JP2000076731A - 磁性層と光記録層を有する記録テープ - Google Patents

磁性層と光記録層を有する記録テープ

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JP2000076731A
JP2000076731A JP10246360A JP24636098A JP2000076731A JP 2000076731 A JP2000076731 A JP 2000076731A JP 10246360 A JP10246360 A JP 10246360A JP 24636098 A JP24636098 A JP 24636098A JP 2000076731 A JP2000076731 A JP 2000076731A
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JP10246360A
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English (en)
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Satoru Hayakawa
悟 早川
Hiroo Inami
博男 稲波
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Fuji Photo Film Co Ltd
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  • Manufacturing Optical Record Carriers (AREA)
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 光記録層に信号記録パターンを形成する際
に、光記録層成分の飛散が防止され、ヘッドの耐久性が
良好で、かつより高密度化と高出力で高速アクセスが可
能な記録テープを提供すること。 【解決手段】支持体の一方の面に強磁性粉末とバインダ
ーからなる磁性層を有し、支持体の他方の面に光記録層
を有し、かつ該光記録層上に透明なフィラーを含む保護
層を有することを特徴とする記録テープ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、磁性層と光記録層
を有する記録テープに関するものであり、特に大容量の
情報が記録再生可能な記録テープに関するものである。
【0002】
【従来の技術】情報記録用テープは、磁気記録テープ、
光記録テープとも各々のテープ内に情報記録と位置信号
などのサーボ信号を記録面の一部で行われていた。また
レーザー光の照射により情報の記録または再生を行う光
学的情報記録媒体として各種の媒体が開発されている。
これらは記録面とサーボ信号を同一媒体で行われてい
る。トラッキング位置信号は溝やトラッキングサーボ信
号で行われており、またレーザー光のファーカシングの
ためフォーカスサーボ信号が記録される。これらは同一
ピットでも構わない。光記録はテープの高速搬送に特に
優れる。また、これらのディスク状の記録媒体よりも大
量の情報記録に適した光記録媒体として、テープ状の光
記録媒体が提案されている(特開平1−286130号
公報、同4−163736号公報、同4−163737
号公報、同6−89464号公報、同6−73958号
公報、同6−251425号公報等参照)。
【0003】このようなレーザー光の照射により情報の
記録または再生を行う光記録媒体は、通常、円板状の基
板又はテープ状の支持体上にレーザー光を吸収するため
の色素等を主成分とする光記録層が形成されており、レ
ーザー光を信号変調してこの光記録層に集光することに
より、該光記録層に信号記録パターン(いわゆるピット
またはマーク)を形成する。
【0004】また、記録されている情報の再生は、信号
記録パターン部分と信号記録パターンが形成されていな
い部分との反射率の差を検出することによって行われ
る。
【0005】このような光記録媒体は、磁気記録媒体な
どと同様に、トラックピッチを狭くすることができ、高
密度記録や信号の高速検知が可能である。これら従来の
光学的情報記録媒体は、波長780nmの赤外線レーザ
ーまたは波長630nmの赤色レーザー、波長410n
mの青色レーザーが利用されている
【0006】一方、磁気記録媒体の場合、例えば、トラ
ック幅が狭くなると、磁気記録媒体が走行位置からずれ
る場合や、温度、湿度などの環境変化で支持体が伸縮し
た場合、再生ヘッドはデータ―が記録されたトラックの
最適な位置からずれて走行するため出力が低下しやす
い。そこで最近は、上記光記録媒体と同様にサーボ信号
を磁気記録媒体の磁性層に記録し、このサーボ信号によ
りヘッドの相対位置を検出しヘッドがトラックの最適な
位置を走行できるようにヘッドの位置を制御する方法が
利用されている。
【0007】しかしこの方法では、磁性層側へのサーボ
信号のトラック分だけ、記録密度がすくなくなりさらに
は、磁気を使用してサーボを書き込む際に、ヘッドの目
詰まりが発生し易くなる等の問題がある。また、光記録
層に信号記録パターンを形成する際に、光記録層成分が
飛散し、ヘッドを汚し、磁気出力が低下するという問題
があった。
【0008】更に、磁性層及び光記録層を支持体の別面
に設けた記録媒体を開発するに当たって、この光記録層
のみであると、磁性層面への写りによる磁性層の表面粗
さが粗くなり、出力低下を引き起こすという問題があっ
た。更に、記録層のみでは、色素の脱落が発生しサーボ
トラック信号が正確に記録されない現象が生じた。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、光記録層に
信号記録パターンを形成する際に、光記録層成分の飛散
が防止され、ヘッドの耐久性が良好で、かつより高密度
化と高出力で高速アクセスが可能な記録テープを提供す
ることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、支持体の一方
の面に強磁性粉末とバインダーからなる磁性層を有し、
支持体の他方の面に光記録層を有し、かつ該光記録層上
に透明なフィラーを含む保護層を有することを特徴とす
る記録テープである。また、本発明の好ましい態様は以
下の通りである。
【0011】1 上記支持体と光記録層の間に、反射層
を設けたことを特徴とする記録テープ。 2 光記録層が色素及びバインダーを含有する塗布膜で
ある磁気テープ。 本発明は、支持体の各々の面に磁性層又は光記録層を設
けると共に光記録層上に透明なフィラーを含む保護層を
設けたことにより、上記目的を達成することができたも
のである。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明において、磁性層厚みは通
常、0.05〜2μm、好ましくは0.07〜1.5μ
m、更に好ましくは0.1〜1.0μmであり、光記録
層厚みは通常、0.05〜1μm、好ましくは0.1〜
0.8μm、更に好ましくは0.2〜0.5μmの範囲
である。これら厚さの範囲とすることにより、記録媒体
とヘッドとの当たりが良好となり、ヘッド目詰まり等を
起こすことがない。
【0013】光記録層上に設けられる保護層は、透明な
フィラーを含むが、この透明なフィラーはバインダーと
共に塗布により光記録層上に設けることが好ましい。透
明なフィラーとしては、メラミン樹脂、ベンゾグアナミ
ン樹脂等が例示され、これらは単独で使用乃至2種以上
が併用される。透明なフィラーとしては、ペレット状が
好ましく、その平均粒子径は約20〜300nmのもの
が好ましい。小さすぎると保護層面の突起が少なく走行
耐久性に不利であり、また一方大きすぎると、磁性層面
への突起の写りが発生し出力低下の原因となりやすい。
【0014】またこの保護層表面の突起の高さを確保す
るために、粒径の異なる2種類以上のものを使用しても
良い。また、保護層における配合量は、バインダーに対
して通常、0.01〜99重量%、好ましくは1〜95
重量%の範囲が挙げられる。 このような保護層の厚み
は、通常、0.05〜1μm、好ましくは0.1〜0.
9μmの範囲である。
【0015】本発明に使用される光記録層は、色素及び
バインダーを含有する塗布膜が好ましい。光記録層は、
赤外線、赤色、緑色又は青色に感応する色素の少なくと
も2つを有することが好ましい。光記録層は、後述され
るように色光(波長)に感応する色素を含有することに
より、その色光に対応して信号の記録再生が可能とな
る。
【0016】従って、光記録手段が、赤外レーザーから
赤色レーザー、青色レーザーと変化してきたとき、光記
録層は多くのレーザー光に対応することが望まれるが、
上記種々の色素を混ぜて同一層内の光記録層に存在させ
ることが極めて有効であることが分かった。通常の混合
では若干の吸収位置シフトが生じるが問題はない。また
互いに異なる色光に感応する色素を含む単独層を多層化
する事も有効である。
【0017】また、本発明の記録テープは、磁性層で情
報信号が記録され、かつ光記録層でサーボ信号が記録さ
れるか、あるいは光記録層で情報信号が記録され、かつ
磁性層でサーボ信号が記録されるが、好ましくは、前者
であり、光記録層にトラッキングサーボ信号とフォーカ
スサーボ信号が記録されることが好ましい。トラッキン
グサーボ信号は磁気信号の位置を決めるための信号であ
り、ファーカスサーボ信号はトラッキングを取るための
ピットまでの高さを決める信号である。
【0018】本発明の磁性層に含まれる強磁性粉末は、
強磁性金属粉末が好ましく、アルミナ及び/又はシリカ
を表層に含むものが、抗磁力が高く記録密度の高密度化
に優れ好ましい。強磁性金属粉末の平均長軸長は、0.
3μm以下、比表面積は40m2 /g以上が好ましい。
【0019】磁性層を厚みを薄層にし、再生厚み損失の
低減を図るため、特に、支持体と磁性層の間にバインダ
ーとフィラーからなる厚みが0.1〜5μmの中間層を
設けると歩留りよく厚み0.5μm以下の磁性層を設け
ることができる。バインダーは磁性層に使用するものを
使用することができる。上記中間層において、フィラー
は無くても良いが、磁性層に用いるものを使用すること
ができる。フィラーとしては、好ましくは酸化チタン、
硫酸バリウム、破砕アルミナ、球状アルミナ、針状アル
ミナ、炭酸カルシウム、シリカ、α−酸化鉄(針状、紡
錘形状、球状のものを含む)などが用いられ、中でも酸
化チタンとα−酸化鉄が好ましい。フィラーの平均粒子
径は0.01〜1μmのものが使用できる。フィラー/
バインダー比は、重量で1/20〜20/1が好まし
い。
【0020】光記録層は、上記機能が達成されるのであ
れば、特にその構造は制限されないが、SbInSn、
ZrNxなどの無機化合物やシアニン等の有機色素を有
することができる。無機化合物は蒸着などにより支持体
上に設けることができる。また、有機色素は単体若しく
はバインダーと共に塗布により支持体上に設けることが
できる。
【0021】光記録層に用いるバインダーとしては、セ
ルロースアセテートブチレート、ニトロセルロース等の
セルロース系樹脂、ポリウレタン樹脂等が光記録層の高
感度化を達成するために好ましい。これは、レーザー等
の光照射によりピットの開口が高感度となるためであ
る。支持体はエチレンテレフタレート、ポリエチレンナ
フタレート、ポリエチレンテレフタレートとポリエチレ
ンナフタレートとの混合物、エチレンテレフタレート成
分とエチレンナフタレート成分とを含む共重合物)、ポ
リオレフィン類(ポリプロピレン)、セルロース誘導体
類(セルロースジアセテート、セルローストリアセテ―
ト)、ポリカーボネート、ポリアミド(芳香族ポリアミ
ド、例えば、アラミド等)、ポリイミド(全芳香族ポリ
イミド)などを用いることができる。
【0022】また、支持体の表面粗さは、両面とも中心
面平均表面粗さ(Ra)で5nm以下であることが好ま
しい。Raは、WYKO社製TOPO3Dを用いて、M
IRAU法で約250μm×250μmの面積を測定し
て求める。測定波長約650nmにて球面補正、円筒補正
を加えている。本方式は光干渉にて測定する非接触表面
粗さ計である。
【0023】これらの中でポリエチレンテレフタレート
(PET)が特に好ましい。支持体の厚みは特に制限は
ないが2〜10μm(更に好ましくは3〜7μm、特に
好ましくは5〜6.5μm)の範囲にあることが好まし
い。この支持体は、予め反射層としての機能を持たせて
も良い。そのために先の光に対し反射率が高いCr、N
i、Pt、Cu、Ag、Au、AL、ステンレス鋼など
を支持体上に蒸着、あるいはスパッタリングまたはイオ
ンプレーティングして処理した支持体を用いることも可
能である。膜厚みは100〜200nmが好ましい。
【0024】また、支持体のMD(長手方向)とTD
(幅方向)のF5値は、8〜15Kg/mm2 が好まし
い。支持体のMDとTDの熱収縮率は、0.1〜0.6
%が好ましい。支持体の厚みは1〜20μmが好まし
い。光記録層にサーボ信号を書き込む場合、書き込みは
レーザーアレイ(並列)、シングル(1本)、マルチ
(複数本)タイプなどいろいろなものが可能である。フ
ォーカスサーボでピットに対する高さ決めを行い、トラ
ッキングは位置を決めるもので長手方向のピットを走査
する時、ピットの最大面積をトレースして最適値を取る
方法や、ある走査角のときのピットの信号の最大面積値
を検出する方法など特に制限されない。
【0025】本発明の記録テープの総厚みは、10μm
未満であることが好ましい。該厚みを薄くすることは記
録密度、特に記録体積密度を向上させるために好まし
い。以下、更に、本発明を詳細を説明する。初めに光記
録層について説明する。光記録層に含まれ得る色素とし
て、有機系色素を用いた場合を以下、説明するが、無機
系色素を用いた場合もその機能は同様である。
【0026】色素は、信号の記録に用いる光を吸収し得
る吸収スペクトルを示し、例えば、シアニン色素、メロ
シアニン色素、オキソノール色素、アゾメチン色素、ア
ゾ色素、フタロシアニン色素、ピリリウム系・チオピリ
リウム系色素、アズレニウム系色素、スクワリリウム色
素、Ni、Crなどの金属錯塩系色素、ナフトキノン系
・アントラキノン系色素、インドフェノール色素、シン
ドアニリン系色素、トリフェニルメタン系色素、トリア
リルメタン系色素、アミニウム系・ジインモニウム系色
素及びニトロソ化合物、及びこれらの色素構造を配位子
として有する金属錯体等があり、少なくとも1種を用い
ることができるが、異なる色光に対して感応な互いに異
なる色素を2つ以上光記録層に含まれることが好まし
い。
【0027】なおこれらの色素は単独で用いても、ある
いは2種類以上の混合物として用いても良い。またシアニン
系色素を用いる場合には、上記金属錯塩系色素または、
アミニウム系・ジインモニウム系色素をクエンチャーと
して金属錯塩系色素などを全色素1モルに対して0.0
01〜0.1モル含むことが好ましい。シアニン色素の
具体例として、下記式(a)の化合物が挙げられる。
【0028】
【化1】
【0029】式(a)中、R1 は、炭素原子数1〜10
のアルキル基であり、X- は対アニオンを示す。例え
ば、Cl- 、ClO4 - 、Br1 - 、BF4 - 、CF3
SO3 - などがある。nは0〜4の整数である。特に、
1 としては、例えば、メチル基、エチル基、n−ブチ
ル基、イソブチル基、2−エチルヘキシル基等が挙げら
れる。特に、R1 がn−ブチル基であるものは、溶解度
が高く塗布液を調製し易い点で、好ましい。また、式
(a)において、nが下記に示す値の場合には、それぞ
れ下記の波長のレーザーを用いる場合に有効である。以
下、レーザー光を用いた場合を説明する。
【0030】 n=0 波長423±25nm n=1 波長557±25nm n=2 波長650±25nm n=3 波長758±25nm
【0031】光記録層は、感応するレーザー光に対応し
て、前記色素が、適宜、選択されて含有される。例え
ば、赤外線に感応する赤外感応の光記録層を形成する場
合は、式(a)中nが3である化合物である。また、赤
色感応の光記録層を形成する場合は、式(a)中nが2
である化合物である。さらに、青色感応の光記録層を形
成する場合は、式(a)中nが0である化合物である。
【0032】光記録層は、これらの色素を固体分散物と
して含有するものが好ましい。ここで、固体分散物と
は、顔料分散物といってもよいものである。一般に、色
素溶液は色素化合物が溶媒等の媒質中に孤立した分子と
して存在するが、固体分散物中では色素の細かい固体
(微結晶)が媒質中に懸濁あるいは分散されているもの
である。両者の違いは、例えば、X線を照射した時に規
則的な結晶中の分子配列に由来する回折の有無で判断す
ることができる。
【0033】本発明において、光記録層中に固体分散物
として分散された色素の大きさは、情報の記録に用いら
れるレーザービームと同程度以上になるとノイズが大き
くなるので、0.1μm以上の粒径の粒子を含まないこ
とが重要である。
【0034】本発明の記録テープの光記録層にバインダ
ーとして含有される高分子化合物は、実質的に情報の記
録に用いられるレーザー光を吸収しないものであり、か
つ前記色素や退色防止剤などが結晶化せずに非晶質状態
を保ち易くするために用いられる。このような高分子化
合物の例としては、ゼラチン、デキストラン、ロジン、
ゴム等の天然高分子物質、セルロースあるいはニトロセ
ルロース、ジアセチルセルロース、セルロースアセテー
ト、セルロースアセテートブチレート等のセルロース誘
導体、ポリエチレン、ポリスチレン、ポリプロピレン、
ポリイソブチレン等の炭化水素系樹脂、ポリ塩化ビニ
ル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル−ポリ酢酸ビ
ニル共重合体等のビニル系樹脂、ポリアクリルアミド、
ポリアクリル酸メチル、ポリメタクリル酸メチル等のア
クリル樹脂、ポリウレタン、ポリビニルアルコール、塩
素化ポリオレフィン、ポリイミドまたはその部分下垂分
解物であるポリイミド酸、ポリスチレン、エポキシ樹
脂、ブチラール樹脂、ゴム誘導体、フェノール−ホルム
アルデヒド樹脂等の熱硬化性樹脂の初期重合物等の合成
高分子物質などを挙げることができる。
【0035】本発明の記録テープにおいて、光記録層中
の色素/バインダーの含有割合は、重量比で、通常、
0.1〜100の範囲であり、好ましくは0.5〜20
の範囲である。一般に、光記録層における光エネルギー
の吸収量は色素の含有量が多いほど大である。バインダ
ーが多くなると膜厚が大となり、情報の記録時に光記録
層を変形させるに要するエネルギーが増大し、感度が低
下する。あるいは膜厚が厚くなるほど塗膜の平滑性が低
下しノイズが大となる。したがって、バインダーの量は
色素の固定性を損なわない限り少ない方が好ましいの
で、色素/バインダーの重量比が前記範囲にあることが
好ましい。また、赤外感応の光記録層においては、色素
/バインダーの含有割合は、好ましくは0.5〜10の
範囲である。また、赤色感応の光記録層においては、色
素/バインダーの含有割合は、好ましくは0.5〜20
の範囲である。さらに、青色感応の光記録層において
は、色素/バインダーの含有割合は、好ましくは1〜2
0の範囲である。
【0036】光記録層には、光記録層に含有される前記
の色素の光退色を防止する目的で一重項酸素クエンチャ
ーを添加することが好ましい。この一重項酸素クエンチ
ャーとしては、例えば米国特許第4,999,281号
公報、特開昭59−178295号公報などに記載され
たクエンチャー、特開平6−321872号公報に記載
されたアミニウム化合物等が挙げられる。
【0037】本発明の記録テープにおいて、光記録層
は、異なる色光に感応する層を二層以上有し、該層の間
に、中間層を少なくとも1つ有するものが好ましい。こ
の中間層は、信号を記録または再生するために用いられ
るレーザー光により、信号の記録単位であるピットの変
形を防止する役割を有するものである。
【0038】本発明の記録テープが、青色感応の光記録
層と赤外感応の光記録層を併有する場合、青色感応の光
記録層の下層に中間層を配置し、情報を記録または再生
するために青色感応の光記録層に入射される青色レーザ
ーによって、その下層の赤外感応の光記録層が感応する
の防止するために、中間層に黄色フィルターとしての役
割を併有させると、有効である。
【0039】この中間層を形成する素材としては、バイ
ンダー、低融点油状物質、染料、顔料等が挙げられる。
特に、中間層が黄色フィルターの役割を有する場合に
は、黄色染料を含有することが好ましい。
【0040】この中間層の厚さは、通常、0.05〜
0.2μm、好ましくは0.1〜0.2μmである。ピ
ットの変形を防止するためには、厚さが0.05μm以
上の中間層が好ましく、下層に赤色感応の光記録層を配
設する場合には、赤色感応の光記録層の赤色感度を低下
させないために、中間層の厚さは0.2μm以下である
ことが好ましい。
【0041】本発明の記録テープが、青色感応の光記録
層を有する場合には、青色感応の光記録層を最上層と
し、その下に中間層を介して緑色感応の光記録層、赤色
感応の光記録層および/または赤外感応の光記録層を積
層する構成が好ましい。特に、青色感応の光記録層と、
緑色感応の光記録層、赤色感応の光記録層、および赤外
感応の光記録層を有する記録テープの場合には、青色感
応の光記録層を最上層とし、その下に黄色フィルターの
役割を有する中間層を介して、緑色感応の光記録層、赤
色感応の光記録層、赤外感応の光記録層の順に積層する
層構成が好ましい。
【0042】本発明の記録テープにおいて、最上層の光
記録層の表面の中心面平均表面粗さ(Ra)は、記録再
生光の散乱を防ぐため平滑性が高い必要があることか
ら、通常、1〜500nm、好ましくは1〜30nmで
ある。
【0043】一般に、情報の記録または読取りに用いる
反射光は、入射面からの反射と支持体面からの反射光と
が重なった光である。したがって、光の波長と膜厚に依
存して互いに干渉する。そのため、レーザービームを照
射して光記録層を変形させた時に、この干渉の関係が大
きく変化すれば信号強度は大きくなって好ましい。した
がって、層の厚さを情報の記録または読取りに用いるレ
ーザービームの波長の1/4n(但し、nは光記録層の
屈折率を示す)、の整数倍、例えば、赤外線レーザーを
用いる場合は、赤外線の波長780nm前後の1/4程
度に設定しておくと、記録層の変形に伴う光の干渉の変
化が大きくなるので、記録層厚さを50〜250nmと
するのが好ましい。また、平滑性を付与しやすい点で
も、あまり厚くなく、この程度の厚さが好ましい。ま
た、赤色感応の光記録層の場合には、好ましくは40〜
200nmである。さらに青色感応の光記録層の場合に
は、好ましくは30〜150nmである。
【0044】本発明の記録テープにおいて、情報の記録
時などに発生する熱は光記録層および隣接層の変形(色
素の熱分解を含む)に使われる。構成要素の熱伝導率は
低い方が熱が有効に使われるので好ましい。一般に空気
の方が固体より熱伝導率が低いので保護層などを設けな
い方が熱の利用効率は高く、記録感度が高くなる。ただ
し傷つきにくさなど機械的な強度、光記録層成分の飛散
防止等との兼ね合いで、本発明では光記録層上に前記保
護層が設けられる。
【0045】本発明の保護層のバインダー素材として
は、セルロースエステル系、塩化ビニリデン系、塩酢ビ
系、ノルボルネン系、アクリル系、ポリカーボネート
系、ポリビニルアルコール、ゼラチンなどのポリマーを
用いることができる。また滑り性を向上させる目的で、
シリコンまたはフッ素を含有するポリマー、界面活性剤
などを含んでいてもよい。
【0046】本発明の記録テープにおいて、この保護層
は、記録再生光の散乱を防ぐため平滑性が高い必要があ
ることから、中心面平均表面粗さRaが、通常、0.1
〜100nm、好ましくは0.1〜30nmである。
【0047】本発明の記録テープにおいて、各光記録
層、保護層、あるいは中間層、および必要に応じて設け
られるその他の層には、潤滑剤、分散剤、帯電防止剤、
表面処理剤、遮光剤、酸化防止剤、防黴剤、あるいはカ
ーボンブラック等の一般的な光記録媒体に形成する層に
添加される各種添加剤を添加してもよい。
【0048】本発明の記録テープは、光記録層と支持体
との間に反射層を有していてもよい。この反射層は、
金、アルミニウム等の金属からなるものであってもよい
し、あるいは特開平4−3345号公報に記載されたよ
うな有機化合物からなるものであってもよい。また、屈
折率の異なる材質の層を積層して反射層としてもよい
し、さらに、特開平2−2088683号公報に記載さ
れたような非金属色素からなる反射層であってもよい。
これらの中でも、製造コストの点で、あるいは他の層と
の混合の懸念がない点で金属製の反射膜が好ましい。材
質としては、蒸着によって容易に設置でき、価格も低い
アルミニウムが好ましいが、金、銀など近赤外域の反射
率が高い他の金属も好ましく利用できる。
【0049】本発明の記録テープにおいては、支持体を
介して光記録層の反対側に、情報の記録または読取りに
用いられる光を吸収する反射防止層を有すると、好まし
い場合がある。この反射防止層の材質および層構成とし
ては、カーボンブラックと適当なバインダーとの組み合
わせ、あるいは情報の記録または再生に用いるレーザー
の波長の光を吸収する染料や顔料とバインダーとの組み
合わせからなるものが好ましい。
【0050】本発明の記録テープにおいて、この反射防
止層は、支持体の表面に形成し、通常、その上に磁性層
が積層される。その理由は市販のアルミ蒸着フィルムを
そのまま用いることができ、コスト的に有利であるから
である。
【0051】本発明は、光記録層に潤滑剤を用いること
が好ましい。この潤滑剤は、一連の製造処理工程、例え
ばスリット工程や記録再生装置内でテープ状の記録媒体
を走行させると、テープの機器との接触あるいはテープ
表裏の接触により光記録層等が傷つきバインダー屑が発
生する。バインダー屑は機器とテープの間にはさまれて
更にテープ表面を傷つけたり、光記録層の表面に付着し
て信号入出力時にノイズを引き起こしたりするなど非常
に深刻な問題となる。そこで、滑り剤は、テープ走行時
に生じるテープの傷つきやバインダー屑の発生を抑える
ため、およびテープ走行性を改良するために用いられ
る。
【0052】好ましく用いられる潤滑剤としては、例え
ば、特公昭53−242号公報に開示されているような
ポリオルガノシロキサン、米国特許第4,275,14
6号明細書に記載されているような高級脂肪酸アミド、
特公昭58−33541号公報、英国特許第927,4
46号明細書、或いは特開昭55−126238号公
報、及び同58−90633号公報に開示されているよ
うな高級脂肪酸エステル(炭素数10〜24の脂肪酸と
炭素数10〜24のアルコールのエステル)、そして、
米国特許第3,933,516号明細書に記載されてい
るような高級脂肪酸金属塩、また、特開昭58−505
34号公報に記載されているような、直鎖高級脂肪酸と
直鎖高級アルコールのエステル、国際公開公報第901
08115.8号に記載されているような分岐アルキル
基を含む高級脂肪酸−高級アルコールエステル等があげ
られる。
【0053】また、滑り剤として、キャンデリラワック
ス、カルナウバワックス、オウリキュリーワックス、ラ
イスワックス、砂糖ろう、木ろう、蜜ろう、鯨ろう、シ
ナ昆虫ろう、セラックろう、モンタンろう等の天然ワッ
クスも好ましく用いることができる。
【0054】テープ状の記録媒体の光記録層が、潤滑剤
を含有する場合、その含有量は、特に限定されないが、
十分な耐傷性、滑り性を発現するためには、1〜500
mg/m2 であればよく、好ましくは3〜200mg/
2 、特に好ましくは5〜100mg/m2 である。
【0055】本発明の記録テープにおいて、潤滑剤を含
有する層には種々の添加剤を加えることができる。例え
ば、10〜22個の炭素原子を有する一塩基脂肪酸(飽
和、不飽和、Li,Na,K,Cu塩を含む)、2〜2
2個の炭素原子を有する1〜6価のアルコール(飽和、
不飽和を含む)、12〜22個の炭素原子を有するアル
コキシアルコール(飽和、不飽和を含む)、12〜22
個の炭素原子を有する一塩基脂肪酸のエステル(飽和、
不飽和を含む)、8〜22個の炭素原子を有する脂肪酸
アミド等があげられる。これらの化合物の具体例として
は、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステア
リン酸、ベヘニン酸、オレイン酸、リノレン酸、ステア
リン酸ブチル、ステアリン酸オクチル、ステアリン酸イ
ソオクチル、ステアリン酸アミル、ステアリン酸ブトキ
シエチル、オレイルアルコール、ラウリルアルコールな
どがあげられる。
【0056】本発明において、潤滑剤を含有する層を形
成する場合には、前記各層を形成するために用いられる
塗布液に前記潤滑剤の分散、または溶解させて用いるこ
とができる。潤滑剤を分散または溶解させるための溶媒
としては、潤滑剤の分散安定性、または溶解性を悪化さ
せないものであれば良く、例えば、水、各種界面活性剤
を含有した水、アルコール類(メタノール、エタノー
ル、イソプロパノール、ブタノールなど)、ケトン類
(アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンな
ど)、エステル類(酢酸、蟻酸、シュウ酸、マレイン
酸、コハク酸などのメチル、エチル、プロピル、ブチル
エステルなど)、炭化水素系(ヘキサン、シクロヘキサ
ンなど)、ハロゲン化炭化水素系(メチレンクロライ
ド、クロロホルム、四塩化炭素など)、芳香族炭化水素
系(ベンゼン、トルエン、キシレン、ベンジルアルコー
ル、安息香酸、アニソールなど)、アミド系(ジメチル
ホルムアミド、ジメチルアセトアミド、n−メチルピロ
リドンなど)、エーテル系(ジエチルエーテル、ジオキ
サン、テトラハイドロフランなど)、プロピレングリコ
ールモノメチルエーテルなどのエーテルアルコール類、
グリセリン、ジエチレングリコール、ジメチルスルホキ
シド等がある。この中でも水、各種界面活性剤を含有し
た水、アルコール類、ケトン類、エステル類が好まし
い。
【0057】本発明の記録テープにおいては、光記録層
は、記録又は再生に用いる光に対して、反射率15%以
上、透過率30%以下であることが好ましい。反射率が
低いと読取り信号が弱く、C/Nが低くなる。吸収透過
率が高いと記録感度が低くなる。
【0058】本発明の光記録層等の層は、支持体上に各
層を所定の順序、所定の膜厚で形成される。支持体上に
前記の各層を形成する方法としては、各層の構成成分を
含有する塗布液を塗布して、順次、又は同時に各層を形
成する方法が挙げられる。ディスク状の支持体上に各層
を形成する方法としては、スピンコート法、スライドコ
ート法、カーテンコート法、エクストルージョンコート
法、ワイヤーバーコート法、グラビアコート法、スプレ
イコート法等の方法が挙げられる。
【0059】また、テープ状の支持体上に各層を塗布す
る方法としては、特に、生産性と膜厚の精度の観点か
ら、薄層の塗布が可能で、かつ充分均一な塗膜を形成で
きる方法として、写真感光材料の製造に広く用いられて
いるスライドコーター、カーテンコーター、エクストル
ージョンコーター、ワイヤーバーコーター、グラビアコ
ーターを用いる塗布方法が好ましい。各層の塗布は、ス
ライドコーター、カーテンコーター、エクストルージョ
ンコーターを用いて、一層づつ逐次的に塗布するか、あ
るいは複数の層を同時に塗布することもできる。塗布速
度は、例えば毎分1メートル〜1000メートルの広い
範囲で選択し得るが、塗布面質の均一性と塗布速度の安
定性を維持し易い毎分10メートル〜200メートルが
好ましい。
【0060】本発明において上記の各光記録層を塗布に
よって形成する際に調製する塗布液は、水、有機溶媒、
あるいはこれらの混合物に塗布すべき素材を溶解もしく
は分散して調製する。例えば、色素と、バインダーとし
ての高分子化合物とを主体とする混合物を塗布する場合
の溶媒としては、ケトン類(例えばメチルエチルケト
ン、シクロヘキサノン、アセトン)、アルコール類(例
えばエタノール、ブタノール、シクロヘキサノール、ジ
アセトンアルコール、2,2,3,3−テトラフルオロ
−1−プロパノール)、ハロゲン化炭化水素類(ジクロ
ロメタン、1,2−ジクロロエタン)等が挙げられる。
塗布液の粘度は0.5〜1000cP、特に高速で薄層
の塗布を行うためには0.5〜100cPが好ましい。
また、塗布性を向上させるため、塗布液に界面活性剤、
増粘剤を、また、塗布後の乾燥風による流れむらを抑制
するための結晶核剤、ゲル化剤、好ましくは高分子鎖を
共有結合で架橋するための多官能性化合物(例えばアル
キレンジイソシアネート類、ジクロロトリアジン類、ビ
スビニルスルホン類など)などを添加することもでき
る。
【0061】また、光記録層を支持体上に、安定に、塗
布液の塗布によって形成するために、支持体上に下塗り
層を予め形設してから各層を形成してもよい。下塗り層
を設置すると支持体と光記録層の密着性が向上し、ハガ
レやハジキを防止することができるという効果を有する
ので好ましい。下塗り層の組成としては、光記録層を形
成するための塗布液と親和性がある成分が好ましい。特
に、ポリマーバインダーの塗布によって形成するのが好
ましい。また金属(アルミニウムなど)を蒸着してもよ
い。
【0062】また、支持体上に塗布液の塗布によって、
光記録層を安定に形成するために、色素とバインダーと
を共有結合で連絡してもよい。例えば、色素として反応
性染料を用い、バインダーとしてセルロース系ポリマ
ー、ゼラチン等の水酸基やアミノ基を含むポリマーを用
いることが好ましい。あるいはジイソシアネート等の架
橋剤の存在下に水酸基又はアミノ基を有する色素と水酸
基やアミノ基を含むバインダーとを混合して塗布するこ
とが好ましい。
【0063】本発明の記録テープの製造工程、例えば、
有機溶剤の塗工工程において、過剰なウエブへの帯電は
塗装ムラを誘発したり、放電により着火の危険性から望
ましくない。更にテープへの裁断を行うスリット工程で
も裁断の際に発生する裁断屑がテープに付着したり、特
にテープが薄い場合にはテープ同志の静電気による付着
などは走行時のジャミングを発生させるなど重大な問題
を引き起こす。このため、帯電防止層を適宜設けること
ができる。帯電防止層は光記録層側でも反射面でもよ
く、光記録層中でも下塗り層としてもよい。
【0064】このため、本発明の記録テープには、テー
プに帯電防止機能を付与することが望ましい。テープ状
の記録媒体に要求される帯電防止機能としては表面抵抗
値SRと電荷漏洩速度が挙げられる。表面抵抗値として
は通常、log(SR)10以下、好ましくは8以下で
あり、電荷漏洩速度としては8KV印加時の電荷半減期
Thが通常、60秒以下、好ましくは10秒以下であ
る。
【0065】本発明の記録テープに適用される光は、Y
AGなどの固体レーザー(160nm)、アルゴンレー
ザー(488nm)、ヘリウム−ネオンレーザー(63
3nm)などのガスレーザー、半導体レーザー(例えば
830nm、780nm、680nm、635nm、4
10nm)等のレーザーを信号を記録または再生する光
記録層の色素の感応する波長に応じて適宜選択すること
ができる。
【0066】信号の記録時のレーザーパワーは2mW以
上であることが好ましく、信号の読取り時のレーザーパ
ワーは1mW以下であることが好ましい。
【0067】装置が小型にできる点で好ましいのは半導
体レーザーであり、好ましい例としては780nmの半
導体レーザーで、6〜15mWのパワーで書き込み、1
mW以下のパワーで読取ることである。
【0068】ビーム直径は0.4〜2μm程度が好まし
い。記録テープとレーザービームとの相対線速度は1〜
20m/秒であり、好ましくは5〜15m/秒である。
【0069】次に本発明記録テープの磁性層について詳
述する。磁性層は、支持体上に、下塗り層、中間層をこ
の順番に設け、この中間層の上に設けることが好まし
い。下塗り層は、乾燥後厚みが通常、0.01〜1μm
である。
【0070】本発明の磁性層に使用する強磁性粉末とし
ては,γ−Fe2 3 ,Co含有(被着,変成,ド−
プ)のγ−Fe2 3 ,Fe3 4 ,Co含有(被着,
変成,ド−プ)のFe3 4 ,γ−FeOX ,Co含有
(被着,変成,ド−プ)の γ−FeOx(X=1.3
3〜1.50),CrO2 ,及び六方晶系フェライト粉
末、強磁性金属粉末等公知の強磁性粉末が使用でき,特
に強磁性金属粉末を主体としたものである。
【0071】本発明に使用される強磁性金属粉末として
は、特に制限されるべきものではないが、特に鉄,コバ
ルトあるいはニッケルを含む強磁性金属粉末(合金を含
む)を用いるとその効果が顕著であって、その比表面積
は通常、35m2 /g以上、抗磁力が通常、63200
〜237000A/m、より好ましくは102700〜
142200A/m以上の強磁性金属粉末を使用するこ
とが好ましい。この強磁性金属粉末の詳細な例として
は,強磁性金属粉末中の金属分が60重量%以上であ
り,そして金属分の70重量%以上が少なくとも1種類
の強磁性金属あるいは合金(例,Fe、Co、Ni、F
e−Co、Fe−Ni、Co−Ni、Co−Ni−F
e)であり,該金属分の40重量%以下、より好ましく
は20重量%の範囲内で他の成分(例,Al、Si、
S、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Cu、Zn、Y、M
o、Rh、Pd、Ag、Sn、Sb、Te、Ba、T
a、W、Re、Au、Hg、Pb、Bi、La、Ce、
Pr、Nd、B、P)を含むことのある合金や,窒化鉄
や炭化鉄等を挙げることができる。また,上記強磁性金
属が少量の水,水酸化物または酸化物、アルカリ金属元
素(Na、K、等)、アルカリ土類金属元素(Mg、C
a、Sr)を含むものなどであってもよい。これらの強
磁性金属粉末の製造方法は既に公知であり,本発明で用
いる強磁性粉末の代表例である強磁性金属粉末について
もこれら公知の方法に従って製造することができる。
【0072】すなわち,強磁性金属微粉末の製造方法の
例としては,下記の方法を挙げることができる。 (a)複合有機酸塩(主としてシュウ酸塩)を水素など
の還元性気体で還元する方法、(b)酸化鉄を水素など
の還元性気体で還元してFeあるいはFe−Co粒子な
どを得る方法、(c)金属カルボニル化合物を熱分解す
る方法、(d)強磁性金属の水溶液に水素化ホウ素ナト
リウム,次亜リン酸塩あるいはヒドラジンなどの還元剤
を添加して還元する方法、(e)水銀陰極を用い強磁性
金属粉末を電解祈出させたのち水銀と分離する方法、
(f)金属を低圧の不活性気体中で蒸発させて微粉末を
得る方法、強磁性粉末を使用する場合に,その形状にと
くに制限はないが通常は針状,粒状,サイコロ状,米粒
状および板状のものなどが使用される。この強磁性金属
粉末の比表面積(SBET )は40m2 /g以上であるこ
とが好ましく,さらに45m2 /g以上のものを使用す
ることが特に好ましい。
【0073】これら強磁性金属粉末の抗磁力(Hc)は
79000〜158000A/mがより好ましい。また
これら強磁性体のσsは100〜200emu/gが好
ましい。結晶子サイズは150〜300Åが好ましい。
これらの強磁性金属粉末の例示は特開昭53−7039
7号、特開昭58−119609号、特開昭58−13
0435号、特開昭59−80901号、特開昭59−
16903号、特開昭59−41453号、特公昭61
−37761号、米国特許4447264号、米国特許
4791021号、米国特許4931198号の公報等
に記載されている。
【0074】本発明の磁性層は、カーボンブラック等の
添加剤を含むことができる。磁性層に使用されるカーボ
ンブラックはゴム用ファ−ネス,ゴム用サ−マル,カラ
−用ブラック,アセチレンブラック等を用いる事ができ
る。これらカーボンブラックはテープの帯電防止剤、遮
光剤、摩擦係数調節剤、耐久性向上を目的として使用さ
れる。これらカ−ボンブラックの米国における略称の具
体例をしめすとSAF,ISAF,IISAF,T,H
AF,SPF,FF,FEF,HMF,GPF,AP
F,SRF,MPF,ECF,SCF,CF,FT,M
T,HCC,HCF,MCF,LFF,RCF等があ
り,米国のASTM規格のD−1765−82aに分類
されているものを使用することができる。本発明に使用
されるこれらカ−ボンブラックの平均粒子径は 5〜1
000nm(電子顕微鏡),窒素吸着法比表面積は1〜
800m2 /g,pHは4〜11(JIS規格K−62
21−1982法),ジブチルフタレ−ト(DBP)吸
油量は10〜800ml/100g(JIS規格K−6
221−1982法)である。本発明に使用されるカ−
ボンブラックのサイズは,塗布膜の表面電気抵抗を下げ
る目的で5〜100nmのカ−ボンブラックを,また塗
布膜の強度を制御するときに50〜1000nmのカ−
ボンブラックを用いる。また塗布膜の表面粗さを制御す
る目的でスペ−シングロス減少のための平滑化のために
より微粒子のカ−ボンブラック(100nm未満)を,
粗面化して摩擦係数を下げる目的で粗粒子のカ−ボンブ
ラック(100nm以上)を用いる。このようにカ−ボ
ンブラックの種類と添加量は記録テープに要求される目
的に応じて使い分けらる。また,これらのカ−ボンブラ
ックを,後述の分散剤などで表面処理したり,樹脂でグ
ラフト化して使用してもよい。また,カ−ボンブラック
を製造するときの炉の温度を2000℃以上で処理して
表面の一部をグラファイト化したものも使用できる。ま
た,特殊なカ−ボンブラックとして中空カ−ボンブラッ
クを使用することもできる。
【0075】これらのカ−ボンブラックは磁性層の場
合、強磁性金属粉末100重量部に対して0.1〜30
重量部で用いることが望ましい。また、この場合後述す
る樹脂100重量部に対して20〜400重量部で用い
ることが望ましい。本発明に使用出来るカ−ボンブラッ
クは例えば『カ−ボンブラック便覧』,カ−ボンブラッ
ク協会編(昭和46年発行)を参考にすることが出来
る。これらカ−ボンブラックの例示は米国特許4539
257号、米国特許4614685号、特開昭61−9
2424号、特開昭61−99927号の公報等に記載
されている。
【0076】本発明の磁性層で用いられる研磨剤は、磁
気テープの耐久性やVTRのヘッドクリーニング効果を
向上させるために用いられ、一般的に研磨作用若しくは
琢磨作用をもつ材料で α−アルミナ,γ−アルミナ,
α、γ−アルミナ 熔融アルミナ,炭化珪素,酸化クロ
ム,酸化セリウム,コランダム,人造ダイヤモンド,ダ
イヤモンド、α−酸化鉄,ザクロ石,エメリ−(主成
分:コランダムと磁鉄鉱),ガ−ネット,珪石,窒化珪
素,窒化硼素,炭化モリブデン,炭化硼素,炭化タング
ステン,チタンカ−バイド,トリポリ,ケイソウ土,ド
ロマイト等で,主としてモ−ス硬度6以上の材料が1内
至4種迄の組合わせで使用される.これらの研磨剤は平
均粒子径が0.005〜5μmの大きさのものが使用さ
れ,特に好ましくは0.01〜2μmである。これらの
研磨剤は磁性層の場合、強磁性金属粉末100重量部に
対して0.01〜20重量部の範囲で添加される。ま
た、この場合、後述する樹脂100重量部に対して0.
01〜5重量部で用いることが望ましい。これらの具体
例としては住友化学(株)製のAKP1、AKP15、
AKP20、AKP30、AKP50、AKP80、H
it50、Hit100等が挙げられる。これらについ
ては特公昭52−28642号,特公昭49−3940
2号,特開昭63−98828号,米国特許36877
25号,米国特許3007807号,米国特許3041
196号,米国特許3293066号,米国特許363
0910号,米国特許3833412号,米国特許41
17190号,英国特許1145349号,西独特許8
53211号等に記載されている。
【0077】本発明の磁性層に使用されるバインダ−と
しては従来公知の熱可塑性樹脂,熱硬化性樹脂,反応型
樹脂、電子線硬化型樹脂、紫外線硬化型樹脂、可視光線
硬化型樹脂やこれらの混合物が使用される。熱可塑性樹
脂としては軟化温度が150℃以下,平均分子量が10
000〜300000,重合度が約50〜2000程度
のものでより好ましくは200〜600程度であり,例
えば塩化ビニル酢酸ビニル共重合体,塩化ビニル共重合
体,塩化ビニル酢酸ビニルビニルアルコール共重合体,
塩化ビニルビニルアルコール共重合体,塩化ビニル塩化
ビニリデン共重合体,塩化ビニルアクリロニトリル共重
合体,アクリル酸エステルアクリロニトリル共重合体,
アクリル酸エステル塩化ビニリデン共重合体,アクリル
酸エステルスチレン共重合体,メタクリル酸エステルア
クリロニトリル共重合体,メタクリル酸エステル塩化ビ
ニリデン共重合体,メタクリル酸エステルスチレン共重
合体,ウレタンエラストマ−,ナイロン−シリコン系樹
脂,ニトロセルロース−ポリアミド樹脂,ポリフッ化ビ
ニル,塩化ビニリデンアクリロニトリル共重合体,ブタ
ジエンアクリロニトリル共重合体,ポリアミド樹脂,ポ
リビニルブチラ−ル,セルロ−ス誘導体(セルロ−スア
セテ−トブチレ−ト,セルロ−スダイアセテ−ト,セル
ロ−ストリアセテ−ト,セルロ−スプロピオネ−ト,ニ
トロセルロ−ス,エチルセルロ−ス,メチルセルロ−
ス,プロピルセルロ−ス,メチルエチルセルロ−ス,カ
ルボキシメチルセルロ−ス,アセチルセルロ−ス等),
スチレンブタジエン共重合体,ポリエステル樹脂,ポリ
カーボネート樹脂、クロロビニルエーテルアクリル酸エ
ステル共重合体,アミノ樹脂,各種の合成ゴム系の熱可
塑性樹脂及びこれらの混合物等が使用される。これらの
樹脂の例示は特公昭37−6877号,特公昭39−1
2528号,特公昭39−19282号,特公昭40−
5349号 特公昭40−20907号,特公昭41−
9463号,特公昭41−14059号,特公昭41−
16985号 特公昭42−6428号,特公昭42−
11621号,特公昭43−4623号,特公昭43−
15206号 特公昭44−2889号,特公昭44−
17947号,特公昭44−18232号,特公昭45
−14020号,特公昭45−14500号,特公昭4
7−18573号,特公昭47−22063号,特公昭
47−22064号 特公昭47−22068号,特公
昭47−22069号,特公昭47−22070号,特
公昭47−27886号,特開昭 57−13352
1,特開昭58−137133,特開昭58−1665
33,特開昭58−222433,特開昭59−586
42等、米国特許4571364号、米国特許4752
530号の公報等に記載されている。
【0078】熱硬化性樹脂又は反応型樹脂としては塗布
液の状態では200000以下の分子量であり,塗布,
乾燥後に加熱加湿することにより,縮合,付加等の反応
により分子量は無限大のものとなる。又,これらの樹脂
のなかで,樹脂が熱分解するまでの間に軟化又は溶融し
ないものが好ましい。具体的には例えばフェノ−ル樹
脂,フェノキシ樹脂,エポキシ樹脂,ポリウレタン樹
脂,ポリエステル樹脂、ポリウレタンポリカーボネート
樹脂,尿素樹脂,メラミン樹脂,アルキッド樹脂,シリ
コン樹脂,アクリル系反応樹脂(電子線硬化樹脂),エ
ポキシ−ポリアミド樹脂,ニトロセルロースメラミン樹
脂,高分子量ポリエステル樹脂とイソシアネ−トプレポ
リマーの混合物,メタクリル酸塩共重合体とジイソシア
ネートプレポリマーの混合物,ポリエステルポリオール
とポリイソシアネートとの混合物,尿素ホルムアルデヒ
ド樹脂,低分子量グリコ−ル/高分子量ジオ−ル/トリ
フェニルメタントリイソシアネートの混合物,ポリアミ
ン樹脂,ポリイミン樹脂及びこれらの混合物等である。
これらの樹脂の例示は特公昭39−8103号,特公昭
40−9779号,特公昭41−7192号,特公昭4
1−8016号 特公昭41−14275号,特公昭4
2−18179号,特公昭43−12081号,特公昭
44−28023号 特公昭45−14501号,特公
昭45−24902号,特公昭46−13103号,特
公昭47−22065号 特公昭47−22066号,
特公昭47−22067号,特公昭47−22072
号,特公昭47−22073号 特公昭47−2804
5号,特公昭47−28048号,特公昭47−289
22号等の公報に記載されている。これらの熱可塑,熱
硬化性樹脂,反応型樹脂は,主たる官能基以外に官能基
としてカルボン酸(COOM),スルフィン酸,スルフ
ェン酸、スルホン酸(SO3M),燐酸(PO(OM)
(OM)),ホスホン酸、硫酸(OSO3M),及びこ
れらのエステル基等の酸性基(MはH、アルカリ金属、
アルカリ土類金属、炭化水素基)、アミノ酸類;アミノ
スルホン酸類,アミノアルコ−ルの硫酸または燐酸エス
テル類,アルキルベタイン型等の両性類基,アミノ基,
イミノ基,イミド基,アミド基等また,水酸基,アルコ
キシル基,チオ−ル基,アルキルチオ基、ハロゲン基
(F、Cl、Br、I),シリル基,シロキサン基、エ
ポキシ基、イソシアナト基、シアノ基、ニトリル基、オ
キソ基、アクリル基、フォスフィン基を通常1種以上6
種以内含み,各々の官能基は樹脂1gあたり1×10-6
eq〜1×10-2eq含む事が好ましい。
【0079】これらの結合剤の単独又は組合わされたも
のが使われ,ほかに添加剤が加えられる。磁性層の強磁
性金属粉末と結合剤との混合割合は重量比で強磁性金属
粉末100重量部に対して結合剤5〜300重量部の範
囲で使用される。添加剤としては分散剤,潤滑剤,研磨
剤,帯電防止剤,酸化防止剤,溶剤等がくわえられる。
【0080】本発明の磁性層にもちいるポリイソシアネ
−トとしては,トリレンジイソシアネ−ト,4,4’−
ジフェニルメタンジイソシアネ−ト,ヘキサメチレンジ
イソシアネ−ト,キシリレンジイソシアネ−ト,ナフチ
レン−1,5−ジイソシアネ−ト,o−トルイジンジイ
ソシアネ−ト,イソホロンジイソシアネ−ト,トリフェ
ニルメタントリイソシアネ−ト,イソホロンジイソシア
ネ−ト等のイソシアネ−ト類,又当該イソシアネ−ト類
とポリアルコ−ルとの生成物,又イソシアネ−ト類の縮
合に依って生成した2〜10量体のポリイソシアネ−
ト、又ポリイソシアネートとポリウレタンとの生成物で
末端官能基がイソシアネートであるもの等を使用するこ
とができる。これらポリイソシアネ−ト類の平均分子量
は100〜20000のものが好適である。これらポリ
イソシアネ−トの市販されている商品名としては,コロ
ネ−トL,コロネ−トHL,コロネ−ト2030,コロ
ネ−ト2031,ミリオネ−トMR,ミリオネ−トMT
L(日本ポリウレタン株製),タケネ−トD−102,
タケネ−トD−110N,,タケネ−トD−200,タ
ケネ−トD−202,タケネ−ト300S,タケネ−ト
500(武田薬品株製),スミジュ−ルT−80,スミ
ジュ−ル44S,スミジュ−ルPF,スミジュ−ルL,
スミジュ−ルN,デスモジュ−ルL,デスモジュ−ルI
L,デスモジュ−ルN,デスモジュ−ルHL,デスモジ
ュ−ルT65,デスモジュ−ル15,デスモジュ−ル
R,デスモジュ−ルRF,デスモジュ−ルSL,デスモ
ジュ−ルZ4273(住友バイエル社製)等があり,こ
れらを単独若しくは硬化反応性の差を利用して二つ若し
くはそれ以上の組み合わせによって使用することができ
る。又,硬化反応を促進する目的で,水酸基(ブタンジ
オ−ル,ヘキサンジオ−ル、分子量が1000〜100
00のポリウレタン、水等),アミノ基(モノメチルア
ミン,ジメチルアミン,トリメチルアミン等)を有する
化合物や金属酸化物の触媒や鉄アセチルアセトネート等
の触媒を併用する事も出来る。これらの水酸基やアミノ
基を有する化合物は多官能である事が望ましい。これら
ポリイソシアネ−トは磁性層、、とも結合剤樹脂とポリ
イソシアネ−トの総量100重量部あたり2〜70重量
部で使用することが好ましく、よりこのましくは5〜5
0重量部である。これらの例示は特開昭60−1316
22号、特開昭61−74138号等の公報において示
されている。
【0081】本発明の磁性層に使用される粉末状潤滑剤
としては,グラファイト、二硫化モリブデン,窒化硼
素,弗化黒鉛,炭酸カルシウム,硫酸バリウム,酸化珪
素,酸化チタン,酸化亜鉛,酸化錫,二硫化タングステ
ン等の無機微粉末,アクリルスチレン系樹脂微粉末,ベ
ンゾグアナミン系樹脂微粉末,メラミン系樹脂微粉末,
ポリオレフイン系樹脂微粉末,ポリエステル系樹脂微粉
末,ポリアミド系樹脂微粉末,ポリイミド系樹脂微粉
末,ポリフッカエチレン系樹脂微粉末等の樹脂微粉末等
がある。
【0082】また有機化合物系潤滑剤としてはシリコン
オイル(ジアルキルポリシロキサン、ジアルコキシポリ
シロキサン、フェニルポリシロキサン、フルオロアルキ
ルポリシロキサン(信越化学製KF96、KF69
等)),脂肪酸変性シリコンオイル,フッ素アルコ−
ル,ポリオレフィン(ポリエチレンワックス、ポリプロ
ピレン等),ポリグリコ−ル(エチレングリコール、ポ
リエチレンオキシドワックス等),テトラフルオロエチ
レンオキシドワックス,ポリテトラフルオログリコ−
ル,パーフルオロアルキルエーテル,パ−フルオロ脂肪
酸,パ−フルオロ脂肪酸エステル,パ−フルオロアルキ
ル硫酸エステル,パ−フルオロアルキルスルホン酸エス
テル,パ−フルオロアルキルベンゼンスルホン酸エステ
ル,パ−フルオロアルキル燐酸エステル等の弗素や珪素
を導入した化合物、アルキル硫酸エステル、アルキルス
ルホン酸エステル、アルキルホスホン酸トリエステル、
アルキルホスホン酸モノエステル、アルキルホスホン酸
ジエステル、アルキル燐酸エステル,琥珀酸エステル等
の有機酸および有機酸エステル化合物、トリアザインド
リジン、テトラアザインデン、ベンゾトリアゾール、ベ
ンゾトリアジン、ベンゾジアゾール、EDTA等の窒素
・硫黄を含む複素(ヘテロ)環化合物、炭素数10〜4
0の一塩基性脂肪酸と炭素数2〜40個の一価のアルコ
−ルもしくは二価のアルコ−ル,三価のアルコ−ル,四
価のアルコ−ル,六価のアルコ−ルのいずれか1つもし
くは2つ以上とから成る脂肪酸エステル類,炭素数10
個以上の一塩基性脂肪酸と該脂肪酸の炭素数と合計して
炭素数が11〜70個と成る一価〜六価のアルコ−ルか
ら成る脂肪酸エステル類、炭素数8〜40の脂肪酸或い
は脂肪酸アミド類,脂肪酸アルキルアミド類、脂肪族ア
ルコ−ル類も使用できる。
【0083】これら化合物の具体的な例としては,カプ
リル酸ブチル,カプリル酸オクチル,ラウリン酸エチ
ル,ラウリン酸ブチル,ラウリン酸オクチル,ミリスチ
ン酸エチル,ミリスチン酸ブチル,ミリスチ酸オクチ
ル,ミリスチン酸2エチルヘキシル、パルミチン酸エチ
ル,パルミチン酸ブチル,パルミチン酸オクチル,パル
ミチン酸2エチルヘキシル、ステアリン酸エチル,ステ
アリン酸ブチル,ステアリン酸イソブチル、ステアリン
酸オクチル,ステアリン酸2エチルヘキシル、ステアリ
ン酸アミル,ステアリン酸イソアミル、ステアリン酸2
エチルペンチル、ステアリン酸2ヘキシルデシル、ステ
アリン酸イソトリデシル、ステアリン酸アミド、ステア
リン酸アルキルアミド、ステアリン酸ブトキシエチル、
アンヒドロソルビタンモノステアレ−ト,アンヒドロソ
ルビタンジステアレ−ト,アンヒドロソルビタントリス
テアレ−ト,アンヒドロソルビタンテトラステアレ−
ト,オレイルオレ−ト,オレイルアルコ−ル,ラウリル
アルコ−ル、モンタンワックス、カルナウバワックス、
等が有り単独若しくはくみあわせ使用出来る。
【0084】また本発明の磁性層に使用される潤滑剤と
しては所謂潤滑油添加剤も単独若しくはくみあわせで使
用出来,防錆剤としてしられている酸化防止剤(アルキ
ルフェノ−ル、ベンゾトリアジン、テトラアザインデ
ン、スルファミド、グアニジン、核酸、ピリジン、アミ
ン、ヒドロキノン、EDTA等の金属キレート剤),錆
どめ剤(ナフテン酸,アルケニルコハク酸,燐酸、ジラ
ウリルフォスフェ−ト等),油性剤(ナタネ油,ラウリ
ルアルコ−ル等),極圧剤(ジベンジルスルフィド,ト
リクレジルフォスフェ−ト,トリブチルホスファイト
等),清浄分散剤,粘度指数向上剤,流動点降下剤,泡
どめ剤等がある。これらの潤滑剤は結合剤100重量部
に対して0.01〜30重量部の範囲で添加される。こ
れらについては,特公昭43−23889号,特公昭4
8−24041号,特公昭48−18482号,特公昭
44−18221,特公昭47−28043号,特公昭
57−56132,特開昭59−8136号,特開昭5
9−8139号、特開昭61−85621号、米国特許
3423233号,米国特許3470021号,米国特
許3492235号,米国特許3497411号,米国
特許3523086号,米国特許3625760号,米
国特許3630772号,米国特許3634253号,
米国特許3642539号,米国特許3687725
号,米国特許4135031号,米国特許449786
4号,米国特許4552794号,アイビ−エムテクニ
カル デイ スクロジャ−ブリテン(IBM Techn
ical Disclosure Bulletin)
Vol.9,No7,p779(1966年12月)、
エレクトロニク(ELEKTRONIK)1961年N
o12,p380、化学便覧,応用編,p954−96
7,1980年丸善株発行等に記載されている。
【0085】本発明の磁性層に使用する分散剤、分散助
剤としては,カプリル酸,カプリン酸,ラウリン酸,ミ
リスチン酸,パルミチン酸,ステアリン酸,オレイン
酸,エライジン酸,リノ−ル酸,リノレン酸,ステアロ
−ル酸、ベヘン酸、マレイン酸、フタル酸等の炭素数2
〜40個の脂肪酸(R2COOH,R2は炭素数1〜39
個のアルキル基、フェニル基、アラルキル基),前記の
脂肪酸のアルカリ金属(Li,Na,K,NH4 + 等)
またはアルカリ土類金属(Mg,Ca,Ba等),C
u,Pb等から成る金属石鹸(オレイン酸銅),脂肪酸
アミド;レシチン(大豆油レシチン)等が使用される。
この他に炭素数4〜40の高級アルコ−ル,(ブタノ−
ル,オクチルアルコ−ル,ミリスチルアルコ−ル,ステ
アリルアルコ−ル)及びこれらの硫酸エステル,スルホ
ン酸、フェニルスルホン酸、アルキルスルホン酸、スル
ホン酸エステル、燐酸モノエステル,燐酸ジエステル、
燐酸トリエステル、アルキルホスホン酸、フェニルホス
ホン酸、アミン化合物等も使用可能である。また,ポリ
エチレングリコール、ポリエチレンオキサイド,スルホ
琥珀酸,スルホ琥珀酸金属塩、スルホ琥珀酸エステル等
も使用可能である。これらの分散剤は通常一種類以上で
用いられ,一種類の分散剤は結合剤100重量部に対し
て0.005〜20重量部の範囲で添加される。これら
分散剤の使用方法は,強磁性金属粉末や非磁性微粉末の
表面に予め被着させても良く,また分散途中で添加して
もよい。このようなものは,例えば特公昭39−283
69号,特公昭44−17945号,特公昭44−18
221号,特公昭48−7441号、特公昭48−15
001号、特公昭48−15002号,特公昭48−1
6363号,特公昭49−39402号,米国特許33
87993号,同3470021号等に於いて示されて
いる。
【0086】本発明の磁性層に用いる防黴剤としては2
−(4−チアゾリル)−ベンズイミダゾール、N−(フ
ルオロジクロロメチルチオ)−フタルイミド、10,1
0’−オキシビスフェノキサルシン、2,4,5,6テ
トラクロロイソフタロニトリル、P−トリルジヨードメ
チルスルホン、トリヨードアリルアルコール、ジヒドロ
アセト酸、フェニルオレイン酸水銀、酸化ビス(トリブ
チル錫)、サルチルアニライド等がある。 このような
ものは,例えば「微生物災害と防止技術」1972年工
学図書、「化学と工業」32,904(1979)等に
於いて示されている。
【0087】本発明の磁性層に用いるカーボンブラック
以外の帯電防止剤としてはグラファイト,変成グラファ
イト,カ−ボンブラックグラフトポリマ−,酸化錫−酸
化アンチモン,酸化錫,酸化チタン−酸化錫−酸化アン
チモン,等の導電性粉末;サポニン等の天然界面活性
剤;アルキレンオキサイド系,グリセリン系,グリシド
−ル系,多価アルコ−ル,多価アルコ−ルエステル,ア
ルキルフェノ−ルEO付加体等のノニオン界面活性剤;
高級アルキルアミン類,環状アミン,ヒダントイン誘導
体,アミドアミン,エステルアミド,第四級アンモニウ
ム塩類,ピリジンそのほかの複素環類,ホスホニウムま
たはスルホニウム類等のカチオン界面活性剤;カルボン
酸,スルホン酸,ホスホン酸、燐酸,硫酸エステル基,
ホスホン酸エステル、燐酸エステル基などの酸性基を含
むアニオン界面活性剤;アミノ酸類;アミノスルホン酸
類,アミノアルコ−ルの硫酸または燐酸エステル類,ア
ルキルベタイン型等の両性界面活性剤等が使用される。
これら帯電防止剤として使用し得る界面活性剤化合物
例の一部は特開昭60−28025号、米国特許227
1623号,同2240472号,同2288226
号,同2676122号,同2676924号,同26
76975号,同2691566号,同2727860
号,同2730498号,同2742379号,同27
39891号,同3068101号,同3158484
号,同3201253号,同3210191号,同32
94540号,同3415649号,同3441413
号,同3442654号,同3475174号,同35
45974号,西独特許公開(OLS)1942665
号,英国特許1077317号,同1198450号等
をはじめ,小田良平他著『界面活性剤の合成とその応
用』(槙書店1972年版);A.W.ベイリ著『サ−
フエス アクテイブ エ−ジエンツ』(インタ−サイエ
ンス パブリケ−ション コ−ポレイテッド1985年
版);T.P.シスリ−著『エンサイクロペディア オ
ブ サ−フエスアクティブ エ−ジェンツ,第2巻』
(ケミカルパブリシュカンパニ−1964年版);『界
面活性剤便覧』第六刷(産業図書株式会社,昭和41年
12月20日);丸茂秀雄著『帯電防止剤』幸書房(1
968)等の成書に記載されている。これらの界面活性
剤は単独または混合して添加しても良い。記録テープに
おける,これらの界面活性剤の使用量は,強磁性金属粉
末100重量部当たり通常、0.01〜10重量部であ
る。これらは帯電防止剤として用いられるものである
が,時としてそのほかの目的,例えば分散,磁気特性の
改良,潤滑性の改良,塗布助剤、湿潤剤、硬化促進剤、
分散促進剤として適用される場合もある。
【0088】本発明の分散,混練,塗布の際に使用する
有機溶媒としては,任意の比率でアセトン,メチルエチ
ルケトン,メチルイソブチルケトン,シクロヘキサノ
ン,イソホロン,テトラヒドロフラン等のケトン系;メ
タノ−ル,エタノ−ル,プロパノ−ル,ブタノ−ル,イ
ソブチルアルコ−ル,イソプロピルアルコ−ル,メチル
シクロヘキサノ−ルなどのアルコ−ル系;酢酸メチル,
酢酸エチル,酢酸ブチル,酢酸イソブチル,酢酸イソプ
ロピル,乳酸エチル,酢酸グリコ−ルモノエチルエ−テ
ル等のエステル系;ジエチルエ−テル,テトラヒドロフ
ラン,グリコ−ルジメチルエ−テル,グリコ−ルモノエ
チルエ−テル,ジオキサンなどのエ−テル系;ベンゼ
ン,トルエン,キシレン,クレゾ−ル,クロルベンゼ
ン,スチレンなどのタ−ル系(芳香族炭化水素);メチ
レンクロライド,エチレンクロライド,四塩化炭素,ク
ロロホルム,エチレンクロルヒドリン,ジクロルベンゼ
ン等の塩素化炭化水素,N,N−ジメチルホルムアルデ
ヒド,ヘキサン等のものが使用できる。またこれら溶媒
は通常任意の比率で2種以上で用いる。また1重量%以
下の量で微量の不純物(その溶媒自身の重合物、水分、
原料成分等)を含んでもよい。
【0089】これらの溶剤は磁性液、下塗液の合計固形
分100重量部に対して100〜20000重量部で用
いられる。好ましい磁性液の固形分率は10〜40重量
%である。有機溶媒の代わりに水系溶媒(水、アルコー
ル、アセトン等)を使用することもできる。磁性層の形
成は上記の組成などを任意に組合せて有機溶媒に溶解
し,塗布溶液として支持体上に塗布・乾燥・配向する。
支持体は塗布に先立って,コロナ放電処理,プラズマ処
理,下塗処理,熱処理,除塵埃処理,金属烝着処理,ア
ルカリ処理をおこなってもよい。これら支持体に関して
は例えば 西独特許3338854A,特開昭59−1
16926号,特開昭61−129731号,米国特許
4388368号;三石幸夫著,『繊維と工業』31巻
p50〜55,1975年などに記載されている。ま
たこれら支持体のヤング率(F5値)は目的に応じて、
巾方向、長手方向とも2〜30Kg/mm2 (1Kg/
2 =9.8Pa)を選択することが出来る。
【0090】分散、混練の方法には特に制限はなく,ま
た各成分の添加順序(樹脂、粉体、潤滑剤、溶媒等)、
分散・混練中の添加位置、分散温度(0〜80℃)など
は適宜設定することができる。磁性塗料および各種塗料
の調製には通常の混練機,例えば,二本ロ−ルミル,三
本ロ−ルミル,ボ−ルミル,ペブルミル,トロンミル,
サンドグラインダ−,ツエ グバリ(Szegvari)
アトライタ−,高速インペラ−,分散機,高速スト−ン
ミル,高速度衝撃ミル,ディスパ−,ニ−ダ−,高速ミ
キサ−,リボンブレンダ−,コニ−ダ−,インテンシブ
ミキサ−,タンブラ−,ブレンダ−,ディスパ−ザ−,
ホモジナイザ−,単軸スクリュ−押し出し機,二軸スク
リュ−押し出し機,及び超音波分散機などを用いること
ができる。通常分散・混練にはこれらの分散・混練機を
複数備え、連続的に処理を行う。混練分散に関する技術
の詳細は,T.C.PATTON著(テ−.シ−.パッ
トン)“Paint Flow and Pigmen
t Dispersion”(ペイント フロ− アン
ド ピグメント デイ スパ−ジョン)1964年Joh
n Wiley & Sons社発行(ジョン ウイリ
− アンド サンズ))や田中信一著『工業材料』25
巻37(1977)などや当該書籍の引用文献に記載さ
れている。これら分散、混練の補助材料として分散・混
練を効率よく進めるため、球相当径で10cmφ〜0.
05mmφの径のスチールボール、スチールビーズ、セ
ラミツクビーズ、ガラスビーズ、有機ポリマービーズを
用いることが出来る。またこれら材料は球形に限らな
い。また,米国特許第2581414号及び同第285
5156号などの明細書にも記載がある。本発明におい
ても上記の書籍や当該書籍の引用文献などに記載された
方法に準じて混練分散を行い磁性塗料および、塗料を調
製することができる。
【0091】支持体上へ前記の磁気記録層用塗布液を塗
布する方法としては塗布液の粘度を1〜20000セン
チストークス(25°C)に調整し、エア−ドクタ−コ
−ター,ブレ−ドコ−ター,エアナイフコ−ター,スク
イズコ−ター,含浸コ−ター,リバ−スロ−ルコ−タ
ー,トランスファ−ロ−ルコ−ター,グラビアコ−タ
ー,キスコ−ター,キヤストコ−ター,スプレイコ−タ
ー、ロッドコ−ター、正回転ロ−ルコ−ター、カ−テン
コ−ター、押出コ−ター、バ−コ−ター、リップコータ
等が利用出来,その他の方法も可能であり,これらの具
体的説明は朝倉書店発行の『コ−テイング工学』253
頁〜277頁(昭和46.3.20.発行)等に詳細に
記載されている。これら塗布液の塗布の順番は任意に選
択でき、また所望の液の塗布の前に下塗り層あるいは支
持体との密着力向上のためにコロナ放電処理等を行って
も良い。
【0092】また磁性層を多層で構成したり、磁性層と
支持体の間に中間層を形成したいときは、同時多層塗
布、逐次多層塗布等を行ってもよい。これらは,例え
ば,特開昭57−123532号公報,特公昭62−3
7451号公報,特開昭59−142741号公報、特
開昭59−165239号公報の明細書等にしめされて
いる。
【0093】光記録層と磁性層は、どちらか一方を塗布
した後、残りのものを塗布してもよいが、両層を順次に
互いに異なる支持体面に塗布、乾燥してもよい。(この
同時塗布法を以下「タンデム塗布法」という。)この場
合、磁性層と支持体の間に中間層を設ける場合、磁性層
と中間層との同時重層塗布法と上記塗布法を併用するこ
ともできる。また、光記録層上に保護層を設ける場合、
光記録層及び保護層の同時重層と磁性層及び中間層の同
時重層を順次に形成することも可能である。
【0094】このような方法により,支持体上に約1〜
100μmほどで塗布された磁性液は必要により層中の
磁性粉末を直ちに20〜130°Cで多段階で乾燥しな
がら50000〜500000μT程の磁束密度で所望
の方向(垂直、長手、幅、ランダム、斜め等)へ配向さ
せる処理を施したのち,形成した磁性層を0.05〜2
μm厚みに乾燥する。このときの支持体の搬送速度は,
通常10m/分〜900m/分で行われ,複数の乾燥ゾ
ーンで乾燥温度を20℃〜130℃で制御し塗布膜の残
留溶剤量を0.1〜40mg/m2 とする。又必要によ
り表面平滑化加工を施し磁性層の中心面平均表面粗さを
0.5〜5μm(3Dミロー)とし,所望の形状に裁断
したりして,本発明の記録テープを製造する。これらの
製造方法は粉体の予備処理・表面処理、混練・分散、塗
布・配向・乾燥、平滑処理、熱処理、EB処理、表面研
磨処理、裁断、巻き取りの工程を連続して行うことが望
ましい。これらは,例えば,特公昭40−23625号
公報,特公昭39−28368号公報,特公昭47−3
8802号公報、英国特許1191424号、特公昭4
8−11336号公報、特開昭49−53631号、特
開昭50−112005号、特開昭51−77303
号、特公昭52−17404号、特開昭60−7053
2号公報、特開平2−265672号、米国特許第34
73960号、米国特許第4728569号、米国特許
4746542号明細書等にしめされている。又,特公
昭41−13181号公報にしめされる方法はこの分野
における基本的,且つ重要な技術と考えられている。
【0095】このように支持体に磁性層と光記録層を設
けた記録テープを裁断したあと所望のプラスチックや金
属のリールに巻き取る。巻き取る直前ないしはそれ以前
の工程において記録テープ(磁性層、エッジ端面、ベー
ス面)をバーニシュおよびまたはクリーニングを行うこ
とが望ましい。バーニツシュは記録テープを具体的にサ
ファイア刃、剃刀刃、超硬材料刃、ダイアモンド刃、セ
ラミックス刃のような硬い材料により記録テープ表面の
突起部分をそぎおとし平滑にする。これら材料のモース
硬度は8以上が好ましいが特に制限はなく突起を除去で
きるものであれば良い。これら材料の形状は特に刃であ
る必要はなく、角型、丸型、ホイール(回転する円筒形
状の周囲にこれらの材質を付与しても良い)のような形
状でも使用できる。また記録テープのクリーニングは、
記録テープ表面の汚れや余分な潤滑剤を除去する目的で
記録テープ表層を不織布などで磁性層面、エッジ端面、
光記録層側の面をワイピングすることにより行う。この
ようなワイピングの材料としては例えば日本バイリーン
製の各種バイリーンや東レ製のトレシー、エクセーヌ、
商品名キムワイプ、富士写真フィルム製各種研磨テー
プ、また不織布はナイロン製不織布、ポリエステル製不
織布、レーヨン製不織布、アクリロニトリル製不織布、
混紡不織布など、ティッシュペーパー等が使用できる。
これらは例えば特公昭46−39309号、特公昭58
−46768号、特開昭56−90429号、特公昭5
8−46767号、特開昭63−259830号、特開
平1−201824号等にも記載されている。
【0096】本発明に使用される強磁性金属粉末又は非
磁性粉末,結合剤,添加剤(潤滑剤,分散剤,帯電防止
剤,表面処理剤,カ−ボンブラック,研磨剤,遮光剤,
酸化防止剤,防黴剤,等),溶剤及び支持体(下塗層を
有してもよい)或いは記録テープの製法等は特公昭56
−26890号等に記載されているものも参考にでき
る。
【0097】
【実施例】以下に本発明を実施例により更に具体的に説
明する。ここに示す成分,割合,操作順序等は本発明の
精神から逸脱しない範囲において変更しうるものである
ことは本業界に携わるものにとつては容易に理解される
ことである。従って,本発明は 下記の実施例に制限さ
れるべきではない。猶を,実施例中の部は重量部を示
す。 実施例1 磁性層形成用塗料 強磁性金属粉末 Hc=159160A/m 100部 バインダー(塩ビ樹脂、SO3 K含有3×10-4eq/g) 5部 バインダー 6部 (ポリエステルポリウレタン樹脂、SO3 Na含有1×10-4eq/g) 硬化剤(ポリイソシアネート) 4部 カーボンブラック(バルカンXC72) 2部 アルミナ(平均粒子径 0.1μm) 4部 ダイヤモンド(平均粒子径 0.1μm グレード 0−0.25) 1部 オレイルオレート 1部 パルミチン酸 1部 2エチルヘキシルステアレート 1部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 200部 中間層形成用塗料 酸化チタン 0.5μm(平均粒子径) 100部 弁柄 0.1μm(平均粒子径) 25部 ポリエステルポリウレタン (SO3 Na基)3×10-4 eq/g 40部 ポリイソシアネート (日本ポリウレタン N2030) 8部 メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=1/1 200部 上記各塗料成分をそれぞれ連続ニーダーで混連したの
ち、サンドミルを用いて分散させ、1μmの平均孔径を
有するフィルターを用いて濾過し、磁性層形成用塗布液
及び中間層形成用塗布液をそれぞれ調製した。
【0098】光記録層形成用塗料(サンプルA)を下記
組成から調製した。 化合物 赤色感応色素(シアニン色素) 1部 (式(a)において、R1 がエチル基、X- がCF3 SO3 - 、n=3) ウレタン(CA139:モートンケミカル社製) 10部 メチルエチルケトン 10部 保護層形成用塗料(サンプル1)は、次のようにして調
製した。
【0099】まず、 ニトロセルロース樹脂 100部 メラミン樹脂(透明なフィラー) 100部 メチルエチルケトン 500部 トルエン 500部 を予備混連し、ロールミルで混連した。得られた分散物
100重量部に対して、αアルミナ(平均粒子径 0.
2μm)15重量部を添加してサンドグラインダーで分
散した。
【0100】得られた分散物を濾過後、分散物100重
量部に対し、メチルエチルケトン120部及びポリイソ
シアネート5部を添加し、保護層形成用塗布液を調製し
た。 磁気記録テープの作成 厚み6μmのポリエチレンテレフタレート(PET)支
持体の片面にAuを蒸着して厚みが100nmになる反
射層を設けた支持体を使用する。
【0101】上記支持体の反射層を設けていないもう一
方の面に、得られた中間層形成用塗布液と磁性層形成用
塗布液を、乾燥後の中間層厚みが2.2μmとなるよう
に、またこの上に乾燥後の磁性層の厚みが0.3μmと
なるように同時重層塗布をおこなった。次いで、両層が
まだ湿潤状態にあるうちに3000ガウスの磁束密度を
もつコバルト磁石と1500ガウスの磁束密度を持つソ
レノイドを用いて配向処理を行った。その後乾燥させる
ことにより非磁性層及び磁性層を形成した。
【0102】その後、反射層を設けてある側の支持体面
に、上記光記録層形成用塗布液(サンプルA)を乾燥後
の厚みが0.5μmとなるように塗布し、さらにその上
に保護層形成用塗布液(サンプル1)を乾燥後の厚みが
0.5μmとなるように保護層を設けた。このようにし
て得られたものをを金属ロールのみから構成される7段
のカレンダー処理機(温度90度、線圧300Kg/c
2 )に通してカレンダー処理を行った。
【0103】次いでにカレンダーロール処理後のものを
1/2インチ幅にスリットし本発明に従う記録テープを
得た。 実施例2 実施例1のサンプルAのシアニン色素をフタロシアニン
色素に変更し、実施例1のサンプル1のメラミン樹脂を
50部とした以外は、実施例1と同様にして記録テープ
を作成した。
【0104】実施例3 実施例1のサンプルAのシアニン色素をアゾ系色素に変
更した以外は、実施例1と同様にして記録テープを作成
した。 実施例4 実施例1において、光記録層と保護層を同時塗布により
形成した以外は実施例1と同様にして記録テープを作成
した。
【0105】参考例 実施例1の光記録層がなく、また保護層のメラミン樹脂
の代わりにカーボンブラックを使用しベースも蒸着なし
のものを使用した以外は実施例1と同様にして記録テー
プを作成した。 比較例1 実施例1の光記録層中にバインダーを含まない層にした
以外は実施例1と同様にして記録テープを作成した。
【0106】比較例2 実施例1の光記録層上に保護層がない以外は実施例1と
同様にして記録テープを作成した。 比較例3 実施例1の保護層中のフィラーがメラミン樹脂の代わり
にカーボンブラックを使用した以外は実施例1と同様に
して記録テープを作成した。
【0107】比較例4 実施例1の層構成のなかで、反射層を設けていない以外
は実施例1と同様にして記録テープを作成した。上記で
得られた記録テープを以下により評価した.「評価方
法」IBM製3590用ドライブを改造し、記録テープ
の評価を実施した。
【0108】保護層側から、波長680nmのレーザー
光線を照射しサーボ信号を入力した。 半導体レーザー 680nm レーザービーム径 1μm 線速度 毎秒5m 記録パワー 8mW 0.5μmの記録波長で30μmの幅の書き込み、20
μmのMRヘッドで測定した。 「評価」 〔サーボ信号レベル〕 サーボ信号が正確に入力出来る。 ... A 何回か繰り返していると入力出来なくなる。 ... B 信号が入力できない。 ... C 〔走行後のテープダメージ〕500回の走行くり返し
後、バック面についてそのテープ表面状態を観察し以下
のようなランクで評価した。
【0109】 損傷の発生、表面の汚れの付着が殆ど見られない。 ... a 損傷の発生、表面の汚れの付着がわずかに見られた。... b 損傷の発生、表面の汚れの付着が著しい。 ... c 〔μ値〕10gの張力(T1 )で巻きつけ角度180°
で接触させ、テープを8mm/secの速度で走行させ
るのに必要な張力(T2 )を測定した。これらの測定値
を使用し次式より摩擦係数を求めた。
【0110】 摩擦係数(μ)= 1/πln(T2 /T1
【0111】
【表1】 上記の結果から明らかなように、本発明の記録テープに
比べ比較例1は光記録層中にバインダーを含まないため
色素が欠落し、サーボ信号のレベルが低下し、耐久性も
劣る。比較例2は光記録層上に保護層がないため走行特
性が悪く走行中にサーボ信号レベルが低下する。比較例
3は保護層中のフィラーがカーボンブラックであるため
光を通さず、サーボ信号が記録されない。比較例4は反
射層がないためサーボ信号レベルが劣る。
【0112】
【発明の効果】本発明の記録テープは、支持体の一方の
面に磁性層、他方の面に光記録層及び保護層を設けた構
成であるので、磁性層により記録密度の向上、光記録層
によりアクセス速度の向上が図れると共に走行耐久性に
優れる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5D006 AA02 BA01 BA08 BA11 CB02 CB03 EA01 FA02 5D029 HA10 JA04 LA03 LB20 MA12 TB03 5D121 AA01 AA04 AA05 AA11 EE03 EE04 EE21 EE22

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の一方の面に強磁性粉末とバイン
    ダーからなる磁性層を有し、支持体の他方の面に光記録
    層を有し、かつ該光記録層上に透明なフィラーを含む保
    護層を有することを特徴とする記録テープ。
  2. 【請求項2】 上記支持体と光記録層の間に、反射層を
    設けたことを特徴とする請求項1に記載の記録テープ。
  3. 【請求項3】 光記録層が色素及びバインダーを含有す
    る塗布膜である請求項1又は2に記載の磁気テープ。
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