JP2000078705A - ハイブリッド車両およびその制御方法 - Google Patents

ハイブリッド車両およびその制御方法

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JP2000078705A JP10263973A JP26397398A JP2000078705A JP 2000078705 A JP2000078705 A JP 2000078705A JP 10263973 A JP10263973 A JP 10263973A JP 26397398 A JP26397398 A JP 26397398A JP 2000078705 A JP2000078705 A JP 2000078705A
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義雄 菅原
Takayuki Ikegami
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 パラレルハイブリッド車両において、モータ
MG2の制御に起因する振動を抑制し、乗り心地を向上
する。 【解決手段】 エンジン、モータMG1、モータMG2
および車軸をプラネタリギヤを介して結合する。エンジ
ンおよびモータMG1から出力された動力をモータMG
2で補償して要求動力を車軸から出力する。この制御で
は、まず上記補償に必要なトルクをモータMG2の仮目
標トルクとして設定する。この仮目標トルクになまし処
理を施して目標トルクを決定する。車両の走行状態に応
じてなまし処理の程度を変える。停車中にエンジンの始
動が開始された場合は、高い応答性でモータMG2を制
御して車軸へのトルク変動を適切に相殺する。通常走行
中にはやや低い応答性でモータMG2を制御して運転者
のアクセル操作に対し滑らかに出力トルクを変える。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、内燃機関と電動発
電機とを有し、少なくとも内燃機関から出力された動力
を動力源として走行可能なハイブリッド車両およびその
制御方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、内燃機関と電動発電機とを備える
ハイブリッド車両が提案されている。かかるハイブリッ
ド車両としては種々の構成が提案されており、その一つ
にパラレル・ハイブリッド車両がある。パラレル・ハイ
ブリッド車両では、内燃機関の動力および電動機の動力
の双方を車軸に伝達可能である。パラレル・ハイブリッ
ド車両の構成例を図1に示す。
【0003】図1のハイブリッド車両では、エンジン1
50と、電動発電機MG1,MG2とが備えられてい
る。三者は、プラネタリギヤ120を介して機械的に結
合されている。プラネタリギヤ120は、遊星歯車とも
呼ばれ以下に示すそれぞれのギヤに結合された3つの回
転軸を有している。プラネタリギヤ120を構成するギ
ヤは、中心で回転するサンギヤ121、サンギヤの周辺
を自転しながら公転するプラネタリピニオンギヤ12
3、さらにその外周で回転するリングギヤ122であ
る。プラネタリピニオンギヤ123はプラネタリキャリ
ア124に軸支されている。図1のハイブリッド車両で
は、エンジン150はプラネタリキャリア124に結合
されている。電動発電機MG1はサンギヤ121に結合
されている。電動発電機MG2はリングギヤ122に結
合されている。リングギヤ122はチェーンベルト12
9により車軸112に結合されている。
【0004】かかる構成を有するハイブリッド車両で
は、内燃機関から出力された動力がプラネタリギヤ12
0で2つに分配される。その一部は機械的な動力として
車軸112に伝達される。残余の部分は電動発電機MG
1で電力として回生される。両者の分配比率は、プラネ
タリギヤ120のギヤ比に基づいて定まる。上記ハイブ
リッド車両では、車軸112の回転数が要求された回転
数に一致するような割合で動力を分配する。かかる分配
の結果、車軸112に伝達されたトルクが要求値に満た
ない場合には、電動発電機MG2から不足分のトルクを
出力する。電動発電機MG2の駆動には、電動発電機M
G1で回生された電力が用いられる。
【0005】かかる作用により、ハイブリッド車両は内
燃機関から出力された動力を、車軸112に要求された
トルクおよび回転数からなる動力に変換して走行するこ
とができる。また、ハイブリッド車両では、電動発電機
MG2の動力を利用して内燃機関を停止したまま走行す
ることもできる。さらに、車両が停止中および走行中の
いずれの状態であっても、電動発電機MG1を駆動して
内燃機関をモータリングし、始動することもできる。ハ
イブリッド車両では、こうした種々の状態で動力を出力
して走行するために、要求動力に応じて内燃機関、電動
発電機MG1,MG2の走行状態を制御する。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】パラレル式のハイブリ
ッド車両では、内燃機関および電動発電機MG1から車
軸112に出力される動力と要求動力との過不足分を補
償するのは電動発電機MG2である。従って、車軸11
2から要求動力を適切に出力するためには、特に電動発
電機MG2の制御を適切に行う必要がある。内燃機関お
よび電動発電機MG1から車軸112に出力される動力
は、両者の運転状態に応じて変化する。また、要求動力
は運転者の操作によって変化する。車軸112から要求
動力を適切に出力するためには、これらの変化に応じた
応答性で電動発電機MG2を制御する必要がある。
【0007】従来から提案されているハイブリッド車両
では、電動発電機MG2の制御に上述の応答性が十分に
考慮されていなかった。そのため、ある走行状態によっ
ては、応答性が過敏となり、要求動力の変化に応じて内
燃機関、電動発電機MG1,MG2の走行状態が急激に
変動し、振動を発生することがあった。この場合には、
運転者の操作の微妙な変動に応じて出力される動力が過
敏に変化することに起因する振動も生じることがあっ
た。また、別の走行状態では応答性が低すぎ、電動発電
機MG2が上述の過不足分を十分補償しきれずに、振動
を発生することもあった。これらの現象は、いずれもハ
イブリッド車両の乗り心地を低下させていた。かかる現
象は、上述した構成のハイブリッド車両に関わらず、い
わゆるパラレルハイブリッド車両で共通に生じていた。
【0008】本発明は、かかる課題を解決するためにな
されたものであり、いわゆるパラレルハイブリッド車両
において、種々の走行状態において、電動発電機の制御
の応答性に起因する振動を抑制する技術を提供すること
を目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】上
記課題の少なくとも一部を解決するために、本発明では
以下の構成を採った。本発明の動力出力装置は、内燃機
関と、該内燃機関の出力軸および車軸の双方に結合され
双方の軸で入出力される動力を電力のやりとりによって
調整可能な動力調整装置と、車軸に機械的に結合された
電動発電機とを有し、少なくとも該内燃機関から出力さ
れた動力を変換して前記車軸から出力して走行可能なハ
イブリッド車両であって、前記電動発電機の目標トルク
を設定する目標トルク設定手段と、前記ハイブリッド車
両の走行状態を特定する特定手段と、前記目標トルクを
修正して前記走行状態に応じて予め定められた応答性を
達成する目標トルク修正手段と、前記電動発電機の運転
を制御して、該設定された目標トルクを出力する電動発
電機制御手段とを備えることを要旨とする。
【0010】本発明のハイブリッド車両では、前記電動
発電機の制御によって車軸に出力されるトルクを制御す
ることができる。電動発電機の運転は、ハイブリッド車
両の走行状態に応じて予め定められた応答性に基づいて
目標トルクを修正した上で制御される。応答性とは、電
動発電機の目標トルクの変動に対応して実際のトルクが
変化する変化率をいう。一般に、要求動力が運転者の指
示によって変化する周期および幅は、車両の走行状態に
応じて相違する。例えば、車両が走行しているときは、
アクセルの踏み込み量が細かな周期で微妙に変動する。
車両の走行中に高い応答性で電動発電機を制御すれば、
上述の微妙な変動に応じて車軸に出力されるトルクが変
動する。滑らかな運転を可能にするためには、上記変動
よりも緩い応答性で電動発電機を制御することが望まし
い。
【0011】一方、乗員が許容できる振動の程度も車両
の走行状態によって変化する。例えば、停車中は走行中
に比べてわずかな振動でも敏感に感じる。かかる場合に
は、電動発電機を制御して、車軸に出力されるトルクの
変動を素早く相殺することが望ましい。上記ハイブリッ
ド車両では、車両の走行状態に応じた応答性で電動発電
機を制御することができる。従って、各走行状態ごと
に、運転者が期待する滑らかな加減速感を実現しつつ、
乗員が許容できる範囲に振動を抑制するように電動発電
機を運転することができる。この結果、本発明のハイブ
リッド車両によれば、車両の操作性および乗り心地を大
きく向上することができる。
【0012】なお、上記応答性は種々の走行状態に対応
して設定することができる。例えば、車両の進行方向に
関連した状態、つまり前進中、停車中、後進中で区別し
て応答性を設定してもよい。また、車輪がスリップした
状態にあるか否かで区別して応答性を設定してもよい。
さらに、車両が定常的に走行しているか加速または減速
中であるかで区別して応答性を設定してもよい。その他
種々の走行状態に応じて応答性を定義することができ
る。
【0013】上記発明では、目標トルクを一旦入力した
上で、応答性に基づいてその目標トルクを修正してい
る。これに対し、目標トルクを設定する目標トルク設定
手段と、該目標トルクを修正する目標トルク修正手段と
を一体的に構成するものとしてもよい。つまり、目標ト
ルクを設定する過程において、上記応答性に基づいた修
正を施すものとしてもよい。
【0014】目標トルク設定手段および目標トルク修正
手段は、種々の態様で構成することができ、例えば、前
記目標トルク設定手段は、前記車軸から出力すべき要求
トルクに対して、前記内燃機関および動力調整装置によ
って前記車軸に出力されるトルクが過不足するトルクを
補償する値を目標トルクとして設定する手段であり、前
記目標トルク修正手段は、前記走行状態ごとに定められ
たなまし処理を施して前記目標トルクを設定する手段で
あるものとすることができる。
【0015】かかる態様の目標トルク設定手段によって
設定されたトルクが電動発電機から出力されれば、内燃
機関および動力調整装置から車軸に出力されるトルクを
補償して要求トルクを車軸から出力することができる。
一方、上記態様の目標トルク修正手段によれば、走行状
態ごとに定められた応答性で電動発電機のトルクが変動
するように、なまし処理によって目標トルクを修正す
る。なまし処理の方法としては、種々の方法が適用可能
である。例えば、従前に電動発電機が出力していたトル
クおよび目標トルク設定手段により設定されたトルクの
それぞれに所定の重み係数を乗じた平均値を修正後の目
標トルクとする方法を採ることができる。この場合は、
重み係数を走行状態に応じて変更することにより、電動
発電機のトルクの応答性を変えることができる。他の方
法を適用した場合でも、なまし処理に用いられる所定の
係数を変更すれば、走行状態に応じて応答性を変えるこ
とができる。上述の態様からなるハイブリッド車両で
は、目標トルク修正手段として、なまし処理を適用する
ことにより、走行状態に応じて比較的容易に電動発電機
のトルクの応答性を変更することができる。
【0016】本発明のハイブリッド車両において、車両
の走行状態と、電動発電機のトルクの応答性との関係
は、種々の関係で設定可能である。例えば、第1の関係
として、前記特定手段が、該ハイブリッド車両の走行状
態として、停車中であるか否かを特定する手段である場
合に、前記目標トルク修正手段における応答性は、該ハ
イブリッド車両が停車中の方が走行中よりも高く定めら
れているものとすることができる。
【0017】停車中は車軸に出力されるトルクを一定に
維持する必要がある。平坦な場所で停車中であればトル
クは値0で一定に維持されるし、上り坂などでは勾配に
応じた正の値で一定に維持される。いずれの場合であっ
ても車軸に出力されるトルクが変動すれば車両は振動す
る。一般に、停車中、乗員は車両の振動に対して非常に
敏感である。上述した関係で電動発電機の応答性を設定
すれば、停車中は走行中よりも高い応答性で電動発電機
を制御することができる。つまり、内燃機関および動力
調整装置の運転状態が変化して、両者から車軸に出力さ
れるトルクが変動した場合でも、該変動分を電動発電機
で素早く補償することができる。従って、車軸に出力さ
れるトルクをほぼ一定の値に維持することが可能とな
り、停車中において、内燃機関や動力調整装置の運転状
態の変化に起因する振動を抑制することができる。
【0018】停車中は運転者がアクセルの踏み込みなど
によって、要求トルクの増減を指示することはほとんど
ない。従って、上述の関係で停車中における電動発電機
の応答性を高めても、運転者の操作に応じて車軸から出
力されるトルクが細かく変動して振動を起こす可能性は
ほとんどない。従って、上記第1の関係で電動発電機の
応答性を設定すれば、停車中のハイブリッド車両の乗り
心地を大きく向上することができる。
【0019】停車中の応答性を走行中よりどの程度高く
設定するかという点については、ハイブリッド車両の具
体的な構成に応じて相違する。例えば、内燃機関や動力
調整装置から出力されるトルクの変化率などに応じて異
なる。従って、ハイブリッド車両の構成に応じて、振動
が許容される範囲に収まる応答性を実験等により設定す
ればよい。応答性を高くするために、目標トルク設定手
段により設定された目標トルクを修正せずに電動発電機
の制御に用いるものとしてもよい。
【0020】なお、停車中であるか否かの判断は、例え
ばシフトポジションが停車中にのみ使われるパーキング
レンジなどの位置にあるか否かで判断することも可能で
ある。また、前記特定手段は、車速に基づいて車両が停
止しているか否かを特定するものとすることもできる。
【0021】シフトポジションが走行中に使用される位
置にある場合でも、例えばブレーキを踏んでいる場合な
ど、ハイブリッド車両が停車中である可能性はある。上
記特定手段によれば、かかる場合でも車両が停止してい
ることを特定することができるため、より確実に停車中
の乗り心地を向上することができる。また、上述の特定
手段によれば、車両が完全に停止しておらず、非常に微
速で走行している場合も含めて停車中として扱うことが
できる。非常に微速で走行している場合は、乗員が車両
の振動に敏感である。上記特定手段によれば、かかる場
合も含めて停車中として扱うことにより、非常に微速で
走行している場合の振動をも抑制することができる。
【0022】第2の関係として、前記内燃機関の始動の
指示を入力する手段を備えたハイブリッド車両におい
て、前記目標トルク設定手段が、該指示が入力されたと
きに前記動力調整装置で前記内燃機関をモータリングす
る際に前記車軸に出力されるトルクを相殺可能なトルク
を、目標トルクとして設定する手段であり、前記特定手
段が、該ハイブリッド車両の走行状態が停車中かつ前記
モータリングが行われている状態であるか否かを特定す
る手段である場合に、前記目標トルク修正手段における
応答性は、該ハイブリッド車両が停車中かつ該モータリ
ングが行われているときの方が、走行中よりも高く設定
されているものとすることもできる。
【0023】ハイブリッド車両は、動力調整装置によっ
て内燃機関をモータリングし、内燃機関を始動すること
がある。この際、内燃機関をモータリングするために動
力調整装置から出力されたトルクの反トルクが車軸に出
力される。車軸に適切な動力を出力するためには、電動
発電機でこの反トルクを相殺する必要がある。特に乗員
が車両の振動を感じやすい停車中には、先に説明した通
り、車軸に出力されるトルクを一定に維持する必要性が
高い。上述した関係で電動発電機の応答性を設定すれ
ば、停車中かつモータリング中である場合は、走行中よ
りも高い応答性で電動発電機を制御することができる。
つまり、動力調整装置による反トルクを速やかに補償す
ることができる。従って、車軸に出力されるトルクの変
動を抑制でき、停車中かつモータリング中である場合の
乗り心地を向上することができる。
【0024】なお、ハイブリッド車両は、走行中におい
ても動力調整装置で内燃機関をモータリングして、内燃
機関を始動することがある。かかる場合でも、モータリ
ング中に反トルクを電動発電機で相殺する必要がある。
走行中は停車中ほど振動には敏感でないのが通常である
が、振動が抑制された方が望ましいのはもちろんであ
る。従って、走行中にモータリングが行われている場合
には、モータリングが行われていない走行中の応答性よ
りも高い応答性で電動発電機が制御されるように、目標
トルクを設定するものとしてもよい。
【0025】第3の関係として、前記特定手段が、前記
車軸に結合された車輪がスリップした状態にあるか否か
を特定する手段である場合に、前記目標トルク修正手段
における応答性は、該ハイブリッド車両の走行状態が前
記スリップした状態にあるときの方が、そうでないとき
よりも高く設定されているものとすることもできる。
【0026】車輪がスリップした状態は一般に好ましい
走行状態とはいえないため、速やかに回復を図る必要が
ある。車輪のスリップは路面の摩擦力に対して車軸から
出力されるトルクが大きすぎるときに生じる。従って、
スリップから回復するためには、車軸から出力されるト
ルクをスリップを生じない程度の値に抑制する必要があ
る。上記第3の関係で電動発電機の応答性を設定してお
けば、スリップが生じた場合に車軸に出力されるトルク
を速やかに抑制することができる。従って、短期間でス
リップ状態からの回復を図ることができる。
【0027】スリップした場合、車軸の回転数は急激に
増加する。このように回転数が急激に増加すると、車軸
に動力を伝達する系統中のギヤその他の要素に不要な摩
耗などを生じ、寿命を著しく縮めるおそれもある。上述
の関係で電動発電機の応答性を設定すれば、スリップか
ら速やかに回復できるため、車両の寿命を縮める状態を
回避することができる。なお、上記関係は、車両が前進
中であるか後進中であるか、また停車中であるかに関わ
らず、適用することができる。
【0028】第4の関係として、前記特定手段が、該ハ
イブリッド車両が前進走行中であるか後進走行中である
かを特定する手段である場合に、前記目標トルク修正手
段における応答性は、該ハイブリッド車両が後進走行中
であるときの方が、前進走行中よりも低く設定されてい
るものとすることもできる。
【0029】一般に内燃機関の回転方向は、車両が前進
中であるか後進中であるかに関わらず一定である。後進
する場合、ハイブリッド車両は、内燃機関の回転動力を
動力調整装置で電力に置き換えつつ、電動発電機から後
進方向の回転動力を出力する。内燃機関からは前進方向
の動力が出力されており、電動発電機からは後進方向の
動力が出力されている。内燃機関、動力調整装置、およ
び電動発電機でやりとりされる動力のバランスが崩れる
と、車軸には前後方向にトルク変動が生じ激しい振動を
生じる。後進時は、内燃機関の出力する動力と電動発電
機の出力する動力の方向が逆であるため、前進時に比べ
て動力のバランスが崩れやすい。上記第4の関係で電動
発電機の応答性を設定すれば、電動発電機の運転状態は
比較的緩やかに変化する。従って、内燃機関、動力調整
装置、電動発電機でやりとりされる動力のバランスを維
持しやすい。この結果、上記関係を適用したハイブリッ
ド車両によれば、後進時の車両の振動を抑制することが
でき、操作性および乗り心地を大きく向上することがで
きる。
【0030】本発明のハイブリッド車両における動力調
整装置は、種々の構成を適用可能であり、例えば、前記
電動発電機を第1の電動発電機とし、前記動力調整装置
は、3つの回転軸を有し、該回転軸のうち2つの回転軸
が前記出力軸および車軸に結合されたプラネタリギヤ
と、該プラネタリギヤの残余の回転軸に結合された第2
の電動発電機からなる装置であるものとすることができ
る。
【0031】かかる構成の動力調整装置によれば、内燃
機関から出力された動力は、プラネタリギヤで車軸に伝
達される動力と、第2の電動発電機に伝達される動力に
分配することができる。また、内燃機関から出力された
動力と第2の電動発電機から出力された動力とをプラネ
タリギヤで併合して、車軸に伝達することもできる。従
って、第2の電動発電機への電力のやりとりによって、
上記構成からなる動力調整装置は、内燃機関の出力軸お
よび車軸の双方の軸で入出力される動力を調整すること
ができる。
【0032】また、前記動力出力装置は、前記出力軸に
結合された第1のロータと、前記車軸に結合された第2
のロータとからなる対ロータ電動機であるものとするこ
ともできる。
【0033】かかる構成の動力調整装置によれば、内燃
機関から出力された動力を、第1のロータと第2のロー
タ間に作用する電磁的な結合を通じて、車軸に伝達する
ことができる。この際、対ロータ電動機への電力のやり
とりによって、第1のロータおよび第2のロータ間の滑
りを調整することができる。つまり、内燃機関の出力軸
および車軸の回転数を調整することにより、両軸の動力
を調整することができる。かかる作用により、上記対ロ
ータ電動機は、内燃機関の出力軸および車軸の双方の軸
で入出力される動力を調整可能な動力調整装置として機
能する。
【0034】通常、ハイブリッド車両は、複数の車軸を
有している。本発明のハイブリッド車両は、動力調整装
置および電動発電機が同じ側の車軸に結合された構成を
採用することが可能である。また、前記動力調整装置が
結合された車軸と、前記電動発電機が結合された車軸と
は異なる車軸であり、それぞれの車軸に結合された車輪
から動力を出力することにより4輪駆動可能な構成を採
ることも可能である。当然、動力調整装置および電動発
電機を一方の車軸に結合された構成とした上で、更に他
の車軸に電動発電機を結合して4輪駆動可能な構成を採
るものとしても構わない。
【0035】本発明は以下に示す構成を採ることもでき
る。つまり、内燃機関と、該内燃機関の出力軸および車
軸の双方に結合され双方の軸で入出力される動力を電力
のやりとりによって調整可能な動力調整装置と、車軸に
機械的に結合された電動発電機とを有し、少なくとも該
内燃機関から出力された動力を変換して前記車軸から出
力して走行可能なハイブリッド車両であって、前記電動
発電機の目標トルクを設定する目標トルク設定手段と、
該目標トルクをなまし処理により修正するトルク修正手
段と、前記ハイブリッド車両の走行状態を特定する特定
手段と、前記ハイブリッド車両が予め定めた所定の走行
状態にあるときは、前記トルク修正手段による目標トル
クの修正を禁止する禁止手段と、前記電動発電機の運転
を制御して、該設定された目標トルクを出力する電動発
電機制御手段とを備えるハイブリッド車両としての構成
である。
【0036】一般にハイブリッド車両の運転中には、車
軸に出力されるトルクが滑らかに変動することが要求さ
れる走行状態を取ることが多い。上記態様のハイブリッ
ド車両によれば、電動発電機の目標トルクをなまし処理
して修正することにより、出力されるトルクを滑らかに
変動させることができる。ところが、先に説明した通
り、ハイブリッド車両の走行状態によっては、なまし処
理を施して電動発電機の目標トルクを設定した場合、電
動発電機の応答性が低く、車両が振動することがある。
上記態様のハイブリッド車両によれば、所定の走行状態
にあるときは、禁止手段によりなまし処理を禁止するこ
とができる。従って、上記ハイブリッド車両は、車両の
走行状態に応じて適切なトルクを出力することができ
る。
【0037】なまし処理を禁止すべき走行状態として
は、例えば、車両が停車中である場合や、車両がスリッ
プ状態にある場合が挙げられる。また、車両が停車中に
おいて内燃機関が始動されている時にのみなまし処理を
禁止するものとしてもよい。なお、前記トルク修正手段
は、車両の走行状態に応じてなまし処理の程度を変える
ものとすることもできる。例えば、後進中は前進走行中
よりも応答性が低くなるようになまし処理を施すことも
できる。
【0038】本発明は、以下に示すハイブリッド車両の
制御方法としても構成することができる。即ち、内燃機
関と、該内燃機関の出力軸および車軸の双方に結合され
双方の軸で入出力される動力を電力のやりとりによって
調整可能な動力調整装置と、車軸に機械的に結合された
電動発電機とを有し、該内燃機関から出力された動力を
前記車軸から出力して走行可能なハイブリッド車両の制
御方法であって、(a)前記電動発電機の目標トルクを
設定する工程と、(b)前記ハイブリッド車両の走行状
態を特定する工程と、(c)前記走行状態に応じて予め
定められた応答性に基づいて許容される範囲に前記目標
トルクを修正する工程と、(d)前記電動発電機の運転
を制御して、該設定された目標トルクを出力する工程と
を備える制御方法である。
【0039】かかる制御方法によって、ハイブリッド車
両の運転を制御すれば、先にハイブリッド車両の発明と
して説明した作用と同様の作用によって、車両の操作性
および乗り心地に優れた制御を実現することができる。
【0040】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を実施
例に基づいて説明する。 (1)実施例の構成:はじめに、本発明の実施例として
のハイブリッド車両の構成を説明する。図1はこのハイ
ブリッド車両の動力を出力する動力系統の構成を示す説
明図である。動力系統に備えられたエンジン150は通
常のガソリンエンジンであり、クランクシャフト156
を回転させる。エンジン150の運転はEFIECU1
70により制御されている。EFIECU170は内部
にCPU、ROM、RAM等を有するワンチップ・マイ
クロコンピュータであり、CPUがROMに記録された
プログラムに従い、エンジン150の燃料噴射量その他
の制御を実行する。
【0041】動力系統には、他にモータMG1,MG2
が備えられている。モータMG1,MG2は、同期電動
発電機として構成され、外周面に複数個の永久磁石を有
するロータ132,142と、回転磁界を形成する三相
コイル131,141が巻回されたステータ133,1
43とを備える。ステータ133,143はケース11
9に固定されている。モータMG1,MG2のステータ
133,143に巻回された三相コイル131,141
は、それぞれ駆動回路191,192を介してバッテリ
194に接続されている。駆動回路191,192は、
各相ごとにスイッチング素子としてのトランジスタを2
つ1組で備えたトランジスタインバータである。駆動回
路191,192は制御ユニット190に接続されてい
る。制御ユニット190からの制御信号によって駆動回
路191,192のトランジスタがスイッチングされる
とバッテリ194とモータMG1,MG2との間に電流
が流れる。モータMG1,MG2はバッテリ194から
の電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作す
ることもできるし(以下、この走行状態を力行と呼
ぶ)、ロータ132,142が外力により回転している
場合には三相コイル131,141の両端に起電力を生
じさせる発電機として機能してバッテリ194を充電す
ることもできる(以下、この走行状態を回生と呼ぶ)。
【0042】エンジン150とモータMG1,MG2は
それぞれプラネタリギヤ120を介して機械的に結合さ
れている。プラネタリギヤ120は、サンギヤ121,
リングギヤ122,プラネタリピニオンギヤ123を有
するプラネタリキャリア124から構成されている。本
実施例のハイブリッド車両では、エンジン150のクラ
ンクシャフト156はダンパ130を介してプラネタリ
キャリア軸127に結合されている。ダンパ130はク
ランクシャフト156に生じる捻り振動を吸収するため
に設けられている。モータMG1のロータ132は、サ
ンギヤ軸125に結合されている。モータMG2のロー
タ142は、リングギヤ軸126に結合されている。リ
ングギヤ122の回転は、チェーンベルト129を介し
て車軸112および車輪116R,116Lに伝達され
る。
【0043】実施例のハイブリッド車両の運転全体は制
御ユニット190により制御されている。制御ユニット
190は、EFIECU170と同様、内部にCPU、
ROM、RAM等を有するワンチップ・マイクロコンピ
ュータである。制御ユニット190はEFIECU17
0と接続されており、両者は種々の情報を伝達し合うこ
とが可能である。制御ユニット190は、エンジン15
0の制御に必要となるトルク指令値や回転数の指令値な
どの情報をEFIECU170に送信することにより、
エンジン150の運転を間接的に制御することができ
る。また、駆動回路191,192のスイッチングを制
御することにより、モータMG1,MG2の運転を直接
制御することができる。制御ユニット190はこうし
て、動力出力装置全体の運転を制御している。かかる制
御を実現するために制御ユニット190には、種々のセ
ンサ、例えば、運転者によるアクセルの踏み込み量を検
出するためのアクセルペダルポジションセンサ165、
シフトレバーの位置を検出するシフトポジションセンサ
167、および車軸112の回転数を知るためのセンサ
144などが設けられている。リングギヤ軸126と車
軸112は機械的に結合されているため、本実施例で
は、車軸112の回転数を知るためのセンサ144をリ
ングギヤ軸126に設け、モータMG2の回転を制御す
るためのセンサと共通にしている。
【0044】(2)基本的動作:かかるハイブリッド車
両の基本的な動作を説明するために、まずプラネタリギ
ヤ120の動作について説明する。プラネタリギヤ12
0は、上述した3つの回転軸のうち、2つの回転軸の回
転数およびトルク(以下、両者をまとめて回転状態とよ
ぶ)が決定されると残余の回転軸の回転状態が決まると
いう性質を有している。各回転軸の回転状態の関係を次
式(1)に示す。
【0045】 Nr=(1+ρ)Nc−ρNs; Nc=(Nr+ρNs)/(1+ρ); Ns=(Nc−Nr)/ρ+Nc; Ts=ρ/(1+ρ)×Tc; Tr=1/(1+ρ)×Tc …(1)
【0046】ここで、Ns,Tsはサンギヤ軸125の
回転数およびトルク、Nr,Trはリングギヤ軸126
の回転数およびトルク、Nc,Tcはプラネタリキャリ
ア軸127の回転数およびトルクである。また、ρは次
式で表される通り、サンギヤ121とリングギヤ122
のギヤ比である。ρ=サンギヤ121の歯数/リングギ
ヤ122の歯数
【0047】本実施例のハイブリッド車両は、プラネタ
リギヤ120の作用に基づいて、種々の状態で走行する
ことができる。例えば、ハイブリッド車両が走行を始め
た比較的低速な状態では、エンジン150を停止したま
ま、モータMG2を力行することにより車軸112に動
力を伝達して走行する。同様にエンジン150をアイド
ル運転したまま走行することもある。
【0048】ハイブリッド車両が所定の速度に達する
と、制御ユニット190はモータMG1を力行して出力
されるトルクによってエンジン150をモータリングし
て始動する。このとき、モータMG1の反力トルクがプ
ラネタリギヤ120を介してリングギヤ122にも出力
される。制御ユニット190はこの反力トルクを相殺し
つつ要求動力を車軸112から出力するようにモータM
G2の運転を制御する。
【0049】エンジン150が運転している状態では、
その動力を種々の回転数およびトルクの回転状態に変換
して車軸112から出力し、走行する。エンジン150
を運転してプラネタリキャリア軸127を回転させる
と、上式(1)を満足する条件下で、サンギヤ軸125
およびリングギヤ軸126が回転する。リングギヤ軸1
26の回転による動力はそのまま車輪116R,116
Lに伝達される。サンギヤ軸125の回転による動力は
モータMG1で電力として回生することができる。一
方、モータMG2を力行すれば、リングギヤ軸126を
介して車輪116R,116Lに動力を出力することが
できる。エンジン150からリングギヤ軸126に伝達
されるトルクが不足する場合にはモータMG2を力行す
ることによりトルクをアシストする。モータMG2を力
行するための電力にはモータMG1で回生した電力およ
びバッテリ149に蓄えられた電力を用いる。制御ユニ
ット190は車軸112から出力すべき要求動力に応じ
てモータMG1,MG2の運転を制御する。
【0050】本実施例のハイブリッド車両は、エンジン
150を運転したまま後進することもできる。エンジン
150を運転すると、プラネタリキャリア軸127は前
進時と同方向に回転する。このとき、モータMG1を制
御してプラネタリキャリア軸127の回転数よりも高い
回転数でサンギヤ軸125を回転させると、上式(1)
から明らかな通り、リングギヤ軸126は後進方向に反
転する。制御ユニット190は、モータMG2を後進方
向に回転させつつ、その出力トルクを制御して、ハイブ
リッド車両を後進させる。
【0051】プラネタリギヤ120は、リングギヤ12
2が停止した状態で、プラネタリキャリア124および
サンギヤ121を回転させることが可能である。従っ
て、車両が停止した状態でもエンジン150は運転可能
である。例えば、バッテリ194の残容量が少なくなれ
ば、エンジン150を運転し、モータMG1を回生運転
することにより、バッテリ194を充電することができ
る。車両が停止しているときにモータMG1を力行すれ
ば、そのトルクによってエンジン150をモータリング
し、始動することができる。このとき、制御ユニット1
90はモータMG2を制御して、モータMG1の反力ト
ルクを相殺する。
【0052】ところで、本実施例のハイブリッド車両で
は、車両の車速とエンジン150の回転数との間に一定
の制限が設けられている。図2にこの制限を示す。図中
の使用可能領域に示す通り、エンジン150の回転数に
応じて走行可能な車速の範囲が制限されている。かかる
制限は、プラネタリギヤ120の各ギヤの回転数につい
ての機械的な制限に基づくものである。例えば、エンジ
ン150が停止している状態で車両が走行している場
合、プラネタリギヤでは、ギヤ比ρは1よりも小さいか
ら、サンギヤ121はリングギヤ122の回転数よりも
高い回転数で回転する。リングギヤ122の回転数がさ
らに大きくなると、場合によってはサンギヤ121の回
転数が機械的な限界を超える可能性もある。同じ車速で
走行している場合であっても、エンジン150が回転し
ている場合には、サンギヤ121の回転数はそれに応じ
て低くなる。本実施例のハイブリッド車両では、かかる
制限に基づき、エンジン150から動力を出力する必要
がない場合であっても、いわゆるアイドル状態でエンジ
ン150を運転することがある。
【0053】(3)トルク制御処理:次に、本実施例に
おけるトルク制御処理について説明する。トルク制御処
理とは、エンジン150およびモータMG1、MG2を
制御して、要求されたトルクおよび回転数からなる動力
を車軸112から出力する処理をいう。本実施例におけ
るトルク制御処理のフローチャートを図3に示す。この
ルーチンは制御ユニット190内のCPU(以下、単に
CPUという)によって、タイマ割り込みにより所定時
間毎に繰り返し実行される。
【0054】トルク制御ルーチンが開始されると、CP
Uは最初に走行状態判定処理を実行する(ステップS1
0)。先に説明した通り、本実施例のハイブリッド車両
は、内燃機関、モータMG1,MG2を種々の状態で運
転して、走行することができる。三者の運転状態は、ハ
イブリッド車両の走行状態に応じて使い分けられる。か
かる使い分けをするために、CPUはトルク制御ルーチ
ンが開始されると、車両の走行状態を判定するのであ
る。
【0055】図4に走行状態判定処理ルーチンのフロー
チャートを示す。この処理では、CPUは、まずシフト
ポジションを入力する(ステップS15)。シフトポジ
ションは図1に示したシフトポジションセンサ167で
検出することができる。本実施例では、シフトポジショ
ンとして、駐車時に使用するPレンジ、前進走行時に使
用するDレンジ、Bレンジ、後進時に使用するRレン
ジ、およびニュートラルが用意されている。同時にCP
Uは車速および前輪回転数Nf、後輪回転数Nrを入力
する(ステップS20,S25)。
【0056】次に、CPUは以下の手順で車両の走行状
態を判断する。まず、シフトポジションがPレンジであ
るか否かを判定する(ステップS30)。また、車速が
所定の速度V1よりも小さいか否かを判定する(ステッ
プS35)。これらの条件のうち一方を満たしていれ
ば、停車中であると判定する(ステップS40)。判定
結果は走行状態を示す所定のフラグに停車中を意味する
コードを入力することにより記憶される。
【0057】所定の速度V1は車両が停車していると見
て差し支えない程度の微速に予め設定されている。シフ
トポジションのみならず、車速をも用いて停車中である
か否かを判定することにより、Dレンジ、Bレンジなど
のシフトポジションでブレーキを踏んで停車している場
合も含めて適切に停車中か否かの判定を行うことができ
る。
【0058】ステップS30およびS35の双方の条件
を満たさない場合には、次に、前輪回転数Nfと後輪回
転数Nrの差の絶対値が所定の値N1よりも大きいか否
かを判定する(ステップS45)。上記絶対値が所定の
値N1よりも大きい場合には、いずれかの車輪がスリッ
プしているものと判定する(ステップS50)。判定結
果は上述のフラグに記憶される。所定の値N1は、この
ようにスリップが生じているか否かの判定基準となる値
である。例えば、通常の走行時に生じ得る前後輪の回転
数差の最大値を値N1とすることができる。
【0059】次に、CPUはシフトポジションがRレン
ジであるか否かを判定する(ステップS55)。Rレン
ジであれば、後進中であると判定し(ステップS6
0)、そうでなければ前進中であると判定する(ステッ
プS65)。判定結果は上述のフラグに記憶される。以
上の処理によって車両の走行状態を特定すると、CPU
は走行状態判定処理ルーチンを終了し、トルク制御ルー
チンに戻る。
【0060】なお、実際には、走行状態判定処理ルーチ
ンでは、他にも種々の走行状態を判定している。例え
ば、内燃機関を運転せずに走行するEV走行、内燃機関
を始動するモードでの走行などの判定も行っている。こ
れらの判定は、車速やバッテリ194の充電状態など種
々の条件に基づいて判定される。かかる判定処理の詳細
な説明は省略する。
【0061】走行状態が判定されると、CPUは車軸1
12の目標回転数Nd*、目標トルクTd*を設定する
(ステップS100)。目標回転数Nd*およびトルク
Td*は、現在の車速やアクセルの踏み込み量などに応
じて設定される。こうして設定された目標回転数Nd*
およびトルクTd*に基づいて、CPUはエンジン15
0の要求動力Pe*を設定する(ステップS110)。
エンジン150の要求動力Pe*は、車両の走行状態に
応じて異なる。走行状態は、走行状態判定処理で設定さ
れたフラグに記憶されたコードによって検出することが
できる。車両が停車中やEV走行中の場合は、車軸11
2の目標回転数Nd*およびトルクTd*に関わらずエ
ンジン150の要求動力Pe*は基本的には値0とな
る。但し、かかる場合であってもバッテリ194を充電
する必要が生じた場合には、エンジン150の要求動力
Pe*として充電に要する動力が設定される。
【0062】ハイブリッド車両が通常走行している場合
には、エンジン150の要求動力Pe*は、車軸112
の目標回転数Nd*、トルクTd*の積で求められる走
行動力と、バッテリ194から充放電される電力と、補
機の駆動に要する電力との総和により求められる。例え
ば、バッテリ194から余剰の電力を放電する必要があ
る場合には、エンジン150への要求動力Pe*をその
分減少させることができる。また、エアコンなどの補機
を動作させる場合には、走行動力の他に補機用の電力に
相当する動力をエンジン150から余分に出力する必要
がある。
【0063】こうしてエンジン150への要求動力Pe
*が設定されるとCPUはエンジン150の運転ポイン
ト、即ち目標回転数Ne*、目標トルクTe*を設定す
る(ステップS120)。エンジン150の運転ポイン
トは、基本的には運転効率が最もよくなる運転ポイント
をマップから選択することにより設定される。
【0064】図5にエンジン150の運転ポイントと運
転効率の関係を示す。図中の曲線Bは、エンジン150
が運転可能な回転数およびトルクの限界値を示してい
る。図5においてα1%、α2%等で示される曲線は、
それぞれエンジン150の効率が一定となる等効率線で
あり、α1%、α2%の順に効率が低くなっていくこと
を示している。図5に示す通り、エンジン150は比較
的限定された運転ポイントで効率が高く、その周囲の運
転ポイントでは徐々に効率が低下していく。
【0065】図5中、C1−C1、C2−C2、および
C3−C3で示されている曲線は、エンジン150から
出力される動力が一定の曲線であり、エンジン150の
運転ポイントは要求動力に応じてこれらの曲線上で選択
することになる。C1−C1、C2−C2、C3−C3
の順に要求動力が低い状態を示している。例えば、エン
ジン150への要求動力Pe*が曲線C1−C1で表さ
れる動力に相当する場合、エンジン150の運転ポイン
トは、曲線C1−C1上で運転効率が最も高くなるA1
点に設定される。同様にC2−C2曲線上ではA2点
に、C3−C3曲線上ではA3点で運転ポイントを選択
する。曲線C1−C1,C2−C2,C3−C3上にお
ける、エンジン150の回転数と運転効率の関係を図6
に示す。なお、図6中の曲線は、説明の便宜上、図5中
の3本を例示しているが、要求出力に応じて無数に引く
ことができる曲線であり、エンジン150の運転ポイン
トA1点等も無数に選択することができるものである。
このようにエンジン150の運転効率の高い点をつなぐ
ことにより描いた曲線が図5中の曲線Aであり、これを
動作曲線と呼ぶ。
【0066】エンジン150の要求動力Pe*が値0で
ある場合、エンジン150は停止またはアイドル走行状
態となる。例えばハイブリッド車両がモータMG2から
の動力のみで走行する場合や、降坂時などがかかる走行
状態に該当する。エンジン150が停止するかアイドル
運転となるかについては、種々の条件に基づいて設定さ
れる。先に図2で説明した制限に基づき、比較的高い車
速では、エンジン150をアイドル運転する。また、エ
ンジン150の暖機が必要と判断された場合などもアイ
ドル運転をする。
【0067】以上の処理により設定されたエンジン15
0の運転ポイントに基づいて、CPUはモータMG1の
目標回転数N1*,トルクT1*を設定する(ステップ
S130)。エンジン150、即ちプラネタリキャリア
軸127の目標回転数N1*と、車軸112つまりリン
グギヤ軸126の目標回転数Nd*が設定されているた
め、上式(1)によって、サンギヤ軸125つまりモー
タMG1の目標回転数N1*を設定することができる。
【0068】モータMG1の目標トルクT1*の設定
は、ハイブリッド車両の走行状態に応じて異なる。ハイ
ブリッド車両が停車中である場合やEV走行している場
合には、モータMG1の目標トルクT1*は値0とな
る。エンジン始動時、つまりモータMG1でエンジン1
50をモータリングするとき、エンジン150の回転数
が自立運転に適した所定の回転数に達するまでは、モー
タMG1の目標トルクT1*は開ループ制御によって予
め定められた値に設定される。
【0069】エンジン150が自立運転している状態で
は、モータMG1の目標トルクT1*は基本的にはいわ
ゆる比例積分制御によって設定される。モータMG1の
現在の回転数と、上述の目標回転数N1*との偏差に基
づいて目標トルクT1*を設定するのである。現在の回
転数が目標回転数N1*よりも低い場合には目標トルク
T1*は正のトルクとなるし、逆の場合には負のトルク
となる。トルクT1*を設定する際に用いられるゲイン
は、実験などにより設定可能である。
【0070】CPUは以上の処理で設定されたエンジン
150の運転ポイントおよびモータMG1の運転ポイン
トに基づいてモータMG2の運転ポイント、つまり目標
回転数N2*、目標トルクT2*を設定する(ステップ
S200)。モータMG2の目標回転数N2*はリング
ギヤ軸126の目標回転数Nd*と等しい。
【0071】目標トルクT2*は車軸112への目標ト
ルクTd*およびモータMG1からの反力トルクなどに
基づいて、MG2目標トルク設定処理ルーチンにより設
定される。この設定処理ルーチンのフローチャートを図
7に示した。この処理では、CPUは車軸の目標トルク
Td*を入力する(ステップS205)。次に、MG1
の反力トルクとしてリングギヤ軸126に出力されるト
ルクstepを求める(ステップS210)。エンジン
150が運転している場合、トルクstepはエンジン
150からリングギヤ軸126に出力されるトルクと言
い換えることもできる。トルクstepは、先に示した
式(1)に、エンジン150のトルクまたはモータMG
1の出力トルクを代入した時のリングギヤ122のトル
クTrに等しい。
【0072】次に、CPUはこれらのトルクTd*、s
tepの差分、つまり「Td*−step」によっって
モータMG2の仮目標トルクTmを設定する(ステップ
S215)。こうして設定された仮目標トルクTmは、
車軸112から目標トルクTd*を出力するためにモー
タMG2が出力すべきトルクに等しい。
【0073】本実施例では、後述する通り、車両の走行
状態に応じてなまし処理を施してモータMG2の目標ト
ルクT2*を決定している。なまし処理とは、適切な応
答性が得られるように、目標トルクT2*の変化率を抑
制する処理をいう。なまし処理による変化率の抑制の程
度は「なましパラメータ」によって決まる。CPUは車
両の走行状態に応じて、このなましパラメータPを設定
する(ステップS220)。本実施例で使用したなまし
パラメータを図8に示す。図示する通り、車両の走行状
態に応じてなましパラメータが定まる。なましパラメー
タは後進時に最大値8となる。停車時、スリップ時は最
も小さい値1となる。なましパラメータが値1である場
合は、なまし処理を施さないのと等価である。通常走行
時は、両者の中間の値3となる。なましパラメータが大
きくなるほど、モータMG2の目標トルクの変化率が抑
制されることを意味している。
【0074】こうして車両の走行状態に応じてなましパ
ラメータPが設定されると、CPUは仮目標トルクTm
になまし処理を施してモータMG2の目標トルクT2*
を設定する。具体的には、次式を演算することにより目
標トルクT2*を設定する(ステップS225)。 T2* = (P−1)Tmo/P+Tm/P ここで、Tmoは前回にこのルーチンが実行された時に
設定された目標トルクT2*の値である。本実施例で
は、仮目標トルクTmが前回の目標トルクTmoからの
変化率を抑制することでなまし処理を施している。な
お、なましパラメータは、ハイブリッド車両の乗り心地
などに応じて実験などにより設定することができる。
【0075】CPUはこうして設定された目標トルクT
2*が、モータMG2が出力可能な最大トルクTmax
よりも大きいか否かを判定する(ステップS230)。
最大トルクTmaxを超える場合には目標トルクT2*
を最大トルクTmaxに補正する(ステップS23
5)。最大トルクTmax以下である場合には、次に目
標トルクT2*がモータMG2が出力可能な最小トルク
Tminよりも小さいか否かを判定する(ステップS2
40)。最小トルクTminをよりも小さい場合には目
標トルクT2*を最小トルクTminに補正する(ステ
ップS245)。ここで、最大トルクTmaxは、モー
タMG2が電動機として作用する場合に許容される正の
限界トルクであり、モータMG2の定格、バッテリ19
4の充電状態、モータMG2の温度に応じて設定される
値である。最小トルクTminはモータMG2が発電機
として作用する場合に許容される負の限界トルクであ
り、最大トルクTmaxと同様、モータMG2の定格、
バッテリ194の充電状態、モータMG2の温度に応じ
て設定される。CPUはステップS230〜S245の
処理によって、モータMG2の出力トルクがこれらの限
界トルクを超えないよう、上下限処理を施しているので
ある。
【0076】こうして設定された運転ポイントに従っ
て、CPUはモータMG1,MG2およびエンジン15
0の運転を制御する(ステップS300)。モータMG
1,MG2の制御は設定された目標回転数と目標トルク
とに応じて各モータの三相コイル131,141に印加
する電圧が設定され、現時点での印加電圧との偏差に応
じて、駆動回路191,192のトランジスタのスイッ
チングを行うのである。同期モータを制御する方法につ
いては、周知であるため、ここでは詳細な説明を省略す
る。
【0077】エンジン150についても、設定された運
転ポイントで運転するための制御処理は周知であるた
め、ここでは説明を省略する。但し、実際にエンジン1
50の制御を行うのはEFIECU170である。従っ
て、トルク制御ルーチンでのステップS700における
処理では、制御ユニット190からEFIECU170
にエンジン150の運転ポイント等の必要な情報を送信
する処理が行われる。かかる情報を送信することにより
制御ユニット190のCPUは間接的にエンジン150
の運転を制御する。以上の処理によって本実施例のハイ
ブリッド車両は、走行状態に応じて適切な動力を車軸1
12から出力して走行することができる。
【0078】以上で説明した本実施例のハイブリッド車
両によれば、車両の走行状態に応じてなましパラメータ
を変えることによって、異なる応答性でモータMG2を
制御することができる。この結果、各走行状態に応じ
て、モータMG2の制御に起因して生じる車両の振動を
抑制することができる。
【0079】停車中の制御を例にとって説明する。停車
中は乗員が車両の振動を敏感に感じやすい。停車中にエ
ンジン150の運転が停止している場合、およびエンジ
ン150がアイドル回転数で定常的に運転している場合
には、リングギヤ122に出力されるトルクが一定であ
るため、車両の振動を生じにくい。停車中にモータMG
1を力行してエンジン150をモータリングする際に
は、先に示した式(1)に従ってモータMG1の反トル
クがリングギヤ122に出力される。この反トルクを相
殺するトルクをモータMG2から出力しなければ、車軸
112にトルクが出力され、車両の振動を引き起こす。
【0080】モータMG2の応答性が比較的低く、上記
反トルクを十分相殺できない場合のトルクの変化の様子
を図9に示す。図示する通り、最初エンジン150が停
止しており、時刻t1にモータMG1でトルクを出力し
てエンジン150のモータリングが開始された場合を考
える。モータリングが開始されるとモータMG1のトル
クはモータリングに必要な値Tsまで所定の傾斜で増加
する。この傾斜は予め設定された傾斜である。モータM
G1の出力するトルクは、サンギヤ121からプラネタ
リキャリア124、およびエンジン150のクランクシ
ャフト156に伝達される。エンジン150はこのトル
クによって図示する通り回転数が増す。
【0081】一方、モータMG1から出力されたトルク
の一部はリングギヤ122に伝達される。停車中は車軸
112に要求されるトルクTd*は値0であるから、モ
ータMG2はリングギヤ122に伝達されたトルクを相
殺するトルクを出力する。モータMG1からのトルクを
相殺するためには、モータMG1のトルク変動に追随で
きる応答性でモータMG2を制御する必要がある。モー
タMG2の応答性が低い場合には、モータMG1からの
トルクを十分に相殺することができず、図9のT01で
示す通り、車軸にトルクが出力される。モータMG1か
らエンジン150を正転させるトルクが出力されている
場合、本実施例のハイブリッド車両では、車両を後進さ
せる側のトルクがリングギヤ122を介して出力され
る。モータMG1のトルクがモータリング時の目標トル
クTsで一定値になれば、応答性が低くてもモータMG
2で反力を十分に相殺することができるため、車軸11
2に出力されるトルクは値0となる。
【0082】時刻t2においてエンジン150の回転数
が点火に対応した回転数rsに至ると、モータMG1は
一定のトルクTsを出力するのを中断し、エンジン15
0の回転数を維持するためのトルクを出力する。かかる
トルクは例えばエンジン150の回転数に基づく比例制
御によって設定することができる。エンジン150は点
火されて自立運転を開始するから、図示する通り、モー
タMG1のトルクは急激に低下することにより、モータ
MG1からリングギヤ122に出力されていたトルクが
急激に低下する。
【0083】モータMG2の応答性が低い場合には、モ
ータMG1からリングギヤ122に出力されていたトル
クが低下しても、しばらくの間モータMG2は比較的大
きな前進側のトルクを出力し続ける。モータMG1から
トルクTsが出力されていた区間において、その反トル
クを相殺するために出力していたトルクを継続して出力
する。かかる状態では、前進側のトルクが過剰となるた
め、図9中のT02に示す通り、車軸112からは前輪
側のトルクが出力される。モータMG1のトルクの変動
周期が比較的長くなると、モータMG2は十分にその反
トルクを相殺可能となる。
【0084】このようにモータMG2の応答性が低い場
合には、エンジン150の始動を開始する時点で車軸1
12に運転者が意図しないトルクが出力される。このト
ルクは図9に示す通り、後進および前進の双方向に出力
され、車両を振動させる。この振動は、モータMG1の
トルク変化に対してモータMG2から出力されるトルク
が十分に追随できないことが原因である。モータMG2
の応答性を十分に高くすれば、図9に示したトルクの出
力を抑制することができる。本実施例では、かかる観点
から、図8に示した通り、停車中はなましパラメータを
最も応答性が高い状態に設定している。従って、停車中
にエンジン150の始動が行われた場合でもその反トル
クを十分に相殺することができ、車両の振動を抑制する
ことができる。
【0085】同様にして本実施例は他の走行状態でも、
モータMG2の応答性をそれぞれ適切な値に設定してい
る。例えば、通常走行中は図8に示す通り、モータMG
2の応答性を若干低くしてある。通常の走行中において
も、エンジン150およびモータMG1からリングギヤ
122に出力されるトルクを速やかに補償して車軸11
2から出力するという観点からは、モータMG2の応答
性は高い方が望ましい。ところが、通常走行中には運転
者がアクセルを操作する。定常的に走行しようとする場
合であっても、アクセルの踏み込み量は微妙に変動する
のが通常である。モータMG2の応答性を停車中と同様
に高い状態に設定しておくと、かかる微妙な変動に応じ
て車軸112から出力されるトルクが変動して、車両の
振動を招く。本実施例では、通常走行中はモータMG2
の応答性をやや低めに設定することにより、かかる振動
を抑制することができる。
【0086】本実施例のハイブリッド車両では、後進時
にはモータMG2の応答性を更に低くしている。後進時
であってもエンジン150は前進時と同方向に回転し、
前進方向のトルクを出力する。モータMG1によって、
サンギヤ121の回転数をプラネタリキャリア124の
回転数よりも高くすれば、リングギヤ122は後進方向
に回転する。モータMG2からは後進方向のトルクを出
力する。後進時は、このようにエンジン150の出力す
るトルクとモータMG2が出力するトルクの方向が相違
しているため、エンジン150、モータMG1,MG2
からの動力のバランスが崩れると、車両の振動が生じや
すい状態にある。本実施例のハイブリッド車両では、後
進時には前進時よりもモータMG2の応答性を低く設定
しているため、モータMG2の運転状態が比較的緩やか
に変化する。従って、後進時に上記三者の動力のバラン
スが崩れにくくなり、車両の振動を抑制することができ
る。
【0087】本実施例のハイブリッド車両によれば、ス
リップ時にはモータMG2の応答性を高くしている。ス
リップ時には車軸112の回転数が急激に増す。本実施
例のハイブリッド車両では、図2に示した通り、車速、
つまりリングギヤ122の回転数とエンジン150の回
転数との間に一定の制限が設けられている。かかる制限
を外れた場合には、先に説明した通り、サンギヤ121
の回転数が高くなり過ぎて、看過し得ない程、消耗する
可能性がある。スリップは車両にとって好ましい走行状
態ではないという理由とともに、車両の寿命を著しく縮
める可能性を回避するためにも速やかに回復する必要が
ある。スリップ状態から回復するためには、車軸から出
力されるトルクをスリップが生じない程度に低減させる
ことが必要である。本実施例のハイブリッド車両では、
スリップ時にはモータMG2の応答性を高く設定してい
る。従って、車軸112に出力される動力を速やかに低
下させることができ、スリップ状態から短期間で回復す
ることができる。
【0088】以上に示した通り、本実施例のハイブリッ
ド車両によれば、それぞれの走行状態に応じてモータM
G2の応答性を変えることにより、各走行状態ごとに適
切なトルク制御を実現することができる。この結果、本
実施例のハイブリッド車両によれば、車両の操作性およ
び乗り心地を大きく向上することができる。
【0089】なお、上記ハイブリッド車両では、図8に
示した4つの走行状態に応じてモータMG2の応答性を
変えている。これに対して、さらに多くの走行状態に対
応して応答性を変えるものとしてもよい。例えば、通常
走行中であってもエンジン150の始動時にはモータM
G2の応答性を高めるものとしてもよい。また、通常走
行時、および後進時において、エンジン150が運転し
ているか否かに応じて応答性を変えるものとしてもよ
い。
【0090】上記ハイブリッド車両では、図7に示した
通り、モータMG2の仮目標トルクTmを一旦設定した
後、なまし処理を施すことによって制御に供する目標ト
ルクT2*を設定している。モータMG2の応答性を変
えるための処理は、必ずしもなまし処理に依る必要はな
い。また、仮目標トルクを設定した後、応答性に応じた
修正を施すという2段階で目標トルクT2*を設定する
必要もない。例えば、図7のステップS215の算出式
において、走行状態に応じた比例係数を乗じることによ
り、1段階で走行状態に応じた目標トルクT2*を設定
するものとしてもよい。
【0091】上述のトルク制御ルーチンでは、エンジン
150およびモータMG1の運転状態を設定した後、車
軸112に要求トルクが出力されるように、モータMG
2で補償している。これに対し、エンジン150および
モータMG2の運転状態を設定した後、モータMG1で
トルクの補償をするように制御ルーチンを構成すること
も可能である。かかる構成においては、モータMG2の
応答性に代えて、モータMG1の応答性を車両の走行状
態に応じて変更することもできる。
【0092】(4)第2実施例:次に、本発明の第2実
施例としてのハイブリッド車両について説明する。第2
実施例のハイブリッド車両のハードウェア構成は、第1
実施例と同様である。トルク制御ルーチンおよび走行状
態判定処理ルーチンも第1実施例と同様である。第2実
施例では、MG2目標トルク設定処理ルーチンの内容が
第1実施例と相違する。
【0093】第2実施例におけるMG2目標トルク設定
処理ルーチンのフローチャートを図10に示す。この処
理が開始されると、CPUはまず車軸目標トルクTd*
を入力し(ステップS505)、MG1,エンジンから
の反力トルクstepを算出する(ステップS51
0)。これらの処理内容は、第1実施例と同様である
(図7のステップS205,S210参照)。
【0094】次に、CPUはなまし処理を禁止すべきか
否かを判定する(ステップS515)。この処理は、ハ
イブリッド車両の走行状態に基づいて行われる。第1実
施例で説明した通り、走行状態判定処理ルーチンにより
ハイブリッド車両の走行状態が判定され、その結果は所
定のフラグに記憶されている。CPUはこのフラグによ
り特定される走行状態が、なまし処理を施すことを禁止
すべき走行状態であるか否かを判定する。なまし処理を
禁止すべき走行状態は、予め定められており、制御ユニ
ット190内のROMに記憶されている。本実施例で
は、図8に示した走行状態のうち、停車中およびスリッ
プをなまし処理が禁止すべき走行状態に相当する。
【0095】なまし処理を禁止すべき状態に該当しない
場合には、CPUは仮目標トルクTmを設定し(ステッ
プS525)、なましパラメータPを設定した上で(ス
テップS530)、なまし処理を行ってMG2の目標ト
ルクT2*を設定する(ステップS535)。これらの
処理は、第1実施例における処理と同様である(図7の
ステップS215〜S225参照)。
【0096】なまし処理を禁止すべき状態に該当する場
合には、CPUは車軸の目標トルクTd*と反力トルク
stepの差分「Td*−step」により、MG2の
目標トルクT2*を設定する。これは、上記仮目標トル
クTmに相当する。つまり、反力トルクstepを補償
して要求トルクTd*を車軸から出力するために、MG
2が出力すべきトルク値である。なまし処理を禁止すべ
き状態に該当する場合には、かかるトルクを直接MG2
の目標値とするのである。
【0097】こうして設定された目標トルクT2*に対
して、第1実施例と同様の上下限処理を施す(ステップ
S540〜S555)。以上の処理によってMG2の目
標トルクT2*が決定されるとCPUはMG2目標トル
ク設定処理ルーチンを終了してトルク制御ルーチンに戻
る。以下の処理は第1実施例と同様である。
【0098】第2実施例のハイブリッド車両によれば、
例えば通常走行時などでは、なまし処理を施すことによ
り、第1実施例と同様、滑らかな運転を実現することが
できる。一方、停車中やスリップなどの走行状態では、
なまし処理を禁止することにより、車軸に出力されるト
ルクを高い応答性で制御することができる。
【0099】本発明を適用するハイブリッド車両の構成
としては、図1に示した構成の他、種々の構成が可能で
ある。図1では、モータMG2がリングギヤ軸126に
結合されているが、モータMG2がエンジン150のク
ランクシャフト156に結合された構成をとることもで
きる。第1の変形例としての構成を図11に示す。図1
1では、エンジン150,モータMG1,MG2のプラ
ネタリギヤ120に対する結合状態が図1の実施例と相
違する。プラネタリギヤ120のサンギヤ121にモー
タMG1が結合され、プラネタリキャリアにエンジン1
50のクランクシャフトが結合されている点では図1と
同じである。図11では、モータMG2がリングギヤで
はなくエンジン150のクランクシャフトに直接結合さ
れている点で図1の実施例と相違する。
【0100】かかる構成においても、エンジン150お
よびモータMG1の運転状態に応じて、要求動力が車軸
112から出力されるようにモータMG2で補償するこ
とができるため、本発明を適用することができる。もち
ろん、逆にモータMG1で補償することも可能である。
従って、モータMG1の応答性を走行状態に応じて変え
る態様で本発明を適用することもできる。
【0101】また、本発明は別の構成のハイブリッド車
両に適用することもできる。第2の変形例としての構成
を図12に示す。このハイブリッド車両では、プラネタ
リギヤ120およびモータMG1に代えて、クラッチモ
ータCMを備える。クラッチモータとは、相対的に回転
可能なインナロータ202およびアウタロータ204を
備える対ロータ電動機である。図12に示す通り、イン
ナロータ202はエンジン150のクランクシャフト1
56に結合され、アウタロータ204は車軸112に結
合されている。アウタロータ204には、スリップリン
グ206を介して電力が供給される。アウタロータ20
4側の軸にはモータMG2も結合されている。その他の
構成は、図1で示したハイブリッド車両と同様である。
【0102】エンジン150から出力された動力は、ク
ラッチモータCMを介して車軸112に伝達することが
できる。クラッチモータCMは、インナロータ202と
アウタロータ204との間に電磁的な結合を介して動力
を伝達する。この際、アウタロータ204の回転数がイ
ンナロータ202の回転数よりも低ければ、両者の滑り
に応じた電力をクラッチモータCMで回生することがで
きる。逆に、クラッチモータCMに電力を供給すれば、
インナロータ202の回転数を増速して車軸112に出
力することができる。エンジン150からクラッチモー
タCMを介して出力されたトルクが車軸112から出力
すべき要求トルクと一致しない場合には、モータMG2
で補償することができる。また、クラッチモータを力行
すれば、エンジン150をモータリングして始動するこ
とができる。モータリング時の反トルクはモータMG2
で相殺することができる。
【0103】モータMG2の役割は、本実施例のハイブ
リッド車両(図1)と同様である。従って、第2の変形
例のハイブリッド車両においても、本発明を適用するこ
とができる。
【0104】さらに、本実施例のハイブリッド車両では
エンジン150,モータMG1,MG2から構成される
動力系統が前車軸112に備えられている構成とした。
これに対し、モータMG2を後車軸に結合した構成を採
用するものとしてもよい。かかる構成例を図13に示
す。図示する通り、モータMG2が前車軸112ではな
く、後車軸112Rに結合される。かかる構成のハイブ
リッド車両では、前車軸112から出力される動力に対
して、前車軸112および後車軸112Rの両者から出
力される動力が要求動力に一致するようにモータMG2
で補償することができる。従って、本発明をモータMG
2の制御に適用することができる。もちろん、かかる構
成において、上記補償をモータMG1で行うものとすれ
ば、モータMG1に本発明を適用することもできる。
【0105】以上、本発明の実施の形態について説明し
たが、本発明はこうした実施の形態に何等限定されるも
のではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内におい
て、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。例え
ば、上記実施例では、ソフトウェアにより種々の制御を
実行しているが、これらをハードウェアによって実現す
るものとしても構わない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例としてのハイブリッド車両の概
略構成を示す構成図である。
【図2】車速とエンジン回転数の制限を説明する説明図
である。
【図3】トルク制御ルーチンのフローチャートである。
【図4】走行状態判定処理ルーチンのフローチャートで
ある。
【図5】エンジンの運転ポイントと運転効率との関係を
示すグラフである。
【図6】要求動力一定の場合の、エンジン回転数と運転
効率との関係を示すグラフである。
【図7】MG2目標トルク設定処理ルーチンのフローチ
ャートである。
【図8】なましパラメータの設定を示す説明図である。
【図9】エンジン始動時の回転数およびトルクの変動を
示す説明図である。
【図10】第2実施例としてのMG2目標トルク設定処
理ルーチンのフローチャートである。
【図11】本実施例のハイブリッド車両の第1の変形構
成例を示す説明図である。
【図12】本実施例のハイブリッド車両の第2の変形構
成例を示す説明図である。
【図13】本実施例のハイブリッド車両の第3の変形構
成例を示す説明図である。
【符号の説明】
112,112R…車軸 116R,116L…車輪 117R,117L…車輪 119…ケース 120…プラネタリギヤ 121…サンギヤ 121…ρ=サンギヤ 122…リングギヤ 123…プラネタリピニオンギヤ 124…プラネタリキャリア 125…サンギヤ軸 126…リングギヤ軸 127…プラネタリキャリア軸 129…チェーンベルト 130…ダンパ 131…三相コイル 132…ロータ 133…ステータ 141…三相コイル 142…ロータ 143…ステータ 144…センサ 149…バッテリ 150…エンジン 156…クランクシャフト 165…アクセルペダルポジションセンサ 167…シフトポジションセンサ 190…制御ユニット 191,192…駆動回路 194…バッテリ 202…インナロータ 204…アウタロータ 206…スリップリング MG1,MG2,MG3…モータ CM…クラッチモータ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 柴田 康行 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 菅原 義雄 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 (72)発明者 池上 隆幸 愛知県豊田市トヨタ町1番地 トヨタ自動 車株式会社内 Fターム(参考) 3D041 AA00 AA01 AA48 AA66 AB00 AC23 AC30 AD02 AD10 AD31 AD42 AD50 AD51 AE02 AE03 AF00 AF01 3G093 AA07 BA00 BA15 CA01 CA04 DA01 DA12 DB03 DB04 DB11 DB12 DB17 DB19 EA02 EA03 EB09 EC01 FA07 FA10 FB00 5H115 PA01 PC06 PG04 PI16 PI29 PO02 PO17 PU10 PU22 PU24 PU25 PV09 QE03 QI04 QN03 QN22 QN23 RE02 RE03 RE12 RE13 SE07 SE09 TI02 TO05 TO21 TO30 5H570 AA21 BB11 BB20 CC04 DD04 EE03 FF01 FF03 FF04 FF08 GG04 HB07 JJ03 JJ17 JJ24 KK06 KK08 LL40 PP01 PP02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内燃機関と、該内燃機関の出力軸および
    車軸の双方に結合され双方の軸で入出力される動力を電
    力のやりとりによって調整可能な動力調整装置と、車軸
    に機械的に結合された電動発電機とを有し、少なくとも
    該内燃機関から出力された動力を変換して前記車軸から
    出力して走行可能なハイブリッド車両であって、 前記電動発電機の目標トルクを設定する目標トルク設定
    手段と、 前記ハイブリッド車両の走行状態を特定する特定手段
    と、 前記目標トルクを修正して前記走行状態に応じて予め定
    められた応答性を達成する目標トルク修正手段と、 前記電動発電機の運転を制御して、該設定された目標ト
    ルクを出力する電動発電機制御手段とを備えるハイブリ
    ッド車両。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 前記目標トルク設定手段は、前記車軸から出力すべき要
    求トルクに対して、前記内燃機関および動力調整装置に
    よって前記車軸に出力されるトルクが過不足するトルク
    を補償する値を目標トルクとして設定する手段であり、 前記目標トルク修正手段は、前記走行状態ごとに定めら
    れたなまし処理を施して前記目標トルクを設定する手段
    であるハイブリッド車両。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 前記特定手段は、該ハイブリッド車両の走行状態とし
    て、停車中であるか否かを特定する手段であり、 前記目標トルク修正手段における応答性は、該ハイブリ
    ッド車両が停車中の方が走行中よりも高く定められてい
    るハイブリッド車両。
  4. 【請求項4】 前記特定手段は、車速に基づいて車両が
    停止しているか否かを特定する請求項3記載のハイブリ
    ッド車両。
  5. 【請求項5】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 さらに、前記内燃機関の始動の指示を入力する手段を備
    え、 前記目標トルク設定手段は、該指示が入力されたときに
    前記動力調整装置で前記内燃機関をモータリングする際
    に前記車軸に出力されるトルクを相殺可能なトルクを、
    目標トルクとして設定する手段であり、 前記特定手段は、該ハイブリッド車両の走行状態が停車
    中かつ前記モータリングが行われている状態であるか否
    かを特定する手段であり、 前記目標トルク修正手段における応答性は、該ハイブリ
    ッド車両が停車中かつ該モータリングが行われていると
    きの方が、走行中よりも高く設定されているハイブリッ
    ド車両。
  6. 【請求項6】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 前記特定手段は、前記車軸に結合された車輪がスリップ
    した状態にあるか否かを特定する手段であり、 前記目標トルク修正手段における応答性は、該ハイブリ
    ッド車両の走行状態が前記スリップした状態にあるとき
    の方が、そうでないときよりも高く設定されているハイ
    ブリッド車両。
  7. 【請求項7】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 前記特定手段は、該ハイブリッド車両が前進走行中であ
    るか後進走行中であるかを特定する手段であり、 前記目標トルク修正手段における応答性は、該ハイブリ
    ッド車両が後進走行中であるときの方が、前進走行中よ
    りも低く設定されているハイブリッド車両。
  8. 【請求項8】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 前記電動発電機を第1の電動発電機とし、 前記動力調整装置は、3つの回転軸を有し、該回転軸の
    うち2つの回転軸が前記出力軸および車軸に結合された
    プラネタリギヤと、該プラネタリギヤの残余の回転軸に
    結合された第2の電動発電機からなる装置であるハイブ
    リッド車両。
  9. 【請求項9】 請求項1記載のハイブリッド車両であっ
    て、 前記動力出力装置は、前記出力軸に結合された第1のロ
    ータと、前記車軸に結合された第2のロータとからなる
    対ロータ電動機であるハイブリッド車両。
  10. 【請求項10】 前記動力調整装置が結合された車軸
    と、前記電動発電機が結合された車軸とは異なる車軸で
    あり、それぞれの車軸に結合された車輪から動力を出力
    することにより4輪駆動可能な請求項1記載のハイブリ
    ッド車両。
  11. 【請求項11】 内燃機関と、該内燃機関の出力軸およ
    び車軸の双方に結合され双方の軸で入出力される動力を
    電力のやりとりによって調整可能な動力調整装置と、車
    軸に機械的に結合された電動発電機とを有し、少なくと
    も該内燃機関から出力された動力を変換して前記車軸か
    ら出力して走行可能なハイブリッド車両であって、 前記電動発電機の目標トルクを設定する目標トルク設定
    手段と、 該目標トルクをなまし処理により修正するトルク修正手
    段と、 前記ハイブリッド車両の走行状態を特定する特定手段
    と、 前記ハイブリッド車両が予め定めた所定の走行状態にあ
    るときは、前記トルク修正手段による目標トルクの修正
    を禁止する禁止手段と、 前記電動発電機の運転を制御して、該設定された目標ト
    ルクを出力する電動発電機制御手段とを備えるハイブリ
    ッド車両。
  12. 【請求項12】 内燃機関と、該内燃機関の出力軸およ
    び車軸の双方に結合され双方の軸で入出力される動力を
    電力のやりとりによって調整可能な動力調整装置と、車
    軸に機械的に結合された電動発電機とを有し、該内燃機
    関から出力された動力を前記車軸から出力して走行可能
    なハイブリッド車両の制御方法であって、(a)前記電
    動発電機の目標トルクを設定する工程と、(b)前記ハ
    イブリッド車両の走行状態を特定する工程と、(c)前
    記走行状態に応じて予め定められた応答性を達成するよ
    うに前記目標トルクを修正する工程と、(d)前記電動
    発電機の運転を制御して、該設定された目標トルクを出
    力する工程とを備える制御方法。
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