JP2000086849A - 形状記憶用樹脂組成物およびそれを用いた形状記憶製品 - Google Patents

形状記憶用樹脂組成物およびそれを用いた形状記憶製品

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JP2000086849A JP10254330A JP25433098A JP2000086849A JP 2000086849 A JP2000086849 A JP 2000086849A JP 10254330 A JP10254330 A JP 10254330A JP 25433098 A JP25433098 A JP 25433098A JP 2000086849 A JP2000086849 A JP 2000086849A
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Hitoshi Yoshikawa
均 吉川
Naotoshi Miyahara
尚利 宮原
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Abstract

(57)【要約】 【課題】優れた形状記憶性を備え、高強度かつ安価で、
電子機器用部材等の各種分野に応用することができる形
状記憶製品を提供する。 【解決手段】下記の(A)〜(C)成分を含有する形状
記憶用樹脂組成物の架橋体からなる形状記憶製品であ
る。 (A)ポリ塩化ビニル系樹脂。 (B)アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロ
ロプレンゴム、塩素化ポリエチレンゴムおよびアクリル
ゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つの極性ゴ
ム。 (C)架橋剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、自動車用部材、住
宅・土木用部材、電子機器用部材、家庭用部材等の各種
分野に応用することができる、形状記憶用樹脂組成物お
よびそれを用いた形状記憶製品に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、形状記憶性を備えた材料とし
ては、形状記憶用樹脂が用いられている。この形状記憶
用樹脂は、ポリマー分子鎖の絡み合いや架橋等により形
状を記憶した後、樹脂のガラス転移温度(Tg)よりも
低い温度に冷却して所望の形状に固定し、再度ガラス転
移温度以上の温度に加熱することにより、記憶した元の
形状に回復する性質を有している。このような形状記憶
用樹脂としては、例えば ポリノルボルネン(特開昭59−53528号公
報)、トランス−1,4−ポリイソプレン(特開昭6
2−192440号公報)、スチレン−ブタジエン共
重合体(特開昭63−179955号公報)、ポリウ
レタン(特開平2−92914号公報)、エチレン−
プロピレン−ジエン共重合体(EPDM)と、ポリプロ
ピレン(PP)樹脂との混合物〔JETI,44巻,1
2号,82〜85頁(1996)〕等が用いられてい
る。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記形
状記憶用樹脂〜は、樹脂自体が高価であるという難
点がある。また、上記形状記憶用樹脂〜とその架橋
体は、電気的絶縁物であるため、カーボンブラック等の
導電剤を多量に使用する必要があり、その分コストが高
くなる。さらに、上記形状記憶用樹脂,とその架橋
体は、いずれも引張強度が極めて弱いという難点もあ
る。また、上記形状記憶用樹脂〜,とその架橋体
は、形状記憶温度および硬度が特定範囲内に限定される
ため、応用範囲が狭く、特に電子機器用部材への適用は
困難である。
【0004】本発明は、このような事情に鑑みなされた
もので、優れた形状記憶性を備え、高強度かつ安価で、
電子機器用部材等の各種分野に応用することができる形
状記憶用樹脂組成物およびそれを用いた形状記憶製品の
提供をその目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、下記の(A)〜(C)成分を含有する形
状記憶用樹脂組成物を第1の要旨とする。 (A)ポリ塩化ビニル系樹脂。 (B)アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロ
ロプレンゴム、塩素化ポリエチレンゴムおよびアクリル
ゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つの極性ゴ
ム。 (C)架橋剤。
【0006】また、本発明は、上記形状記憶用樹脂組成
物の架橋体からなる形状記憶製品を第2の要旨とする。
【0007】すなわち、本発明者らは、優れた形状記憶
性を備え、高強度かつ安価で、電子機器部材等の各種分
野に応用することができる形状記憶製品を得るべく、そ
の形成材料を中心に研究を重ねた。その研究の過程で、
まず、安価で高強度なポリ塩化ビニル系樹脂(A成分)
を用いることを想起し、このポリ塩化ビニル系樹脂(A
成分)との相溶性に優れたゴム成分について研究を重ね
た。そして、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴ
ム、クロロプレンゴム、塩素化ポリエチレンゴムおよび
アクリルゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つの
極性ゴム(B成分)が、上記ポリ塩化ビニル系樹脂(A
成分)との相溶性に優れていることを突き止めた。その
結果、上記ポリ塩化ビニル系樹脂(A成分)および特定
の極性ゴム(B成分)とともに、架橋剤(C成分)を含
有してなる形状記憶用樹脂組成物の架橋体(形状記憶製
品)が、優れた形状記憶性を備えることを見出し、本発
明に到達した。
【0008】そして、上記ポリ塩化ビニル系樹脂(A成
分)と特定の極性ゴム(B成分)の配合割合を特定の範
囲に設定することにより、1次形状への回復可能温度
(ゴム化温度)、電気抵抗値、硬度等を所定の範囲に容
易に設定することができ、特に優れた形状記憶性を備え
るとともに、応用範囲が広く、各種分野に応用すること
ができるようになる。
【0009】なお、本発明において、「形状記憶」と
は、成型品を所望の形状に変形し、その形状を保つこと
が可能で、その後に元の形状に回復することができるこ
とをいう。
【0010】
【発明の実施の形態】つぎに、本発明の実施の形態を詳
しく説明する。
【0011】本発明の形状記憶用樹脂組成物は、ポリ塩
化ビニル系樹脂(A成分)と、特定の極性ゴム(B成
分)と、架橋剤(C成分)とを用いて得ることができ
る。
【0012】上記A成分であるポリ塩化ビニル系樹脂
(以下「PVC系樹脂」と略す)としては、ポリ塩化ビ
ニル(PVC)のほか、変性PVCを用いることがで
き、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。上記変性PVCとしては、例えば、酢酸ビニル変性
PVC、ヒドロキシ変性PVC、カルボキシル変性PV
C等があげられる。上記PVC系樹脂(A成分)の数平
均分子量(以下「分子量」と略す)は、5,000〜1
00,000の範囲が好ましく、特に好ましくは20,
000〜70,000である。すなわち、PVC系樹脂
(A成分)の分子量が5,000未満であると、物性が
悪くなり、形状保持しにくくなるからであり、100,
000を超えると、分散性が悪くなり、相溶しない状態
で架橋するため、形状の回復性能が低下する傾向が見ら
れるからである。
【0013】上記B成分である特定の極性ゴムとして
は、アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム(NB
R)、クロロプレンゴム(CR)、塩素化ポリエチレン
ゴム(CPE)およびアクリルゴム(ACM)からなる
群から選ばれた少なくとも一つが用いられる。なかで
も、上記PVC系樹脂(A成分)との相溶性に優れる点
で、NBRが特に好ましい。
【0014】上記NBRは、ニトリル量が17.5〜5
3重量%の範囲に設定されていることが好ましく、特に
好ましくは28〜45重量%である。すなわち、ニトリ
ル量が17.5重量%未満であると、上記PVC系樹脂
(A成分)との相溶性が悪くなり、記憶性が劣る傾向が
みられ、53重量%を超えると、ゴム弾性がなくなり、
汎用ゴムでなくなるからである。また、上記NBRは、
ヨウ素価が20以上であることが好ましく、特に好まし
くは100〜300である。すなわち、ヨウ素価が20
未満であると、網目構造ができなくなり、形状回復しに
くくなるからである。
【0015】上記A成分とB成分の配合割合は、重量比
で、A成分/B成分=90/10〜30/70の範囲に
設定することが好ましく、特に好ましくはA成分/B成
分=80/20〜50/50である。すなわち、A成分
が30未満(B成分が70を超える)では、ガラス転移
温度(Tg)が使用温度(室温)より低くなり、形状記
憶や形状回復が困難になる傾向がみられ、A成分が90
を超える(B成分が10未満)と、網目構造ができなく
なり、形状回復しにくくなるからである。
【0016】上記C成分である架橋剤としては、上記特
定の極性ゴム(B成分)を選択的に架橋するものであれ
ば特に限定はなく、例えば、硫黄系架橋剤、パーオキサ
イド系架橋剤、ポリアミン系架橋剤、トリアジン系架橋
剤、ポリオール系架橋剤、金属石鹸系架橋剤等があげら
れ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。なかでも、硫黄系架橋剤、ポリアミン系架橋剤を用
いることが好ましい。上記硫黄系架橋剤としては、具体
的には、硫黄、下記の式(1)で表される2−メルカプ
トイミダゾリン、ジペンタメチレンチウラムペンタサル
ファイド等があげられる。
【0017】
【化1】
【0018】上記パーオキサイド系架橋剤としては、具
体的には、下記の式(2)で表される4,4′−ジチオ
−ビス−ジモルホリン、ジクミルパーオキサイド(DC
P)等があげられる。
【0019】
【化2】
【0020】上記ポリアミン系架橋剤としては、具体的
には、ヘキサメチレンジアミンカルバメート〔構造式:
2 N(CH2 6 NH2 ・CO2 〕等があげられる。
上記トリアジン系架橋剤としては、具体的には、下記の
式(3)で表される2,4,6−トリメルカプト−S−
トリアジン等があげられる。
【0021】
【化3】
【0022】上記ポリオール系架橋剤としては、具体的
には、4,4′−〔2,2,2−トリフルオロ−1−
(トリフルオロメチル)エチリデン〕ビスフェノール等
があげられる。上記金属石鹸系架橋剤としては、具体的
には、ステリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム等
があげられる。
【0023】上記架橋剤(C成分)の添加量は、特定の
極性ゴム(B成分)100重量部(以下「部」と略す)
に対して0.25〜10部の範囲に設定することが好ま
しく、特に好ましくは1〜7部である。すなわち、架橋
剤(C成分)の添加量が0.25部未満では、架橋体の
強度が小さくなり、10部を超えると、溶融時の流動性
が悪くなり、硬度が上昇したり、保管安定性に劣る傾向
がみられるからである。
【0024】本発明の形状記憶用樹脂組成物には、上記
PVC系樹脂(A成分)、特定の極性ゴム(B成分)お
よび架橋剤(C成分)に加えて、受酸剤、架橋助剤、鉱
物油、可塑剤、導電剤等を適宜配合することも可能であ
る。上記受酸剤あるいは架橋助剤としては、例えば、P
3 4 、PbO(リサージ)、MgO、CaO、Ca
(OH)2 、ZnO、ハイドロタルサイト類等があげら
れ、これらは単独でもしくは2種以上併せて用いられ
る。上記受酸剤を添加することにより、良好な形状記憶
性が得られるようになる。そして、受酸剤を添加する場
合の添加量は、特定の極性ゴム(B成分)100部に対
して2〜6部の範囲に設定することが好ましい。また、
上記架橋助剤としては、例えば、テトラメチルチウラム
ジスルフィド、Di-o-tolylguanidine(DOTG)、2−
メルカプトイミダゾリン、ジベンゾチアジルジスルフィ
ド(MBTS)等のチウラム類、ジチオカルバミン酸塩
類、スルフェンアミド類、チアゾール類、チオウレア
類、グアニジン類等があげられる。これらは単独でもし
くは2種以上併せて用いられる。上記鉱物油としては、
例えば、アロマ系鉱物油、ナフテン系鉱物油、パラフィ
ン系鉱物油等があげられる。上記導電剤としては、例え
ば、カーボンブラック、金属酸化物、イオン導電剤、界
面活性剤等があげられる。
【0025】本発明の形状記憶用樹脂組成物は、上記P
VC系樹脂(A成分)、特定の極性ゴム(B成分)およ
び架橋剤(C成分)を必須成分とし、これに受酸剤、架
橋助剤等を必要に応じて適宜配合することにより調製す
ることができる。
【0026】そして、本発明の形状記憶製品は、このよ
うして得られた形状記憶用樹脂組成物を用いて、例えば
つぎのようにして製造することができる。すなわち、図
1に示すように、金型2上に形状記憶用樹脂組成物3を
載置し、この上にさらに金型1を載置し、これらを矢印
方向にプレス加熱架橋することにより、図2に示す形状
に成形された形状記憶製品4を得ることができる。上記
プレス加熱架橋の条件は特に限定するものではないが、
130〜200℃×5分〜10時間が好ましく、特に好
ましくは140〜180℃×10分〜1時間である。な
お、上記形状記憶用樹脂組成物の成形方法は、上記プレ
ス加熱架橋に限定されるものではなく、例えば、インジ
ェクション成型、トランスファー成型、押出成型等によ
り、所望の形状に成形することも可能である。
【0027】このようにして得られた本発明の形状記憶
製品の形状記憶および形状回復のメカニズムは、つぎの
ように推定される。すなわち、上記PVC系樹脂(A成
分)、特定の極性ゴム(B成分)および架橋剤(C成
分)等を含有する形状記憶用樹脂組成物を架橋すること
により、樹脂組成物中のPVC系樹脂(A成分)と特定
の極性ゴム(B成分)との相溶物が架橋剤(C成分)に
より架橋されて、一定の形状に成形される(1次記憶工
程)。この場合、上記PVC系樹脂(A成分)と特定の
極性ゴム(B成分)は相溶状態を保った状態で、特定の
極性ゴム(B成分)のみが架橋剤(C成分)により選択
的に架橋される。ついで、この架橋体を形状記憶用樹脂
組成物のガラス転移温度(Tg)よりも高い温度(11
0℃以上)で所望の形状に変形した後、上記ガラス転移
温度(Tg)よりも低い温度に冷却することにより、架
橋体の形状が固定される(2次記憶工程)。そして、こ
の架橋体を上記PVC系樹脂(A成分)の軟化点以上の
温度に再度加熱することにより、上記PVC系樹脂(A
成分)が軟化し、記憶した元の形状(1次記憶)に回復
する。
【0028】このように優れた形状記憶性を備えた本発
明の形状記憶製品は、例えば、バンパー,緩衝材,ク
ッション,ハンドル,バックミラーの傾動装置,アクチ
ュエータ,エンジンオイルブロック等の自動車用部材、
水道管,パーテーション,人工芝,シャワーヘッド,
開閉弁,浴室用手すり,多孔性板・布・紙,湯水混合
栓,通気窓,発泡体,リサイクル梱包箱等の住宅・土木
用部材、スイッチ,センサー,人力装置,情報記録装
置,通電接触子,冷凍装置(バネ),OA機器等のロー
ラー,ベルト等の部品、ソケット,パレット等の梱包材
等の電子機器用部材、眼鏡フレーム,人工筋肉,人工
血管,おもちゃ,ギブス,現金袋用ロック,感温弁,糸
状体,布状体,パッド,医療用チューブ,カーテン,弦
楽器用ピック,トナーカートリッジ,接続リボン,歯科
矯正用ワイヤー,オルゴール,床ずれ防止寝具,収縮チ
ューブ等の家庭用部材等として、各種分野に応用するこ
とができる。
【0029】つぎに、実施例について比較例と併せて説
明する。
【0030】
【実施例1〜10、比較例1,2】下記の表1〜表3に
示す各成分を同表に示す割合で配合して形状記憶用樹脂
組成物を調製した。ついで、前記図1に示した方法に準
じて上記形状記憶用樹脂組成物をプレス加熱架橋(16
0℃×30分)し、厚み2mmのシート形状の架橋体を
製造した。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】
【表3】
【0034】このようにして得られた実施例品および比
較例品の架橋体を用いて、下記の基準に従い、形状記憶
性、引張試験、電気抵抗値、2次形状記憶可能温度(可
能な冷却上限温度)、1次形状への回復可能温度(可能
な加熱下限温度)および硬度の比較評価を行った。これ
らの結果を下記の表4〜表6に併せて示した。
【0035】〔形状記憶性〕下記に示す記憶率および回
復率を測定し、形状記憶性の評価を行った。
【0036】(記憶率)まず、図3(A)に示すよう
に、上記シート形状の架橋体から80mm×10mmの
大きさの短冊状試験片30を打ち抜いた後、幅30mm
の標線を引き、これを治具31,32に取り付けた。つ
いで、図3(B)に示すように、一方の治具31を固定
したまま他方の治具32を矢印X方向に引っ張り、短冊
状試験片30の標線間距離が60mmになるまで伸長し
た。この状態で180℃のオーブンに5分間放置した
後、2分間水冷した。続いて、上記短冊状試験片30を
治具31,32から取り外し、室温下で1日放置した
後、短冊状試験片30の標線間距離(a)を測定した。
そして、下記の数式に従い記憶率を算出した。
【0037】
【数1】
【0038】(回復率)上記短冊状試験片30を治具3
1,32等からはずした状態で180℃のオーブンに5
分間放置し、ついで室温下で30分間放置した後、短冊
状試験片30の標線間距離(b)を測定した。そして、
下記の数式に従い回復率を算出した。
【0039】
【数2】
【0040】〔引張試験〕JIS K 6251に準じ
て、引張強さ(MPa)および破断伸びを測定した。
【0041】〔電気抵抗値〕銀ペーストで10mm四方
の電極(ガード付)を描き、JIS K 6911に記
載の方法に準じて測定した。
【0042】〔硬度〕JIS K 6253に準じて硬
度を測定した。
【0043】
【表4】
【0044】
【表5】
【0045】
【表6】
【0046】上記表4〜表6の結果から、実施例品の架
橋体は、記憶率および回復率が高く、優れた形状記憶性
を備えていることがわかる。また、実施例8,9品以外
の架橋体は、高強度で電気抵抗も低いことがかわる。そ
して、PVC系樹脂(A成分)と特定の極性ゴム(B成
分)との配合割合を変更することにより、1次形状への
回復可能温度、電気抵抗値および硬度を所定の範囲に容
易に設定することができる。これに対して、比較例品の
架橋体は、形状記憶性が劣り、強度が弱く、電気抵抗値
も高いことがわかる。
【0047】
【発明の効果】以上のように、本発明の形状記憶用樹脂
組成物は、PVC系樹脂(A成分)と、特定の極性ゴム
(B成分)と、架橋剤(C成分)とを含有するため、上
記形状記憶用樹脂組成物の架橋体からなる形状記憶製品
は、優れた形状記憶性を備えている。しかも、上記PV
C系樹脂(A成分)と特定の極性ゴム(B成分)とは相
溶性に優れ、全体として一つのポリマーのように挙動す
るため、引張試験等の機械的強度にも強く、高強度であ
る。また、本発明の形状記憶用樹脂組成物は、電気的絶
縁物でないため、電子機器用部材として好適に使用する
ことができる。
【0048】そして、上記PVC系樹脂(A成分)と特
定の極性ゴム(B成分)の配合割合を特定の範囲に設定
することにより、1次形状への回復可能温度(ゴム化温
度)、電気抵抗値、硬度等を所定の範囲に容易に設定す
ることができ、特に優れた形状記憶性を備えるととも
に、応用範囲が広く、各種分野に応用することができる
ようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の形状記憶製品の製法の一例を示す斜視
図である。
【図2】本発明の形状記憶製品の一例を示す断面図であ
る。
【図3】(A),(B)は記憶率の測定方法を示す説明
図である。
フロントページの続き Fターム(参考) 4J002 AC07X AC09X BB24X BD04W BD17W BG04X EG026 EJ056 EK036 EN096 EV166 EV266 EV346 FD110 FD146 FD150 GB01 GB02 GC00 GL00 GN00 GQ00

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記の(A)〜(C)成分を含有するこ
    とを特徴とする形状記憶用樹脂組成物。 (A)ポリ塩化ビニル系樹脂。 (B)アクリロニトリル−ブタジエン共重合ゴム、クロ
    ロプレンゴム、塩素化ポリエチレンゴムおよびアクリル
    ゴムからなる群から選ばれた少なくとも一つの極性ゴ
    ム。 (C)架橋剤。
  2. 【請求項2】 (A)成分と(B)成分の配合割合が、
    重量比で、(A)成分/(B)成分=90/10〜30
    /70である請求項1記載の形状記憶用樹脂組成物。
  3. 【請求項3】 (B)成分がアクリロニトリル−ブタジ
    エン共重合ゴムである請求項1または2記載の形状記憶
    用樹脂組成物。
  4. 【請求項4】 (B)成分であるアクリロニトリル−ブ
    タジエン共重合ゴムのニトリル量が17.5〜53重量
    %の範囲に設定されている請求項3記載の形状記憶用樹
    脂組成物。
  5. 【請求項5】 (B)成分であるアクリロニトリル−ブ
    タジエン共重合ゴムのヨウ素価が20以上である請求項
    3または4記載の形状記憶用樹脂組成物。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載の形
    状記憶用樹脂組成物の架橋体からなることを特徴とする
    形状記憶製品。
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