JP4486111B2 - トウモロコシの茎からパルプを製造する方法 - Google Patents

トウモロコシの茎からパルプを製造する方法 Download PDF

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Description

本発明は、草本植物を利用したパルプ製造技術に係るものであり、詳細には、トウモロコシの茎を利用したパルプ製造技術に関するものである。
製紙用パルプの原材料としてトウモロコシの茎を使用するために、木材原材料の輸入を代替し得ることで、外貨の浪費を省き、農村の収入を増大させると共に、良質の紙を製造することができる。
現在、韓国は、国民所得の上昇により出版物、新聞、印刷用板紙、グラフト紙及びバルク用紙において世界第7位の消費国であると同時に、世界第10位の紙生産国(583万トン/年紙生産)であるが、紙を生産するパルプのすべて(100%)を外国市場に依存している。パルプ産業の育成は、山林資源の毀損を自招することになるため、新しいパルプ原料を開発するべきであって、そのためには、様々な植物類からセルロースの原料を加工処理して利用価値を高めなければならないという必要性がある。韓国の樹種は、パルプ製造に適してないし、国内の木材生産はパルプ製造に十分ではなく、山林資源の枯渇によりパルプ原料の確保が不可能である。従って、新しい転換点を探すための研究が報告されている。
従来の製紙用パルプは、木材パルプが大部分であったが、最近、世界的に木材資源の不足が進んでいるために、森林及び環境を破壊することなくパルプ及び紙を製造することが大きな課題になっている。このような課題を解決する方案として、1年生植物又は2年生植物を主材料にする非木材植物繊維から製紙用パルプを生産する技術が注目されている。パルプの材料確保のために、山林資源に乏しい中国、中東及びインドでは、草本類の農産廃棄物又は竹を原料に使用してパルプの素材を開発することに国家的な力を注ぎ、甚だしくは砂糖の製造後に廃棄される砂糖黍の茎を原料にしてパルプを生産する工程を開発している。
一般に、非木質系植物は、ペクチン、ヘミセルロース及び無機物が多くてリグニンが少なく包含されている傾向がある。非木質系植物のパルプ化には、化学的方法、半化学的方法及び機械的方法が利用されて木材に比べて温和な条件下で未漂白或いは漂白パルプを得ることができる。非木材パルプは、繊維形態、化学的組成、非繊維細胞の種類及び量により夫々特徴がある。従って、非木材パルプ単独、又は木材パルプとの適正配合により作られる紙は、強度、耐久性、電気的特徴、光沢、寸法安全性及び印刷的性能の特徴によって一層多様な用途に利用されていて、利用範囲も拡大されている。
非木質系植物には、楮靭皮、亜麻、大麻、木綿及びマニラ麻等があって、韓国特許公開第84-005762号では、バガス(bagasse)を、韓国特許公開第91-3216号では、落葉に採取される乾いた松葉を、韓国特許公開第98-9651号及び第93-2604号では、稲わらを利用したパルプの製造方法が開示されている。又、韓国特許出願第85-5895では、タバコの茎を利用したパルプの製造方法が記述されている。
然し、いままで、トウモロコシの茎を原料に使用するパルプの製造については開示されていなかった。
農村で裁培されるトウモロコシは、食糧又は飼料に使われているが、最近、トウモロコシの茎は飼料にも使用し得なく、大部分捨てられている。全量輸入に依存しているパルプの代替、不必要な外貨浪費の防止、農産廃棄物の有用な利用及び農村の所得増大の必要性がある。又、良質の紙を開発する必要性がある。従って、トウモロコシの茎を新しい方法により加工処理して紙及び他のパルプ材料としての利用価値を上げるべきである。
従って、本発明では、トウモロコシの茎を利用して新しくて特異なパルプを製造し、良質で独特の性質を有する紙を製造する試みを行った。現在、大部分の国では、木材を原料にして繊維相のセルロースを分離して製紙用溶解用パルプを生産するために、全世界パルプ生産量の90%以上が木材パルプである。
韓国は、昔から楮皮を原料にする韓紙を製造してきて、これは、純粋な韓国特産物として西洋の紙質とは異なる特異な性質を有している。韓紙は、強度、保温性及び通風性が優れている。
従来の韓紙製造では、毎年10月から11月の間に楮を採取し、釜に入れて煮て皮を剥いて、内側にある白い内皮のみを残す。その外皮を蕎麦灰汁に入れて充分に煮た後、質が柔らかくなるまで楢柏棒で叩いて細かく潰した後、楮の汁を紙を抄く桶に入れて紙を抄いて製造する。
木材から繊維相のセルロースパルプを製造する木材パルプ製造産業の場合には、反応試薬が木材に露出された時に、リグニンとは反応するが、セルロースとは反応しない選択的試薬の開発が必要である。又、パルプ製造工程は、環境を考慮して廃液回収と廃棄物の処理工程とが結合された複合的組合せであるために、資本集約的な大規模の装置で、多量の用水を使用するエネルギー集約的産業である。
化学パルプ製造工程は、木材構成成分中、主にリグニンを除去するパルプ化段階と、パルプ中に残留する不純物を選択的に除去するパルプ漂白段階と、精製段階と、から構成される。前記化学パルプ製造工程は、最終パルプ製品の用途及び要求される品質によって異なる。従来の紙などを作るのに使われるパルプは、針葉樹から得られる。前記原料は、機械的方法又は化学的方法により木材パルプに加工される。前記機械的方法は、パルプ原料タンク-横切-剥皮-砕木機(グラインダー)-粗選スクリーン-精選スクリーン-遠心式洗浄機(central cleaner)-脱水器-パルプ-ヘッドボックス(head box)-ワイヤードラム-プレス-未乾燥パルプロールの順に遂行される。反面、化学パルプ工程は、パルプ原料タンク-剥皮-チッパー(chipper)-蒸解管-粗選スクリーン-洗浄器-精選スクリーン-脱水器-漂白塔-洗浄器-ポンプ-遠心式洗浄機(central cleaner)-ヘッドボックス(head box)-ワイヤー-乾燥機-裁断機-包装されたパルプの工程順に遂行される。
一層具体的には、パルプの種類には、大きく製紙用パルプ及び溶解用パルプがある。溶解用パルプは、木材から製造された高純度セルロースを化学反応により酸性高分子と一緒に溶解させて製造され、各種形態のセルロース高分子製品製造及びアルファ(α)-セルロース含有量が90〜98%と高いセルロース誘導体の製造に使われる。半化学的パルプ化工程は、温和な化学的処理及びパルプ繊維を分離するための機械的脱繊維工程からなる。
木材の脱リグニン化反応は、クラフト法(kraft method)の場合、アルカリ蒸解液に存在する親核性反応基の−OH、−SH、−S2などがフェニルプロパン単位により構成されたリグニン高分子を攻撃して新しいフェノール性水酸基を生成させ、それによって生成されたキノンメタイド(quinonmethide)が親核試薬と反応して硫化反応を起こし、次いでリグニンポリマーは分解しアルカリに溶解される。酸性亜硫酸法では、H+によりフェノール性エーテル結合が加水分解され、生成された亜硫酸水素イオンがカルボニウムイオンに結合し、リグニンポリマーが水溶性リグノ硫酸になる。然し、色々な高分子物質から構成された木材中のリグニン高分子のみに選択的に反応する蒸解試薬を使用して反応させる方法において、蒸解試薬は、強いアルカリであるか又は、酸性である。経済的な脱リグニン速度を得るために、約150〜170℃の範囲で調節される高温においてセルロースの一部が分解されるために、繊維相のセルロースのみを純粋に分離することができない。従って、製紙用パルプの場合には、パルプ収率及び経済的側面を考慮し、残留するリグニンを一層選択的に除去する方法として、5段階以上の酸化反応及びアルカリ抽出を包含する残留リグニンの選択的な除去方法により高白色度まで漂白するべきである。
本発明は、従来の木材パルプを代替し得る優秀なパルプを製造するために、トウモロコシの茎から良質のパルプを製造する方法を提供しようとする。該パルプ製造工程は、漂白工程を追加的に包含することができる。
又、本発明は、木材パルプ、再生パルプ又は草本類パルプのような他のパルプを追加的に添加してトウモロコシの茎からパルプを製造する方法を提供する。
本発明は、草本類原料からパルプを製造する方法に係るもので、詳細には、トウモロコシの茎からパルプを製造する方法に関するものである。
本発明に使われるパルプの原料のトウモロコシは、種子の形態及び性質によって馬歯種(dent corn)、硬粒種(flint corn)、甘味種(sweet corn)、爆粒種(pop corn)、軟粒種(soft corn)、軟甘種(starchy-sweet corn)、蝋質種(waxy corn)及び有浮種(pod corn)の8種に分類される。トウモロコシの実は、食用に利用され、茎及び葉は家畜飼料に利用される。この他に、建築材料、燃料、詰め物、座布団、草鞋及び医薬原料に使用される。
従来のパルプ製造の主原料である木材は、林木が細胞分裂により累積された各細胞によって成長したものである。木材は、繊維相のセルロース微細繊維がセメントと類似の構造のリグニンマトリックス中に緻密に交代又は交番配置され、一部は、化学的に相互結合されて木材の強度を増大させる役割をする。Feudenbergらによって加水分解、熱分解、置換反応、酸化反応及び還元反応により木材の分解産物が分析されて、木材は、針葉樹、闊葉樹及び草本類のような木材原料によって相異な構造を有することが明らかになった。産業用材に使われる木材は針葉樹材であって、これの産業用材としての有用性は細胞壁内のリグニン含有量を構成する単位体の構造及び樹種によって相違する。
トウモロコシパルプの各成分の含有量を比較してみると、本発明に係るトウモロコシパルプは、ヘミセルロース含有量が最も高くてリグニンの含有量が低いが、木材は、セルロース含有量が最も高くてリグニン含有量も高い。例えば、木材の組成は、セルロース45wt%、ヘミセルロース27wt%、リグニン28wt%及びその他の抽出物が3wt%である。トウモロコシの茎は、繊維の長さが1〜4mm、幅が20〜40μm、厚さが5〜10μmである。
本発明は、トウモロコシの茎を粉砕、高圧蒸解、洗浄及び分散工程を含むパルプの製造方法を提供する。トウモロコシの茎のパルプの製造方法は、木材パルプの製造方法と似ているが、リグニン含有量が低いことを考慮し、パルプを得るため木材パルプよりは反応条件が温和である。然し、他の草本類より処理時間が多少長引くことがある。
又、前記トウモロコシパルプの製造方法は、一般に、パルプの漂白剤として酸化剤を使用するパルプ漂白工程を追加的に包含することができる。前記方法は、残留リグニンを除去するために、最初の工程のみに塩素元素を使用する塩素化工程を追加的に包含することができる。塩素化工程は、不飽和脂肪性化合物、不飽和脂肪族フルオロガム樹脂酸塩との反応によりリグニンを疎水性化する。塩素化工程後に、脂肪酸、ワックス及びその他のエステル成分を石鹸形態の遊離脂肪酸にアルカリ加水分解させる熱アルカリ抽出を遂行する。前記脂肪酸は、フルオロガムを溶解させ、リグニン破片を分解させる。アルカリ抽出工程で使われる最も効果的な界面活性剤は、グリコールの分枝鎖を有するポリエチレンを有するノニルフェノールである。製紙用パルプのように、トウモロコシパルプを次亜塩素酸漂白、二酸化塩素漂白又は過酸化水素漂白してパルプの白色度を向上させる。
多様な物性を提供及び/又は向上させるために、得られたトウモロコシパルプに草本類パルプ又は再生パルプを追加することもできる。
又、パルプの物性を向上させるために、トウモロコシの茎のみから構成されるか又は、他のパルプが追加されて成るパルプに水溶性高分子原料を添加することもできる。前記水溶性高分子として、ポリビニールアルコール又はポリアクリルアミドが好ましい。このような水溶性高分子を添加する理由は、表面条件の改善、紙力増強、用途拡大及び防水性提供のためである。
前記パルプの製造時に、澱粉、紙力増強制、繊維膨張剤、蛍光増白剤又は高分子電解質のような追加的成分を添加することができる。前記高分子電解質の好ましい例には、ポリアミン、ポリエチレンアミン又はポリエチレンオキサイドなどがある。これらは、もつれ合うことを防止してパルプを分散させる作用をする。その他の添加剤は、紙の製造原価を下げると共に、パルプの組織を緻密にし、繊維膨脹、印刷の適正性、紙の不透明性を提供する。又、前記他の添加剤の例として、硫酸アルミニウム、炭酸カルシウム、陶土(China clay)、水酸化アルミニウム、硅藻土、脂質グルコース、滑石、カルボキシメチルセルロース、ジエチルアミンエチルクロライド、ガムロジン(gum rosin)、木材ロジン(wood rosin)などが含まれることができる。
前記パルプ製造工程中、常圧パルプ化方法(atmospheric pulping method)によっては紙が抄かれないため、前記高圧蒸解工程は、クラフトパルプ化、亜硫酸パルプ化、アルカリ亜硫酸パルプ化又はソーダパルプ化のような加圧パルプ化方法が好ましい。常圧パルプ化方法は、トウモロコシの茎の角質層及び内部の繊維質を充分に蒸解することができないため、実験過程中、蒸解薬品が相当量損失されることもある。
高圧蒸解工程の反応条件は、前記4つの加圧蒸解法と大同小異であるが、使用試薬において差がある。例えば、アルカリ亜硫酸パルプ化法及びソーダパルプ化法は、同様な反応条件下で遂行されるが、異なる試薬を使用する。クラフトパルプ化法は、NaOH及びNa2Sの水溶液を利用し、亜硫酸パルプ化法は、Na2SO3及びNa2CO3の水溶液を使用し、アルカリ亜硫酸パルプ化法は、NaOH、Na2CO3、Na2SO3及びアントラキノン(AQ)の水溶液を使用し、ソーダパルプ化法は、NaOHのみから成る水溶液を使用する。
前記高圧蒸解工程は、次の条件下で遂行されることが好ましい。反応時間が1.5〜4時間で、反応温度が120〜200℃に、蒸解工程に使われた反応性試薬の水溶液とパルプ原料との比率(wt:wt)が6:1〜3:1である。反応性試薬の水溶液とパルプ原料との比率が前記範囲より大きい場合、前記化学薬品が弱いセルロースを全て溶かし、強い繊維素のみが残されて紙の強度が増加する。従って、試薬水溶液とパルプ原料との比率を経済的要求に合うように適切な水準に調節するべきである。
トウモロコシの茎を収去して肉質を除去した後、粉砕工程を経て解繊工程により繊維を蒸解し、角質及び不純物を除去して叩解工程を経て分散させた。次いで、シート製造機を利用して紙の形態を作ってサイジングして乾燥させることで紙を製造した。
ソーダパルプ化、クラフトパルプ化又はアルカリ亜硫酸パルプ化によって製造された各紙の物性を測定した。
比体積は、ソーダ処理した純粋トウモロコシの茎パルプで最も大きい値を表し、これは、ソーダ処理パルプの繊維相構造がとても軟らかくてバルクした組織に解繊されたことを表す。引張強度は、クラフトパルプで一番大きい値を表し、クラフトパルプが最もよく蒸解されたことを示す。この結果は、クラフトパルプが大部分繊維相組織から構成されていることを示している。破裂強度及び耐折強さの測定でも、クラフトパルプが他のパルプより優秀で、引裂強さはアルカリ亜硫酸パルプが最も高かった。
Figure 0004486111
漂白針葉樹クラフトパルプ約60wt%とトウモロコシの茎から作られたソーダパルプ、クラフトパルプ又はアルカリ亜硫酸パルプ40wt%を混合して作られた各紙試片の物性値は、純粋なトウモロコシの茎パルプよりとても優秀であった。漂白針葉樹クラフトパルプと混合したソーダパルプ、クラフトパルプ及びアルカリ亜硫酸パルプは、トウモロコシの茎パルプの約2倍以上の比体積及び破裂強度を表し、耐折強さにおいては70倍以上、引裂強度においては5倍以上の増加を表した。このような現象は、トウモロコシの茎から作られたパルプの特性、経済性及び無限な開発可能性を示す。
Figure 0004486111
次の実施例を用いて本発明に対し一層詳細に記述するが、本発明の範囲を次の実施例に限定しようとする意図ではない。
試薬及び材料
蒸解用試薬として、NaOH、Na2SO3、Na2S及びNa2CO3を使用し、漂白用試薬として、次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)、次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO)2)を使用した。
パルプ用原料として農家で裁培されたトウモロコシの茎を使用し、これを日陰で完全に乾燥させた。該乾燥されたトウモロコシの茎を3〜4cmの大きさに切って、外皮についている落葉及び不必要な部分を除去し、割って内皮である肉質を除去した後、クラッシャー(crusher)及び粉碎機により所定大きさに粉砕した。
パルプ製造に使われる機器として、常温で処理する場合には、3リットルのビーカー、加熱板、磁気攪拌器及び煮沸器を使用し、加圧条件下では10kg/cm2の加熱圧力容器を振りながら使用した。洗浄及び中和のために自動振盪機を利用し、液状パルプ原料の粉砕のために特殊な装置を使用した。パルプ叩解のためにPFI-フライス盤(milling machane)(叩解条件:線圧1.8kg/cm2、Clearance 0.3mm)を使用し、パルプシートを抄くために特殊標準シート機(Hand Sheet Machine、TMI社、直径173mm)を使用した。この時、水受け桶の半径は17.3cm、篩のホールの大きさは0.38〜0.39mmであった。
製造された紙試料の形態を作るために、厚い不織布、押しローラ(pushing roller)及びダブルシリンダ状の器具を使用し、紙試料の乾燥面上の皺を防止した。製造されたパルプの特性を測定するために、比体積機、引張強度測定機(Schopper type、Toyo seik社)、破裂強度測定機(Mullen tester、B.F.Perkin社)、耐折強さ測定機(Foldering endurance tester、Timus Olsen testing machine社)及び引裂強さ測定機(Elmendorf Tearing Tester、Thwing Alert Insturment社)を使用した。
比較例1
高圧実験では、10%濃度のNaOH及び15%濃度のNa2SO3を使用し、約150℃温度で、2時間、3時間及び4時間の間、トウモロコシの茎の試料100g(肉質の除去)を試験した。蒸解させた試料を100メッシュ篩で濾過し、上に残ったものを取って水に1日程度沈積させて中和させた後、80℃で5日間乾燥させた。この乾燥された生成物をパルプの原料に使用した。本実験から生成された試料の収率は、次のようである。15%NaOHで150℃に2時間、3時間及び4時間処理した時の収得量は、夫々65.4g、63.2g及び62.3gで、15%Na2SO3で150℃に2時間、3時間及び4時間処理した時の収得量は、夫々68.34g、65.12g及び62.7gであった。収率は約65%であった。蒸解させた試料100gを100メッシュ篩で濾過し、上に残ったものを取って水に1日程度沈積させた後、叩解させた。このようにして得られた生成物をパルプの原料に使用しようと試みたが、紙が抄かなかった。
パルプ化収率を計算するために、夫々のパルプ化条件下で蒸解させた後、洗浄してパルプ解繊機で3,000rpm回転させて解繊し、熱風乾燥機で80℃で5時間乾燥させた後、称量した。パルプ化収率は、後式により計算した。
収率(%)=(試料の乾燥質量/肉質が除去されたトウモロコシの茎の乾燥質量)×100
実施例1
本発明の高圧蒸解工程において、試料500gを電気加熱方式の回転式実験用蒸解部(圧力:0〜10kg/cm2、温度:0〜200℃、容量:40L)に入れ、最高蒸解温度150℃に液比(wt/wt)を4:1〜6:1(蒸解水溶液の質量比対乾燥試料の質量比)にして1.5時間〜4時間の間、ソーダパルプ化法により蒸解させた。
具体的に、ソーダパルプ化法の第1段階において、試料500gを電気加熱方式の回転式実験用蒸解部(圧力:0〜10kg/cm2、温度:0〜200℃、容量:40L)に入れ、15%NaOHを使用して液比(wt/wt)4:1(水溶液:試料の乾燥質量)に固定し、最高蒸解温度150℃に1.5時間の間処理した。その結果、トウモロコシの茎の節部が蒸解されなく、元の状態が維持される現象が現れた。このような現象は、得られた原料のパルプとしての利用に阻害要因になった。然し、ソーダパルプ化法の第2段階において、試料500gを電気加熱方式の回転式実験用蒸解部(圧力:0〜10kg/cm2、温度:0〜200℃、容量:40L)に入れ、20%NaOHを使用して液比(wt/wt)6:1(水溶液:試料の乾燥質量)に固定し、最高蒸解温度150℃に3時間の間処理した。その結果、トウモロコシの茎が蒸解されてパルプとして得られ、収率は21〜35wt%であった。
実施例2
14%Na2SO3及び4%Na2CO3の第1蒸解液を使用して液比(wt/wt)4:1(水溶液:試料の乾燥質量)に固定して最高蒸解温度150℃に2時間の間トウモロコシの茎試料をソーダパルプ化させた。前記トウモロコシの茎は、パルプに充分に蒸解されなかった。反面、28%Na2SO3及び8%Na2CO3の第2蒸解液を使用して液比(wt/wt)6:1(水溶液:試料の乾燥質量)に固定し、最高蒸解温度150℃に4時間の間パルプ化させた。その結果、トウモロコシの茎試料がパルプに蒸解され、収率は、約26〜41wt%であった。
実施例3
10%NaOH、20%Na2SO3、4%Na2CO3及び0.1%アントラキノンの蒸解液を使用して液比(wt/wt)6:1(水溶液:試料の乾燥質量)に固定し、3時間の間500gのトウモロコシの茎試料をパルプ化させることを除いては、実施例1と同様な方法により遂行した。このようにして得られたパルプの収率は、約23〜38wt%であった。
実施例4
20%NaOH及び15%Na2Sの蒸解液を使用して液比(wt/wt)6:1(水溶液:試料の乾燥質量)に固定し、1.5時間の間500gのトウモロコシの茎試料をクラフトパルプ化させることを除いては、実施例1と同様な方法により遂行した。このようにして得られたパルプ収率は、約25〜32wt%であった。
実施例5:初解(first beating)及び紙の製造
パルプ化された乾燥試料30gを10%(wt/wt)濃度の水に2時間以上沈積させ、叩解装置-PFIミル(叩解条件:線圧1.8Kg/cm2、Clearance 0.3mm)に添加した後、クラフトパルプは500回、アルカリ亜硫酸パルプは1100回叩解し、40°SRを得た。
実施例6:パルプ漂白工程
次亜塩素酸ナトリウム(NaClO)及び次亜塩素酸カルシウム(Ca(ClO)2)を漂白剤として使用し、pHを9〜11に調節するために水酸化ナトリウム及びケイ酸ナトリウム を使用した。パルプ濃度は、反応温度40℃には4〜6%範囲で、35℃には10〜16%範囲であった。
トウモロコシの茎パルプを漂白した後、パルプ濃度を10〜20%にして45〜80℃温度範囲で1〜2時間の間、残っているアルカリの成分を抽出した。
特殊シート標準機(Hand Sheet Machine、TMI社、直径173mm)を使用して前記各実施例から製造されたパルプを紙シートに製造した。
実施例7
以上のような実験により製造されたソーダパルプ、クラフトパルプ、アルカリ亜硫酸パルプ及び亜硫酸パルプの物性を測定した。各物性を向上させてトウモロコシの茎パルプの使用範囲を拡張させるために、夫々のパルプ40wt%と針葉樹から得た漂白クラフトパルプ約60%とを混合した。次いで、比体積、引張強度、破裂強度、耐折強さ及び引裂強さを測定した。その結果を表1及び表2に表した。
以上、説明したように、本発明は、パルプの製造方法に係るもので、詳しくは、環境に有害な影響を及ばない温和な条件下で遂行される蒸解、洗浄、篩分け、濃縮、漂白、叩解、及び乾燥工程を包含するトウモロコシの茎からパルプを製造する方法を提供する。製紙パルプの原料としてトウモロコシの茎を使用することにより、木材原料の輸入を代替し得ることで、外貨の浪費を省き、農家所得を増大させると共に、良質の紙を得ることができる。

Claims (5)

  1. トウモロコシの茎の粉砕、蒸解、洗浄、篩分け、濃縮、及び叩解工程を含む、トウモロコシの茎からパルプを製造する方法であって、
    前記蒸解工程が試薬水溶液とトウモロコシの茎材料とを、質量比(wt/wt)3:1〜6:1にして120〜200℃の反応温度で1.5〜4時間の間反応させて行われ、前記試薬水溶液がNaOH+Na2CO3+Na2SO3+アントラキノンである、方法。
  2. パルプを漂白する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  3. 全体パルプ質量に対して20〜80wt%の、草本類パルプ及び再生パルプを、木材パルプ及びトウモロコシの茎パルプに添加する、請求項1記載の方法。
  4. ポリビニールアルコール又はポリアクリルアミドをパルプに添加する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
  5. 澱粉、紙力増強制、繊維膨張剤、蛍光増白剤又は高分子電解質からなる群より選ばれる添加剤を、パルプに添加する工程をさらに含む、請求項1記載の方法。
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