JP3467196B2 - 金属ガスケット - Google Patents
金属ガスケットInfo
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Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は金属ガスケットに関
し、特に金属製の基板に塗装層を被着して成り、内燃機
関のシリンダヘッドガスケット等として好適な金属ガス
ケットに係る。
し、特に金属製の基板に塗装層を被着して成り、内燃機
関のシリンダヘッドガスケット等として好適な金属ガス
ケットに係る。
【0002】
【従来の技術】圧力流体に対し接合面からの漏洩を防止
するため接合部材間にガスケットが介装されることはよ
く知られており、例えば内燃機関のシリンダヘッドとシ
リンダブロックとの間にはシリンダヘッドガスケットが
介装されている。この種のガスケットに関し、近時は金
属製の板材から成る金属ガスケットが注目されている。
するため接合部材間にガスケットが介装されることはよ
く知られており、例えば内燃機関のシリンダヘッドとシ
リンダブロックとの間にはシリンダヘッドガスケットが
介装されている。この種のガスケットに関し、近時は金
属製の板材から成る金属ガスケットが注目されている。
【0003】例えば実開昭61−41960号公報に
は、弾性金属板にビードを形成した基板の表面に加硫第
1塗装層を被着すると共に、この上に非加硫第2塗装層
を被着し、二層の塗装層を形成した金属ガスケットが開
示されている。また、実開平1−146064号公報に
おいては、弾性金属板の基板上に加硫剤を含む未加硫塗
装層を被着した金属ガスケットが開示されている。尚、
後者の公報では、加硫剤を含まない軟化層が非加硫層と
定義され、加硫剤を含み未だ加硫処理が施されていない
軟化層が未加硫層と定義されており、前者の実開昭61
−41960号公報においても同様の意義で加硫、非加
硫が区別されている。
は、弾性金属板にビードを形成した基板の表面に加硫第
1塗装層を被着すると共に、この上に非加硫第2塗装層
を被着し、二層の塗装層を形成した金属ガスケットが開
示されている。また、実開平1−146064号公報に
おいては、弾性金属板の基板上に加硫剤を含む未加硫塗
装層を被着した金属ガスケットが開示されている。尚、
後者の公報では、加硫剤を含まない軟化層が非加硫層と
定義され、加硫剤を含み未だ加硫処理が施されていない
軟化層が未加硫層と定義されており、前者の実開昭61
−41960号公報においても同様の意義で加硫、非加
硫が区別されている。
【0004】更に、特開平2−227217号公報に
は、前述の実開昭61−41960号公報に記載の金属
ガスケットについて加硫ゴム層と非加硫ゴム層との層間
の密着が弱く剥離が生ずるおそれがあり、また製造工程
が複雑で長時間を必要とするとし、これを解決する方法
が提案されている。即ち、素材表面に加硫剤を含む加硫
剤層を形成した後に、該加硫層上に非加硫ゴム層を形成
して該非加硫ゴム層を加硫し、上記素材の表面側からゴ
ム層の表面側となるに従って加硫度が小さくなる加硫ゴ
ム層を形成するという方法である。
は、前述の実開昭61−41960号公報に記載の金属
ガスケットについて加硫ゴム層と非加硫ゴム層との層間
の密着が弱く剥離が生ずるおそれがあり、また製造工程
が複雑で長時間を必要とするとし、これを解決する方法
が提案されている。即ち、素材表面に加硫剤を含む加硫
剤層を形成した後に、該加硫層上に非加硫ゴム層を形成
して該非加硫ゴム層を加硫し、上記素材の表面側からゴ
ム層の表面側となるに従って加硫度が小さくなる加硫ゴ
ム層を形成するという方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】実開平1−14606
4号公報に記載の金属ガスケットにおいては、実開昭6
1−41960号公報に記載の加硫第1塗装層の上に非
加硫第2塗装層を被着した金属ガスケットでは非加硫層
が流出してシール性が悪化することを問題とし、シール
性と耐久性を同時に満たすべく未加硫塗装層を被着する
こととしている。
4号公報に記載の金属ガスケットにおいては、実開昭6
1−41960号公報に記載の加硫第1塗装層の上に非
加硫第2塗装層を被着した金属ガスケットでは非加硫層
が流出してシール性が悪化することを問題とし、シール
性と耐久性を同時に満たすべく未加硫塗装層を被着する
こととしている。
【0006】然し乍ら、未加硫塗装層は締結部材間に装
着された後に徐々に加熱硬化されるものであるので、未
加硫塗装層に含まれる加硫剤によっては十分なシール機
能を果たし得ない場合がある。例えば加硫剤として、常
温で加硫が進行する常温加硫型と、常温より高温で加硫
が進行する加熱加硫型が知られているが、未加硫塗装層
に含まれる加硫剤が前者の常温加硫型である場合には、
金属ガスケットを製造後通常の保管状態では時間の経過
と共に加硫が進むので、未加硫塗装層が硬化しシール性
が低下することになる。このため、長期保存に適さず低
温室に保管する等の対策を講ずる必要がある。これに対
し、加熱加硫型の加硫剤を用いる場合には、未加硫塗装
層に対する上述の懸念は払拭されるが、加硫塗装層を形
成する際には常温加硫型の場合に比し高温で加熱する必
要があり、消費エネルギーが大となりコストアップとな
る。
着された後に徐々に加熱硬化されるものであるので、未
加硫塗装層に含まれる加硫剤によっては十分なシール機
能を果たし得ない場合がある。例えば加硫剤として、常
温で加硫が進行する常温加硫型と、常温より高温で加硫
が進行する加熱加硫型が知られているが、未加硫塗装層
に含まれる加硫剤が前者の常温加硫型である場合には、
金属ガスケットを製造後通常の保管状態では時間の経過
と共に加硫が進むので、未加硫塗装層が硬化しシール性
が低下することになる。このため、長期保存に適さず低
温室に保管する等の対策を講ずる必要がある。これに対
し、加熱加硫型の加硫剤を用いる場合には、未加硫塗装
層に対する上述の懸念は払拭されるが、加硫塗装層を形
成する際には常温加硫型の場合に比し高温で加熱する必
要があり、消費エネルギーが大となりコストアップとな
る。
【0007】一方、特開平2−227217号公報に記
載の方法によれば、加硫剤層の加硫剤が非加硫ゴム層内
に拡散しながら化合して加硫ゴム層が形成されるので、
シール性と耐久性を確保することができ、製造工程が簡
素化される。しかし、加硫剤の非加硫ゴム層内への拡散
は加硫剤層の厚さ、温度等の種々の条件に左右されるの
で、各金属ガスケットで一様とすることは必ずしも容易
ではない。このため、製品間で加硫ゴム層内の分布にバ
ラツキが生じ、一定の品質を確保することが困難とな
る。
載の方法によれば、加硫剤層の加硫剤が非加硫ゴム層内
に拡散しながら化合して加硫ゴム層が形成されるので、
シール性と耐久性を確保することができ、製造工程が簡
素化される。しかし、加硫剤の非加硫ゴム層内への拡散
は加硫剤層の厚さ、温度等の種々の条件に左右されるの
で、各金属ガスケットで一様とすることは必ずしも容易
ではない。このため、製品間で加硫ゴム層内の分布にバ
ラツキが生じ、一定の品質を確保することが困難とな
る。
【0008】そこで、本発明は、第1及び第2の塗装層
を基板に被着して成り、これらの塗装層の加硫度を簡単
且つ適切に調製し得る金属ガスケットを提供することを
目的とする。
を基板に被着して成り、これらの塗装層の加硫度を簡単
且つ適切に調製し得る金属ガスケットを提供することを
目的とする。
【0009】また、本発明の別の目的は、一旦基板に加
硫層を形成した後この上に未加硫層を被着して成り、消
費エネルギーが少なく安価に製造し得る金属ガスケット
を提供することにある。
硫層を形成した後この上に未加硫層を被着して成り、消
費エネルギーが少なく安価に製造し得る金属ガスケット
を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明は、請求項1に記載のように、金属製の基板
に第1の加硫剤を含有する第1の塗装層を被着し、該第
1の塗装層上に前記第1の加硫剤の加硫条件とは異なる
加硫条件の第2の加硫剤を含有する第2の塗装層を被着
し、該第2の塗装層の加硫度と前記第1の塗装層の加硫
度とが異なるように加硫処理して成り、相互に加硫度が
異なる二つの塗装層を有する構成としたものである。
め、本発明は、請求項1に記載のように、金属製の基板
に第1の加硫剤を含有する第1の塗装層を被着し、該第
1の塗装層上に前記第1の加硫剤の加硫条件とは異なる
加硫条件の第2の加硫剤を含有する第2の塗装層を被着
し、該第2の塗装層の加硫度と前記第1の塗装層の加硫
度とが異なるように加硫処理して成り、相互に加硫度が
異なる二つの塗装層を有する構成としたものである。
【0011】上記の金属ガスケットにおいて、請求項2
に記載のように、前記第1及び第2の加硫剤の一方は常
温で加硫が進行する常温加硫型とし、前記第1及び第2
の加硫剤の他方は常温より高温で加熱することによって
加硫が進行する加熱加硫型とし、前記基板に前記第1及
び第2の塗装層を被着した後所定温度に加熱することに
より、前記第1の塗装層の加硫度と前記第2の塗装層の
加硫度とが異なるように形成して成り、相互に加硫度が
異なる二つの塗装層を有する構成とするとよい。
に記載のように、前記第1及び第2の加硫剤の一方は常
温で加硫が進行する常温加硫型とし、前記第1及び第2
の加硫剤の他方は常温より高温で加熱することによって
加硫が進行する加熱加硫型とし、前記基板に前記第1及
び第2の塗装層を被着した後所定温度に加熱することに
より、前記第1の塗装層の加硫度と前記第2の塗装層の
加硫度とが異なるように形成して成り、相互に加硫度が
異なる二つの塗装層を有する構成とするとよい。
【0012】また、本発明は、上記の別の目的を達成す
るため、請求項3に記載のように、金属製の基板に、常
温で加硫が進行する常温加硫型塗装層を被着し、該常温
加硫型塗装層を加熱して加硫層を形成し、常温より高温
で加熱することによって加硫が進行する加熱加硫型塗装
層を前記加硫層上に被着して未加硫層を形成し、前記常
温加硫型塗装層を加熱して成る加硫層と、該加硫層上に
前記加熱加硫型塗装層を被着して成る未加硫層とを有す
る構成とするとよい。
るため、請求項3に記載のように、金属製の基板に、常
温で加硫が進行する常温加硫型塗装層を被着し、該常温
加硫型塗装層を加熱して加硫層を形成し、常温より高温
で加熱することによって加硫が進行する加熱加硫型塗装
層を前記加硫層上に被着して未加硫層を形成し、前記常
温加硫型塗装層を加熱して成る加硫層と、該加硫層上に
前記加熱加硫型塗装層を被着して成る未加硫層とを有す
る構成とするとよい。
【0013】本発明の金属ガスケットを製造するに当た
っては、金属製の基板に第1の加硫剤を含有する第1の
塗装層が被着され、この上に第2の加硫剤を含有する第
2の塗装層が被着される。そして、これら第1及び第2
の塗装層が、例えば第1の加硫剤の加硫条件を充足する
が第2の加硫剤の加硫条件を充足しない条件下で、第1
及び第2の塗装層の夫々の加硫の進行度合、即ち加硫度
が異なるように加硫処理される。而して、請求項1に記
載の、相互に加硫度が異なる二つの塗装層を有する金属
ガスケットが得られる。
っては、金属製の基板に第1の加硫剤を含有する第1の
塗装層が被着され、この上に第2の加硫剤を含有する第
2の塗装層が被着される。そして、これら第1及び第2
の塗装層が、例えば第1の加硫剤の加硫条件を充足する
が第2の加硫剤の加硫条件を充足しない条件下で、第1
及び第2の塗装層の夫々の加硫の進行度合、即ち加硫度
が異なるように加硫処理される。而して、請求項1に記
載の、相互に加硫度が異なる二つの塗装層を有する金属
ガスケットが得られる。
【0014】上記加硫条件としては、例えば加熱温度が
あり、第1及び第2の加硫剤の一方を常温加硫型とし、
他方を加熱加硫型とし、例えば前者のみが加硫する所定
温度で加熱すれば、第1の塗装層が加硫層となり、第2
の塗装層が未加硫層となり、両者の加硫度が異なること
となる。而して、請求項2に記載の、相互に加硫度が異
なる二つの塗装層を有する金属ガスケットが得られる。
あり、第1及び第2の加硫剤の一方を常温加硫型とし、
他方を加熱加硫型とし、例えば前者のみが加硫する所定
温度で加熱すれば、第1の塗装層が加硫層となり、第2
の塗装層が未加硫層となり、両者の加硫度が異なること
となる。而して、請求項2に記載の、相互に加硫度が異
なる二つの塗装層を有する金属ガスケットが得られる。
【0015】また、請求項3に係る金属ガスケットを製
造する際には、金属製の基板に常温加硫型塗装層が被着
された後加熱されて加硫層が形成される。そして、この
加硫層上に加熱加硫型塗装層が被着され未加硫層が形成
される。而して、常温加硫型塗装層を加熱して成る加硫
層と、該加硫層上に加熱加硫型塗装層を被着して成る未
加硫層とを有する金属ガスケットが得られる。
造する際には、金属製の基板に常温加硫型塗装層が被着
された後加熱されて加硫層が形成される。そして、この
加硫層上に加熱加硫型塗装層が被着され未加硫層が形成
される。而して、常温加硫型塗装層を加熱して成る加硫
層と、該加硫層上に加熱加硫型塗装層を被着して成る未
加硫層とを有する金属ガスケットが得られる。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、本発明の金属ガスケットの
実施形態を図面を参照して説明する。本発明の金属ガス
ケットの一実施形態として図8に内燃機関のシリンダヘ
ッドとシリンダブロックとの間に介装されるシリンダヘ
ッドガスケットを示している。同図に示すように、先ず
弾性金属板、例えばステンレス鋼板(SUS)によって
形成された基板1に、燃焼室孔1a、ボルト孔1b、冷
却水孔(図示せず)、潤滑油孔(図示せず)等が穿設さ
れる。更に、燃焼室孔1a回りに図8に示すようにビー
ド1cを形成することとしてもよい。そして、以下に説
明する工程に従って基板1に加硫層等が形成される。
実施形態を図面を参照して説明する。本発明の金属ガス
ケットの一実施形態として図8に内燃機関のシリンダヘ
ッドとシリンダブロックとの間に介装されるシリンダヘ
ッドガスケットを示している。同図に示すように、先ず
弾性金属板、例えばステンレス鋼板(SUS)によって
形成された基板1に、燃焼室孔1a、ボルト孔1b、冷
却水孔(図示せず)、潤滑油孔(図示せず)等が穿設さ
れる。更に、燃焼室孔1a回りに図8に示すようにビー
ド1cを形成することとしてもよい。そして、以下に説
明する工程に従って基板1に加硫層等が形成される。
【0017】図1は本発明の金属ガスケットを製造する
ための第1の工程例の要部を示すもので、第1ステップ
として基板1に第1の塗装層10を被着し、第2ステッ
プでこの上に第2の塗装層20を被着する。そして、基
板1を乾燥した後加熱炉H内で加熱し第1及び第2の塗
装層10,20に対し加硫処理を行なう。
ための第1の工程例の要部を示すもので、第1ステップ
として基板1に第1の塗装層10を被着し、第2ステッ
プでこの上に第2の塗装層20を被着する。そして、基
板1を乾燥した後加熱炉H内で加熱し第1及び第2の塗
装層10,20に対し加硫処理を行なう。
【0018】この場合において、第1の塗装層10は、
例えばフッ素ゴム(100部)に加硫当量(例えば5
部)以上の加熱加硫型の加硫剤、例えばポリオール系の
加硫剤を添加したものを供給装置S1によって基板1上
に塗布した加熱加硫型塗装層である。ここで、加硫当量
とは、対象とするフッ素ゴムを加硫硬化するに必要な加
硫剤の量をいう。また、第2の塗装層20は、フッ素ゴ
ムに加硫当量の常温加硫型の加硫剤、例えばアミン系又
はパーオキサイド系の加硫剤を添加したものを供給装置
S2によって第1の塗装層10上に塗布した常温加硫型
塗装層である。
例えばフッ素ゴム(100部)に加硫当量(例えば5
部)以上の加熱加硫型の加硫剤、例えばポリオール系の
加硫剤を添加したものを供給装置S1によって基板1上
に塗布した加熱加硫型塗装層である。ここで、加硫当量
とは、対象とするフッ素ゴムを加硫硬化するに必要な加
硫剤の量をいう。また、第2の塗装層20は、フッ素ゴ
ムに加硫当量の常温加硫型の加硫剤、例えばアミン系又
はパーオキサイド系の加硫剤を添加したものを供給装置
S2によって第1の塗装層10上に塗布した常温加硫型
塗装層である。
【0019】そして、加熱炉Hにて、加熱加硫型の加硫
剤を含有する第1の塗装層10を加硫する温度より低
く、常温加硫型の加硫剤を含有する第2の塗装層20を
加硫する温度以上の温度で加熱する。これにより、図4
に示すように、加熱加硫型の加硫剤を含有する未加硫層
11が基板1に形成されると共に、更に未加硫層11の
上に加硫層21が形成された金属ガスケットM1が製造
される。ここで、常温加流型の加硫剤は、通常、室温で
も加硫が進行するタイプのものである。本発明の常温加
硫型の加硫剤は30℃以下乃至70℃以下で実質的に加
硫が進行するものも含む。一方、加熱加硫型の加硫剤は
室温での加硫は事実上進行せず、100℃以上で加熱し
て加硫を行なわせるタイプのものである。尚、常温加硫
型の加硫剤を用いて加熱する場合には、温度を上げるこ
とで加硫を早く行なうことができる。
剤を含有する第1の塗装層10を加硫する温度より低
く、常温加硫型の加硫剤を含有する第2の塗装層20を
加硫する温度以上の温度で加熱する。これにより、図4
に示すように、加熱加硫型の加硫剤を含有する未加硫層
11が基板1に形成されると共に、更に未加硫層11の
上に加硫層21が形成された金属ガスケットM1が製造
される。ここで、常温加流型の加硫剤は、通常、室温で
も加硫が進行するタイプのものである。本発明の常温加
硫型の加硫剤は30℃以下乃至70℃以下で実質的に加
硫が進行するものも含む。一方、加熱加硫型の加硫剤は
室温での加硫は事実上進行せず、100℃以上で加熱し
て加硫を行なわせるタイプのものである。尚、常温加硫
型の加硫剤を用いて加熱する場合には、温度を上げるこ
とで加硫を早く行なうことができる。
【0020】上記第1の工程例において、第1の塗装層
10をフッ素ゴムに加硫当量の常温加硫型の加硫剤を添
加した常温加硫型塗装層とし、第2の塗装層20をフッ
素ゴムに加硫当量以上の加熱加硫型の加硫剤を添加した
加熱加硫型塗装層とし、常温加硫型塗装層が加硫する温
度以上の温度で加熱することとしてもよい。この場合に
は、図5に示すように基板1に加硫層12が形成される
と共に、この上に加熱加硫型の加硫剤を含有する未加硫
層22が形成された金属ガスケットM2が製造される。
このとき、例えば温度調整や加熱時間調整により、未加
硫層を、加硫が一部進行した状態の加硫層とすることも
できる。
10をフッ素ゴムに加硫当量の常温加硫型の加硫剤を添
加した常温加硫型塗装層とし、第2の塗装層20をフッ
素ゴムに加硫当量以上の加熱加硫型の加硫剤を添加した
加熱加硫型塗装層とし、常温加硫型塗装層が加硫する温
度以上の温度で加熱することとしてもよい。この場合に
は、図5に示すように基板1に加硫層12が形成される
と共に、この上に加熱加硫型の加硫剤を含有する未加硫
層22が形成された金属ガスケットM2が製造される。
このとき、例えば温度調整や加熱時間調整により、未加
硫層を、加硫が一部進行した状態の加硫層とすることも
できる。
【0021】図2は本発明の金属ガスケットを製造する
ための第2の工程例の要部を示すもので、第1ステップ
で基板1に第1の塗装層10を被着し、第2ステップで
加熱炉H1内にて加熱し加硫処理を行なう。そして、第
3ステップでこの上に第2の塗装層20を被着し、第4
ステップで加熱炉H2内にて加熱し加硫処理を行なう。
ための第2の工程例の要部を示すもので、第1ステップ
で基板1に第1の塗装層10を被着し、第2ステップで
加熱炉H1内にて加熱し加硫処理を行なう。そして、第
3ステップでこの上に第2の塗装層20を被着し、第4
ステップで加熱炉H2内にて加熱し加硫処理を行なう。
【0022】上記第1の塗装層10として例えばフッ素
ゴムに加硫当量に満たない加熱加硫型の加硫剤を添加し
た加熱加硫型塗装層を採用し、第2の塗装層20として
フッ素ゴムに加硫当量以上の常温加硫型の加硫剤を添加
した常温加硫型塗装層を採用し、夫々の塗装層を加硫し
得る温度で加熱すれば、図6に示す金属ガスケットM3
が形成される。即ち、図4の加熱加硫型の未加硫層11
に代わり、図6に示すように半加硫層13が形成され、
この上に加硫層23が形成される。この半加硫層13
は、未加硫層と異なり加硫されているので流動を抑える
ことができ耐久性を有すると共に、加硫層と異なり加硫
が進行しても柔軟性を有しシール性を確保し得る。
ゴムに加硫当量に満たない加熱加硫型の加硫剤を添加し
た加熱加硫型塗装層を採用し、第2の塗装層20として
フッ素ゴムに加硫当量以上の常温加硫型の加硫剤を添加
した常温加硫型塗装層を採用し、夫々の塗装層を加硫し
得る温度で加熱すれば、図6に示す金属ガスケットM3
が形成される。即ち、図4の加熱加硫型の未加硫層11
に代わり、図6に示すように半加硫層13が形成され、
この上に加硫層23が形成される。この半加硫層13
は、未加硫層と異なり加硫されているので流動を抑える
ことができ耐久性を有すると共に、加硫層と異なり加硫
が進行しても柔軟性を有しシール性を確保し得る。
【0023】逆に、第1の塗装層10として加硫当量の
常温加硫型の加硫剤を含有した塗装層を採用し、第2の
塗装層20として加硫当量に満たない加熱加硫型の加硫
剤を含有した塗装層を採用し、夫々の塗装層を加硫し得
る温度で加熱すれば、図7に示す金属ガスケットM4の
ように加硫層14及び半加硫層24が形成される。この
ように、加熱工程を2回にしてもよく、当然乍ら常温加
硫型の塗装層を加熱する際には加熱加硫型の塗装層を加
熱するより低い温度で加熱すればよい。
常温加硫型の加硫剤を含有した塗装層を採用し、第2の
塗装層20として加硫当量に満たない加熱加硫型の加硫
剤を含有した塗装層を採用し、夫々の塗装層を加硫し得
る温度で加熱すれば、図7に示す金属ガスケットM4の
ように加硫層14及び半加硫層24が形成される。この
ように、加熱工程を2回にしてもよく、当然乍ら常温加
硫型の塗装層を加熱する際には加熱加硫型の塗装層を加
熱するより低い温度で加熱すればよい。
【0024】尚、図6及び図7に示す金属ガスケットM
3,M4は第1の工程例において、フッ素ゴムに加硫当
量以上の加熱加硫型の加硫剤を添加した塗装層に代え
て、フッ素ゴムに加硫当量に満たない加熱加硫型の加硫
剤を添加した塗装層を第1の塗装層10又は第2の塗装
層20に用い、加熱加硫型塗装層を加硫するに必要な温
度以上で加熱しても同様に構成できる。
3,M4は第1の工程例において、フッ素ゴムに加硫当
量以上の加熱加硫型の加硫剤を添加した塗装層に代え
て、フッ素ゴムに加硫当量に満たない加熱加硫型の加硫
剤を添加した塗装層を第1の塗装層10又は第2の塗装
層20に用い、加熱加硫型塗装層を加硫するに必要な温
度以上で加熱しても同様に構成できる。
【0025】図3は本発明の金属ガスケットを製造する
ための第3の工程例の要部を示すもので、第1ステップ
で基板1に第1の塗装層10としてフッ素ゴムに加硫当
量の常温加硫型の加硫剤を添加した常温加硫型塗装層を
被着し、第2ステップでこれを加熱炉H内にて加熱して
加硫処理し、第3ステップにて、第2の塗装層20とし
てフッ素ゴムに加硫当量以上の加熱加硫型の加硫剤を添
加した加熱加硫型塗装層を被着するようにしたものであ
る。この工程例においては、常温加硫型塗装層を加硫し
得る温度に加熱すればよいので、加熱加硫型塗装層を加
硫する従来より低温で加熱することができ、この工程例
においても図5に示す金属ガスケットM2が形成され
る。従って、従来に比し加熱炉Hの消費電力を低減する
ことができる。ここで、第2の塗装層に代え、フッ素ゴ
ムに加硫当量に満たない加熱加硫型の加硫剤を添加した
塗装層を被着するようにしてもよい。
ための第3の工程例の要部を示すもので、第1ステップ
で基板1に第1の塗装層10としてフッ素ゴムに加硫当
量の常温加硫型の加硫剤を添加した常温加硫型塗装層を
被着し、第2ステップでこれを加熱炉H内にて加熱して
加硫処理し、第3ステップにて、第2の塗装層20とし
てフッ素ゴムに加硫当量以上の加熱加硫型の加硫剤を添
加した加熱加硫型塗装層を被着するようにしたものであ
る。この工程例においては、常温加硫型塗装層を加硫し
得る温度に加熱すればよいので、加熱加硫型塗装層を加
硫する従来より低温で加熱することができ、この工程例
においても図5に示す金属ガスケットM2が形成され
る。従って、従来に比し加熱炉Hの消費電力を低減する
ことができる。ここで、第2の塗装層に代え、フッ素ゴ
ムに加硫当量に満たない加熱加硫型の加硫剤を添加した
塗装層を被着するようにしてもよい。
【0026】上述の工程例における効果を確認すべく実
験を行なった。先ず第1の工程例において、以下のよう
に図5に示す金属ガスケットM2を製造した。基板1と
してステンレス鋼板を用い、これを脱脂洗浄する。フッ
素ゴム(100部)に、常温加硫型のアミン系加硫剤を
加硫当量(5部)添加し、これを基板1に塗布して乾燥
し、基板1上に10μmの塗装層を被着した。次に、フ
ッ素ゴム(100部)に加熱加硫型のポリオール系加硫
剤を10部添加し、基板1の塗装層の上に塗布して乾燥
し計20μmの塗装層を被着した。更に、これを加熱炉
にて130℃の温度で3時間加熱して加硫処理を行な
い、金属ガスケットM2を得た。
験を行なった。先ず第1の工程例において、以下のよう
に図5に示す金属ガスケットM2を製造した。基板1と
してステンレス鋼板を用い、これを脱脂洗浄する。フッ
素ゴム(100部)に、常温加硫型のアミン系加硫剤を
加硫当量(5部)添加し、これを基板1に塗布して乾燥
し、基板1上に10μmの塗装層を被着した。次に、フ
ッ素ゴム(100部)に加熱加硫型のポリオール系加硫
剤を10部添加し、基板1の塗装層の上に塗布して乾燥
し計20μmの塗装層を被着した。更に、これを加熱炉
にて130℃の温度で3時間加熱して加硫処理を行な
い、金属ガスケットM2を得た。
【0027】次に、第3の工程例において、上記第1の
工程例の常温加硫型塗装層を被着した後、130℃の温
度で3時間加熱し加硫処理を行なった後、加熱加硫型塗
装層を塗布して乾燥し、図5に示す金属ガスケットM2
を製造した。
工程例の常温加硫型塗装層を被着した後、130℃の温
度で3時間加熱し加硫処理を行なった後、加熱加硫型塗
装層を塗布して乾燥し、図5に示す金属ガスケットM2
を製造した。
【0028】上記の工程例に対し、比較例として以下の
六例の方法により金属ガスケットを製造した。 (比較例1)フッ素ゴムに常温加硫型加硫剤5部を添加
し、これをステンレス基板に塗布して乾燥し10μmの
塗装層を被着し、この上に加硫剤を添加しないフッ素ゴ
ムを塗布して乾燥し10μmの非加硫塗装層を被着し、
加熱炉にて130℃の温度で3時間加熱して加硫処理を
行ない、基板に加硫層と非加硫層を形成して成る金属ガ
スケットを製造した。
六例の方法により金属ガスケットを製造した。 (比較例1)フッ素ゴムに常温加硫型加硫剤5部を添加
し、これをステンレス基板に塗布して乾燥し10μmの
塗装層を被着し、この上に加硫剤を添加しないフッ素ゴ
ムを塗布して乾燥し10μmの非加硫塗装層を被着し、
加熱炉にて130℃の温度で3時間加熱して加硫処理を
行ない、基板に加硫層と非加硫層を形成して成る金属ガ
スケットを製造した。
【0029】(比較例2)フッ素ゴムに加熱加硫型加硫
剤10部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾
燥し10μmの塗装層を被着し、この上に加硫剤を添加
しないフッ素ゴムを塗布して乾燥し10μmの非加硫塗
装層を被着し、加熱炉にて190℃の温度で5時間加熱
して加硫処理を行ない、基板に加硫層と非加硫層を形成
して成る金属ガスケットを製造した。
剤10部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾
燥し10μmの塗装層を被着し、この上に加硫剤を添加
しないフッ素ゴムを塗布して乾燥し10μmの非加硫塗
装層を被着し、加熱炉にて190℃の温度で5時間加熱
して加硫処理を行ない、基板に加硫層と非加硫層を形成
して成る金属ガスケットを製造した。
【0030】(比較例3)フッ素ゴムに常温加硫型加硫
剤5部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾燥
し20μmの塗装層を被着し、加硫炉にて130℃の温
度で3時間加熱して加硫処理を行ない、基板に加硫層を
形成して成る金属ガスケットを製造した。
剤5部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾燥
し20μmの塗装層を被着し、加硫炉にて130℃の温
度で3時間加熱して加硫処理を行ない、基板に加硫層を
形成して成る金属ガスケットを製造した。
【0031】(比較例4)フッ素ゴムに加熱加硫型加硫
剤10部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾
燥し20μmの塗装層を被着し、加硫炉にて190℃の
温度で5時間加熱して加硫処理を行ない、基板に加硫層
を形成して成る金属ガスケットを製造した。
剤10部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾
燥し20μmの塗装層を被着し、加硫炉にて190℃の
温度で5時間加熱して加硫処理を行ない、基板に加硫層
を形成して成る金属ガスケットを製造した。
【0032】(比較例5)フッ素ゴムに常温加硫型加硫
剤5部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾燥
し10μmの塗装層を被着し、加熱炉にて130℃の温
度で3時間加熱して加硫処理を行った後、その上に常温
加硫型加硫剤5部を含有するフッ素ゴムをそのまま被着
し未加硫層を形成して成る金属ガスケットを製造した。
剤5部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾燥
し10μmの塗装層を被着し、加熱炉にて130℃の温
度で3時間加熱して加硫処理を行った後、その上に常温
加硫型加硫剤5部を含有するフッ素ゴムをそのまま被着
し未加硫層を形成して成る金属ガスケットを製造した。
【0033】(比較例6)フッ素ゴムに加熱加硫型加硫
剤10部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾
燥し10μmの塗装層を被着し、加熱炉にて190℃の
温度で5時間加熱して加硫処理を行った後、その上に加
熱加硫型加硫剤10部を含有するフッ素ゴムをそのまま
被着し未加硫層を形成して成る金属ガスケットを製造し
た。
剤10部を添加し、これをステンレス基板に塗布して乾
燥し10μmの塗装層を被着し、加熱炉にて190℃の
温度で5時間加熱して加硫処理を行った後、その上に加
熱加硫型加硫剤10部を含有するフッ素ゴムをそのまま
被着し未加硫層を形成して成る金属ガスケットを製造し
た。
【0034】上述の各工程例において製造された金属ガ
スケット及び比較例の金属ガスケットに対し、高圧ガス
と加圧水を用いた静圧タイプのシール試験機を用いてシ
ールテストを行なった。先ず、シール試験機に内燃機関
のシリンダヘッドとシリンダブロックを取付け、その間
に上記工程例及び比較例の金属ガスケットを介装し、ガ
ス及び水の漏れの有無を調査した(初期シールテス
ト)。そして、上記工程例及び比較例の金属ガスケット
を内燃機関のシリンダヘッド及びシリンダブロック間に
介装し、内燃機関による300時間耐久テストを行なっ
たのち、上記シール試験機により再度シールテストを行
なった(耐久後シールテスト)。
スケット及び比較例の金属ガスケットに対し、高圧ガス
と加圧水を用いた静圧タイプのシール試験機を用いてシ
ールテストを行なった。先ず、シール試験機に内燃機関
のシリンダヘッドとシリンダブロックを取付け、その間
に上記工程例及び比較例の金属ガスケットを介装し、ガ
ス及び水の漏れの有無を調査した(初期シールテス
ト)。そして、上記工程例及び比較例の金属ガスケット
を内燃機関のシリンダヘッド及びシリンダブロック間に
介装し、内燃機関による300時間耐久テストを行なっ
たのち、上記シール試験機により再度シールテストを行
なった(耐久後シールテスト)。
【0035】比較例1及び比較例2については、初期シ
ールテストでは何れも問題なかったが、耐久後シールテ
スト結果では非加硫層が流動していたことによるガス洩
れが若干生じた。比較例3及び比較例4については初期
シールテストでガス及び水の洩れが生じ、耐久テストを
行なうことができず、従って耐久後シールテストは行な
わなかった。これに対し、上述の第1及び第3の工程例
にて製造された金属ガスケットM2は、何れのシールテ
スト結果も良好で、塗装層が流動することはなく、耐久
性、シール性共に満足する結果が得られた。
ールテストでは何れも問題なかったが、耐久後シールテ
スト結果では非加硫層が流動していたことによるガス洩
れが若干生じた。比較例3及び比較例4については初期
シールテストでガス及び水の洩れが生じ、耐久テストを
行なうことができず、従って耐久後シールテストは行な
わなかった。これに対し、上述の第1及び第3の工程例
にて製造された金属ガスケットM2は、何れのシールテ
スト結果も良好で、塗装層が流動することはなく、耐久
性、シール性共に満足する結果が得られた。
【0036】比較例5においては、金属ガスケットの製
造後、5日間放置した後に行なった初期シールテストに
おいて未加硫層の加硫が進行し硬化しており、シール性
が不十分となっていた。比較例6においては初期シール
テスト、耐久後シールテストの何れのテスト結果も良好
であったが、加硫時に高温で加熱する必要があるので第
3の工程例に比し消費電力が大であった。これに対し、
同第3の工程例においては加熱炉の消費電力を小さく抑
えることができ、何れのテスト結果もシール性、耐久性
共に良好であった。
造後、5日間放置した後に行なった初期シールテストに
おいて未加硫層の加硫が進行し硬化しており、シール性
が不十分となっていた。比較例6においては初期シール
テスト、耐久後シールテストの何れのテスト結果も良好
であったが、加硫時に高温で加熱する必要があるので第
3の工程例に比し消費電力が大であった。これに対し、
同第3の工程例においては加熱炉の消費電力を小さく抑
えることができ、何れのテスト結果もシール性、耐久性
共に良好であった。
【0037】而して、上記の各工程例にて製造された金
属ガスケットM2,M4を、対峙する接合部材間、例え
ばシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に介装し、
所定の締付力を以って両者を締結すると、基板1に形成
された第2の塗装層たる未加硫層22及び半加硫層24
が流出することなく確実に接合面に密着し、接合面に微
小の凹凸が存在しても第2の塗装層に吸収されるので、
良好なシール性が確保される。
属ガスケットM2,M4を、対峙する接合部材間、例え
ばシリンダヘッドとシリンダブロックとの間に介装し、
所定の締付力を以って両者を締結すると、基板1に形成
された第2の塗装層たる未加硫層22及び半加硫層24
が流出することなく確実に接合面に密着し、接合面に微
小の凹凸が存在しても第2の塗装層に吸収されるので、
良好なシール性が確保される。
【0038】また、上記の工程例にて製造された金属ガ
スケットM1,M3は、第1の塗装層たる未加硫層1
1、半加硫層13が夫々の基板1の表面に密着し、これ
らに第2の塗装層たる加硫層21,23が密着して硬化
するので、例えば加硫層21,23を以て図8に示す基
板1のビード1cの外周側に所定幅に形成すればシール
部材を構成することができる。而して、このシール部材
によって燃焼室孔1a回りのシール性を確保すると共
に、未加硫層11又は半加硫層13は流出することなく
確実に接合面に密着し、接合面の微小の凹凸を吸収する
ことができる。尚、上記の工程例では基板1の表面に塗
装層を設けているが、基板1の表面にプライマを塗布し
た後に塗装層を形成することとしてもよい。あるいは、
プライマを第1の塗装層に配合し、これを基板1に被着
させてもよく、この工程例によればプライマ塗布の手間
が省けることとなる。更に、プライマを配合した第2の
塗装層を第1の塗装層の上に被着してもよく、製造上好
ましい。
スケットM1,M3は、第1の塗装層たる未加硫層1
1、半加硫層13が夫々の基板1の表面に密着し、これ
らに第2の塗装層たる加硫層21,23が密着して硬化
するので、例えば加硫層21,23を以て図8に示す基
板1のビード1cの外周側に所定幅に形成すればシール
部材を構成することができる。而して、このシール部材
によって燃焼室孔1a回りのシール性を確保すると共
に、未加硫層11又は半加硫層13は流出することなく
確実に接合面に密着し、接合面の微小の凹凸を吸収する
ことができる。尚、上記の工程例では基板1の表面に塗
装層を設けているが、基板1の表面にプライマを塗布し
た後に塗装層を形成することとしてもよい。あるいは、
プライマを第1の塗装層に配合し、これを基板1に被着
させてもよく、この工程例によればプライマ塗布の手間
が省けることとなる。更に、プライマを配合した第2の
塗装層を第1の塗装層の上に被着してもよく、製造上好
ましい。
【0039】
【発明の効果】本発明は上述のように構成されているの
で、以下に記載する効果を奏する。即ち、本発明の金属
ガスケットにおいては、金属製の基板に第1の加硫剤を
含有する第1の塗装層と、第1の加硫剤の加硫条件とは
異なる加硫条件の第2の加硫剤を含有する第2の塗装層
を被着した後、各々の塗装層の加硫度が異なるように加
硫処理するという簡単な方法で、金属ガスケットの各塗
装層の加硫度を適切に調製することができ、相互に加硫
度が異なる二つの塗装層を有する金属ガスケットを提供
することができる。例えば、一方の加硫剤を常温加硫型
とし他方の加硫剤を加熱加硫型とし、前者のみが加硫す
る所定温度で加硫すれば、第1の塗装層を加硫層とし、
第2の塗装層を未加硫層とすることができ、相互に加硫
度が異なる二つの塗装層を有し耐久性及びシール性を確
保し得る金属ガスケットを提供することができる。
で、以下に記載する効果を奏する。即ち、本発明の金属
ガスケットにおいては、金属製の基板に第1の加硫剤を
含有する第1の塗装層と、第1の加硫剤の加硫条件とは
異なる加硫条件の第2の加硫剤を含有する第2の塗装層
を被着した後、各々の塗装層の加硫度が異なるように加
硫処理するという簡単な方法で、金属ガスケットの各塗
装層の加硫度を適切に調製することができ、相互に加硫
度が異なる二つの塗装層を有する金属ガスケットを提供
することができる。例えば、一方の加硫剤を常温加硫型
とし他方の加硫剤を加熱加硫型とし、前者のみが加硫す
る所定温度で加硫すれば、第1の塗装層を加硫層とし、
第2の塗装層を未加硫層とすることができ、相互に加硫
度が異なる二つの塗装層を有し耐久性及びシール性を確
保し得る金属ガスケットを提供することができる。
【0040】また、常温加硫型塗装層を加熱して成る加
硫層と、該加硫層上に加熱加硫型塗装層を被着して成る
未加硫層とを有する本発明の金属ガスケットにおいて
は、比較的低い温度で加熱すればよいので消費エネルギ
ーを低減することができ、安価に製造し得る金属ガスケ
ットを提供することができる。
硫層と、該加硫層上に加熱加硫型塗装層を被着して成る
未加硫層とを有する本発明の金属ガスケットにおいて
は、比較的低い温度で加熱すればよいので消費エネルギ
ーを低減することができ、安価に製造し得る金属ガスケ
ットを提供することができる。
【図1】本発明の金属ガスケットを製造するための第1
の工程例の要部を示す工程図である。
の工程例の要部を示す工程図である。
【図2】本発明の金属ガスケットを製造するための第2
の工程例の要部を示す工程図である。
の工程例の要部を示す工程図である。
【図3】本発明の金属ガスケットを製造するための第3
の工程例の要部を示す工程図である。
の工程例の要部を示す工程図である。
【図4】本発明の金属ガスケットの一実施形態の一部の
断面図である。
断面図である。
【図5】本発明の金属ガスケットの他の実施形態の一部
の断面図である。
の断面図である。
【図6】本発明の金属ガスケットの更に他の実施形態の
一部の断面図である。
一部の断面図である。
【図7】本発明の金属ガスケットの別の実施形態の一部
の断面図である。
の断面図である。
【図8】本発明の金属ガスケットの一実施形態の平面図
である。
である。
1 基板10
第1の塗装層20
第2の塗装層
H,H1,H2 加熱炉
─────────────────────────────────────────────────────
フロントページの続き
(56)参考文献 特開 平2−227217(JP,A)
特開 昭63−26469(JP,A)
特開 昭62−255668(JP,A)
実開 昭61−41960(JP,U)
実開 昭63−45456(JP,U)
実開 平1−146064(JP,U)
Claims (3)
- 【請求項1】 金属製の基板に第1の加硫剤を含有する
第1の塗装層を被着し、該第1の塗装層上に前記第1の
加硫剤の加硫条件とは異なる加硫条件の第2の加硫剤を
含有する第2の塗装層を被着し、該第2の塗装層の加硫
度と前記第1の塗装層の加硫度とが異なるように加硫処
理して成り、相互に加硫度が異なる二つの塗装層を有す
ることを特徴とする金属ガスケット。 - 【請求項2】 前記第1及び第2の加硫剤の一方は常温
で加硫が進行する常温加硫型とし、前記第1及び第2の
加硫剤の他方は常温より高温で加熱することによって加
硫が進行する加熱加硫型とし、前記基板に前記第1及び
第2の塗装層を被着した後所定温度に加熱することによ
り、前記第1の塗装層の加硫度と前記第2の塗装層の加
硫度とが異なるように形成して成り、相互に加硫度が異
なる二つの塗装層を有することを特徴とする請求項1記
載の金属ガスケット。 - 【請求項3】 金属製の基板に、常温で加硫が進行する
常温加硫型塗装層を被着し、該常温加硫型塗装層を加熱
して加硫層を形成し、常温より高温で加熱することによ
って加硫が進行する加熱加硫型塗装層を前記加硫層上に
被着して未加硫層を形成し、前記常温加硫型塗装層を加
熱して成る加硫層と、該加硫層上に前記加熱加硫型塗装
層を被着して成る未加硫層とを有することを特徴とする
金属ガスケット。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37655998A JP3467196B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 金属ガスケット |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP37655998A JP3467196B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 金属ガスケット |
Related Parent Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP35903791A Division JP3393876B2 (ja) | 1991-12-27 | 1991-12-27 | 金属ガスケットの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH11257493A JPH11257493A (ja) | 1999-09-21 |
JP3467196B2 true JP3467196B2 (ja) | 2003-11-17 |
Family
ID=18507348
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP37655998A Expired - Fee Related JP3467196B2 (ja) | 1998-12-24 | 1998-12-24 | 金属ガスケット |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP3467196B2 (ja) |
-
1998
- 1998-12-24 JP JP37655998A patent/JP3467196B2/ja not_active Expired - Fee Related
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JPH11257493A (ja) | 1999-09-21 |
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