JP2000079467A - ろう接合方法およびターゲットの製造方法 - Google Patents

ろう接合方法およびターゲットの製造方法

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JP2000079467A
JP2000079467A JP10248877A JP24887798A JP2000079467A JP 2000079467 A JP2000079467 A JP 2000079467A JP 10248877 A JP10248877 A JP 10248877A JP 24887798 A JP24887798 A JP 24887798A JP 2000079467 A JP2000079467 A JP 2000079467A
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brazing
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Yoichi Kawai
洋一 河合
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KUSUNOKI KK
Proterial Ltd
Original Assignee
KUSUNOKI KK
Hitachi Metals Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来のホットプレートによる加熱方法を改善
することにより、大型等のターゲットに対して、健全な
接合を可能にし、接合後の熱収縮変形を抑制し、また、
接合に要する時間を短縮可能な平板状の被接合材同士の
接合方法を提供することである。 【解決手段】 平板状の被接合材同士を溶融ろう材を介
して重ね合せて冷却するろう接合方法において、前記被
接合材の一方または双方を主要な加熱手段として輻射を
用いる工程を含むことを特徴とするろう接合方法、およ
びターゲット材とバッキングプレートを溶融ろう材を介
して重ね合せて冷却するターゲットの製造方法におい
て、前記ターゲット材と前記バッキングプレートの一方
または双方の主要な加熱手段として輻射を用いる工程を
含むことを特徴とするターゲットの製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、ターゲッ
ト材とバッキングプレート等平板状の被接合材同士を重
ね合せてろう材を介して接合する方法の技術分野に属す
る。
【0002】
【従来の技術】薄膜の形成にしばしば利用されるスパッ
タリング法は、アルゴンイオン等の不活性ガスイオン
を、例えば、形成したい薄膜と同成分の材料で構成され
たターゲット材の表面(スパッタリング面)に打ち付
け、該表面から微小粒子を叩きだして、基板の表面に蒸
着する技術である。これに用いられるターゲット材に
は、通常、スパッタリング面とは逆側の面に、スパッタ
リングによるターゲット材の過熱を防止するため、良熱
伝導性の材質でなるバッキングプレートが接合されてお
り、最も一般的な接合方法は、ろう材による接合であ
る。
【0003】例えば、特開昭61−169166号、特
開昭62−222060号あるいは、特開昭63−20
154号に記載されるように、ターゲット材がろう材と
の濡れ性の悪いCrなどの場合、ターゲット材に対し
て、濡れ性改善のため、またはさらにろう材の拡散防止
のために、予め、NiメッキやCuメッキ等を単独また
は組み合わせてメタライズ層を形成した後、インジウム
(In)ろう等を使用して銅を主体とするバッキングプ
レートに接合することが知られている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】上述したターゲット材
とバッキングプレートとの接合方法において、最近、タ
ーゲットのサイズを大きくする要求が強く、健全な接合
の確保やろう接合作業時間の短縮が困難になり、大きな
課題となってきた。すなわち、従来、300mmφ程度
の小型のターゲットの場合、例えば、ターゲット材とバ
ッキングプレートの両方をホットプレート上に、それぞ
れ被接合面を上側として載置し、その裏側から加熱して
被接合面上に溶融ろうを馴染んで保持させた後、両被接
合面同士を重ね合わせて冷却することで接合してきた
が、この程度の寸法のターゲットではさほど時間はかか
らず、接合状態も比較的良好で、接合後の変形も少なか
った。
【0005】しかし、この方法では、500mm×50
0mmあるいはそれ以上の接合面積を有するターゲット
の場合には、ターゲット材とバッキングプレートの加熱
に長時間を要すること、また、加熱時間が長いことと後
述のように、加熱温度を必要以上に上昇することによ
る、被接合材、ろう材の酸化による接合面積率の減少
等、接合状態の低下や接合後の熱収縮変形の増加等が重
大な問題となる。
【0006】すなわち、ホットプレートの上平面は、熱
膨張により平坦度(上に凸状等)が低下しており、ま
た、被接合材は、ホットプレートとの接触点およびその
近傍が局部的に熱膨張して、大きく下に凸の皿状に変形
して、その周辺がホットプレートに接触するのを阻害す
るため、接触面積が減少する。このため、またホットプ
レートの上平面は酸化しているから、昇温が悪く、かつ
ホットプレートの設定温度をろう材の融点に対してはる
かに高くする必要を生じ、さらに温度分布も不均一とな
る。また、ホットプレートはそれ自身保有熱量が大きい
ため、ろう接合時およびその後の冷却時間も長くなる。
【0007】また、最近、バッキングプレートの裏面
を、スパッタリング時の冷却効果の増加等の関係から凹
凸形状とすることがあり、この場合は、加熱時の熱伝達
の低下を防止するため、凹部に金属片等を詰める必要が
あるが、金属片等を詰めても熱伝達低下防止効果は不十
分であった。さらに、最近のバッキングプレートにはウ
ォータジャケット付き(内部に冷却水をUターンさせる
ように隔壁を有する)のものもあり、この場合隔壁のあ
る部分とない部分とで、熱伝達に差が生ずる(ウォータ
ジャケット付きで、さらに裏面に凹凸を有するものもあ
る)。
【0008】さらに、熱伝導率が低い鉄やオーステナイ
トステンレスを使用したバッキングプレートも採用され
つつある。さらに、ターゲット材やバッキングプレート
を、接合後の冷却に伴う熱膨張差による変形を考慮し
て、予め、湾曲形状(皿状)に加工しておく手法を採用
する場合、ホットプレートによる加熱では、ホットプレ
ートと、ターゲット材あるいはバッキングプレートとの
接触不良が起こり易く均一加熱でき難いと言った問題も
発生していた。
【0009】本発明の課題は、上記の問題に鑑み、大型
のターゲットのみならず、熱伝達の点で不利な種々のバ
ッキングプレートや、予め、湾曲加工したターゲット材
あるいはバッキングプレート等の平板状の被接合材同士
に対しても、加熱方法を改善することにより、健全な接
合を可能にし、接合後の熱収縮変形を抑制し、また、接
合に要する時間を短縮可能な平板状の被接合材同士の接
合方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、ターゲット
材あるいはバッキングプレートである平板状(裏面に凹
凸を有するもの、ウォータジャケットを有するもの等を
含む)の被接合材をホットプレートで加熱すること、つ
まり固体同士の接触による熱伝達で加熱することが不合
理であることを見出したことから、バーナ加熱、高周波
加熱等の加熱方法について検討した。その結果、主に、
前者は作業性、後者は温度分布と経済性で不十分である
ことから、さらに、輻射による加熱方法を検討、実験
し、この加熱方法が最も適していることを見出して本発
明に到達した。
【0011】すなわち本発明は、平板状の被接合材同士
を溶融ろう材を介して重ね合せて冷却するろう接合方法
において、前記被接合材の一方または双方の主要な加熱
手段として輻射を用いる工程を含むことを特徴とするろ
う接合方法、ターゲット材とバッキングプレートを溶融
ろう材を介して重ね合せて冷却するターゲットの製造方
法において、前記ターゲット材と前記バッキングプレー
トの一方または双方の主要な加熱手段として輻射を用い
る工程を含むことを特徴とするターゲットの製造方法で
ある。本発明は、ろう接合工程のうち少なくとも一工程
で被接合材の少なくとも一方が輻射加熱されるものを含
む。本発明が「主要な加熱手段として輻射」を、規定し
た理由は、従来のホットプレートによる加熱では、接触
伝熱を主要な伝熱とするが、輻射伝熱も含むことから、
これを除外するためである。なお、本発明で云う加熱
は、昇温のみならず、徐冷や温度保持のための加熱も含
む。
【0012】そして、本発明で望ましい輻射加熱方法
は、エネルギ密度の点から赤外線ランプ、ハロゲンラン
プ等の高温の熱源を使用するものである。これらの熱源
は1つであっても良いし、複数個であっても良く、特に
複数個の点状または線状の熱源をマトリックス状に配置
すること、複数個のランプの点灯制御、さらに、個々の
熱源の電流制御、電圧制御等により、広い面積を均一に
または中心部をやや抑制する等、加熱分布を自由に調整
して加熱すること、さらに、このときの加熱面積を所望
の被加熱物の形状、面積に合わせてコントロールするこ
とが望ましい。また、これらの熱源は、電気加熱による
小熱容量のものが多いから、急速な起動停止が可能、し
たがって、ろう接合時間の短縮に好都合であり、さらに
制御性に優れている。
【0013】輻射加熱方法は、ホットプレートによる熱
伝達とは異なり非接触加熱であり、加熱対象物がたとえ
多少変形していたり、表、裏面に凹凸があるもの、内部
にウォータジャケットを有するもの、さらに、冷却収縮
による反りの発生を相殺させるため、予め逆反りを与え
たもの等に対しても、それらに無関係に被接合面側およ
びその逆側からの加熱の選択、併用を用い得るから、被
接合材の全面をほぼ均等に、または前記のように多少分
布して加熱することができる。このため、加熱温度をろ
う材の融点に比し過度に高くする必要はなく、また、急
速加熱、冷却が可能である。したがって、ろう材や被接
合面の酸化を抑制し、また、作業時間を短縮し得る。
【0014】さらに、本発明者が見出したことである
が、大面積のろう接合において、ろうの凝固を中心部か
ら周辺部へと進行させることは、接合面積率の向上、冷
却時の反りの抑制に有効であり、これの達成のために中
心部を周辺部に比しやや低温とすることも輻射加熱では
容易で有効である。したがって、この加熱方法による
と、反りが少ない、健全な接合、接合のためのサイクル
が短い、の各項目を単独または複合して達成可能であ
る。
【0015】
【発明の実施の形態】大面積のろう接合において、健全
な接合を達成するには、両被接合材の接合面を重ね合わ
せるのに先立って、被接合両面について、予め、溶融ろ
うを馴染ませて保持させること、およびろうの凝固を中
心部から周辺部へ進行させることが望ましい。また、上
記の溶融ろうを馴染ませるときの姿勢は、被接合面を上
向きの水平とするのがよい。この際の本発明による加熱
方法として、上方から輻射加熱する場合は、溶融ろう材
の黒度が低い点の不利はあるが、テストの結果では、十
分の熱伝達量で急速な加熱が可能であり、また、溶融ろ
うの馴染み状況の監視、それによる手入れ等の作業は熱
源を装架した枠体等を移動して行なうことで支障なく実
行できるから、作業性を特に害することはなく、かつ、
設備的に容易であった。また、この方法は、ウォータジ
ャケットつきのバッキングプレート等に適す。
【0016】一方、下面側から輻射加熱する場合は、ろ
う材が輻射加熱熱源に滴下してこれを損傷させることの
ないように、各種の硝子板等の透明板で隔離することを
要する場合があるが、被加熱面は黒度が高い、加熱しつ
つ監視、手入れ等の作業がてき、作業性が良いという特
徴があり、大型等で健全なろう接合が特に要求される場
合等に適する。なお、輻射加熱は、下面側からと上方か
らとを併用してもよい。
【0017】本発明におけるターゲット材の材質は特に
限定されない。また、本発明のバッキングプレートも特
に材質は限定しないが、代表的には純銅あるいは、銅を
主体とする合金を用いることができる。また、本発明の
効果をより顕著に得られるのは、変形の問題が重要とな
るターゲットのスパッタリング面積が500mm×50
0mm以上の大型なターゲット材である。
【0018】
【実施例】以下、Crターゲットの例により、本発明の
実施例を説明する。820mm×1110mm×6mm
の平板状に機械加工した純Crターゲット材と、940
mm×1230mm×17mm(全厚み、ウォータジャ
ケット付き)の純銅製のバッキングプレートをそれぞれ
2セット分準備し、1セットを従来のホットフ゜レートによ
る方法と、1セットをハロゲンランプによる輻射加熱を
用いる本発明の方法を、ろうを馴染ませて保持させる工
程に適用してろう接合を行なった。
【0019】いずれの方法も、前処理として、ターゲッ
ト材とバッキングプレートの接合面には、所定の厚みの
NiストライクめっきとCuめっきを施して準備した。
従来法では図2A(被加熱材:ターゲット材)に示すよ
うに、ターゲット材とバッキングプレートの両者につい
て、被接合面を上向き水平にして、予め230℃に昇温
保持したホットフ゜レート2上に載置し保温カバー4で被っ
て昇温し、所定温度に達した時点で、被接合面にフラッ
クスを塗布し、予め、溶融しておいたInろう(融点:1
57℃)3を注いだ。
【0020】一方、本発明法では、ターゲット材とバッ
キングプレートの両者について、被接合面を上向き水平
にして、図1A(被加熱材:ターゲット材)に示すよう
に、断熱材6上に載置して被接合面に予めフラックスを
塗布するとともに所定量のろう材を配列して、上方から
線状のハロゲンランプ7を多数配列した配線ランプボッ
クス8で被って輻射加熱し、ろう材を溶融した。両方法
とも、被接合面上に溶融保持された溶融ろうの状況の点
検と必要な手入れをした後、ターゲット材をバッキング
プレートの上に、相互の被接合面が重ね合わされるよう
にして載置するとともに、所定の重しにより加圧して冷
却した。冷却後、ろう接合の面積率を測定した結果、い
ずれも基準以上であった。
【0021】図1A、Bに本発明、図2A、Bに従来法のそ
れぞれターゲット材の加熱時の状況の斜視図および昇温
線図を示す。但し、図1Bの本発明の昇温線図は、予備
テスト時のもので、中心部と周辺部の温度差の調整が未
調整時のものである。なお、両昇温線図において、の周
辺部の温度は「端」として表示されている。図1Bおよ
び図2Bの比較から、従来の方法ではターゲット材の昇
温に約60分を要しているのに対し(図2Bでは測温点
が唯2点のため、局部的温度分布むらが不明瞭であ
る)、本発明の方法では2.5〜6.5秒と非常に短時
間で昇温できることが判る。
【0022】本発明の方法において、被接合面上に溶融
保持された溶融ろうの手入れは、従来の方法に比し、約
1/3に低減できた。この理由は、温度の均一性と、タ
ーゲット材とろう材の酸化の減少によるものである。な
お、本発明の加熱において、ランプの配置の変更、電流
または電圧の調整により、全加熱面積内の温度むらを±
15〜10℃以内またはさらにそれ以下とすること、ろ
う材の凝固を中心部から、周辺部へと進行させることが
容易であることがわかった。
【0023】
【発明の効果】従来、ターゲット材およびバッキングプ
レートの加熱をホットプレートによる接触伝熱で行なっ
ていたため、大型のターゲットや熱伝達の点で不利なバ
ッキングプレート等のろう接合に対して、昇温速度、温
度の均一性、所望の温度分布の付与において困難があ
り、このため、接合処理に長時間を要すること、接合面
積率等接合状態の低下や熱収縮変形が重大な問題となっ
ている。
【0024】本発明により主要な加熱手段を輻射加熱と
することにより、急速に、温度むらなくまたは所望の温
度分布を保持させて昇温、温度保持、温度降下すること
ができるから、反りが少ない、健全な接合、接合のため
のサイクルが短い、の各項目を単独または複合して達成
可能である。本発明により、特に、500mm×500
mmまたはそれ以上に大型のターゲットのろう接合が非
常に容易、確実になった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の方法の一実施例の概念図Aと昇温線図B
である。
【図2】従来方法の一実施例の概念図Aと昇温線図Bであ
る。
【符号の説明】
1 ターゲット材、2 ホットプレート、3 ろう材、
4 保温カバー、6断熱材、7 ハロゲンランプ、8
配線ランプボックス

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平板状の被接合材同士を溶融ろう材を介
    して重ね合せて冷却するろう接合方法において、前記被
    接合材の一方または双方の主要な加熱手段として輻射を
    用いる工程を含むことを特徴とするろう接合方法。
  2. 【請求項2】 ターゲット材とバッキングプレートを溶
    融ろう材を介して重ね合せて冷却するターゲットの製造
    方法において、前記ターゲット材と前記バッキングプレ
    ートの一方または双方の主要な加熱手段として輻射を用
    いる工程を含むことを特徴とするターゲットの製造方
    法。
JP10248877A 1998-09-03 1998-09-03 ろう接合方法およびターゲットの製造方法 Pending JP2000079467A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008263189A (ja) * 2007-03-29 2008-10-30 Applied Materials Inc 太陽電池用の反射防止又はパッシベーション層を製造する方法及び装置
CN108070834A (zh) * 2016-11-18 2018-05-25 宁波江丰电子材料股份有限公司 背板及其形成方法
CN111455335A (zh) * 2020-04-24 2020-07-28 河北恒博新材料科技股份有限公司 一种平面靶材的绑定方法

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