JP2000080588A - キビ類から糖液、糖とパルプを併産する方法 - Google Patents

キビ類から糖液、糖とパルプを併産する方法

Info

Publication number
JP2000080588A
JP2000080588A JP10259140A JP25914098A JP2000080588A JP 2000080588 A JP2000080588 A JP 2000080588A JP 10259140 A JP10259140 A JP 10259140A JP 25914098 A JP25914098 A JP 25914098A JP 2000080588 A JP2000080588 A JP 2000080588A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
pulp
sugar
solution
bagasse
cooking
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP10259140A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Mita
御田昭雄
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP10259140A priority Critical patent/JP2000080588A/ja
Publication of JP2000080588A publication Critical patent/JP2000080588A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Paper (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】砂糖キビ、スウィ−トソルガム等のキビ類の糖
液を搾ったあとの粕から得られる従来のパルプは強度が
低く、濾水性が悪く低質であった。砂糖キビ、スウィ−
トソルガム等のキビ類から糖液、糖を得るとともに、良
質のパルプを製造する技術を提供する。 【解決手段】砂糖キビ、スウィ−トソルガム等は良質の
繊維原料である。従来原料植物を激しく破損して糖液を
取得するため、繊維は短く切断され、蒸解工程で抽出す
る前に既に良質の繊維ではなくなっていた。本発明で
は、最初に原料を斜めにかつ平行に切断し、圧壊するこ
とによって、糖液の取得も、バガス(搾り粕)の繊維長
の確保も可能とした。さらに、バガスからのピスの分離
除去後、ラインド(厚皮)を各種蒸解法で処理すること
により良質のパルプの取得が可能となった。特にPA法
によれば収率、品質ともに優れたパルプの製造が可能
で、パルプ廃液からのアルカリの回収と薬品の再生も容
易で、低公害でパルプが得られる優れたト−タルシステ
ムが提供される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分】本発明はキビ類から糖液、糖及
び良質のパルプの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】砂糖キビ及びスウィ−トソルガム等のキ
ビ類は砂糖またはアルコ−ルをとるため栽培する。その
ため収穫された砂糖キビからミル方式又はデフュ−ザ−
方式で糖液を収得する。これら植物には蔗糖の他、果糖
及び葡萄糖等からなる糖類とセルロ−ス繊維、ヘミセル
ロ−ス、及びリグニン等が含まれ、糖液を取ったあとの
粕はバガスと呼ばれ製糖工場の燃料とされるが、余剰バ
ガスは種々の利用法が研究されてきた。バガスには特に
セルロ−ス繊維が大量に含まれ、繊維長は木材に比べ一
般に短いが、中には長いものも報告されている。しかし
てパルプ製造に利用することは一部で行われているが、
いろいろの欠点も指摘され、パルプ化工程、周辺技術及
びト−タルシステム等の改良が進められている。ミル方
式は、搾汁の前に破砕機で幹茎を粗いソ−ダスト状に破
砕する方式で、装置と工程が単純なため、季節産業であ
る製糖工業に適し、最も普及している方式である。しか
し、幹茎は破砕工程で、中の繊維は激しく破壊され、繊
維の短小化することにより、得られるパルプの濾水性を
悪くし、叩解の余地を極めて少なくして、紙の原料とし
ての用途を狭めている。このようにして得られるバガス
パルプは抄紙適性が悪く、得られる紙の引き裂き強度を
著しく低下させるほか諸強度が低かった。デフュウザ−
方式は細い鉋屑状に砂糖キビを削り、デフュ−ザ−で水
を用いて向流洗浄して糖液を収得する方式でである。そ
のため、繊維の破壊はミル方式に比べて少なく、バガス
から分離されたラインドから得られるパルプの強度の低
下も小さい。しかし、欠点としては、バガスが細長いの
で機械的処理は容易でなく、特にピスとラインドの分離
が困難となる。さらに、砂糖キビの稈茎の表面にあるワ
ックスによる障害を防ぐため、搾汁工程でキビに石灰乳
を加えるのでバガスの色が黒くなり、これを原料とする
未晒パルプの色は黒くなり、ミル方式のバガスから得ら
れる未晒パルプに比べ白色度が10% 以上も低下するの
で、漂白段数を1 段以上増やさなければならないという
欠点もあった。季節産業である製糖工業としては設備の
構造と取扱いがミル方式に比べて複雑で、受入れ難く、
デフュウザ−方式を採用している工場は少なかった。ほ
ぼ類似した形状をしたスウィ−トソルガムも、糖液を得
るために栽培されているが、良質のパルプを糖液と同時
に製造したい、と言う潜在的願望は強かった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は砂糖キビ又は
及びスイ−トソルガム等キビ類から、糖液、糖及び良質
のパルプが同時にかつ容易に得られる方法を提供するこ
とをその課題とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者は、前記課題を
解決すべく鋭意研究を重ねた結果、本発明を完成するに
至った。発明者は砂糖キビを縦に割りケインジュ−スと
ピスを取り出すとともに、パルプ原料として極めて良好
なケインラインド(キビ類の厚皮)を繊維を傷めずに分
離した。このラインドを長さ約5cmの長さにチッパ−
で切断しチップ化し、PA法(過酸化水素−アルカリ
法)で蒸解処理したところ濾水性がC.S.F.760
mlと極めて高く、比引き裂き強度が103と従来バガ
スパルプに比べて極めて高いパルプが得られた。なお、
同パルプは裂断長6.5km、比破裂強度3.8と木材
のつなぎパルプなしで上質紙を抄造しうるパルプを砂糖
キビからでも得られることを確かめた。さらに、研究を
進め、砂糖キビの幹茎を既存のチッパ−で斜めに、かつ
平行に、数cmの厚さに切断し、スクリュ−プレスで圧壊
することにより、季節的に収穫される砂糖キビを短時間
に大量処理し、ケインジュ−スとバガスが得られるよう
になった。斜めに切断したバガスはピスを分離除去する
ことにより、薄く、ほぼ均一な長さを有し、繊維が長
く、均一且つ迅速な蒸解が行える良質のラインドが得ら
れた。同ラインドは各種パルプ化法によりパルプが得ら
れたが、PA法は硫黄を全く用いない蒸解法で、パルプ
の収率、品質ともに優れ、パルプ廃液は濃縮燃焼してア
ルカリとエネルギ−の回収が容易で、硫黄系の悪臭物質
の発生を伴わないので、環境対策も極めて容易に行え
る、ト−タルシステムの提供が可能となった。すなわ
ち、本発明では砂糖キビ及びスィ−トソルガムの幹茎
を、(1)斜めに切断し、(2)斜めに切断した幹茎か
ら糖液と粕(バガス)を分離収得し、(3)粕からライ
ンド(厚皮)とピス(髄質)を分離収得し、(4)ライ
ンドをアルカリ性の蒸解薬液で蒸解するか、所望により
蒸解物を機械的に解繊してパルプ化し、(5)パルプと
パルプ廃液とに分離収得し、パルプ廃液を濃縮燃焼して
アルカリ金属の炭酸塩を主成分とする灰を得、炭酸塩を
部分苛性化して蒸解薬液に再生して次回以降のパルプ化
に供する、(1)から(5)の組み合わせによって糖液
とパルプを生産する方法を提供する。
【0005】
【発明実施の形態】砂糖キビ又はスウィ−トソルガム等
キビ類の幹茎から、糖液、糖を収得するためには短く切
断することが求められるし、パルプ原料用の繊維長の大
きいラインドを収得するためには幹茎を長く切断するこ
とが求められる。一見相反する要求を、本発明では第1
工程で幹茎を斜めにかつ平行に切断することで、糖液を
得るとともに繊維の長いラインドを得ることを両立させ
ることに成功した。例えば、幹茎は縦の方向に直角にか
つ平行に20mmの厚さで切断すればラインドの繊維の
長さも最大20mmであるが、斜めに45°の角度で切
断すれば約1.4倍の28mmの長さで得られるし、3
0°の角度で切断すれば2倍の40mmの長さで得ら
れ、最終的に微細繊維が少なく、濾水性の良い繊維長の
大きいパルプが得られる。砂糖キビ及びスィ−トソルガ
ム等キビ類の幹茎を、大量かつ連続的に斜めに切断する
装置としては、付け替え可能な鋭利な刃を1〜30枚を
回転円板に15〜60°、好ましくは25〜45°の角
度で取り付け、3〜60mm、好ましくは6〜30mm
の厚さで幹茎を斜めに切れるものであればよく、種々の
装置が使用できる。季節産業である製糖業で必要とする
キビ類は、限られた期間に大量に収穫し処理しなければ
ならない。装置は堅牢で構造が単純でなことが必要であ
る。パルプ工業で使う木材チップ製造用のチッパ−1台
で、小型の1枚刃のものであれば黒糖工場で幹茎を1日
1〜10t程度処理でき、大型の10枚刃以上のチッパ
−であれば大手の製糖工場で1日1,000〜5,00
0t程度のキビ類の処理できるので新規に開発せずに
も、当面使用は可能である。第2工程の斜めに切った幹
茎から糖液と粕(バガス)とを分離収得するために用い
る装置としては、従来の製糖工場で用いていたロ−ルプ
レスの他スクリュ−プレスのような圧縮脱汁装置が使用
でき、これらと共に向流洗浄機能を有する糖液回収装置
及びデフュ−ザ−装置が使用出来る。これらの組み合わ
せにより少量の水を洗浄に使用するだけで、ほとんど希
釈されずに糖液と搾り粕のバガスを収得しうる。なお、
圧縮脱汁装置のみではじめ搾汁し、洗浄液を混入させず
濃縮し晶出させれば、一番搾りの極良質な黒糖ができる
し、あとは従来法と同様に向流洗浄により糖液を収得
し、糖液を濃縮晶出すれば分蜜糖が得られ、所望により
酸処理又は酵素処理により転化糖とし、噴霧乾燥すれば
粉末含蜜糖、転化糖を併産することができる。なお、圧
搾の際スクリュ−プレスで固形分35プラスマイナス約
10%に、ロ−ルプレスでは固形分50プラスマイナス
5%に搾られ、そのうえラインドは縦に割れるので、脱
汁が容易になるとともに、第3工程のピスとラインドの
分別を容易にする。第3工程のピスとラインドの分離は
常法による湿式分離と乾式分離が可能である。ピスの分
離除去が良好に行われるので、蒸解及び解繊後の精選が
容易でありパルプの濾水性を高くすることができる。第
4工程のアルカリ性蒸解薬液による蒸解は、苛性アルカ
リのみの水溶液を蒸解薬液とするAP法、水酸化ナトリ
ウムと硫化ナトリウムの混合液を蒸解薬液とするKP
法、過酸化水素のアルカリ溶液に下記の蒸解助剤のうち
少なくとも1種以上加えたものを蒸解薬液とするPA法
等が可能で、本発明によって分離されたラインドを用い
て各種パルプ化法で得られたパルプは、従来法のバガス
から分離されたラインドを同条件でパルプ化したものよ
り諸強度に優れ、濾水性が高く、叩解により種々の紙の
抄造が容易であり、抄紙適性に優れている。PA法の蒸
解薬液の過酸化水素のアルカリ溶液に添加する蒸解助剤
として、キレ−ト剤、アントラキノン類、マグネシウム
化合物、水と任意に混合する極性の有機溶媒、所望によ
り酸素等のうち少なくとも1種以上が用いられる。PA
法によればパルプの強度、収率はAP法パルプに優れ、
KP法に比べ硫黄を用いてないので公害対策が極めて容
易である。PA法に用いるアルカリ溶液はカリウム又は
ナトリウムの水酸化物で、その炭酸塩が共存することが
更に望ましい。アルカリの量は(蒸解に必要な薬品量は
以下原料ラインドの絶乾物に対し表す)活性アルカリが
Na2O表示で13〜30%、好ましくは17〜22%
である。また、苛性化率として50〜95%、望ましく
は65〜85%で、炭酸塩が共存することにより繊維の
損傷が少なく、パルプの高収率化が望めるる。過酸化水
素で代表される過酸化物のうち、水溶性過酸化物として
は、過酸化水素の他、過酸化ナトリウムや過酸化カリウ
ム等の水溶性金属過酸化物;炭酸ナトリウムやホウ酸等
の化合物と過酸化水素よりなる水溶性附加体;過炭酸や
過ホウ酸等水溶性無機過酸又はその水溶性塩;等が挙げ
られる。これらの水溶性過酸化物を投入し、溶解させる
ことによって過酸化水素を得ることができる。過酸化水
素以外の水溶性の過酸化物は、水と反応して過酸化水素
を放出する。この過酸化水素は弱アルカリでパルプのリ
グニン保存漂白に使われてきたが、アルカリが強ければ
逆に強い脱リグニン作用を示すことが見出された。この
事が本発明のパルプ蒸解薬液の製造とパルプの製造を可
能とした。過酸化水素の使用量はH2O2換算で0.5〜
15%、好ましくは1.0〜5%である。本発明で種々
蒸解助剤が効果的に使用される。各種キレ−ト剤は過酸
化水素の安定剤として使用される。クエン酸またはその
酸の塩、EDTA(エチレンジアミン四酢酸)又はその
塩、DTPA(ジエチレントリアミン五酢酸)又はその
塩、フォスフォン酸又はその塩、アミノトリエチレンフ
ォスフォン酸又はその塩が使用されるが、下記一般式
〔化1〕で示される1−ヒドロキシアルキリデン−1,
1−ジフォスフォン酸又はその塩の使用は未晒パルプの
白色度の向上にも役立ち、ときには他のキレ−ト剤の使
用に比し、約10%に及ぶ白色度の高いパルプを与える
ことがある。キレ−ト剤の使用量は0.02〜1重量
%、好ましくは0.1〜0.5%である。本発明で用い
る蒸解薬液は蒸解助剤として、9,10位にヒドロキシ
ル基又は/及びアルキル基を有するアンスラセン系化合
物又は/及びアントラキノン系化合物を含有することが
できる。これら助剤の添加により蒸解は容易に行われ、
かつパルプ収率が向上する。アントラキノン系化合物に
は、アントラキノンの他、アルキルアントラキノンが含
有される。アルキルアントラキノンとしては、炭素数1
〜12、その中でも2〜5のアルキル基を有するものの
使用が好ましい。9,10位にヒドロキシル基をを有す
るアントラセン系化合物には、未置換9,10−ジヒド
ロキシル基を1個有するアンスラセンの他、置換アンス
ラセン、例えば、アルキルアントラセンが包含される。
9,10−ジヒドロキシルアルキルアントラセンにおい
て、アルキル基の炭素数は、通常12以下であり、好ま
しくは2〜8、より好ましくは2〜6である。9,10
−ジヒドロキシルアルキルアントラセンの具体例として
は、9,10−ジヒドロキシルエチルアントラセン、
9,10−ジヒドロキシルブチルアントラセン、9,1
0−ジヒドロキシルアミルアントラセン、9,10−ジ
ヒドロキシルヘキシルアントラセン等が挙げられる。ア
ントラキノン化合物又は/及び9,10−ジヒドロキシ
ル化合物の使用量は, 0.003〜1重量%、好ましく
は0.01〜0.3%である。マグネシウム化合物のパ
ルプ化用溶液への添加は、蒸解中セルロ−スを保護しパ
ルプ収率を増加させるとともに、機械的強度、特に引き
裂き強さ、耐折強さの向上したパルプの製造を可能とす
る。その使用量は0.05〜0.5重量%である。蒸解
助剤としてNMP(ノルマル−メチル−ピロリドン)、
アセトン、ジオキサン、ジメチルフォルムアミド等水と
任意に混ざり合う極性の有機溶剤を用いることは、竹、
バガス、松等樹脂を含有するセルロ−ス原料からのパル
プの製造において効果的であり、特にNMPの使用は樹
脂障害のないパルプを得るのに好ましい。その使用量は
0.02〜1.0重量%で好ましくは0.05〜0.2
重量%である。本発明による蒸解方法は、過酸化水素と
の接触に耐えるステンレス等の材質を用いた容器の中
に、ラインドと蒸解薬液(つまり、過酸化水素のアルカ
リを主成分とする蒸解薬液、又は過酸化水素−アルカリ
−酸素蒸解の反応系蒸解薬液)を入れ、90〜180
℃、好ましくは110〜150℃、最高温度の保持時間
は化学パルプの製造では10〜360分、好ましくは3
0〜120分である。なお、酸素を圧入する場合には酸
素分圧が0.5〜10.0kg/cm2 好ましくは1〜
3kg/cm2 となるように酸素を圧入する。酸素源と
しては純酸素の他、酸素と空気との混合ガスが用いられ
る。酸素分圧が前記の範囲に保持できれば限定されない
が、装置の耐圧度を高くすると装置費が嵩むことから、
純酸素か空気をプレッシャ−スイングの装置で濃縮され
た高濃度の酸素を使うのが好ましい。なお、蒸解中に酸
素との接触を容易にするためにには、気相蒸解が好まし
い。セルロ−ス原料は、蒸解に先立ち、蒸解薬液の一部
または全部を添加、混合しておくことは、腐敗の防止が
出来、数年にわたる長期貯蔵が可能となるばかりでな
く、原料が柔らかくなって嵩張らなくなるので、大量の
原料の地球規模での長距離輸送が可能となり、非木材パ
ルプの製造においても木材パルプ工場に匹敵する以上の
規模のパルプ工場の建設と、経済的運営を可能とする。
また、原料の貯蔵中にも温和な蒸解が進ので、全く熱処
理することなしに直ちにレファイナ−等で機械処理して
ケミメカニカルパルプ等に相当する半化学パルプを得る
ことも可能となる。また、上述のように原料の輸送貯蔵
に先立って薬液と混合しておくことは、気相蒸解の前処
理として効果的に利用することができる。
【0006】〔実施例】次に本発明を実施例により更に
説明するが、本発明はこの実施例によって限定されるも
のではない。
【0007】実施例1 砂糖キビをチッパ−で縦の方向に約30°の角度で、約
20mmの厚みで切断しチップ化した。チップはロ−ル
でプレスし、脱汁し、一番搾りの糖液は黒糖の製造に供
し、残りは更に向流洗浄し糖液を収得し、粗糖の製造に
供し、黒糖を対キビ7%、粗糖を対キビ4%で収得し
た。搾り粕は10メッシュの篩で乾式分別し、ラインド
をパルプ原料として蒸解に供し、ピスは廃糖蜜と乳酸発
酵し飼料の原料とした。ラインドのパルプ化はAP法に
よった。すなわち、水酸化ナトリウムをNa2O表示で
対絶乾原料18%を加え、145℃で2時間蒸解処理を
行い、カッパ−価10、ハンタ−白色度35%の未晒パ
ルプを39%の収率で得た。未晒パルプは塩素化、アル
カリ抽出、ハイポ漂白の3段漂白で晒パルプ(ハンタ−
白色度84%、裂断長3.9km、比破裂強度3.2、
比引き裂き強度75)を得た。
【0008】実施例2 実施例1と同様処理を行って得られたラインドを水酸化
ナトリウムと硫化ナトリウムを硫化度30%、全アルカ
リ(Na2 O表示)で対絶乾原料18%を加え、140
℃で2時間KP蒸解処理を行い、カッパ−価5、ハンタ
−白色度19%の未晒パルプを43%の収率で得た。未
晒パルプは塩素化、アルカリ抽出、二酸化塩素漂白の3
段漂白で晒パルプ(ハンタ−白色度81%、裂断長5.
5km、比破裂強度3.9比引き裂き強度105)が得
られた。
【0009】実施例3 実施例1と同様処理を行って得られたラインドを125
℃で2時間カリウムベ−スのPA蒸解(活性アルカリ、
Na2 O換算22%、苛性化率80%、H2 O2 を3
%、キレ−ト剤として1−ヒドロキシアルキリデン−,
1−ジフォスフォン酸を0.3%、アントラキノン類と
してアミルアントラキノンを0.08%、マグネシウム
化合物として水酸化マグネシウムをMgOとして0.2
%、水と任意に混合する極性の有機溶媒としてNMPを
0.1%を加えて蒸解薬液として)処理を行った。蒸解
物は未晒パルプとパルプ廃液に固液分離した。未晒パル
プは収率49%で、カッパ−価5、白色度52%であっ
た。同パルプは篩い分け試験により24メッシュオン4
0.8%、42メッシュオン30.0%、80メッシュ
オン11.9%、150メッシュオン5.1%、150
メッシュパス11.2%、濾水度C.S.F.720m
lと比較例1に比べ長繊維区分が遙に多く、また濾水性
も遙に大きく、叩解によってパルプの性質を変えやすい
ことが示された。 漂白は2段漂白によった。1段目は
酸素共存下でPa処理後、2段目の二酸化塩素による処
理を行い、純白で良質の晒パルプ(ハンタ−白色度85
%、裂断長5.3km、比破裂強度4.2、比引き裂き
強度100) を得た。一方パルプ廃液は濃縮燃焼し、得
られる炭酸カリウムを主成分とする灰を水で抽出し、抽
出液を酸化カルシウムで苛性化率80%まで苛性化し、
アルカリ液を回収し、更に蒸解助剤を添加して次回の蒸
解薬液を再生した。
【0010】比較例.1と同一ロットの砂糖キビを従来
法のミル法で破砕し、糖液を取得した後のバガスを比較
試料として用いた。バガスは10メッシュの振動篩でピ
スを分離除去し、ラインドを取得した。ラインドは、P
A法(水酸化カリウムをNa2 O換算表示で対絶乾原料
22%その他条件もいずれも実施例3と同じ)で125
℃、2時間の蒸解処理を行い、カッパ−価4、ハンタ−
白色度53%の未晒パルプを46%の収率で得た。同パ
ルプは篩い分け試験により24メッシュオン16.6
%、42メッシュオン27.5%、80メッシュオン2
1.9%、150メッシュオン15.1%、150メッ
シュパス18.9%、濾水度C.S.F.425mlと
実施例3に比べ長繊維区分が少なく短繊維区分が多く濾
水性が低いことが示された。漂白は2段漂白によった。
1段目は酸素共存下でPa処理後、2段目の二酸化塩素
による処理を行い、純白で良質の晒パルプ(ハンタ−白
色度84%、裂断長4.9km、比破裂強度3.8、比
引き裂き強度52) を得た。
【0011】実施例4 スウィ−トソルガムをチッパ−で縦の方向に35°の角
度で、約15mmの厚みで切断しチップ化した。チップ
はスクリュ−プレス機で脱汁し、濾過精製し、更に減圧
濃縮後噴霧乾燥して粉末含蜜糖を得た。搾り粕は10メッ
シュの篩で乾式分別し、ラインドをパルプ原料として蒸
解に供し、ピスは乾燥後微粉砕して100メッシュの篩
で粗粒を除去し食品添加用の食物繊維とした。ラインド
は125℃で2時間カリウムベ−スのPA蒸解(Na2
O換算17%、H2 O2 を3%、キレ−ト剤として1−
ヒドロキシアルキリデン−,1−ジフォスフォン酸を
0.3%、アントラキノン類としてアミルアントラキノ
ンを0.08%、マグネシウム化合物として水酸化マグ
ネシウムをMgOとして0.2%、水と任意に混合する
極性の有機溶媒としてNMPを0.1%加えて蒸解薬液
として) 処理を行い、カッパ−価4、白色度52%の未
晒パルプを収率46%で得た。未晒パルプはPa処理後
二酸化塩素による2段漂白で良質の晒パルプ(ハンタ−
白色度83%、裂断長5.3km、比破裂強度4.3、
比引き裂き強度102) が得られた。
【0012】
【発明の効果】熱帯、亜熱帯の代表的農産物である砂糖
キビ、スウィ−トソルガム等キビ類から糖液、糖を得る
とともに、その搾り粕から、強度と濾水性が大きい良質
のパルプを、高収率でかつ大量に製造し得るようになっ
た。 (式中、Rは炭素数1〜11のアルキル基を示す)

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 砂糖キビ又はスウィ−トソルガム等キビ
    類の幹茎を斜めに、かつ平行に切断するのを第1工程と
    し、斜めに切った幹茎から糖液と繊維を主成分とする粕
    (バガス)とを分離収得し、パルプを製造することを特
    徴とする糖液、糖とパルプを併産する方法。
  2. 【請求項2】 第1工程において、縦の方向に15〜6
    0°、厚み3〜60mm、好ましくは厚み6〜30mm
    に並行に、縦の方向に25〜45°で、稈茎を斜めに切
    ることを特徴とする請求項1の方法。
  3. 【請求項3】 第2工程において、斜めに切った幹茎を
    圧壊し、糖液とバガスとを分離収得するのを特徴とする
    請求項1及び2の方法。
  4. 【請求項4】 第2工程で得られる糖液を濃縮し、黒糖
    を得るか、所望により結晶させて分蜜糖を得るか、粉霧
    乾燥させて固形含蜜糖糖を得るか、又は糖液を加水分解
    して転化糖とし、濃縮し、所望により粉霧乾燥させて固
    形転化糖を得る請求項1〜3の方法
  5. 【請求項5】 第2工程において、斜めに切った幹茎又
    は更に圧壊した幹茎を、向流洗浄して糖液とバガスとを
    分離収得するのを特徴とする請求項1〜4の方法。
  6. 【請求項6】 第2工程で得られるバガスをラインド
    (厚皮)とピス(髄質)とに分離収得するのを第3工程
    とし、ラインドをアルカリ液の苛性化率を50〜95
    %、好ましくは65〜85%に部分苛性化したアルカリ
    性の蒸解薬液で蒸解してパルプ化するか、所望により軽
    度のアルカリ性の薬液による蒸解を行ったのちに機械的
    に解繊してパルプ化するのを第4工程とし、第1、第
    2、第3及び第4工程の組み合わせからなる請求項1〜
    5の方法。
  7. 【請求項7】 第4工程でパルプとパルプ廃液とに分離
    収得し、パルプ廃液は濃縮燃焼してアルカリ金属の炭酸
    塩を主成分とする灰を得、炭酸塩を苛性化率50〜95
    %、好ましくは65〜85%に部分苛性化して蒸解薬液
    に再生して次回以降のパルプ化に供するのを第5工程と
    し、第1、第2、第3、第4及び第5工程の組み合わせ
    からなる請求項1〜6の方法。
  8. 【請求項8】 第4工程のラインドをアルカリ性の蒸解
    薬液で蒸解する際に、PA法(過酸化水素アルカリ法:
    過酸化水素のアルカリ溶液に蒸解助剤としてキレ−ト
    剤、アントラキノン類、マグネシウム化合物、シュウ酸
    又はシュウ酸塩、酸素及び水と任意の割合で混合する極
    性の有機溶媒のうち少なくとも1種以上を含む液を蒸解
    薬液ととする)で蒸解する請求項1〜7の方法。
  9. 【請求項9】 第4工程で得られた未晒パルプをPa薬
    液(漂白に用いる過酸化水素のアルカリ溶液) で処理す
    るか、所望により酸素存在下でPa薬液で処理し、更に
    オゾン処理して無塩素漂白し、晒パルプを得る請求項1
    〜8の方法。
  10. 【請求項10】第4工程のラインドを蒸解装置に入れる
    前に、PA法の蒸解薬液を加えて処理し輸送及び貯蔵す
    る請求項1 〜9の方法。
JP10259140A 1998-08-31 1998-08-31 キビ類から糖液、糖とパルプを併産する方法 Pending JP2000080588A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10259140A JP2000080588A (ja) 1998-08-31 1998-08-31 キビ類から糖液、糖とパルプを併産する方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP10259140A JP2000080588A (ja) 1998-08-31 1998-08-31 キビ類から糖液、糖とパルプを併産する方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2000080588A true JP2000080588A (ja) 2000-03-21

Family

ID=17329892

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP10259140A Pending JP2000080588A (ja) 1998-08-31 1998-08-31 キビ類から糖液、糖とパルプを併産する方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2000080588A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
GB2447062A (en) * 2006-09-08 2008-09-03 Nasamax Ltd Processing of Sweet Sorghum for Bioethanol Production
CN100417731C (zh) * 2005-09-20 2008-09-10 新疆大学 甜高粱秆榨汁生产高果糖浆

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100417731C (zh) * 2005-09-20 2008-09-10 新疆大学 甜高粱秆榨汁生产高果糖浆
GB2447062A (en) * 2006-09-08 2008-09-03 Nasamax Ltd Processing of Sweet Sorghum for Bioethanol Production

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US4160695A (en) Process for the production of glucose from cellulose-containing vegetable raw materials
SU1194282A3 (ru) Способ разложени лигноцеллюлозного материала
US4070232A (en) Prehydrolysis and digestion of plant material
US5198074A (en) Process to produce a high quality paper product and an ethanol product from bamboo
US8475627B2 (en) Process of treating a lignocellulosic material
JP3348387B2 (ja) ギ酸を添加した酢酸によるパルプの製法
US20050065336A1 (en) Method for separating xylose from lignocelluloses rich in xylan, in particular wood
JP2004503683A5 (ja)
US3817826A (en) Process for fractionated recovery of lignin and cellulose from bark
JP2002510203A (ja) 製紙等級の硬木パルプからのキシロースの製造方法
US6752902B2 (en) Preparation of chemical pulp and xylose, utilizing a direct acid hydrolysis on the pulp
JPH11507416A (ja) 改良有機溶媒パルプ化
KR100694840B1 (ko) 옥수숫대 셀룰로오스로부터의 기계펄프의 제조방법
Pan et al. Acetic acid pulping of wheat straw under atmospheric pressure
NO140535B (no) Fremgangsmaate for fremstilling av cellulosemasse ved oppslutning med oksygen
JP2000080588A (ja) キビ類から糖液、糖とパルプを併産する方法
US3937647A (en) Method of increasing cellulosic pulp yields in an alkaline digestion process
US2528351A (en) Alkaline sulfite digestion of hardwood
NO176726B (no) Fremgangsmåte for fremstilling av kjemotermomekanisk blekede masser
JP2000136492A (ja) 木材パルプを用いずに上質のバガス紙を製造する方法
JP4486111B2 (ja) トウモロコシの茎からパルプを製造する方法
JPH11217783A (ja) 樹脂分の少ないパルプの製造方法
JPH11286884A (ja) パルプ蒸解薬液とパルプの製造方法
JPH0215669B2 (ja)
JP2000170090A (ja) 個性的な名刺便箋等の用紙としての和紙風のバガス紙とその製造方法