JP2000086868A - エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 - Google Patents
エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置Info
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Abstract
樹脂組成物の高温保存性を向上させるとともに、従来の
難燃剤であるハロゲン化物系難燃剤及びアンチモン化合
物を使用せずに高い難燃性を得る。 【解決手段】 (1)ビフェニル型エポキシ樹脂100
重量部に対し、テルペン型エポキシ樹脂またはクレゾー
ルノボラック型エポキシ樹脂のいずれかを0〜30重量
部配合し、(2)ザイロック型フェノール樹脂100重
量部に対し、テルペン型フェノール樹脂またはフェノー
ルノボラック型樹脂のいずれかを0〜30重量部配合
し、(3)難燃剤としてシリコーン化合物であるアミノ
基含有ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を用い、
(4)無機質充填剤である溶融シリカを組成物全体の8
7重量%以上含有することにより、ガラス転移温度15
0℃以上、難燃性の規格(UL94)のV−0級を達成
でき、高温保存性が向上した。
Description
材として用いられるエポキシ樹脂組成物及びこれを用い
た半導体装置に関するものである。
エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤を主成分とするエ
ポキシ樹脂組成物を封止材として用いた封止方法が中心
となっている。半導体装置に対する耐熱性、高温信頼性
及び耐湿信頼性等の要求が高まるに従い、封止材に求め
られる特性も年々厳しいものとなってきている。その中
で、特に、パッケージの吸湿クラック耐性を改善するた
めに、エポキシ樹脂として吸水性の低いビフェニル型エ
ポキシ樹脂を用いた封止材の開発が行われており、既に
実用化されている。
ニル型エポキシ樹脂を用いた封止材は、一般にガラス転
移温度(Tg)が約130℃以下で低く、高温保存性等
の信頼性が低いという問題があった。また、従来より、
封止材の安全性確保のために、難燃剤としてブロム化エ
ポキシ樹脂等のハロゲン化物系難燃剤及び三酸化アンチ
モン等のアンチモン化合物が添加されていたが、近年の
環境問題に対する意識の高まりから、これらの化合物
は、ISO14000でも問題視されるようになってき
ている。このため、最近では、環境に配慮した新たな難
燃剤を用いる試みがなされており、例えば、特開平9−
235449号公報では、従来の難燃剤であるハロゲン
化物系難燃剤、アンチモン化合物を使用せず、エポキシ
樹脂、硬化剤、無機質充填剤及びリン酸エステル化合物
よりなる、難燃性及び高温信頼性等に優れたエポキシ樹
脂組成物を提案している。しかしながら、リン酸エステ
ル化合物を用いた場合、酸による腐食が危惧され、耐湿
信頼性が低下するという問題がある。
ためになされたもので、ビフェニル型エポキシ樹脂を用
いたエポキシ樹脂組成物の高温保存性を向上させるとと
もに、従来の難燃剤であるハロゲン化物系難燃剤及びア
ンチモン化合物を使用せずに、高い難燃性を得ることを
目的とし、上記エポキシ樹脂組成物を封止材として用い
た信頼性の高い半導体装置を提供することを目的とす
る。
樹脂組成物は、エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、
触媒及び難燃剤を含有してなる半導体封止用のエポキシ
樹脂組成物であって、エポキシ樹脂として主にビフェニ
ル型エポキシ樹脂を用い、硬化剤として主にザイロック
型フェノール樹脂(即ち、フェノールアラルキル樹脂)
を用い、難燃剤としてアミノ基含有ポリエーテル変性ポ
リシロキサン化合物を用い、無機質充填剤を組成物全体
の87重量%以上(通常、87〜92重量%)含有する
ものである。
ビフェニル型エポキシ樹脂の100重量部に対し、テル
ペン型エポキシ樹脂またはクレゾールノボラック型エポ
キシ樹脂のいずれかを0〜30重量部配合したものであ
る。また、硬化剤として、主成分であるザイロック型フ
ェノール樹脂(アラルキル型フェノール樹脂)の100
重量部に対し、テルペン型フェノール樹脂またはフェノ
ールノボラック型樹脂のいずれかを0〜30重量部配合
したものである。さらに、無機質充填剤として、最大粒
径75μm以下(通常、平均粒径0.1〜50μm程
度)の溶融シリカ等のシリカ系微粉末を用いたものであ
る。また、触媒として、リン系触媒または潜在性リン系
触媒を用いたものである。
体素子が鉄製フレームに搭載され、ワイヤーボンドのル
ープ長が3mm以下であり、上記のいずれかのエポキシ
樹脂組成物を用いて封止されたものである。また、半導
体素子が銅製フレームに搭載され、ワイヤーボンドのル
ープ長が3mm以上であり、上記のいずれかのエポキシ
樹脂組成物を用いて封止されたものである。
実施の形態1であるエポキシ樹脂組成物の組成を示す図
である。本実施の形態によるエポキシ樹脂組成物は、エ
ポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、触媒及び難燃剤を
含有してなるエポキシ樹脂組成物であって、半導体封止
用として用いることを目的としている。以下に、図1に
従って、本発明の実施の形態1を説明する。
は、エポキシ樹脂として、主にビフェニル型エポキシ樹
脂を用い、主成分であるビフェニル型エポキシ樹脂の1
00重量部に対し、テルペン型エポキシ樹脂またはクレ
ゾールノボラック型エポキシ樹脂のいずれかを0〜30
重量部配合したものである。硬化剤としては、主にザイ
ロック型フェノール樹脂を用い、主成分であるザイロッ
ク型フェノール樹脂の100重量部に対し、テルペン型
フェノール樹脂またはフェノールノボラック型樹脂のい
ずれかを0〜30重量部配合したものである。また、エ
ポキシ樹脂と硬化剤の配合比は、エポキシ樹脂中のエポ
キシ基1モルに対し、フェノール樹脂中のフェノール性
水酸基が0. 5〜1. 5モルであることが望ましい。な
お、これらのエポキシ樹脂及び硬化剤の化学構造式は、
図2及び図3に示す通りである。
5μm以下の溶融シリカを用いた。ただし、例えばCS
P(チップスケールパッケージ)タイプ等の超小形パッ
ケージに用いる場合には、最大粒径50μm以下の溶融
シリカを用いることが望ましい。本実施の形態によるエ
ポキシ樹脂組成物は、無機質充填剤を組成物全体の87
重量%以上含有するものとした。
在性リン系触媒を用いた。リン系触媒としては、例え
ば、TPP(トリフェニルホスフィン)を用いた。潜在
性リン系触媒としては、例えば、TPP−TPB( トリ
フェニルホスホニウム・テトラフェニルボレート)、B
TPP−TPB(ブチルトリフェニルホスホニウム・テ
トラフェニルボレート)、TBP−TPB(テトラブチ
ルホスホニウム・テトラフェニルボレート)を用いた。
触媒の添加量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量100
重量部に対し、0. 5〜5重量部程度が適当である。な
お、触媒は、エポキシ樹脂と硬化剤の硬化反応を促進す
るものであれば、特に限定されるものではない。
化物系難燃剤及びアンチモン化合物に代わる難燃剤とし
て、図4に示す化学構造式(一般式)を有するアミノ基
含有ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を用いた。
このアミノ基含有ポリエーテル変性ポリシロキサン化合
物は、接着剤等として一般的に用いられている安定性の
高いシリコーン化合物であり、難燃剤として高い機能を
有し、さらに、パッケージとして使用する際の電気的、
機械的特性、及び耐腐食性等に非常に優れている。難燃
剤の添加量は、エポキシ樹脂と硬化剤の合計量100重
量部に対し、0. 2〜5重量部程度が適当である。な
お、本実施の形態では、上記の組成物の他に、カップリ
ング剤としてエポキシ系シラン、離型剤として天然カル
ナバワックスまたは合成エステル系ワックス、着色剤と
してカーボンブラック等を添加した。
成物の製造方法を簡単に説明する。液状エポキシ樹脂組
成物の場合は、上記の諸原料をミキサー等の撹拌混合装
置を用いて、20〜50°C程度の温度で充分混練する
ことで製造することができる。また、エポキシ樹脂組成
物が粉体の場合は、高速混合機等を用いて均一に混合し
た後、二本ロールや連続混練装置等で充分混練すればよ
い。この時の混練温度は50〜110°C程度が望まし
い。混練後、薄くシート化し、冷却、粉砕することで、
所望のエポキシ樹脂組成物が完成する。
によるエポキシ樹脂組成物よりなる封止材と、ビフェニ
ル型エポキシ樹脂を用いた従来の封止材の物性及び特性
の比較を図5に示す。
は、(1)ビフェニル型エポキシ樹脂100重量部に対
し、テルペン型エポキシ樹脂またはクレゾールノボラッ
ク型エポキシ樹脂のいずれかを0〜30重量部配合し、
(2)ザイロック型フェノール樹脂100重量部に対
し、テルペン型フェノール樹脂またはフェノールノボラ
ック型樹脂のいずれかを0〜30重量部配合し、(3)
難燃剤としてシリコーン化合物であるアミノ基含有ポリ
エーテル変性ポリシロキサン化合物を用い、(4)無機
質充填剤である溶融シリカを組成物全体の87重量%以
上含有することにより、ガラス転移温度(Tg)150
℃以上を達成することが可能となった。このため、封止
材としての高温保存性が著しく向上した。ただし、本実
施の形態において、ビフェニル型エポキシ樹脂とザイロ
ック型フェノール樹脂のみを用い、他のエポキシ樹脂及
び硬化剤を配合しなかった場合は、ガラス転移温度15
0℃以上を達成することはできない。しかし、この場合
にも、封止材として用いることは可能である。また、従
来の難燃剤であるハロゲン化物系難燃剤及びアンチモン
化合物を使用せずに、シリコーン化合物であるアミノ基
含有ポリエーテル変性ポリシロキサン化合物を難燃剤と
して用いたので、環境に悪影響を与えることなく、難燃
性の規格であるUL94において、V−0級を達成する
ことが可能となった。
作成されたエポキシ樹脂組成物を封止材として用いた半
導体装置について、以下に説明する。例えば、半導体素
子が鉄製フレームに搭載され、ワイヤーボンドのループ
長が3mm以下、ボール径80μm以下である半導体装
置の封止材として、上記エポキシ樹脂組成物を用いるこ
とができる。また、半導体素子が銅製フレームに搭載さ
れ、ワイヤーボンドのループ長が3mm以上、ボール径
が80μm以下である半導体装置の封止材としても用い
ることができる。これらの半導体装置は、いずれも金線
流れ曲率が5%以下であり、吸湿クラック耐性、高温保
存性及び難燃性に優れている。
ル電極を面配置することにより多ピン化及び小形化を両
立したFBGAタイプや、チップと同等のボディサイズ
を実現した超小形のCSPタイプ等の半導体装置にも用
いることができる。上記エポキシ樹脂組成物を封止材と
して用いたこれらの半導体装置は、いずれもパッケージ
反りが50μm以下であり、吸湿クラック耐性、高温保
存性及び難燃性に優れている。このように、上記実施の
形態1において作成されたエポキシ樹脂組成物は、様々
なタイプの半導体装置の封止材として用いられ、非常に
信頼性の高い半導体装置を提供することができる。
ニル型エポキシ樹脂を主成分とするエポキシ樹脂に、テ
ルペン型エポキシ樹脂またはクレゾールノボラック型エ
ポキシ樹脂のいずれかを適量配合し、ザイロック型フェ
ノール樹脂を主成分とする硬化剤に、テルペン型フェノ
ール樹脂またはフェノールノボラック型樹脂のいずれか
を適量配合し、さらに、難燃剤としてアミノ基含有ポリ
エーテル変性ポリシロキサン化合物を用い、無機質充填
剤を組成物全体の87重量%以上含有するようにしたの
で、ガラス転移温度150℃以上を達成することがで
き、高温保存性が著しく向上した。
難燃剤及びアンチモン化合物を使用せずに、シリコーン
化合物であるアミノ基含有ポリエーテル変性ポリシロキ
サン化合物を難燃剤として用いたので、環境に悪影響を
与えることなく、高い難燃性を得ることができた。
成物の組成を示す図である。
ポキシ樹脂組成物に用いられるエポキシ樹脂の化学構造
式を示す図である。
ポキシ樹脂組成物に用いられる硬化剤の化学構造式を示
す図である。
ポキシ樹脂組成物に用いられる難燃材の化学構造式(一
般式)を示す図である。
成物よりなる封止材と、ビフェニル型エポキシ樹脂を用
いた従来の封止材の物性及び特性の比較を示す図であ
る。
Claims (7)
- 【請求項1】 エポキシ樹脂、硬化剤、無機質充填剤、
触媒及び難燃剤を含有してなる半導体封止用のエポキシ
樹脂組成物であって、 上記エポキシ樹脂として主にビフェニル型エポキシ樹脂
を用い、上記硬化剤として主にザイロック型フェノール
樹脂を用い、上記難燃剤としてアミノ基含有ポリエーテ
ル変性ポリシロキサン化合物を用い、上記無機質充填剤
を組成物全体の87重量%以上含有することを特徴とす
るエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項2】 エポキシ樹脂として、主成分であるビフ
ェニル型エポキシ樹脂の100重量部に対し、テルペン
型エポキシ樹脂またはクレゾールノボラック型エポキシ
樹脂のいずれかを0〜30重量部配合したことを特徴と
する請求項1記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項3】 硬化剤として、主成分であるザイロック
型フェノール樹脂の100重量部に対し、テルペン型フ
ェノール樹脂またはフェノールノボラック型樹脂のいず
れかを0〜30重量部配合したことを特徴とする請求項
1または請求項2に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項4】 無機質充填剤として、最大粒径75μm
以下の溶融シリカを用いたことを特徴とする請求項1〜
請求項3のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項5】 触媒として、リン系触媒または潜在性リ
ン系触媒を用いたことを特徴とする請求項1〜請求項4
のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成物。 - 【請求項6】 半導体素子が鉄製フレームに搭載され、
ワイヤーボンドのループ長が3mm以下であり、請求項
1〜請求項5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成
物を用いて封止されたことを特徴とする半導体装置。 - 【請求項7】 半導体素子が銅製フレームに搭載され、
ワイヤーボンドのループ長が3mm以上であり、請求項
1〜請求項5のいずれか一項に記載のエポキシ樹脂組成
物を用いて封止されたことを特徴とする半導体装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10262527A JP2000086868A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP10262527A JP2000086868A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 |
Publications (1)
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JP2000086868A true JP2000086868A (ja) | 2000-03-28 |
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ID=17377046
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10262527A Pending JP2000086868A (ja) | 1998-09-17 | 1998-09-17 | エポキシ樹脂組成物及びこれを用いた半導体装置 |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP2000086868A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1408083A1 (en) * | 2001-06-29 | 2004-04-14 | Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. | Curable epoxy resin composition |
KR100447547B1 (ko) * | 2001-12-28 | 2004-09-04 | 제일모직주식회사 | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 |
-
1998
- 1998-09-17 JP JP10262527A patent/JP2000086868A/ja active Pending
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP1408083A1 (en) * | 2001-06-29 | 2004-04-14 | Dow Corning Toray Silicone Co., Ltd. | Curable epoxy resin composition |
EP1408083A4 (en) * | 2001-06-29 | 2004-11-10 | Dow Corning Toray Silicone | CURABLE EPOXIDE RESIN COMPOSITION |
KR100447547B1 (ko) * | 2001-12-28 | 2004-09-04 | 제일모직주식회사 | 반도체 소자 밀봉용 에폭시 수지 조성물 |
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