JP2000074937A - 車両におけるセンサの支持構造及び車両 - Google Patents

車両におけるセンサの支持構造及び車両

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JP2000074937A
JP2000074937A JP10243084A JP24308498A JP2000074937A JP 2000074937 A JP2000074937 A JP 2000074937A JP 10243084 A JP10243084 A JP 10243084A JP 24308498 A JP24308498 A JP 24308498A JP 2000074937 A JP2000074937 A JP 2000074937A
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vibration
sensor
yaw rate
vehicle body
vehicle
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JP10243084A
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English (en)
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Kenji Sugiura
健次 杉浦
Toshikazu Kamiya
利和 神谷
Kazuo Komori
和雄 小森
Toshiyuki Takeuchi
敏之 竹内
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Toyota Industries Corp
Original Assignee
Toyoda Automatic Loom Works Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 車体から伝達される比較的低い振動数の振動
からセンサを保護する。 【解決手段】 フロントプロテクタ14に固定される制
御ユニット13のケース18内には、ブラケット26を
介してヨーレートセンサ22を支持する。ブラケット2
6は、ケース18に固定される固定板29と、ヨーレー
トセンサ22を固定する取付板30とから構成し、固定
板29に対して取付板30を高減衰ゴムからなる複数の
インシュレータ31を介して支持する。高減衰ゴムは、
車体11、インシュレータ31及びヨーレートセンサ2
2からなる振動系における共振領域の振動伝達率の最大
値を2未満とする。また、ヨーレートセンサ22自体の
固有振動数の振動に対する振動伝達率を2未満とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両におけるセン
サの支持構造及び車両に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばフォークリフト等の車両に
おいて、走行時における車両の状態を検出し、その検出
値に基づいて車両の状態を良好に維持するために行う各
種制御が提案されている。この各種制御において、車両
の状態は、車体に取り付けたセンサによって検出する。
【0003】ところで、車体に取り付けたセンサには、
車体で発生した振動が伝達する。しかし、センサには、
ヨーレートセンサのように外部からの振動に敏感に反応
して破損し易いものがある。
【0004】そこで、車体からセンサに伝達される振動
を減衰させるように、センサを防振ゴムによって車体に
防振支持するようにしたものがある。このようなセンサ
の支持構造によれば、車体に発生する振動が防振ゴムの
振動減衰作用によって減衰され、センサに強い振動が伝
達されない。従って、車体に発生する振動によってセン
サが破損し難くなる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、防振ゴ
ムが振動を減衰する程度は、車体に発生する振動の振動
数によって差がある。すなわち、車体に対して防振ゴム
を介してセンサが支持される振動系においては、防振ゴ
ムのばね定数と、センサの質量とによって決定される固
有振動数よりも低い振動数範囲が共振領域となり、固有
振動数よりも高い振動数範囲が減衰領域となる。そし
て、減衰領域においては車体からセンサに伝達される振
動の強さが減衰するが、共振領域においては逆に、共振
によりセンサに車体の振動よりも強い振動が発生するこ
とが知られている。
【0006】一方、センサ自体も固有振動数を持ち、車
体から伝達される振動の振動数が固有振動数に一致する
と、センサに共振による強い振動が発生する。センサの
固有振動数は比較的低く、共振領域の振動数範囲に入る
ものがある。この場合には、走行中にヨーレートセンサ
に強い振動が発生する問題があった。
【0007】また、車両の組み立て時には、ボルト締め
をインパクトレンチで行うことが多く、センサの車体へ
の取り付けもインパクトレンチが使用される。インパク
トレンチから車体に加わる振動の振動数は比較的低く共
振領域に入るため、防振ゴムによっては振動を減衰させ
ることができなかった。このため、ヨーレートセンサの
ように外部からの振動に弱いセンサを車体へ組み付ける
ときに、インパクトレンチから加わる振動によってヨー
レートセンサが破損することがあった。
【0008】また、ヨーレートセンサが検出するヨーレ
ートに影響する低い振動数の振動が車体に発生すると、
ヨーレートセンサには共振により振幅の大きな振動が発
生する。その結果、ヨーレートセンサが検出するヨーレ
ートに誤差が入る問題があった。
【0009】本発明は、上記問題点を解決するためにな
されたものであって、その第1の目的は、車体から伝達
される振動からセンサを保護することができる車両にお
けるセンサの支持構造を提供することにある。
【0010】また、第2の目的は、第1の目的に加え
て、センサ自体の固有振動数と同じ振動数の振動からセ
ンサを保護することができる車両におけるセンサの支持
構造を提供することにある。
【0011】また、第3の目的は、第2の目的に加え
て、車体への取り付け時に使用するインパクトレンチか
ら車体に加えられる振動からセンサを保護することがで
きる車両におけるセンサの支持構造を提供することにあ
る。
【0012】また、第4の目的は、振動減衰部材を介し
て車体に支持したヨーレートセンサの検出誤差を小さく
することができる車両におけるセンサの支持構造を提供
することにある。
【0013】また、第5の目的は、車体に支持したセン
サの検出値に基づいて行う制御の信頼性を向上させるこ
とができる車両を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るため、請求項1に記載の発明は、車体から伝達される
振動を減衰させる振動減衰部材を介してセンサを前記車
体に防振支持する車両におけるセンサの支持構造におい
て、前記振動減衰部材は、共振領域における振動伝達率
の最大値が2未満である高減衰ゴムからなっている。
【0015】上記第2の目的を達成するため、請求項2
に記載の発明は、車体から伝達される振動を減衰させる
振動減衰部材を介してセンサを前記車体に支持する車両
におけるセンサの支持構造において、前記センサ自体の
固有振動数の振動域に対する振動伝達率が2未満となる
ように形成されている。
【0016】上記第3の目的を達成するため、請求項3
に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の発明に
おいて、前記振動減衰部材は、前記センサを前記車体に
組み付けるときに使用されるインパクトレンチから車体
に加えられる振動の振動数域における前記振動伝達率が
1未満となるように形成されている。
【0017】請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求
項3のいずれか一項に記載の発明において、前記センサ
は、車両旋回時に車体のヨーレートを検出するヨーレー
トセンサである。
【0018】上記第4の目的を達成するため、請求項5
に記載の発明は、請求項4に記載の発明において、前記
振動減衰部材は、前記ヨーレートセンサが検出する前記
ヨーレートに影響する低い振動数域における前記振動伝
達率が1以上で1.5未満の範囲となるように形成され
ている。
【0019】上記第5の目的を達成するため、請求項6
に記載の発明は、車両には、請求項1〜請求項5のいず
れか一項に記載の発明の作用をなすセンサと、該センサ
の検出値に基づいて制御を行う制御装置とを備えた。
【0020】(作用)請求項1に記載の発明によれば、
車体から振動減衰部材を介してセンサに伝達される振動
の振動数が、車体、振動減衰部材及びセンサからなる振
動系における共振領域にあっても、センサに発生する振
動の強さは、車体に発生した振動の強さの最大で2倍未
満となる。一方、振動減衰部材を天然ゴムとした場合に
は、センサに発生する振動の強さが例えば10倍程度と
なり、同じくブチルゴムとした場合には、センサに発生
する振動の強さは、例えば4.5倍程度となる。従っ
て、この振動系における共振領域に入る振動が車体に発
生しても、従来の防振ゴムを採用した場合に比較して、
センサに伝達される振動の強さが小さくなる。
【0021】請求項2に記載の発明によれば、センサ自
体の固有振動数の振動に対する振動伝達率が2未満であ
るため、車体から伝達される振動の振動数がセンサ自体
の固有振動数に一致してもセンサが共振によって振動す
る強さが抑制される。
【0022】請求項3に記載の発明によれば、請求項1
又は請求項2に記載の発明の作用に加えて、インパクト
レンチから車体に加わえられる振動の振動数における振
動伝達率が1未満となるように振動減衰部材が形成され
ている。この振動数域は、従来の防振ゴムを使用した場
合に共振領域に入っており、今回の振動減衰部材の使用
によって減衰領域に入る振動数であればよい。従って、
インパクトレンチを使用してのセンサの車体への取り付
け時にインパクトレンチから車体に加えられる振動は、
減衰してセンサに伝達される。
【0023】請求項4に記載の発明によれば、外部から
加えられる振動に弱いヨーレートセンサにおいて、請求
項1〜請求項3のいずれか一項に記載の発明の作用が得
られる。
【0024】請求項5に記載の発明によれば、請求項4
に記載の発明の作用に加えて、ヨーレートセンサが検出
するヨーレートに影響する低い振動数の振動が車体に発
生しても、ヨーレートセンサに伝達される振動の強さは
1以上で1.5倍未満の範囲となる。従って、ヨーレー
トセンサが検出するヨーレードか車体の実際のヨーレー
トから大きくずれない。
【0025】請求項6に記載の発明によれば、車両に、
請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明の作用
をなす支持構造で取り付けられたセンサの検出値に基づ
いて制御装置が車両制御を行う。
【0026】
【発明の実施の形態】以下、本発明をフォークリフトに
おけるヨーレートセンサの支持構造に具体化した一実施
の形態を図1〜図7に従って説明する。
【0027】図3は、フォークリフト10を示してい
る。フォークリフト10の車体11には前後中央部に運
転台12が設けられ、運転台12の前部には制御ユニッ
ト13が取り付けられている。制御ユニット13は、車
両旋回時のヨーレート(横加速度)に基づき、ロール面
内で揺動可能に支持された図示しない後輪アクスルの揺
動を規制するロックシリンダを制御することで、旋回時
における車両の左右安定性の低下を防止する制御を行
う。
【0028】図4は、運転台12の前部の側断面図を示
している。前部は、フロントプロテクタ14、インスト
ルメントパネル15、キックボード16、トウボード1
7等で構成されている。制御ユニット13は、フロント
プロテクタ14の後面14aに複数の支持部39を介在
して取り付けられ、インストルメントパネル15、キッ
クボード16及びトウボード17等によって外部から遮
蔽されている。
【0029】図1は制御ユニット13の側断面であり、
図6は同じく平断面である。制御ユニット13はケース
18を備えている。ケース18は、基部19と蓋体20
とからなっている。基部19は図示しないボルトによっ
てフロントプロテクタ14に支持部39で固定され、蓋
体20は複数のねじ35で基部19に対して固定されて
いる。ケース18内には、図6に示すように、回路基板
21と、ヨーレートセンサ22とが隣り合った状態で収
容されている。
【0030】回路基板21は、基部19に設けられた複
数の支持部23上に取付ねじ24によって固定されてい
る。回路基板21には、ヨーレートセンサ22の検出値
に基づいてロックシリンダを制御し後輪アクスルの揺動
を規制する制御を行う揺動制御装置の電気回路が形成さ
れている。回路基板21上には、揺動制御装置の入力側
及び出力側に接続される図示しないハーネスのコネクタ
が接続されるコネクタ25が設けられている。
【0031】図1及び図6に示すように、ヨーレートセ
ンサ22は、基部19から突出した複数の支持部27,
28に固定されたブラケット26に支持されている。ブ
ラケット26は、高さが低い一対の支持部27と、高さ
が高い一対の支持部28によって基部19に固定されて
いる。ブラケット26が基部19の面に対して傾斜した
状態に取り付けられていることで、制御ユニット13が
傾斜したフロントプロテクタ14に取り付けられたとき
にヨーレートセンサ22は測定基準軸が鉛直となる姿勢
で配置される。
【0032】図5(a),(b)は、ブラケット26を
示している。ブラケット26は、固定板29、取付板3
0及び3個のインシュレータ31を備えている。3個の
インシュレータ31は、円筒状の高減衰ゴムからなり、
取付板30の周縁部の3個所に嵌着されている。インシ
ュレータ31の円筒内部にはカラー41が圧入されてお
り、ワッシャ42を介してカラー41に挿入した取付ね
じ40を固定板29に螺着することで、取付板30が固
定板29に対して3個のインシュレータ31を介して支
持された状態にある。
【0033】固定板29には、周縁部の4個所に孔29
a,29bが形成されており、孔29a,29bに挿通
した取付ねじ33(図1に図示)によってブラケット2
6は各支持部27,28に固定されている。取付板30
には周縁部の2個所に孔30aが形成され、各孔30a
に挿通した取付ねじ43(図1に図示)によってヨーレ
ートセンサ22が取付板30に固定されている。
【0034】インシュレータ31の組み付け構造を図2
に従って詳述する。図2は、インシュレータ31の1つ
を示す断面図である。固定板29にはバーニング加工に
よって雌ねじ孔36が形成され、取付板30には雌ねじ
孔36に相対する位置に貫通孔37が形成されている。
この貫通孔37にインシュレータ31が装着されてい
る。インシュレータ31の外周面には、取付板30に対
して貫通孔37の内周縁部位を挟持する溝31aが形成
されるとともに、カラー41を挿通する孔38が形成さ
れている。インシュレータ31のカラー41にワッシャ
42を介して挿通された取付ねじ40の先端は雌ねじ孔
36に螺合されている。インシュレータ31は取付ねじ
40の軸線方向の長さがカラー41の長さよりも長く形
成され、ワッシャ42と固定板29との間にカラー41
を挟み込む状態になるまで取付ねじ40を螺合したとき
インシュレータ31が若干圧縮されるようになってい
る。残りの2つのインシュレータ31も、同じ構造によ
って固定板29と取付板30との間に介在されている。
そして、ヨーレートセンサ22は、ブラケット26によ
り、ケース18、すなわち、車体11に対して防振支持
されている。また、取付板30は固定板29に対して各
インシュレータ31を介して支持されることから、取付
板30は固定板29に対して電気的に絶縁されている。
【0035】次に、各インシュレータ31を形成する高
減衰ゴムの特性について説明する。車体11と、ヨーレ
ートセンサ22と、車体11とヨーレートセンサ22と
の間に介在された各インシュレータ31とによって1つ
の振動系が構成されている。この高減衰ゴムは、この振
動系において図7のグラフで示す振動伝達特性を備えて
いる。
【0036】図7において、横軸は、振動系の固有振動
数fnに対する、車体11に発生した振動の振動数fの
振動数比λ=f/fnであり、縦軸は、車体11に発生
する振動の振幅A0に対する、ヨーレートセンサ22に
伝達された振動の振幅Aの比である振動伝達率Tr(=
A/A0)である。つまり、振動伝達率Trは、車体1
1の振動の強さに対する、ヨーレートセンサ22の振動
の強さの比である。この振動系の固有振動数fnは、ヨ
ーレートセンサ22の質量Mと防振部材39の動的ばね
定数Kとの比K/Mで決まり、式fn=1/2π×√
(K/M)で表わされる。図7に示すように、振動系に
おいては、振動数比fnが√2以下では振動伝達率Tr
が1以上の共振領域であり、振動数比fnが√2を超え
る範囲では振動伝達率Trが1未満の減衰領域である。
【0037】高減衰ゴムの振動伝達率Trは、減衰領域
においては、天然ゴムあるいはブチルゴムと同等である
が、共振領域においては、ほぼ1.5以下であって大き
な減衰作用を有する。
【0038】また、図8は、この振動系の振動伝達特性
を、横軸に、車体に発生した振動の振動数fを取り、縦
軸に、同じく振動伝達率Trをとったグラフで示したも
のである。
【0039】高減衰ゴムを使用すると、共振領域が約4
00Hzの振動数f以下となり、しかも、共振領域にお
ける振動伝達率Trの最大値が約1.5以下である。約
400Hz以上の減衰領域では振動伝達率Trが1未満
で、その値は振動数fが高くなるほど小さくなる。一
方、ブチルゴムからなるインシュレータを使用した場合
には、共振領域が1000Hz以上まで広がり、共振領
域における振動伝達率Trの最大値は、約4.5であ
る。天然ゴムからなるインシュレータを使用した場合
も、図示はしていないが、共振領域が1000Hz以上
にまで広がり、共振領域における振動伝達率Trの最大
値は約9.8である。高減衰ゴムの共振領域の最大振動
数(約350〜400Hz)が、ブチルゴムの共振領域
の最大振動数(1000Hz以上)よりも小さくなって
いるのは、高減衰ゴムのばね定数が、ブチルゴムのばね
定数よりも小さいため、振動系の固有振動数が小さくな
ることによる。
【0040】また、高減衰ゴムは、ヨーレートセンサ2
2が検出するヨーレートに影響する低い振動数(例え
ば、200Hz未満の値)の振動に対して、1以上で
1.5未満の振動伝達率Trを備えている。一方、ブチ
ルゴムからなるインシュレータを使用した場合には、2
00Hz未満の振動数に対する振動伝達率Trが1.5
を超える範囲の値をとる。
【0041】また、ヨーレートセンサ22はそれ自体が
固有振動数を持っており、X,Y,Z軸の3方向にそれ
ぞれ固有振動数1,f2,f3(例えばX,Y,Z軸に
ついてそれぞれ約200Hz,300Hz,900H
z)を持つ。高減衰ゴムは、ヨーレートセンサ22の各
固有振動数f1,f2,f3に対して、それぞれ1.5
未満の値の振動伝達率Trを備えている。一方、ブチル
ゴムからなるインシュレータの場合には、約200Hz
の振動に対する振動伝達率Trが3を超える値であり、
約300Hzの振動に対する振動伝達率Trが2を超え
る値であり、約900Hzの振動に対する振動伝達率T
rが約2である。
【0042】さらに、高減衰ゴムは、制御ユニット13
をボルト締めで車体11に組み付けるときに使用される
インパクトレンチの振動数f4(例えば、900〜11
00Hz)において、1未満の振動伝達率Trを備えて
いる。一方、ブチルゴムからなるインシュレータの場合
には、約1000Hzの振動に対する振動伝達率Trが
1を超える値である。
【0043】次に、以上のように構成されたヨーレート
センサの支持構造の作用について説明する。フォークリ
フト10の組み立て作業において、インパクトレンチを
使用してフロントプロテクタ14に制御ユニット13を
ボルト締めすると、インパクトレンチからケース18
に、繰り返し衝撃からなる強い振動が加わえられる。ケ
ース18に加えられた振動は、ブラケット26を介して
ヨーレートセンサ22に伝達される。このとき、車体1
1に固定されている固定板29から、ヨーレートセンサ
22が固定されている取付板30には、各インシュレー
タ31を介して振動が伝達される。
【0044】ここで、高減衰ゴムからなるインシュレー
タ31によって、インパクトレンチから車体に加えられ
る振動の振動数f4(約900〜1100Hz)に対す
る振動伝達率Trが1未満とされている。従って、イン
パクトレンチから車体11に加えられる振動は、減衰し
てヨーレートセンサ22に伝達される。
【0045】フォークリフト10の走行時に車体11に
発生した振動は、インパクトレンチから加えられる振動
と同様に、各インシュレータ31を介してヨーレートセ
ンサ22に伝達される。
【0046】車体11に発生した振動が、従来天然ゴム
あるいはブチルゴム等で形成されていたインシュレータ
では共振領域に入るため減衰することができなかった振
動数であっても、ヨーレートセンサ22に発生する振動
の強さは車体11の振動の1.5倍未満となる。従っ
て、従来の防振ゴムによっては減衰させることができな
かった約400〜1000Hzの振動数の振動が減衰す
る。また、約400Hz未満の振動については、共振に
よって増幅される程度が従来よりも抑制される。
【0047】また、ヨーレートセンサ22自体の固有振
動数に対する振動伝達率Trが1.5未満の値であるた
め、車体11から伝達される振動の振動数fがヨーレー
トセンサ22自体の固有振動数に一致してもヨーレート
センサ22が共振によって振動する強さが従来よりも抑
制される。また、Z軸方向の固有振動数f3に一致する
振動数の振動は減衰する。
【0048】また、共振領域の最大振動数以上の振動数
fの振動は、天然ゴムあるいは合成ゴムにて形成された
インシュレータの場合と同様に、振動数fが高くなるほ
どより大きく減衰されるので、車体11に発生する振動
数fの比較的高い振動が減衰されてヨーレートセンサ2
2に伝達される。
【0049】車体11に、ヨーレートセンサ22が検出
するヨーレートに影響する低い振動数の振動が発生する
と、その振動は各インシュレータ31を介してヨーレー
トセンサ22に伝達される。このとき、その低い振動数
が含まれる振動数200Hz以下の振動数範囲で振動伝
達率Trが1.5未満とされているので、ヨーレートセ
ンサ22に発生する振動の振幅が車体1の振動の振幅の
1.5倍未満となる。従って、ヨーレートセンサ22が
検出するヨーレートが、車体11の実際のヨーレートか
ら大きくずれない。
【0050】また、取付板30が固定板29に対して絶
縁されていることから、取付板30に固定されているヨ
ーレートセンサ22は、車体11に対して電気的に絶縁
される。
【0051】以上詳述したように、本実施の形態のヨー
レートセンサの支持構造によれば、以下の各効果を得る
ことができる。 (1)車体11からインシュレータ31を介してヨーレ
ートセンサ22に伝達される振動の共振領域における振
動伝達率Trの最大値を1.5未満とする高減衰ゴムに
よってインシュレータ31を形成した。従って、車体か
ら伝達される振動数が比較的低い振動からヨーレートセ
ンサ22を保護することができる。
【0052】また、このような支持構造によってヨーレ
ートセンサ22が支持された車両においては、ヨーレー
トセンサ22の検出値に基づいて制御装置が行う制御の
信頼性を向上することができる。
【0053】(2)ヨーレートセンサ22自体の固有振
動数の振動に対する振動伝達率Trの値を1.5未満と
した。従って、車体11から伝達された振動の振動数が
ヨーレートセンサ22の固有振動数に一致してもヨーレ
ートセンサ22が共振によって従来ほど強く振動しない
ので、固有振動数と同じ振動数の振動からヨーレートセ
ンサ22を保護することができる。
【0054】(3)制御ユニット13の車体11へのボ
ルト締めによる組み付け時に使用されるインパクトレン
チから車体11に加えられる振動の振動数における振動
伝達率Trの値を1未満とした。従って、インパクトレ
ンチを使用しての取付時にヨーレートセンサ22に共振
による強い振動が発生することがなく、ヨーレートセン
サ22の破損を防止することができる。
【0055】(4)ヨーレートセンサ22が検出するヨ
ーレートに影響を与える振動数における振動伝達率Tr
を1.5未満とした。従って、ヨーレートセンサ22が
検出するヨーレートに振動による検出誤差が含まれない
ようにすることができる。
【0056】(5)ヨーレートセンサ22が取り付けら
れる取付板30が、車体11側に固定される固定板29
に対してインシュレータ31を介して支持されることか
ら、ヨーレートセンサ22のボディが車体11に対して
電気的に絶縁される。従って、ボディアースのヨーレー
トセンサ22を使用することができる。
【0057】尚、実施の形態は上記実施の形態に限ら
ず、以下の各別例のように変更してもよい。 ○ インシュレータ31を、共振領域における振動伝達
率Trの最大値が2未満である高減衰ゴムから形成す
る。この場合にも、比較的低い振動からヨーレートセン
サ22を保護することができる。
【0058】また、ヨーレートセンサ22自体の固有振
動数の振動に対する振動伝達率Trを2未満とする。こ
の場合にも、固有振動数と同じ振動数の振動からヨーレ
ートセンサ22を保護することができる。
【0059】○ ヨーレートセンサ22の固有振動数f
1〜f3は、約200Hz,300Hz及び900Hz
に限らない。使用するヨーレートセンサ、あるいは、他
のセンサ毎にその固有振動数が決まる。
【0060】○ インパクトレンチから加わる振動の振
動数f4は、従来の防振ゴムを使用した場合に共振領域
に入っており、今回の振動減衰部材の使用によって減衰
領域に入る振動数であればよい。例えば、上記実施の形
態の振動伝達特性を備えた高減衰ゴムを使用する場合に
は、例えば約400〜約1100Hzの範囲内にあれば
よい。
【0061】○ 車体11への取り付け時にインパクト
レンチを使用しない場合には、インパクトレンチから加
えられる振動数域における振動伝達率Trが1以上の値
であってもよい。
【0062】○ 振動減衰部材は、高減衰ゴムからなる
インシュレータ31に限らない。例えば、制御ユニット
13の基部19の表側と、蓋体20の裏側に、高減衰ゴ
ムにて形成したマット状のセンサ支持部をそれぞれ設け
る。そして、両方のセンサ支持部によってヨーレートセ
ンサ22を挟んだ状態でヨーレートセンサ22を制御ユ
ニット13内に支持した構造とする。この構成によって
も、従来より共振領域の振動数範囲を低くすることがで
き、しかも、共振領域における振動伝達率Trの最大値
を小さくすることができる。
【0063】また、粘性の高い流体(例えば、シリコン
オイル)が封入されたゴムボールであってもよい。この
場合には、ヨーレートセンサ22を収容するように形成
したケースの内面全体に複数のゴムボールを固定し、ヨ
ーレートセンサ22が各ゴムボールにて支持されるよう
にしたケース内に収容する。要するに、センサの支持構
造において、前記実施の形態で述べた高減衰ゴムに匹敵
するような振動伝達特性を備えたものであればよい。
【0064】○ ヨーレートセンサ22が検出するヨー
レートに基づいて行う制御は、後輪アクスルの揺動規制
に限らない。例えば、ヨーレートが所定の値以上のとき
に、パワーステアリングの最大操舵角を制限したり、あ
るいは、操舵補助力を制限する制御であってもよい。
【0065】○ ヨーレートセンサ22に限らず、他の
センサの支持構造として実施してもよい。センサ自体の
固有振動数での振動によって破損する可能性があるセン
サ、あるいは、インパクトレンチからの振動によって破
損する可能性があるセンサの支持構造に実施すれば、車
体から伝達される振動から保護することができる。
【0066】○ 制御ユニット13のケース18内に設
けたセンサに限らず、センサだけを収容するためのケー
ス内に収容したセンサの支持構造に実施する。 ○ ケース18内に収容するヨーレートセンサ22の支
持構造に限らず、例えば、フロントプロテクタ14の後
面14aに直接固定されるヨーレートセンサの支持構造
に実施する。
【0067】○ 車両旋回時のヨーレートに基づく車両
制御を行うフォークリフト10以外の荷役作業車両、例
えば、ショベルローダ、トラクタショベル等におけるセ
ンサの支持構造に実施する。
【0068】○ 荷役作業車両以外の産業車両、例え
ば、建築用車両、土木工事用車両等におけるセンサの支
持構造に実施する。 ○ 産業車両以外の車両、例えば、乗用車両、商用車両
におけるセンサの支持構造に実施する。
【0069】以下、特許請求の範囲に記載された発明の
外に前述した各実施の形態及び別例から把握される技術
的思想をその効果とともに記載する。 (1)請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載の発明
において、前記振動減衰部材は、前記車体に固定された
固定板と、前記センサが固定されている取付板との間に
介在されたインシュレータである。このような構成によ
れば、センサが振動減衰部材によって覆われないように
することができ、放熱性を高めることができる。
【0070】(2)請求項6に記載の発明において、前
記センサはヨーレートセンサであって、該ヨーレートセ
ンサが検出するヨーレートの検出値に基づいて制御を行
う。このような構成によれば、ヨーレートの検出精度が
高くなり、制御精度が高くなる。
【0071】(3)請求項1に記載の発明において、前
記共振領域は、振動数が400Hz以下の範囲である。
このような構成によれば、従来の防振ゴムを使用したと
きに共振領域に入る振動を減衰することができる。
【0072】(4)請求項3に記載の発明において、前
記インパクトレンチから加えられる振動の振動数域は、
400〜1100Hzの範囲である。このような構成に
よれば、400〜1100Hzの範囲内の振動がインパ
クトレンチから加えられてもセンサを保護することがで
きる。
【0073】
【発明の効果】請求項1〜請求項5に記載の発明によれ
ば、車体から伝達される振動からセンサを効果的に保護
することができる。車両においては、車体に支持された
センサの検出値に基づいて制御装置が行う制御の信頼性
を向上することができる。
【0074】請求項2〜請求項5に記載の発明によれ
ば、振動の振動数がセンサ自体の固有振動数に一致して
もセンサが共振によって振動する強さが抑制されるの
で、センサ自体の固有振動数近傍の振動数の振動からセ
ンサを保護することができる。
【0075】請求項3〜請求項5に記載の発明によれ
ば、車体への取り付け時に使用するインパクトレンチか
ら車体に加えられる振動からセンサを保護することがで
きる。請求項5に記載の発明によれば、ヨーレートセン
サが検出するヨーレートを周期的に変化させる低い振動
が発生してもヨーレートセンサが大きな振幅で振動しな
いので、ヨーレートの検出誤差を小さくすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ヨーレートセンサの支持構造を示す制御ユニ
ットの模式側断面図。
【図2】 取付部の拡大模式断面図。
【図3】 フォークリフトの模式側面図。
【図4】 運転席の前部の模式側断面図。
【図5】 (a)ブラケットの正面図、(b)(a)に
おけるA−A線断面図。
【図6】 制御ユニットの模式平断面図。
【図7】 振動数比に対する振動伝達率を示すグラフ。
【図8】 振動数に対する振動伝達率を示すグラフ。
【符号の説明】
10…車両としてのフォークリフト、11…車体、22
…センサとしてのヨーレートセンサ、31…振動減衰部
材としてのインシュレータ、f…振動数、Tr…振動伝
達率。
フロントページの続き (72)発明者 小森 和雄 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 (72)発明者 竹内 敏之 愛知県刈谷市豊田町2丁目1番地 株式会 社豊田自動織機製作所内 Fターム(参考) 3F333 AA02 AB13 AE02 BD02 CA19 CA30 FE01

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車体から伝達される振動を減衰させる振
    動減衰部材を介してセンサを前記車体に防振支持する車
    両におけるセンサの支持構造において、 前記振動減衰部材は、共振領域における振動伝達率の最
    大値が2未満である高減衰ゴムからなっている車両にお
    けるセンサの支持構造。
  2. 【請求項2】 車体から伝達される振動を減衰させる振
    動減衰部材を介してセンサを前記車体に支持する車両に
    おけるセンサの支持構造において、 前記振動減衰部材は、前記車体、該振動減衰手段及び前
    記センサからなる振動系において、前記センサ自体の固
    有振動数の振動域に対する振動伝達率が2未満となるよ
    うに形成されている車両におけるセンサの支持構造。
  3. 【請求項3】 前記振動減衰部材は、前記センサを前記
    車体に組み付けるときに使用されるインパクトレンチか
    ら車体に加えられる振動の振動数域における前記振動伝
    達率が1未満となるように形成されている請求項1又は
    請求項2に記載の車両におけるセンサの支持構造。
  4. 【請求項4】 前記センサは、車両旋回時に車体のヨー
    レートを検出するヨーレートセンサである請求項1〜請
    求項3のいずれか一項に記載の車両におけるセンサの支
    持構造。
  5. 【請求項5】 前記振動減衰部材は、前記ヨーレートセ
    ンサが検出する前記ヨーレートに影響する低い振動数域
    における前記振動伝達率が1以上で1.5未満の範囲と
    なるように形成されている請求項4に記載の車両におけ
    るセンサの支持構造。
  6. 【請求項6】 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記
    載の車両におけるセンサの支持構造で取り付けられたセ
    ンサと、該センサの検出値に基づいて制御を行う制御装
    置とを備えた車両。
JP10243084A 1998-08-28 1998-08-28 車両におけるセンサの支持構造及び車両 Pending JP2000074937A (ja)

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DE19940678A DE19940678A1 (de) 1998-08-28 1999-08-27 Montagestruktur für einen Sensor in einem Industriefahrzeug und Industriefahrzeug
US09/384,750 US6396163B1 (en) 1998-08-28 1999-08-27 Mounting structure for sensor in industrial vehicle and industrial vehicle

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003014045A (ja) * 2001-06-28 2003-01-15 Nitto Kako Kk 防振ゴム
JP2010132202A (ja) * 2008-12-05 2010-06-17 Fujitsu Ten Ltd センサ装置およびこれを備える車両

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