JP2000087987A - 軸受シール材 - Google Patents

軸受シール材

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JP2000087987A
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seal material
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bearing seal
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Abstract

(57)【要約】 【課題】有害なクロメート処理に代わり無公害の保護膜
を施した軸受シール材を提供する。 【解決手段】軸受のシールまたはシールド部材(軸受シ
ール材と総称)の少なくとも一部に使用される金属製の
シール材において、板厚が0.1〜0.5mmの鋼板の
表面を鉄よりも貴な金属からなる厚さ0.5〜50μm
の被膜で被覆した。鉄よりも貴な金属として例えば錫が
好適である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、軸受シール材の表
面処理の改良に係り、特に軸受の金属製のシールまたは
シールドや、ゴム製のシールまたはシールドの心金に使
用される金属材に施す無公害の耐食処理に関する。
【0002】
【従来の技術】シール軸受では、潤滑剤の漏れ及び外部
からの異物の侵入を防止するための密封部品としてシー
ルが軌道輪に取り付けられる。また、シールド軸受で
は、外部からの異物に対して軸受を保護するための部品
として、シールドが一方の軌道輪に取り付けられる。こ
れらのシールやシールド(以下、軸受シール材と総称す
る)には、全体が鋼板をプレス成形して形成された金属
製のものと、ゴム材料を主とし心金で補強したゴム製の
ものとの何れかが一般的に使用されている。
【0003】図3に従来より軸受シール材として使用さ
れているシールド板Sの断面図を示す。このものは、冷
間圧延鋼板lの表面1aに亜鉛lbを1〜2μmの厚さ
でメッキした上に、クロメート処理によりクロメート被
覆lcを施して耐食性を賦与している。亜鉛lbをメッ
キしてなる亜鉛メッキ鋼板は自己犠牲型の表面処理鋼板
であるため、心部の鉄よりも電気化学的に卑な金属であ
る亜鉛を選択的にイオン化させることによって鋼板を腐
食させないようにしている。その亜鉛メッキ鋼板の表面
の亜鉛層bを保護するために、さらに6価クロム溶液を
使用したクロメート処理を施してクロメート被覆lcを
形成し、亜鉛の腐食を防止している。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、6価ク
ロムは従来から環境問題で問題視されており、電器製品
や自動車などのクロメート処理した部品の廃棄物から土
壌への溶出などが、重大な環境汚染を引き起こしてい
る。特に先進国においては、近年、酸性雨との絡みもあ
り、地球規模的な環境問題への取り組みが必要とされ、
企業においては製造物への責任を果たすことが重要な課
題になってきている。
【0005】軸受シール材の保護膜として施されるクロ
メート処理は、6価クロムの溶液を3価のクロム化合物
に還元する処理であるが、微量の6価クロムが残存す
る。これらは環境庁告示第13号『産業廃棄物に含まれ
る金属などの検定方法』で定められた溶出試験で確認さ
れている。
【0006】軸受は前述の電器製品や自動車などに数多
く使用されるため、その軸受シール材も有害物質を含有
しない材料が求められている。本発明は、このような従
来の軸受シール材における環境汚染の問題に着目してな
されたものであり、クロメート処理に代わり無公害の保
護膜を施した軸受シール材を提供することを目的として
いる。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、請求項1に係る発明は、軸受のシールまたはシー
ルド部材の少なくとも一部に使用される金属製のシール
材であって、板厚が0.1〜0.5mmの鋼板の表面を
鉄よりも貴な金属からなる厚さ0.5〜50μmの被膜
で被覆したことを特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して説明する。図1は、本発明の軸受シール材の
少なくとも一部に使用されるシールド板2(金属製シー
ル材、またはゴム材料を主としシール材の心金)の一部
を示す断面図である。
【0009】このシールド板2は、素地の鋼板1の表面
1aに、保護膜として、鉄よりイオン化傾向が小さい金
属からなり、クロメート処理を必要とせず、環境に悪影
響を与えない耐食性の被膜2aを形成したものである。
この耐食性金属被膜2aの具体例としては、例えば錫あ
るいは銅の被覆を例示できる。
【0010】鋼板1の素地である鉄は、微量の塩などが
溶解した水蒸気や塩水などの電解質溶液の存在下では、
イオン化傾向が鉄より小さい金属(鉄より貴な金属であ
り、例えば錫,銅)に対してアノードとなることが知ら
れている。因みに、25℃における標準電極電位e0
値は、Fe│Fe++:−0.44、Sn│Sn++:
−0.14、Cu│+:+0.34である。
【0011】鉄FeIIより貴な金属からなり、本願発明
に係る軸受シール材に適用可能な耐食性被膜材として
は、有害元素を除くとCo,Ni,Sn,Cu,Ag,
Pd,Pt,Au等が考えられる。Co,Ag,Pd,
Pt,Auは高価なため、実用的にはSn,Cuが価格
的に望ましい。なかでも、金属間同士の起電力の発生の
点で、前記耐食性金属被膜2aは錫が望ましい。
【0012】鋼板1の表面1aへの金属被膜2aの厚み
は、0.5〜100μmとする。0.5μmより薄いと
耐食性が劣り、100μmより厚いと加工性が悪くな
る。望ましい被覆厚さは0.5〜100μmであって、
好適には1μmから20μm、さらに好適には1〜10
μmである。
【0013】かくして、本発明によれば、少なくとも一
部に鋼板が使用される軸受シール材において、当該鋼板
に施す耐食性保護被膜として、従来のクロメート処理を
施したものと同等の耐食性を備えて、しかも環境汚染の
おそれがない軸受シール材を提供することができる。 (実施例)以下に、本願発明者らが実施した比較実験に
より、本発明の効果を具体的に説明する。
【0014】板厚0.3mmの冷延鋼板に錫電解メッキ
を施し、錫被覆層の厚さを0.1μm〜100μmの範
囲で変えたものを試料とした。これらの錫メッキ鋼板試
料をプレス成形して、呼び番号6203の軸受用のシー
ルド板に加工したものを供試体とした。その各供試体に
対して1%の塩水噴霧試験を実施した。
【0015】12時間後に錆の発生が確認されたものを
△、錆の発生が認められないものを○、全面に錆が発生
したものを×として表1に示す。また、環境庁告示第1
3号『産業廃棄物に含まれる金属などの検定方法』に基
づく溶出試験を実施し、6価クロムの有無を検査した。
その結果を表1中に併記して示す。
【0016】
【表1】
【0017】図2に、錫の被覆厚さと50時間の塩水噴
霧試験を行った前後での、供試体シールド板の重量減少
率の関係を示す。なお、ゴム材料を主としシール材の心
金についても同様の試験結果が得られた。
【0018】上記の実施例では、冷延鋼板に錫電解メッ
キを施して鋼板に錫被覆層を形成した場合を説明した
が、本発明にあって鋼板に錫その他の鉄より貴な金属を
被覆する方法はこれに限定されない。例えば、電気錫メ
ッキで鋼板に所定の被覆層を形成させるなどの手段の代
わりに、溶融した錫浴の中に鋼板を浸せきするなどの手
段によってもよい。比較的薄い被覆層を作る時は電気メ
ッキが望ましく、厚い被覆層を作る時は溶融浸漬処理が
望ましい。
【0019】また、上記実施例では、鋼板に予め錫被覆
を施した後に成形した場合を示したが、シールド板ある
いはゴムシールの心がねに成形した後に保護被膜で被覆
してもよい。
【0020】また、被覆層を鋼板の片面に施したものを
図示したが、勿論鋼板の全面に施してよい。
【0021】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
環境に有害な6価クロムを溶出しない軸受シール材を提
供することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシールド板の被覆構造を示す断面図で
ある。
【図2】錫被覆層の厚みと50時間の塩水噴霧試験によ
る重量減少率との関係を示すグラフである。
【図3】従来のシールド板の被覆構造を示す断面図であ
る。
【符号の説明】
1 鋼板 1a 鋼板表面 2 本発明の軸受シール材 2a 鉄より貴な金属からなる被膜
フロントページの続き Fターム(参考) 3J016 AA01 BB12 CA01 4K023 AA17 4K024 AA07 BA03 BB05 GA04 4K044 AA02 AB10 BA10 BB01 BC02 CA18

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 軸受のシールまたはシールド部材の少な
    くとも一部に使用される金属製のシール材であって、板
    厚が0.1〜0.5mmの鋼板の表面を鉄よりも貴な金
    属からなる厚さ0.5〜50μmの被膜で被覆したこと
    を特徴とする軸受シ一ル材。
JP26049498A 1998-09-14 1998-09-14 軸受シール材 Withdrawn JP2000087987A (ja)

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