JP2000081684A - 画像形成要素 - Google Patents

画像形成要素

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JP2000081684A
JP2000081684A JP11237940A JP23794099A JP2000081684A JP 2000081684 A JP2000081684 A JP 2000081684A JP 11237940 A JP11237940 A JP 11237940A JP 23794099 A JP23794099 A JP 23794099A JP 2000081684 A JP2000081684 A JP 2000081684A
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polymer
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Peter Thomas Aylward
トーマス アイルワード ピーター
Valerie Jean Harris
ジーン ハリス バレリー
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Eastman Kodak Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低温且つ高速においてポリオレフィン層の紙
ベースに対する密着性を改良する安定剤を提供し、ま
た、クレージングや黄変のような経時欠陥の防止効果が
一層高い安定剤を提供すること。 【解決手段】 紙基材と、前記紙基材に隣接した層であ
ってポリオレフィン系ポリマー及びヒンダードアミン系
安定剤を含む層とを含んでなり、前記ヒンダードアミン
系安定剤の数平均分子量が2300未満である画像形成
要素。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、画像形成用紙、よ
り具体的には、当該紙ベースの上に高分子樹脂層を高速
且つ低温でラミネートすることができる画像形成用紙に
関する。
【0002】
【従来の技術】画像形成用紙のベースのほとんどは樹脂
で被覆されたものである。画像形成用紙のベースに対し
て高分子コーティングを適用できる最高速度は、当該紙
と当該ポリマーとの間の接着強度により制限されること
が多い。速度が高くなるにつれ及び/又は温度が低くな
るにつれ、ポリマーと紙との間の接着強度は低くなる傾
向がある。これは印画紙用支持体を製造する際には考慮
すべき重要な問題である。というのは、その結合が不十
分であると、水性写真処理液で用いられる薬品が支持体
のポリマーと紙との間に浸入しやすくなるからである。
こうなると、処理後の紙の縁部付近に醜い跡が残ってし
まう。
【0003】したがって、高速生産プロセスと高品質写
真製品との間で妥協を図る必要がある。この矛盾を解決
する方法の一つとして、ポリマーの温度を高める方法が
ある。この方法は、その温度が、ポリマーが分解して有
害な物理特性又は光活性物質をもたらし、これが乳剤を
カブらせるような高い温度でない限り、適当である。Gr
iggs(米国特許第3,582,337号)は、61〜3
05m/分の速度で304℃〜343℃のポリマー押出
温度を使用することを特許請求している。Griggsが教示
する温度は適当な結合性を確保する上では十分である
が、ポリオレフィンの熱劣化により欠陥製品が生じるこ
とがあり(米国特許第5,503,968号に記載)、
今日の認識の鋭い顧客には許容できないことである。こ
れらの欠陥は、これまでは4,4’−ブチリデン−ビス
(6−t−ブチル−メタ−クレゾール)のような酸化防
止剤を添加することにより減少させていた。これらの酸
化防止剤は、スポット欠陥を減少させるのには十分であ
るが、同時に結合を相当に劣化させてしまう。このた
め、Griggsが特許請求した速度で実施し、なおもこれら
の温度で良好な結合性を達成することは、もはや不可能
となっている。
【0004】結合力の欠乏を克服する別の方法として、
米国特許第3,411,908号に記載されているコロ
ナ放電処理法がある。この方法はラミネート前の紙ベー
スに適用される。コロナ放電処理法は表面を「活性化」
する傾向があり、ポリマーが適用された時の結合性を改
良することになる。採用されている別の方法に、米国特
許第5,147,678号に記載されているフレーム適
用法がある。この方法は、天然ガスの燃焼により発生さ
せたフレームを紙支持体の表面に当てるという方法であ
る。この方法もまた紙を活性化し、ポリマー適用後の結
合性が改良される。この方法の欠点として起こり得る問
題の一つは、フレーム処理により紙が乾ききってしまう
可能性があることである。写真乳剤中の硬膜剤の硬化を
促進するためには水分が必要であるため、こうした水分
の減少により、増感工程における生産性が低下する可能
性がある。
【0005】Honma(米国特許第4,481,289号)
に、ポリマー溶融体に適用することができるオゾンの使
用が記載されている。この方法では、紙支持体の代わり
にポリマーを活性化し、同様に当該ポリマーを紙の上に
ラミネートした後の結合性を高める。この特許出願で、
Honma はポリマー押出の最高温度として300℃を特許
請求している。最高速度は183m/分が例証されてい
るが、Lee(米国特許第5,503,968号)は、この
速度が今日の環境ではむしろ遅いことを指摘している。
Lee は、フレームをオゾンと併用した場合の相乗効果を
説明し、そして400m/分よりも高速が可能であるこ
とを例証している。残念ながら、上述のように、これに
は紙を乾燥させてしまうという欠点が存在し得る。
【0006】画像形成用支持体が周囲条件の変動に長期
間にわたり晒されると、画像含有層及び樹脂層が悪化し
て美観上望ましくない亀裂だらけになったり、極端な場
合には、亀裂がプリント全面に広がって画像を完全に破
壊してしまう傾向がある。元来、どのポリマーも機械特
性の低下につながる化学的劣化を受けやすい。ポリマー
は、薄いフィルムの押出のような処理中には熱劣化を受
け、また長期間の露光により光酸化的劣化を受ける。T
iO2 は、熱劣化及び光酸化的劣化のどちらも触媒し且
つ促進する。画像形成用紙に樹脂を被覆する際には、ポ
リマー溶融体は高温で押し出され、また高い剪断力を受
ける。これらの条件はポリマーを劣化させ、ダイ表面上
の劣化した材料付着物から押し出されたフィルムにおい
て、変色や炭化、ポリマースラグ又は「ゲル」の形成、
及びラインやすじの形成をもたらし得る。また、熱分解
したポリマーは長期安定性について非分解ポリマーより
も脆弱であるため、プリントの寿命を短くするおそれが
ある。
【0007】一般に、ヒンダードフェノール系酸化防止
剤を単独で、又は二次酸化防止剤と一緒に、使用するこ
とにより、溶融体処理中のポリマーを安定化するが、長
期の光酸化を防止することはほとんどない。フェノール
系酸化防止剤も、高速押出工程中の樹脂が紙に付着する
能力を低下させる。それらは、暗所で保存されたプリン
トにおける酸化的雰囲気ガスによる黄変の一部の形態に
ついても原因となる。この望ましくない色は、記録保存
時にプリント内又はプリント縁部で発色することがあ
り、TiO2 のような白色顔料の存在下暗所で生じたフ
ェノール系酸化防止剤の着色酸化生成物に起因するもの
であった。
【0008】米国特許第4,582,785号に、分子
量2500超の高分子量ヒンダードアミンを単独の安定
剤として用いてポリエチレン被覆印画紙に添加した場合
に、その光安定性が改良され得ることが提案されてい
る。この特許明細書では、高分子材料(ポリエチレン)
の単層における熱処理安定性及び光安定性の両方につい
ての単独安定剤として、高分子量ヒンダードアミンが特
許請求されている。高分子量ヒンダードアミンを含有す
る樹脂の紙に対する密着性は不十分である。
【0009】さらに、ポリエチレン以外のポリマーを使
用する、又はポリエチレンを併用する、画像形成要素を
製造することが望まれる。ポリエステル及び/又はポリ
プロピレンのような材料を使用すると、要素に改良され
た安定性及び耐久性が付加されると共に、改良された光
沢や光彩が付加されることがある。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】紙を乾燥させず、ゲル
を生ぜしめず、又は写真乳剤をカブらせるような光活性
生成物を発生させずに、低温且つ高速で押出処理できる
顔料を含有する画像形成用支持体を提供する必要が依然
として存在する。さらに、光その他の環境上のストレス
に晒された場合に格別長期にわたる耐劣化性及び耐脆化
性を有すると同時に、暗所保存時に格別な暗所安定性を
示し且つ変色を防止する画像形成用支持体を提供する必
要もある。これらの特性は最も望まれており、相当に商
業的価値を有するものである。
【0011】低温且つ高速においてポリオレフィン層の
紙ベースに対する密着性を改良する安定剤が必要であ
る。また、クレージングや黄変のような経時欠陥の防止
効果が一層高い安定剤も必要である。本発明の目的は、
従来の画像形成要素の欠点を克服することにある。別の
目的は、経時変化後に改良された特性を示す画像形成要
素を提供することにある。さらなる目的は、紙の上に低
温且つ高速で首尾よく押出しされ得るポリオレフィン材
料を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明のこれら及びその
他の目的は、紙基材と、前記紙基材に隣接した層であっ
てポリオレフィン系ポリマー及びヒンダードアミン系安
定剤を含む層とを含んでなり、前記ヒンダードアミン系
安定剤の数平均分子量が2300未満である画像形成要
素によって達成される。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明は、当該技術分野における
従来技術よりも有利な点がいくつかある。本発明は、ポ
リオレフィン系ポリマー層を560°F(293℃)程
度の低温で紙の上に押出しても当該紙に対して優れた密
着性を示すことができる要素を提供する。本発明の要素
は、経時変化中に分子量が低下して脆く亀裂を生じるよ
うになるとポリマー中に明らかになるクラックのパター
ンであるクレージングが減少する。本発明の低分子量ヒ
ンダードアミン系安定剤はポリマーの経時変化を最小限
に抑えるので、本低分子量ヒンダードアミン系安定剤を
用いて構成された画像形成要素は、経時変化による黄変
が少なく且つクレージングも少ない。写真プリント上の
経時変化によるイエローエッジの形成を防止することが
特に望まれている。本発明は、経時変化が、イエローエ
ッジ現象をもたらすプリント縁部の酸化を引き起こさな
いようにするのに特に有効である。ヒンダードアミン系
安定剤を含む本発明のポリオレフィン系ポリマー層は、
他の効果の低い安定剤を含む層と比較して、より低温時
により高速で塗布することができる。本発明は、低温押
出後のポリオレフィン層の紙に対する密着性が改良され
た画像形成要素を提供する。本発明はさらに、耐クレー
ジング性及び耐黄変性について良好な経時変化特性を有
する画像形成要素を提供する。本発明は、感光層及び他
の画像受容層のための改良されたベースを提供する。本
発明は特に、明所及び暗所保存条件に対する長期安定性
を必要とするカラー写真材料のための改良されたベース
を提供する。本発明の利点は、数平均分子量2300未
満のヒンダードアミンを使用することにより、紙に対す
る密着性が向上するという点である。このため、高い線
速度を維持しながら一層低い溶融温度でこれらの材料を
押出することが可能になるという利点が得られる。溶融
温度が低いほど、エネルギーコストが低くなると共に、
ダイラインやポリゲルの減少により画質が改良されるこ
ととなる。ポリゲルは、典型的には、ポリマー中の、劣
化し、そして架橋されている場合もある領域である。ポ
リゲルはゲルスラグと呼ばれることも多い。ポリゲルは
表面の隆起をもたらし、観察する顧客には望ましくない
ものである。ヒンダードアミンの使用により、画像形成
用支持体の暗所保存による変色及び光酸化的劣化の速度
を大幅に低下させることができる。別の利点は、ポリマ
ーの溶融処理中の熱劣化を減少させることにより、画像
形成用支持体が脆化せず、安定化していない又は単独で
安定化された画像形成用支持体と比べ、プリントの寿命
が長くなる点にある。画像形成用途について分子量が2
500よりも実質的に低いヒンダードアミンを使用する
ことは、特にTiO2 その他の顔料が存在する場合に
は、報告されていない。
【0014】本発明は、溶融押出法により写真画質の基
材支持体の最上部に押出された単一のポリマー層からな
る。本明細書中の用語「画像形成要素」とは、インクジ
ェット印刷法や感熱色素転写法のような技法により支持
体に画像を転写するための積層支持体並びにハロゲン化
銀画像のための支持体として使用することができる材料
をさす。本明細書中の用語「最上部」、「上方」、「乳
剤側」、「画像形成側」及び「面」とは、画像形成部材
の画像形成層を担持している側又はその方向を意味す
る。用語「底部」、「下方側」及び「裏側」とは、画像
形成部材の画像形成層又は現像された画像を担持してい
る側とは反対の側又はその方向を意味する。本明細書中
の用語「基材」とは、画像形成要素の第一部分である支
持体又はベース材料、例えば、紙、ポリエステル、ビニ
ル、合成紙、織物その他画像の観察に適した材料をさ
す。本明細書中の用語「写真要素」とは、画像を形成す
る際に感光性ハロゲン化銀を使用する材料をさす。感熱
色素転写法又はインクジェット法の場合には、画像形成
要素の上に塗布される画像層は、当該技術分野で公知の
材料、例えば、ゼラチン、着色ラテックス、ポリウレタ
ン、ポリエステル、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(スチレ
ン−コ−アクリロニトリル)、ポリカプロラクトン、ポ
リビニルアルコール、ポリカーボネート、ポリビニルピ
ロリドン、スターチ及びメタクリレート、アクリル酸の
ポリマー及びコポリマー、ポリエチレンオキシド、ヒド
ロキシメチルセルロースのようなセルロース類、のいず
れであってもよく、またシリカ、ゾル−ゲル、アルミ
ナ、炭酸カルシウム、クレー、タルク、酸化亜鉛、ゼオ
ライト、硫酸バリウム、硫化亜鉛、TiO2 又はこれら
の混合物を含有する多孔質受容体であってもよい。カチ
オン性ポリエステルスルホネートのような媒染剤を含有
させてもよい。色素像受容性層を所期の目的に有効であ
る任意の量で存在させてもよい。さらに、色素受容性層
の上に、米国特許第4,775,657号(その内容を
本明細書の一部とする)に記載されているようなオーバ
ーコート層を被覆してもよい。写真要素は単色要素であ
っても多色要素であってもよい。多色要素は、スペクト
ルの三つの主領域の各々に感光する画像色素生成性ユニ
ットを含有する。各ユニットは、単一の乳剤層又はスペ
クトルの一定領域に感光する複数の乳剤層を含むことが
できる。要素の層は、画像形成ユニットの層を含み、当
該技術分野で公知の各種順序で配列することができる。
別のフォーマットとして、スペクトルの三つの主領域の
各々に感光する乳剤を単一のセグメント化された層とし
て配置することができる。
【0015】本発明に有用な写真乳剤は、一般に、当該
技術分野の常用方法によりコロイドマトリックス中でハ
ロゲン化銀結晶を析出させることにより調製される。コ
ロイドは、典型的には、ゼラチン、アルギン酸又はこれ
らの誘導体のような親水性の皮膜形成剤である。析出工
程で形成された結晶を洗浄した後、分光増感色素及び化
学増感剤を添加し、そして乳剤温度を、典型的には40
℃〜70℃に上昇させて一定時間維持する加熱工程を行
うことにより、化学増感及び分光増感する。本発明で用
いられる乳剤を調製する際に利用される析出法並びに分
光増感及び化学増感法は、当該技術分野で公知の方法で
あることができる。
【0016】本発明の反射性支持体は、画像形成層基材
の最上面の上に押出された、安定化効果を奏する量のヒ
ンダードアミンを含む樹脂層を含む。ヒンダードアミン
系光安定剤(HALS)は2,2,6,6−テトラメチ
ルピペリジンを起源とする。UV露光時のポリマー劣化
に対して耐性を付与するためには、ポリマー層にその樹
脂層の約0.01〜5重量%のヒンダードアミンを添加
すべきである。好適な添加量は約0.05〜3重量%で
ある。これにより、ヒンダードアミンのコストを極力抑
えつつ、優れたポリマー安定性並びに亀裂化及び黄変に
対する耐性が付与される。分子量2300未満の好適な
ヒンダードアミンの具体例として、ビス(2,2,6,
6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバケート、ビ
ス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジ
ニル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタ
メチル−4−ピペリジニル)2−n−ブチル−(3,5
−ジ−t−ブチル−ヒドロキシ−ベンジル)マロネー
ト、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テ
トラメチル−1,3,8−トリアザスピロル(4,5)
デカン−2,4−ジオン、テトラ(2,2,6,6−テ
トラメチル−4−ピペリジニル)1,2,3,4−ブタ
ンテトラカルボキシレート、1−(2−〔3,5−ジ−
t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル−プロピオニルオ
キシ〕エチル)−4−(3,5−ジ−t−ブチル−4−
ヒドロキシフェニルプロピオニルオキシ)−2,2,
6,6−テトラメチルピペリジン、1,1’−(1,2
−エタンジイル)ビス(3,3,5,5−テトラメチル
−2−ピペラジノン)が挙げられる。好適なヒンダード
アミンは、1,3,5−トリアジン−2,4,6−トリ
アミン,N,N’’’−〔1,2−エタンジイルビス
〔〔〔4,6−ビス(ブチル(1,2,2,6,6−ペ
ンタメチル−4−ピペリジニル)アミノ〕−1,3,5
−トリアジン−2−イル〕イミノ〕−3,1−プロパン
ジイル〕〕−ビス〔N’,N”−ジブチル−N’,N”
−ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペ
リジニル)であり、これを化合物Aと称する。化合物A
が好適である理由は、ポリマーと化合物Aとの混合物を
画像形成用紙の上に押出した時に、当該ポリマーと紙と
の密着性が良好となり、また当該画像形成系の亀裂化及
び黄変に対する長期安定性も改良されるからである。
【0017】当該樹脂層に好適なポリマーとして、ポリ
エチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、ポリ
スチレン、ポリブチレン及びこれらの混合物が挙げられ
る。ポリエチレンのコポリマーを含むポリオレフィン系
コポリマー、プロピレン及びエチレン、例えば、ヘキセ
ン、ブテン及びオクテンも有用である。ポリエチレンが
好ましいが、これはそのコストが低く、しかも望ましい
コーティング特性を示すからである。ポリエチレンとし
ては、高密度ポリエチレン、低密度ポリエチレン、線状
低密度ポリエチレン及びポリエチレンブレンドが挙げら
れる。他の好適なポリマーとして、炭素原子数4〜20
の芳香族、脂肪族又は脂環式のジカルボン酸と炭素原子
数2〜24の脂肪族又は脂環式のグリコールとから得ら
れるポリエステルが挙げられる。好適なジカルボン酸の
例として、テレフタル酸、イソフタル酸、フタル酸、ナ
フタレンジカルボン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピ
ン酸、アゼライン酸、セバシン酸、フマル酸、マレイン
酸、イタコン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン
酸、ソジオスルホイソフタル酸及びこれらの混合物が挙
げられる。好適なグリコールの例として、エチレングリ
コール、プロピレングリコール、ブタンジオール、ペン
タンジオール、ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキ
サンジメタノール、ジエチレングリコール、他のポリエ
チレングリコール及びこれらの混合物が挙げられる。他
のポリマーは、テレフタル酸又はナフタレンジカルボン
酸と、エチレングリコール、1,4−ブタンジオール及
び1,4−シクロヘキサンジメタノールから選ばれた少
なくとも一種のグリコールとから得られる反復単位を有
するマトリックスポリマー、例えば、ポリ(エチレンテ
レフタレート)であるが、これを少量の他のモノマーで
変性することもできる。他の好適なポリエステルとし
て、スチルベンジカルボン酸のような共酸を適量含めて
形成される液晶性コポリエステルが挙げられる。このよ
うな液晶性コポリエステルの具体例については米国特許
第4,420,607号、同第4,459,402号及
び同第4,468,510号明細書に記載されている。
有用なポリアミドとして、ナイロン6(商標)、ナイロ
ン66(商標)及びこれらの混合物が挙げられる。ポリ
アミドのコポリマーも好適な連続相ポリマーである。有
用なポリカーボネートの一例としてビスフェノール−A
ポリカーボネートが挙げられる。本複合シートの連続相
ポリマーとして用いるのに好適なセルロース系エステル
として、硝酸セルロース、三酢酸セルロース、二酢酸セ
ルロース、酢酸プロピオン酸セルロース、酢酪酸セルロ
ース及びこれらの混合物又はコポリマーが挙げられる。
有用なポリビニル樹脂としてポリ塩化ビニル、ポリ(ビ
ニルアセタール)及びこれらの混合物が挙げられる。ビ
ニル樹脂のコポリマーを使用することもできる。
【0018】当該ポリオレフィン層には適当な任意の白
色顔料を含めることができ、その例として、酸化亜鉛、
硫化亜鉛、二酸化ジルコニウム、鉛白、硫酸鉛、塩化
鉛、アルミン酸鉛、フタル酸鉛、三酸化アンチモン、ビ
スマス白、酸化錫、マンガン白、タングステン白及びこ
れらの混合物が挙げられる。好ましい顔料は、屈折率が
高く、適当なコストで優れた光学特性が得られる二酸化
チタンである。顔料は、ポリオレフィン中に都合よく分
散される任意の形態で用いられる。好適な顔料はアナタ
ーゼ形二酸化チタンである。最も好適な顔料は、最低コ
ストで最高屈折率を示すルチル形二酸化チタンである。
ルチル形TiO2 の平均顔料直径は0.1〜0.26μ
mであることが最も好ましい。0.26μmよりも大き
な顔料は画像形成要素にとっては黄色くなりすぎ、反対
に0.1μmよりも小さな顔料はポリマーに分散させた
時の不透明性が不十分である。白色顔料は、ポリオレフ
ィンコーティングの総重量に対して約10〜約50重量
%の範囲で用いることが好ましい。TiO2 が10重量
%未満であると、画像形成系の不透明性が不十分とな
り、光学特性が悪化する。TiO2 が50重量%を超え
ると、ポリマーブレンドの製造ができなくなる。TiO
2 の表面を、無機化合物、例えば、水酸化アルミニウ
ム、フッ化物化合物又はフッ化物イオンを含むアルミ
ナ、フッ化物化合物又はフッ化物イオンを含むシリカ、
水酸化珪素、二酸化珪素、酸化ホウ素、ボリア変性シリ
カ(米国特許第4,781,761号に記載)、ホスフ
ェート、酸化亜鉛、ZrO2 、等により、並びに有機化
合物、例えば、多価アルコール、多価アミン、金属石
鹸、アルキルチタネート、ポリシロキサン、シラン、等
により処理してもよい。TiO2 の有機処理及び無機処
理は、単独で行っても組み合わせて行ってもよい。表面
処理剤の量は、二酸化チタンの重量に対して、無機処理
については0.2〜2.0%、また有機処理については
0.1〜1%の範囲とすることが好ましい。このような
処理水準では、TiO2 はポリマー中によく分散し、画
像形成用支持体の製造を妨げることがない。
【0019】ポリマー、ヒンダードアミン系光安定剤及
びTiO2 は、分散剤の存在下で相互に混合される。分
散剤の例として、高級脂肪酸の金属塩、例えば、パルミ
チン酸ナトリウム、ステアリン酸ナトリウム、パルミチ
ン酸カルシウム、ラウリン酸ナトリウム、ステアリン酸
カルシウム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸
マグネシウム、オクチル酸ジルコニウム、ステアリン酸
亜鉛、等、高級脂肪酸アミド及び高級脂肪酸が挙げられ
る。好適な分散剤はステアリン酸ナトリウムであり、さ
らに最も好適な分散剤はステアリン酸亜鉛である。これ
らの分散剤はいずれも樹脂被覆紙に優れた白色度を与え
る。
【0020】写真用の場合、若干青味を帯びた白色ベー
スが好ましい。耐水性樹脂コーティングの層は、青味付
与剤やマゼンタ又は赤色の顔料のような着色剤を含有す
ることが好ましい。適用可能な青味付与剤として、一般
に知られているウルトラマリンブルー、コバルトブル
ー、オキシドコバルトホスフェート、キナクリドン顔料
及びこれらの混合物が挙げられる。適用可能な赤色又は
マゼンタの着色剤はキナクリドン類及びウルトラマリン
類である。
【0021】当該樹脂は、UV領域のエネルギーを吸収
して大部分青領域の光を発する蛍光剤を含むこともでき
る。米国特許第3,260,715号に記載されている
いずれかの蛍光増白剤又はその組合せが有益であろう。
【0022】当該樹脂は、単独で又は第二酸化防止剤と
併用して用いられるヒンダードフェノール系第一酸化防
止剤のような酸化防止剤を含有することもできる。ヒン
ダードフェノール系第一酸化防止剤の例として、ペンタ
エリスリチルテトラキス〔3−(3,5−ジ−t−ブチ
ル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕(例、
Irganox 1010) 、オクタデシル−3−(3,5−ジ−t
−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート
(例、Irganox 1076、以下、化合物Bと称する)、ベン
ゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチル)−4
−ヒドロキシ−2〔3−〔3,5−ビス(1,1−ジメ
チルエチル)−4−ヒドロキシフェニル)−1−オキソ
プロピル)ヒドラジド(例、Irganox MD1024) 、2,
2’−チオジエチレンビス〔3−(3,5−ジ−t−ブ
チル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート〕
(例、Irganox 1035)、1,3,5−トリメチル−2,
4,6−トリ(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキ
シベンジル)ベンゼン(例、Irganox 1330) が挙げられ
るが、これらに限定はされない。第二酸化防止剤とし
て、有機アルキル及びアリールホスファイト、例えば、
トリフェニルホスファイト(例、Irgastab TPP) 、トリ
(n−プロピルフェニル−ホスファイト)(例、Irgast
ab SN-55) 、2,4−ビス(1,1−ジメチルフェニ
ル)ホスファイト(例、Irgafos 168)のような例が挙げ
られる。
【0023】ヒンダードアミン系光安定剤、TiO2
着色剤、滑剤、蛍光増白剤及び酸化防止剤は、連続式又
はBanburry式混合機を用いて、ポリマーと一緒に又は別
々に含められる。典型的には、添加物の濃縮物がペレッ
ト状で製造される。ルチル形顔料の濃度がマスターバッ
チの20〜80重量%となる場合もある。次いで、その
マスターバッチを樹脂に用いるために十分に希釈する。
【0024】耐水性樹脂層をラミネートする支持体は、
ポリマー、合成紙、布帛、ポリマー繊維織物もしくはセ
ルロース系繊維紙支持体又はこれらの積層体であること
ができる。ベースも、米国特許第4,912,333
号、同第4,994,312号及び同第5,055,3
71号明細書に記載されているようなミクロボイドを有
するポリエチレンテレフタレートであることができる。
好適な支持体は写真グレードのセルロース繊維紙であ
る。
【0025】写真用途の場合、典型的には、乳剤の化学
増感において、含硫黄化合物(例、アリルイソチオシア
ネート、チオ硫酸ナトリウム及びアリルチオウレア)、
還元剤(例、ポリアミン及び第一錫塩)、貴金属化合物
(例、金、白金)及び高分子剤(例、ポリアルキレンオ
キシド)のような増感剤が用いられる。説明されている
ように、化学増感を完遂するためには熱処理が行われ
る。分光増感は、可視又は赤外スペクトルにおける目標
の波長域に合わせて設計された色素の組合せにより行わ
れる。このような色素を熱処理の前後両方で添加するこ
とは知られている。分光増感後、乳剤を支持体の上に塗
布する。各種塗布法には浸漬塗布、エアナイフ塗布、カ
ーテン塗布及び押出塗布が含まれる。
【0026】本発明に用いられるハロゲン化銀乳剤は、
任意のハロゲン化物分布を含むことができる。すなわ
ち、ハロゲン化銀乳剤は、塩化銀、塩ヨウ化銀、臭化
銀、臭塩化銀、塩臭化銀、ヨウ塩化銀、ヨウ臭化銀、臭
ヨウ塩化銀、塩ヨウ臭化銀、ヨウ臭塩化銀及びヨウ塩臭
化銀を含むことができる。しかしながら、当該乳剤は、
塩化銀乳剤を主体とするものであることが好ましい。塩
化銀が主体であるとは、乳剤粒子の約50モル%超が塩
化銀であることを意味する。好ましくは、塩化銀が約9
0モル%超であり、さらに最適には塩化銀が約95モル
%超である。
【0027】ハロゲン化銀乳剤は、任意の大きさ及び形
態の粒子を含有することができる。すなわち、当該粒子
は、立方体、八面体、十四面体又は立方体格子形ハロゲ
ン化銀粒子の天然形態のいずれの形態でもとることがで
きる。さらに、当該粒子は、球体粒子や平板状粒子のよ
うな不規則粒子であってもよい。平板状粒子又は立方体
粒子が好適である。本発明の写真要素は、The Theory o
f the Photographic Process (Fourth Edition, T.H. J
ames, Macmillan Publishing Company Inc., 1977, pp.
151-152)に記載されているような乳剤を利用すること
ができる。ハロゲン化銀乳剤の写真感度を改良するため
の還元増感が知られている。還元増感したハロゲン化銀
乳剤は一般に良好な写真感度を示すが、望ましくないカ
ブリや不十分な貯蔵安定性が問題となることも多い。
【0028】還元増感は、銀イオンを還元して金属銀原
子を生成させる薬剤である還元増感剤を添加することに
より、又は、高pH(水酸化物イオンの過剰)及び/又
は低pAg(銀イオンの過剰)のような還元性環境を提
供することにより、意図的に実施することができる。ハ
ロゲン化銀乳剤の析出中に、例えば、硝酸銀又はアルカ
リ溶液を急激に又は十分に混合せずに添加して乳剤粒子
を形成させた場合には意図しない還元増感が起こること
がある。また、ハロゲン化銀乳剤を、チオエーテル、セ
レノエーテル、チオウレア又はアンモニアのような熟成
剤(粒子成長調節剤)の存在下で析出させると、還元増
感を促進しやすい。
【0029】乳剤を還元増感するために析出中又は分光
/化学増感中に使用することができる還元増感剤及び還
元環境の例として、アスコルビン酸誘導体、錫化合物、
ポリアミン化合物及び二酸化チオウレア系化合物(米国
特許第2,487,850号、同第2,512,925
号及び英国特許第789,823号に記載)が挙げられ
る。還元増感剤又は還元条件の具体例、例えば、ジメチ
ルアミンボラン、塩化第一錫、ヒドラジン、高pH(p
H8〜11)及び低pAg(pAg1〜7)熟成につい
ては、S. Collier (Photographic Science and Enginee
ring, 23, 113(1979)) に記載されている。意図的に還
元増感されたハロゲン化銀乳剤を調製するための方法の
例が、欧州特許出願公開第0 348 934号A1
(山下)、同第0 369 491号(山下)、同第0
371 388号(大橋)、同第0 396 424
号A1(高田)、同第0 404 142号A1(山
田)及び同第0 435 355号A1(牧野)に記載
されている。
【0030】本発明は、リサーチ・ディスクロージャー
(Research Disclosure, September1997, Item 40145)
に記載されている材料に利用することができる。本発明
は、セクションXVI 及びXVIIのカラーペーパーの具体例
に用いるのに特に適している。セクションIIのカプラー
も特に好適である。セクションIIのマゼンタIカプラ
ー、特に下記のM−7、M−10、M−11及びM−1
8が特に望ましい。
【0031】
【化1】
【0032】本発明の写真要素は、リサーチ・ディスク
ロージャー(Research Disclosure,September 1996, Ite
m 38957, Section I, Kenneth Mason Publications, Lt
d.,Dudley Annex, 12a North Street, Emsworth, Hamps
hire PO10 7DQ, ENGLAND)に記載されているように、イ
リジウム、ロジウム、オスミウム及び鉄のような第VIII
族金属でドープされた乳剤を使用することができる。さ
らに、ハロゲン化銀乳剤の増感にイリジウムを使用する
ことについての概要が、Carroll, "IridiumSensitizati
on: A Literature Review", Photographic Science and
Engineering, Vol. 24, No. 6, 1980 に記載されてい
る。米国特許第4,693,965号には、イリジウム
塩及び写真用分光増感色素の存在下で乳剤を化学増感す
ることによるハロゲン化銀乳剤の製造方法が記載されて
いる。このようなドーパントを含める場合、The Britis
h Journal of Photographic Annual, 1982, pp. 201-20
3 に記載されているカラーリバーサルE−6処理で処理
した場合に、乳剤は高い新規カブリ及び低コントラスト
センシトメトリー曲線を示す場合がある。
【0033】本発明の典型的な多色写真要素は、本発明
による積層支持体の上に、少なくとも一層の赤感性ハロ
ゲン化銀乳剤層に少なくとも一種のシアン色素生成性カ
プラーが組み合わされてなるシアン色素像形成性ユニッ
トと、少なくとも一層の緑感性ハロゲン化銀乳剤層に少
なくとも一種のマゼンタ色素生成性カプラーが組み合わ
されてなるマゼンタ色素像形成性ユニットと、そして少
なくとも一層の青感性ハロゲン化銀乳剤層に少なくとも
一種のイエロー色素生成性カプラーが組み合わされてな
るイエロー色素像形成性ユニットとを担持する。当該要
素は、フィルター層、中間層、オーバーコート層、下塗
層、等のような別の層をさらに含有することができる。
また、本発明の支持体を黒白写真プリント要素に用いる
こともできる。
【0034】本発明の写真要素は、米国特許第4,27
9,945号及び同第4,302,523号に記載され
ているように、透明支持体の下側に磁性粒子を含有する
層のような透明磁気記録層をさらに含有することもでき
る。典型的には、当該要素の全体厚(支持体を除く)は
約5μm〜約30μmである。以下の表中、文献は
(1)リサーチ・ディスクロージャー(Research Disclo
sure, December 1978, Item 17643)、(2)リサーチ・
ディスクロージャー(Research Disclosure, December 1
989, Item 308119) 及び(3)リサーチ・ディスクロー
ジャー(Research Disclosure, September 1996, Item 3
8957) をさすものとする。いずれもKenneth Mason Publ
ications, Ltd. (Dudley Annex, 12a NorthStreet, Ems
worth, Hampshire PO10 7DQ, ENGLAND)の刊行物であ
る。下記表及び表中の引用文献は、本発明の要素に用い
るのに適した特定の成分を説明するものとして読むべき
ものである。下記表及びその引用文献はまた、当該要素
及びその中に含まれる画像の調製、露光、処理及び操作
に適した方法を説明するものでもある。
【0035】文献 セクション 主題 1 I, II 粒子の組成、形態及び調製 2 I, II, IX, X, XI, 乳剤の調製(硬膜剤、塗布助剤、添加物、等 XII, XIV, XV 含む) I, II, III, IX 3 A & B 1 III, IV 化学増感及び分光増感/減感 2 III, IV 3 IV, V 1 V UV色素、蛍光増白剤、発光色素 2 V 3 VI 1 VI カブリ防止剤及び安定剤 2 VI 3 VII 1 VIII 吸収材料及び散乱材料、帯電防止層、 2 VIII, XIII, XVI マット剤 3 VIII, IX C & D 1 VII 画像カプラー及び画像調節カプラー、 2 VII 色素安定剤及び色相調節剤 3 X 1 XVII 支持体 2 XVII 3 XV 3 XI 具体的層配置 3 XII, XIII ネガ型乳剤、直接ポジ型乳剤 2 XVIII 露光 3 XVI 1 XIX, XX 化学処理、現像主薬 2 XIX, XX, XXII 3 XVIII, XIX, XX 3 XIV 走査及びデジタル処理法
【0036】写真要素には、電磁スペクトルの紫外領
域、可視領域及び赤外領域を含む各種形態のエネルギ
ー、並びに、電子線、β線、γ線、X線、α粒子、中性
子線及びその他の非コヒーラント(相がランダム)又は
レーザーのようなコヒーラント(相が一致)のいずれか
の形態の粒子且つ波様輻射エネルギーを当てることがで
きる。写真要素をX線照射用にする場合には、常用の放
射線写真要素にある特徴を含むことができる。
【0037】写真要素には、典型的にはスペクトルの可
視領域にある化学線を当てて潜像を形成させ、次いで、
熱処理以外の方法で、処理して可視像を形成させること
が好ましい。処理は、公知のRA−4(商標)(Eastma
n Kodak 社) プロセス又は高塩化物乳剤の現像に適した
他の処理系で行うことが好ましい。
【0038】本発明による耐水性樹脂コーティングを形
成するため、顔料及びその他の添加物を含有するペレッ
トを用いて、紙又は合成紙の支持体を移動させながらそ
の上にホットメルトコーティングする。所望であれば、
ペレットをポリマーで希釈してからホットメルトコーテ
ィングに供する。単層コーティングの場合、樹脂層を積
層法により形成することができる。ダイは特定の何らか
のタイプに限定されることはなく、T−スロットやコー
トハンガーダイのような通常のダイのいずれであっても
よい。耐水性樹脂のヒートメルト押出における出口オリ
フィス温度は260〜349℃(500〜660°F)
の範囲である。さらに、支持体を樹脂でコーティングす
る前に、支持体を、コロナ放電、フレーム、オゾン、プ
ラズマ又はグロー放電のような活性化処理で処理しても
よい。
【0039】本発明に用いられる反射性支持体のベース
紙に適用される樹脂層の厚さは、画像形成側で、5〜1
00μmの範囲にあることが好ましく、10〜50μm
の範囲にあることが最も好ましい。画像形成要素の反対
側のベース紙に適用される樹脂層の厚さは、5〜100
μmの範囲にあることが好ましく、10〜50μmの範
囲にあることがより好ましい。
【0040】耐水性樹脂コーティングの画像形成面側の
表面は、光沢面、微粒面、絹目面、粒状面又はマット面
であることができる。耐水性コーティングの画像形成要
素を被覆しない裏側の表面もまた、光沢面、微粒面、絹
目面又はマット面であることができる。画像形成要素か
ら離れている裏側の好ましい耐水性表面はマット面であ
る。
【0041】
【実施例】以下の実施例は本発明の実施を説明するもの
である。これらは本発明の実施可能なすべてのバリエー
ションを排除することを意図するものではない。別段の
定めがない限り、部及びパーセントは重量を基準とす
る。また、別段の定めがない限り、分子量は数平均分子
量とする。
【0042】100%漂白硬木クラフトのパルプファー
ニッシュをダブルディスク式リファイナー、次いでJord
anコニカルリファイナーにより精製することにより印画
紙用支持体を製作した。得られたパルプファーニッシュ
に、乾燥重量を基準として、0.8%のステアリン酸ナ
トリウム、0.5%の塩化アルミニウム、0.15%の
スチルベントリアジンFWA、0.2%のポリアミド−
エピクロロヒドリン、0.7%のアニオン性ポリアクリ
ルアミド及び0.6%のTiO2 を添加した。Fourdrin
ier 式製紙機で1000ft2 (ksf) 当たり約31.5lb
の絶乾重量のベース紙を製作し、湿式プレスで固形分を
42%とし、そしてスチーム加熱式ドライヤーで湿分3
%になるまで乾燥することにより、見掛け密度0.70
g/ccを達成した。その後、垂直式サイズプレスを用いて
16%ヒドロキシエチル化コーンスターチ溶液で紙ベー
スを表面サイズ処理し、4.2重量%のスターチを配合
した。表面サイズ処理後の支持体をスチーム加熱式ドラ
イヤーで湿分8.8%になるまで乾燥し、そしてカレン
ダー処理して見掛け密度を1.08g/ccにした。
【0043】例1 連続混合機を用いて、0.22μのルチル形TiO2
6%と、ステアリン酸亜鉛1%と、蛍光増白剤0.15
%と、分子量2286の化合物A0.3%と、青着色剤
0.6%と、赤着色剤0.002%とをブレンドして濃
縮ペレットを調製した。例2 連続混合機を用いて、アナターゼ形TiO2 43.5%
と、ステアリン酸亜鉛1%と、蛍光増白剤0.15%
と、分子量2286の化合物A0.3%と、青着色剤
0.6%と、赤着色剤0.002%とをブレンドして濃
縮ペレットを調製した。
【0044】例3(対照) 連続混合機を用いて、アナターゼ形TiO2 43.5%
と、ステアリン酸亜鉛1%と、蛍光増白剤0.15%
と、化合物B0.3%と、青着色剤0.6%と、赤着色
剤0.002%とをブレンドして濃縮ペレットを調製し
た。例4(対照) 連続混合機を用いて、アナターゼ形TiO2 43.5%
と、ステアリン酸亜鉛1%と、蛍光増白剤0.15%
と、分子量2500超のヒンダードアミン、ポリ〔〔6
−〔(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ〕
−s−トリアジン2,4−ジイル〕〔2,2,6,6−
テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ〕ヘキサメチレ
ン〔(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジ
ル)イミノ〕〕0.3%と、青着色剤0.6%と、赤着
色剤0.002%とをブレンドして濃縮ペレットを調製
した。
【0045】例1〜4からの樹脂の各々33%に低密度
ポリエチレン67%を配合し、そして当該樹脂配合物2
5μmを印画紙の上に押出塗布した。Eagan 2.5"押出機
を用いて樹脂を 800 ft/分で押出した。押出ポリマーの
温度を293℃〜316℃(560°F〜600°F)
の範囲で変動させた。ANSI試験法T539cm−8
8「ポリエチレンの多孔質基材に対する密着性の測定」
を利用して、例の樹脂の密着性を主観的に比較した。本
法では、引裂きがコーティングを分離しない場合には、
1プライのラミネーションの上のコーティングに小さな
「X」を切り込んだ。その試料の「X」の上に一片のセ
ロファンテープをしっかりと付着させた。試料を平らな
水平面に対して保持しながら、そのテープを試料から剥
がした。すべての試験を試料の横方向において実施し
た。コーティングが分離する場合、プライを引き離すこ
とにより試料を離層させようとした。何ら抵抗なく離層
した場合の密着性を「不十分」と格付けし、コーティン
グが離層に対して相当の抵抗を示した場合には「良
好」、またコーティングの分離が多孔質基材の100%
繊維引裂きによる場合には「優良」とした。
【0046】樹脂被覆試料を周囲暗所条件下でインキュ
ベーションすることによりイエローエッジを測定した。
暗所インキュベーションの前後で試料のb* を測定する
ことにより黄変量を試験した。CIE表色系は、試料中
のイエロー及び青の量を数学的に表すものとしてb*
使用する。当該数値が大きいほど、試料の黄色度は高く
なる。 Δb* =b* (インキュベーション後)−b* (インキ
ュベーション前) Δb* が高いほど、起こった黄変量は多い。 試料を、1076.4ルクス(100フートキャンド
ル)の光で、湿度50%、50℃において50日間イン
キュベーションすることにより、長期光安定性を測定し
た。樹脂は、分子量が約300,000から10,00
0へ低下すると亀裂を生じはじめる。各例の密着性、イ
エローエッジ及び長期安定性の試験結果を下記表1〜3
に示す。
【0047】 表1:樹脂の紙に対する密着性 押出温度樹脂 316℃ 310℃ 304℃ 299℃ 293℃ 例1 優良 優良 優良 優良 優良 例2 優良 優良 優良 優良 優良 例3(対照) 優良 不十分 不十分 不十分 不十分 例4(対照) 優良 優良 優良 不十分 不十分
【0048】 表2:イエローエッジ樹脂 316℃におけるb* 例1 0.1 例2 0.6 例3(対照) 3.9 例4(対照) 0.5
【0049】 表3:長期安定性樹脂 亀裂発生に至る日数 例1 >4000 例2 >4000 例3(対照) 100 例4(対照) >4000
【0050】表1は、本発明(例1及び例2)が、樹脂
の紙に対する密着性について、従来技術(例3及び例
4)よりも優れることを明白に示している。従来技術で
は299℃〜310℃(570°F〜590°F)の間
で紙に密着しなかったが、本発明は293℃(560°
F)でもなお優れた密着性を示した。本発明の長期色安
定性が表2のイエローエッジ試験で例証されている。本
発明(例1及び例2)のイエローエッジは、例3(対
照)の場合の1/6以下の黄変度を示した。
【0051】本発明の長期耐クラック性は、例3(対
照)よりも優れている。上記のインキュベーション条件
下では、本発明は4000日以上経過後もクラッキング
の兆候を何ら見せなかった。本発明の低分子量による樹
脂の紙に対する密着性、イエローエッジ及び長期安定性
は、従来技術の比較物よりも優れている。
【0052】
【発明の効果】ポリオレフィン系ポリマーと、数平均分
子量2300未満のヒンダードアミン系安定剤とを使用
することにより、低温高速におけるポリオレフィン層の
紙ベースに対する密着性が改良される。さらに、ポリオ
レフィン系ポリマーとヒンダードアミン系安定剤との組
合せは、クレージングや黄変のような経時変化的欠陥を
防止する上でも有効性が高い。
【0053】以下、本発明の好ましい実施態様を項分け
記載する。 〔1〕紙基材と、前記紙基材に隣接した層であってポリ
オレフィン系ポリマー及びヒンダードアミン系安定剤を
含む層とを含んでなり、前記ヒンダードアミン系安定剤
の数平均分子量が2300未満である画像形成要素。 〔2〕前記層がさらに白色顔料を含む、〔1〕項に記載
の画像形成要素。 〔3〕前記層が5μm〜100μmの厚みを有する、
〔1〕項に記載の画像形成要素。 〔4〕前記ヒンダードアミン系安定剤が前記層の0.0
1重量%〜5重量%を構成する、〔1〕項に記載の画像
形成要素。 〔5〕前記層が10重量%よりも多量の二酸化チタンを
含む、〔1〕項に記載の画像形成要素。 〔6〕前記層が10重量%〜50重量%の二酸化チタン
を含む、〔1〕項に記載の画像形成要素。 〔7〕前記ヒンダードアミン系安定剤が200〜230
0の数平均分子量を有する、〔1〕項に記載の画像形成
要素。 〔8〕前記白色顔料が、粒径0.1μm〜0.26μm
のルチル形二酸化チタンを含む、〔2〕項に記載の画像
形成要素。
〔9〕前記層がさらに蛍光増白剤を含む、〔1〕項に記
載の画像形成要素。
【0054】〔10〕前記層がさらに色味付与剤を含
む、〔1〕項に記載の画像形成要素。 〔11〕前記層がさらに他の安定剤を含む、〔1〕項に
記載の画像形成要素。 〔12〕さらに少なくとも一層の感光性ハロゲン化銀と
色素生成性カプラーとを含む、〔2〕項に記載の画像形
成要素。 〔13〕前記層が前記紙の最上部にある、〔1〕項に記
載の画像形成要素。 〔14〕さらに前記紙に隣接した底層であってポリオレ
フィン系ポリマーを含む底層を含んでなり、前記ヒンダ
ードアミン系安定剤の数平均分子量が2300未満であ
る、〔13〕項に記載の画像形成要素。 〔15〕さらにフェノール系酸化防止剤を含む、〔1〕
項に記載の画像形成要素。 〔16〕さらにホスファイト系酸化防止剤を含む、〔1
5〕項に記載の画像形成要素。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 紙基材と、前記紙基材に隣接した層であ
    ってポリオレフィン系ポリマー及びヒンダードアミン系
    安定剤を含む層とを含んでなり、前記ヒンダードアミン
    系安定剤の数平均分子量が2300未満である画像形成
    要素。
JP11237940A 1998-08-27 1999-08-25 画像形成要素 Pending JP2000081684A (ja)

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