
つの速度メモリ81,82,83,84に速度「10」
が累積加算され、累積速度「10」となる。また、5つ
目の速度メモリ85は速度「5」が累積加算され、累積
速度「5」となる。そして、この最初の一次分割速度Δ
Lの分割格納が終了すると、同図(b)に示すように、
イテレータ記憶手段5はi=1となって配列メモリ4の
2番目の速度メモリ82を新たにポインティングする。
この状態で2番目の一次分割速度ΔLが二次分割手段3
に入力されると、配列メモリ4の2つ目から4つ目まで
の速度メモリ82,83,84には速度「10」が累積
加算されて累積速度が「20」となり、配列メモリ4の
5つ目の速度メモリ85には速度「10」が累積加算さ
れて累積速度が「15」となり、配列メモリ4の6つ目
の速度メモリ86には速度「5」が累積加算されて累積
速度が「5」となる。このような動作を繰り返して、各
微小期間毎の累積速度ΔMを生成する。
【0025】図4はこの発明の実施の形態1による配列
メモリ4に格納された累積速度ΔMを移動速度指令とし
て出力する出力動作の一例を示す動作説明図である。同
図(a)に示すように、イテレータ記憶手段5がi=1
となって配列メモリ4の2番目の速度メモリ82を新た
にポインティングしたら、最初の速度メモリ81の累積
速度ΔMを移動速度指令として出力し、同図(b)に示
すように、イテレータ記憶手段5がi=2となって配列
メモリ4の3番目の速度メモリ83を新たにポインティ
ングしたら、2番目の速度メモリ82の累積速度ΔMを
移動速度指令として出力する。このようにイテレータ記
憶手段5がポインティングする1つ前の速度メモリを微
小期間毎に順次出力する。
【0026】図5はこの発明の実施の形態1による複数
の移動量指令L,…,Lが連続して入力された場合の分
割動作の一例を説明する動作説明図である。同図は、単
位速度A=10の下で、最初に移動速度指令L=18
0,速度指令F=30の命令が入力され、7番目の微小
区間のタイミングに合わせて2番目の指令(L=36
0,F=45)が入力された場合の例である。そして、
このような場合には、同図の累積分配工程に示すよう
に、7番目の微小期間から8番目の微小期間までの間に
おいて(台形パターン同士の重なり部分において)、2
つの指令に基づく二次分割速度ΔL2が累積加算される
ことになるが、従来のように時定数Tに基づいて二次分
割を行っていた場合のように、このような重なり部分に
おいて加速度が反転するほどの急激な速度変化を生じて
しまうことはない。
【0027】図6はこの発明の実施の形態1による台形
パターン同士の重ねあわせを模式的に示す概念説明図で
ある。同図に示すように、この発明の実施の形態1のよ
うな分割動作により、各台形パターンの斜辺部分の傾き
を複数の台形パターン間で一定に揃えることにより(時
系列上で一定の加速度毎に変化する速度分布となる複数
の速度指令に分割することにより)、それらを重ねあわ
せた場合においても、重なり部分において急激な速度変
化を生じてしまうことはなくなる。つまり、等しい傾き
の台形パターンを重ね合わせると、重ね合わせの場所に
おいて速度パターンに凸凹は発生しなくなる。
【0028】以上のように、この実施の形態1によれ
ば、順次入力される複数の移動量指令L,…,Lに基づ
いて微小期間毎の移動速度指令ΔMを生成する移動速度
指令生成方法において、各移動量指令Lを、時系列上で
一定の加速度毎に変化する速度分布となる複数の一時分
割速度ΔL,…,ΔLに分割し、この複数の一時分割速
度ΔL,…,ΔLに基づいて微小期間毎の移動速度指令
ΔMを生成するので、複数の移動量指令L,…,Lが順
次入力されて、これら複数の移動量指令L,…,Lに基
づく速度ΔL2同士が重なり合って微小区間の移動速度
指令ΔMが生成されるような場合においても、その重な
り部分において各移動量指令Lの速度の加速度差に基づ
く移動速度指令ΔMの急激な速度変化を生ずることはな
く、移動速度指令ΔMは凸凹なくなめらかに変化する効
果がある。
【0029】従って、この微小期間毎の移動速度指令Δ
Mに基づいてモータ制御などの各種の制御を行ったとし
ても、その回転速度や制御対象物を滑らかに移動させる
ことができ、特に近年の加工装置などにおいて高速・高
加速度移動制御を行うような場合においても工作機械や
工作物などに過剰な衝撃を与えてしまうことがなくな
り、高精度の研削加工などを高速に処理することができ
る効果がある。
【0030】また、この実施の形態1によれば、移動量
指令L,…,Lが順次入力され、各移動量指令Lを微小
期間毎の一定速度Fの一次分割速度ΔLに分割する一次
分割手段1と、上記一次分割速度ΔLが入力され、各一
次分割速度ΔLを所定の単位速度Aを単位とする1又は
複数の二次分割速度ΔL2,…,ΔL2に分割する二次
分割手段3と、複数の微小期間に対応する複数の速度メ
モリ81,…,8nを有する配列メモリ4と、上記二次
分割速度ΔL2を対応する微小期間の速度メモリに累積
加算させるイテレータ記憶手段5と、各速度メモリ8
1,…,8nに記憶されている累積速度ΔMを上記微小
期間に応じたタイミングで移動速度指令として出力する
出力手段6とを備えているので、各移動量指令に係る移
動量Lを一定速度Aを単位として上記微小期間毎の一次
分割速度ΔLに分割し、各一次分割速度ΔLを所定の単
位速度Aを単位とする1又は複数の二次分割速度ΔL2
に分割し、各一次分割速度ΔLに基づく1又は複数の二
次分割速度ΔL2それぞれを当該一次分割速度ΔLの微
小期間を1つ目として二次分割数分の微小期間に割り付
け、更に、この微小期間毎の二次分割速度ΔL2の累積
速度ΔMを当該微小区間の移動速度指令とする累積分配
工程とで微小期間毎の移動速度指令を生成することがで
きる。
【0031】従って、従来と同様に2回の分割動作と累
積演算により移動速度指令ΔMを生成することができ、
従来と同等の処理速度を得つつ、異なる移動量指令L,
…,Lに基づく複数の二次分割速度ΔL2,…,ΔL2
が累積加算される微小区間の前後において加速度差に基
づく移動速度指令ΔMの急激な速度変化を抑制すること
ができ、移動速度指令ΔMをなめらかに変化させること
ができる効果がある。
【0032】実施の形態2.図7はこの発明の実施の形
態2による移動速度指令生成装置を示すブロック図であ
る。図において、9は移動量指令Lを速度指令Fを単位
として分割して1又は複数の一次分割速度ΔLを出力す
ると共に、移動量指令Lを速度指令Fで除算した際の余
りを一次分割余剰速度Zとして出力する一次分割手段、
10はこの一次分割余剰速度Zを対応する速度指令Fで
割って達成率Rを出力する達成率算出手段、11は
「1」から達成率Rを減算して得られる未達成率Uと上
記指令速度Fとを乗算して得られる未達成速度F’を出
力する未達成速度算出手段である。なお、上記一次分割
余剰速度Zは一次分割速度ΔLの1つとして出力される
ものであり、また、この一次分割は速度指令Fを単位と
して分割を行うので、上記一次分割余剰速度Zは一連の
一次分割速度ΔL,…,ΔLの最後に出力されるのが一
般的である。
【0033】そして、一次分割手段9は、このような未
達成速度F’が入力された場合には、次の移動量指令L
を分割する際に、その最初の一次分割速度ΔLを上記未
達成速度F’とし、その残り(L−F’)を当該次の移
動量指令に対応する速度指令Fを単位として分割し、ま
た、この最初の一次分割速度ΔLを前回の一次分割余剰
速度Zと同一の微小期間に割り付けて(つまりオーバラ
ップさせて)1又は複数の一次分割速度ΔL,…,ΔL
を出力する。なお、これら一次分割手段9、達成率算出
手段10および未達成速度算出手段11はオーバラップ
装置12とも呼ばれ、一次分割速度ΔLとともに上記達
成率Rをも出力する。
【0034】また、このような未達成速度F’が入力さ
れつつも、補填に用いる次の移動量指令に係る移動量L
がそれよりも小さい場合(L<F’)には、一次分割手
段9は、上記移動量指令に係る移動量Lを上記未達成速
度F’で割って得られる追加達成率R2を出力し、達成
率算出手段10および未達成速度算出手段11は、それ
までの未達成率U1からこの追加達成率R2を減算して
新たな未達成率U2として、この未達成率U2が0とな
るまで順次次の移動量指令に係る移動量L,…,Lを当
該微小期間にオーバラップさせる。そして、未達成率U
が0となった後には、一次分割手段9は、その際の移動
量指令に係る移動量Lから上記オーバラップに用いた最
初の一次分割速度F’を減算したもの(L−F’)を対
応する指令速度Fを単位として分割する。
【0035】図において、13は各一次分割速度をΔL
単位速度Aを単位として分割して1又は複数の二次分割
速度ΔL2を出力するとともに、一次分割速度ΔLがそ
れに対応した指令速度Fと異なる場合には、単位速度A
に上記達成率Rを乗算して余剰単位速度A’を求め、こ
の余剰単位速度A’を単位として一次分割速度ΔLを分
割する二次分割手段である。これ以外の構成は実施の形
態1と同様であり同一の符号を付して説明を省略する。
【0036】次に動作について説明する。一次分割手段
9は、移動量指令に係る移動量Lを速度指令F毎に丁度
に分割することができない場合には、一次分割余剰速度
Zを出力し、達成率算出手段10はこの一次分割余剰速
度Zを上記速度指令Fで除算してそれを達成率Rとして
出力し、未達成速度算出手段11はまず「1」から達成
率Rを除算して未達成率Uを演算し、次にこの未達成率
Uを上記指令速度Fに乗算して未達成速度F’を出力す
る。
【0037】この未達成速度F’が入力されると一次分
割手段9は、次の移動量指令に係る移動量Lがこの未達
成速度F’以上である場合には、まず当該未達成速度
F’を上記一次分割余剰速度Zと同一の微小期間に対応
させて出力し、上記移動量Lから当該未達成速度F’を
減算したもの(L−F’)を対応する次の速度指令Fを
単位として分割を行う。
【0038】逆に、次の移動量指令に係る移動量Lがこ
の未達成速度F’よりも小さい(L<F’)場合には、
一次分割手段9は、当該次の移動量指令に係る移動量L
を上記一次分割余剰速度Zと同一の微小期間に対応させ
て出力するとともに、この移動量Lを上記未達成速度
F’で割って得られる追加達成率R2を出力し、達成率
算出手段10および未達成速度算出手段11は、それま
での未達成率U1からこの追加達成率R2を減算して新
たな未達成率U2とし、その新たな未達成率U2と上記
次の移動量指令L2に対応する次の速度指令F2とを乗
算して新たな未達成速度F2’とする。そして、この未
達成率Uが0となるまで順次移動量指令に係る移動量
L,…,Lを当該微小期間にオーバラップさせる。な
お、未達成率Uが0となった後には、一次分割手段9
は、その際の移動量指令に係る移動量Lから上記オーバ
ラップに用いた最初の一次分割速度(未達成速度F’)
を減算したもの(L−F’)を対応する指令速度Fを単
位として分割を行う。
【0039】図8はこの発明の実施の形態2による一次
分割工程におけるオーバラップ動作を説明する動作概念
説明図である。図において、L(n=1,2,3)は
n番目の移動量指令、F(n=1,2,3)はn番目
の速度指令、Z(n=1,2)はn番目の一次分割余
剰速度、R(n=1,2)はn番目の達成率、U
(n=1,2)はn番目の未達成率、F’(n=
1,2,3)はn番目の未達成速度である。そして、同
図(a)ではオーバラップによりZとF’とが同
一微小期間に割り付けられ、同図(b)ではZ
F’とF’とが同一微小期間に割り付けられる。
【0040】そして、このような一次分割工程が終了す
ると二次分割手段13が各一次分割速度ΔLを更に二次
分割する。この際、一次分割速度ΔLがそれに対応した
指令速度Fと異なる場合には、つまり、上記一次分割余
剰速度Zや上記未達成速度F’などの一次分割速度ΔL
については、対応する達成率Rを単位速度Aに乗算し、
この乗算結果として得られる余剰単位速度(A×R)を
単位として分割を行う。例えば、上記図8(a)の一次
分割余剰速度Z(=24)の場合であれば、達成率Rが
0.8なので、余剰単位速度A1は8(=A×R=10
×0.8)となり、この余剰単位速度A1を単位とし
て、速度8の3つの二次分割速度ΔL2に分割される。
また、上記図8(a)の未達成速度F’(=9)の場
合であれば、達成率Rが0.2なので、余剰単位速度A
2は2(=A×R=10×0.2)となり、この余剰単
位速度A2を単位として、速度2の4つの二次分割速度
ΔL2と速度1の1つの二次分割速度ΔL2とに分割さ
れる。
【0041】図9はこの発明の実施の形態2による複数
の移動量指令L,…,Lが連続して入力された場合の分
割動作の一例を説明する動作説明図である。同図は、単
位速度A=10の下で、最初に移動速度指令L=20
4,速度指令F=30の命令が入力され、8番目の微小
区間のタイミングに合わせて2番目の指令(L=32
4,F=45)が入力された場合の例である。そして、
このような場合には、同図の累積分配工程に示すよう
に、7番目の微小期間から9番目の微小期間までの間に
おいて(台形パターン同士の重なり部分において)、2
つの指令L,Lに基づく二次分割速度ΔL2が累積加算
されることになるが、従来のように時定数Tに基づいて
二次分割を行っていた場合のように、このような重なり
部分において加速度が反転するほどの急激な速度変化を
生じてしまうことはない。これ以外の動作は実施の形態
1と同様であり説明を省略する。
【0042】以上のように、この実施の形態2によれ
ば、各移動量指令Lとともに指令速度Fが指定され、各
移動量指令Lを上記指令速度F毎の複数の一次分割速度
ΔLに分割した際に一次分割余剰速度Zが発生した場合
には、一次分割工程は、次の移動量指令Lによる最初の
一次分割速度ΔLを上記一次分割余剰速度Zと同一の微
小期間に設定し、且つ、この次の移動量指令Lによる最
初の一次分割速度ΔLは、上記一次分割余剰速度Zを上
記指令速度Fで割って得られる達成率Rを1から減算
し、その減算によって得られる未達成率Uと上記前の移
動量指令に対応する指令速度Fとを乗算して得られる速
度とし、その残りの移動量指令Lに係る移動量は対応す
る次の指令速度Fを単位として分割するので、前の移動
量指令Lの一次分割で余りZが発生したとしても、次の
移動量指令Lの一次分割の際に達成率Rに基づいてそれ
を充当することができ、各微小期間を常に完全達成状態
とすることができる。そして、これを適当に二次分割す
ることにより単位速度A以下の速度毎に移動速度指令Δ
Mをなめらかに変化させることが可能となる効果があ
る。
【0043】この実施の形態2によれば、一次分割速度
ΔLがそれに対応した指令速度Fと異なる場合には、二
次分割工程は、当該一次分割速度ΔLを対応する指令速
度Fで割った値を単位速度Aに乗算し、この乗算結果と
して得られる余剰単位速度を単位として分割するので、
一次分割で発生した余りZを適当に二次分割することが
でき、しかも、単位速度A以下の一定の速度毎に移動速
度指令ΔMをなめらかに変化させることができる効果が
ある。
【0044】この実施の形態2によれば、一次分割余剰
速度Zを補うように次の移動量指令Lを分割するに際し
て、未達成率Uと前の移動量指令Lに係る指令速度Fと
乗算して得られる未達成速度F’よりも次の移動量指令
に係る移動量Lが小さい場合には、一次分割工程は、上
記移動量指令に係る移動量Lを上記未達成速度F’で割
って得られる追加達成率Rをそれまでの未達成率U
n−1から減算して新たな未達成率Uとし、この未達
成率Uが0となるまで順次次の移動量指令に係る移動
量Lを当該微小期間に係る最初の一次分割速度ΔLとし
て設定し、未達成率Uが0となった際の移動量指令
は、その移動量Lから上記最初の一次分割速度F’を減
算したものを対応する指令速度Fを単位として分割する
ことによってブロックをオーバラップさせるので、未達
成率Uと前の移動量指令Lに係る指令速度Fと乗算して
得られる未達成速度Uよりも次の移動量指令に係る移動
量Lが小さい場合においても、各微小期間を常に完全達
成状態(U=0)とすることができる。そして、これを
適当に二次分割することにより単位速度A以下の速度毎
に移動速度指令ΔMをなめらかに変化させることが可能
となる効果がある。
【0045】実施の形態3.図10はこの発明の実施の
形態3による移動速度指令生成装置を示すブロック図で
ある。図において、14は前回の速度指令Fn−1を記
憶する前回速度指令記憶手段、15は移動量指令Lを速
度指令Fを単位として分割して1又は複数の一次分割速
度ΔLを出力すると共に、前回の速度指令Fn−1より
も今回の速度指令Fnの方が速度が低い(Fn−1>F
)場合には、前回の二次分割余剰速度Gにそれら2つ
の速度指令の速度差を加算した値(G+Fn−1
)に含まれる単位速度Aの個数と同数の微小期間分
だけ今回の一次分割速度ΔLの出力を遅延させる一次分
割手段である。なお、上記二次分割余剰速度は、2つの
速度指令の速度差を加算した値(G+Fn−1−F
に含まれる単位速度Aの端数(余り)となる速度であ
る。
【0046】また、16は前回の二次分割余剰速度Gに
それら2つの速度指令の速度差を加算した値(G+F
n−1−F)に含まれる単位速度Aの端数(余り)を
今回の新たな二次分割余剰速度Gとして記憶する二次分
割余剰速度記憶手段、17は各一次分割速度ΔLの最初
の二次分割速度ΔL2として単位速度Aから上記今回の
新たな二次分割余剰速度Gを引いた速度(A−G)を出
力し、その残り(ΔL−(A−G))を単位速度Aを単
位として分割して1又は複数の二次分割速度ΔL2を出
力する二次分割手段である。これ以外の構成は実施の形
態1と同様であり同一の符号を付して説明を省略する。
【0047】次に動作について説明する。一次分割手段
15は、移動量指令に係る移動量Lを速度指令Fを単位
として分割する際に、前回の速度指令Fn−1よりも今
回の速度指令Fが低い場合には、移動量指令に係る一
次分割速度ΔLを求めた後において、前回の二次分割余
剰速度Gにそれら2つの速度指令の速度差を加算した値
(G+Fn−1−F)に含まれる単位速度Aの個数と
同数の微小期間分だけ遅延させる。
【0048】二次分割手段17は、各一次分割速度ΔL
を二次分割する際に、まず最初の二次分割速度ΔL2と
して、単位速度Aから上記今回の新たな二次分割余剰速
度Gを減算して得られる速度(A−G)を出力し、次に
当該一次分割速度ΔLから当該最初の二次分割速度を減
算したもの(ΔL−(A−G))を単位速度Aを単位と
して分割して1又は複数の二次分割速度ΔL,…,ΔL
として出力する。
【0049】図11はこの発明の実施の形態3による複
数の移動量指令L,…,Lが連続して入力された場合の
分割動作の一例を説明する動作説明図である。同図は、
単位速度A=10の下で、最初に移動速度指令L=36
0,速度指令F=45の命令が入力され、9番目の微小
区間のタイミングに合わせて2番目の指令(L=18
0,F=30)が入力された場合の例である。そして、
このような場合には、同図の累積分配工程に示すよう
に、2番目の指令に基づく最初の一次分割速度ΔLの出
力を1つ(=(G+F−F)/A=(0+45−3
0)/10=1.5→「1」)減速待ち遅延させてい
る。また、2番目の指令に基づく一次分割速度ΔLを二
次分割する際に、その時の二次分割余剰速度Gが5(=
(G+Fn−1−F)/A=(0+45−30)/1
0の余りは5)となっているため、その最初の二次分割
速度を5(=A−G=10−5)としている。従って、
10番目の微小期間から11番目の微小期間までの間に
おいて(台形パターン同士の重なり部分において)、2
つの指令に基づく二次分割速度ΔL2,…,ΔL2が累
積加算されることになるが、このような重なり部分にお
いても移動速度指令ΔMは加速度が反転するほどの急激
な速度変化を生じてしまうことはない。
【0050】図12はこの発明の実施の形態3による複
数の移動量指令L,…,Lが連続して入力された場合の
分割動作の他の一例を説明する動作説明図である。同図
は、単位速度A=10の下で、最初に移動速度指令L=
270,速度指令F=45の命令が入力され、7番目の
微小区間のタイミングに合わせて2番目の指令(L=1
50,F=30)が入力され、13番目の微小区間のタ
イミングに合わせて3番目の指令(L=270,F=4
5)が入力され、19番目の微小区間のタイミングに合
わせて4番目の指令(L=150,F=30)が入力さ
れた場合の例である。そして、このような場合には、同
図の累積分配工程に示すように、2番目の指令に基づく
最初の一次分割速度ΔLの出力を1つ(=(G+F
)/A=(0+45−30)/10=1.5→この
整数部分は「1」)減速待ち遅延させ、4番目の指令に
基づく最初の一次分割速度ΔLの出力を2つ(=(G+
F1−F2)/A=(5+45−30)/10=2.0
→この整数部分は「2」)減速待ち遅延させている。
【0051】また、2番目以降の指令に基づく一次分割
速度ΔLを二次分割する際に、その時の二次分割余剰速
度Gが5(=(G+F1−F2)/A=(0+45−3
0)/10の余りは5)となっているため、その最初の
二次分割速度ΔL2を5(=A−G=10−5)として
いる。これに対して、4番目の指令に基づく一次分割速
度ΔLを二次分割する際には、その時の二次分割余剰速
度Gが0(=(G+F1−F2)/A=(5+45−3
0)/10の余りは0)となるので、そのような分割作
業は行われない。
【0052】従って、8番目の微小期間から10番目の
微小期間までの間や、21番目の微小期間から22番目
の微小期間までの間において(台形パターン同士の重な
り部分において)、2つの指令に基づく二次分割速度Δ
L2,…,ΔL2が累積加算されることになるが、この
ような重なり部分においても移動速度指令ΔMは加速度
が反転するほどの急激な速度変化を生じてしまうことは
ない。
【0053】図13はこの発明の実施の形態3による台
形パターン同士の重ねあわせを模式的に示す概念説明図
である。同図に示すように、この発明の実施の形態3の
ような分割動作により、各台形パターンの斜辺部分の傾
きを複数の台形パターン間で一定に揃えつつ(時系列上
で一定の加速度毎に変化する速度分布となる複数の速度
指令に分割しつつ)、速度が低下する場合にはその低下
に応じた分だけ後の台形パターンを遅延させることによ
り、それらを重ねあわせた場合においても、重なり部分
において急激な速度変化を生じてしまうことはなくな
る。つまり、等しい傾きの台形パターンを重ね合わせる
と、重ね合わせの場所において速度パターンに凸凹は発
生しなくなる。これ以外の動作は実施の形態1と同様で
あり説明を省略する。
【0054】以上のように、この実施の形態3によれ
ば、移動量指令Lに係る一次分割速度ΔLを求めた後に
おいて、その一次分割速度ΔLが前の移動量指令Lに基
づく一次分割速度ΔLと連続して時系列上に配列され、
且つ、前の移動量指令に基づく一次分割速度ΔLよりも
速度が低い場合には、一次分割工程は、前回の二次分割
余剰速度をGとした場合、このGにそれら2つの速度指
令の速度差を加算した値(G+Fn−1−F)に含ま
れる単位速度Aの個数と同数の微小期間分だけ遅延させ
るので、各移動量指令に基づく指令速度の最高速度が低
下する場合においても単位速度A以下の速度毎に移動速
度指令ΔMをなめらかに低下させることができる効果が
ある。
【0055】この実施の形態3によれば、二次分割工程
は、上記新たな移動量指令に基づく各一次分割速度の二
次分割速度を求める際には、前回の二次分割余剰速度G
に2つの速度指令の速度差を加算した値(G+Fn−1
−F)を単位速度Aで除算して得られる剰余を新たな
二次分割余剰速度Gとした場合、当該単位速度から当該
新たな二次分割余剰速度Gを減算して得られる速度を1
つ目の二次分割速度とし、その残りを単位速度を単位と
する1又は複数の二次分割速度に分割するので、例え
ば、前の移動量指令Lに基づく一次分割速度ΔLが単位
速度Aで割りきれないような場合であっても、次の移動
量指令Lに係る一次分割速度ΔLを分割する際に、その
分のげたを履かせた状態で分割することができ、重なり
部分において所定の単位速度A以下の速度毎に移動速度
指令ΔMをなめらかに変化させることができる効果があ
る。
【0056】また、多数の移動量が連続している間に複
数回の速度指令の減速状況が発生したとしても破綻を来
すことなく最小の遅延時間にて適当に移動量指令を生成
することができる効果がある。
【0057】なお、この実施の形態3では、2番目以降
の指令に基づく一次分割速度ΔLを二次分割する際に二
次分割余剰速度Gを利用するようにしたが、この替わり
に、連続する速度指令Fの減速速度差を単位速度Aで除
算した際の小数部分を利用しても良い。具体的には、例
えば速度指令Fが45から30に減速する場合には、そ
の速度指令の減速速度差(15=45−30)を単位速
度(A=10)で除算した際(15/10=1.5)の
小数部分は0.5となるが、1からこの0.5を減算し
て得られる0.5を単位速度Aに乗算するようにすれば
よい。
【0058】この場合、二次分割余剰速度Gが存在する
状況で減速待ちを行う場合には、その速度差を単位速度
で除算した値に当該二次分割余剰速度Gを加算した値の
整数部分を減速待ち回数とし、小数部分を新たな二次分
割余剰速度Gとすればよい。具体的には、例えば二次分
割余剰速度G=0.5の状況で指令速度Fが45から3
0に減速する場合には、その指令速度の減速速度差(1
5=45−30)を単位速度(A=10)で除算した値
(15/10=1.5)に上記二次分割余剰速度G=
0.5を加算した値(1.5+0.5=2.0)の整数
部分2を減速待ち回数とし、0.0を新たな二次分割余
剰速度Gとすればよい。そして、1からこの新たな二次
分割余剰速度G=0.0を減算して得られる1を単位速
度Aに乗算すればよい。
【0059】実施の形態4.図14はこの発明の実施の
形態4による移動速度指令生成装置を示すブロック図で
ある。図において、18は移動量指令Lを速度指令Fを
単位として分割して1又は複数の一次分割速度ΔLを出
力し、且つ、移動量指令Lを速度指令Fで除算した際の
余りを一次分割余剰速度Zとして出力するとともに、前
回の速度指令Fn−1よりも今回の速度指令Fの方が
速度が低い場合には、前回の二次分割余剰速度Gにそれ
ら2つの速度指令の速度差を加算した値(G+Fn−1
−F)に含まれる単位速度Aの個数と同数の微小期間
分だけ今回の一次分割速度ΔLの出力を遅延させる一次
分割手段であり、19は各一次分割速度ΔLを単位速度
Aを単位として分割して1又は複数の二次分割速度ΔL
2を出力するとともに、一次分割速度ΔLがそれに対応
した指令速度Fと異なる場合には、単位速度Aに上記達
成率Rを乗算して余剰単位速度A2を求め、この余剰単
位速度A2を単位として一次分割速度ΔLを分割し、ま
た、前回の速度指令Fn−1よりも今回の速度指令F
の方が速度が低い場合には、各一次分割速度ΔLの最初
の二次分割速度ΔL2として単位速度Aから今回の二次
分割余剰速度Gを引いた速度を出力し、その残りを単位
速度Aを単位として分割して1又は複数の二次分割速度
ΔL2,…,ΔL2を出力する二次分割手段である。ま
た、10,11,12は実施の形態2の同一符号のもの
と同一であり、それ以外は実施の形態3と同様な構成で
あり同一の符号を付して説明を省略する。
【0060】次に動作について説明する。図15はこの
発明の実施の形態4による複数の移動量指令L,…,L
が連続して入力された場合の分割動作の他の一例を説明
する動作説明図である。同図は、単位速度A=10の下
で、最初に移動速度指令L=324,速度指令F=45
の命令が入力され、8番目の微小区間のタイミングに合
わせて2番目の指令(L=204,F=30)が入力さ
れた場合の例である。そして、このような場合には、同
図の累積分配工程に示すように、最初の指令に基づいて
一次分割余剰速度(Z1=9)が生成されているので、
まず、2番目の指令に基づく最初の一次分割速度ΔLの
出力を7番目の未達成率を0とするように最初の一次分
割速度(F’2=24)を決定し、その残りの移動量
(204−24)を二番目の速度指令(F2=30)を
単位として分割した後、次に、2番目の指令に基づく最
初の一次分割速度の出力を1つ(=(G+F−F
/A=(0+45−30)/10=1.5→この整数部
分は「1」)減速待ち遅延させている。
【0061】また、2番目以降の指令に基づく一次分割
速度ΔLを二次分割する際に、その時の二次分割余剰速
度Gが5(=(G+F−F)/A=(0+45−3
0)/10の余りは5)となっているため、その最初の
二次分割速度ΔL2を5(=A−G=10−5)として
いる。
【0062】従って、8番目の微小期間から11番目の
微小期間までの間において(台形パターン同士の重なり
部分において)、2つの指令に基づく二次分割速度ΔL
2,…,ΔL2が累積加算されることになるが、このよ
うな重なり部分においても移動速度指令ΔMは加速度が
反転するほどの急激な速度変化を生じてしまうことはな
い。これ以外の動作は実施の形態2や3と同様であり説
明を省略する。
【0063】以上のように、この実施の形態4によれ
ば、各移動量指令Lとともに指令速度Fが指定され、各
移動量指令Lを上記指令速度F毎の複数の一次分割速度
ΔLに分割した際に一次分割余剰速度Zが発生した場合
には、一次分割工程は、次の移動量指令Lによる最初の
一次分割速度ΔLを上記一次分割余剰速度Zと同一の微
小期間に設定し、且つ、この次の移動量指令Lによる最
初の一次分割速度ΔLは、上記一次分割余剰速度Zを上
記指令速度Fで割って得られる達成率Rを1から減算
し、その減算によって得られる未達成率Uと上記前の移
動量指令に対応する指令速度Fとを乗算して得られる速
度とし、その残りの移動量指令に係る移動量Lは対応す
る次の指令速度Fを単位として分割するので、前の移動
量指令Lの一次分割で余りZが発生したとしても、次の
移動量指令Lの一次分割の際に達成率Rに基づいてそれ
を充当することができ、各微小期間を常に完全達成状態
とすることができる。そして、これを適当に二次分割す
ることにより単位速度A以下の速度毎に移動速度指令Δ
Mをなめらかに変化させることが可能となる効果があ
る。
【0064】この実施の形態4によれば、一次分割速度
ΔLがそれに対応した指令速度Fと異なる場合には、二
次分割工程は、当該一次分割速度ΔLを対応する指令速
度Fで割った値を単位速度Aに乗算し、この乗算結果と
して得られる余剰単位速度A2を単位として分割するの
で、一次分割で発生した余りZを適当に二次分割するこ
とができ、しかも、単位速度A以下の一定の速度毎に移
動速度指令ΔMをなめらかに変化させることができる効
果がある。
【0065】実施の形態5.図16はこの発明の実施の
形態5による移動速度指令生成装置を示すブロック図で
ある。図において、20は移動量指令に係る移動量Lの
一次分割数よりも指令速度の単位速度による二次分割数
の方が大きい場合には、指令速度Fを下記式3により得
られる速度に変更する指令速度変更手段、21はこの指
令速度Fが変更された場合にはその変更指令速度Fを単
位として移動指令に係る移動量Lを分割する一次分割手
段である。 F=√(L・A) ・・・式1 但し、Fは速度、Lは移動量、Aは単位速度である。こ
れ以外の構成は実施の形態4と同様であり同一の符号を
付して説明を省略する。
【0066】次に動作について説明する。図17はこの
発明の実施の形態5による速度変更動作を説明する動作
説明図である。同図は、A=10の下でL=90,F=
45の指令が入力された場合の変更例である。この指令
例の場合、その指令のとおりに分割を行うと、一次分割
数は2つ(=L/F=90/45)、二次分割数は5つ
(F/A=45/10=4.5→5)となるので、一次
分割数よりも二次分割数の方が大きくなる。従って、速
度指令Fを30(=√(L・A)=√(90×10))
に変更する。これにより、累積加算後の移動速度指令は
台形パターンから三角形パターンに変更され、その分
(ここでは6→5に)当該指令処理に必要な微小期間の
個数を削減することができる。これ以外の動作、例えば
一次分割手段の他の動作、例えば減速時の遅延動作や達
成率Rに基づく分割なども実施の形態4と同様であり説
明を省略する。
【0067】以上のように、この実施の形態5によれ
ば、移動量指令に係る移動量Lの一次分割数よりも指令
速度の単位速度による二次分割数の方が大きい場合に
は、一次分割工程は、指令速度Fを上記式1により得ら
れる低い指令速度Fに変更して一次分割を行うので、所
定の単位速度A以上の速度変化を生ずることなく、移動
量指令Lの処理に必要な微小期間の数を必要最小限に抑
えることができ、その結果、所定の加工精度などを維持
しながら上記抑制分だけ早く移動処理を行うことができ
る効果がある。
【0068】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、順次
入力される複数の移動量指令に基づいて微小期間毎の移
動速度指令を生成する移動速度指令生成方法において、
各移動量指令を、時系列上で一定の加速度毎に変化する
速度分布となる複数の速度指令に分割し、この複数の速
度指令に基づいて微小期間毎の移動速度指令を生成する
ので、複数の移動量指令が順次入力されて、これら複数
の移動量指令に基づく速度同士が重なり合って微小区間
の移動速度指令が生成されるような場合においても、そ
の重なり部分において各移動量指令の速度の加速度差に
基づく移動速度指令の急激な速度変化を生ずることはな
く、速度指令はなめらかに変化する効果がある。
【0069】従って、この微小期間毎の移動速度指令に
基づいてモータ制御などの各種の制御を行ったとして
も、その回転速度や制御対象物を滑らかに移動させるこ
とができ、特に近年の加工装置などにおいて高速・高加
速度移動制御を行うような場合においても工作機械や工
作物などに過剰な衝撃を与えてしまうことがなくなり、
高精度の研削加工などを高速に処理することができる効
果がある。
【0070】この発明によれば、各移動量指令に係る移
動量を一定速度を単位として上記微小期間毎の一次分割
速度に分割する一次分割工程と、各一次分割速度を所定
の単位速度を単位とする1又は複数の二次分割速度に分
割する二次分割工程と、各一次分割速度に基づく1又は
複数の二次分割速度それぞれを当該一次分割速度の微小
期間を1つ目として二次分割数分の微小期間に割り付
け、この微小期間毎の二次分割速度の累積速度を当該微
小区間の移動速度指令とする累積分配工程とで微小期間
毎の移動速度指令を生成するので、従来と同様に2回の
分割動作と累積演算により指令速度を生成することがで
きる。従って、従来と同等の処理速度を得つつ、異なる
移動量指令に基づく複数の二次分割速度が累積加算され
る微小区間の前後において加速度差に基づく速度指令の
急激な速度変化を抑制することができ、移動速度指令を
なめらかに変化させることができる効果がある。
【0071】この発明によれば、移動量指令に係る一次
分割速度を求めた後において、その一次分割速度が前の
移動量指令に基づく一次分割速度と連続して時系列上に
配列され、且つ、前の移動量指令に基づく一次分割速度
よりも速度が低い場合には、一次分割工程は、当該速度
差に含まれる単位速度の個数と同数の微小期間分だけ遅
延させるので、各移動量指令に基づく指令速度の最高速
度が低下する場合においても単位速度以下の速度毎に移
動速度指令をなめらかに低下させることができる効果が
ある。
【0072】この発明によれば、二次分割工程は、新た
な移動量指令に基づく各一次分割速度の二次分割速度を
求める際には、前回の速度指令と今回の速度指令との速
度差を単位速度で除算して得られる剰余を二次分割余剰
速度とした場合、当該単位速度から当該二次分割余剰速
度を減算して得られる速度を1つ目の二次分割速度と
し、その残りを単位速度を単位とする1又は複数の二次
分割速度に分割するので、例えば、前の移動量指令に基
づく一次分割速度が単位速度で割りきれないような場合
であっても、次の移動量指令に係る一次分割速度を分割
する際に、その分のげたを履かせた状態で分割すること
ができ、重なり部分において所定の単位速度以下の速度
毎に移動速度指令をなめらかに変化させることができる
効果がある。
【0073】この発明によれば、二次分割工程は、既に
二次分割余剰速度が存在する状況で新たな移動量指令に
基づく各一次分割速度の二次分割速度を求める際には、
上記二次分割余剰速度に前回の速度指令と今回の速度指
令との速度差を加算した値を単位速度で除算して得られ
る剰余を新たな二次分割余剰速度とし、当該単位速度か
ら当該新たな二次分割余剰速度を減算して得られる速度
を1つ目の二次分割速度とし、その残りを単位速度を単
位とする1又は複数の二次分割速度に分割するので、多
数の移動量が連続している間に複数回の速度指令の減速
状況が発生したとしても破綻を来すことなく最小の遅延
時間にて適当に移動量指令を生成することができる効果
がある。
【0074】この発明によれば、各移動量指令とともに
指令速度が指定され、各移動量指令を上記指令速度毎の
複数の一次分割速度に分割した際に一次分割余剰速度が
発生した場合には、一次分割工程は、次の移動量指令に
よる最初の一次分割速度を上記一次分割余剰速度と同一
の微小期間に設定し、且つ、この次の移動量指令による
最初の一次分割速度は、上記一次分割余剰速度を上記指
令速度で割って得られる達成率を1から減算し、その減
算によって得られる未達成率と上記前の移動量指令に対
応する指令速度とを乗算して得られる速度とし、その残
りの移動量指令に係る移動量は対応する次の指令速度を
単位として分割するので、前の移動量指令の一次分割で
余りが発生したとしても、次の移動量指令の一次分割の
際に達成率に基づいてそれを充当することができ、各微
小期間を常に完全達成状態とすることができる。そし
て、これを適当に二次分割することにより単位速度以下
の速度毎に移動速度指令をなめらかに変化させることが
可能となる効果がある。
【0075】この発明によれば、一次分割速度がそれに
対応した指令速度と異なる場合には、二次分割工程は、
当該一次分割速度を対応する指令速度で割った値を単位
速度に乗算し、この乗算結果として得られる余剰単位速
度を単位として分割するので、一次分割で発生した余り
を適当に二次分割することができ、しかも、単位速度以
下の一定の速度毎に移動速度指令をなめらかに変化させ
ることができる効果がある。
【0076】この発明によれば、一次分割余剰速度を補
うように次の移動量指令を分割するに際して、未達成率
と前の移動量指令に係る指令速度と乗算して得られる未
達成速度よりも次の移動量指令に係る移動量が小さい場
合には、一次分割工程は、上記移動量指令に係る移動量
を上記未達成速度で割って得られる追加達成率をそれま
での未達成率から減算して新たな未達成率とし、この未
達成率が0となるまで順次移動量指令に係る移動量を当
該微小期間に係る最初の一次分割速度として設定し、未
達成率が0となった際の移動量指令は、その移動量から
上記最初の一次分割速度を減算したものを対応する指令
速度を単位として分割することによってブロックをオー
バラップさせるので、未達成率と前の移動量指令に係る
指令速度と乗算して得られる未達成速度よりも次の移動
量指令に係る移動量が小さい場合においても、各微小期
間を常に完全達成状態とすることができる。そして、こ
れを適当に二次分割することにより単位速度以下の速度
毎に移動速度指令をなめらかに変化させることが可能と
なる効果がある。
【0077】この発明によれば、移動量指令に係る移動
量の一次分割数よりも指令速度の単位速度による二次分
割数の方が大きい場合には、一次分割工程は、指令速度
を上記式1により得られる速度に変更して一次分割を行
うので、所定の単位速度以上の速度変化を生ずることな
く、移動量指令の処理に必要な微小期間の数を必要最小
限に抑えることができ、その結果、所定の加工精度など
を維持しながら上記抑制分だけ早く移動処理を行うこと
ができる効果がある。
【0078】この発明によれば、移動量指令が順次入力
され、各移動量指令の移動速度を微小期間毎の一定速度
の一次分割速度に分割する一次分割手段と、上記一次分
割速度が入力され、各一次分割速度を所定の単位速度を
単位とする1又は複数の二次分割速度に分割する二次分
割手段と、複数の微小期間に対応する複数の速度メモリ
を有する記憶手段と、上記二次分割速度を対応する微小
期間の速度メモリに累積加算させる累積分配手段と、各
速度メモリに記憶されている累積速度を上記微小期間に
応じたタイミングで移動速度指令として出力する出力手
段とを備えているので、従来と同様に2回の分割動作と
累積演算により指令速度を生成することができる。従っ
て、従来と同等の処理速度を得つつ、異なる移動量指令
に基づく複数の二次分割速度が累積加算される微小区間
の前後において加速度差に基づく速度指令の急激な速度
変化を抑制することができ、移動速度指令をなめらかに
変化させることができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の実施の形態1による移動速度指令
生成装置を示すブロック図である。
【図2】 この発明の実施の形態1による分割動作の一
例を説明する動作説明図である。
【図3】 この発明の実施の形態1による配列メモリに
対する二次分割速度の格納動作の一例を説明する動作説
明図である。
【図4】 この発明の実施の形態1による配列メモリに
格納された累積速度を移動速度指令として出力する出力
動作の一例を示す動作説明図である。
【図5】 この発明の実施の形態1による複数の移動量
指令が連続して入力された場合の分割動作の一例を説明
する動作説明図である。
【図6】 この発明の実施の形態1による台形パターン
同士の重ねあわせを模式的に示す概念説明図である。
【図7】 この発明の実施の形態2による移動速度指令
生成装置を示すブロック図である。
【図8】 この発明の実施の形態2による一次分割工程
におけるオーバラップ動作を説明する動作概念説明図で
ある。
【図9】 この発明の実施の形態2による複数の移動量
指令が連続して入力された場合の分割動作の一例を説明
する動作説明図である。
【図10】 この発明の実施の形態3による移動速度指
令生成装置を示すブロック図である。
【図11】 この発明の実施の形態3による複数の移動
量指令が連続して入力された場合の分割動作の一例を説
明する動作説明図である。
【図12】 この発明の実施の形態3による複数の移動
量指令が連続して入力された場合の分割動作の他の一例
を説明する動作説明図である。
【図13】 この発明の実施の形態3による台形パター
ン同士の重ねあわせを模式的に示す概念説明図である。
【図14】 この発明の実施の形態4による移動速度指
令生成装置を示すブロック図である。
【図15】 この発明の実施の形態4による複数の移動
量指令が連続して入力された場合の分割動作の他の一例
を説明する動作説明図である。
【図16】 この発明の実施の形態5による移動速度指
令生成装置を示すブロック図である。
【図17】 この発明の実施の形態5による速度変更動
作を説明する動作説明図である。
【図18】 従来の移動速度指令生成装置の要部を示す
ブロック図である。
【図19】 従来における分割動作を説明する動作説明
図である。
【図20】 従来における複数の移動量指令が連続して
入力された場合の分割動作の一例を説明する動作説明図
である。
【図21】 従来における台形パターン同士の重ねあわ
せ(累積加算)の状態を模式的に示す概念説明図であ
る。
【符号の説明】
1,9,15,18,21 一次分割手段、3,13,
17,19 二次分割手段、4 配列メモリ(記憶手
段)、5 イテレータ記憶手段(累積分配手段)、6
出力手段、81,…,8n 速度メモリ。

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 順次入力される複数の移動量指令に基づ
    いて微小期間毎の移動速度指令を生成する移動速度指令
    生成方法において、 各移動量指令を、時系列上で一定の加速度毎に変化する
    速度分布となる複数の速度指令に分割し、この複数の速
    度指令に基づいて微小期間毎の移動速度指令を生成する
    ことを特徴とする移動速度指令生成方法。
  2. 【請求項2】 各移動量指令に係る移動量を一定速度を
    単位として上記微小期間毎の一次分割速度に分割する一
    次分割工程と、 各一次分割速度を所定の単位速度を単位とする1又は複
    数の二次分割速度に分割する二次分割工程と、 各一次分割速度に基づく1又は複数の二次分割速度それ
    ぞれを当該一次分割速度の微小期間を1つ目として二次
    分割数分の微小期間に割り付け、この微小期間毎の二次
    分割速度の累積速度を当該微小区間の移動速度指令とす
    る累積分配工程とを有することを特徴とする請求項1記
    載の移動速度指令生成方法。
  3. 【請求項3】 移動量指令に係る一次分割速度を求めた
    後において、その一次分割速度が前の移動量指令に基づ
    く一次分割速度と連続して時系列上に配列され、且つ、
    前の移動量指令に基づく一次分割速度よりも速度が低い
    場合には、 一次分割工程は、 当該速度差に含まれる単位速度の個数と同数の微小期間
    分だけ遅延させることを特徴とする請求項2記載の移動
    速度指令生成方法。
  4. 【請求項4】 二次分割工程は、 新たな移動量指令に基づく各一次分割速度の二次分割速
    度を求める際には、 前回の速度指令と今回の速度指令との速度差を単位速度
    で除算して得られる剰余を二次分割余剰速度とした場
    合、当該単位速度から当該二次分割余剰速度を減算して
    得られる速度を1つ目の二次分割速度とし、その残りを
    単位速度を単位とする1又は複数の二次分割速度に分割
    することを特徴とする請求項3記載の移動速度指令生成
    方法。
  5. 【請求項5】 二次分割工程は、 既に二次分割余剰速度が存在する状況で新たな移動量指
    令に基づく各一次分割速度の二次分割速度を求める際に
    は、 上記二次分割余剰速度に前回の速度指令と今回の速度指
    令との速度差を加算した値を単位速度で除算して得られ
    る剰余を新たな二次分割余剰速度とし、当該単位速度か
    ら当該新たな二次分割余剰速度を減算して得られる速度
    を1つ目の二次分割速度とし、その残りを単位速度を単
    位とする1又は複数の二次分割速度に分割することを特
    徴とする請求項4記載の移動速度指令生成方法。
  6. 【請求項6】 各移動量指令とともに指令速度が指定さ
    れ、各移動量指令を上記指令速度毎の複数の一次分割速
    度に分割した際に一次分割余剰速度が発生した場合に
    は、 一次分割工程は、 次の移動量指令による最初の一次分割速度を上記一次分
    割余剰速度と同一の微小期間に設定し、且つ、 この次の移動量指令による最初の一次分割速度は、 上記一次分割余剰速度を上記指令速度で割って得られる
    達成率を1から減算し、その減算によって得られる未達
    成率と上記前の移動量指令に対応する指令速度とを乗算
    して得られる速度とし、 その残りの移動量指令に係る移動量は対応する次の指令
    速度を単位として分割することを特徴とする請求項2か
    ら請求項5のうちのいずれか1項記載の移動速度指令生
    成方法。
  7. 【請求項7】 一次分割速度がそれに対応した指令速度
    と異なる場合には、 二次分割工程は、 当該一次分割速度を対応する指令速度で割った値を単位
    速度に乗算し、 この乗算結果として得られる余剰単位速度を単位として
    分割することを特徴とする請求項6記載の移動速度指令
    生成方法。
  8. 【請求項8】 一次分割余剰速度を補うように次の移動
    量指令を分割するに際して、未達成率と前の移動量指令
    に係る指令速度と乗算して得られる未達成速度よりも次
    の移動量指令に係る移動量が小さい場合には、 一次分割工程は、 上記移動量指令に係る移動量を上記未達成速度で割って
    得られる追加達成率をそれまでの未達成率から減算して
    新たな未達成率とし、この未達成率が0となるまで順次
    移動量指令に係る移動量を当該微小期間に係る最初の一
    次分割速度として設定し、 未達成率が0となった際の移動量指令は、その移動量か
    ら上記最初の一次分割速度を減算したものを対応する指
    令速度を単位として分割することを特徴とする請求項6
    または請求項7に記載の移動速度指令生成方法。
  9. 【請求項9】 移動量指令に係る移動量の一次分割数よ
    りも指令速度の単位速度による二次分割数の方が大きい
    場合には、 一次分割工程は、 指令速度を下記式1により得られる速度に変更して一次
    分割を行うことを特徴とする請求項2または請求項3記
    載の移動速度指令生成方法。 F=√(L・A) ・・・式1 但し、Fは速度、Lは移動量、Aは単位速度である。
  10. 【請求項10】 移動量指令が順次入力され、各移動量
    指令の移動速度を微小期間毎の一定速度の一次分割速度
    に分割する一次分割手段と、 上記一次分割速度が入力され、各一次分割速度を所定の
    単位速度を単位とする1又は複数の二次分割速度に分割
    する二次分割手段と、 複数の微小期間に対応する複数の速度メモリを有する記
    憶手段と、 上記二次分割速度を対応する微小期間の速度メモリに累
    積加算させる累積分配手段と、 各速度メモリに記憶されている累積速度を上記微小期間
    に応じたタイミングで移動速度指令として出力する出力
    手段とを備えた移動速度指令生成装置。
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