JP2000086369A - 多機能性素材及びその製造方法 - Google Patents

多機能性素材及びその製造方法

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JP2000086369A
JP2000086369A JP10299008A JP29900898A JP2000086369A JP 2000086369 A JP2000086369 A JP 2000086369A JP 10299008 A JP10299008 A JP 10299008A JP 29900898 A JP29900898 A JP 29900898A JP 2000086369 A JP2000086369 A JP 2000086369A
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water
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Yukinari Hirato
志成 平等
Yukinori Fukuhara
幸則 福原
Osamu Miyamoto
修 宮本
Kazuo Tokita
一男 時田
Masayuki Abe
征幸 安部
Tokuaki Kumazawa
徳昭 熊沢
Susumu Kobayashi
享 小林
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Taiheiyo Coal Mining Co Ltd
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Taiheiyo Coal Mining Co Ltd
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    • C04B38/06Porous mortars, concrete, artificial stone or ceramic ware; Preparation thereof by burning-out added substances by burning natural expanding materials or by sublimating or melting out added substances
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 ゼオライト鉱石粉体若しくは頁岩粉体と石
炭粉体とからなり、僅かな成形条件によって優れた吸水
性、透水性、吸音性、断熱性、調湿性、消臭性、抗菌性
等の機能に加えて、耐水性、耐火性、耐候性、軽量性等
の特性を保持する多機能性素材を安価に提供すること、
及びその製造方法を提供する。 【構成】 粒径が1mm以下に粉砕されたゼオライト
鉱石粉体若しくは頁岩粉体に、その粒径が1mm以下に
粉砕された石炭粉体が10乃至60%重量で配合され、
且適宜割合の水を添加し相互を均質に分散混練して成形
原料となしたるうえ、押出成形若しくはプレス成形によ
り且20乃至300kg/cmの成形圧力を以って所
要の形状及び寸法に成形のうえ、その残留水分が1.0
%重量割合となるまで乾燥し、而して昇温勾配が40乃
至80℃/時間で昇温加熱し且600乃至1050℃で
焼成することにより、気孔率が20乃至90%に形成さ
れてなることを特徴とする多機能性素材及びその製造方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は吸水性を初め透水性、吸
音性、断熱性、調湿性、消臭性、抗菌性等の優れた機能
に加え耐水性、耐火性、耐候性或いは軽量性等の多様な
特性を保持し、広範囲に利用しえる多機能性素材及びそ
の製造方法に関する。
【0002】
【従来技術】建築物に付帯使用される建材においては、
その時代の社会的要請や建築様式の変化或いは建材の素
材的開発等により著るしい変遷を辿ってきているが、近
年の建築物においては耐火耐震構造はもとより、省エネ
ルギー性や遮音性、高齢化に伴う安全性及び臭気や菌類
の無い快適性並びにハウスシックへの対処等が要請され
ている。而してこれら要請に際し省エネルギー性への対
応建材としてはロックウールやグラスウール素材が空気
層を内包し断熱性を保持することから、内外壁面や屋根
裏等に使用されてなるものの、素材自体の直接的取扱い
では皮膚への突刺危険があるためクラフト紙やアルミ箔
等で包被させねばならず、且水を含み易いため水分や多
湿の条件においては新たに防水対策も必要とされたり、
或いは復元性に欠けるため樹脂加工等により弾性を付与
せしめる必要もある。更には省エネルギー対応建材とし
て発泡コンクリート板材や合成樹脂発泡板材も多用され
てなるものの、該発泡コンクリート板材は脆弱なため十
分な厚さを以って形成する必要上から多重なものとな
り、且施工時の僅かな衝撃等でも損壊する危険があり、
而も合成樹脂発泡板材では可燃に対する大きな障害を抱
えている。
【0003】他方遮音性への対応建材としては、ロック
ウールやグラスウール等の綿材ブランケットを初め軟質
繊維板、細木毛セメント板等の多孔性吸音材を初め、合
板や硬質繊維板或いは石膏ボードと多孔質板とによる密
閉空気層を設けた複合吸音板材、若しくは穿孔板と多孔
質板との間に空気層を形成させた複合吸音板材、或いは
吸音テックス等が使用されている。更に安全性とりわけ
滑りに対する対応建材としては合成樹脂や石材、セラミ
ックス、木材等からなる床材表面に比較的大きな凹凸を
設けて、該凹凸部で滑り抵抗を保持させたものや、ゴム
の防滑性を利用して床材表面に張り付けたもの等が使用
されている。
【0004】かかる如く省エネルギー化のための断熱材
や、プライバシー保護や騒音遮断のための吸音材、或い
は安全床材等は極めて多種多様な素材並びに構造のもの
が開発上市されているため、設計上における選択の頻雑
さはもとより施工に際しても施行技術面や取扱い性も著
るしく異ることから施工能率も極めて悪い結果となって
いる。加えて近年の建築様式においてはその建物空間の
密閉性が一段と高まっていることから、臭気の滞留や細
菌類の繁殖或いは結露の発生等が著るしく増大している
ものの、これらに対処しえる消臭性、抗菌性、調湿性等
に対処しえる建材等は開発されるに至っておらず、而も
建物空間の密閉性の高まりに伴って、合成樹脂建材や接
着剤等から揮散する化学物質のガスや、或いは人為的に
噴散される各種殺虫剤や芳香剤等の揮散ガスの滞留等に
よるハウスシックへの対処も全く未解決の状態にある。
【0005】更に近年の施設建物等においては、単に施
設自体のみならず全体的景観を含めた設計がなされる傾
向にあり、これがために付帯施設として人工池、人工河
川、噴水等の水景施設が増大しており、加えて健康指向
を反映してプールや温浴施設を持つスポーツクラブやフ
ィットネスクラブ、健康センター等が林立しつつある。
そしてこれら施設においては膨大量に昇る水を使用する
ものであるから、当然に水の循環利用や中水道の利用が
なされるものでこれがためには一旦利用した水の濾過や
殺菌が不可欠の問題とされる。この水の濾過には多くの
手段があるが、処理量や処理コスト面からは砂濾過によ
る緩速濾過や急速濾過が主に利用されてなるものの、緩
速濾過では略同等の粒砂が多量に填入された濾過槽を自
然通水させるものであって、流通する水は粒砂相互の填
入間隙を流通するもので且該填入間隙は略同等に形成さ
れるものの、流通する処理水中にはその大きさがそれぞ
れ異る混濁物が混在するため、再々に亘って大きな混濁
物が濾過槽上面に濾着されて処理水の流通が阻害される
ことから頻繁に濾過砂全体の逆洗浄をなさねばならず、
反面濾過砂の粒径を大きくしてその填入間隙も大きく形
成すると、処理水の流通量は増大するものの微細な混濁
物の濾着がなされず、却って急速濾過の場合と同様に砂
濾過に加えて活性炭を使用した濾過槽を併設し微細な混
濁物の濾着をせねばならず、且該活性炭は高価なばかり
か頻繁な逆洗浄が度々強いられることとなり、而も処理
水中にはアンモニアを初め窒素や硝酸等のイオンも多量
に混在しているものの、これらの有効な除去には至って
いない問題を抱えている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明はかかる如き問
題に鑑みなされたものであって、本発明はゼオライト鉱
石粉体若しくは頁岩粉体と石炭粉体とからなり、僅かな
成形条件により優れた吸水性を初め透水性、吸音性、断
熱性、調湿性、消臭性、抗菌性等の機能に加え耐水性、
耐火性、耐候性、軽量性等の多様な特性を保持し、広範
な使用途に供しえ且安価な多機能性素材及びその製造方
法を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上途の課題を解決するた
めに本発明が採用した技術的手段はガス吸着作用を初め
イオン交換作用、分子ふるい作用、触媒作用及び吸水吸
湿作用を保持し而もモンモリロナイトを主成分とする粘
土質分が含有されてなるゼオライト鉱石、並びに空気中
の水分子を有効に励起せしめて酸化分解力を保持する活
性酸素若しくはペニングイオン化作用を創出せしめて消
臭並びに抗菌を図るうえから、その放射波長が2.7乃
至3.2μmの近赤外線及びその放射波長が5.0乃至
7.4μmの遠赤外線領域の電磁波を有効に再放射させ
るために成分組成において二酸化珪素65乃至75%重
量、酸化アルミニウム10乃至15%重量で、且酸化
鉄、酸化チタン、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ニ
ッケル若しくは酸化銅から選ばれる遷移元素酸化物の少
なくとも2種以上で且それぞれが0.1%重量以上で而
も最大12%重量割合以下の組成からなるゼオライト鉱
石が用いられ、更にはゼオライト鉱石の採掘と混在して
産出され且石英や長石或いは曹長石からなる火山ガラス
が主体で而もカオリナイトを主成分とする粘土質分が含
有されてなる頁岩を用い、所要の形状及び寸法の素材を
形成するための成形性を付与せしめるため、該ゼオライ
ト鉱石若しくは頁岩をその粒径が1mm以下に粉砕して
ゼオライト鉱石粉体若しくは頁岩粉体として使用する。
【0008】そして所要の形状及び寸法に形成される素
材の吸着面積若しくは比表面積を著るしく増大せしめて
特にその吸水性を初め透水性、吸音性、断熱性、調湿
性、消臭性、抗菌性或いはガス吸着性を効果的に発揮さ
せるうえから、素材形成に際する焼成において燃焼ガス
を生成せしめ且その揮散により微細で多数の通気孔を形
成するため、その粒径が1mm以下に粉砕されてなる石
炭粉体が、該ゼオライト鉱石粉体若しくは頁岩粉体に対
して10乃至60%重量割合で配合される。
【0009】かくしてゼオライト鉱石粉体若しくは頁岩
粉体に所要の割合で石炭粉体が配合されたる後、適宜割
合の水を添加してゼオライト鉱石粉体若しくは頁岩粉体
の粘土質分に吸水させて、その吸水粘性により相互の均
質な分散と且可塑性による成形性を付与せしめるための
混練がなされることにより成形原料が作成されるもの
で、該成形原料を用いて予め所要の形状及び寸法の成形
物が成形される。成形手段としては使用される素材や成
形原料の吸水粘性や可塑性及び形成される成形物の形状
や寸法等によりプレス成形若しくは押出成形が選択され
るもので、かかる成形に際しては成形物に保形性を保持
させるうえから、少なくとも20kg/cm以上の成
形圧力で成形させる必要があるものの、焼成において石
炭粉体から生成される燃焼ガスの揮散を容易になさしめ
るうえから最大300kg/cm以下の成形圧力で成
形がなされる。更に成形に際して押出成形により特に広
幅板状物や長尺物等の成形がなされる。成形後の成形圧
力の除去に伴う成形歪みや成形斑が発生し易く、従って
吐出成形された成形物を、該成形物の形状及び寸法に対
応したセルローラーに挟入させて成形歪みや成形斑の補
整がなされる。
【0010】そして所要の形状及び寸法に成形され或い
は補整がなされた成形物は、焼成に先立ちその残留水分
が1%重量以下となるまで乾燥がなされるもので、乾燥
手段に特別な制約はないが真空乾燥は生産性の面で好適
であるものの、実用際しては0.1乃至0,2気圧/時
間の減圧勾配以下の減圧で行うことが肝要である。更に
温風乾燥も十分使用されるが、当然にその温度は60乃
至70℃以下でなされるものである。
【0011】かかる如く乾燥のなされた成形物は、その
均質分散されてなる石炭粉体を燃焼させて生成する燃焼
ガスの揮散並びに残留水分の蒸散とにより微細且多数の
通気孔を形成すること、即ち気孔率を20乃至90%に
形成すること及び素材に含有されてなる粘土質分の焼成
固化若しくは火山ガラスの熔化により、実用使用に供し
える保形性を付与せしめるために焼成がなされるもの
で、該焼成に際しては昇温勾配として40乃至80℃/
時間の割合で昇温のうえ600乃至1050℃焼成温度
で所要時間焼成させる構成からなる多機能性素材及びそ
の製造方法に存する。
【0012】
【作 用】本発明は上述の如き構成からなるため、以下
のような作用を有する。即ち素材として使用されるゼオ
ライト鉱石は、クリノプチロライト若しくはモルデナイ
トからなるゼオライト結晶体が本質的にガス吸着作用を
初めイオン交換作用、分子ふるい作用、触媒作用或いは
吸湿吸水作用を保持するばかりかモンモリロナイトを主
成分とする粘土質分も含有しており、更にはその成分組
成において二酸化珪素65乃至75%重量並びに酸化ア
ルミニウム10乃至15%重量に、酸化鉄、酸化チタ
ン、酸化コバルト、酸化マンガン、酸化ニッケル、或い
は酸化銅から選ばれる遷移元素酸化物の少なくとも2種
類以上で且それぞれが0.1%重量割合以上で而も最大
12%重量割合以下に含有されてなるものであり、而も
頁岩においても石英や長石或いは曹長石を主体とする火
山ガラスに、カオリナイトを主成分とする粘土質を含有
するものであって、且これらゼオライト鉱石や頁岩をそ
の粒径が1mm以下に粉砕してゼオライト鉱石粉体若し
くは頁岩粉体として使用するものであるから、適宜割合
の水の添加により粘土質分の吸水による吸水粘性ととも
に可塑性が創出されて、多様な形状及び寸法の成形物の
成形がなしえ、而も成分組成上からその波長が2.7乃
至3.2μmの近赤外線並びにその放射波長が5.0乃
至7.4μmの遠赤外線が放射されることにより、空気
中の水分子が有効に励起され酸化分解力を持つ活性酸素
やペニングイオン化作用が創出され、臭気分子の分解や
菌類の細胞の生理機能の阻害がなされる。
【0013】そして該原料素材には、その粒径が1mm
以下に粉砕されてなる石炭粉体が10乃至60%重量割
合で配合されたうえ混練されるため、原料素材と略同様
の比重を有する石炭粉体は原料素材の吸水粘性により該
原料素材と均質に分散混練されて成形原料が作成され
る。而してこの成形原料を用いプレス成形若しくは押出
成形法により、且20乃至300kg/cmの成形圧
力を以って所要の形状及び寸法の成形物に成形するもの
であるから、成形物には取扱いが可能な保形性が付与さ
れるとともに、焼成に際して石炭粉体から生成される燃
焼ガスが成形物外表面に容易に揮散放出しえ、且この揮
散放出に伴って微細且多数の通気孔が形成される。加え
て押出成形法により特に広範板状の成形物の成形に際し
ては、成形圧力が成形金型からの吐出時に除圧されるた
め、該除圧に伴い成形物が膨脹し寸法の変動や成形歪み
或いは成形斑の発生危険も予想されるが、かかる場合に
おいても成形物の形状及び寸法に対応したセルローラー
に挟入させることにより、所要の形状及び寸法に挟圧さ
れ補整がなされる。
【0014】更に所要の形状及び寸法に成形され或いは
補整された成形物を、その残留水分率が1%重量割合以
下になるまで乾燥するに際してその減圧勾配を0.1乃
至0.2気圧/時間で減圧させつつ真空乾燥をなすこと
により、比較的肉厚な成形物においても亀裂や変形を招
来させることなく確実に且短時間に乾燥がなされる。そ
してこの乾燥がなされた成形物を、その昇温勾配が40
乃至80℃/時間の割合で昇温させながら600乃至1
050℃の温度で所要時間焼成されるため、肉厚な成形
物においても内部と外表面の温度差が無くなり、均質な
焼成がなされる。而も成形物に分散されてなる石炭粉体
は略450乃至500℃で完全に燃焼するものであるか
ら、該焼成により分散されたそれぞれの石炭粉体が燃焼
し且該燃焼ガスが成形物の外表面に向かって多方向に分
岐されつつ放出されることにより微細且多数の通気孔が
形成されるとともに、略600乃至900℃の焼成温度
域では主に粘土質分の焼成固化により、且略900乃至
1050℃の焼成温度域では火山ガラス分の熔化による
実用使用に耐えうる保形性が付与される。加えて該通気
孔の孔径及び形成度合即ち気孔率は、石炭粉体の粒径並
びにその配合割合によって20乃至90%の広範囲に形
成しえるとともに、気孔率が小さく且通気孔径を大きく
形成すると透水性が発揮され、且気孔率が大きく而も通
気孔径を小さく形成させることにより、吸音性や断熱
性、調湿性或いはガス吸着性等を発揮せしめられる。
【0015】
【実施例】以下に本発明実施例を図とともに詳細に説明
すれば、本発明は吸水性を初め透水性、吸音性、断熱
性、調湿性、消臭性、抗菌性等の機能に加えて耐水性、
耐火性、耐候性或いは軽量性等の特性も具備する多機能
性素材及びその製造方法を提供するものであるから、使
用する原料素材としても該機能に沿った特性を有するも
のが好都合であり、且所要の形状及び寸法に成形加工し
える成形性と実用使用に供しえる保形性所謂実用使用強
度の実現しえるものが要請される。加えて本発明ではそ
の多機能性を付与せしめるうえから、原料素材に燃焼ガ
スを生成せしむる石炭粉体を配合分散せしめて、該燃焼
ガスの揮散放出により微細且多数の通気孔を形成させる
技術思想を採用している。
【0016】かかることから原料素材の一つとしてゼオ
ライト鉱石が選択されるもので、該ゼオライト鉱石には
その主体となるゼオライト結晶体所謂クリノプチトライ
ト若しくはモルデナイトが本質的にガス吸着作用、イオ
ン交換作用、分子ふるい作用、触媒作用或いは吸湿作用
等を保持するとともに、モンモリロナイトを主成分とす
る粘土質分も略20乃至40%重量程度含有するもので
あり、更なる選択の理由としてはゼオライト鉱石の成分
組成が二酸化珪素65乃至75%重量に酸化アルミニウ
ム10乃至15%重量であってシリカ−アルミナ系セラ
ミックス素材と略同等の組成を有するばかりか、採掘鉱
床の条件によっては酸化鉄を初め酸化チタン、酸化コバ
ルト、酸化マンガン、酸化ニッケル若しくは酸化銅等の
遷移元素酸化物を微量に含有するもので、特に該遷移元
素酸化物が少なくとも2種類以上好ましくは3種類以上
で且それぞれが少なくとも0.1%重量割合以上で而も
最大12%重量割合以下に含有されてなるものにおいて
は、外部温度エネルギーを吸収し変換のうえ水分子を有
効に励起して一重項酸素、スーパーオキシド、ヒドロキ
シラジカル、若しくは過酸化水素等の酸化分解力を持つ
活性酸素を創出せしめ、或いはペニングイオン化作用を
創出して臭気分子の分解消去や細菌類並びに黴菌類の細
胞の生理機能を阻害しえることから、消臭性や抗菌性を
実現することが可能となることによる。因みにその成分
組成において二酸化珪素69.9%重量、酸化アルモニ
ウム12.7%重量で且遷移元素酸化物として酸化第二
鉄0.84%重量及び酸化チタン0.18%重量のゼオ
ライト鉱石の電磁波放射特性は表1の如くである。
【0017】
【表1】
【0018】今一つの原料素材としては頁岩が選択され
るもので、該頁岩はゼオライト鉱石の採掘に混在して産
出されるばかりか、石英や長石或いは曹長石を主体とす
る火山ガラスに、カオリナイトを主成分とする粘土質分
が略10乃至20%重量割合で含有されてなるもので、
特に該頁岩の採用は実用使用に際して高い保形性即ち実
用使用強度が要請される場合に好適である。
【0019】図1は本発明の製造工程説明図であって、
該工程説明図に従い説明すれば、選択されたゼオラオト
鉱石若しくは頁岩は所要の形状及び寸法に成形加工を施
すうえから微粉状に粉砕してゼオライト鉱石粉体1A若
しくは頁岩粉体1Bとして使用されるもので、これは成
形に際し該ゼオライト鉱石粉体1A若しくは頁岩粉体1
Bに所要割合で配合される石炭粉体1Cとの均質な分散
を図ること、及び成形圧力に対応した成形性を付与せし
めるうえから適宜割合で添加される水1Dを短時に吸水
せしめて吸水粘性並びに可塑性を創出せしめること、或
いは成形圧力に対応した緻密構造の成形物4を形成させ
る必要上によるもので、これがためには該ゼオライト鉱
石粉体1A若しくは頁岩粉体1Bの粒径は最大でも1m
m以下に粉砕される。
【0020】他方該ゼオライト鉱石粉体1A若しくは頁
岩粉体1Bに配合される石炭粉体1Cは、焼成6におい
て完全な燃焼により燃焼ガスを生成せしめるもので、石
炭の種類としては焼成温度で完全に燃焼するものであれ
ば特段の制限はないが、一般的には瀝青炭で且望ましく
は4200乃至6200kcal/kgの燃焼エネルギ
ーを持つものが好適である。石炭粉体1Cの粒径及び配
合割合は、使用する原料素材の特性に加えて本発明品7
の機能や特性に極めて大きな影響を及ぼす要素であっ
て、該石炭粉体1Cの燃焼による燃焼ガスの生成とその
揮散放出に伴い形成される微細且多数の通気孔7Aが、
その通気孔径が小さく且大多数形成される場合には吸水
性を初め吸音性、断熱性、調湿性、吸湿性、ガス吸着性
等の機能発揮が十分になされるとともに軽量化も大きく
図られる。反面通気孔径が大きく且少数で形成される場
合には、透水機能が大きく発揮されることから透水性建
材や土木資材或いは濾過材としての利用が可能となる。
【0021】石炭粉体1Cの燃焼に伴う燃焼ガスの揮散
放出で形成される通気孔7Aの形成態様は、成形物の成
形圧力や焼成温度によっても多少異るが、石炭粉体1C
の近傍では該石炭粉体1Cの粒径の略1.5乃至1,7
倍程度の燃焼空隙70Aが形成されるとともに、その燃
焼ガスは成形物4の外表面に向かって多方向に分岐しつ
つ細孔化し、成形物4の外表面における放出孔径70B
は石炭粉体1Cの粒径の略1/10乃至1/15程度で
形成されるものである。一般的に形成される通気孔7A
の通気孔径が100μmを超えると透水性が著るしく増
大するものであり、且あまり石炭粉体1Cの粒径が大き
くなると成形物4の成形性や保形性を阻害する結果とも
なることから、該石炭粉体1Cの粒径も最大1mm以下
に粉砕したものが使用されるものである。従ってこの通
気孔7Aの通気孔径の調整は石炭粉体1Cの粒径によ
り、更に通気孔7Aの形成数については石炭粉体1Cの
配合割合でなされるもので、特に通気孔7Aの形成数は
気孔率を以って管理することが至便である。当然のこと
ながら該気孔率とはJISに規定されてなる如く飽水重
量−乾燥重量を、飽水重量−水中重量の値で除した10
0分率で求められる。石炭粉体の配合割合と形成される
気孔率の関係は、石炭粉体の粒径や焼成温度及び成形圧
力等によって多少異るが、平均粒径が60μmの石炭粉
体で且1000℃の焼成温度では、石炭粉体を10乃至
60%重量割合に変化させた場合の気孔率は略20乃至
90%程度に変化するものである。
【0022】かくしてゼオライト鉱石粉体1A若しくは
頁岩粉体1Bに所要の割合で石炭粉体1Cが配合された
るうえは、相互を分散させるとともに吸水粘性と可塑性
による成形性を付与せしめた成形原料1を形成するた
め、適宜割合の水1Dを添加のうえ予め混練1Eがなさ
れる。かかる場合の水1Dの添加割合は原料素材とその
粒径や石炭粉体1Cの配合割合及び成形方法によっても
異るが、原料素材がゼオライト鉱石粉体1Aの場合では
略25乃至35%重量割合が、更に頁岩粉体1Bの場合
では略15乃至25%重量割合が目安となる。混練1E
に際しても特段の制約はなく、通常はリボンブレンダー
やヘンシェルミキサー等が使用される。
【0023】かかる如く形成された成形原料1を用いて
所要の形状及び寸法の成形物4を成形する手段としては
押出成形機2を用いた押出成形法とプレス成形機3を用
いたプレス成形法が挙げられる。押出成形法における押
出成形機2は、その内部に成形原料1を加圧移送させ且
その成形圧力が20乃至300kg/cmで押出成形
できるものであれば特段制約はなく、通常では真空土練
機等が使用できる。そして該押出成形機2内で加圧移送
された成形原料1は、その先端に設けた所要形状及び寸
法に形成された成形金型20より所要の形状及び寸法で
吐出成形されながら成形物4が連続的に形成される。他
方プレス成形機3を用いたプレス成形法においては、所
要の形状及び寸法に形成された成形雌型3Aと該成形雌
型3A内に嵌入しえる成形雄型3Bを有するプレス成形
機3を用い、成形雌型3A内に成形原料1を填入のう
え、20乃至300kg/cmの成形圧力を以って所
要の形状及び寸法の成形物4が形成される。そして成形
物4の成形に際して留意すべきは、ゼオライト鉱石粉体
1Aが原料素材として用いられた成形原料1においては
添加される水1D添加量も多く、十分な吸水粘性と可塑
性が付与されてなるため、その成形圧力も20乃至30
0kg/cmで十分成形しえるが頁岩粉体1Bが原料
素材としてもちいられた成形原料1においては、添加さ
れる水1Dの添加量が少なく吸水粘性や可塑性が少ない
ものの、頁岩の特質として内包する水分により加圧粘性
が創出されることから、成形圧力も最低60kg/cm
以上で成形することにある。
【0024】更に押出成形法においては、成形に際して
の成形圧力が押出成形機2内の成形原料1に付加された
まま成形金型20より所要の形状及び寸法で吐出成形さ
れるものであるから、該成形金型から吐出成形された時
点で、成形物4に付加されていた成形圧力が除圧される
ため、成形物4が膨脹変形したり成形歪みや成形斑を発
生する危険が生ずる。これの解決のための手段として吐
出成形された成形物4を更にセルローラー2Aに挟入さ
せて、膨脹変形や成形歪みあるいは成形斑の補整がなさ
れる。ここでセルローラー2Aは図2に示すように吐出
成形された成形物4を載置移送させるベルトコンベア2
0Aと、該ベルトコンベア20Aと接触しつつ同速で回
転し且成形物4の所定の形状及び寸法に適合した挟入間
隙20Bを形成するよう配された挟入ロール20Cとか
ら構成されてなるもので、通常該セルローラー2Aでの
補整は成形物4の幅若しくは厚さに対し最大3%以内の
範囲でなされる。無論該セルローラー2Aには長尺状に
形成される成形物4が挟入されるものであるから、その
後端適宜位置には所要の長さにカットするカッター20
Dが設けておくことが望まれる。
【0025】所要の形状及び寸法に成形され若しくは補
整された成形物4は、その残留水分率が1%重量割合以
下となるまで乾燥5がなされるもので、乾燥手段として
は特段の制限は無いが一般的な自然乾燥では極めて長時
間を要するため、温風乾燥や特には真空乾燥が能率的で
且確実な乾燥5を図るうえで好適である。かかる場合に
肝要なことは、成形物4には少なくとも15%重量から
最高35%重量程度の水分が含有されてなるため、急激
な乾燥をなすと成形物4に亀裂や変形が生じ、引続いて
なされる焼成も不能となることから、真空乾燥において
は0.1乃至0.2気圧/時間の減圧勾配を以って乾燥
することであり、更に温風乾燥においてもせいぜい40
乃至80℃程度の温風でおこなうことが望まれる。
【0026】乾燥5のなされた成形物4は、分散されて
なる石炭粉体1Cを燃焼させて生成される燃焼ガスの揮
散放出に伴う微細且多数の通気孔7Aの形成、並びにそ
の粘土質分の焼成固化或いは火山ガラスの熔化による実
用使用に供しえる保形性所謂実用使用に耐えうる強力を
保持させるために焼成6がなされる。この焼成6は少な
くとも600℃以上の温度で且最高1050℃の温度範
囲でなされるが、かかる理由は石炭粉体1Cが完全に燃
焼しえる温度が略450乃至500℃であること、及び
原料素材に含有されてなる粘土質分の焼成固化が略60
0乃至900℃でなされることであり、更に火山ガラス
においては900乃至1050℃で熔化がなされるとと
もに、1050℃を超えると熔融により焼成6された本
発明品7の変形や機能及び特性も阻害される結果となる
ことによる。
【0027】そして該焼成6に際して留意すべきは、成
形物4はその原料素材がゼオライト鉱石粉体1Aや頁岩
粉体1B等無機質からなる熱伝導性の悪い素材からな
り、而も成形物4は板状を初め角棒、丸棒状或いは管状
等の肉厚で多様な形状に成形されるものであるから該成
形物4を直接焼成6させると、成形物4の外表面と内部
とに著るしい温度差が生じ亀裂の発生や破損或いは変形
が招来されて本発明品7の形成に至らない。そこで焼成
6に際しては、その焼成温度に至るまで昇温勾配を以っ
て昇温加熱させつつ、成形物4の外表面と内部との温度
差を可能な限り小ならしめて焼成6がなされるもので、
成形物4の原料素材や成形条件により多少異なるが、昇
温勾配としては40乃至80℃/時間が好適である。焼
成6のための焼成炉については特段に制約はなく、昇温
管理や焼成温度管理のなしえる焼成炉であれば十分に使
用できる。かかる焼成6をなすことにより所望の機能及
び特性を有する本発明品7が作成される。
【0028】以下に本発明により作成した板状素材につ
いての物性並びに機能について述べれば、比重2.1の
頁岩をその平均粒径が600μmに粉砕して頁岩粉体と
なし、且亜瀝青炭(6200kcal/kg)をその平
均粒径を60μmに粉砕して石炭粉体となし、頁岩粉体
に対して該石炭粉体を10乃至60%重量割合でそれぞ
れ配合したうえ水を添加し15分間分散混練して成形原
料を作成した。この成形原料をそれぞれプレス成形機に
より300kg/cmの成形圧力を以って縦30c
m、横30cm、厚さ1cmの板状成形物となし、且6
0℃の温風でその残留水分率が1.0%以下となるまで
乾燥し、而してその昇温勾配が50℃/時間で昇温のう
え1030℃で2時間焼成させて作成した本発明板状素
材の物性は表2の通りであって、著るしく高い吸水性を
保持することが確認される。
【0029】
【表2】
【0030】更に表2における頁岩粉体70%重量、石
炭粉体30%重量の組成で気孔率48.8%の板材を試
料として、JISA1420に準じて断熱性試験、及び
JISA1416に準じて吸音性所謂音響透過損失試験
を行ったもので、断熱性試験の試験方法は、厚さ1cm
の合板材で縦1m横1m長さ2mの密閉箱を作成し、長
さ方向の中央に試料を接合立設させて密閉箱内を2区画
とし、一方区画内を0℃に保持せしめ且時間経過ととも
に他区画内の温度変化を測定した。加えて吸音性試験に
おける試験方法は、厚さ3cmでその内径が30cm、
長さ1mのコンクリート管材2本を用い、その中間が試
料で遮断されるよう該コンクリート管材を連接させ、一
方側より所定強度の音量(dB)を発生させて他方側に
おける遮断音量の強度(dB)を測定したもので、その
結果は表3の如く断熱性や吸音性に著るしく優れている
ことが確認される。
【0031】
【表3】
【0032】次に本発明品の消臭性並びに抗菌性試験結
果を報告すれば、試験に用いた試料はその成分組成が二
酸化珪素69.9%重量に酸化アルミニウム12.7%
重量、及び遷移元素酸化物としての酸化第二鉄0.84
%重量並びに酸化チタン0.18%重量割合で含有する
ゼオライト鉱石を、その平均粒径が600μmに粉砕し
てなるゼオライト鉱石粉体に、その平均粒径が60μm
に粉砕された亜瀝青炭からなる石炭粉体を20%重量割
合で配合のうえ、水を添加し且分散混練させて成形原料
となしたうえ、プレス成形機で100kg/cmの成
形圧力を以って縦30cm横30cm厚さ1cmの板状
成形物を作成し、且60℃の温風で残留水分率が1.0
%重量となるまで乾燥し、而してその昇温勾配が50℃
/時間で昇温のうえ900℃2時間焼成し、気孔率4
0.1%のものを用いた。消臭性の試験方法は、その内
容積が0.9mの発泡スチロール製密閉箱を用い、そ
の内部に試料を配置したうえアンモニアガス、メチルメ
ルカプタンガス及び硫化水素ガスの3種をそれぞれ所要
濃度で充填封入のうえ、経過時間毎にその残留ガス濃度
を測定したもので、対照として同等の発泡スチロール製
密閉箱のみの場合の残留ガス濃度を測定したもので結果
は表4の通りで、本発明品の優れた消臭性が確認され
る。
【0033】
【表4】
【0034】抗菌性試験には試験菌としてEscher
ichia coli(大腸菌)及びStaphylo
coccus aureus(黄色ブドウ球菌)を用
い、該試験菌をBBL社寒天平板培地で35℃18乃至
24時間培養し、発育集落を滅菌蒸留水に懸濁して略1
CFU/mlになるよう調整して試験菌懸濁液を作
成した。試料としては前記ゼオライト鉱石粉体を用いて
作成した板材を使用し、試験方法としては試料片(5×
5cm)の表面に0.1mlの試験菌懸濁液を均一に接
触させ、その上に5×5cmのポリエチレン製フィルム
を載せ、光線照射のもと湿度95%、温度27℃で24
時間、48時間及び72時間経過後、蒸留水10mlで
試料片の表面の付着菌を洗い落としこの洗浄液の希釈列
を作成し、寒天培地との混合平板とし培養後の発生集落
数を測定した。尚対照試料としてはポリエチレンシート
(5×5cm)を使用したもので、結果は表5の如く極
めて優れた抗菌が発揮される。
【0035】
【表5】
【0036】
【発明の効果】本発明は上述の如く、原料素材として使
用するゼオライト鉱石や頁岩にはモンモリロナイトやカ
オリナイトからなる粘土質分が含有されており、且これ
ら原料素材はその粒径が1mm以下に粉砕された粉体で
使用され、而も該原料素材には更にその粒径が1mm以
下に粉砕された石炭粉体が10乃至60%重量割合で配
合されるものであるから、適宜割合の水の添加により原
料素材の粘土質分が吸水粘性を創出し相互の均質な分散
混練がなされるとともに、所要の形状及び寸法にも自在
に成形しえる可塑性も保持した成形原料が作成しえる。
そしてこの成形原料を20乃至300kg/cmの成
形圧力で所要の形状及び寸法に成形するため、成形物に
保形性が付与されて生産時における取扱性が高まるとと
もに形崩れも防止され、且焼成に際して分散されてなる
石炭粉体の燃焼ガスの揮散放出も容易になされる。而も
この成形物の含有水分率を1.0%以下に乾燥させる場
合にも、0.1乃至0.2気圧/時間の減圧勾配による
真空乾燥を用いると、成形物の亀裂や変形を発生させる
ことなく極めて短時間で乾燥がなされ、生産性が著るし
く向上する。加えて該乾燥された成形物は40乃至80
℃/時間の昇温勾配を以って昇温加熱させながら600
乃至1050℃の焼成温度で所要時間焼成がなされるた
め、成形物の外表面と内部との温度差が少ない状態で焼
成されることとなり、焼成時の亀裂や損傷、変形等の防
止がなされ生産収率の高い生産がなされる。そして石炭
粉体の配合割合とその粒径を変えることにより、気孔率
において20乃至90%にも及ぶ範囲で且形成される通
気孔径も、その放出孔径において極めて微細なものから
最大60乃至100μm程度まで自在に形成できるた
め、気孔率が高く微細且多数の通気孔の形成されたもの
では吸水性はもとより断熱性、吸音性、吸湿性、調湿性
等の機能が著るしく発揮されるとともに、原料素材本来
の耐水性、耐火性、耐候性等の特性とともに軽量化も実
現され、特にゼオライト鉱石粉体を使用した場合にはガ
ス吸着性とともに、放射電磁波による水分子の励起作用
に伴い消臭性や抗菌性も発揮されるため、建材としての
利用に際しても新たに結露防止や消臭抗菌空間の実現、
省エネルギー、或いはハウスシック対策等が可能とな
る。加えて通気孔径を大きく形成させることにより透水
性が発揮されるため、エヤーフィルター材や濾過材等広
範囲の利用が図れる等、優れた特長を具備した多機能性
素材及びその製造方法といえる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程説明図である。
【図2】セルローラーの説明図である。
【図3】成形物の説明図である。
【図4】本発明品の説明図である。
【図5】本発明品の他の例示図である。
【図6】本発明品の断面拡大説明図である。
【符号の説明】
1 成形原料 1A ゼオライト鉱石粉体 1B 頁岩粉体 1C 石炭粉体 1D 水 1E 混練 2 押出成形機 20 成形金型 2A セルローラー 20A ベルトコンベア 20B 挟入間隙 20C 挟入ロール 3 プレス成形機 3A 成形雌型 3B 成形雄型 4 成形物 5 乾燥 6 焼成 7 本発明品 7A 通気孔 70A 燃焼空隙 70B 放出孔径
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 時田 一男 北海道釧路市興津5丁目2番23号 太平洋 炭礦株式会社釧路鉱業所内 (72)発明者 安部 征幸 北海道釧路市興津5丁目2番23号 太平洋 炭礦株式会社釧路鉱業所内 (72)発明者 熊沢 徳昭 北海道釧路市興津5丁目2番23号 太平洋 炭礦株式会社釧路鉱業所内 (72)発明者 小林 享 北海道釧路市興津5丁目2番23号 太平洋 炭礦株式会社釧路鉱業所内 Fターム(参考) 4G019 LA01 LA05 LB01 LD02 4G066 AA14D AA15B AA20B AA22B AA23B AA26B AA27B AA61A AA66A AC08A BA09 BA20 BA25 BA35 CA02 CA20 DA03 EA20 FA03 FA21 FA25 FA27 FA33 FA34 FA35 FA37 FA38 FA40

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒径1mm以下に粉砕されたゼオライ
    ト鉱石粉体に、その粒径が1mm以下に粉砕されてなる
    石炭粉体が10乃至60%重量割合で配合され、且20
    乃至300kg/cmの成形圧力で所要の形状及び大
    きさの成形物に成形させたうえその温度が600乃至1
    050℃で焼成し以って曲げ強力25kg/cm以上
    で而も気孔率が20乃至90%に形成されてなることを
    特徴とする多機能性素材。
  2. 【請求項2】 粒径が1mm以下に粉砕された頁岩粉
    体に、その粒径が1mm以下に粉砕されてなる石炭粉体
    が10乃至60%重量割合で配合され、且60乃至30
    0kg/cmの成形圧力で所要の形状及び大きさの成
    物に成形させたうえその温度が900乃至1050℃で
    焼成し、以って曲げ強力65kg/cm以上で而も気
    孔率が20乃至90%に形成されてなることを特徴とす
    る多機能性素材。
  3. 【請求項3】 ゼオライト鉱石粉体の主たる成分組成
    が二酸化珪素65乃至75%重量、酸化アルミニウム1
    0乃至15%重量で、且酸化鉄、酸化チタン、酸化コバ
    ルト、酸化マンガン、酸化ニッケル若しくは酸化銅から
    選ばれる遷移元素酸化物の少なくとも2種類以上が、そ
    れぞれ0.1%重量以上で且全体でも12%重量割合以
    下の組成からなる請求項1記載の多機能性素材。
  4. 【請求項4】 粒径が1mm以下に粉砕されたゼオラ
    イト鉱石粉体に、その粒径が1mm以下に粉砕されてな
    る石炭粉体が10乃至60%重量割合で配合されたう
    え、この全体量に対して水を18乃至30%重量割合添
    加のうえ混練して成形原料となし、且20乃至300k
    g/cmの成形圧力を以ってプレス成形若しくは押出
    成形法により所要の形状及び大きさの成形物となしたる
    うえその残留水分率が1%重量以下となるまで乾燥し、
    而してその昇温勾配が40乃至80℃/時間の割合で昇
    温し且600乃至1050℃の温度で所要時間焼成させ
    ることを特徴とする多機能性素材の製造方法。
  5. 【請求項5】 粒径が1mm以下に粉砕された頁岩粉
    体に、その粒径が1mm以下に粉砕されてなる石炭粉体
    が10乃至60%重量割合で配合されたうえ、この全体
    量に対して水を10乃至20%重量割合添加のうえ混練
    して成形原料となし、且60乃至300kg/cm
    の成形圧力を以ってプレス成形若しくは押出成形法によ
    り所要の形状及び大きさの成形物となしたるうえその残
    留水分が1%重量以下となるまで乾燥し、而してその昇
    温勾配が40乃至80℃/時間の割合で昇温し、且90
    0乃至1050℃の温度で所要時間焼成させることを特
    徴とする多機能性素材の製造方法。
  6. 【請求項6】 乾燥が真空乾燥によりなされ、且その
    減圧勾配が0.1乃至0.2気圧/時間である、請求項
    3若しくは請求項4記載の多機能性素材の製造方法。
  7. 【請求項7】 押出成形法により成形される成形物
    を、更にセルローラーに挟入させ、成形物に内在する成
    形歪、成形斑を除去する請求項3若しくは請求項4記載
    の多機能性素材の製造方法。
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