JP2000078700A - オーディオ再生方法及びオーディオ信号処理装置 - Google Patents

オーディオ再生方法及びオーディオ信号処理装置

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JP2000078700A
JP2000078700A JP10243729A JP24372998A JP2000078700A JP 2000078700 A JP2000078700 A JP 2000078700A JP 10243729 A JP10243729 A JP 10243729A JP 24372998 A JP24372998 A JP 24372998A JP 2000078700 A JP2000078700 A JP 2000078700A
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隆 金井
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浩 増田
Masataka Yoritatsu
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 マルチチャンネルオーディオを再生する場合
の音場のシミュレーションが、より良好に行えるように
する。 【解決手段】 入力部に得られる少なくとも4チャンネ
ルのオーディオ信号に基づいて残響信号を生成する残響
処理部12と、入力部に得られるオーディオ信号の内の
少なくとも左リアチャンネルと右リアチャンネルの2チ
ャンネルのオーディオ信号に基づいて、それぞれのチャ
ンネルのオーディオ信号を出力する実スピーカ位置とは
異なる所定位置に音像がある仮想音像信号を生成する仮
想音像処理部13と、残響処理部12で生成された残響
信号を4チャンネルのオーディオ信号に付加すると共
に、仮想音像処理部13で生成された仮想音像信号を左
リアチャンネル及び右リアチャンネルのオーディオ信号
に混合して、それぞれのチャンネルのスピーカ用のオー
ディオ信号として出力する出力部14a,14b,15
とを備えた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、4チャンネル以上
のいわゆるマルチチャンネルオーディオ信号を処理する
オーディオ再生方法及びその再生方法が適用されるオー
ディオ信号処理装置に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、オーディオ信号源である再生装置
などを接続すると共に、その再生装置側から供給される
オーディオ信号に増幅などの処理を施して、処理された
オーディオ信号を接続されたスピーカ装置に供給して放
音させるアンプ装置として、AVアンプ装置(オーディ
オ・ビジュアル・センター・アンプリファイア装置を略
したもの)と称されるものがある。AVアンプ装置は、
例えば映像に同期したオーディオ信号(映像とは無関係
のオーディオ信号が入力する場合もある)の高度な処理
などが行える多機能化されたオーディオ機器であり、音
場や音質などを任意の状態に設定できるようにしてあ
る。
【0003】このAVアンプ装置は、入力されるオーデ
ィオ信号として、通常の2チャンネルのステレオオーデ
ィオ信号の他に、マルチチャンネルオーディオ信号と称
される5チャンネル程度のオーディオ信号が入力される
場合もある。例えば、DVD(デジタルビデオディスク
又はデジタルバーサティルディスク)と称されるディス
ク状の記録媒体などから再生したオーディオ信号とし
て、フロントの左チャンネルと、フロントの右チャンネ
ルと、センターチャンネルと、リアの左チャンネルと、
リアの右チャンネルと、低域専用チャンネルの合計6チ
ャンネルのマルチチャンネルオーディオ信号が入力され
る場合がある。
【0004】なお、このようなチャンネル構成の場合に
は、低域専用チャンネルを0.1チャンネルと見なし
て、残りの5チャンネルと合わせて5.1チャンネルと
称する場合がある。低域専用チャンネルは、例えば12
0Hz程度よりも低域のオーディオ信号だけが得られる
チャンネルで、スーパーウーファと称される低域音だけ
を再生するスピーカ装置に供給して放音させる。低域専
用チャンネル以外の他のチャンネルは、それぞれのチャ
ンネル用の配置されたスピーカ装置に供給して、例えば
聴取者の周囲に配置された複数のスピーカ装置で立体的
な音響空間を形成させる。
【0005】ここで、従来のAVアンプ装置、或いはA
Vアンプ装置と同様の機能を備えた処理装置(システム
ステレオ装置など)を使用して、マルチチャンネルオー
ディオ信号を再生する場合の再生状態の概要を図11に
示すと、入力端子としてセンタチャンネル用端子1C
と、フロントの左チャンネル用端子1Lと、フロントの
右チャンネル用端子1Rと、リアの左チャンネル用端子
1SLと、リアの右チャンネル用端子1SRとを備え
る。なお、ここでは低域専用チャンネルの処理について
は省略してある。また、以下の説明では、フロントの左
チャンネル及び右チャンネルについては、単に左チャン
ネル及び右チャンネルと称する。
【0006】そして、DVD再生装置,デジタル放送受
信装置などのオーディオ信号源(図示せず)から供給さ
れる5チャンネルのオーディオ信号を、各チャンネル用
の入力端子1C,1L,1R,1SL,1SRを介して
残響処理部2に供給する。この残響処理部2では、各チ
ャンネルのオーディオ信号に対して、予め設定された残
響付加状態に基づいて残響信号を生成させて、その残響
信号を付加する。そして、残響信号が付加された各チャ
ンネルのオーディオ信号を、アンプ部3に供給して、増
幅などの出力用の処理を行い、この装置に設けられたス
ピーカ端子(図示せず)を介して、所定のリスニングル
ーム4に配置されたセンタチャンネル用スピーカ5C,
左チャンネル用スピーカ5L,右チャンネル用スピーカ
5R,左リアチャンネル用スピーカ5SL,右リアチャ
ンネル用スピーカ5SRに各チャンネル用のオーディオ
信号を供給して、放音させる。
【0007】ここで、残響処理部2で生成して付加され
る残響信号としては、オーディオ信号が再生される任意
の空間での再生状態を再現するものであり、例えば残響
の大きいコンサートホールでの再生状態等の任意の場所
での再生状態を再現させることが可能である。具体的に
は、再現させる空間での間接音の再生状態に基づいた初
期反射音と主残響音とを(或いは初期反射音だけを)遅
延処理などで生成させて、残響信号として元のオーディ
オ信号に付加するものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】ところで、このような
従来の残響信号を付加する処理では、基本的に音が出力
される位置はスピーカが物理的に設置された位置だけで
あるので、残響によりある程度、任意の空間を再現する
ことはできるが、それぞれのチャンネルの音が出力され
る位置が、物理的にスピーカが設置された位置に限られ
るので、立体的な音響の再生状態として、各スピーカ間
の音のつながり状態が不自然なものになってしまう傾向
がある。特に、映画館でマルチチャンネルオーディオの
映画を視聴する場合のような、映画館の空間の広さがも
たらす音の量感が、家庭内での比較的狭い部屋の中で再
生させた場合には抜け落ちてしまい、再生音場の完全な
シミュレーションにはなってない問題がある。
【0009】本発明の目的は、マルチチャンネルオーデ
ィオを再生する場合の音場のシミュレーションが、より
良好に行えるようにすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】第1の発明のオーディオ
再生方法は、左チャンネル,右チャンネル,左リアチャ
ンネル,右リアチャンネルの4チャンネルのオーディオ
信号に基づいて、所定の残響信号を生成させ、生成され
た残響信号を各チャンネルのオーディオ信号に付加し
て、各チャンネル用のスピーカから放音させると共に、
4チャンネルのオーディオ信号の内の少なくとも左リア
チャンネルと右リアチャンネルの2チャンネルのオーデ
ィオ信号に基づいて、それぞれのチャンネルのオーディ
オ信号を出力する実スピーカ位置とは異なる所定位置に
音像がある仮想音像信号を生成させ、生成された仮想音
像信号を左リアチャンネル及び右リアチャンネルのオー
ディオ信号に混合し、それぞれのチャンネル用のスピー
カから放音させるようにしたものである。
【0011】このオーディオ再生方法によると、4チャ
ンネル配置の各スピーカから、残響信号が付加されたオ
ーディオ信号が放音されると共に、実スピーカ位置とは
異なる位置に音像がある仮想音像信号が、リアチャンネ
ルのスピーカから放音され、各チャンネルの実スピーカ
位置からの原音と残響音の再生と、仮想スピーカ位置か
らのリアチャンネルの音の再生とが行われる。
【0012】また、第2の発明のオーディオ再生方法
は、左チャンネル,右チャンネル,左リアチャンネル,
右リアチャンネルの4チャンネルのオーディオ信号に基
づいて、所定の残響信号を生成させ、生成された残響信
号を各チャンネルのオーディオ信号に付加すると共に、
この残響信号が付加された4チャンネルのオーディオ信
号の内の少なくとも左リアチャンネルと右リアチャンネ
ルの2チャンネルのオーディオ信号に基づいて、所定位
置に音像がある仮想音像信号を生成させ、生成された仮
想音像信号を、残響信号が付加された左チャンネル及び
右チャンネルのオーディオ信号に混合し、この混合され
た左チャンネル及び右チャンネルのオーディオ信号を、
それぞれのチャンネル用のスピーカから放音させるよう
にしたものである。
【0013】このオーディオ再生方法によると、フロン
トの左右2チャンネルの各スピーカから、残響信号が付
加された各チャンネル用のオーディオ信号が放音される
と共に、残響信号が付加されたリアチャンネルのオーデ
ィオ信号に基づいて生成された所定位置に音像がある仮
想音像信号が、このフロントの左右2チャンネルのスピ
ーカから放音され、フロントの2チャンネルのスピーカ
を使用して、原音と残響音の再生と、仮想スピーカ位置
からのリアチャンネルの原音と残響音の再生とが行われ
る。
【0014】また、第1の発明のオーディオ信号処理装
置は、入力部に得られる4チャンネルのオーディオ信号
に基づいて、所定の残響信号を生成する残響処理部と、
入力部に得られる4チャンネルのオーディオ信号の内の
少なくとも左リアチャンネルと右リアチャンネルの2チ
ャンネルのオーディオ信号に基づいて、それぞれのチャ
ンネルのオーディオ信号を出力する実スピーカ位置とは
異なる所定位置に音像がある仮想音像信号を生成する仮
想音像処理部と、残響処理部で生成された残響信号を4
チャンネルのオーディオ信号に付加すると共に、仮想音
像処理部で生成された仮想音像信号を左リアチャンネル
及び右リアチャンネルのオーディオ信号に混合して、そ
れぞれのチャンネルのスピーカ用のオーディオ信号とし
て出力する出力部とを備えたものである。
【0015】このオーディオ信号処理装置によると、出
力部に接続された4チャンネル配置の各スピーカから、
残響信号が付加されたオーディオ信号が放音されると共
に、実スピーカ位置とは異なる位置に音像がある仮想音
像信号が、リアチャンネルのスピーカから放音され、各
チャンネルの実スピーカ位置からの原音と残響音の再生
と、仮想スピーカ位置からのリアチャンネルの音の再生
とが可能になる。
【0016】また、第2の発明のオーディオ信号処理装
置は、入力部に得られる4チャンネルのオーディオ信号
に基づいて、所定の残響信号を生成し、各チャンネルの
オーディオ信号に残響信号を付加する残響処理部と、残
響処理部で残響信号が付加された4チャンネルのオーデ
ィオ信号の内の少なくとも左リアチャンネルと右リアチ
ャンネルの2チャンネルのオーディオ信号に基づいて、
所定位置に音像がある仮想音像信号を生成し、その生成
された仮想音像信号を、残響処理部で残響信号が付加さ
れた左チャンネルと右チャンネルのオーディオ信号に混
合する仮想音像処理部と、仮想音像処理部で仮想音像信
号が混合された左チャンネルと右チャンネルのオーディ
オ信号を、それぞれのチャンネルのスピーカ用のオーデ
ィオ信号として出力する出力部とを備えたものである。
【0017】このオーディオ信号処理装置によると、出
力部に接続されたフロントの左右2チャンネルの各スピ
ーカから、残響信号が付加された各チャンネル用のオー
ディオ信号が放音されると共に、残響信号が付加された
リアチャンネルのオーディオ信号に基づいて生成された
所定位置に音像がある仮想音像信号が、このフロントの
左右2チャンネルのスピーカから放音され、フロントの
2チャンネルのスピーカを使用して、原音と残響音の再
生と、仮想スピーカ位置からのリアチャンネルの原音と
残響音の再生とが可能になる。
【0018】
【発明の実施の形態】以下、本発明の第1の実施の形態
を、図1〜図3を参照して説明する。
【0019】本実施の形態においては、AVアンプ装置
と称される映像に同期したオーディオ信号(又は映像と
は無関係のオーディオ信号)の高度な処理が行えるアン
プ装置に適用したものである。まず、図1を参照して全
体構成について説明すると、ここではDVD再生装置な
どの音声信号源(図示せず)から、5.1チャンネル
(6チャンネル)のマルチチャンネルのオーディオ信号
が供給される。即ち、左チャンネルのオーディオ信号が
入力端子11Lに、右チャンネルのオーディオ信号が入
力端子11Rに、センターチャンネルのオーディオ信号
が入力端子11Cに、リア左チャンネルのオーディオ信
号が入力端子11SLに、リア右チャンネルのオーディ
オ信号が入力端子11SRに供給される。また、低域専
用チャンネルのオーディオ信号が図示しない入力端子に
供給される。ここでは低域専用チャンネルのオーディオ
信号の処理については省略してある。
【0020】各チャンネルの入力端子に得られるオーデ
ィオ信号は、残響処理部12に供給して、残響信号を付
加する処理を行う。ここでの残響信号付加処理として
は、元のオーディオ信号に対して、初期反射音と主残響
音とを(或いは初期反射音だけを)遅延処理などで生成
させて、この生成された信号を、残響信号として元のオ
ーディオ信号に付加する処理を行う。この残響信号を構
成する初期反射音と主残響音との生成処理については、
予めこの装置に設定された残響付加状態に基づいて行わ
れる。
【0021】また本例においては、入力端子11SLに
得られるリア左チャンネルのオーディオ信号と、入力端
子11SRに得られるリア右チャンネルのオーディオ信
号とを、仮想音像処理部13に供給する。この仮想音像
処理部13では、リアの両チャンネルの信号に基づい
て、リアの左右のチャンネルの音像が存在する位置(こ
の位置を実スピーカ位置と称する)とは、異なる位置に
音像が定位する2チャンネルのオーディオ信号を生成さ
せるものである。この仮想音像信号の生成処理は、仮想
音像として設定する位置からオーディオ信号を放音した
場合の聴取者の耳元での音響伝達関数を使用して生成さ
せるものである。
【0022】ここで、本例で実行される仮想音像信号を
生成させる仮想音像定位処理の原理を、図2を参照して
説明する。仮想音像定位処理には、図2のAに示すよう
に、リスニングルームの正面からの開き角がφ1である
仮想スピーカ位置91から音声を放音させた場合の、聴
取者90の左耳までの音響伝達関数Hφ1L及び聴取者
90の右耳までの音響伝達関数Hφ1Rと、開き角がφ
2である仮想スピーカ位置92から音声を放音させた場
合の、聴取者90の左耳までの音響伝達関数Hφ2L及
び聴取者90の右耳までの音響伝達関数Hφ2Rとが必
要になる。
【0023】そして、実際に存在するリアスピーカから
音声を放音した場合のクロストークを補償するために、
図2のBに示すように、リスニングルームの正面からの
開き角がθ1であるリアスピーカ93から音声を放音さ
せた場合の、聴取者90の左耳までの音響伝達関数Hθ
1L及び聴取者90の右耳までの音響伝達関数Hθ1R
と、開き角がθ2であるリアスピーカ94から音声を放
音させた場合の、聴取者90の左耳までの音響伝達関数
Hθ2L及び聴取者90の右耳までの音響伝達関数Hθ
2Rとが必要になる。
【0024】これらの音響伝達関数は、図2のAに示し
た仮想スピーカ位置91,92や、図2のBに示したリ
アスピーカ位置93,94のそれぞれの位置に実際にス
ピーカを設置して、各位置に設置したスピーカからイン
パルス音を放音させて、聴取者90の位置に配置したダ
ミーヘッドの左右の耳元でのインパルス応答を測定する
ことにより求めることができる。即ち、聴取者の耳元て
測定したインパルス応答が、インパルス音を放音したス
ピーカ位置から聴取者の耳元までの音響伝達関数に相当
する。
【0025】このようにして求められた音響伝達関数に
基づいて、仮想音像処理部13で仮想音像定位処理が行
われる。
【0026】図3は、本例での仮想音像定位処理部3内
での処理構成を示すブロック図である。図3に示すよう
に、仮想音像処理部13は、いわゆるバイノーラル化処
理に用いられるフィルタ901,012,903,90
4と、リアスピーカ93,94からの音声の放音時に生
じる空間的クロストークを補償するためのいわゆるクロ
ストーク補償処理に用いられるフィルタ907,90
8,909,910と、加算器905,906,91
1,912とを備えている。
【0027】図3に示すように、フィルタ901〜90
4は、図2のAを用いて説明した仮想スピーカから聴取
者の左右の耳元までの音響伝達関数Hφ1L,Hφ1
R,Hφ2L,Hφ2Rがフィルタ係数として用いられ
る。
【0028】また、フィルタ907〜910は、図2の
Bを用いて説明した実際に存在するリアスピーカから聴
取者の左右の耳元までの音響伝達関数Hθ1L,Hθ1
R,Hθ2L,Hθ2Rに基づいて求められるフィルタ
係数G1,G2,G3,G4がフィルタ係数として用い
られるものである。このフィルタ係数G1〜G4は、次
の表1に基づいて算出される。
【0029】
【表1】
【0030】ここで左右のリアチャンネルのオーディオ
信号が、図3に示す回路に入力した場合の処理について
説明すると、左リアチャンネルのオーディオ信号は、フ
ィルタ901及び902に供給される。また、右リアチ
ャンネルのオーディオ信号は、フィルタ903及び90
4に供給される。
【0031】フィルタ901,902では、フィルタ係
数Hφ1L,Hφ1Rに基づいて、左リアスピーカに供
給されるオーディオ信号を変換し、左リアスピーカ93
から放音された音が、仮想スピーカ位置91に音像があ
るように聴感されるようにする。
【0032】同様に、フィルタ903,904では、フ
ィルタ係数Hφ2L,Hφ2Rに基づいて、右リアスピ
ーカに供給されるオーディオ信号を変換し、右リアスピ
ーカ94から放音された音が、仮想スピーカ位置92に
音像があるように聴感されるようにする。
【0033】そして、フィルタ901及びフィルタ90
4において処理されて、聴取者90の左耳により聴取さ
れるオーディオ信号は、加算器905に供給されて加算
される。また、フィルタ902及びフィルタ903にお
いて処理されて、聴取者90の右耳により聴取されるオ
ーディオ信号は、加算器906に供給されて加算され
る。加算器905で加算されたオーディオ信号は、フィ
ルタ907,908に供給され、加算器906で加算さ
れたオーディオ信号は、フィルタ909,910に供給
される。
【0034】フィルタ907,908,909,910
では、リアスピーカから聴取者の耳元までの音響伝達関
数に基づいて求められるフィルタ係数G1,G2,G
3,G4に応じて、クロストークをキャンセルする処理
が行われる。そして、フィルタ907,910により処
理されたオーディオ信号は加算器911に供給され、フ
ィルタ908,909により処理されたオーディオ信号
は加算器912に供給される。
【0035】加算器911で加算されたオーディオ信号
は、左リアスピーカに供給するリア左チャンネルのオー
ディオ信号であり、加算器912で加算されたオーディ
オ信号は、右リアスピーカに供給するリア右チャンネル
のオーディオ信号である。このようにして生成された各
リアチャンネルのオーディオ信号を、それぞれのチャン
ネル用のリアスピーカに供給することで、図2のAに示
すような仮想スピーカ位置に音像が定位するようにな
る。
【0036】なお、ここまでの説明では、仮想音像定位
位置として、リア左チャンネルとリア右チャンネルのそ
れぞれで1つの位置としたが、本例の仮想音像処理部1
3で生成させる仮想音像の位置は、それぞれの異なる複
数の位置(ここでは5つの位置)としてある。この複数
の仮想音像定位位置を生成させるためには、図3に示す
フィルタを、その仮想音像定位位置に対応して複数設け
れば対処できる。
【0037】ここで図1の説明に戻ると、残響処理部1
2で残響信号が付加されたリア左チャンネルのオーディ
オ信号に、仮想音像処理部13で処理されたリア左チャ
ンネルのオーディオ信号を、加算器14aで加算する処
理を行い、残響処理部12で残響信号が付加されたリア
右チャンネルのオーディオ信号に、仮想音像処理部13
で処理されたリア右チャンネルのオーディオ信号を、加
算器14bで加算する処理を行う。
【0038】そして、残響処理部12で残響信号が付加
された左チャンネル,右チャンネル,センタチャンネル
のオーディオ信号と、加算器14a,14bで加算され
たリア左チャンネル,リア右チャンネルのオーディオ信
号とを、アンプ部15に供給して、各チャンネル用のス
ピーカを駆動するための増幅処理を行い、その増幅処理
された各チャンネル用のオーディオ信号を、リスニング
ルーム16に配置された左チャンネル用スピーカ17
L,右チャンネル用スピーカ17R,センタチャンネル
用スピーカ17C,リア左チャンネル用スピーカ17S
L,リア右チャンネル用スピーカ17SRに個別に供給
する。
【0039】ここで、上述した仮想音像処理部13での
処理が行われることで、左右のリアスピーカ17SL,
17SRから放音される音で、各チャンネル毎に5個の
仮想音像位置17VL,17VRに定位する音像が得ら
れる。また、左右のリアスピーカ17SL,17SRに
は、残響処理部12で残響信号が付加された左右のリア
チャンネルのオーディオ信号についても供給されるた
め、実際にリアスピーカ17SL,17SRが存在する
位置に音像が定位したリアチャンネルの音についても放
音される。この実際にリアスピーカ17SL,17SR
が存在する位置に音像が定位した音については、残響処
理部12での処理により、残響が付加された音である。
【0040】図4は、本例でのリスニングルーム16内
での実際のスピーカ位置と仮想スピーカ位置との関係の
例を示す図である。リスニングルーム16の正面に配置
されたスクリーン18の左右の脇に、左チャンネル用ス
ピーカ17Lと右チャンネル用スピーカ17Rとが配置
してあり、スクリーン18の下にセンタチャンネル用ス
ピーカ17Cが配置してある。また、スクリーン18か
ら離れた後方の左右に、リア左チャンネル用スピーカ1
7SLとリア右チャンネル用スピーカ17SRとが配置
してある。聴取者19は、リスニングルーム16のほぼ
中央にいることを想定すると、仮想音像処理部13での
処理で生成された仮想音像位置であるリアの左右の仮想
スピーカ17VL,17VRが5個ずつ生成されて、聴
取者19を取り囲む音場が形成される。
【0041】本例の場合には、実際に存在する各スピー
カ位置に定位した音については、残響処理部12で残響
信号が付加された音であるため、コンサートホール,映
画館などの任意の空間での再生状態を再現することがで
きる。従って、残響付加処理による再生空間の設定と、
仮想音像定位処理による音場設定との双方により、きわ
めてリアルなオーディオ信号の再生が可能になる。例え
ば、本例の装置で映画などの映像プログラムをDVD再
生装置などで再生して、スクリーン18に映像を映しな
がら、各チャンネルのスピーカからオーディオを放音さ
せることで、映画館で映画を視聴する場合と同様の臨場
感のある視聴が可能になる。
【0042】次に、図1に示した残響処理部12,仮想
音像処理部13,加算器14a,14bでの処理の具体
的構成の一例を、図5に示す。ここでは入力端子とし
て、左チャンネルの入力端子11L,右チャンネルの入
力端子11R,センターチャンネルの入力端子11C,
リア左チャンネルの入力端子11SL,リア右チャンネ
ルの入力端子11SRの他に、低域専用チャンネル(L
FEチャンネル)の入力端子11LFEを備えて、5.
1チャンネルのマルチチャンネルオーディオ信号が入力
される構成としてある。但し、センターチャンネルの信
号と低域専用チャンネルの信号については、残響処理部
12,仮想音像処理部13では処理を行わずに、出力端
子21C,21LFEから後段の回路に直接供給する構
成としてある。
【0043】まず、入力端子11L,11Rに得られる
フロントの左チャンネル,右チャンネルのオーディオ信
号の処理について説明すると、入力端子11Lに得られ
る左チャンネルの信号は、アンプ106を介して加算器
107に供給して、残響信号を加算して、出力端子21
Lに供給する。また、入力端子11Rに得られる右チャ
ンネルの信号は、アンプ108を介して加算器109に
供給して、残響信号を加算して、出力端子21Rに供給
する。
【0044】また、フロントの左右のチャンネルの残響
信号を生成させる処理系への入力として、入力端子11
Lに得られる左チャンネルの信号を、アンプ101を介
して加算器104に供給し、入力端子11Cに得られる
センターチャンネルの信号を、アンプ102を介して加
算器104に供給し、左チャンネルの信号にセンターチ
ャンネルを加算する。同様に、入力端子11Rに得られ
る右チャンネルの信号を、アンプ103を介して加算器
105に供給し、入力端子11Cに得られるセンターチ
ャンネルの信号を、アンプ102を介して加算器105
に供給し、右チャンネルの信号にセンターチャンネルを
加算する。
【0045】加算器104,105の出力は、各チャン
ネル毎に高域制限フィルタ110,120に供給する。
この高域制限フィルタ110,120は、残響信号を構
成する初期反射音のトーンコントロールを行うフィルタ
である。左チャンネルを処理するフィルタ110の構成
としては、加算器104から供給される信号を、アンプ
111を介して加算器112に供給し、この加算器11
2の加算出力を遅延回路113を介して加算器112に
戻すと共に、遅延回路113の出力をアンプ114によ
りゲイン調整して加算器112に戻して加算する構成と
し、加算器112の加算出力をフィルタ110の出力と
する。右チャンネルを処理するフィルタ120の構成と
しては、加算器105から供給される信号を、アンプ1
21を介して加算器122に供給し、この加算器122
の加算出力を遅延回路123を介して加算器122に戻
すと共に、遅延回路123の出力をアンプ124により
ゲイン調整して加算器122に戻して加算する構成と
し、加算器122の加算出力をフィルタ120の出力と
する。
【0046】左チャンネルの高域制限フィルタ110の
出力は、初期反射音を生成させるディレーライン131
に供給する。同様に、右チャンネルの高域制限フィルタ
120の出力は、初期反射音を生成させるディレーライ
ン141に供給する。各チャンネルのディレーライン1
31,141では、所定量ずつ遅延させた複数の系統の
信号を、初期反射音を構成する信号として生成させる。
【0047】左チャンネル用のディレーライン131の
3系統の出力(アンプ132,133,134を介した
出力)と、右チャンネル用のディレーライン141の1
系統の出力(アンプ145を介した出力)とは、加算器
191に供給して1系統の信号にする。また、右チャン
ネル用のディレーライン141の3系統の出力(アンプ
142,143,144を介した出力)と、左チャンネ
ル用のディレーライン131の1系統の出力(アンプ1
35を介した出力)とは、加算器193に供給して1系
統の信号にする。
【0048】また、左チャンネル用のディレーライン1
31の1系統の出力をアンプ136を介して加算器13
8に供給すると共に、右チャンネル用のディレーライン
141の1系統の出力をアンプ146を介して加算器1
38に供給し、加算器138で両チャンネルの信号を加
算した後、高域制限フィルタ150に供給する。この高
域制限フィルタ150についても、残響信号のトーンコ
ントロールを行うフィルタである。フィルタ150の構
成としては、加算器138から供給される信号を、アン
プ151を介して加算器152に供給し、この加算器1
52の加算出力を遅延回路153を介して加算器152
に戻すと共に、遅延回路153の出力をアンプ154に
よりゲイン調整して加算器152に戻して加算する構成
とし、加算器152の加算出力をフィルタ150の出力
とする。
【0049】このフィルタ150の出力を、主残響音を
生成させるためのディレーライン161に供給する。こ
のディレーライン161で、所定量ずつ遅延量が変化し
た複数系統の信号を生成させて、それぞれの信号をアン
プ162〜167を介して加算器168に供給し、1系
統の信号に加算する。また、ディレーライン161の最
終段の出力を、アンプ169を介して加算器138に戻
して、主残響音の生成時間を長くできるように構成して
ある。
【0050】加算器168の加算出力は、左チャンネル
の主残響音用のオールパスフィルタ170と、右チャン
ネルの主残響音用のオールパスフィルタ180に供給す
る。左チャンネル用のフィルタ170の構成としては、
加算器168から供給される信号を、加算器171に供
給し、この加算器171の出力を遅延回路172に供給
する。この遅延回路172の遅延出力を、アンプ173
を介して加算器171に戻して、フィルタの入力と加算
させる。また、遅延回路172の遅延出力を加算器17
4に供給すると共に、加算器171の出力をアンプ17
5を介して加算器174に供給し、両信号を加算する。
さらに、加算器174の加算出力を、遅延回路176に
供給する。この遅延回路176の遅延出力を、アンプ1
77を介して加算器174に戻して、加算器174の入
力と加算する。そして、遅延回路176の遅延出力を加
算器178に供給すると共に、加算器174の出力をア
ンプ179を介して加算器178に供給し、両信号を加
算して、フィルタ170の出力を得る。
【0051】右チャンネル用のフィルタ180の構成と
しては、加算器168から供給される信号を、加算器1
81に供給し、この加算器181の出力を遅延回路18
2に供給する。この遅延回路182の遅延出力を、アン
プ183を介して加算器181に戻して、フィルタの入
力と加算させる。また、遅延回路182の遅延出力を加
算器184に供給すると共に、加算器181の出力をア
ンプ185を介して加算器184に供給し、両信号を加
算する。さらに、加算器184の加算出力を、遅延回路
186に供給する。この遅延回路186の遅延出力を、
アンプ187を介して加算器184に戻して、加算器1
84の入力と加算する。そして、遅延回路186の遅延
出力を加算器188に供給すると共に、加算器184の
出力をアンプ189を介して加算器188に供給し、両
信号を加算して、フィルタ180の出力を得る。
【0052】左チャンネル用のフィルタ170の出力
は、加算器191に供給して、上述した初期反射音と加
算する処理を行って、初期反射音と主残響音とが加算さ
れた左チャンネル用の残響信号を生成させ、その生成さ
れた残響信号をアンプ192を介して加算器107に供
給し、左チャンネルの直接音のオーディオ信号と加算
し、その直接音と残響音とが加算されたオーディオ信号
を、左チャンネル用の出力端子21Lに供給する。
【0053】右チャンネル用のフィルタ180の出力
は、加算器193に供給して、上述した初期反射音と加
算する処理を行って、初期反射音と主残響音とが加算さ
れた右チャンネル用の残響信号を生成させ、その生成さ
れた残響信号をアンプ194を介して加算器109に供
給し、右チャンネルの直接音のオーディオ信号と加算
し、その直接音と残響音とが加算されたオーディオ信号
を、右チャンネル用の出力端子21Rに供給する。
【0054】ここまでがフロントの左右のチャンネルの
オーディオ信号に残響信号を付加する処理である。
【0055】次に、入力端子11SL,11SRに得ら
れるリアの左右のチャンネルのオーディオ信号の処理に
ついて説明すると、入力端子11SLに得られる左リア
チャンネルの信号は、アンプ203を介して加算器20
4に供給して、残響信号を加算した後、アンプ301,
302を介して加算器303に供給して、仮想音像信号
を加算してから出力端子21SLに供給する。また、入
力端子11SRに得られる右リアチャンネルの信号は、
アンプ205を介して加算器206に供給して、残響信
号を加算した後、アンプ304,305を介して加算器
306に供給して、仮想音像信号を加算してから出力端
子21SRに供給する。
【0056】そして、リアの左右のチャンネルの残響信
号を生成させる処理系への入力として、入力端子11S
Lに得られる左リアチャンネルの信号を、アンプ201
を介して高域制限フィルタ210に供給する。また、入
力端子11SRに得られる右リアチャンネルの信号を、
アンプ202を介して高域制限フィルタ220に供給す
る。この高域制限フィルタ210,220は、残響信号
を構成する初期反射音のトーンコントロールを行うフィ
ルタである。左リアチャンネルを処理するフィルタ21
0の構成としては、入力信号をアンプ211を介して加
算器212に供給し、この加算器212の加算出力を遅
延回路213を介して加算器212に戻すと共に、遅延
回路213の出力をアンプ214によりゲイン調整して
加算器212に戻して加算する構成とし、加算器212
の加算出力をフィルタ210の出力とする。右リアチャ
ンネルを処理するフィルタ220の構成としては、入力
信号をアンプ221を介して加算器222に供給し、こ
の加算器222の加算出力を遅延回路223を介して加
算器222に戻すと共に、遅延回路223の出力をアン
プ224によりゲイン調整して加算器222に戻して加
算する構成とし、加算器222の加算出力をフィルタ2
20の出力とする。
【0057】左リアチャンネルの高域制限フィルタ21
0の出力は、初期反射音を生成させるディレーライン2
31に供給する。同様に、右リアチャンネルの高域制限
フィルタ220の出力は、初期反射音を生成させるディ
レーライン241に供給する。各チャンネルのディレー
ライン231,241では、所定量ずつ遅延させた複数
の系統の信号を、初期反射音を構成する信号として生成
させる。
【0058】左リアチャンネル用のディレーライン23
1の3系統の出力(アンプ232,233,234を介
した出力)は、加算器291に供給して1系統の信号に
する。また、右リアチャンネル用のディレーライン14
1の3系統の出力(アンプ142,143,144を介
した出力)は、加算器293に供給して1系統の信号に
する。
【0059】また、左リアチャンネル用のディレーライ
ン231の1系統の出力をアンプ235を介して加算器
236に供給すると共に、右リアチャンネル用のディレ
ーライン241の1系統の出力をアンプ245を介して
加算器236に供給し、加算器236で両チャンネルの
信号を加算した後、高域制限フィルタ250に供給す
る。この高域制限フィルタ250についても、残響信号
のトーンコントロールを行うフィルタである。フィルタ
250の構成としては、加算器236から供給される信
号を、アンプ251を介して加算器252に供給し、こ
の加算器252の加算出力を遅延回路253を介して加
算器252に戻すと共に、遅延回路253の出力をアン
プ254によりゲイン調整して加算器252に戻して加
算する構成とし、加算器252の加算出力をフィルタ2
50の出力とする。
【0060】このフィルタ250の出力を、主残響音を
生成させるためのディレーライン261に供給する。こ
のディレーライン261で、所定量ずつ遅延量が変化し
た複数系統の信号を生成させて、それぞれの信号をアン
プ262〜267を介して加算器268に供給し、1系
統の信号に加算する。また、ディレーライン261の最
終段の出力を、アンプ269を介して加算器236に戻
して、主残響音の生成時間を長くできるように構成して
ある。
【0061】加算器268の加算出力は、左リアチャン
ネルの主残響音用のオールパスフィルタ270と、右リ
アチャンネルの主残響音用のオールパスフィルタ280
に供給する。左リアチャンネル用のフィルタ270の構
成としては、加算器268から供給される信号を、加算
器271に供給し、この加算器271の出力を遅延回路
272に供給する。この遅延回路272の遅延出力を、
アンプ273を介して加算器271に戻して、フィルタ
の入力と加算させる。また、遅延回路272の遅延出力
を加算器274に供給すると共に、加算器271の出力
をアンプ275を介して加算器274に供給し、両信号
を加算する。さらに、加算器274の加算出力を、遅延
回路276に供給する。この遅延回路276の遅延出力
を、アンプ277を介して加算器274に戻して、加算
器274の入力と加算する。そして、遅延回路276の
遅延出力を加算器178に供給すると共に、加算器27
4の出力をアンプ279を介して加算器278に供給
し、両信号を加算して、フィルタ270の出力を得る。
【0062】右リアチャンネル用のフィルタ280の構
成としては、加算器268から供給される信号を、加算
器281に供給し、この加算器281の出力を遅延回路
282に供給する。この遅延回路282の遅延出力を、
アンプ283を介して加算器281に戻して、フィルタ
の入力と加算させる。また、遅延回路282の遅延出力
を加算器284に供給すると共に、加算器281の出力
をアンプ285を介して加算器284に供給し、両信号
を加算する。さらに、加算器284の加算出力を、遅延
回路286に供給する。この遅延回路286の遅延出力
を、アンプ287を介して加算器284に戻して、加算
器284の入力と加算する。そして、遅延回路286の
遅延出力を加算器288に供給すると共に、加算器28
4の出力をアンプ289を介して加算器288に供給
し、両信号を加算して、フィルタ280の出力を得る。
【0063】左リアチャンネル用のフィルタ270の出
力は、加算器291に供給して、上述した初期反射音と
加算する処理を行って、初期反射音と主残響音とが加算
された左リアチャンネル用の残響信号を生成させる。こ
のとき、加算器191では、左チャンネル用のディレー
ライン131からの1系統の出力が、アンプ137を介
して供給される構成としてあり、フロントの左チャンネ
ルの初期反射音の一部についても加算して、リアチャン
ネルの残響信号を生成させる構成としてある。そして、
その生成された残響信号をアンプ292を介して加算器
204に供給し、左リアチャンネルの直接音のオーディ
オ信号と加算し、その直接音と残響音とが加算されたオ
ーディオ信号を、アンプ301,302を介して仮想音
像信号加算用の加算器303に供給する。
【0064】右リアチャンネル用のフィルタ280の出
力は、加算器293に供給して、上述した初期反射音と
加算する処理を行って、初期反射音と主残響音とが加算
された右リアチャンネル用の残響信号を生成させる。こ
のとき、加算器293では、右チャンネル用のディレー
ライン141からの1系統の出力が、アンプ147を介
して供給される構成としてあり、フロントの右チャンネ
ルの初期反射音の一部についても加算して、リアチャン
ネルの残響信号を生成させる構成としてある。そして、
その生成された残響信号をアンプ294を介して加算器
206に供給し、右リアチャンネルの直接音のオーディ
オ信号と加算し、その直接音と残響音とが加算されたオ
ーディオ信号を、アンプ304,305を介して仮想音
像信号加算用の加算器306に供給する。
【0065】ここまでがリアの左右のチャンネルのオー
ディオ信号に残響信号を付加する処理である。
【0066】次に、リアの左右のチャンネルのオーディ
オ信号から仮想音像信号を生成させる処理について説明
する。ここでは、入力端子11SL,11SRに得られ
る左右のリアチャンネルのオーディオ信号を、アンプ2
07,208を介して仮想音像処理部320に供給す
る。この仮想音像処理部320の構成は、既に図3で説
明した仮想音像定位処理の基本的処理構成を具体化した
ものである。即ち、仮想音像処理部320に供給される
左リアチャンネルの信号と右リアチャンネルの信号と
を、加算器321に供給して両信号を加算すると共に、
左リアチャンネルの信号と右リアチャンネルの信号とを
減算器331に供給して、右リアチャンネルの信号から
左リアチャンネルの信号を減算する。
【0067】そして、加算器321の加算出力を、ディ
レーライン322に供給し、所定間隔で順に遅延された
複数系統の信号を生成させて、その各系統の信号をそれ
ぞれ別のアンプ323a,323b‥‥323nを介し
て加算器324に供給する。このディレーライン322
とアンプ323a〜323nと加算器324とで、FI
Rフィルタが構成されることになる。同様に、減算器3
31の減算出力を、ディレーライン332に供給し、所
定間隔で順に遅延された複数系統の信号を生成させて、
その各系統の信号をそれぞれ別のアンプ333a,33
3b‥‥333nを介して加算器334に供給する。こ
のディレーライン332とアンプ333a〜333nと
加算器334とで、FIRフィルタが構成されることに
なる。
【0068】各FIRフィルタの出力である加算器32
4,334の出力は、アンプ325,335を介して減
算器326に供給して、アンプ325の出力からアンプ
335の出力を減算すると共に、加算器336に供給し
て両信号を加算する。
【0069】減算器326の減算出力は、仮想音像処理
部320の左リアチャンネル出力として、アンプ30
7,308を介して加算器303に供給し、上述した加
算器204側からアンプ301,302を介して加算器
303に供給される残響信号が付加された左リアチャン
ネルのオーディオ信号に加算し、その加算出力を、残響
信号と仮想音像信号が重畳された左リアチャンネルのオ
ーディオ信号として、出力端子21SLから後段の処理
回路に供給する。
【0070】加算器336の加算出力は、仮想音像処理
部320の右リアチャンネル出力として、アンプ30
9,310を介して加算器306に供給し、上述した加
算器206側からアンプ304,305を介して加算器
306に供給される残響信号が付加された右リアチャン
ネルのオーディオ信号に加算し、その加算出力を、残響
信号と仮想音像信号が重畳された右リアチャンネルのオ
ーディオ信号として、出力端子21SRから後段の処理
回路に供給する。
【0071】この図5に示す各出力端子21L,21
R,21C,21SL,21SR,21LFEから出力
される各チャンネルのオーディオ信号は、図1に示すア
ンプ部15に供給して、各チャンネル毎にスピーカを駆
動するための増幅処理を行う。
【0072】この図5に示すように残響処理部と仮想音
像処理部とを構成とすることで、入力した各チャンネル
のオーディオ信号に対して残響信号を生成させる処理
と、左右のリアチャンネルのオーディオ信号に対して仮
想音像信号を生成させる処理とが行われ、それぞれの信
号が重畳されたオーディオ信号が得られて、図4に示し
たような良好なオーディオ再生環境が得られる。
【0073】次に、本発明の第2の実施の形態を、図6
〜図8を参照して説明する。この図6〜図8において、
上述した第1の実施の形態で説明した図1〜図5に対応
する部分には同一符号を付し、その詳細説明は省略す
る。
【0074】本実施の形態においても、上述した第1の
実施の形態と同様に、AVアンプ装置と称される映像に
同期したオーディオ信号(又は映像とは無関係のオーデ
ィオ信号)の高度な処理が行えるアンプ装置に適用した
ものである。まず、図6を参照して全体構成について説
明すると、ここではDVD再生装置などの音声信号源
(図示せず)から、5.1チャンネル(6チャンネル)
のマルチチャンネルのオーディオ信号が供給される。即
ち、左チャンネルのオーディオ信号が入力端子31L
に、右チャンネルのオーディオ信号が入力端子31R
に、センターチャンネルのオーディオ信号が入力端子3
1Cに、リア左チャンネルのオーディオ信号が入力端子
31SLに、リア右チャンネルのオーディオ信号が入力
端子31SRに供給される。また、低域専用チャンネル
のオーディオ信号が図示しない入力端子に供給される。
ここでは低域専用チャンネルのオーディオ信号の処理に
ついては省略してある。
【0075】各チャンネルの入力端子に得られるオーデ
ィオ信号は、残響処理部32に供給して、残響信号を付
加する処理を行う。ここでの残響信号付加処理として
は、元のオーディオ信号に対して、初期反射音と主残響
音とを(或いは初期反射音だけを)遅延処理などで生成
させて、この生成された信号を、残響信号として元のオ
ーディオ信号に付加する処理を行う。この残響信号を構
成する初期反射音と主残響音との生成処理については、
予めこの装置に設定された残響付加状態に基づいて行わ
れる。
【0076】そして、この残響処理部32で残響信号が
付加されたオーディオ信号を、仮想音像処理部33に供
給して、仮想音像信号を生成させる処理を行う。この場
合、本例の仮想音像処理部32では、主として左右のリ
アチャンネルのオーディオ信号を処理して、仮想位置に
音像が定位する仮想音像信号を生成させる。この仮想位
置に音像定位させる処理については、上述した第1の実
施の形態において、図2,図3などを使用して説明した
処理と基本的には同じである。即ち、仮想音像として設
定する位置からオーディオ信号を放音した場合の聴取者
の耳元での音響伝達関数を使用して生成させるものであ
る。但し、本例においては、生成された仮想音像信号を
フロントの左右のチャンネルのオーディオ信号に重畳す
るようにしてあり、フロントのチャンネルに重畳してフ
ロントの左右のスピーカからオーディオ信号を再生させ
たとき、リアの左右の所定位置(ここでは左側の5箇所
と右側の5箇所)に音像が定位する仮想音像信号となる
ようにしてある。なお、仮想音像定位位置として設定す
る左と右の5箇所ずつの位置の内の1箇所の位置は、リ
アスピーカを使用した場合に、このリアスピーカが本来
配置される位置に設定してある。
【0077】このようにして生成された左右のチャンネ
ルの仮想音像信号を、フロントの左右のチャンネルのオ
ーディオ信号に重畳し、その仮想音像信号が重畳された
左右のチャンネルのオーディオ信号と、センターチャン
ネルのオーディオ信号とを、アンプ部34に供給してス
ピーカ駆動用の増幅処理を行い、リスニングルーム35
に配置された左チャンネル用スピーカ36L,右チャン
ネル用スピーカ36R,センターチャンネル用スピーカ
36Cに供給して放音させる。
【0078】ここで、上述した仮想音像処理部33での
処理が行われることで、左右のスピーカ36L,36R
から放音される音で、リアの左側及び右側で、それぞれ
5個の仮想音像位置36VL,36VRに定位する音像
が得られる。このとき、フロントの左右のスピーカ36
L,36Rの位置に定位しているフロントの左右の音
は、フロントの残響信号が付加された音であり、仮想音
像位置36VL,36VRに定位しているリアの左右の
音は、リアの残響信号が付加された音になっている。
【0079】図7は、本例でのリスニングルーム35内
での実際のスピーカ位置と仮想スピーカ位置との関係の
例を示す図である。リスニングルーム35の正面に配置
されたスクリーン37の左右の脇に、左チャンネル用ス
ピーカ36Lと右チャンネル用スピーカ36Rとが配置
してあり、スクリーン37の下にセンタチャンネル用ス
ピーカ36Cが配置してある。聴取者38は、リスニン
グルーム35のほぼ中央にいることを想定すると、仮想
音像処理部33での処理で生成された仮想音像位置であ
るリアの左右の仮想スピーカ17VL,17VRが5個
ずつ生成されて、聴取者38を取り囲む音場が形成され
る。
【0080】本例の場合には、フロントの左右の2チャ
ンネルのスピーカ36L,36Rだけを使用して、残響
信号が付加されたフロントの2チャンネルの音と、リア
の複数の仮想音像位置に定位した音とが放音されること
になり、2チャンネルのスピーカだけを使用して、聴取
者38の周囲を取り囲む音場が形成される。しかも本例
の場合には、フロントのスピーカ位置に定位した音と、
リアの仮想音像位置に定位した音のそれぞれに、それぞ
れのチャンネル用の残響音が付加されているので、コン
サートホール,映画館などの任意の空間での再生状態を
再現することができる。従って、フロントの左右2チャ
ンネルのスピーカだけを使用した簡単なステレオ再生構
成で、残響付加処理による再生空間の設定と、仮想音像
定位処理による音場設定との双方により、きわめてリア
ルなオーディオ信号の再生が可能になる。
【0081】次に、図6に示した残響処理部32,仮想
音像処理部33での処理の具体的構成の一例を、図8に
示す。ここでは入力端子として、左チャンネルの入力端
子31L,右チャンネルの入力端子31R,センターチ
ャンネルの入力端子31C,リア左チャンネルの入力端
子31SL,リア右チャンネルの入力端子31SRの他
に、低域専用チャンネル(LFEチャンネル)の入力端
子31LFEを備えて、5.1チャンネルのマルチチャ
ンネルオーディオ信号が入力される構成としてある。但
し、センターチャンネルの信号と低域専用チャンネルの
信号については、残響処理部32,仮想音像処理部33
では処理を行わずに、出力端子41C,41LFEから
後段の回路に直接供給する構成としてある。
【0082】まず、入力端子31L,31Rに得られる
フロントの左チャンネル,右チャンネルのオーディオ信
号の処理について説明すると、入力端子31Lに得られ
る左チャンネルの信号を、アンプ106を介して加算器
107に供給して、フロントの左チャンネルの残響信号
を生成して加算するまでの処理と、入力端子31Rに得
られる右チャンネルの信号を、アンプ108を介して加
算器109に供給して、フロントの左チャンネルの残響
信号を生成して加算するまでの処理については、上述し
た第1の実施の形態で説明した図5の処理と同じ処理が
行われる。
【0083】そして、残響信号が付加された左チャンネ
ルの信号を、加算器107からアンプ431,432を
介して加算器433に供給し、左リアチャンネルの信号
(ここではリアチャンネルの原信号と残響信号と仮想音
像信号とが混合された信号)を加算して、左チャンネル
用の出力端子41Lに供給する。また、残響信号が付加
された右チャンネルの信号を、加算器109からアンプ
441,442を介して加算器443に供給し、右リア
チャンネルの信号(ここではリアチャンネルの原信号と
残響信号と仮想音像信号とが混合された信号)を加算し
て、右チャンネル用の出力端子41Rに供給する。左右
のチャンネル用の出力端子41L,41Rから出力され
る信号は、図6に示すアンプ部34に供給して、フロン
トチャンネル用の増幅処理を行う。
【0084】次に、入力端子31SL,31SRに得ら
れるリアの左右のチャンネルのオーディオ信号の処理に
ついて説明すると、入力端子31SLに得られるリアの
左チャンネルの信号を、アンプ203を介して加算器2
04に供給して、リアの左チャンネルの残響信号を加算
するまでの処理と、入力端子31SRに得られる右チャ
ンネルの信号を、アンプ108を介して加算器109に
供給して、フロントの左チャンネルの残響信号を加算す
るまでの処理については、上述した第1の実施の形態で
説明した図5の処理と同じ処理が行われる。
【0085】そして本例においては、この残響信号が付
加されたリアの左右のチャンネルのオーディオ信号を、
アンプ401,402を介して仮想音像処理部410に
供給する。この仮想音像処理部410の構成は、既に図
3で説明した仮想音像定位処理の基本的処理構成を具体
化したものである。即ち、仮想音像処理部410に供給
される左リアチャンネルの信号と右リアチャンネルの信
号とを、加算器411に供給して両信号を加算すると共
に、左リアチャンネルの信号と右リアチャンネルの信号
とを減算器421に供給して、右リアチャンネルの信号
から左リアチャンネルの信号を減算する。
【0086】そして、加算器411の加算出力を、ディ
レーライン412に供給し、所定間隔で順に遅延された
複数系統の信号を生成させて、その各系統の信号をそれ
ぞれ別のアンプ413a,413b‥‥413nを介し
て加算器414に供給する。このディレーライン412
とアンプ413a〜413nと加算器414とで、FI
Rフィルタが構成されることになる。同様に、減算器4
21の減算出力を、ディレーライン422に供給し、所
定間隔で順に遅延された複数系統の信号を生成させて、
その各系統の信号をそれぞれ別のアンプ423a,42
3b‥‥423nを介して加算器424に供給する。こ
のディレーライン422とアンプ423a〜423nと
加算器424とで、FIRフィルタが構成されることに
なる。
【0087】各FIRフィルタの出力である加算器41
4,424の出力は、アンプ415,425を介して減
算器416に供給して、アンプ415の出力からアンプ
425の出力を減算すると共に、加算器426に供給し
て両信号を加算する。
【0088】減算器416の減算出力は、仮想音像処理
部410の左チャンネル出力として、アンプ434,4
35を介して加算器433に供給し、上述した加算器1
07側からアンプ431,432を介して加算器433
に供給される残響信号が付加された左チャンネルのオー
ディオ信号に加算し、その加算出力を、残響信号と仮想
音像信号が重畳された左チャンネルのオーディオ信号と
して、出力端子41Lから後段の処理回路に供給する。
【0089】加算器426の加算出力は、仮想音像処理
部410の右チャンネル出力として、アンプ444,4
45を介して加算器443に供給し、上述した加算器1
09側からアンプ441,442を介して加算器443
に供給される残響信号が付加された右チャンネルのオー
ディオ信号に加算し、その加算出力を、残響信号と仮想
音像信号が重畳された右チャンネルのオーディオ信号と
して、出力端子41RRから後段の処理回路に供給す
る。
【0090】この図8に示す各出力端子41L,41
R,41C,41LFEから出力される各チャンネルの
オーディオ信号は、図6に示すアンプ部34に供給し
て、各チャンネル毎にスピーカを駆動するための増幅処
理を行う。
【0091】この図8に示すように残響処理部と仮想音
像処理部とを構成とすることで、入力したフロントの左
右のチャンネルのオーディオ信号に対して残響信号を生
成させて付加させる処理と、リアの左右のチャンネルの
オーディオ信号に対して残響信号を付加させると共に、
この残響信号が付加されたリアの信号を仮想音像信号に
変換して、変換された仮想音像信号をフロントの左右の
チャンネルのオーディオ信号に重畳する処理とが行わ
れ、基本的にフロントの左右のスピーカだけを使用し
て、図7に示したような良好なオーディオ再生環境が得
られる。
【0092】次に、本発明の第3の実施の形態を、図9
及び図10を参照して説明する。この図9及び図10に
おいて、上述した第1,第2の実施の形態で説明した図
1〜図8に対応する部分には同一符号を付し、その詳細
説明は省略する。
【0093】本実施の形態においても、上述した第1,
第2の実施の形態と同様に、AVアンプ装置と称される
映像に同期したオーディオ信号(又は映像とは無関係の
オーディオ信号)の高度な処理が行えるアンプ装置に適
用したものである。まず、図9を参照して全体構成につ
いて説明すると、ここではDVD再生装置などの音声信
号源(図示せず)から、5.1チャンネル(6チャンネ
ル)のマルチチャンネルのオーディオ信号が供給され
る。即ち、左チャンネルのオーディオ信号が入力端子5
1Lに、右チャンネルのオーディオ信号が入力端子51
Rに、センターチャンネルのオーディオ信号が入力端子
51Cに、リア左チャンネルのオーディオ信号が入力端
子51SLに、リア右チャンネルのオーディオ信号が入
力端子51SRに供給される。また、低域専用チャンネ
ルのオーディオ信号が図示しない入力端子に供給され
る。ここでは低域専用チャンネルのオーディオ信号の処
理については省略してある。
【0094】各チャンネルの入力端子に得られるオーデ
ィオ信号は、残響処理部52に供給して、残響信号を付
加する処理を行う。ここでの残響信号付加処理として
は、元のオーディオ信号に対して、初期反射音と主残響
音とを(或いは初期反射音だけを)遅延処理などで生成
させて、この生成された信号を、残響信号として元のオ
ーディオ信号に付加する処理を行う。この残響信号を構
成する初期反射音と主残響音との生成処理については、
予めこの装置に設定された残響付加状態に基づいて行わ
れる。
【0095】そして、この残響処理部52で生成された
残響信号を、第1の仮想音像処理部53に供給して、残
響信号から仮想音像信号を生成させる処理を行う。この
場合、第1の仮想音像処理部53では、主として左右の
リアチャンネルの残響信号を処理して、仮想位置に音像
が定位する残響の仮想音像信号を生成させる。この仮想
位置に音像定位させる処理については、上述した第1の
実施の形態において、図2,図3などを使用して説明し
た処理と基本的には同じである。即ち、仮想音像として
設定する位置からオーディオ信号を放音した場合の聴取
者の耳元での音響伝達関数を使用して生成させるもので
ある。但し、本例においては、生成された仮想音像信号
をフロントの左右のチャンネルのオーディオ信号に重畳
するようにしてあり、フロントのチャンネルに重畳して
フロントの左右のスピーカからオーディオ信号を再生さ
せたとき、リアの左右の所定位置に音像が定位する仮想
音像信号となるようにしてある。
【0096】また本例においては、入力端子51SLに
得られるリア左チャンネルのオーディオ信号と、入力端
子51SRに得られるリア右チャンネルのオーディオ信
号とを、第2の仮想音像処理部54に供給して、仮想音
像信号を生成させる処理を行う。この場合、第2の仮想
音像処理部54では、残響信号が付加されてない左右の
リアチャンネルのオーディオ信号を処理して、仮想位置
に音像が定位する仮想音像信号を生成させる。この仮想
位置に音像定位させる処理は、第1の仮想音像処理部5
3と同じである。
【0097】そして、残響処理部52が出力する左右の
チャンネルのオーディオ信号を、加算器55a,55b
に供給して、第1の仮想音像処理部53で生成された左
右のチャンネルの仮想音像信号を両チャンネルの信号に
加算し、さらにこの加算器55a,55bの出力を加算
器55c,55dに供給して、第2の仮想音像処理部5
4で生成された左右のチャンネルの仮想音像信号を両チ
ャンネルの信号に加算し、第1,第2の仮想音像処理部
53,54の出力が加算された左右のチャンネル及びセ
ンターチャンネルのオーディオ信号を、アンプ部56に
供給し、各チャンネル用のスピーカを駆動するための増
幅処理を行い、リスニングルーム57に設置された左チ
ャンネル用スピーカ58L,右チャンネル用スピーカ5
8R,センターチャンネル用スピーカ58Cに供給して
放音させる。
【0098】ここで、本実施の形態の場合には、上述し
た第2の実施の形態の場合と同様に、左右のスピーカ5
8L,58Rから放音される音で、リアの左側及び右側
で、それぞれ複数個の仮想音像位置58VL,58VR
に定位する音像が得られ、第2の実施の形態の場合と同
様に、基本的にフロントの左右の2個のスピーカ58
L,58Rだけを使用して、残響信号が付加されたフロ
ントの2チャンネルの音と、リアの複数の仮想音像位置
に定位した音とが放音されることになり、2チャンネル
のスピーカだけを使用して、聴取者の周囲を取り囲む音
場が形成される。
【0099】そして本実施の形態の場合には、仮想音像
信号を生成させる回路として、第1の仮想音像処理部5
3と第2の仮想音像処理部54とを設けて、第1の仮想
音像処理部53では残響信号から仮想音像信号を生成さ
せ、第2の仮想音像処理部54では残響信号がないリア
チャンネルの信号から仮想音像信号を生成させるように
したので、残響信号の仮想音像が定位する位置と、リア
チャンネルの信号の仮想音像が定位する位置とを、それ
ぞれ独立に設定することができ、最も効果的に音場を形
成することができる状態に自由に設定できる。
【0100】例えば、第2の仮想音像処理部54で残響
信号がないリアチャンネルの信号により仮想音像が定位
する位置を、本来リアスピーカが配置される位置とし、
第1の仮想音像処理部53で残響信号が付加された信号
により仮想音像が定位する位置を、それ以外の位置に設
定することで、残響信号により囲まれる再生環境を、よ
り良好な状態に設定できる。
【0101】次に、図9に示した残響処理部52,第1
及び第2の仮想音像処理部53及び54での処理の具体
的構成の一例を、図10に示す。ここでは入力端子とし
て、左チャンネルの入力端子51L,右チャンネルの入
力端子51R,センターチャンネルの入力端子51C,
リア左チャンネルの入力端子51SL,リア右チャンネ
ルの入力端子51SRの他に、低域専用チャンネル(L
FEチャンネル)の入力端子51LFEを備えて、5.
1チャンネルのマルチチャンネルオーディオ信号が入力
される構成としてある。但し、センターチャンネルの信
号と低域専用チャンネルの信号については、残響処理部
52,仮想音像処理部53及び54では処理を行わず
に、出力端子61C,61LFEから後段の回路に直接
供給する構成としてある。
【0102】まず、入力端子51L,51Rに得られる
フロントの左チャンネル,右チャンネルのオーディオ信
号の処理について説明すると、入力端子51Lに得られ
る左チャンネルの信号を、アンプ106を介して加算器
107に供給して、フロントの左チャンネルの残響信号
を生成して加算するまでの処理と、入力端子51Rに得
られる右チャンネルの信号を、アンプ108を介して加
算器109に供給して、フロントの左チャンネルの残響
信号を生成して加算するまでの処理については、上述し
た第1の実施の形態で説明した図5の処理と同じ処理が
行われる。
【0103】そして、残響信号が付加された左チャンネ
ルの信号を、加算器107からアンプ553を介して加
算器557に供給し、左リアチャンネルの仮想音像信号
を加算して、左チャンネル用の出力端子61Lに供給す
る。また、残響信号が付加された右チャンネルの信号
を、加算器109からアンプ556を介して加算器55
8に供給し、右リアチャンネルの仮想音像信号を加算し
て、右チャンネル用の出力端子61Rに供給する。左右
のチャンネル用の出力端子61L,61Rから出力され
る信号は、図9に示すアンプ部56に供給して、フロン
トチャンネル用の増幅処理を行う。
【0104】次に、入力端子51SL,51SRに得ら
れるリアの左右のチャンネルのオーディオ信号の処理に
ついて説明すると、入力端子51SLに得られるリアの
左チャンネルの信号と、入力端子51SRに得られるリ
アの右チャンネルの信号とから、リアチャンネルの残響
信号を生成させて、加算器291の出力としてリアの左
チャンネルの残響信号を得るまでの構成と、加算器29
3の出力としてリアの右チャンネルの残響信号を得るま
での構成については、上述した第1の実施の形態で説明
した図5の処理と同じ構成である。
【0105】そして本例においては、このリアの左右の
チャンネルの残響信号を、アンプ292,294を介し
て仮想音像処理部510に供給する。この仮想音像処理
部510が、図9での第1の仮想音像処理部53に相当
する回路である。この仮想音像処理部510の構成は、
既に図3で説明した仮想音像定位処理の基本的処理構成
を具体化したものである。即ち、仮想音像処理部510
に供給される左チャンネルの残響信号と右チャンネルの
残響信号とを、加算器511に供給して両信号を加算す
ると共に、左チャンネルの残響信号と右チャンネルの残
響信号とを減算器521に供給して、右チャンネルの残
響信号から左チャンネルの残響信号を減算する。
【0106】そして、加算器511の加算出力を、ディ
レーライン512に供給し、所定間隔で順に遅延された
複数系統の信号を生成させて、その各系統の信号をそれ
ぞれ別のアンプ513a,513b‥‥513nを介し
て加算器514に供給する。このディレーライン512
とアンプ513a〜513nと加算器514とで、FI
Rフィルタが構成されることになる。同様に、減算器5
21の減算出力を、ディレーライン522に供給し、所
定間隔で順に遅延された複数系統の信号を生成させて、
その各系統の信号をそれぞれ別のアンプ523a,52
3b‥‥523nを介して加算器524に供給する。こ
のディレーライン522とアンプ523a〜523nと
加算器524とで、FIRフィルタが構成されることに
なる。
【0107】各FIRフィルタの出力である加算器51
4,524の出力は、アンプ515,525を介して減
算器516に供給して、アンプ515の出力からアンプ
525の出力を減算すると共に、加算器526に供給し
て両信号を加算する。
【0108】減算器516の減算出力は、仮想音像処理
部510の左チャンネル出力として加算器551に供給
する。また、加算器526の加算出力は、仮想音像処理
部510の右チャンネル出力として加算器552に供給
する。
【0109】また本例においては、入力端子51SLに
得られるリアの左チャンネルの信号と、入力端子51S
Rに得られるリアの右チャンネルの信号とを、アンプ2
03,205を介して仮想音像処理部530に供給す
る。この仮想音像処理部530が、図9での第2の仮想
音像処理部54に相当する回路である。この仮想音像処
理部530の構成は、既に説明した仮想音像処理部51
0の構成と同じである。即ち、仮想音像処理部530に
供給される左リアチャンネルの信号と右リアチャンネル
の信号とを、加算器531に供給して両信号を加算する
と共に、左リアチャンネルの信号と右リアチャンネルの
信号とを減算器541に供給して、右リアチャンネルの
信号から左リアチャンネルの信号を減算する。
【0110】そして、加算器531の加算出力を、ディ
レーライン532に供給し、所定間隔で順に遅延された
複数系統の信号を生成させて、その各系統の信号をそれ
ぞれ別のアンプ533a,533b‥‥533nを介し
て加算器534に供給する。このディレーライン532
とアンプ533a〜533nと加算器534とで、FI
Rフィルタが構成されることになる。同様に、減算器5
41の減算出力を、ディレーライン542に供給し、所
定間隔で順に遅延された複数系統の信号を生成させて、
その各系統の信号をそれぞれ別のアンプ543a,54
3b‥‥543nを介して加算器544に供給する。こ
のディレーライン542とアンプ543a〜543nと
加算器544とで、FIRフィルタが構成されることに
なる。
【0111】各FIRフィルタの出力である加算器53
4,544の出力は、アンプ535,545を介して減
算器536に供給して、アンプ535の出力からアンプ
545の出力を減算すると共に、加算器546に供給し
て両信号を加算する。
【0112】減算器536の減算出力は、仮想音像処理
部520の左チャンネル出力として加算器551に供給
する。また、加算器546の加算出力は、仮想音像処理
部520の右チャンネル出力として加算器552に供給
する。
【0113】加算器551では、両仮想音像処理部51
0,520での左チャンネル出力を加算し、その加算出
力を、アンプ554を介して加算器557に供給し、残
響信号が付加された左チャンネルのオーディオ信号と加
算した後、出力端子61Lから後段の回路に供給する。
加算器552では、両仮想音像処理部510,520で
の右チャンネル出力を加算し、その加算出力を、アンプ
555を介して加算器558に供給し、残響信号が付加
された右チャンネルのオーディオ信号と加算した後、出
力端子61Rから後段の回路に供給する。
【0114】この図10に示す各出力端子61L,61
R,61C,61LFEから出力される各チャンネルの
オーディオ信号は、図9に示すアンプ部56に供給し
て、各チャンネル毎にスピーカを駆動するための増幅処
理を行う。
【0115】この図10に示すように残響処理部と仮想
音像処理部とを構成とすることで、仮想音像信号とし
て、リアの原信号に基づいた仮想音像信号と、残響信号
に基づいた仮想音像信号とを、独立に形成させて出力さ
せることができ、それぞれの仮想音像信号を最適な状態
に設定できる。
【0116】なお、ここまで説明した各実施の形態での
処理では、フロントチャンネル,リアチャンネルのそれ
ぞれで、残響信号を生成させる処理を、左右のチャンネ
ル毎に独立して行うようにしたが、残響信号については
左右の信号を混合した1チャンネルの信号として生成さ
せて、各チャンネルに付加するようにしても良い。
【0117】また、上述した実施の形態では、装置に入
力するマルチチャンネルオーディオ信号は、ビデオディ
スク再生装置からアンプ装置に供給される信号とした
が、他の映像機器やオーディオ機器から供給されるマル
チチャンネルオーディオ信号(例えばチューナが受信し
た衛星放送波によるマルチチャンネルオーディオ信号)
を、処理するようにしても良い。
【0118】また、上述した実施の形態では、マルチチ
ャンネルのオーディオ信号として、5.1チャンネルで
構成されるオーディオ信号としたが、他の4チャンネル
以上のマルチチャンネルオーディオ信号でも良い。
【0119】さらに、上述した実施の形態では、AVア
ンプ装置と称されるオーディオ機器での処理に適用した
が、システムステレオ装置などの他のオーディオ機器と
一体化されたオーディオ機器で、同様の処理を行う場合
や、DVD再生装置などの再生装置やデジタル放送受信
装置などのオーディオ信号源側の装置で、同様の処理を
行う場合にも適用できる。
【0120】
【発明の効果】請求項1に記載したオーディオ再生方法
によると、少なくとも4チャンネルで配置された各スピ
ーカから、残響信号が付加されたオーディオ信号が放音
されると共に、実スピーカ位置とは異なる位置に音像が
ある仮想音像信号が、リアチャンネルのスピーカから放
音され、各チャンネルの実スピーカ位置からの原音と残
響音の再生と、仮想スピーカ位置からのリアチャンネル
の音の再生とが行われ、残響のシミュレーションと仮想
音源配置との双方の効果により、極めてリアルに任意の
音場を再現できるようになる。
【0121】請求項2に記載したオーディオ再生方法に
よると、請求項1に記載した発明において、仮想音像信
号の生成は、仮想音源位置からオーディオ信号を放音し
た場合の聴取者の耳元での音響伝達関数を使用して生成
させることで、仮想位置に音源を配置することが簡単な
処理で良好に行える。
【0122】請求項3に記載したオーディオ再生方法に
よると、フロントの左右2チャンネルの各スピーカか
ら、残響信号が付加された各チャンネル用のオーディオ
信号が放音されると共に、残響信号が付加されたリアチ
ャンネルのオーディオ信号に基づいて生成された所定位
置に音像がある仮想音像信号が、このフロントの左右2
チャンネルのスピーカから放音され、フロントの2チャ
ンネルのスピーカを使用して、原音と残響音の再生と、
仮想スピーカ位置からのリアチャンネルの原音と残響音
の再生とが行われ、フロントの2チャンネルのスピーカ
だけを使用した最小限のシステム構成で、残響のシミュ
レーションと仮想音源配置との双方の効果により、極め
てリアルに任意の音場を再現できるようになる。
【0123】請求項4に記載したオーディオ再生方法に
よると、請求項3に記載した発明において、仮想音像信
号の生成は、仮想音源の位置からオーディオ信号を放音
した場合の聴取者の耳元での音響伝達関数を使用して生
成させ、仮想音源の位置として、左リアチャンネル及び
右リアチャンネルのスピーカが本来配置される位置を含
む複数の位置に設定したことで、フロントの2チャンネ
ルのスピーカだけを使用して、聴取者を囲む良好な音場
再現ができる。
【0124】請求項5に記載したオーディオ再生方法に
よると、請求項3に記載した発明において、残響信号が
付加された左リアチャンネルと右リアチャンネルの2チ
ャンネルのオーディオ信号に基づいた仮想音像信号の他
に、残響信号が付加されてないオーディオ信号に基づい
た仮想音像信号を生成させ、それぞれの仮想音像信号
を、残響信号が付加された左チャンネル及び右チャンネ
ルのオーディオ信号に混合することで、残響信号が出力
される音源の位置についても、仮想音像信号に基づいて
自由にコントロールできるようになり、より良好な音場
再現ができる。
【0125】請求項6に記載したオーディオ信号処理装
置によると、出力部に接続された4チャンネル配置の各
スピーカから、残響信号が付加されたオーディオ信号が
放音されると共に、実スピーカ位置とは異なる位置に音
像がある仮想音像信号が、リアチャンネルのスピーカか
ら放音され、各チャンネルの実スピーカ位置からの原音
と残響音の再生と、仮想スピーカ位置からのリアチャン
ネルの音の再生とが可能になり、残響のシミュレーショ
ンと仮想音源配置との双方の効果により、極めてリアル
に任意の音場を再現できるオーディオ信号処理が行え
る。
【0126】請求項7に記載したオーディオ信号処理装
置によると、請求項6に記載した発明において、仮想音
像処理部での仮想音像信号の生成は、仮想音源の位置か
らオーディオ信号を放音した場合の聴取者の耳元での音
響伝達関数を使用して生成させたことで、仮想位置に音
源を配置することが簡単な構成で良好に行える。
【0127】請求項8に記載したオーディオ信号処理装
置によると、出力部に接続されたフロントの左右2チャ
ンネルの各スピーカから、残響信号が付加された各チャ
ンネル用のオーディオ信号が放音されると共に、残響信
号が付加されたリアチャンネルのオーディオ信号に基づ
いて生成された所定位置に音像がある仮想音像信号が、
このフロントの左右2チャンネルのスピーカから放音さ
れ、フロントの2チャンネルのスピーカだけを使用し
て、原音と残響音の再生と、仮想スピーカ位置からのリ
アチャンネルの原音と残響音の再生とが可能になり、残
響のシミュレーションと仮想音源配置との双方の効果に
より、極めてリアルに任意の音場を再現できるオーディ
オ信号処理が行える。
【0128】請求項9に記載したオーディオ信号処理装
置によると、請求項8に記載した発明において、仮想音
像処理部での仮想音像信号の生成は、所定位置からオー
ディオ信号を放音した場合の聴取者の耳元での音響伝達
関数を使用して生成させ、仮想音源の位置として、左リ
アチャンネル及び右リアチャンネルのスピーカが本来配
置される位置を含む複数の位置に設定したことで、フロ
ントの2チャンネルのスピーカだけを使用して、聴取者
を囲む良好な音場再現ができるオーディオ信号処理が行
える。
【0129】請求項10に記載したオーディオ信号処理
装置によると、請求項8に記載した発明において、仮想
音像処理部は、残響信号が付加された左リアチャンネル
と右リアチャンネルの2チャンネルのオーディオ信号に
基づいた仮想音像信号の他に、残響信号が付加されてな
いオーディオ信号に基づいた仮想音像信号を生成し、そ
れぞれの仮想音像信号を、残響信号が付加された左チャ
ンネル及び右チャンネルのオーディオ信号に混合する処
理を行うことで、残響信号が出力される音源の位置につ
いても、仮想音像信号に基づいて自由にコントロールで
きるようになり、より良好な音場再現ができるオーディ
オ信号処理が行える。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態による処理例を示す
構成図である。
【図2】本発明による仮想音像定位処理の説明に供する
説明図である。
【図3】本発明による仮想音像定位処理構成例を示す構
成図である。
【図4】本発明の第1の実施の形態による再生状態の例
を示す説明図である。
【図5】本発明の第1の実施の形態による信号処理構成
例を示すブロック図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態による処理例を示す
構成図である。
【図7】本発明の第2の実施の形態による再生状態の例
を示す説明図である。
【図8】本発明の第2の実施の形態による信号処理構成
例を示すブロック図である。
【図9】本発明の第3の実施の形態による処理例を示す
構成図である。
【図10】本発明の第3の実施の形態による信号処理構
成例を示すブロック図である。
【図11】従来のマルチチャンネルオーディオ信号によ
る処理例を示す構成図である。
【符号の説明】
11C,11L,11R,11SL,11SR…オーデ
ィオ信号入力端子、12…残響処理部、13…仮想音像
処理部、15…アンプ部、16…リスニングルーム、1
7C,17L,17R,17SL,17SR…スピーカ
(実際に配置されたスピーカ)、17VL,17VR…
仮想スピーカ、31C,31L,31R,31SL,3
1SR…オーディオ信号入力端子、32…残響処理部、
33…仮想音像処理部、34…アンプ部、35…リスニ
ングルーム、36C,36L,36R…スピーカ(実際
に配置されたスピーカ)、36VL,36VR…仮想ス
ピーカ、51C,51L,51R,51SL,51SR
…オーディオ信号入力端子、52…残響処理部、53…
第1の仮想音像処理部、54…第2の仮想音像処理部、
56…アンプ部、57…リスニングルーム、58C,5
8L,58R…スピーカ(実際に配置されたスピー
カ)、58VL,58VR…仮想スピーカ
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Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 左チャンネル,右チャンネル,左リアチ
    ャンネル,右リアチャンネルの少なくとも4チャンネル
    で構成されるオーディオ信号を、それぞれのチャンネル
    用のスピーカから放音させるオーディオ再生方法におい
    て、 上記4チャンネルのオーディオ信号に基づいて、所定の
    残響信号を生成させ、生成された残響信号を各チャンネ
    ルのオーディオ信号に付加して、各チャンネル用のスピ
    ーカから放音させると共に、 上記4チャンネルのオーディオ信号の内の少なくとも左
    リアチャンネルと右リアチャンネルの2チャンネルのオ
    ーディオ信号に基づいて、それぞれのチャンネルのオー
    ディオ信号を出力する実スピーカ位置とは異なる所定位
    置に音像がある仮想音像信号を生成させ、生成された仮
    想音像信号を上記左リアチャンネル及び右リアチャンネ
    ルのオーディオ信号に混合し、それぞれのチャンネル用
    のスピーカから放音させるオーディオ再生方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のオーディオ再生方法にお
    いて、 上記仮想音像信号の生成は、上記所定位置からオーディ
    オ信号を放音した場合の聴取者の耳元での音響伝達関数
    を使用して生成させるオーディオ再生方法。
  3. 【請求項3】 左チャンネル,右チャンネル,左リアチ
    ャンネル,右リアチャンネルの少なくとも4チャンネル
    で構成されるオーディオ信号を、左チャンネル用のスピ
    ーカと右チャンネル用のスピーカから放音させるオーデ
    ィオ再生方法において、 上記4チャンネルのオーディオ信号に基づいて、所定の
    残響信号を生成させ、生成された残響信号を各チャンネ
    ルのオーディオ信号に付加すると共に、 この残響信号が付加された4チャンネルのオーディオ信
    号の内の少なくとも左リアチャンネルと右リアチャンネ
    ルの2チャンネルのオーディオ信号に基づいて、所定位
    置に音像がある仮想音像信号を生成させ、生成された仮
    想音像信号を、上記残響信号が付加された左チャンネル
    及び右チャンネルのオーディオ信号に混合し、この混合
    された左チャンネル及び右チャンネルのオーディオ信号
    を、それぞれのチャンネル用のスピーカから放音させる
    オーディオ再生方法。
  4. 【請求項4】 請求項3記載のオーディオ再生方法にお
    いて、 上記仮想音像信号の生成は、上記所定位置からオーディ
    オ信号を放音した場合の聴取者の耳元での音響伝達関数
    を使用して生成させ、 上記所定位置として、左リアチャンネル及び右リアチャ
    ンネルのスピーカが本来配置される位置を含む複数の位
    置に設定したオーディオ再生方法。
  5. 【請求項5】 請求項3記載のオーディオ再生方法にお
    いて、 残響信号が付加された左リアチャンネルと右リアチャン
    ネルの2チャンネルのオーディオ信号に基づいた上記仮
    想音像信号の他に、残響信号が付加されてないオーディ
    オ信号に基づいた仮想音像信号を生成させ、それぞれの
    仮想音像信号を、上記残響信号が付加された左チャンネ
    ル及び右チャンネルのオーディオ信号に混合するオーデ
    ィオ再生方法。
  6. 【請求項6】 左チャンネル,右チャンネル,左リアチ
    ャンネル,右リアチャンネルの少なくとも4チャンネル
    で構成されるオーディオ信号が得られる入力部と、 上記入力部に得られる4チャンネルのオーディオ信号に
    基づいて、所定の残響信号を生成する残響処理部と、 上記入力部に得られる4チャンネルのオーディオ信号の
    内の少なくとも左リアチャンネルと右リアチャンネルの
    2チャンネルのオーディオ信号に基づいて、それぞれの
    チャンネルのオーディオ信号を出力する実スピーカ位置
    とは異なる所定位置に音像がある仮想音像信号を生成す
    る仮想音像処理部と、 上記残響処理部で生成された残響信号を、上記4チャン
    ネルのオーディオ信号に付加すると共に、上記仮想音像
    処理部で生成された仮想音像信号を、上記左リアチャン
    ネル及び右リアチャンネルのオーディオ信号に混合し
    て、それぞれのチャンネルのスピーカ用のオーディオ信
    号として出力する出力部とを備えたオーディオ信号処理
    装置。
  7. 【請求項7】 請求項6記載のオーディオ信号処理装置
    において、 上記仮想音像処理部での仮想音像信号の生成は、上記所
    定位置からオーディオ信号を放音した場合の聴取者の耳
    元での音響伝達関数を使用して生成させたオーディオ信
    号処理装置。
  8. 【請求項8】 左チャンネル,右チャンネル,左リアチ
    ャンネル,右リアチャンネルの少なくとも4チャンネル
    で構成されるオーディオ信号が得られる入力部と、 上記入力部に得られる4チャンネルのオーディオ信号に
    基づいて、所定の残響信号を生成し、各チャンネルのオ
    ーディオ信号に残響信号を付加する残響処理部と、 上記残響処理部で残響信号が付加された4チャンネルの
    オーディオ信号の内の少なくとも左リアチャンネルと右
    リアチャンネルの2チャンネルのオーディオ信号に基づ
    いて、所定位置に音像がある仮想音像信号を生成し、そ
    の生成された仮想音像信号を、上記残響処理部で残響信
    号が付加された左チャンネルと右チャンネルのオーディ
    オ信号に混合する仮想音像処理部と、 上記仮想音像処理部で仮想音像信号が混合された左チャ
    ンネルと右チャンネルのオーディオ信号を、それぞれの
    チャンネルのスピーカ用のオーディオ信号として出力す
    る出力部を備えたオーディオ信号処理装置。
  9. 【請求項9】 請求項8記載のオーディオ信号処理装置
    において、 上記仮想音像処理部での仮想音像信号の生成は、上記所
    定位置からオーディオ信号を放音した場合の聴取者の耳
    元での音響伝達関数を使用して生成させ、 上記所定位置として、左リアチャンネル及び右リアチャ
    ンネルのスピーカが本来配置される位置を含む複数の位
    置に設定したオーディオ信号処理装置。
  10. 【請求項10】 請求項8記載のオーディオ信号処理装
    置において、 上記仮想音像処理部は、残響信号が付加された左リアチ
    ャンネルと右リアチャンネルの2チャンネルのオーディ
    オ信号に基づいた上記仮想音像信号の他に、残響信号が
    付加されてないオーディオ信号に基づいた仮想音像信号
    を生成し、それぞれの仮想音像信号を、上記残響信号が
    付加された左チャンネル及び右チャンネルのオーディオ
    信号に混合する処理を行うオーディオ信号処理装置。
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