JP2000087034A - 脱酸素剤 - Google Patents

脱酸素剤

Info

Publication number
JP2000087034A
JP2000087034A JP10261786A JP26178698A JP2000087034A JP 2000087034 A JP2000087034 A JP 2000087034A JP 10261786 A JP10261786 A JP 10261786A JP 26178698 A JP26178698 A JP 26178698A JP 2000087034 A JP2000087034 A JP 2000087034A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
compound
oxygen
oxygen scavenger
phenol compound
group
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10261786A
Other languages
English (en)
Inventor
Hiroyuki Noda
博行 野田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamagata Prefecture
Original Assignee
Yamagata Prefecture
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamagata Prefecture filed Critical Yamagata Prefecture
Priority to JP10261786A priority Critical patent/JP2000087034A/ja
Publication of JP2000087034A publication Critical patent/JP2000087034A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Anti-Oxidant Or Stabilizer Compositions (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 安価に製造でき、安全でかつ広範な用途に応
用できる脱酸素剤を提供すること。 【解決手段】 フェノール化合物及び塩基性化合物を含
む固形脱酸素剤。具体的には、フェノール化合物を含む
植物組織と、IA族の金属酸化物、IA族の金属水酸化
物、IIA族の金属酸化物又はIIA族の金属水酸化物等の
塩基性化合物の混合物を例示することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、安価に製造でき、
安全でかつ広範な用途に応用できる固形の脱酸素剤に関
するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、脱酸素剤の種類として、無機系脱
酸素剤と有機系脱酸素剤が知られている。無機系脱酸素
剤は、鉄粉や亜硫酸塩などの無機化合物の酸化によって
酸素吸収を行うものである。鉄粉を用いた脱酸素剤は、
安価で使い捨てが可能なため食品用に用いられている。
しかし、磁性があるうえ水系では使用できないために利
用範囲が限られている。また、亜硫酸塩を用いた脱酸素
剤は、毒性があって取り扱いにくいという問題がある。
有機系脱酸素剤は、アスコルビン酸やフェノール類など
の有機系還元剤の酸化によって酸素吸収を行うものであ
る。しかし、アスコルビン酸やフェノール類を用いた脱
酸素剤は、高価で、再生や成型ができないために無機系
脱酸素剤と同様に利用範囲が限られている。また、これ
らの有機系還元剤と酸素が反応して毒性を有する過酸化
水素が発生し、これが蓄積してしまうという問題もあ
る。このため、利用範囲が広くて毒性を有しない安全な
脱酸素剤はこれまで提供されるに至っていない。一方、
ポリフェノール化合物は塩基性溶液で強い還元性を持
ち、酸素と容易に反応することが従来から知られてい
る。しかし、安全性や取り扱いなどに問題が多く、これ
を脱酸素剤として利用しようという考えはなかった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、安価
に製造でき、安全でかつ広範な用途に応用できる脱酸素
剤を提供することにある。また、本発明の別の課題は、
上記の特徴を有する脱酸素剤であって、酸素吸収速度が
制御できる脱酸素剤を提供することにある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは上記の課題
を解決するため種々の検討を重ねた結果、フェノール化
合物と塩基性化合物を固相で共存させることにより脱酸
素機能を発揮させることができることを見出し、過酸化
水素の蓄積がほとんどない安全な脱酸素剤を安価に提供
することに成功した。また、塩基性化合物の種類や配合
割合を変えることにより脱酸素剤の酸素吸収速度を制御
できることも見出し、本発明を提供するに至った。
【0005】すなわち本発明は、フェノール化合物及び
塩基性化合物を含む固形脱酸素剤を提供する。本発明の
脱酸素剤に含まれるフェノール化合物は、OH基が二つ
以上結合している芳香環を有するポリフェノール化合物
(例えばカフェー酸、クロロゲン酸、没食子酸、カテキ
ンガレート、エピガロカテキンガレート)であるのが好
ましい。特にフェノール化合物を含有する植物組織を使
用するのが好ましい。また、本発明の脱酸素剤に含まれ
る塩基性化合物は、IA族の金属酸化物、IA族の金属
水酸化物、IIA族の金属酸化物又はIIA族の金属水酸化
物であるのが好ましい。
【0006】
【発明の実施の形態】本発明の脱酸素剤は、フェノール
化合物及び塩基性化合物を含む固形組成物であることを
特徴としている。本発明で使用するフェノール化合物
は、OH基が結合している芳香環を有する化合物の中か
ら選択することができる。芳香環の水素原子はOH基以
外の置換基で置換されていてもよく、そのような置換基
は本発明が目的とする脱酸素作用を過度に阻害しない範
囲内で選択することができる。
【0007】本発明の脱酸素剤には、フェノール化合物
として、芳香環にOH基が二つ以上結合しているポリフ
ェノール化合物を使用するのが好ましい。具体的には、
芳香環にOH基が2つ結合しているカフェー酸やクロロ
ゲン酸、芳香環にOH基が3つ結合している没食子酸、
芳香環にOH基が4つ以上結合しているカテキンガレー
トやエピガロカテキンガレート、及びこれらの化合物の
誘導体を好適に用いることができる。本発明の脱酸素剤
には、1種類のフェノール化合物を単独で使用してもよ
いし、2種類以上を組み合わせて使用してもよい。ま
た、本発明の脱酸素剤製造にあたって、これらのフェノ
ール化合物は純品として添加してもよいし、フェノール
化合物を成分として含有する組成物として添加してもよ
い。
【0008】フェノール化合物を含有する組成物として
は、フェノール化合物を多量に含む植物組織などを用い
ることが可能である。植物組織の中では、日本茶、紅
茶、烏龍茶などの茶葉を用いることが望ましい。茶葉
は、エピガロカテキンガレートのほかポリフェノール類
を多量に含んでおり、しかも大量に入手できる点で好ま
しい。また、茶葉よりも脱酸素作用は多少劣るが茶殻を
利用することもできる。一般に廃棄物として捨てられて
いる茶殻を使用すれば、資源の有効利用が図れるととも
に環境問題にも寄与しうる。また、安価に入手しうるこ
とから、脱酸素剤の製造コストを大幅に抑制することも
できる。
【0009】本発明の脱酸素剤には、フェノール化合物
の他に塩基性化合物も必須成分として含有させる。塩基
性化合物は、フェノール性化合物の脱酸素作用を増強す
るために添加する塩基触媒である。塩基性化合物はこの
ような増強作用を有する塩基触媒の中から適宜選択する
ことができる。本発明では、IA族の金属酸化物、IA
族の金属水酸化物、IIA族の金属酸化物及びIIA族の金
属水酸化物などを使用するのが好ましい。特にIIA族の
金属酸化物及びIIA族の金属水酸化物は、安全性が高く
て取り扱いも容易であるために望ましい。具体的には、
酸化マグネシウム、酸化カルシウム、水酸化マグネシウ
ム、水酸化カルシウムを使用するのがコストの点で好ま
しい。本発明の脱酸素剤には、1種類の塩基性化合物を
単独で使用してもよいし、2種類以上を組み合わせて使
用してもよい。
【0010】脱酸素作用の増強の程度は、塩基性化合物
の種類によって異なる。一般に、塩基性はマグネシウム
化合物よりもカルシウム化合物の方が強いため、脱酸素
作用の増強効果はカルシウム化合物の方が大きい。この
ような増強効果の違いを利用して、本発明の脱酸素剤に
使用する塩基性化合物の種類と配合割合を調節すること
によって、所望の脱酸素作用を有する脱酸素剤を製造す
ることができる。
【0011】本発明の脱酸素剤に使用するフェノール化
合物と塩基性化合物の組み合わせは特に制限されない。
好ましいのは、ポリフェノール化合物含有植物組織と塩
基性化合物が共存する脱酸素剤である。この脱酸素剤で
は、微量の水分があると、ポリフェノールが溶け出して
酸素分子と反応できるようになり、さらにこの反応の速
度は塩基により増大して脱酸素作用が顕著に増大する。
【0012】本発明の脱酸素剤の製造方法は特に制限さ
れない。当業者に公知の方法のいずれかを用いてフェノ
ール化合物と塩基性化合物を混合することによって容易
に脱酸素剤を製造することができる。フェノール化合物
として、ポリフェノール化合物含有植物組織のような植
物材料を使用する場合には、塩基性化合物と混合する前
にあらかじめ植物組織を乾燥、粉砕しておくのが好まし
い。
【0013】当業者は、上記の一般的な説明及び実施例
の具体的開示を基にして、または必要に応じてそれらに
適宜修飾や改変を加えることにより、本発明の好ましい
態様の脱酸素剤を容易に製造することができよう。量は
特に限定されず、塩基性化合物の種類、脱酸素剤の用途
などに応じて適宜選択することができる。また、本発明
の脱酸素剤には、上記の成分以外に、溶解補助剤、脱臭
剤、防腐剤、吸湿剤など適宜の補助剤を用いることが可
能である。
【0014】いかなる理論にも拘泥するものではない
が、本発明の脱酸素剤の作用機構は以下のように考える
ことができる。まず、フェノール化合物が塩基性化合物
の存在下、容易に酸素を還元する。酸素が還元されて生
成するスーパーオキサイドイオン(O2 -)は不均化して
過酸化水素を生成するが、塩基性化合物の存在下では過
酸化水素は容易に分解されてしまうので、過酸化水素は
水と酸素に分解してしてしまう。この場合、生成した酸
素は、上述の反応を繰り返すので最終的には水分子にな
ってしまい、過酸化水素は蓄積されない。このため、本
発明の脱酸素剤は安全性が高い。
【0015】以下、本発明を実施例によりさらに具体的
に説明するが、本発明の範囲は下記の実施例に限定され
ることはない。
【実施例】例1:本発明の脱酸素剤1の製造 茶殻を窒素気流中で加熱乾燥あるいは自然乾燥したの
ち、微粉砕機を用いて粉砕した。茶殻100重量部に対し
て酸化マグネシウム100重量部を混合してさらに粉砕し
脱酸素剤1を得た。 例2:本発明の脱酸素剤2の製造 茶葉を窒素気流中で加熱乾燥あるいは自然乾燥したの
ち、微粉砕機を用いて粉砕した。茶殻100重量部に対し
て酸化マグネシウム100重量部を混合してさらに粉砕し
脱酸素剤2を得た。
【0016】例3:本発明の脱酸素剤3の製造 茶殻を例1と同様に乾燥、粉砕したのち、茶殻100重量
部に対して水酸化カルシウム100重量部を混合してさら
に粉砕し脱酸素剤3を得た。 例4:本発明の脱酸素剤4の製造 茶殻を例1と同様に乾燥、粉砕したのち、茶殻100重量
部に対して水酸化カルシウム20重量部及び酸化マグネシ
ウム80重量部を混合してさらに粉砕し脱酸素剤4を得
た。
【0017】例5:本発明の脱酸素剤の性能評価 例1〜4で得られた脱酸素剤1〜4の酸素吸収能力を、
クラーク型酸素電極を用いて評価した。具体的には、各
脱酸素剤40 mgを容量1.1 mlの密閉セルに入れ、水0.1 m
lを加えた後の酸素消費量の変化を測定した。図1に、
脱酸素剤1及び3に水を添加した後の酸素消費量の変化
を示す。時間0における傾きから各脱酸素剤の酸素消費
速度を求めた結果を表1に示す。
【0018】
【表1】 脱酸素剤1が一定の酸素消費速度を示していることか
ら、茶殻でも十分に脱酸素性能を有していることがうか
がえる。また、脱酸素剤1、脱酸素剤4、脱酸素剤3の
順に酸素消費速度が速くなっていることから、表面塩基
性が酸素消費速度に影響を与えており、水酸化カルシウ
ムは酸化マグネシウムよりも酸素消費速度を高め得るこ
とがうかがえる。
【0019】
【発明の効果】本発明の脱酸素剤は、茶殻など産業廃棄
物として容易に入手可能な原料から安価に製造可能であ
り、塩基性化合物を共存させているために過酸化水素の
蓄積なしに脱酸素作用を発揮させることができる。しか
も、塩基性化合物の種類や配合割合を適宜調節すること
によって脱酸素速度を制御することができるという特徴
も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】 脱酸素剤1及び3の酸素消費量の経時変化を
示す図である。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フェノール化合物及び塩基性化合物を含
    む固形脱酸素剤。
  2. 【請求項2】 該フェノール化合物が、OH基が二つ以
    上結合している芳香環を有するポリフェノール化合物で
    ある請求項1に記載の固形脱酸素剤。
  3. 【請求項3】 該フェノール化合物が、カフェー酸、ク
    ロロゲン酸、没食子酸、カテキンガレート及びエピガロ
    カテキンガレートからなる群から選択される1以上の化
    合物である請求項2に記載の固形脱酸素剤。
  4. 【請求項4】 該フェノール化合物を含有する材料とし
    て植物組織を使用した請求項1に記載の固形脱酸素剤。
  5. 【請求項5】 該塩基性化合物が、IA族の金属酸化
    物、IA族の金属水酸化物、IIA族の金属酸化物及びII
    A族の金属水酸化物からなる群から選択される1以上の
    化合物である請求項1に記載の固形脱酸素剤。
JP10261786A 1998-09-16 1998-09-16 脱酸素剤 Pending JP2000087034A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10261786A JP2000087034A (ja) 1998-09-16 1998-09-16 脱酸素剤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10261786A JP2000087034A (ja) 1998-09-16 1998-09-16 脱酸素剤

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000087034A true JP2000087034A (ja) 2000-03-28

Family

ID=17366697

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10261786A Pending JP2000087034A (ja) 1998-09-16 1998-09-16 脱酸素剤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000087034A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007074962A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Powdertech Co Ltd 有機系脱酸素剤
JP2007268326A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Powdertech Co Ltd 有機系脱酸素剤
JP2008156278A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Takasago Internatl Corp 二剤型抗酸化剤組成物およびそれを含有する抗酸化製品
KR101130627B1 (ko) 2004-04-27 2012-04-02 다카사고 고료 고교 가부시키가이샤 탈산소제 조성물

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR101130627B1 (ko) 2004-04-27 2012-04-02 다카사고 고료 고교 가부시키가이샤 탈산소제 조성물
JP2007074962A (ja) * 2005-09-13 2007-03-29 Powdertech Co Ltd 有機系脱酸素剤
JP2007268326A (ja) * 2006-03-30 2007-10-18 Powdertech Co Ltd 有機系脱酸素剤
JP2008156278A (ja) * 2006-12-22 2008-07-10 Takasago Internatl Corp 二剤型抗酸化剤組成物およびそれを含有する抗酸化製品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP7264895B2 (ja) 6価クロム処理剤、6価クロムを含む汚染物質の処理方法および6価クロムを含む骨粉の処理方法
NO991895L (no) Blandinger for Õ nedsette kroppslukter og overskudds fuktighet
CN102813958A (zh) 一种金属配合物除臭组合物及其制备方法
CA2013803C (en) Oxygen absorbent
JP5038645B2 (ja) 有機系脱酸素剤
JP6914507B2 (ja) 有機系脱酸素剤の製造方法
JP2000087034A (ja) 脱酸素剤
JP4202493B2 (ja) 抗菌剤
CN107376630A (zh) 一种利用硅藻土作为载体的组合物及其制备方法和应用
JP5091395B2 (ja) 有機系脱酸素剤
JP3362140B2 (ja) 抗菌・抗カビ・防臭・消臭機能をもった発泡ウレタンの製造方法
JP7046399B2 (ja) 有機系脱酸素剤
JP2923978B2 (ja) 脱酸素剤
JP5541595B2 (ja) 有機系脱酸素剤
JP2011212098A (ja) ポリフェノール類活性炭結合体
KR101023018B1 (ko) 혼합 담체를 이용한 식품의 미생물 억제 제형 및 그 제조방법
EP0342310B1 (en) Composition containing divalent manganese ion and method for preparing the same
JP3522420B2 (ja) 酸素吸収材料
JPH09308825A (ja) 酸素吸収剤
KR20000062052A (ko) 숯을 이용한 음료
JP2993085B2 (ja) 脱酸素剤
JP4015223B2 (ja) 脱酸素剤
JP4018086B2 (ja) 石膏ボード及びその製造方法
JPS6359352A (ja) 酸化性組成物
JPH0824639A (ja) 酸素吸収剤

Legal Events

Date Code Title Description
A711 Notification of change in applicant

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A711

Effective date: 20050711

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20050722

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20071016

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20080311