JP2000081140A - 金属ガスケット及びその製造方法 - Google Patents
金属ガスケット及びその製造方法Info
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Abstract
れたゴム被覆層の表面を非粘着化、低摩擦化することに
より、ゴム被覆層表面に潤滑剤粉末等を塗布することを
不要にし、コストを低減できると共に、加工、取扱い時
の潤滑剤粉末の飛散、汚染を解消する。 【解決手段】 ガスケットを構成する金属板の表面のゴ
ム被覆層がゴム塗料の溶剤に溶解しない無機潤滑剤粉末
を含有する。該ゴム被覆層はゴムに加硫剤、充填材等を
混練りしたゴム混和物を溶剤に溶解したゴム塗料にカー
ボン、グラファイト、二硫化モリブテン等の無機潤滑剤
粉末を混合した塗料を金属板に塗装し、加硫して形成さ
れる。
Description
シリンダヘッドガスケット等、ガスケットを構成する金
属板の表面にゴム被覆層を有する金属ガスケット及びそ
の製造方法に関するものである。
ダヘッドガスケット等の金属ガスケットにおいては、通
常、金属ガスケットの外側表面にゴム被覆層を備えてい
る。該ゴム被覆層は、シールすべき接合面及び金属ガス
ケットの外側表面における傷、表面粗さ、歪み等の不整
を補償し、ガスケットの密封性を高める。ガスケットが
複数の金属板からなる積層ガスケットにおいては、通
常、ガスケットを構成する金属板の互いに対向する表面
の一方もしくは双方にゴム被覆層を被覆し、同様に対向
する金属板表面間の密封性を高めている。
性があるために、熱膨張、収縮或いは振動等により、シ
ールすべき接合面と金属ガスケットとが相対的に摺動す
るときの摩擦が大きくなる。従って、円滑な摺動が阻害
されることがあり、また長期使用中にゴム被覆層にフロ
ー、摩耗を生じ、ガスケットの密封性を低下させる。更
に、ガスケットの製造工程中において両面もしくは片面
にゴム被覆層を有する金属板を積み重ねたときに、ゴム
被覆層が上下に重ねられた他の金属板の表面に又はその
表面のゴム被覆層に粘着してくっつき、取扱いに支障を
きたすことがある。
おいてはカーボンブラック等の無定形炭素を意味す
る)、グラファイト、二硫化モリブテン等の無機潤滑剤
粉末或いはシリコーン系離型剤等の滑り剤をゴム被覆層
の表面に塗布している。これらの滑り剤はゴム被覆層の
表面を非粘着化する粘着防止剤として機能し、同時にゴ
ム被覆層の表面を低摩擦化する潤滑剤として機能する。
ン等の無機潤滑剤粉末をゴム被覆層の表面に塗布する場
合は、溶剤等の液体に潤滑剤粉末を混入したものをディ
ッピング、ロールコーター、刷毛塗り等によって塗布
し、液体を蒸発させて、ゴム被覆層の表面上に無機潤滑
剤粉末の塗布層を形成している。シリコーン系離型剤を
塗布する場合は、シリコーン系離型剤が液体であるか
ら、そのまま或いは溶剤等により濃度等を調整した上
で、ゴム被覆層の表面に塗布している。
においては、上記したとおり、ガスケットを構成する金
属板の表面にゴム被覆層を被覆したのちに、該ゴム被覆
層の表面を非粘着化し、滑り性を増大させるために、更
に工程を重ねて、無機潤滑剤粉末或いはシリコーン系離
型剤等の滑り剤をゴム被覆層の表面に塗布する必要があ
った。従って、滑り剤塗布工程を必要とする分、ガスケ
ットの加工コストが上昇する難点があった。
ト、二硫化モリブテン等の無機潤滑剤粉末を塗布する場
合は、ガスケットの製造工程中において或いは完成され
たガスケットの取扱い時に、ゴム被覆表面に塗布された
無機潤滑剤粉末がゴム被覆表面から脱落し易く、脱落し
た無機潤滑剤粉末が周囲に飛散し、周囲を汚染する難点
があった。
スケットを構成する金属板の表面に被覆されたゴム被覆
層の表面自体を非粘着化し、低摩擦化することにより、
ゴム被覆層の表面に無機潤滑剤粉末等の滑り剤を塗布す
ることを不必要にし、加工コストを低減させるととも
に、ガスケットの製造工程中及び製造後の取扱いにおい
て無機潤滑剤粉末が周辺に飛散し、周辺を汚染する難点
がない金属ガスケット及びその製造方法を提供するもの
である。
明は、ガスケットを構成する金属板の表面にゴム被覆層
を有する金属ガスケットにおいて、該ゴム被覆層が、ゴ
ム塗料の溶剤に実質的に溶解しない無機潤滑剤粉末を含
有し、しかも該ゴム被覆層が、ゴム混和物を溶剤に溶解
したゴム塗料に前記無機潤滑剤粉末を混合した塗料を塗
装し、加硫することにより形成されていることを特徴と
するものである。
属板の表面にゴム被覆層を有するガスケットの製造方法
において、ゴムに加硫剤、老化防止剤、充填材等を混練
りしたゴム混和物を溶剤に溶解してゴム塗料としたの
ち、該ゴム塗料の溶剤に実質的に溶解しない無機潤滑剤
粉末を該ゴム塗料に混合し、次いで該無機潤滑剤混合ゴ
ム塗料を前記金属板の表面に塗装し、これを乾燥、加硫
してゴム被覆層を形成することを特徴とするものであ
る。
構成する金属板の表面に被覆されたゴム被覆層は、溶剤
に溶解されず、またゴムに混練りされていない、すなわ
ちゴムに相溶されていない、従って潤滑性能を保持する
カーボン、グラファイト、二硫化モリブテン等の無機潤
滑剤粉末を含有する。しかも、本願の発明者が見出した
ところによれば、ゴム被覆層中にゴムに相溶されずに包
含されている無機潤滑剤粉末は、ゴム被覆層中の金属板
側の部分よりも外表面側の部分においてより多量に包含
されるように分布している。
板の表面に被覆されたゴム被覆層の表面は、ゴム被覆層
中に包含される上記の無機潤滑剤粉末により非粘着化さ
れ、低摩擦化される。ゴム混和物を溶剤に溶解したゴム
塗料に混合する無機潤滑剤粉末の種類及び混合量を適宜
に選ぶことにより、従来のゴム被覆層上に無機潤滑剤粉
末等を塗布した場合とほぼ同程度に或いはこれに近い程
度にまで充分に非粘着化し、低摩擦化することができ
る。従って、本発明によるガスケットにおいては、ゴム
被覆層上に無機潤滑剤粉末等の滑り剤を塗布する必要は
全くなく、従来、通常に行なわれていた滑り剤塗布の工
程を省略でき、加工コストを低減できる。
有されている無機潤滑剤粉末は、ゴムに相溶されていな
いものでも、ゴムに結着はされているので、ガスケット
の製造工程中或いはガスケット完成後の取扱いにおいて
無機潤滑剤粉末が周囲に飛散し、周囲を汚染することは
ない。
いては、ゴム被覆層中に含有される無機潤滑剤粉末を非
粘着化剤、潤滑剤として機能させるために、無機潤滑剤
粉末がゴム塗料の溶剤に溶解されないものであることが
肝要であり、また、ゴムに加硫剤、老化防止剤、充填材
等を混練りしたゴム混和物を溶剤に溶解したゴム塗料に
無機潤滑剤粉末を混合することが肝要である。無機潤滑
剤粉末はゴムと混練りされ、ゴムと相溶されてはならな
い。よく知られているように、カーボンブラックはゴム
に混和、混練りされる充填材、補強材として用いられ、
加硫後のゴムの耐摩耗性、引裂抵抗、引張強さ、剛さ等
を向上させる。しかし、充填材、補強材としてゴムに混
和、混練りされたカーボンブラックは、本発明における
ゴム塗料に混合された無機潤滑剤粉末とは異なりゴム被
覆層の表面を非粘着化し、低摩擦化することにはあまり
貢献しない。
述したようにゴム被覆層の表面側の部分により多く分布
する理由は次のように考えられる。すなわち、ゴム混和
物を溶剤に溶解したゴム塗料に無機潤滑剤粉末を混合し
た場合は、液体状態のゴムに相溶する無機潤滑剤粉末も
少量存在するが、多くの無機潤滑剤粉末は溶剤中に分散
しているだけである。無機潤滑剤粉末混合ゴム塗料を金
属板上に塗装し、乾燥するとき、無機潤滑剤粉末は溶剤
が蒸発するにつれ外側に染み出す(取り残される)形で
外表面に残り外表面側に多く分布するものと思われる。
他方、無機潤滑剤粉末をゴム混練り時に充填したとき
は、無機潤滑剤粉末はゴム混和物を溶剤に溶解したのち
も溶剤中に溶け出ることはなく、ゴム中に相溶したまま
である。従って、前記したような分布特性を示さない。
形態を以下に詳細説明する。図1は本発明の金属ガスケ
ットの第1の実施形態であるシリンダヘッドガスケット
の平面図であり、図2は図1のA−A線による拡大断面
図である。シリンダヘッドガスケットG1は金属板1及
び2を積層してなり、金属板1及び2はそれぞれ燃焼室
孔3及びボルト穴4を備えている。金属板1は軟質のス
テンレス鋼板、鋼板からなり、燃焼室孔3の周縁に折返
し部5を備えている。金属板2は弾性が大きいステンレ
ス鋼板からなり、前記折返し部5よりも外側の位置にお
いて燃焼室3を囲む凸状ビード6を備えている。図1に
おいてはビード6の頂部を一点鎖線で示している。
は、折返し部5及び凸状ビード6をも含む範囲にわた
り、ふっ素ゴム、シリコーンゴム等の耐熱性のゴムから
なる5〜50μmの厚さのゴム被覆層7が被覆されてい
る。金属板1はその両側の表面11及び12にゴム被覆
層7を備え、金属板2はシリンダヘッドの接合面に当接
する外側表面21のみに被覆層7を備えている。
リンダブロックの接合面或いは金属板1及び2の互いに
対向する表面における傷、ツールマーク、表面粗さ、歪
み等の不整を補償するいわゆるミクロシールの機能を果
し、ガスケットG1のシール性能を向上させる。図1に
おいては、水孔及びオイル孔の図示を省略しているが、
これらの孔の周縁部にも上記のようなミクロシール用の
ゴム被覆層7を被覆してもよい。
摩擦化するために、無機潤滑剤粉末を含有している。す
なわち、ゴム被覆層7は、ゴムに加硫剤、老化防止剤、
充填材等を混練りしたゴム混和物を溶剤に溶解したゴム
塗料に無機潤滑剤を混合した無機潤滑剤混合ゴム塗料を
金属板表面に塗装し、加硫して形成されている。無機潤
滑剤粉末はカーボン、膨張黒鉛等のグラファイト、二硫
化モリブテン等であり、ゴム塗料の溶剤に実質的に溶解
しない。
機潤滑剤粉末は、溶剤に溶解されておらず、またその多
くがゴムに相溶されておらず、潤滑性能を保持してい
る。しかも、図3に模型的に示すように、ゴム被覆層7
中における無機潤滑剤粉末8の分布には濃度グラディエ
ントがあり、金属板1もしくは2に接する側の部分より
もゴム被覆層の外表面71側の部分により多く分布して
いる。従って、ゴム被覆層7の表面は、含有する無機潤
滑剤粉末により非粘着化され、低摩擦化される。他方、
ゴム被覆層7の金属板1もしくは2に接する側の部分で
は無機潤滑剤粉末の分布が少ないので、ゴム被覆層7と
金属板1もしくは2との接着性が無機潤滑剤粉末によっ
て阻害されることは少なく、金属ガスケットの通常の使
用条件に対してはほぼ充分な接着強度を有している。
実施形態のシリンダヘッドガスケットG2を示す平面図
であり、図5は図4のB−B線による拡大断面図であ
る。ガスケットG2においては、ゴム被覆層7が燃焼室
孔3の周縁部だけでなく、金属板1及び2の表面11、
12及び21の全体にわたり被覆されている。この点を
除けば、ガスケットG2は図1及び図2に示すガスケッ
トG1と同様である。図1〜2及び図4〜5において同
一符号は同一部分を示している。
施形態のシリンダヘッドガスケットG3を示す拡大断面
図である。ガスケットG3はステンレス鋼板等の金属板
10からなり、燃焼室孔11の周りに燃焼室孔11を囲
繞する凸状ビード12を備えている。該金属板10の両
側の表面には燃焼室孔11の周縁に凸状11を含む範囲
にわたりゴム被覆層13が被覆されている。ゴム被覆層
13は1次被覆層131及び2次被覆層132の2層の
被覆層により形成されている。
無機潤滑剤粉末が混合されていないゴム塗料を塗装し、
加硫してなるものであり、該1次被覆層131上に被覆
される2次被覆層132は前記ガスケットG1及びG2
におけるゴム被覆層7と同じく、ゴム塗料に無機潤滑剤
粉末を混合した塗料を塗装し、加硫してなるものであ
る。両被覆層131及び132は同時に加熱加硫される
等により相互に接着されている。
被覆層132に含有されている無機潤滑剤粉末によりゴ
ム被覆13の表面は非粘着化され、低摩擦化されてい
る。そして、ガスケットG3においては金属板1と1次
被覆層131との接着性が無機潤滑剤粉末により阻害さ
れることが全くないので、ガスケットG1及びG2に比
べて金属板とゴム被覆層との接着がより強固である。1
次被覆層131と2次被覆層132との接着は、ゴム層
同士の接着であるから、2次被覆層に含有されている無
機潤滑剤粉末が接着性を阻害するように作用する場合で
も、接着剤を用いるまでもなく両被覆層を同時に加熱加
硫するだけでも充分な接着性が得られる。
滑剤粉末を含有しない1次被覆層と無機潤滑剤粉末を含
有する2次被覆層とからなるゴム被覆層を金属板の表面
に被覆したガスケットは、エンジンの構造によりシリン
ダヘッド及びシリンダブロックの接合面とガスケットと
の摺動が大きくなるような場合等、金属板とゴム被覆層
との接着を特に強固にすることが望まれる場合に、有利
に適用できる。
ために、もしくは段差がある部分を均一に被覆するため
に、ゴム塗料を重ね塗りする場合、或いは内側層(金属
板と接する側の層)と外側層とでゴムの材質を異ならせ
る場合等、もともとゴム被覆層を2層被覆とする必要が
ある場合においては、ゴム被覆層の外側層のみを本発明
に従って無機潤滑剤を含有する被覆層とし、その表面を
非粘着化し、低摩擦化するようにすれば、有利である。
方法について説明する。
熱性のゴムに、加硫剤、老化防止剤、MTブラック等の
充填材を配合し、また必要に応じて加硫促進剤、共加硫
材、酸化マグネシウム、水酸化カルシウム等の受酸剤等
を配合し、例えば練りロールニーダーにより常法に従っ
て混練りされたゴム混和物を溶剤により溶解してゴム塗
料を調整する。このゴム塗料に前記溶剤に実質的に溶解
しないカーボン、グラファイト、二硫化モリブテン等の
無機潤滑剤粉末の1種もしくは複数種を混合する。無機
潤滑剤粉末の配合量は前記ゴム混和物100重量部に対
し10〜70重量部である。無機潤滑剤粉末を混合した
ゴム塗料は該塗料の50〜85重量%を溶剤が占めるよ
うな濃度に必要に応じて調整される。
及び図4〜5に示すシリンダヘッドガスケットG1及び
G2における積層前の金属板1及び2の表面11、12
及び21に所定パターンに或いは全面にスクリーンコー
ティングによって或いはカーテンフローコーティングに
よって塗装する。塗装された塗膜は例えば70℃で加熱
乾燥されたのち、例えば150℃、15分間加熱され、
加硫される。形成されるゴム被覆層7の厚さは通常5〜
50μmの範囲である。得られたゴム被覆層の外表面
は、後記の実施例に示すように、充分に非粘着化され低
減された摩擦係数を有する。
被覆層131と2次被覆層132とからなるときは、ま
ず、ゴム混和物を溶剤により溶解して調整したゴム塗料
を金属板上にスクリーンコーティング(図6のゴム被覆
層の場合)によって塗装し、加熱乾燥し、次いで、この
塗膜上に前記のように調整した無機潤滑剤混合ゴム塗料
を同じくスクリーンコーティングによって重ね塗り塗装
し、加熱乾燥したのち、両塗膜を同時に加熱加硫する。
1次被覆層及び2次被覆層の厚さは、通常、それぞれ5
〜25μmである。
の配合のゴム混和物を溶剤酢酸ブチル200重量部に溶
解したゴム塗料を調製した。 (重量部) ゴ ム:ふっ素ゴム(加硫剤、加硫助剤、 100 老化防止剤含有) 充填材:MTブラック 30 受酸材:酸化マグネシウム 3 水酸化カルシウム 6 このゴム塗料にグラファイト潤滑剤粉末を40重量部添
加、混合し、潤滑剤混合ゴム塗料を調整した。
素ゴム用プライマーを塗布したステンレス鋼板の片面に
スクリーン印刷により塗装したのち、オーブン中で70
℃、10分間加熱乾燥し、次いで、同じくオーブン中で
150℃、15分間加熱し、加硫した。得られたゴム被
覆層の外表面は非粘着性で、その摩擦係数は0.15で
あった。この摩擦係数の値は、従来のゴム被覆層の外表
面に刷毛塗りによりグラファイトを塗布したときに得ら
れる摩擦係数とほぼ同等である。また、得られたゴム被
覆層の断面を観察した所、グラファイト粉末は、図3に
模型的に示すようにゴム被覆層の内部側よりも外表面側
に高濃度に分布していることが認められた。なお、潤滑
剤粉末混合塗料の塗装、乾燥、加硫中も、ゴム被覆層完
成後の加工、取扱いにおいてもグラファイト粉末の飛散
は全く生じなかった。
料を調整し、これに二硫化モリブテン潤滑剤粉末を20
重量部添加し、混合した。調整された二硫化モリブテン
粉末混合ゴム塗料を実施例1と同様にしてステンレス鋼
板上に塗装し、乾燥、加硫した。得られたゴム被覆層の
外表面は非粘着性であり、その摩擦係数は0.1であっ
た。ゴム被覆層の断面における二硫化モリブテン粉末の
分布も実施例1と同様な傾向を示していた。
ム塗料を、潤滑剤粉末を添加せずにそのまま使用し、実
施例1と同様にしてステンレス鋼板上に塗装し、乾燥、
加硫した。得られたゴム被覆層の表面は粘着性があり、
摩擦係数は0.7であった。
ァイト潤滑剤粉末40重量部を加えて混練りしたゴム混
和物を溶剤酢酸ブチル200重量部により溶解しゴム塗
料を調製した。このゴム塗料を実施例1と同様にしてス
テンレス鋼板上に塗装し、乾燥し、加硫した。得られた
ゴム被覆層の外表面は粘着性があり、摩擦係数は0.5
であった。また、ゴム被覆層の断面を観察しても、実施
例1で述べたようなグラファイト粉末の分布のグラディ
エントは認められなかった。
ンダヘッドガスケットに適用する場合について説明した
が、本発明の適用はシリンダヘッドガスケットに限られ
るものではなく、例えばエグゾーストマニホルドガスケ
ット、インテークマニホルドガスケット、オイルパン用
ガスケット等、表面にゴム被覆層を有する金属板により
構成されるガスケットに広く適用できるものである。従
ってゴム被覆層を構成するゴムの種類も高耐熱性のふっ
素ゴム、シリコーンゴム等に限られるものではなく、ニ
トリルゴム、アクリルゴム、SBR等の種々のゴムを用
いることができる。
には、ガスケットと被シール面との間の摺動があまり問
題にならず、ゴム被覆層表面の低摩擦化が必要でないも
のもある。しかし、そのようなものでも本発明によりゴ
ム被覆層の表面を非粘着化、低摩擦化することにより、
ガスケット製造工程中におけるゴム被覆層の粘着、くっ
つきによる障害を防止し、また従来の粘着防止剤の飛散
の弊害を解消するという利益を享受できる。
ケット及びその製造方法によれば、ガスケットを構成す
る金属板の表面に被覆されたゴム被覆層の表面が非粘着
化され、低摩擦化され、従来のゴム被覆層上に無機潤滑
剤粉末を塗布したものとほぼ同等或いはこれに近い非粘
着性、低摩擦性が得られる。従って、本発明による金属
ガスケットにおいては、従来のように無機潤滑剤粉末等
を塗布する必要がなく、そのための工程を省略でき、加
工コストを低減できる。また、本発明によれば、ガスケ
ット製造工程中或いは製造後の加工、取扱い時にゴム被
覆層表面に塗布されている無機潤滑剤粉末が周辺に飛散
し、周辺を汚染する問題を解消できる。
面図である。
説明図である。
面図である。
大断面図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 ガスケットを構成する金属板の表面にゴ
ム被覆層を有する金属ガスケットにおいて、該ゴム被覆
層がゴム塗料の溶剤に実質的に溶解しない無機潤滑剤粉
末を含有し、しかも該ゴム被覆層がゴム混和物を溶剤に
溶解したゴム塗料に前記無機潤滑剤粉末を混合した塗料
を塗装し、加硫することにより形成されていることを特
徴とする金属ガスケット。 - 【請求項2】 前記ゴム被覆層が、その金属板側の部分
よりも外表面側の部分において前記無機潤滑剤粉末を相
対的に多量に含有する請求項1に記載の金属板ガスケッ
ト。 - 【請求項3】 前記無機潤滑剤粉末が、カーボン、グラ
ファイト及び二硫化モリブテンの中の1種もしくは複数
種からなる請求項1に記載の金属ガスケット。 - 【請求項4】 無機潤滑剤粉末を含有する前記ゴム被覆
層が、無機潤滑剤粉末が混合されていないゴム塗料の塗
装、加硫により形成された1次ゴム被覆層を介して、金
属板の表面に被覆されている請求項1に記載の金属ガス
ケット。 - 【請求項5】 ガスケットを構成する金属板の表面にゴ
ム被覆層を有する金属ガスケットの製造方法において、
ゴムに加硫剤、老化防止剤、充填材等を混練りしたゴム
混和物を溶剤に溶解してゴム塗料としたのち、該ゴム塗
料の溶剤に実質的に溶解しない無機潤滑剤粉末を該ゴム
塗料に混合し、次いで該無機潤滑剤粉末混合ゴム塗料を
金属板の表面に塗装し、これを乾燥、加硫してゴム被覆
層を形成することを特徴とする金属ガスケットの製造方
法。 - 【請求項6】 前記金属板の表面に、無機潤滑剤粉末が
混合されていないゴム塗料を塗装し、乾燥したのち、該
塗装層上に前記無機潤滑剤粉末混合ゴム塗料を塗装し、
乾燥し、次いで両塗装層を同時に加熱加硫する請求項5
に記載の金属ガスケットの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10285155A JP2000081140A (ja) | 1998-07-07 | 1998-10-07 | 金属ガスケット及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10-191444 | 1998-07-07 | ||
JP19144498 | 1998-07-07 | ||
JP10285155A JP2000081140A (ja) | 1998-07-07 | 1998-10-07 | 金属ガスケット及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2000081140A true JP2000081140A (ja) | 2000-03-21 |
Family
ID=26506694
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---|---|---|---|
JP10285155A Pending JP2000081140A (ja) | 1998-07-07 | 1998-10-07 | 金属ガスケット及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2000081140A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2007051836A (ja) * | 2005-08-19 | 2007-03-01 | Matsushita Electric Ind Co Ltd | 調理器 |
DE102023103489A1 (de) | 2022-02-15 | 2023-08-17 | Ishikawa Gasket Co., Ltd. | Dichtung |
-
1998
- 1998-10-07 JP JP10285155A patent/JP2000081140A/ja active Pending
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KR20230123000A (ko) | 2022-02-15 | 2023-08-22 | 이시카와 가스킷 가부시키가이샤 | 개스킷 |
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