JP2000087940A - 固形化部材への金具インサート方法および金具被覆材 - Google Patents

固形化部材への金具インサート方法および金具被覆材

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JP2000087940A
JP2000087940A JP10256872A JP25687298A JP2000087940A JP 2000087940 A JP2000087940 A JP 2000087940A JP 10256872 A JP10256872 A JP 10256872A JP 25687298 A JP25687298 A JP 25687298A JP 2000087940 A JP2000087940 A JP 2000087940A
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fitting
metal fitting
metal
plasticized
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Toru Horie
堀江  徹
Akira Fusamoto
章 房本
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MIKUNI PLAST KK
Polyplastics Co Ltd
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MIKUNI PLAST KK
Polyplastics Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 固形化部材の固化に際してインサート金具の
露出部分の損傷を抑え、かつ確実で作業効率の高い被覆
を可能とする。 【解決手段】 金具被覆材である被覆ボルト1は、セラ
ミック材料を含むセラミック部材成型用可塑化物にイン
サート金具12を植設する際に、インサート金具12の
露出させるべき部分に可塑化物が付着するのを防止する
金具被覆材であって、被覆ボルト1は、インサート金具
12の露出させるべき部分の少なくとも一部を被覆して
装着される、熱可塑性樹脂を材料として成形された成型
品である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は固形化部材への金
具インサート方法および金具被覆材に関し、さらに詳し
くは、成型用型に入れた固形化部材成型用可塑化物にイ
ンサート金具を植設する際に、焼成固化後のインサート
金具の露出部分に可塑化物の固化物が付着するのを防止
する金具インサート方法および金具被覆材に関する。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】固形
化部材への金具インサートは、通常、固形化材料を含む
固形化部材成型用可塑化物を成型用型材に入れ、次いで
成型用型に入れた可塑化物にインサート金具を植設し、
可塑化物を焼成固化して金具を固形化部材にインサート
する手法により行われている。
【0003】この種の金具インサートを施した固形化部
材としては、例えば、軽量鉄骨構造家屋におけるセラミ
ック壁面体が挙げられる。このようなセラミック壁面体
は、セラミック板の間に天然ガラス質鉱物を充填し高温
で発泡焼成させた複合体からなる板材、または天然石の
粉砕物とポルトランドセメント等の水硬性物質に水と気
泡剤を加えて半可塑化物にして成型後、1000℃の高
温で焼成してなる板材であり、断熱性、耐火性、遮音
性、さらには美粧性をもたせた家屋外壁材として構成さ
れている。また、外壁の内部は家屋への荷重を軽減させ
るために無機質軽量発泡体で形成した内装壁材として構
成される。
【0004】このような板材は、通常、鉄骨等の構築物
への取り付けを容易にするための複数のボルトあるいは
ナット等のインサート金具を備える。インサート金具
は、高温焼成を行う前に成型用型材に入れたセラミック
部材成型用可塑化物にインサート金具の露出させるべき
部分を上方にして植設される。
【0005】例えば、インサート金具としてボルトを固
形化部材成型用可塑化物に植設するような場合、ボルト
の一端にアンカーを取り付け、このアンカーをセラミッ
ク部材成型用可塑化物に埋め込み、ボルトの他端が前記
可塑化物から略垂直に延出するように仮固定されるが、
このとき、ボルトの露出させるべき部分に可塑化物が付
着すると、高温焼成された可塑化物がボルトのねじ部に
融着し、鉄骨等の構築物への取り付けの際に締結用ナッ
トとの螺合が円滑に行えない場合がある。
【0006】そこで、ボルトあるいはナット等のインサ
ート金具の露出させるべき部分をラップ用フィルムある
いはガムテープ等のテープで予め被覆した後、このイン
サート金具を可塑化物に植設することが行われている。
しかし、1枚の板材に多数植設されるインサート金具の
1つずつにこのような被覆を施すことは手間がかかり、
さらに被覆の作業中に破損したり、被覆が不完全であっ
たりするという問題がある。
【0007】本発明は上記の問題点に鑑みてなされたも
のであり、その目的とするところは、固形化部材の焼成
固化後にインサート金具の露出部分の損傷を抑え、かつ
確実で作業効率の高い被覆を可能とすることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、固形化材料を
含む固形化部材成型用可塑化物を成形用型に入れ、型に
入れた可塑化物にインサート金具を植設し、可塑化物を
焼成固化してインサート金具を固形化部材にインサート
する工程において、可塑化物にインサート金具を植設す
る際に、インサート金具の露出させるべき部分の少なく
とも一部を、熱可塑性樹脂を材料として成形された成形
品からなる金具被覆材で被覆することを特徴とする固形
化部材への金具インサート方法を提供する。
【0009】すなわち、この発明は、ボルト、ナット等
のインサート金具を焼成固化前の固形化部材成型用可塑
化物に植設する際に、インサート金具の露出させるべき
部分に予めキャップ、栓等の成形された熱可塑性樹脂製
金具被覆材を装着することにより、インサート金具の露
出させるべき部分への可塑化物の付着を防止し、かつこ
の金具被覆材を焼成時の高温で分解して消失させるもの
である。したがって、従来のようにテープをインサート
金具の露出させるべき部分に隙間なく捲回する被覆のた
めの作業が大幅に簡略化される。また、粘着テープの粘
着力に依存することなく、確実な装着が可能になる。
【0010】さらに、本発明者は、金具被覆材の成形材
料として、解重合型の熱可塑性樹脂が特に適しているこ
とを実験により確認した。ここでいう解重合型の熱可塑
性樹脂とは、加熱等により分子末端から繰り返し単位が
連鎖的に外れて分解するポリマーを意味し、例えば、解
重合型の熱可塑性樹脂であるポリアセタール樹脂(PO
M)を材料として金具被覆材を成形し、この金具被覆材
でインサート金具の露出させるべき部分を被覆しておく
と、セラミック部材の焼成後、分解物の残渣がインサー
ト金具の表面に殆ど付着せず、金具の金属表面の変質を
生じないことを見出した(比較実験例参照)。
【0011】強度および耐食性に優れる点から広い分野
で使用されるステンレス鋼をインサート金具として配設
する場合、金具被覆材の成形品として解重合型の熱可塑
性樹脂を用いると、特に好ましい結果が得られる。
【0012】この発明における固形化材料としては、天
然ガラス質鉱物のような非金属性無機物を含むセラミッ
ク物質、粉末金属を含む焼結金属製造用物質が挙げられ
る。この発明における固形化部材成型用可塑化物とは、
焼成前のセラミック物質または焼結前の粉末金属を含む
未硬化の流動性材料をさす。この発明における成形用型
とは、有圧または無圧成形が可能な固形化部材成型用の
型材全般をさす。
【0013】この発明におけるインサート金具とは、成
形品の補強、他部材の取り付け等のために予め成形用型
にはめ込んで成形する金属またはセラミック等の部材
で、単にインサートとも呼ばれるものである。インサー
ト金具は、固形化部材から抜けたり、回転したり、ある
いは傾いたりしないよう、例えばアンダーカット、ロー
レット加工あるいはアンカー部材の付設等の処置がなさ
れることが好ましい。
【0014】この発明における金具被覆材は、固形化部
材の製造における焼成時の温度以下で容易に分解し、イ
ンサート金具の装着部位およびその近傍に分解した残渣
を付着状態で残さないものが好ましい。金具被覆材が、
インサート金具の露出させるべき部分の少なくとも一部
を被覆して装着されるキャップまたは栓であれば、金具
被覆材の装着が容易になる。
【0015】この発明における熱可塑性樹脂としては、
ポリエチレン(PE)、ポリプロピレン(PP)、ポリ
スチレン(PS)、ポリエチレンテレフタレート(PE
T)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリア
ミド(ナイロン)、ポリカーボネート(PC)、ポリメ
チルメタアクリレート(PMMA)、ポリアセタール
(POM)等が挙げられる。これらの中でも解重合型の
熱可塑性樹脂、例えば、ポリアセタール樹脂、アクリル
樹脂またはこれらの共重合体が特に好ましい。
【0016】インサート金具がボルトおよびナットから
なる対をなす締結具のいずれか一方であり、金具被覆材
がこのボルトまたはナットに螺合するねじ部を有すれ
ば、インサート金具のボルトおよびナットのねじ部に可
塑化物が付着あるいは浸入するのを確実に防止し、かつ
金具被覆材がインサート金具から偶発的に外れるのを確
実に防止することができる。
【0017】この発明は、別の観点によれば、固形化材
料を含む固形化部材成型用可塑化物にインサート金具を
植設する際に、インサート金具の露出させるべき部分に
前記可塑化物が付着するのを防止する金具被覆材であっ
て、この金具被覆材が、インサート金具の露出させるべ
き部分の少なくとも一部を被覆して装着される、熱可塑
性樹脂を材料として成形された成型品であることを特徴
とする金具被覆材が提供される。
【0018】このような金具被覆材の一例を挙げると、
固形化部材が建築用セラミック板材であり、インサート
金具が前記建築用セラミック板材から露出するようその
可塑化物に植設されるボルトまたはナットを有し、金具
被覆材がこのボルトまたはナットの少なくとも一部を被
覆して装着されるキャップまたは栓である。
【0019】この発明におけるインサート金具の他の形
態としては、係合用のピン、すなわち、ねじ部が形成さ
れていない棒状金具が挙げられるが、露出させるべき部
分が他部材との係合を考慮しなくてもよいような単なる
突起も被覆すべき対象としてこの発明に含まれる。この
明細書では便宜的に「インサート金具」と称している
が、インサート金具は必ずしも金属に限定されず、固形
化部材の焼成固化時に変形あるいは変質しない材質から
なるもの、例えば、予め焼成されたセラミック部材から
なるもの、あるいはこのようなセラミック部材を一部に
含むものもこの発明の範囲に含まれる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、図面に示す実施の形態に基
づいてこの発明を説明する。なお、これによってこの発
明が限定されるものではない。実施の形態1 図1は、金具インサートが配設されたセラミック部材と
しての建築用板材を示す。建築用板材10は、軽量鉄骨
構造家屋における壁面を形成する矩形の板本体部11
と、板本体部11の裏面縁部に所定の間隔で配設された
複数のインサート金具12とからなる。
【0021】板本体部11は、セラミック材料として天
然石の粉砕物とポルトランドセメント等の水硬性物質を
主原料として、後述する加工により成形される外壁板で
ある。図2は、インサート金具12が配設された板本体
部11の一部を拡大して示す。インサート金具12は、
鉄骨等の構築物へ板本体部11を取り付けるための締結
具であり、ステンレス製のインサートナット13および
アンカー5からなる。アンカー5は、略中心部でインサ
ートナット13を溶接で固着させた矩形平板部16と、
固着されたインサートナット13を、インサートナット
13の高さで取り囲む環状壁部17と、矩形平板部16
の下面に固着された環状脚部18とからなり、環状壁部
17の頂面は板本体部11の表面と略同一平面にある。
矩形平板部16の略中心部には、後述する金具被覆材を
挿通させる、インサートナット13のねじ部13aに対
応する孔部16aが形成される。
【0022】図3および4を参照しながら、インサート
金具12を板本体部11に植設して建築用板材10を製
造する際の手順を説明する。建築用板材10の製造に先
立って、まず、金具被覆材として「栓」の形態で構成さ
れた被覆ボルト1を準備する。被覆ボルト1は、図3に
示すように、インサート金具12のインサートナット1
3の露出させるべき部分であるねじ部13aに螺合する
ねじ部1aを有し、ねじ部13aを被覆してインサート
ナット13のねじ部13aに後述する可塑化物が付着す
るのを防止する。被覆ボルト1は、ポリアセタール樹脂
(POM)により一体成形されている。
【0023】次に、図4に示すように、成形用型15の
中に、天然石の粉砕物とポルトランドセメント等の水硬
性物質に水と気泡剤を加えて半可塑化物にして成型す
る。半可塑化物の成型の際、予め被覆ボルト1が装着さ
れたインサート金具12を型15内の所定位置に植設す
る。環状脚部18が型15の底部上面に着座すると、矩
形平板部16が板本体部11の表面に対して平行とな
り、インサート金具12は半可塑化物の中で安定する。
このとき、インサートナット13のねじ部13aは被覆
ボルト1によって被覆されているので、半可塑化物がね
じ部13aに付着することはない。また、被覆ボルト1
は螺合によりインサートナット13に装着されるので、
容易に外れることがない。
【0024】次に、図示しない焼成炉を用いて上記の半
可塑化物を1000℃の高温で焼成する。この焼成によ
り、被覆ボルト1は熱分解して消去されるが、ポリアセ
タール樹脂が解重合型の燃焼挙動をして焼成時に速やか
に分解するため燃焼残渣が残らず、インサートナット1
3のねじ部13a表面の変質を生じない。焼成終了後、
固化した板本体部11を離型して、建築用板材10の製
造を終える。
【0025】上記した実施の形態1では、被覆ボルト1
を金具被覆材として用いたが、インサートナット13の
ねじ部13aに挿入可能な円柱、すなわち、ねじ部13
aの内径と略同径の円柱を「栓」として用いることもで
きる。
【0026】実施の形態2 図5は、インサート金具が配設されたセラミック部材と
しての建築用板材を示す。建築用板材20は、軽量鉄骨
構造家屋における壁面を形成する矩形の板本体部21
と、板本体部21の裏面縁部に所定の間隔で配設された
複数のインサート金具22とからなる。
【0027】板本体部21は、実施の形態1で示した板
本体部11と同一の組成および形状からなる外壁板であ
るため、説明は省略する。図6は、インサート金具22
が配設された板本体部21の一部を拡大して示す。イン
サート金具22は、鉄骨等の構築物へ板本体部21を取
り付けるための締結具であり、ステンレス製のインサー
トボルト23およびアンカー6からなる。アンカー6
は、インサートボルト23に螺合したナット26と、略
中心部にナット26を溶接で固着させた矩形平板27
と、矩形平板27の下面に固着された環状脚部28とか
らなる。矩形平板27は、ナット26に螺合したインサ
ートボルト23を貫通させる孔部27aを有する。ナッ
ト26の頂面は板本体部21の表面と略同一平面にあ
る。
【0028】図7および図8を参照しながら、インサー
ト金具22を板本体部21に植設して建築用板材20を
製造する際の手順を説明する。建築用板材20の製造に
先立って、まず、金具被覆材として「キャップ」の形態
で構成された被覆袋ナット2を準備する。被覆袋ナット
2は、図7に示すようにインサートボルト23の露出さ
せるべき部分であるねじ部23aに螺合するねじ部2a
を有し、ねじ部23aを被覆して可塑化物が付着するの
を防止する。被覆袋ナット2は、ポリアセタール樹脂
(POM)により一体成形されている。
【0029】次に、図8に示すように、成形用型25の
中に、天然石の粉砕物とポルトランドセメント等の水硬
性物質に水と気泡剤を加えて半可塑化物にして成型す
る。半可塑化物の成型の際、上記した、予め被覆袋ナッ
ト2が装着されたインサート金具22を型25内の所定
位置に植設する。環状脚部28が型25の底部上面に着
座すると、矩形平板部27が板本体部21の表面に対し
て平行となり、インサート金具22は半可塑化物の中で
安定する。インサート金具22は、矩形平板27が板本
体部21の表面に対して平行となるよう植設される。こ
のとき、インサートボルト23のねじ部23aは被覆袋
ナット2によって被覆されているので、半可塑化物がね
じ部23aに付着することはない。
【0030】次に、図示しない焼成炉を用いて上記した
建築用板材20の半可塑化物を1000℃の高温で焼成
する。この焼成により、被覆袋ナット2は熱分解して消
去されるが、ポリアセタール樹脂が解重合型の燃焼挙動
をして焼成時に速やかに分解するため、燃焼残渣が残ら
ず、インサートボルト23のねじ部23a表面の変質を
生じない。焼成終了後、固化した板本体部21を離型し
て建築用板材20の製造を終える。
【0031】上記した実施の形態2では、被覆袋ナット
2を金具被覆材として用いたが、ボルト23のねじ部2
3aに冠着可能な成形品、すなわち、ねじ部23aの外
径と略同径の内径を有する「キャップ」を用いることも
できる。
【0032】実施の形態3 図9は、インサート金具が配設されたセラミック部材の
一部を示す。セラミック部材30は、実施の形態1およ
び2と同様にセラミック部材成型用の半可塑化物を成形
用型の中で焼成により固化してなるセラミック本体部3
1と、セラミック本体部31の表面に配設されたインサ
ート金具としてのインサートピン32とからなる。イン
サートピン32は、下部にアンカー(図示せず)を備え
た鋼製の円柱からなり、セラミック部材30の製造後、
このインサートピン32にはリング33が嵌合状態で挿
通され、固定ねじ34で固定される。
【0033】セラミック部材30の製造の際は、セラミ
ック本体部31の半可塑化物に対してインサート金具3
2を植設する前に、図10に示した金具被覆材としての
被覆チューブ3を、インサートピン32の露出させるべ
き部分、すなわち、少なくともリング33が固定される
部位の上部を被覆して挿通する。被覆チューブ3は、イ
ンサートピン32の直径と略同一の内径を有し、ポリア
セタール樹脂(POM)による成形品である。
【0034】セラミック本体部31の焼成の際、被覆チ
ューブ3は、速やかに分解するため、燃焼残渣が残ら
ず、インサートピン32表面の変質を生じない。したが
って、リング33を嵌合状態で挿通する際に支障をきた
すことがない。
【0035】比較実験例 2種類の熱可塑性樹脂で金具被覆材成形品をそれぞれ成
形し、インサート金具としてナットを配設した建築用板
材(実施の形態1で示したもの)の製造プロセスを用い
てセラミック部材の焼成時におけるナット表面の変化を
観察した。セラミック部材は、上記した実施の形態1お
よび2と同じ建築用板材を用い、金具被覆材成形品は、
a)ポリアセタール樹脂(POM)〔ポリプラスチック
ス社製、ジュラコンM90−44〕およびb)高密度ポ
リエチレン(HDPE)〔三菱化学社製、三菱ポリエチ
HD JS110〕を材料として、上記ナットに螺合す
る「ねじ」として予め成形されたものを使用した。な
お、ナットの材質はSUS304Lである。
【0036】上記の製造プロセスを用い、セラミック部
材を焼成した際の結果を表1に記載した。セラミック部
材の焼成温度は900℃であり、大気中で10℃/min
の昇温を行った。金具表面の炭素量は、ナットの表面か
ら20μmまでの部分の炭素量を測定して得た。
【0037】
【表1】
【0038】上記の表1から明らかなように、実施の形
態1および2で使用したポリアセタール樹脂は、比較例
の高密度ポリエチレンと比較して、焼成の際に金属への
炭素の移行が抑えられている。ステンレス鋼では、熱可
塑性樹脂の炭素量が多くなると腐食の原因となる。図1
1は、ポリアセタール樹脂、高密度ポリエチレンおよび
他の熱可塑性樹脂における温度と重量損失の関係を示す
が、ポリアセタール樹脂は高密度ポリエチレンより熱分
解温度が低い。ポリアセタール樹脂の分子は、高密度ポ
リエチレンに比べて炭素量が少なくかつ酸素量が多いた
め、速やかに分解し熱分解後の残渣中に含まれる炭素量
は低く抑えられる。さらに化学式1に示すように、ポリ
アセタール樹脂の骨格には、単位重量あたりに含まれる
炭素量が少なくかつ解重合型の分解を生じるため、二重
結合等を生じにくく、したがって金属表面への炭素の移
行が抑えられる。
【0039】
【化1】
【0040】このように、インサート金具の露出すべき
部分が、ボルトまたはナット等の締結具対の一方からな
るような場合、これらのねじ部の変形、変質を防止でき
る。したがって、締結時において他方の締結具のねじ部
との円滑な螺合が妨げられることがない。
【0041】
【発明の効果】この発明によれば、インサート金具を焼
成固化前の固形化部材成型用可塑化物に植設する際、イ
ンサート金具の露出させるべき部分に予めキャップ、栓
等の成形された熱可塑性樹脂製金具被覆材を装着するこ
とにより、インサート金具の露出させるべき部分への可
塑化物の付着を防止し、かつこの金具被覆材を焼成時の
高温で分解し蒸発させるものである。したがって、従来
のようにテープをインサート金具の露出させるべき部分
に隙間なく捲回する被覆のための作業が大幅に簡略化さ
れる。また、粘着テープ裏面の粘着力に依存することな
く、確実な装着が可能になる。金具被覆材は、樹脂成形
品からなるので、インサート金具の露出させるべき部分
をテープ等で被覆する手間が省け、インサート金具への
装着が容易になるため、固形化部材の生産性が向上す
る。
【0042】セラミック部材におけるインサート金具の
金具被覆材の成形材料として、解重合型の熱可塑性樹脂
でインサート金具の露出させるべき部分を被覆しておく
と、これらの樹脂は、解重合型の燃焼挙動をして焼成時
に速やかに分解するため、分解物の残渣が残らず、金属
表面の変質を生じない。インサート金具が、ステンレス
鋼である場合、特に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の一実施形態によるセラミック部材を
説明する斜視図。
【図2】図1のインサート金具を説明する部分拡大断面
図。
【図3】図2のインサート金具をセラミック部材にイン
サートする工程の一部を説明する断面図。
【図4】図2のインサート金具をセラミック部材にイン
サートする工程の一部を説明する断面図。
【図5】この発明の他の実施形態によるセラミック部材
を説明する斜視図。
【図6】図5のインサート金具を説明する部分拡大断面
図。
【図7】図6のインサート金具をセラミック部材にイン
サートする工程の一部を説明する断面図。
【図8】図6のインサート金具をセラミック部材にイン
サートする工程の一部を説明する断面図。
【図9】この発明のさらに他の実施形態によるセラミッ
ク部材を説明する部分斜視図。
【図10】図9のインサート金具をセラミック部材にイ
ンサートする工程において使用する金具被覆材を説明す
る斜視図。
【図11】ポリアセタール樹脂を含む各種樹脂における
温度と重量損失の関係を示すグラフ。
【符号の説明】
1 被覆ボルト(金具被覆材) 2 被覆袋ナット(金具被覆材) 3 被覆チューブ(金具被覆材) 10 建築用板材(セラミック部材) 12 インサート金具 13 インサートナット(インサート金具) 15 成形用型 20 建築用板材(セラミック部材) 23 インサートボルト(インサート金具) 25 成形用型 30 セラミック部材 32 インサートピン(インサート金具)

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 固形化材料を含む固形化部材成型用可塑
    化物を成形用型に入れ、型に入れた可塑化物にインサー
    ト金具を植設し、可塑化物を焼成固化してインサート金
    具を固形化部材にインサートする工程において、可塑化
    物にインサート金具を植設する際に、インサート金具の
    露出させるべき部分の少なくとも一部を、熱可塑性樹脂
    を材料として成形された成形品からなる金具被覆材で被
    覆することを特徴とする固形化部材への金具インサート
    方法。
  2. 【請求項2】 固形化部材が、セラミック材料を含むセ
    ラミック部材成型用可塑化物を焼成固化してなるセラミ
    ック部材である請求項1に記載の固形化部材への金具イ
    ンサート方法。
  3. 【請求項3】 金具被覆材が、インサート金具の露出さ
    せるべき部分の少なくとも一部を被覆して装着されるキ
    ャップまたは栓である請求項1または2に記載の固形化
    部材への金具インサート方法。
  4. 【請求項4】 熱可塑性樹脂が解重合型の熱可塑性樹脂
    である請求項1から3のいずれか1つに記載の固形化部
    材への金具インサート方法。
  5. 【請求項5】 解重合型の熱可塑性樹脂がポリアセター
    ル樹脂、アクリル樹脂またはこれらの共重合体である請
    求項4に記載の固形化部材への金具インサート方法。
  6. 【請求項6】 インサート金具がボルトおよびナットか
    らなる対をなす締結具のいずれか一方を有し、金具被覆
    材がこのボルトまたはナットに螺合するねじ部を有して
    なる請求項1から4のいずれか1つに記載の固形化部材
    への金具インサート方法。
  7. 【請求項7】 固形化材料を含む固形化部材成型用可塑
    化物にインサート金具を植設する際に、前記インサート
    金具の露出させるべき部分に前記可塑化物が付着するの
    を防止する金具被覆材であって、この金具被覆材が、イ
    ンサート金具の露出させるべき部分の少なくとも一部を
    被覆して装着される、熱可塑性樹脂を材料として成形さ
    れた成型品であることを特徴とする金具被覆材。
  8. 【請求項8】 固形化部材が建築用セラミック板材であ
    り、インサート金具が前記建築用セラミック板材から露
    出するようその可塑化物に植設されるボルトまたはナッ
    トを有し、金具被覆材がこのボルトまたはナットの少な
    くとも一部を被覆して装着されるキャップまたは栓であ
    る請求項7に記載の金具被覆材。
  9. 【請求項9】 熱可塑性樹脂が、ポリアセタール樹脂、
    アクリル樹脂またはこれらの共重合体である請求項7ま
    たは8に記載の金具被覆材。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2007142092A1 (ja) * 2006-06-09 2007-12-13 Suehiro-System Co., Ltd. アンカ一体型ライナおよび機器据付方法
JP2012241860A (ja) * 2011-05-23 2012-12-10 Bridgestone Corp ワッシャ、発泡成形体、並びに発泡成形体の製造方法及び取付構造

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