JP2000085698A - 微小重力下または無重力下における電機機器の係止方法及び電機機器及び電機機器の担持機構 - Google Patents

微小重力下または無重力下における電機機器の係止方法及び電機機器及び電機機器の担持機構

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JP2000085698A
JP2000085698A JP10255896A JP25589698A JP2000085698A JP 2000085698 A JP2000085698 A JP 2000085698A JP 10255896 A JP10255896 A JP 10255896A JP 25589698 A JP25589698 A JP 25589698A JP 2000085698 A JP2000085698 A JP 2000085698A
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Yasuyuki Yamagiwa
康之 山際
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 宇宙空間において電機機器の係止が容易な方
法と、係止に容易な構成の電機機器、および電機機器を
容易に係止できる担持機構を提供する。 【解決手段】 平面部3Pの端縁から立ち下がる側壁部
3Dを有する基台3の、平面部3P表面に平坦な係止面
3A、3Bが形成され、この係止面3A、3Bを除いた
任意の位置に部品4〜8が取り付けられた電機機器1
の、側壁部3Dの下端を、担持機構2の凹部2Aへ嵌挿
し、担持機構2の二基の係止腕部9A、9Bを、凹部2
Aに嵌挿されている電機機器1の係止面3A、3Bにそ
れぞれ当接させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、微小重力環境下ま
たは無重力下において組立または分解がなされる電機機
器の係止方法および電機機器および当該電機機器の担持
機構に関し、とりわけ宇宙空間で担持されて組立作業ま
たは分解・調整作業が施される電機機器の係止方法およ
び電機機器の構成および当該電機機器を担持する担持機
構に関するものである。
【0002】
【従来の技術】宇宙空間で部品などの電機機器に加工を
加えるために、作業枠や壁面に設けられた担持機構に電
機機器を担持させるが、このような宇宙空間においては
地上におけると異なり、微小重力環境または無重力環境
におかれることによって作業する電機機器が浮遊しやす
いから、電機機器を担持機構に担持させた上、担持機構
に電機機器を係止する必要がある。
【0003】従来技術では、加工される電機機器のベー
ス部分を担持機構にネジ止めして担持機構に係止してい
た。したがって宇宙船内の作業者は、電機機器を担持機
構の所定の位置近傍に運ぶ作業と、ついで電機機器のベ
ース部分を位置決めする作業と、ベース部分を所定位置
に嵌めこむ作業と、さらにネジを手に掴んでベース部分
に設けられたネジ穴に挿入する作業と、工具を手に掴ん
でネジ目にあてがい螺旋して締める作業を順に実行する
必要があった。
【0004】さらに、加工が施された後に加工済電機機
器を回収するには、工具を手に掴んでネジ目にあてがい
螺旋して緩める作業と、緩めたネジを手に掴んでネジ穴
から引き抜き、ネジを回収して所定位置に格納する作業
と、加工済電機機器を担持機構から取り外す作業を順に
実行する必要があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】ところで前記のような
各作業は、重力の作用下にある地上での作業から類推し
て容易なものに認識されがちであるが、宇宙空間では微
小重力の作用下または無重力下にあり、よって状況は一
変することになる。
【0006】たとえば上記の一連の作業について、ネジ
収納箱からネジを指先で掴んで取り出す際、ネジを取り
落とすと地上であればネジは収納箱内に落ちて戻り、逸
散することがないが、微小重力の作用下または無重力下
の宇宙空間では指先がネジに僅かでも運動量を与える
と、ネジが極めて容易に収納箱から飛び出し、キャビン
内を浮遊する。そして浮遊するネジの捕獲に苦労するこ
とになる。この結果、作業効率が低下して作業者の疲労
が増大し、作業時間も長くなる。
【0007】このため、指先がネジを逸散させないよう
に細心の注意を払って作業を進めなければならず、やは
り作業効率が低下して作業者の疲労が増大し、作業時間
も長くなるという問題があった。またネジを加工済電機
機器から抜き出して収納箱に収納する場合にも、同様の
問題が生じていた。
【0008】さらに上記の問題はネジ回しなどの工具の
操作においても同様に発生し、しかも加工開始前のネジ
締め開始時の工具の取出し、およびネジ締め完了時の工
具の収納という、2度の取り扱い作業が必要である。さ
らに、加工完了後においてもネジ緩め作業開始時の工具
の再取出し、およびネジ緩め完了時の工具の再収納とい
う、さらに2度の取り扱い作業が必要である。このよう
に、結局4度の工具取扱い操作が必要となるから、その
都度前記の工具の、微小重力または無重力下での逸散や
浮遊に対処した作業が必要となる。
【0009】さらに、電機機器の移動と、担持機構の所
定の位置への配置作業についても、電機機器の質量が大
であっても微小重力の作用下または無重力下では容易に
移動するから、手先で移動したときに手を離すと、手先
によって与えられた運動量が若干でも残存していれば容
易に位置がずれるという問題があった。
【0010】前記のように、宇宙空間では実験用機器を
はじめ、コンピュータ、ビデオ、オーディオ機器や大型
の機構物等を組立て、調整する作業や修理のための分解
作業が極めて困難となっていた。
【0011】元来、キャビン内の作業者の作業量を減ら
し、作業時間を短縮して効率化するとともに体力消耗を
避け、かつ酸素消費量を抑えることは、宇宙空間での作
業の鉄則である。したがって、係止のためのネジのよう
な補助部品の数を削減し、また必要な工具の数および取
り扱い頻度を削減することが不可欠であり、このため電
機機器の係止の方法をはじめ、電機機器の構成と形状、
さらに電機機器を担持して係止する担持機構の構成と形
状が宇宙空間での作業に適するように構成されている必
要があるが、上記のように従来の技術は必ずしもこの条
件を満たし得るものではなかった。
【0012】本発明は、前記のような従来技術における
問題点を解決するためなされたもので、宇宙空間におい
て電機機器の係止が容易な方法と、係止に容易な構成の
電機機器、および電機機器を容易に係止できる担持機構
を提供することを目的とするものである。
【0013】
【課題を解決するための手段】以下、本発明の手段を説
明する。前記従来技術の課題を解決するため、本発明の
請求項1に係る電機機器の係止方法は、平面部および当
該平面部の端縁から立ち下がる側壁部を有する基台を備
え、前記平面部の端縁から当該平面部内側に向けて当該
平面部表面に平坦な係止領域が少なくとも二個所形成さ
れ、かつ前記基台の前記各係止領域を除いた任意の位置
に取付部品が取り付けられた電機機器の、当該側壁部の
少なくとも下端を、前記側壁部の少なくとも下端が嵌挿
可能な凹部を備える担持機構の、当該凹部へ前記電機機
器の前記側壁部の少なくとも下端を嵌挿し、こののち、
前記担持機構に備えられた、前記電機機器の前記少なく
とも二個所の前記係止領域と当接可能な少なくとも二基
の係止腕部を、前記凹部に嵌挿されている前記電機機器
の前記少なくとも二個所の前記係止領域にそれぞれ当接
させることを特徴とする。
【0014】前記の方法によれば、担持機構の凹部の壁
によって電機機器の側壁部の少なくとも下端が拘束さ
れ、電機機器の位置の確定がなされて位置ずれの発生が
排除される。さらに係止腕部が係止領域に当接されるこ
とによって電機機器が担持機構の凹部に係止される。さ
らに係止領域が少なくとも二個所、また係止腕部が少な
くとも二基備えられることで、係止された電機機器の回
転モーメント発生が抑止される。
【0015】本発明の請求項2に係る電機機器は、平面
部および当該平面部の端縁から立ち下がる側壁部を備え
る基台と、当該基台上に取り付けられた取付部品を備え
る電機機器であって、前記平面部の端縁から当該平面部
内側に向けて当該平面部表面に平坦な係止領域が少なく
とも二個所形成され、かつ前記取付部品は前記各係止領
域を除いた任意の位置に取り付けられたことを特徴とす
る。
【0016】前記の構成によれば、基台の平面部の端縁
から内側に向けて形成された平坦な係止領域に、外部の
係止機構が容易に当接され、電機機器の係止がなされ
る。また平坦な係止領域が少なくとも二個所形成される
から、回転モーメントが発生せず電機機器の安定した係
止がなされる。また係止領域を外して取付部品が取り付
けられていることで、取付部品が係止作用の障害になら
ない。
【0017】本発明の請求項3に係る担持機構は、平面
部と、当該平面部の端縁から立ち下がる側壁部と、前記
平面部の端縁から当該平面部内側に向けて当該平面部表
面の少なくとも二個所に形成された平坦な係止領域とを
有する基台を備える電機機器を担持する担持機構であっ
て、前記電機機器の前記側壁部の少なくとも下端部を嵌
挿する凹部と、前記電機機器が前記凹部に嵌挿された状
態で前記電機機器の前記平坦な各係止領域の表面に当接
する少なくとも二基の係止腕部とを備えることを特徴と
する。
【0018】前記の構成によれば、凹部に電機機器の基
台側壁部の少なくとも下端部が嵌挿されて担持されるこ
とによって電機機器の位置決めがなされ、また電機機器
の位置のずれが抑止される。さらに係止腕部によって電
機機器の係止および係止解除がなされる。また係止腕部
が少なくとも二基備えられることで、係止された電機機
器の回転モーメント発生が抑止される。
【0019】本発明の請求項4に係る電機機器の係止方
法は、平面部および当該平面部の端縁から立ち下がる側
壁部を有する基台を備え、当該側壁部の少なくとも二個
所に係止孔が形成され、かつ前記基台の任意の位置に取
付部品が取り付けられた電機機器の、当該側壁部の少な
くとも下端を、前記側壁部の少なくとも下端が嵌挿可能
な凹部を備える担持機構の、当該凹部へ前記電機機器の
前記側壁部の少なくとも下端を嵌挿し、こののち、前記
担持機構に備えられた、前記電機機器の前記少なくとも
二個所の前記係止孔に嵌合可能な係止嵌合片を、前記凹
部に嵌挿されている前記電機機器の前記少なくとも二個
所の前記係止孔に嵌合させることを特徴とする。
【0020】前記の方法によれば、担持機構の凹部の壁
によって電機機器の側壁部の少なくとも下端が拘束さ
れ、電機機器の位置の確定がなされて位置ずれの発生が
排除される。さらに係止嵌合片が係止孔に嵌合されるこ
とによって電機機器が担持機構の凹部に係止される。さ
らに係止孔が少なくとも二個所、また係止嵌合片が少な
くとも二基備えられることで、係止された電機機器の回
転モーメント発生が抑止される。
【0021】本発明の請求項5に係る電機機器は、平面
部および当該平面部の端縁から立ち下がる側壁部を有す
る基台を備え、当該基台の任意の位置に取付部品が取り
付けられた電機機器であって、前記側壁部に係止孔が少
なくとも二個所形成されたことを特徴とする。
【0022】前記の構成によれば、基台の側壁部に形成
された係止孔に外部の係止嵌合片が容易に嵌合され、電
機機器の係止がなされる。また係止孔が少なくとも二個
所形成されるから、回転モーメントが発生せず安定した
係止がなされる。
【0023】本発明の請求項6に係る担持機構は、平面
部と、当該平面部の端縁から立ち下がる側壁部と、当該
側壁部の少なくとも二個所に形成された係止孔を有する
基台を備える電機機器を担持する担持機構であって、前
記電機機器の前記側壁部の少なくとも下端部を嵌挿する
凹部と、前記電機機器が前記凹部に嵌挿された状態で前
記電機機器の前記各係止孔内に嵌合される少なくとも二
基の係止嵌合片とを備えることを特徴とする。
【0024】前記の構成によれば、凹部に電機機器の基
台側壁部の少なくとも下端部が嵌挿されて担持されるこ
とによって電機機器の位置決めがなされ、また電機機器
の位置のずれが抑止される。さらに係止嵌合片によって
電機機器の係止および係止解除がなされる。また係止嵌
合片が少なくとも二基備えられることで、係止された電
機機器の回転モーメント発生が抑止される。
【0025】本発明の請求項7に係る電機機器の係止方
法は、平面部および、当該平面部の端縁から立ち下がり
先端に向かい傾斜して狭まる側壁部を有する基台を備
え、前記平面部の端縁から当該平面部内側に向けて当該
平面部表面に平坦な係止領域が少なくとも二個所形成さ
れ、かつ前記各係止領域を除く前記基台の任意の位置に
取付部品が取り付けられた電機機器の、当該側壁部の少
なくとも下端部を嵌挿する、深さ方向に傾斜して狭まる
側壁部を有する凹部を備える担持機構の、当該凹部へ前
記電機機器の前記側壁部の少なくとも下端を嵌挿し、こ
ののち、前記担持機構に備えられた、前記電機機器の前
記少なくとも二個所の前記係止領域と当接可能な係止腕
部を、前記凹部に嵌挿されている前記電機機器の前記少
なくとも二個所の前記係止領域に当接させることを特徴
とする。
【0026】前記の方法によれば、電機機器側の傾斜し
て狭まる側壁部が担持機構側の傾斜して狭まる側壁部に
沿って誘導され、よって進路設定が容易になされる。つ
いで担持機構の凹部の壁によって電機機器の側壁部の少
なくとも下端が拘束され、電機機器の位置の確定がなさ
れる。さらに係止腕部が係止領域に当接されることによ
って電機機器が担持機構の凹部に係止される。さらに係
止領域が少なくとも二個所、また係止腕部が少なくとも
二基備えられることで、係止された電機機器の回転モー
メント発生が抑止される。
【0027】本発明の請求項8に係る電機機器は、平面
部および当該平面部の端縁から立ち下がる側壁部を備え
る基台に、取付部品が取り付けられた電機機器であっ
て、前記側壁部は立ち下がる先端に向けて傾斜して狭ま
り、前記平面部の端縁から当該平面部内側に向けて当該
平面部表面に平坦な係止領域が少なくとも二個所形成さ
れ、かつ前記取付部品は前記各係止領域を除く前記基台
の任意の位置に取り付けられたことを特徴とする。
【0028】前記の構成によれば、基台の側壁部が外部
の傾斜面に沿って押し込まれるだけで自動的に進路が誘
導され、位置決めがなされる。 また基台の平面部の端
縁から内側に向けて形成された平坦な係止領域に、外部
の係止機構が当接されて、電機機器の係止がなされる。
また平坦な係止領域が少なくとも二個所形成されること
で、回転モーメントが発生せず電機機器の安定した係止
がなされる。また係止領域を外して取付部品が取り付け
られていることで、取付部品が係止作用の障害にならな
い。
【0029】本発明の請求項9に係る担持機構は、平面
部と、当該平面部の端縁から傾斜を有して先端が狭まっ
て立ち下がる側壁部と、前記平面部の端縁から当該平面
部内側に向けて当該平面部表面の少なくとも二個所に形
成された平坦な係止領域とを有する基台を備える電機機
器を担持する担持機構であって、前記電機機器の前記側
壁部の少なくとも下端部を嵌挿する、深さ方向に傾斜し
て狭まる側壁部を備えた凹部と、前記電機機器が前記凹
部に嵌挿された状態で前記電機機器の前記平坦な各係止
領域の表面に当接する係止腕部とを備えることを特徴と
する。
【0030】前記の構成によれば、傾斜して狭まる凹部
の側壁部によって電機機器の側壁部の下端部が誘導さ
れ、進路設定が容易になされる。 さらに凹部に電機機
器の基台側壁部の少なくとも下端部が嵌挿されて担持さ
れることによって電機機器の位置決めがなされ、また電
機機器の位置のずれが抑止される。さらに係止腕部によ
って電機機器の係止および係止解除がなされる。また係
止腕部が少なくとも二基備えられることで、係止された
電機機器の回転モーメント発生が抑止される。
【0031】
【発明の実施の形態】以下、この発明の好適な実施形態
を添付図を参照して詳細に説明する。なお、以下に述べ
る実施形態は、この発明の本質的な構成と作用を示すた
めの好適な例の一部であり、したがって技術構成上好ま
しい種々の限定が付されている場合があるが、この発明
の範囲は、以下の説明において特にこの発明を限定する
旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものでは
ない。
【0032】図1は、本発明の電機機器の第1実施形態
の斜視図である。また図2は、本発明の担持機構の第1
実施形態の、図1に示される電機機器を担持した状態を
示す模式断面図である。
【0033】図1および図2に示されるように、本発明
に係る電機機器1は、平面部3Pと、この平面部3Pの
端縁から立ち下がる側壁部3Dを備える基台(シャー
シ)3と、側壁部3Dに囲まれた基台3の裏面に取り付
けられた機構部5と、基台3おもて面上に取り付けられ
た機構調整部6およびサブシャーシ4および回路基板8
を備える。
【0034】機構調整部6は、作業者が操作することに
よって機構部5の機能を調整することが可能に構成され
ている。
【0035】さらに平面部3Pの端縁から平面部3P内
側に向けて、この平面部3P表面上の対向する位置に、
平坦な係止面3A、3Bが係止領域として設けられてい
る。
【0036】一方、この電機機器1を担持する担持機構
2は、図2に示されるように、電機機器1の側壁部3D
を嵌挿する凹部2Aと、この凹部2Aの外側に配設され
た係止腕部9A、9Bを備える。
【0037】凹部2Aの深さは、基台3の側壁部3Dの
少なくとも下端部を嵌挿するものであればよく、あるい
は側壁部3Dの深さと同じ深さを備えるものであっても
よい。
【0038】さらに凹部2Aの外側にはピン10A、1
0Bが螺設され、ピン10A、10Bはそれぞれ係止腕
部9A、9Bの一端を緩るやかに貫通して、それぞれ係
止腕部9A、9Bを回動可能に構成されている。
【0039】この係止腕部9A、9Bの他端を、電機機
器1の基台3の平面部3P表面の二個所に形成された平
坦な係止領域3A、3Bにそれぞれ摺接して回動させる
と、係止面3Aと係止面3Bの表面に当接し、これによ
り基台3を凹部2A内に係止する。また逆方向に回動さ
せることにより、係止面3Aと係止面3Bの表面への当
接状態を解いて、基台3の係止を解除できる。
【0040】また係止腕部9A、9Bは、浮遊・位置ず
れ防止用固定治具として機能するものであり、よって前
記の構成以外にも、クランプ機構などを適用することも
可能である。
【0041】前記のように、電機機器1は基台3の平面
部3Pの端縁から内側に向けて平坦な係止面3Aと係止
面3Bを形成し、しかも機構部5、機構調整部6および
7、サブシャーシ4、回路基板8などの取付部品はこれ
ら係止面3Aと係止面3Bを外すように取り付けられる
から、係止面3Aと係止面3Bに係止腕部9A、9Bを
容易に当接させることができ、しかも上記の各取付部品
が障害になることがない。
【0042】また前記のように、担持機構2は電機機器
1の基台3をはめこみ担持する凹部2Aを備えることに
よって、電機機器1の位置決めが容易にでき、また電機
機器1の位置のずれを抑止することができる。さらに係
止腕部9A、9Bによって電機機器1を容易に係止で
き、同様に容易に係止解除ができるから、係止のための
補助部品等を必要とせず、また工具などを用いる必要が
ない。また、係止腕部9Aと9Bの二基によって電機機
器1を係止するから、電機機器1に外力が加わることが
あっても電機機器1の位置ずれを抑止するとともに電機
機器1の回転を抑えることができる。
【0043】つぎに電機機器1を担持機構2に取り付け
る方法を説明する。作業者は、電機機器1を担持機構2
まで搬送し、電機機器1の側壁部3Dの下端を担持機構
2の凹部2Aに合わせて嵌挿し、こののち、担持機構2
に備えられた二基の係止腕部9A、9Bを回動させ、係
止腕部9A、9Bの各端部を電機機器1の係止面3A、
3Bに当接させて係止する。
【0044】このように、電機機器1の側壁部3Dを嵌
挿した凹部2Aの壁によって電機機器1の位置を確定さ
せて位置ずれの発生を排除するとともに、係止腕部9
A、9Bを係止面3A、3Bに当接させることによって
電機機器1を担持機構2の凹部2Aに係止することがで
きる。また電機機器1の移動や回転を抑えることができ
る。
【0045】この結果、宇宙空間におけるような微小重
力または無重力環境下にあっても、電機機器1が担持機
構2から放れて浮遊することがなく、衝撃力や運動量が
加わっても安定した係止状態を継続することができ、よ
って組立加工や修理・調整を高い信頼性で実施すること
ができる。
【0046】さらに、前記の係止作業は電機機器1を担
持機構2まで運搬して凹部2Aに嵌挿し、ついで係止腕
部9A、9Bを回動させる操作をするのみであり、また
係止解除作業は係止腕部9A、9Bを逆方向に回動させ
て当接状態を開放する操作と、電機機器1を担持機構2
の凹部2Aから移動させる操作のみであるから、いずれ
も係止のための補助部品等を必要とせず、また工具など
を用いる必要が全くなく、よって補助部品や工具類のハ
ンドリングとこれらの操作一切を削除することができ、
作業時間を短縮できて高効率になるとともに、作業者の
疲労を軽減させることができる。
【0047】図3は、本発明の電機機器の第2実施形態
の斜視図である。また図4は、本発明の担持機構の第2
実施形態の、図3に示される電機機器を担持した状態を
示す模式断面図である。
【0048】図3および図4に示されるように、本発明
に係る電機機器11は、平面部13Pと、この平面部1
3Pの端縁から立ち下がる板で構成され、平面部13P
の端縁を一周して設けられた側壁部13Dを備える基台
(シャーシ)13と、側壁部13Dに囲まれた基台13
の裏面に取り付けられた機構部5と、基台13おもて面
上に取り付けられた機構調整部6およびサブシャーシ4
および回路基板8を備える。
【0049】機構調整部6は、作業者が操作することに
よって機構部5の機能を調整することが可能に構成され
ている。
【0050】さらに側壁部13Dの対向する二面には、
スリット状の係止孔13A、13Bが設けられている。
係止孔13Aと13Bは、スリットの長尺方向が平面部
3Pと平行になるよう開口されている。
【0051】一方、この電機機器11を担持する担持機
構12は、図4に示されるように、電機機器11の側壁
部13Dを嵌挿する凹部12Aと、この凹部12Aの外
側に配設された係止嵌合片19A、19Bを備える。
【0052】凹部12Aの深さは、基台13の側壁部1
3Dの少なくとも下端部を嵌挿するものであればよい。
【0053】さらに凹部12Aの外側にはピン20A、
20Bが螺設され、ピン20A、20Bはそれぞれ係止
嵌合片19A、19Bの一端を緩るやかに貫通して、そ
れぞれ係止嵌合片19A、19Bを回動可能に構成され
ている。ここで係止嵌合片19A、19Bの厚みは、ス
リット状の係止孔13A、13Bの短尺方向の長さを超
えないものとされる。
【0054】この係止嵌合片19A、19Bの他端を回
動させると、この端部がそれぞれ係止孔13A、13B
に嵌合し、これにより基台13を凹部12A内に係止す
る。また係止嵌合片19A、19Bを前記と逆方向に回
動させることにより、係止孔13A、13Bとの嵌合状
態を解いて、基台13の係止を解除できる。
【0055】また係止嵌合片19A、19Bは、浮遊・
位置ずれ防止用固定治具として機能するものであり、よ
って前記の構成以外にも、クランプ機構などを適用する
ことも可能である。
【0056】前記のように、電機機器11は基台13の
側壁部13Dにスリット状の係止孔13A、13Bを有
するから、担持機構12の係止嵌合片19A、19Bを
それぞれ係止孔13A、13Bに容易に嵌合させること
ができ、しかも基台13の寸法を小形にすることができ
る。
【0057】また前記のように、担持機構12は電機機
器11の基台13をはめこみ担持する凹部12Aを備え
ることによって、電機機器11の位置決めが容易にで
き、また電機機器11の位置のずれを抑止することがで
きる。さらに係止嵌合片19A、19Bによって電機機
器11を容易に係止でき、同様に容易に係止解除ができ
るから、係止のための補助部品等を必要とせず、また工
具などを用いる必要がない。また、係止嵌合片19Aと
19Bの二基によって電機機器11を係止するから、電
機機器11に外力が加わることがあっても電機機器11
の位置ずれを抑止するとともに電機機器11の回転を抑
えることができる。
【0058】つぎに電機機器11を担持機構12に取り
付ける方法を説明する。作業者は、電機機器11を担持
機構12まで搬送し、電機機器11の側壁部13Dの下
端を担持機構12の凹部12Aに合わせて嵌挿し、この
のち、担持機構12に備えられた二基の係止嵌合片19
A、19Bを回動させ、係止嵌合片19A、19Bの各
端部を電機機器11の係止孔13A、13Bに嵌合させ
て係止する。
【0059】このように、電機機器11の側壁部13D
を嵌挿した凹部12Aの壁によって電機機器11の位置
を確定させて位置ずれの発生を排除するとともに、係止
嵌合片19A、19Bの各端部を電機機器11の係止孔
13A、13Bに嵌合させることによって電機機器11
を担持機構12の凹部12Aに係止して電機機器11の
移動を抑止でき、また電機機器11の回転を抑えること
ができる。
【0060】この結果、宇宙空間におけるような微小重
力または無重力環境下にあっても、電機機器11が担持
機構12から放れて浮遊することがなく、衝撃力や運動
量が加わっても安定した係止状態を継続することがで
き、よって組立加工や修理・調整を高い信頼性で実施す
ることができる。
【0061】さらに、前記の係止作業は電機機器11を
担持機構12まで運搬して凹部12Aに嵌挿し、ついで
係止嵌合片19A、19Bを回動させる操作をするのみ
であり、また係止解除作業は係止嵌合片19A、19B
を逆方向に回動させて当接状態を開放する操作と、電機
機器11を担持機構12の凹部12Aから移動させる操
作のみであるから、いずれも係止のための補助部品等を
必要とせず、また工具などを用いる必要が全くなく、よ
って補助部品や工具類のハンドリングとこれらの操作一
切を削除することができ、作業時間を短縮できて高効率
になるとともに、作業者の疲労を軽減させることができ
る。
【0062】図5は、本発明の電機機器の第3実施形態
の斜視図である。また図6は、本発明の担持機構の第3
実施形態の、図5に示される電機機器を担持した状態を
示す模式断面図である。
【0063】図5および図6に示されるように、本発明
に係る電機機器21は、平面部23Pと、この平面部2
3Pの端縁から傾斜を有して先端が狭まって立ち下がる
側壁部23C、23D、23E、23Fを備える基台
(シャーシ)23と、側壁部23C、23D、23E、
23Fに囲まれた基台23の裏面に取り付けられた機構
部5と、基台23おもて面上に取り付けられた機構調整
部6およびサブシャーシ4および回路基板8を備える。
【0064】さらに傾斜する側壁部23Fと23Cの合
体する先端部に、図示されるような曲面RM1を形成さ
せた構成とすることもできる。同様に、側壁部23Cと
23D、23Dと23E、23Eと23Fとがそれぞれ
合体する先端部に、曲面RM2、RM3、RM4をそれ
ぞれ形成させた構成とすることもできる。
【0065】さらに平面部23Pの端縁から平面部23
P内側に向けて、この平面部23P表面上の対向する位
置に、平坦な係止面23A、23Bが係止領域として設
けられている。
【0066】一方、この電機機器21を担持する担持機
構22は、図6に示されるように、電機機器21の側壁
部23C、23D、23E、23Fを嵌挿する凹部22
Aと、この凹部22Aの外側に配設された係止腕部29
A、29Bを備える。
【0067】凹部22Aは、深さ方向に傾斜して狭まる
側壁部22D、22F等を備えて成る。ここで側壁部2
2D、22F等は、電機機器21の側壁部23F、23
D等と円滑に嵌合する形状とされる。
【0068】また、これら側壁部22D、22F等の合
体している先端部に、曲面RF1、RF2等を形成させ
る構成にすることもできる。ここで曲面RF1、RF2
等は、電機機器21の側壁部23F、23D等の曲面R
M1、RM2等と円滑に嵌合する形状とされる。
【0069】凹部22Aの深さは、基台23の側壁部2
3C、23D、23E、23Fの少なくとも下端部を嵌
挿するものであればよく、あるいは側壁部23C、23
D、23E、23Fの深さと同じ深さを備えるものであ
ってもよい。
【0070】さらに凹部22Aの外側にはピン30A、
30Bが螺設され、ピン30A、30Bはそれぞれ係止
腕部29A、29Bの一端を緩るやかに貫通して、それ
ぞれ係止腕部29A、29Bを回動可能に構成されてい
る。
【0071】この係止腕部29A、29Bの他端を、電
機機器21の基台23の平面部23P表面の二個所に形
成された平坦な係止領域23A、23Bにそれぞれ摺接
して回動させると、係止面23Aと係止面23Bの表面
に当接し、これにより基台23を凹部22A内に係止す
る。また逆方向に回動させることにより、係止面23A
と係止面23Bの表面への当接状態を解いて、基台23
の係止を解除できる。
【0072】また係止腕部29A、29Bは、浮遊・位
置ずれ防止用固定治具として機能するものであり、よっ
て前記の構成以外にも、クランプ機構などを適用するこ
とも可能である。
【0073】前記のように、電機機器21は基台23の
平面部23Pの端縁から傾斜して立ち下がる側壁部23
C、23D、23E、23Fを備えるから、この側壁部
23C、23D、23E、23Fを担持機構22側の傾
斜面に容易に沿わせることができ、よって押し込んでい
く操作だけで担持機構22側の傾斜面により自動的に進
路が誘導され、容易に位置決めをすることができる。
【0074】しかも側壁部23C、23D、23E、2
3Fの先端部に曲面RM1〜RM4が形成された構成で
は、曲面RM1〜RM4が最初に担持機構22側の傾斜
面に当接することになるが、なだらかな曲面RM1〜R
M4であるから例え担持機構22側の傾斜面の縁に当接
する場合でも円滑に誘導がなされる。
【0075】また電機機器21は基台23の平面部23
Pの端縁から内側に向けて平坦な係止面23Aと係止面
23Bを形成し、しかも機構部5、機構調整部6および
7、サブシャーシ4、回路基板8などの取付部品はこれ
ら係止面23Aと係止面23Bを外すように取り付けら
れるから、係止面23Aと係止面23Bに係止腕部29
A、29Bを容易に当接させることができ、しかも上記
の各取付部品が障害になることがない。
【0076】また前記のように、担持機構22は深さ方
向に傾斜して狭まる側壁部22D、22F等を有する凹
部22Aを備えるから、電機機器21の傾斜面をこの側
壁部22D、22F等に容易に沿わせることができ、よ
って電機機器21が押し込まれると自動的に進路を誘導
することができる。
【0077】また電機機器21の基台23をはめこみ担
持する凹部22Aを備えることによって、電機機器21
の位置決めが容易にでき、また電機機器21の位置のず
れを抑止することができる。
【0078】さらに係止腕部29A、29Bによって電
機機器21を容易に係止でき、同様に容易に係止解除が
できるから、係止のための補助部品等を必要とせず、ま
た工具などを用いる必要がない。また、係止腕部29A
と29Bの二基によって電機機器21を係止するから、
電機機器21に外力が加わることがあっても電機機器2
1の位置ずれを抑止するとともに電機機器21の回転を
抑えることができる。
【0079】つぎに電機機器21を担持機構22に取り
付ける方法を説明する。作業者は、電機機器21を担持
機構22まで搬送し、おおまかな位置で電機機器21を
担持機構22の凹部22Aに向けて押し込むと、傾斜面
同士が接触しつつ面に沿って進路が自動的に誘導され、
電機機器21が担持機構22の凹部22Aに自動的に嵌
挿・担持される。こののち、担持機構22に備えられた
二基の係止腕部29A、29Bを回動させ、係止腕部2
9A、29Bの各端部を電機機器21の係止面23A、
23Bに当接させて、電機機器21を担持機構22の凹
部22Aに係止する。
【0080】このように、電機機器21の担持機構22
の凹部22Aへの嵌挿を極めて容易に作業でき、凹部2
2Aの壁によって電機機器21の位置を確定させて位置
ずれの発生を排除するとともに、係止腕部29A、29
Bを係止面23A、23Bに当接させることによって電
機機器21を担持機構22の凹部22Aに係止すること
ができる。また係止面23Aと23Bの二個所で係止す
ることにより、電機機器21の移動や回転を抑えること
ができる。
【0081】この結果、宇宙空間におけるような微小重
力または無重力環境下にあっても、電機機器21が担持
機構22から放れて浮遊することがなく、衝撃力や運動
量が加わっても安定した係止状態を継続することがで
き、よって組立加工や修理・調整を高い信頼性で実施す
ることができる。
【0082】さらに、前記の係止作業は電機機器21を
担持機構22まで運搬して、おおまかな位置で押し込む
ことにより凹部22Aに自動的に嵌挿させ、ついで係止
腕部29A、29Bを回動させる操作をするのみであ
り、また係止解除作業は係止腕部29A、29Bを逆方
向に回動させて当接状態を開放する操作と、電機機器2
1を担持機構22の凹部22Aから移動させる操作のみ
であるから、いずれも係止のための補助部品等を必要と
せず、また工具などを用いる必要が全くなく、よって補
助部品や工具類のハンドリングとこれらの操作一切を削
除することができ、作業時間を短縮できて高効率になる
とともに、作業者の疲労を軽減させることができる。
【0083】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明の請求項1
に係る電機機器の係止方法は、電機機器の基台の側壁部
の少なくとも下端を、担持機構の凹部へ嵌挿し、平面部
の端縁から内側に向けて表面に平坦に形成された少なく
とも二個所の係止領域に、担持機構に設けられた係止腕
部をそれぞれ当接させる構成とするものであるから、嵌
挿した凹部の壁によって電機機器の位置を確定させて位
置ずれの発生を排除できるとともに、係止腕部を係止領
域に当接させることによって電機機器を担持機構の凹部
に係止することができる。また係止腕部を少なくとも二
基備えることにより、係止した電機機器の回転モーメン
ト発生を抑止できる。
【0084】この結果、宇宙空間におけるような微小重
力または無重力環境下にあっても、電機機器が担持機構
から放れて浮遊することがなく、衝撃力や運動量が加わ
っても安定した係止状態を継続することができ、よって
組立加工や修理・調整を高信頼性を以て実施することが
できる。
【0085】さらに、前記の係止作業は電機機器を担持
機構まで運搬して凹部に嵌挿し、ついで係止腕部を当接
させる操作をするのみであり、また係止解除作業は係止
腕部の当接状態を開放する操作と、電機機器を担持機構
の凹部から移動させる操作のみであるから、いずれも係
止のための補助部品等を必要とせず、また工具などを用
いる必要が全くなく、よって補助部品や工具類のハンド
リングとこれらの操作一切を削除することができ、作業
時間を短縮できて高効率になるとともに、作業者の疲労
を軽減させるという効果を奏する。
【0086】本発明の請求項2に係る電機機器は、基台
の平面部の端縁から内側に向けて平坦な係止領域を少な
くとも二個所形成し、しかも取付部品はこれらの係止領
域を外すように取り付けられた構成とするものであるか
ら、平坦な係止領域に外部の係止機構を容易に当接させ
ることができ、しかも取付部品が障害になることがな
い。
【0087】本発明の請求項3に係る担持機構は、凹部
と係止腕部を備える構成とするものであるから、凹部に
電機機器の基台をはめこみ担持することによって電機機
器の位置決めが容易にでき、また電機機器の位置のずれ
を抑止することができる。また係止腕部を少なくとも二
基備えることにより、係止した電機機器の回転モーメン
ト発生を抑止できる。
【0088】さらに係止腕部によって電機機器を容易に
係止でき、同様に容易に係止解除ができるから、係止の
ための補助部品等を必要とせず、また工具などを用いる
必要が全くなく、よって補助部品や工具類のハンドリン
グとこれらの操作一切を削除することができ、作業時間
を短縮できて高効率になるとともに、作業者の疲労を軽
減させるという効果を奏する。
【0089】本発明の請求項4に係る電機機器の係止方
法は、電機機器の基台の側壁部の少なくとも下端を、担
持機構の凹部へ嵌挿し、側壁部の少なくとも二個所に形
成された係止孔に、担持機構に設けられた係止嵌合片を
それぞれ嵌合させる構成とするものであるから、嵌挿し
た凹部の壁によって電機機器の位置を確定させて位置ず
れの発生を排除できるとともに、係止嵌合片を係止孔に
嵌合させることによって電機機器を担持機構の凹部に係
止することができる。また係止嵌合片を少なくとも二基
備えることにより、係止した電機機器の回転モーメント
発生を抑止できる。
【0090】この結果、宇宙空間におけるような微小重
力または無重力環境下にあっても、電機機器が担持機構
から放れて浮遊することがなく、衝撃力や運動量が加わ
っても安定した係止状態を継続することができ、よって
組立加工や修理・調整を高信頼性を以て実施することが
できる。
【0091】さらに、前記の係止作業は電機機器を担持
機構まで運搬して凹部に嵌挿し、ついで係止嵌合片の嵌
合操作をするのみであり、また係止解除作業は係止嵌合
片の嵌合を外す操作と、電機機器を担持機構の凹部から
移動させる操作のみであるから、いずれも係止のための
補助部品等を必要とせず、また工具などを用いる必要が
全くなく、よって補助部品や工具類のハンドリングとこ
れらの操作一切を削除することができ、作業時間を短縮
できて高効率になるとともに、作業者の疲労を軽減させ
るという効果を奏する。
【0092】本発明の請求項5に係る電機機器は、基台
の平面部の端縁から立ち下がる側壁部の少なくとも二個
所に係止孔を形成するものであるから、各係止孔に外部
の係止嵌合片を容易に嵌合させることができる。
【0093】本発明の請求項6に係る担持機構は、凹部
と、係止嵌合片を備える構成とするものであるから、凹
部に電機機器の基台をはめこみ担持することによって電
機機器の位置決めが容易にでき、また電機機器の位置の
ずれを抑止することができる。また係止嵌合片を少なく
とも二基備えることにより、係止した電機機器の回転モ
ーメント発生を抑止できる。
【0094】さらに係止嵌合片によって電機機器を容易
に係止でき、同様に容易に係止解除ができるから、係止
のための補助部品等を必要とせず、また工具などを用い
る必要が全くなく、よって補助部品や工具類のハンドリ
ングとこれらの操作一切を削除することができ、作業時
間を短縮できて高効率になるとともに、作業者の疲労を
軽減させるという効果を奏する。
【0095】本発明の請求項7に係る電機機器の係止方
法は、電機機器の基台の、平面部の端縁から立ち下がり
先端に向かい傾斜して狭まる側壁部の少なくとも下端
を、担持機構の深さ方向に傾斜して狭まる側壁部を有す
る凹部へ嵌挿し、平面部の端縁から内側に向けて表面に
平坦に形成された少なくとも二個所の係止領域に、担持
機構に設けられた係止腕部をそれぞれ当接させる構成と
するものであるから、電機機器側の傾斜して狭まる側壁
部が担持機構側の傾斜して狭まる側壁部に沿って誘導さ
れ、進路設定が自動的になされて容易に所定位置に据え
ることができる。
【0096】このように、電機機器をおおまかな位置で
担持機構側の傾斜して狭まる側壁部に接触させるだけ
で、自動的に所定の位置へ誘導されるから、作業が極め
て容易になる。しかも嵌挿すると凹部の壁によって電機
機器の位置を確定させて位置ずれの発生を排除できる。
【0097】さらに係止腕部を係止領域に当接させるこ
とによって、電機機器を担持機構の凹部に係止すること
ができる。しかも係止腕部を少なくとも二基備えること
により、係止した電機機器の回転モーメント発生を抑止
できる。この結果、宇宙空間におけるような微小重力ま
たは無重力環境下にあっても、電機機器が担持機構から
放れて浮遊することがなく、衝撃力や運動量が加わって
も安定した係止状態を継続することができ、よって組立
加工や修理・調整を高信頼性を以て実施することができ
る。
【0098】さらに、前記の係止作業は電機機器を担持
機構まで運搬して凹部に嵌挿し、ついで係止腕部を当接
させる操作をするのみであり、また係止解除作業は係止
腕部の当接状態を開放する操作と、電機機器を担持機構
の凹部から移動させる操作のみであるから、いずれも係
止のための補助部品等を必要とせず、また工具などを用
いる必要が全くなく、よって補助部品や工具類のハンド
リングとこれらの操作一切を削除することができ、作業
時間を短縮できて高効率になるとともに、作業者の疲労
を軽減させるという効果を奏する。
【0099】本発明の請求項8に係る電機機器は、基台
の平面部の端縁から傾斜して立ち下がる側壁部を備える
から、この側壁部を外部の傾斜面に容易に沿わせること
ができ、よって押し込んでいくだけで自動的に進路が誘
導され、容易に位置決めをすることができる。
【0100】さらに平面部の端縁から内側に向けて平坦
な係止領域を少なくとも二個所形成し、しかも取付部品
はこれらの係止領域を外すように取り付けられた構成と
するものであるから、平坦な係止領域に外部の係止機構
を容易に当接させることができ、しかも取付部品が障害
になることがない。
【0101】本発明の請求項9に係る担持機構は、深さ
方向に傾斜して狭まる側壁部を有する凹部を備えるか
ら、外部の傾斜面をこの側壁部に容易に沿わせることが
でき、よって外部の傾斜面を押し込んでいくだけで自動
的に進路が誘導され、よって容易に位置決めをすること
ができる。
【0102】また凹部に電機機器の基台をはめこみ担持
することによって電機機器の位置決めが容易にでき、ま
た電機機器の位置のずれを抑止することができる。さら
に係止腕部を備える構成とすることにより、係止腕部に
よって電機機器を容易に係止でき、同様に容易に係止解
除ができる。しかも係止腕部を少なくとも二基備えるこ
とにより、係止した電機機器の回転モーメント発生を抑
止できる。
【0103】したがって、係止のための補助部品等を必
要とせず、また工具などを用いる必要が全くなく、よっ
て補助部品や工具類のハンドリングとこれらの操作一切
を削除することができ、作業時間を短縮できて高効率に
なるとともに、作業者の疲労を軽減させるという効果を
奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の電機機器の第1実施形態の斜視図であ
る。
【図2】本発明の担持機構の第1実施形態の、図1に示
される電機機器を担持した状態を示す模式断面図であ
る。
【図3】本発明の電機機器の第2実施形態の斜視図であ
る。
【図4】本発明の担持機構の第2実施形態の、図3に示
される電機機器を担持した状態を示す模式断面図であ
る。
【図5】本発明の電機機器の第3実施形態の斜視図であ
る。
【図6】本発明の担持機構の第3実施形態の、図5に示
される電機機器を担持した状態を示す模式断面図であ
る。
【符号の説明】
1……電機機器、2……担持機構、2A……凹部、3…
…基台(シャーシ)、3A……係止面、3B……係止
面、3D……側壁部、3P……平面部、4……サブシャ
ーシ、5……機構部、6……機構調整部、7……機構調
整部、8……回路基板、9A……係止腕部、9B……係
止腕部、10A……ピン、10B……ピン

Claims (9)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平面部および当該平面部の端縁から立ち
    下がる側壁部を有する基台を備え、前記平面部の端縁か
    ら当該平面部内側に向けて当該平面部表面に平坦な係止
    領域が少なくとも二個所形成され、かつ前記基台の前記
    各係止領域を除いた任意の位置に取付部品が取り付けら
    れた電機機器の、当該側壁部の少なくとも下端を、 前記側壁部の少なくとも下端が嵌挿可能な凹部を備える
    担持機構の、当該凹部へ前記電機機器の前記側壁部の少
    なくとも下端を嵌挿し、 こののち、前記担持機構に備えられた、前記電機機器の
    前記少なくとも二個所の前記係止領域へ当接可能な少な
    くとも二基の係止腕部を、前記凹部に嵌挿されている前
    記電機機器の前記少なくとも二個所の前記係止領域にそ
    れぞれ当接させることを特徴とする電機機器の係止方
    法。
  2. 【請求項2】 平面部および当該平面部の端縁から立ち
    下がる側壁部を備える基台と、当該基台上に取り付けら
    れた取付部品を備える電機機器であって、 前記平面部の端縁から当該平面部内側に向けて当該平面
    部表面に平坦な係止領域が少なくとも二個所形成され、 かつ前記取付部品は前記各係止領域を除いた任意の位置
    に取り付けられたことを特徴とする電機機器。
  3. 【請求項3】 平面部と、当該平面部の端縁から立ち下
    がる側壁部と、前記平面部の端縁から当該平面部内側に
    向けて当該平面部表面の少なくとも二個所に形成された
    平坦な係止領域とを有する基台を備える電機機器を担持
    する担持機構であって、 前記電機機器の前記側壁部の少なくとも下端部を嵌挿す
    る凹部と、 前記電機機器が前記凹部に嵌挿された状態で前記電機機
    器の前記平坦な各係止領域の表面に当接する少なくとも
    二基の係止腕部とを備えることを特徴とする担持機構。
  4. 【請求項4】 平面部および当該平面部の端縁から立ち
    下がる側壁部を有する基台を備え、当該側壁部の少なく
    とも二個所に係止孔が形成され、かつ前記基台の任意の
    位置に取付部品が取り付けられた電機機器の、当該側壁
    部の少なくとも下端を、 前記側壁部の少なくとも下端が嵌挿可能な凹部を備える
    担持機構の、当該凹部へ前記電機機器の前記側壁部の少
    なくとも下端を嵌挿し、 こののち、前記担持機構に備えられた、前記電機機器の
    前記少なくとも二個所の前記係止孔に嵌合可能な少なく
    とも二基の係止嵌合片を、前記凹部に嵌挿されている前
    記電機機器の前記少なくとも二個所の前記係止孔にそれ
    ぞれ嵌合させることを特徴とする電機機器の係止方法。
  5. 【請求項5】 平面部および当該平面部の端縁から立ち
    下がる側壁部を有する基台を備え、当該基台の任意の位
    置に取付部品が取り付けられた電機機器であって、 前記側壁部に係止孔が少なくとも二個所形成されたこと
    を特徴とする電機機器。
  6. 【請求項6】 平面部と、当該平面部の端縁から立ち下
    がる側壁部と、当該側壁部の少なくとも二個所に形成さ
    れた係止孔を有する基台を備える電機機器を担持する担
    持機構であって、 前記電機機器の前記側壁部の少なくとも下端部を嵌挿す
    る凹部と、 前記電機機器が前記凹部に嵌挿された状態で前記電機機
    器の前記各係止孔内に嵌合される少なくとも二基の係止
    嵌合片とを備えることを特徴とする担持機構。
  7. 【請求項7】 平面部および、当該平面部の端縁から立
    ち下がり先端に向かい傾斜して狭まる側壁部を有する基
    台を備え、前記平面部の端縁から当該平面部内側に向け
    て当該平面部表面に平坦な係止領域が少なくとも二個所
    形成され、かつ前記各係止領域を除く前記基台の任意の
    位置に取付部品が取り付けられた電機機器の、当該側壁
    部の少なくとも下端部を嵌挿する、深さ方向に傾斜して
    狭まる側壁部を有する凹部を備える担持機構の、当該凹
    部へ前記電機機器の前記側壁部の少なくとも下端を嵌挿
    し、こののち、前記担持機構に備えられた、前記電機機
    器の前記少なくとも二個所の前記係止領域と当接可能な
    少なくとも二基の係止腕部を、前記凹部に嵌挿されてい
    る前記電機機器の前記少なくとも二個所の前記係止領域
    に当接させることを特徴とする電機機器の係止方法。
  8. 【請求項8】 平面部および当該平面部の端縁から立ち
    下がる側壁部を備える基台に、取付部品が取り付けられ
    た電機機器であって、 前記側壁部は立ち下がる先端に向けて傾斜して狭まり、 前記平面部の端縁から当該平面部内側に向けて当該平面
    部表面に平坦な係止領域が少なくとも二個所形成され、 かつ前記取付部品は前記各係止領域を除く前記基台の任
    意の位置に取り付けられたことを特徴とする電機機器。
  9. 【請求項9】 平面部と、当該平面部の端縁から傾斜を
    有して先端が狭まって立ち下がる側壁部と、前記平面部
    の端縁から当該平面部内側に向けて当該平面部表面の少
    なくとも二個所に形成された平坦な係止領域とを有する
    基台を備える電機機器を担持する担持機構であって、 前記電機機器の前記側壁部の少なくとも下端部を嵌挿す
    る、深さ方向に傾斜して狭まる側壁部を備えた凹部と、 前記電機機器が前記凹部に嵌挿された状態で前記電機機
    器の前記平坦な各係止領域の表面に当接する少なくとも
    二基の係止腕部とを備えることを特徴とする担持機構。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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